約束の柱、落日の女王】 いわなぎ一葉/AKIRA 富士見ファンタジア

第16回ファンタジア長編小説大賞準入選受賞作。
うへえ、あんまりこういうこと言いたくないんだけど……へたくそ(w
とてもじゃないけど、人に読んでもらうことを考えてないような文章で、読みにくいったらありゃしない。おまけに情景描写は殆どないものだから舞台の芝居でも見せられてる感じだし、人の気持ちの変転が少なくとも文章上では前触れなしに(作者本人はあるつもりなのかもしれない)コロッと変わってしまってオイオイオイってな感じで、最初はなんだかなーと思いながら読んでました。

でもね、ぶっちゃけ、文章のへたくそさなんて、人によっては書いてたらなくなっていくものなんです。上手くなれる領域のことなんです。実際、この作品、中盤くらいからどんどん読みやすいすっきりと整頓された文章になっていきました。既に書いてる最中に書き方は上手くなってる。ラストも安易な形にせずに自分のやりたいようにやってるのは好印象(あれが良かったかはどうだろうって感じですけど)
そして、一番大事な物語のきらめきが、単純に技術だけでは言い表せない何かを、この人は持ってると信じたい、そう思わせる何かがありました。
いや、物語はベタですよ。文章も下手で物語もベタで内面描写も稚拙で、正直褒めようと思うと言葉に詰まってしまいます。それでも、なにか惹かれるものがある。一読して忘れてしまうには勿体無いと思わせるなにかがある。はっきりいってそれがなんなのか具体的にはワカリマセン。曖昧模糊として漠然とした感覚に過ぎない。でも、魅力的なストーリーというものには、間違いなくその説明しがたい何かが秘められているものなのです。これがないものには凡庸という評価以上のモノは生まれない。磨けば光る原石なのか。それともただの石なのか。
ああっ…………富士見ファンタジアって研磨苦手なんだよなーーっ!!

 あっ、一つ具体的な褒めたいところがありました。
 この人の描く《拷問》描写は、その情景を想像すると胸がキュンと締め付けられました(笑)