【転生したらスライムだった件 15】 伏瀬/みっつばー  GCノベルズ

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ヴェルグリンドとの激闘の末、敵の手中に落ちた盟友ヴェルドラ。その事実はリムルを激怒させる。
そして命は下された、敵を殺しつくせ――と。
その命令に力を漲らせるベニマル達テンペスト幹部。さらに悪魔達を大量進化させ、テンペストと東の帝国の最終決戦がついに始まるのだった。そしてリムルは、ヴェルドラを救うため、さらなる進化を遂げる――。
リムル激おこ。いや、前回リムルがヴェルドラを奪われて怒髪天を衝いていざ逆襲を開始する、という所で終わったのでこの巻は冒頭から一気呵成の大逆襲、かと思っていたのに時間を巻き戻しての、並列存在として分裂したヴェルグリンドと悪魔三人娘、ヴェルドラたちとの戦闘を改めて詳しく、という構成になっててちょっと肩透かしを食らってしまった。前のめりになってたからなあ。
ただヴェルドラVSヴェルグリンドの姉弟対決はちゃんと詳しくやってくれないとどうやってヴェルドラが支配されてしまったかがわからなくては困るしなあ。それに、ヴェルドラがリムルとの親友関係をどれだけ大事にしていたのか、というのがよくわかるエピソードでもあるんですよね。リムルがあれだけ本気で怒ったのは、親友であるヴェルドラとの繋がりを絶たれたからなわけで、それだけリムルにとってもヴェルドラの存在は特別であることがわかるのですけれど、ヴェルドラの方もリムルの存在ははじめての友達ということもあって非常に大事にしてるんですよね。怖いお姉ちゃんの襲来に及び腰で迷宮に引きこもってやり過ごそうとまでしていたのが、直接対決する決意を固めたのもルドラの支配をリムルに及ぼさないためにリンクを自ら断ち切ったのも、全部リムルのためですもんね。リムルからもらった服を燃やされてしまったのにもおこでしたし、リムルが関わると引かないんだよなあ。
しかし、ラファエルさんがさらに進化してしまうとは思わなかった。確かに最近、ラファエルさんミス多かったけど本人?も結構気にしてたんだ。現状の『智慧之王』状態でもその計算能力での補助は助かるなんてものじゃなかったのに、神智核「シエル」へと進化してしまって手がつけられないことに。いや元々わりとさり気なく好き勝手やってたけど、それぞれ本人が同意したからといって勝手にリムルの配下たちのスキルを合成進化させまくるというのはなんともはや。オマケに、ほぼ独力でヴェルグリンド完封してしまうし。これシエルさん浮かれまくってかなりイケイケになってしまってたとしか思えない。ご本人幸せそうなのでいいのですが。
ただ個人的には一番最初の「大賢者」呼びが一番好きだったんですよね、何となく。
リムル自身もさらに進化してしまいましたけど、リムルの怒りに呼応して臣下が進化してそのパワーアップ分がリムルに逆流してリムルもパワーアップって、毎度ながらマッチポンプ? 永久機関? 的な循環強化だよなあ、これ。スライムにして竜種にもなってしまったリムル、もう存在自体意味不明なモノになってしまってまあ。
ここで進化の勢いに任せて戦いも一気に決着、と行かずにいちいち登場キャラ全員に活躍の場を用意してしまうのが本作の特徴ではあるんでしょうけれど、今回は特にキャラが多すぎ! 全員拾ってたらそりゃページ数ガンガン増えますわ。さらにカリオンたちまで魔王覚醒させてしまいわけですから、やや展開が間延びした感があるのは否めないんじゃないでしょうか。怒りでパワーアップって、その熱量が保たれている間にガガガガと進めないと、加速度的に熱は冷めてってしまいますしね。まあ結局リムルの怒りもヴェルドラが無事とわかった時点で収まってしまうものでしたし。
ただ、近藤はあれだけ苦戦というか、彼の能力に直接戦闘のみならず謀略や妨害などで苦しめられただけにあっさりではあったなあ、と。ダムラダもずっと怪しいというか不可解な動きをしていた理由がようやく明らかになったけれど、それも結局こっち側に丸投げ、という形になってしまったなあ。
まあルドラの状態が思っていたのとはだいぶ違っていた、というのがわかってスッキリしたけれど。ということは、勇者マサユキの扱いも危惧していたスペア扱いとかではなかったということなのか。
ヴェルグリンド姉さんの純情がどうやらちゃんと報われそうなのは、良かったというべきなのか。マサユキくんにちゃんと春が来そうで良かったというべきなのか。

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