斬魔大聖デモンベイン―機神胎動

【斬魔大聖デモンベイン 機神胎動】  古橋秀之/Niθ 角川スニーカー文庫

 うーん、覇道鋼造って姫さんルートのなれの果てなのだとすると、あのアルへの態度はアレぐらいで妥当なんだろうか。アル派の私としてはもうちょっとリアクション欲しかったなあ、と物足りなく思ったり。でも、最後のアルへの訴えは胸に来た。
 デモンベインの外伝としては、丁寧なつくりだったと思う。ゲーム中では語られなかった鋼造やアル、マスターオブネクロノミコンといった過去の空白を埋める話の筋は補完ものとして痒い所に手が届く作りだし、デモンベインの世界観の中でのまた別の物語としてもとても上手く纏めていると思う。
 ゲームではアルは過去の自分は非情で冷たかったと述懐してるけど、確かに九朗相手のようにマスターにのめり込んではいないものの、マスターに対して気を使ってるし、彼女が自分が使い捨てていく者たちの末路に傷ついている姿など、ああ昔からアルはアルのままだったのだなあ、と感慨深い。うー、でもやっぱりアル分が足りんなあ(苦笑)
 他にも、個人的にはもっとフルハシフルハシしたギラギラギトギトグチャグチャしたものを前面に出しても良かったような気がする。デモンベインという作品には古橋氏の尖った部分を受け入れるに足るキャパシティがあったはずだから。それでもぬるい感じをさせないのはさすがというべきか。
 ともあれなにあれ、デモンベインをやった人には十分以上に満足できる出来だったのは間違いない。やった事の無い人がどう受け取るかはちょっとわかんないです。こればっかりは未プレイでないと分からない部分があるし。多分、大丈夫だと思うんだけど。