【聖剣学院の魔剣使い 2】 志瑞祐/ 遠坂 あさぎ MF文庫J

Amazon
Kindle BOOK☆WALKER

1000年の時を越えて転生した最強の魔王レオニス(10歳)は年上の美少女リーセリアに保護され、〈聖剣学院〉に入学した。〈第〇七戦術都市〉を襲った〈ヴォイド・ロード〉を圧倒的な力で蹂躙し、魔王群復活の狼煙を上げたレオニス。そんな矢先、帝国の第四王女が来訪するとの情報を手に入れる。世界征服の布石を打つため向かった先には、なぜか同じ寮で暮らすメイドお姉さんがいて──。「レギーナさん、どうしてここに?」「少年、お姉さんがお菓子を買ってあげますよ。それとも胸を揉みますか?」「露骨に誤魔化した!?」軍港を襲撃する〈ヴォイド〉、暗躍するテロ組織、その裏では〈魔剣使い〉の恐るべき計画が動き始めていた──!

リーセリアってば、レオニスくんにダダ甘というかもうすげえ過保護というか。お姉ちゃん属性が爆発してるぜ!!
レオニスの方はリーセリアの方を将来有望な眷属だ、右腕候補だ、と上から目線で見てるつもりなんだけど、セリアさんの方は完全に弟扱いだよね。セリアの方も頭ではわかってるんだろうけど、レオニスの詳しい素性についてはまだ明かされてないんだっけか。そのお陰で年下の手のかかる可愛い男の子という認識がしつこい油汚れのようにこびりついているようで、ダダ甘お姉ちゃん全開なのである。
これでレオニスの方が度々子供らしくない魔王としての顔を見せるならともかく、内心で色々と冷徹な魔王として考え巡らせてはいるのだけれど、それを表には一切出さないでその言動は丁寧で礼儀正しい少年というスタイルは崩さないので、読んでるこっちもショタっ子なのが基本認識になってしまって、おのれ主人公のくせに可愛げがありすぎるw
何気に魔王時代からの仲間であるメイドとワンコも、今の所食いしん坊に方向音痴のコンボを決めてたり、速攻で女の子に飼われる飼い犬プレイに勤しんでたり、とポンコツ面の方が強調されていて魔王勢が愉快な人たち、になってたりw
いやしかしホントに面白いなあ。なんだろう、特別ここが凄いという特徴は見受けられないし、話の筋立てそのものもオーソドックスの部類だと思うのだけれど、とにかく読んでてすこぶる面白い。
エンタメとして盛り上げどころの緩急が実に巧妙に仕上げている上に、そこに個々のキャラのアクションとしての活躍とキャラクターそのものの掘り下げがバランス良く繰り広げられてるんですよね。今回メインとなるレギーナのみならず、咲耶やエルフィーネの方も出番自体は少ないにも関わらず、彼女らのバックグラウンドが気になって仕方なくなる展開が盛り込まれてるし。
順調にヴァンパイアクイーンとして成長する様子がダイナミックに描かれるセリアに、その素性から今回のゲストヒロインである王女さまへの複雑な思いを抱くレギーナさんといい、様々なアプローチで見せ場が用意されているし、締めるところはちゃんとレオニスが締めるしと、構成が巧いんだろうな、これ。
さらに、レオニスが魔王になった事情に絡めるように、謎の女神を崇拝する敵集団の登場にそれらが「魔剣」を有するという物語の根幹をなすストーリーもグイグイと進展させていく推進力。
第一巻でも随分驚かされましたけれど、2巻でこれはガッチリとその面白さがハマった感がありました。これは本格的に躍進しそうなシリーズになりそうですよ、期待大。

1巻感想