推定少女】 桜庭一樹/高野音彦  ファミ通文庫

桜庭さんという方も、抽斗が多いというかなんというか。
富士見ミステリーで『GOSICK』書いてますって言われてもわかんないですよ、これ。
方向性としては確かに『赤×ピンク』なんだけど、あちらが女を描いているのに対して此方は女の子。中学生の女の子。
しかも僕少女ですよ、僕少女。社会的迫害を受けてるしー。僕って言ったら白い目で見られてるしーっ!
あんまり頑張らずに生きていきたいというその考え方には、もうどうしようもないくらい共感を覚えてしまいます。ダメになるよー。
不思議なのか不思議でないのか微妙な境界線で話が進んでいく中で、妙に大人たちが攻撃的なのはカナの主観なんだろうか。このぐらいの子が大人たちから上から見下ろされるようにまくし立てられたら、そりゃ怖いよな。人ってなかなかニュートラルな状態で子供に向き合えないものだし、特にカナのような立場に立たされた子供に対しては予断ってものが入るものだろうから。
でもやっぱり、決め付けられるってことは悔しいことなのよ。たとえそれが正しくても悔しい。屈辱的。この娘はぽーっとほんわかしてるのでそこらへんの感情は決して刺々しいものではないんだけど。あ、でも評論家相手に言うべきことを言い切ったのはこの娘が単にぽわぽわしてるだけの小娘ではないってことなのか。面白し。
GOSICKの方はわりとキャラがステロだと思うんだけど、もしかしたら根っこや背景にこの推定少女や赤×ピンクみたいな独特の感覚が神経を張り巡らせてるのだとしたら、妙にこちらの心を擽るヴィアとクジョウのやり取りはそこらへんに端を発しているのかも。
さっそくGOSICKの三巻が来月にも出るんだけど、こういうの見せられるとあっちも楽しみ。