半分の月がのぼる空〈3〉wishing upon the half‐moon
半分の月がのぼる空 3.Wishing upon the half−moon
】 橋本紡/山本ケイジ  電撃文庫

 主人公17歳なんだけど、何度読んでも中学生くらいにしか見えんなあ。すっげえガキ。でも、このガキなりの必死さがとてつもなく沁みるのよね。実際、現実の高校生ってこんなもんっすよ。自分もまわりもこの程度だった……と言いたいところだけど、やっぱこいつらガキだって。せいぜい中学にしか見えん(苦笑)

 これまで傍若無人だった里香が妙に柔らかい。刺々しい雰囲気が和らいでしまってる。それが逆に薄ら寒い。まるで全てを受け入れて諦めてしまったかのようで。でも、違う。彼女は殻を脱いで強くなったのだ。止めたのは諦めることだったのだ、きっと。
目前の死を静かに受け入れながら、でもそれを乗り越えたいと真摯に願う。手術の前、少年に渡した本に挟まっていた栞。読んだとき思ったね。橋本紡、ここに極まる、だ。
 新月、彼女の微笑み、カメラ。まるで積み木のように予感を積み上げていく。嫌らしいほど訥々と重ねていく。凄いね。この人、ずっと見上げてた段をこの巻で登っちゃったね。次の階梯にさらにあがるか、それとも一時だけかは流動的。
 いっそここで終わらせても良かったようにもおもうんだけど、まだ続けるからにはそれなりの思惑があるはず。
 どんなラストを用意しているのか。話の流れからして如何様な結末もありうるように思えるので、楽しみでもあり怖くもあり。
 しかし、この主人公幼馴染いやがんのか、って前回までに登場してたか(汗
 別に主人公のこと好きでもないくせに(実は好きってことはないと思われ)、幼馴染に好きな娘が出来てなんだか不機嫌になってるこの娘、ちょっといいなあ。