そして、楽園はあまりに永く―されど罪人は竜と踊る5

【されど罪人は竜と踊る 5.そして楽園はあまりに永く】 浅井ラボ/宮城  スニーカー文庫

 ここまでやり切れる浅井ラボ氏がいっそ羨ましいです。
 間違いなくライトノベルと呼べるカテゴリーに属する作品でありながら、これほど『ライト』の名が似合わない作品、ありますか?
 これほど鬱々として凄惨で残酷でグロテスクで無慈悲極まりない吐き気のするような内容でありながら、恐るべきは疑う余地なくこの作品の隅々までが愛を語る物語であった事でしょう。その愛は決して捩れたものではなく捻くれたものでもなく狂気という陳腐なもので歪められたものでもなく、痛々しいくらいのまっすぐで切々とした愛の物語。
 第二巻である人物がこんな台詞を吐いています。

 この世に正義と悪の戦いなど存在しない。すべての戦いは愛と愛、正義と正義が戦うのだ

 どうしてこの人の描く愛はこんなにも誠実で真摯で清冽で、絶望的なんだろう。
 しばらくまともに恋愛ものを見れる気がしません。それほど今回は凄まじくキツかったです。
 浅井ラボという才気が気化爆発したかのようなされ竜第4巻でした。

 これ、絶対R指定。残酷描写が本当に苦手だという人は回避をオススメする。私自身、これでこの手の残酷描写が苦手なんだと初めて知った。