殿がくる!
殿がくる!】  福田政雄/相楽ヒロカズ  スーパーダッシュ文庫

第3回スーパーダッシュ小説新人賞佳作受賞作。
現代にタイムスリップしてきた織田信長が何気に順応しながら、しっちゃかめっちゃか大暴れ!
普通程度のドタバタコメディかと思いきや、途中らへんからなんか一気に化けたなあ。突然キャラクターがギュッっと締まったというか、それまで地についてない感じだったのが急にしっかりと噛み合ったというか。
とにもかくにも、信長大好きでラブコメ大好きな者としましては大満足の一品でした。わたくし、こういう鞘付きで抜き身でない信長って結構嫌いじゃないんですよね。
正直、政治関係の展開はタイムスリップより荒唐無稽としか言いようがないんだけど、部分的に説得力のあるところがあるものだから、襟首だけ出っ張った釘に引っかかってビルからぶら下がってるみたいに不快感めいたものを感じてしまう(作品に対しての不快感じゃなくて、馬鹿話と笑い飛ばしきれない不快感ね)。いっそ本当に荒唐無稽か本当に説得力のある話だったらもっとすっきりしたんでしょうねえ……でも、そうなると作品自体が特徴のないものになってしまうか。このあやふや感の所為で印象が強いってのも確かだし。
まあごちゃごちゃ言わず感覚的にスパッと楽しめる類の作品でしょうね。ラブコメとして充分以上に私を満足させてくれる作品でしたので、わたしゃ大満足でした。