【神域のカンピオーネス 5.黙示録の時】 丈月 城/ BUNBUN ダッシュエックス文庫

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ヒューペルボレアで繰り広げた太陽神アポロンとの戦いによってカサンドラを奪還した蓮たちは、芙実花と厩戸皇子を羅濠教主の下に残し、地球へ帰還の途につく。しかし、その際に「聖ヨハネの魂」に出会う。聖ヨハネは蓮たちに、地球滅亡の兆しがある、と告げる。聖ヨハネの警告を受け、地球に戻った蓮たち。地球はかつて無い程の異常気象に直面し滅亡の一途を辿っていた。その時、蓮の目の前に女神アテナが姿を現す―!!彼女は蓮に宣戦布告をし、地球に終末の時を迎えさせるべく、世界各地を駆け巡る!!蓮は、アテナと終末の時を阻止することが出来るのか…!?地球滅亡を懸け、「神殺し」とアテナとの決戦が始まる―!!

蓮とカサンドラ、こそこそチュッチュしすぎ! 梨於奈がいるところでも構わず、彼女が見てない後ろでじっと見つめ合ったり、ハグしたり、チュッチュしたりとイチャイチャイチャイチャ。
完全に二人の雰囲気作っているにも関わらず、全くその空気に気がついていない婚約者(笑)の梨於奈さん。後ろでチュッチュしているのにも全く気がついていない梨於奈さん。さすがです、さすがの恋愛リテラシーの低さに定評のある梨於奈さんである。
一方で、これ蓮とカサンドラはそんな梨於奈を出汁にして楽しんでますよね、これ。バレてはいけないというスリルを味付けにして、背徳感をスパイスにして、コソコソイチャイチャ。バレたらバレたで全然気が引けた様子もなく、むしろ堂々と見せつけてさらにイチャイチャ。
そんなのを見せつけられて、婚約者(笑)であることも論破されて、色んな意味でメタメタにされてしまう梨於奈さんが不憫、に対して思えないのがこのお嬢様のイジられ上手なところなのでしょうか。怒るよりも動転してしまってあたふたしているところが可愛らしくもあります。以前みたいに、蓮に対してサバサバした関係でいられたのなら、別に蓮とカサンドラがどうこうしようが関係なく動じる必要もなかったのにねえ。
あのチャラ男くんにまんまと落とされてしまっていたお嬢様キャラなのでした。

とかやってるうちに、アテナによって着々と滅亡の一途をたどる世界。物理的な破壊ではなく、これってもう神話的終末なものだから、人類にどうこう出来るたぐいの話じゃないんだよなあ。わざわざヨハネ黙示録の著者とされる聖ヨハネさんご本人が登場して、終末のはじまりじゃー! と宣言してもらうほどでしたし。
ここまでくるとアテナをどうこうする他ないのだけれど、ぶっちゃけここまで世界の破壊神にして新たな世界の創造神となるまで発展しきっちゃった神様相手だと、蓮じゃあ役不足感は否めないところがありました。彼、やっぱり歴代のカンピオーネと比べるといささかデタラメさというか無茶苦茶さというか、理不尽さや生き汚さが足りない感じだったんですよね。実際、死にかけた時もあっさり受け入れて死にそうになってましたし。蓮くんってどうも責任感とか使命感とか好奇心とか独善性とか、ガツガツした意志力や強い動機、目的意識に欠けるところがありましたから。その何物にも囚われない飄々とした流転の生き様こそが、チャラ男を自認する彼の特徴であり長所でもあったのでしょうけれど、果たしてカンピオーネとしてはどうだったのか。
おかげさまで、よりにもよってアイーシャ夫人なんていう決して触れてはいけない最終兵器に神殺し殺しの剣に修正力さんに運命力さん、という厄災そのものだったりカンピにとっての天敵、或いはカンピが天敵!な存在に総掛かりで支援してもらって戦うことに。
特に歴史の修正力さんとか、カンピオーネにいつも泣かされてガン泣きしながらシッチャカメッチャカにされた歴史を必死に修正してまわって、片っ端から台無しにされるという酷い目にあってるにも関わらず、今回は手を貸してくれたという器の大きさには敬意を抱いてしまいました。
しかし、よりにもよってアイーシャ夫人に手伝ってもらうとか、いくら切羽詰まってたからって。とはいえ、蓮のキャラってアイーシャさんとは何気に波長合うんですよね。彼女が何やらかしても蓮の場合気にしなさそうだし。
ただ、ラスボスがアテナだったのはなあ。アテナについてはどうしても護堂さんの好敵手というイメージが強いだけに、最後まで微妙にしっくり来ないなあ、という感覚がつきまとったような気がします。
さて、これで終わりかと思いきや、いや蓮が主人公のストーリーはこれで終わりみたいですが、さらにカンピオーネたちを総浚えしての新展開がある模様。
どう転んでも元凶がアイーシャさんになりそうなのは、色んな意味で流石すぎる。今回のシリーズで起こった事件もみんな根本を遡ると全部アイーシャさんに行き着くわけですし。とんでもないキャラを生み出してしまったものである。

シリーズ感想