【吉永さん家のガーゴイル 3】 著:田口仙年堂  ファミ通文庫

 やー、傑作! ハートフルコメディのお題目は廃れるどころかますますパワーアップしてる感があります。文部省推薦にしませんか、これ?
 ここ数ヶ月に立て続けに刊行している本作ですけど、まじいいっすわ。ここまで楽しく笑わせてくれて、じーんとさせてくれる作品はなかなかないです。
 今回もガーくんは結構脇。主役は徹頭徹尾吉永さんちの長女双葉。他作品でも類を見ないほど凶暴な女子小学生。その彼女にガーゴイルを作った錬金術師のおねーさんが試作した植物と話が出来るヘルメットというメルヘンチックな装置が被せられて取れなくなる、という筋なのですが。これが建前通りのメルヘンな展開で進みつつ、同時に冷徹なほど現実的な観点を当然のように添えていくこのバランスというか混ぜ具合がまた絶妙なのです。最後、あの結末というより、普段はなよなよしていて女みたいな双葉の兄和己の妹への優しさに、ちょっと泣きそうになりました。っていうか泣くよ、悪いか!
 この町とそこに住む人々に幸あれ、まさにそんな気分になります、はい。


吉永さん家のガーゴイル 3 (3) →bk1 →blogmap