【ストライク・ザ・ブラッド 21.十二眷獣と血の従者たち】 三雲 岳斗/マニャ子 電撃文庫

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十二人の『血の伴侶』を招集せよ! 古城のため雪菜たちが下した決断は!?

死闘の末に吸血王を倒した古城たちだったが、シャフリヤル・レンの策謀によって、異境へと墜ちたアヴローラ。第四真祖の力を手放し、ただの人間に戻った古城に、彼女を救い出す手段はない。だが、苦悩する古城たちの前に現れた第一真祖キイ・ジュランバラーダが、意外な取り引きを持ちかける。キイが古城に与えたのは、新たな漆黒の眷獣たち。無理やり植えつけられた眷獣の影響で、理性を失い、怪物化する古城。残された雪菜たちは、眷獣を制御するために必要な十二人の『血の伴侶』を集めるべく奔走するのだが--
世界最強の吸血鬼が、常夏の人工島で繰り広げる学園アクションファンタジー、待望の第二十一弾

12人の怒れる嫁たち、とでも副題を貼り付けたくなるヒロイン総結集編。いや別に、怒ってるの浅葱さんくらいであったのですけれど、浅葱が怒ってるとそれが総論になりそうなあたりに彼女の存在感の凄まじさが伺える。
実際、これだけヒロイン格が勢揃いしたにも関わらず、いやだからこそか。藍羽浅葱という女性の格の違いを思い知らされた感がある。
圧倒的正妻な雪菜であっても、浅葱にはある意味これ敵わないよなあ、と痛感させられたと言ってもいい。このメンツの中で浅葱の「格」に向こう張れるのってラ・フォリアくらいなんじゃないだろうか。
那月先生はメンバーに含めていいのかいささか微妙な立ち位置ですし。
ちなみに眷獣と喧嘩するメンツには堂々と参加していた先生ですけれど、これが血の伴侶としてならどうしたんでしょうね。自分としては妃崎霧葉が血の伴侶としても手を挙げたのは意外でしたけど。この人は古城に対してもっとドライな立ち位置だと思っていたので。
ただ、展開として大人しく血の伴侶を十二人集めて、古城を誘惑して血を捧げてるだけとはいえ血の伴侶たちには贄という形で眷獣たちを鎮撫する、という形ではなく眷獣どもを物理的に殴り飛ばして黙らせている間に本体の古城の方をなんとかしてしまう、という腕力に頼ったやり方になってしまったのには笑ってしまいましたが。

チカラづくかよ!!

眷獣よりも嫁たちの方がよっぽど強くて怖いんだよ、という真理を古城の魂に刷り込むかのような所業である。
寵姫として古城のハートに訴えかけ、ヒロインとしての魅力で眷獣たちを大人しくさせていくという、古城からの寵愛を争うような或いはハーレムとして嫁同士協力してのプレイ、みたいな雰囲気をそんなんやってられっかーー! と盛大に蹴っ飛ばしてみせた浅葱さん、パネエっす。雪菜たちはわりとその気だったのにw

しかしこれ、結局集まったのって十二人どころじゃなかったですよね!?
まあ血の伴侶、という縛りがなくなったと言えばなくなったので血を吸う云々はお断りとか倫理的にダメですよー、な那月先生とか小学生な江口 結瞳とか、実妹な凪沙も参戦できたので12人縛りは実質なかったのですけど。戦車乗りのリディアーヌとか忍者趣味の夏音の護衛のユスティナさんなんかも血の伴侶とは関係なかったですしね。

事前の予想であげていたメンツ。姫柊雪菜/藍羽 浅葱/煌坂 紗矢華/ラ・フォリア・リハヴァイン/香管谷 雫梨・カスティエラ/仙都木 優麻/叶瀬 夏音/羽波 唯里/江口 結瞳/アスタルテはほぼ当たりだったのですけれど、アスタルテが自前で眷獣抱えているので血の伴侶になれない、というのはちょいと驚きではありました。でも人工眷獣を維持するために古城と魔力連結していたのでいわば事実婚状態になるのか。
セレスタは姿形も見えず。グレンダはイドの方に行ってしまっている、という事で数には入らず、古城に好意を持っているとは思わなかった妃崎霧葉と斐川志緒の二人が参戦、って志緒さんってばあんたの好み、古城じゃなくてオヤジの方の牙城じゃなかったんかい。
ともあれ、今回の血の伴侶招集はともかくとして、実質的な将来の嫁候補者はこの12人にプラス・アヴローラという事になるのでしょう。
この中でも特にカス子こと雫梨は敢えて雪菜と設定かぶらせてきた上で雪菜と対等クラスまで正妻としての存在感を高めてきてるんですよね。後発組でここまでメインに食い込んでくるのって何気に凄いんじゃないだろうか。今回も雪菜とセットでバニーガールの格好して古城への誘惑担当に収まっていたわけですし。
それに比べてチョロ坂さんと来たら、小学生の結瞳にまでお前は所詮愛人枠だから弁えろ(意訳)とか言われちゃってるの、さすがである。

今回は第4真祖の力をアヴローラに返してしまい、人間に戻ってしまった古城がアヴローラ救出のためにもう一度チカラを取り戻すための準備回でもあったわけですけれど、同時にやっとこ世界観の基軸となる歴史の背景がわかってきて、色々と理解が行き届いてきた感がある。
特に咎神カインの真実、世界の脅威とされてきた謎の存在がどのような人物だったのかが、グレンダの記憶からはっきりと見えたことで、ようやく世界の謎がすっきりしてきた感がある。聖殲という浅葱が引き継いだ異常すぎる力の正体とか、意図不明だったものの正体がわかってくると物語の方向性も随分と行き先が晴れ渡ってきた感があるんですよね。
第一真祖キイ・ジュランバラーダ、第二真祖アスワドグール・アズィーズ、第三真祖ジャーダ・ククルカンの三人とカインの関係。吸血鬼とその眷獣が生み出された理由。そして第四真祖という人工の吸血鬼が作られた意味。ここまで明らかになってくると、物語も本当に最終盤なんだ、という実感もそろそろ湧いてきたかも。
にしても、囚われの姫の救出劇って、やっぱり真ヒロインってアヴローラ・フロレスティーナだよなあw そしてアヴローラのキャラからして、他の嫁たちから猫可愛がりされる姿が容易に想像できてしまうぞw

シリーズ感想