【ストライク・ザ・ブラッド 20.再会の吸血姫】 三雲 岳斗/マニャ子 電撃文庫

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戦場と化した絃神島で、古城はアヴローラと再び出会う!

真祖たちの乱入によって混迷を深めていく絃神島の領主選争。事態収拾の切り札である十二番目のアヴローラを連れて、志緒と唯里は絃神島へと向かう。しかし彼女たちを待ち受けていたのは、第二真祖“滅びの瞳”。包囲された志緒たちを救うため、第二真祖の支配地へと単身で乗りこむ雪菜だが――
そのころ古城は原因不明の飢えと渇きに苦しんでいた。集結した真祖たちと共鳴した眷獣たちの活性化が原因だ。そんな古城に第一真祖が告げる、眷獣たちの暴走を防ぐ恐るべき方法とは――
世界最強の吸血鬼が、常夏の人工島で繰り広げる学園アクションファンタジー、待望の第二十弾!
ついに、あの。あのアヴローラが再臨である。やっぱりこの娘、別格である。偉そうな古めかしい喋り方のくせに内気で弱気、儚げで可憐で健気で一途。このギャップは本編での再登場となっても凶悪極まる。ちょっと一緒にいたら好きになっちゃうのも無理がない可愛い生き物なのである。
事実、アヴローラのあまりの可愛さに次々と陥落していく彼女と行動することになった登場人物たち。だって可愛いもの、仕方ないよね?
だから、志緒と唯里が話していた、古城が雪菜と付き合わないのは他に本命が居るからだ、その相手こそアヴローラなのだ! という話、あながち間違いじゃないと思うんですよね。古城の心の中でアヴローラこそがずっと大きなものを占めていたのは絶対的に確かな話なのですから。
とはいえ、アヴローラと古城が付き合いだしてしまうと、雪菜が監視役というよりもただのヤバイストーカーと化してしまう、という想像図には吹いてしまいましたが。雪菜、同僚からも概ねそんな風に見られているのか。
まあアヴローラという大本命の再臨という自体ではありますけれど、雪菜もこれまで正妻として積み重ねてきたものがありますからね。何気に一番苦労しそうなのは浅葱の方かもしれない。浅葱はねえ、古城ベッタリじゃなく独自に頑張ってる自立した部分があるからこそ、という可哀想な面もあるんだけれど。本人のなかなか直截的な行動に移れない性格も大きいんでしょうけれど。
そうこうしているうちに、今回一番躍進していたの、カス子ですよね。何気に古城の面倒を甲斐甲斐しく見る、という部分で雪菜と張り合えるヒロインここまで居なかったですし、領主選争編ではドメインの領主の一人として大いに活躍しつつ、イロワーズ魔族特区の生き残りとしての生き様戦いっぷりも見せてくれましたし、その上で堂々とヒロイン戦線への名乗りあげですもんね。ここまでストレートにちゃんと好意を古城に突きつけた子って、なかなかいませんでしたからね。まあ優麻とかいましたけど。ラ・フォリアは腹黒すぎてカウント外w
それにしても、夏音、カス子、雪菜の三連夜這いは笑いましたけど、その子らみんなJC……。
そして、その一方で古城当人ではなく、牙城と深森の暁夫婦に勝手にご挨拶している煌坂紗矢華w 

三人の真祖たちの介入で大混乱に陥る領主選争は、終焉教団の主たる吸血王の目的とMARが黒幕という事実が明らかになり、ようやく全貌が明らかになってくる。その中で、アヴローラと古城の再会は決して幸せな再会とは行かない様相を呈してしまう。アヴローラこそ最後の贄。古城を第四真祖にした彼女こそが、古城を第四真祖として完成させるもの。しかしそれは同時に、幾つもの悲劇を招いてしまう。それを避けるために、真実を知った者たちはアヴローラを抹殺スべく動き出す。その中には雪菜の姿も。
果たして、古城が選ぶべき選択は。とクライマックスと盛り上がってきたところで、古城くんの雪菜への信頼がまた厚いんですよね。誰よりも大切なアヴローラを託すに足るは誰なのか。
その上で、ラストシーンがまた熱い。第四真祖という力も肩書も失いただの少年となった暁古城と、血の従者でもなくなり監視者としても意味を失ったただの少女、姫柊雪菜。そんな何者でもなくなったが故に、ありのままのただの古城と雪菜となった二人の、彼らの戦争(ケンカ)が今まさにはじまるのである。
まさにシリーズのクライマックスのはじまりに相応しい、次回への期待を膨らませてくれるシーンでした。これは次が楽しみ楽しみ。

シリーズ感想