復活の地 1
【復活の地 機曄‐川一水
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最新作がその人の最高傑作、というのは誰に対しての言葉でしたかね。
『第六大陸』『導きの星』という傑作SFを完結させ、いま乗りに乗ってる小川一水氏の最新作『復活の地』。参りました、すごいです、すごいとしか言えないです。
この人の見識の広さ加減は本当に見当がつきません。著作並べて見てくださいよ、よくもまあこれほど多方面に手を伸ばせるものです。また、その見識を面白い小説に仕立て上げる腕もまたすごい、というか今まででも充分見事だったのに最近またメキメキ技量が上がってるんじゃないだろうか。本当に面白いってばさ。
で、ヘリパイロットに郵便配達、地中採掘に深海探査、戦場医療に近未来月開発に文明育成シミュレーションと来て次はこれ。

死者50万、国家機能崩壊
すべてが崩壊した国家に、再興の途はあるのか?

王紀440年、惑星統一を果たしたレンカ帝国は、今まさに星間列強諸国に対峙しようとしていた。だが帝都トレンカを襲った大災厄は、一瞬にして国家中枢機能を破壊、都民50万の生命を奪った。植民地総督府の若き官僚であったセイオは、亡き上司の遺志に従って緊急対策に奔走するが、帝都庁との軋轢、陸軍部隊の不気味な動向のなか、強力な復興組織の必要性を痛感する……。崩壊した国家の再生を描く壮大なる群像劇、全3巻開幕!


今回のテーマは大地震で壊滅した国家の復興事業。冒頭から続く首都を襲った大地震の被害の凄まじい描写には、息を呑むばかり。ここまで迫力ある凄絶な描写が出来る人だとは思っていなかった。いや、『導きの星』で核を使用された時の描写を思い出せば、量自体は短かったけれど既に垣間見せていたと
考えるべきか。
皇族・閣僚・議会・役所すべてが根こそぎ壊滅し、事実上その機能が死んでしまった国家をいかにして建て直していくのか。今はまだ、復興という段階ではありません。街はまだ粉塵立ち込め死に切れない人々の呻き声がこだましている状態。僅かに生き残った復興事業の中枢を担うべき人たちも、それぞれ腹に一物を持ち、一致協力してこの事態に立ち向かうかどうかは怪しいところ。すべてが暗中にあり、なんの予断も許せない状況です。
ああ、もうたまらん。すっげー次巻が楽しみ。

ここにはきっと真の公僕というべき姿の一つの在り方が描かれていると思います。

分かっていたつもりだったけど、阪神大震災って本当に不幸中の幸いだったのだと、これ読むと実感します。あれが起こっていたのが早朝ではなく朝のラッシュ時なら、昼間や夕方だったなら。

何が起こっているのかまるでわからない混乱と恐怖、緊張。それでいて呆然とするしかない虚脱感。
この作品の中にはちゃんとあの空気が流れていました。