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書籍感想(2010〜

パラケルススの娘 9.メフィストフェレスは踊る4   

パラケルススの娘 9 メフィストフェレスは踊る (MF文庫J)

【パラケルススの娘 9.メフィストフェレスは踊る】 五代ゆう/岸田メル MF文庫J

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冒頭の夢の中での多華が吐露した本音には泣かされたなあ。現実世界では立場もあって決して明かさなかった孫への愛情、今はもう失ってしまったものへの痛切な思い。それを夢の中でしか口にできないつらさ。かつて自分が切り捨てた者に縋る気持ち。彼女にとって睦月は本当に大事な人だったんだなあ。それを自らの手で討ち果たさねばならなかったことが、どれほど彼女を傷つけ続けたのか。その傷の痛みにずっと耐えながら当主の座を守り続けなければならなかった苦しさが如何ばかりだったのか。今まで頑なに表に出すことをしなくて、彼女が本当は何を思っているのか、その一番奥深くの大事な部分が見えていなかっただけに、それだけに彼女が見せた本当の気持ち、その切実さにはやられたなあ。
そんな誰にも明かさなかった彼女の気持ちを一番分かっていたのは、やっぱり睦月以外の誰でもなかったわけか。夢の中でとはいえ、彼女がずっと溜め込んできたものを吐き出させた彼は、たとえ死していても、二度と会うことが叶わぬ身でも、今でも忠実な彼女の従者のままなのでしょう。

その彼が、何故かあのリース警部とセットになって、この事態に当たることになるとは意外も意外な展開になったなあ。彼が自身で言っていたように、彼の存在はこの危機に際しては遊軍であり、それは本来夜の側とは関わりのない一般人でありながら、クリスティーナへの執念と刑事の勘によって踏み込んではいけない部分にまで入り込んでしまったリース警部の立場と重なることになったからなのだろうけれど。あの傲岸不遜で人の話を聞かないことこの上ない警部が、度重なる不可解な事象に参っていたとはいえ、睦月の言に従って一緒に動くことになるとは。いやはや、現実とは時に奇妙極まりないことになるものである。何気に、今回一番危ない橋を渡っていたのは、調べ者に徹していた女性陣やバ(略)ではなく、彼らでしたしね。

クリスティーナの裏切りにもめげず、彼女(彼?)を信じて自分たちのできることを全力でやり続ける少女たち、そして囚われの身になりながらもめげることも心折れることもなく、シモンに立ち向かい続ける遼太郎。みんな、当初に比べて本当に心が強くなった。心折れ、鬱屈し、未来への希望も失い、失意とともに訪れたロンドンで、少年は信じるべきものと信じるにたる自分のありようを見つけ、いつの間にかこんなにも強くなっていたんだなあ。そんな彼を支えたのが、彼を絶望に浸る間も与えずに振り回し続けたクリスティーナであり、そのクリスティーナもまた、この東洋からただ一人の友人が送り込んできた少年によって、千年の停滞からはずれ変化を迎えていたのだと、彼女の傍らにあり続けたレギーナは語るのだけれど、本人は認めたがらないだろうなあ(苦笑
この人はやっぱり捻くれものだし意地っ張りだし、変に意固地だし。
だからこそ、真っ当な説得ではなく、今シモンが引き起こしつつある壮大な霊的実験など一顧だにしないような、遼太郎のあの身も蓋も無い、普段の不精や奇矯な振る舞いを嗜めクドクドとお説教するのと何も変わらない、普段の日常でのそれそのままの、だけれど誰よりも真摯にクリスティーナの身を案じ、クリスティーナの在り様を尊重し、訴えかける説教は、素晴らしく心に響いたわけで。
あんなふうに言われたら、どんなに頑なになっていても、千年の重みから逃れようと無我夢中になっていようと、普段のあの太平楽な日常に引き戻されて、やれやれ仕方ないなあと文句をぶうぶう垂れながら、嫌味と皮肉でチクチクと攻撃しながらも、言われたとおりに腰をあげるしかないじゃないですか。
そのとおりにクリスティーナが思い立ったのか、あのラストでのまたぞろここでとめるんかい! という衝撃的展開の具体的な真実は、それこそ最終巻であるところの次の巻になってみないと分からないわけですけど。
でも、それにしても、遼太郎のあのお説教はよかったなあ。もう、あんまりにも身も蓋もなさすぎてw シモンが珍しく頭に来てるのも、まあ仕方ないでしょう。自分が崇高と信じている行動原理を、あんなふうに言われちゃあねえ。いや、ぶっちゃけ、遼太郎の言うとおりというのが、やっぱり身も蓋もないわけですけど。
前回のシャルロットへの慈しみに満ちた言葉といい、遼太郎の口から紡がれる言霊の美しさと力強さは、ほんと凄いよなあ。

今回の注目は、やっぱりバ(略)の人の覚醒でしょう。幼稚なお遊びにかまけ、現実を直視せず自分の殻に閉じこもったままだった彼も、その情けないあり方から目をそむけるのをやめ、ついに自分の限界と無力さを認めたうえで、自分のできることを全力で行いだしたわけですけど、うんうん、よくがんばった。がんばったよ。
そして、自発的にそれに気づき、自分を変えたいと願うまでじっと待ち続け、そっとその先へと導いた母親の伯爵夫人の賢明さは、尊敬に値する。この危機に際しての迅速な対処や、少女たちへの気遣いようといい、頼もしさは半端なかったもんなあ。
こういうしっかりとした大人が傍にいてこそ、子供たちは自分たちの持つ可能性というものをつぶさずに開花させることができるんだろうなあ。

少年少女たちの努力にもかかわらず、ついにシモンが仕掛けた一連の罠は発動のときを向かえ、倫敦は闇に堕ちる。そんな中でついに動いたクリスティーナ。次がこの物語の本当の最後、最終巻になるそうで、またしばらくあきそうな感じではありますけれど、首を長くして大団円の時間を待ちたいと思います。

銃姫 10.Little Recurring circle/11.The strongest word in the4   

銃姫 11 (MF文庫 J た) (MF文庫J)

【銃姫 10.Little Recurring circle/11.The strongest word in the】 高殿円/エナミカツミ MF文庫J

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うわあ、うわあ、うわあ。なんというスケール! これまでも銃姫の世界とパルメニアワールドとの関連性はそこはかとなく示唆されてきましたけれど、ここまで明確に繋がっていたのか!!
パルメニアワールドの時代性と比べ、此方の世界は銃火器が発展し、地には鉄道が、海には帆の頚木を解かれた艦船が走り、空すら飛空挺が誕生しものすごい勢いで席巻していくという、まさに銃姫の時代は近代への幕を開けた技術発展の時代が到来しつつある事は、この激変していく世界の在り様に置いていかれないように必死な姿によって強調されてきたわけですけど、まさかこの世界がパルメニア世界の遥か古代にあたることになるとは。
いや、古代どころか神話上の時代にあたるわけなんですよね。
エルウィングのあの鋼鉄の脚に【タンクレード】とルビを振ってあったのを見たときは鳥肌たちまくりましたよ。【そのとき】シリーズを読んでいる人なら分かると思いますが、これそのまま考えるなら、セドリックって後世ではあの名前で呼ばれていると言う事になりますし。
他にも遠征王シリーズなどを初めとするパルメニアシリーズ、今シリーズが続いているプリンセスハーツもそうですね。各種シリーズ読んでると、符合するものに多数遭遇して戦慄しっぱなしです。どちらかというと近代寄りの世界観の話を読んでいたはずなのに、これらのシリーズを読んでいると今まさに神話として語られていた、伝説として僅かに伝わっていたものを、今まさに目の前で目撃しているのだという実感が押し寄せてきて……いやはや。
お陰で、魔窟に沈んだ高殿さんの著作を発掘したり、高殿スレを覗いてみたりと、興奮冷めやりません。まだ、プリハの新作積んだまま読んでないんだよなあ。
そうかあ、ジェスさんが作ってたらあれらが、バルビザンデたちだったのか!! うわぁ、あの遠征王で歌われてた話、ジャンヌとヨシュアの顛末なのか!? 星教会って、そうか彼女は神を見つけたのか、それとも見つけられなかったからこその教会だったのか。
こうしてみると、銃姫の物語って小さなエピソードを含めてまで書き始められるその前からある程度形があったってことなんだろうなあ。パルメニアクロニクルって、いったいどこまで具体的に完成しているんだろう。
どうやら、プリハの新作にはもっと具体的に悪神ゼフリートについて語られているみたいで、うん、早く読んでしまおう。

しかし、最後のすさまじいまでのディエス・イレを目の当たりにしてしまうと、セドリックの心の在り様は真っ直ぐだったとしても、その実際に成した事だけを客観的に見るならばそれこそ神話として残るほどの大悪だわなあ、これ。灰海での五万もの軍勢との対峙にしてもそうだし、元々彼はデスパニックでひとつの町を消し飛ばし、無辜の民を生きたまま蒸発させ、恐ろしい数の人間から怨嗟されている存在でもあるんですよね。
その上、結果的に、それこそ礎にされていた人々本人の意思だったとしても、この世界を支えていた礎を崩すきっかけを作ったのは間違いなくセドリックだったわけですし。
世界と愛する人の命、どちらを選ぶのかという選択を迫られるケースというのはもう定番に近いものなんですけど、大体の場合は何だかんだと両方救えてしまうものなのですが、そこで敢えて滅ぼしてしまうあたりは、やっぱり作者は少年系ラノベレーベルを主戦場として書いている人とは一線を画しているんだよなあ。
最後にいたってようやく竜王が何を考えていたのか明らかになったわけですけど、そうか彼はあくまで王として民を守るための責務を果たそうとしていたわけか。彼は間違いなく世界を守るための正義を執行していたのか。それでも、きっと辛かったんだろうなあ。嫌で嫌でたまらなかったんだろうなあ。竜王にミトという二つ目の人格が生まれた理由を、精霊王としての障害と理由付けられていたけれど、それよりもむしろ彼が押し殺さざるを得なかった人間としての良心が、耐え切れなくなって二重人格として発現してしまったという方が真相のように思えてくる。実際、ミトとなった竜王は王としての責務から逃げ出して世界を放浪していたわけだし。
彼は最後行方不明になってたけど、エピローグ直前で闇に光をもたらしていたのはやっぱり彼ですよね。残酷すぎる責務から解かれた彼が、笑えていたのは救いと考えたい。

この物語の核心だった銃姫の謎も怒涛の勢いで明らかとなり、いや銃姫だけではなく様々な複線や人間関係の絡みが怒涛のように収束していき、ぶっちゃけよく収まったと驚嘆するくらいきれいにみんな片付いたんだけど、その怒涛さ加減が凄すぎてちょっとアップアップと溺れそうになたなあ。急展開とか畳みかけたというような無理やりさ加減はそんなになかったかと思うんだけど。いやでも、ここまで見事に広げた風呂敷を畳んじゃったんだから、やっぱり拍手ものですよ。打ち切りや執筆途絶なんかで終わってしまわなくてよかったよー。
オリヴァントことルーカとの関係も見事に消化していたし。なんとなく最初から感じていたというか分かっていたけど、やっぱりオリヴァントってセドリックとそういう関係だったんですねえ。彼とその母親の関係、どんなだったんだろう。垣間見えた回想見る限り、かなりひどいっぽいような気もするんだが。いやだって、あの擬音ってバッキバキのボッコボコじゃね?(笑
どうやら漫画版はセドリックたちではなく、オリヴァントやジェスが主人公の話みたいだし、いつか機会があったら手にとってみようかなあ。

これでめでたしめでたし、のはずではあるんだけれど。あの赤ん坊とか、あとがき読むと、わりと先々穏やかでないことが待ち受けていそうではあるんですよねえ。
エル姉執念の大勝利!! って、具体的にいったいどういうことなんだよ!(苦笑
なんか作中で、魔力を取り戻す手段を取ったときジェス師が言っていた副作用の中に不穏極まりないものがあったことだし、ゼフリートの伝承からしても色々あるんだろうなあ。

あの三兄弟の中で、せめてギースだけでも幸せになれそうだったのは、嬉しかったなあ。ヨシュアにしてもプルートーにしても、そしてギースにしてもあまりにも生き方が不器用で、このまま報いなく終わってしまうにはあまりにも辛いと思わされる人たちでしたし。ヨシュアも、遠征王で歌われた歌だとちょっと怖いんだけど、伝承はあくまで伝承で事実はちょっとでも違っていてほしいなあ。

なんにせよ、実際の歴史と神話との転換というか、現実にこうして生きている人々の時間が、いずれ歴史となり、その果てには伝説に至り、ついには神話となっていく過程と瞬間を目の当たりにしたかのような戦慄は、これはほかではきっと感じられない味わいなんだろうなあ。こればかりは、パルメニアクロニクルとして膨大な年代記を手がけている高殿さんのシリーズを追いかけている身でないと。
あーあー、堪能させていただきました。

パパのいうことを聞きなさい!4   

パパのいうことを聞きなさい! (集英社スーパーダッシュ文庫)


【パパのいうことを聞きなさい!】 松智洋/なかじまゆか スーパーダッシュ文庫

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うああ、もうこれ卑怯。ボロ泣き。
やっぱりこの人、人情モノのホームドラマの方が絶対うまいですよ。ベタといえばベタなんだけど、その描き方のバランス感覚が絶妙と言っていい。
タイトルは【パパのいうことを聞きなさい!】という命令口調ながら、本編ではそんな頭ごなしに怒鳴るようなことは一切そういうことなく、娘たちの方もこの新米パパに変に反抗することもなく、飛行機事故で行方不明になった姉夫婦の娘たちを引き取った貧乏大学生が、一生懸命に協力して家族を形成していく物語なのです。
両親は既に亡く、自分も姉によって育てられた身で六畳間のアパートで暮らす大学一年生。とてもじゃないけど、中学生小学生三歳児という子供たちを引き取って育てていくなんて無理な話なんですよ。実際、懸命にやっていこうとするものの、どこかしらに無理が出てくる。それでもキレる事無くあきらめる事無く、姪っ子たちに辛い様子も見せずに健気にがんばろうとするこの青年がもう愛おしくて愛おしくて、それと同じく、両親を亡くして傷つき、新たな環境で疲れ果てているにも関わらず、自分を守ってくれようとしているこの若い叔父のために辛い顔も苦しい顔も一切表に出さず、悲しみを押し込めて、我慢する子供たちが愛おしくて愛おしくて。
お互いを守り守られ、傷ついた心を癒しあい、いつの間にか離れがたい家族になっていくこの四人の姿には、もう完璧やられました。
この作品の素晴らしいところは、がんばることをその四人の中で完結させてしまわなかったところだと思うんですよね。なに、あの友達! あんなの現実にいるのかよ!
仁村くんのスペックちょっと高すぎです。料理上手、きれい好きで気遣い上手って、どんだけスペック高いんですか。あんな親身になって助けてくれる友達なんてそうそういないですよ。おまけにその親切がぜんぜん押し付けがましくないんですよね。元々部屋に入り浸ってたのもあるし、女好きで軽薄というのが緩衝材になっているのでしょうけど、嫌味無いもんなあ。凄く軽い感じで手伝ってくれているので、助けを受けているほうも深刻になって重たげに感謝せずに済んでいるんですよね。これが変に真面目だったり真剣だったりすると、逆に好意を受け取るほうもどうしてもその助けを負担に思ってしまうものなんですが。
でも、週に何日も飯作りにきてくれたりとか、姪っ子たちと遊んでくれたりとか、掃除しにきてくれたりとか滅茶苦茶ありがたいんだよなあ、実際。そりゃあモテるよ、仁村くん。
それは、先輩の莱香さんも同様で、この人がもっと普通の女性だったらかなり気が引けたはず。何考えてるか分からない突飛な行動ばかりの無表情娘という変人だからこそ、余計な心配を押し付けたりせず、自然とこの急造家族の中にするっと入り込んで、彼らを支える事ができたのでしょうか。なんにせよ、こうやって親身になって助けてくれる友達がいてこそ、どう考えても無理だった家族生活が何とか営めたわけで、その意味では家族と同時に仲間、友人同士の繋がりも非常に重要視して描く作者の特色がよく出た素晴らしい作品だったように思います。
もちろん、若者たちが目の前に次々と押し寄せてくる困難に立ち向かっている間、後ろできちんと大人たちが彼らのことを見守って、いろいろと手配りしてくれていた、という点をキチンと描いているのもイイんですよね。悲劇によって打ち壊された幸福な日常を守ろうとした子供たちを、現実を見据える大人たちは最初嗜め、冷静になって受け入れろと諭すのを、子供たちは必死に抗い、厳しく乗り越える事が出来るはずの無い現実に立ち向かい、離れがたい絆を手に入れていくのを目の当たりにして、心動かされ、彼らが厳しい現実にこれからもずっと立ち向かえるための支えとなってくれる。大人たちが単なる障害ではなく、きとんとした壁として、乗り越えた後には守ってくれる存在にちゃんとなってくれているというのは、ホームドラマとしては最高の着地点なんじゃないでしょうか。

これで完結でもいいんじゃないかと思うくらい、綺麗に終わっているのですけど、どうやらこのシリーズも迷い猫と平行して続いていくみたいですね。あちらはラブコメ寄りなのですし、此方はこのままホームドラマとして路線分けしていってほしいなあ。勿論、莱香さんとの仄かな恋物語は順調に進めつつ。美羽あたりは、仁村くんあたりにあげちゃってもイイ気がするんだけど。まだ小学生ですがw

創立!? 三ツ星生徒会 4.そうして恋3は辿りつく4   

創立!? 三ツ星生徒会4 そうして恋3は辿りつく (ファミ通文庫)

【創立!? 三ツ星生徒会 4.そうして恋3は辿りつく】 佐々原史緒/大場陽炎 ファミ通文庫

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調整型というと、どうしてもリーダーとして軽く見られる傾向があるように思われる。たとえば、政治家にしても、組織やグループのリーダーとしても調整型という肩書きがつくだけで、声が大きく率先して行動するタイプのリーダーと比べて、いささか指導力が一段落ちるような印象を抱いてはいないだろうか。
だが、それは現場を知らない外野からの一方的な認識と言えるのかもしれない、と自他共に調整型の生徒会長として認められ、広く支持を集めつつある向坂恵の存在感を目の当たりにすると、ふとそんな考えを巡らせてしまった。
実際、様々な意見や立場、利害関係が絡まりあう現場において、強烈な指導力による突破力は時に大きな革新の波となって旧弊を打ち砕くものかもしれないが、現実としてそれが全体の機能停止を招き、より大きな弊害を生み出すケースを挙げれば枚擧に暇がない。
皆の意見を集約し、立場を考慮し、利害の妥協点を見出して、誰もが納得し得る最適の解決方法を導き出すということは決して安易な解決法ではないのだ。むしろ、非常に困難で結果を導きだすことに多難を擁する道だとも言える。真の調整型とははいはいと人の意見を簡単に聞き入れ、耳障りの良い返事を返し、都合のいい題目を唱えるようなものではない。皆に難を割り振り、損を共有化し、恨まれながらも客観的な視点における最善を具体化し、その上で誰かにとっての致命的な損壊を回避するというものだ。
それは、ただがむしゃらに突き進めばいいものではない。俯瞰的な位置からの視野の広さを維持しながら、細心の注意を払い足元に目を凝らすという舵取りが要求される、余程の我慢強さと粘り強さと慎重さとタフネスさが要求されるやり方だ。

鳥越と葛城、二人の個性的な生徒会長の狭間で、向坂恵はずっとそのやり方を黙々と実行し続けた。嘆き愚痴り疲れ果て、何度も挫けながらも、彼は最後まで決して自分の仕事を放り出さなかった。
それがどれほど偉大なことなのか。彼の成し遂げていくことがどれほど大変なことなのか。それを堅実に実現していく彼がどれほどの人物なのか、一緒に仕事をしている生徒会の皆が気づかないはずがない。鳥越たちも、葛城女史たちも、とても優秀な人たちであるからこそ、恵本人が自覚している以上に、彼を高く評価し、一目置くようになっていく。
そして、その理解は幾度もの学校行事と、それら行事が頓挫しかねない危機を乗り越えていくことで、一般生徒にまで広がっていく。この巻においてもうすぐ始まろうとしている総生徒会選挙で、向坂恵はもう鳥越と葛城、二人の偉大なる生徒会長のオマケでも、名前だけの居るだけ生徒会長でもなく、星イチ出身生徒のみならず広く支持を得られ、三高校合併後の統一生徒会を任されるに足ると誰しもに認められるほどの評価を得るに至っていた。
よくぞ、あの意志薄弱でヘタレた男の子がここまで来たものだ。あとがきで作者も述べているけれど、向坂恵は作者がこれまで手がけてきた作品の主人公の中でもとびっきり、ダメな子だったように思う。なんだかんだと、作者の書く主人公はバイタリティにあふれていて、弱音や愚痴を吐きながらヒーヒー泣き言わめきまくる子は多かったものの、喚きながらも土壇場になるとガァーーーっとものすごい勢いで目の前の障害をバッタバッタと片付けていくような子たちだったのだ。それに比べてこの子と来たら、イジケる拗ねる自虐に甘える、と本当によわっちくちっぽけでツマラナイ、なんの取り柄もないお子様だった。

そんな子が、ここまで成長したのだ。なんかもう、感慨深くて仕方ない。
面白いことに、恵は結局最後まで才能が開花したり、能力が覚醒したり、という事はなかったんですよね。目覚しくやり手になった、という風情はどこにも見当たらない。ただ、堅実にみんなの意見を聞き、投げ出さないで、地味に黙々とやるべき事を投げ出さずに最後までやり遂げ続けただけ。でも、それこそが本当に立派だった。
どうしようもないと投げ出しても仕方ない、これはできないと諦めても仕方のない事件が起こっても、ラノベの主人公としては滅多と見ない、マジフラレ、本気の失恋を喰らって精神的にボロボロになるという、辛い辛い目に合ったにも関わらず、ピーピー泣きじゃくりながら、グチャグチャに凹みながらも、最後まで歩き抜いたこの子は、本当に偉かった。

心の底から褒めてあげたい主人公である。


しかし、見事に途中からヒラリとメインヒロイン入れ替わったなあ。最初から四月さんは脈薄そうではあったものの、当初は確かに恵は一途に彼女にアプローチしようと粘ってたもんなあ。
実のところ、もうちょっと水穂さまの方と恋愛イベントあるかとも思ってたのですが、意外にも最後まで親愛関係で終わってしまいましたね。
水穂さま、あれだけ俗っぽいにも関わらず、不思議と神様としての立場でキャラクターが立脚していて、ひとりの女の子の顔は本当に最後の最後の一瞬まで見せなかったもんなあ。あの最後の行為にしても、異性への愛情というよりも、心の底からの親愛、という感じだったし。
でも、とても美しいラストでした。
あの、駄神と呼ばれるにふさわしい身も蓋もない俗っぽさは、本当に大好きなキャラだったんですけどね(苦笑
ネトゲもできず、Amazonも配達してくれない神の庭でこの人がやっていけるのか、かなり絶望的にも思えるのですがw 

ミスマルカ興国物語 64   

ミスマルカ興国物語 VI (角川スニーカー文庫)

【ミスマルカ興国物語 6】 林トモアキ/ともぞ 角川スニーカー文庫

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ぐーーーっ!? 

ちょっとここからはネタバレ必定の文章になるので、無駄かもしれないが格納しておきます。


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プリンセスハーツ 誰も代わりにはなれないの巻4   

プリンセスハーツ 誰も代わりにはなれないの巻 (小学館ルルル文庫 た 1-7)

【プリンセスハーツ 誰も代わりにはなれないの巻】 高殿円/明咲トウル ルルル文庫

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これって、もしかしたら何にも事情を知らない他人の方が、ルシードとジルの関係を本質的に把握出来るのかも知れないなあ。いや、それとも分かっていないのは当人たちだけで、周りの人間はみなちゃんと分かっているのかな。少なくともリドリスはちゃんとわかっているみたいだし。
既にお互いをこれ以上無く愛してしまっているにも関わらず、二人の関係の発端である仮面夫婦という軛が、ルシードとジルに相手が自分のことを本当に愛していること、それ以上に自分が相手を愛してしまっている、という事実に霧を吹きかけ、誤解に誤解を重ねる結果となってしまっているのが、なんとももどかしい限り。
二人とも、相手のことを一心不乱に見つめ続け、その人のことばかりを考えているにも関わらず、前提として相手は自分を愛していない仮面の結婚相手だ、という意識があるだけに、肝心なところで相手の考えや想いを誤解して受け取ってしまっているんですよね。こんなにも気持ちが通じているのに、どうしてこんなにもあの人の考えていることがわからないのだろう、とジルが思い悩むシーンがあるのですが、そりゃあ貴女、分からないのも無理ないて。どんなに簡単な方程式だって、入力する元の数字が間違えていたら、そりゃあ正しい答えが出てくるはずもない。
本来それを正してくれる可能性のある、唯一の仲間であり共犯者でもあるマシアスは、今回えらいことになってて、それどころじゃなくなったもんなあ。彼がああいうことになってしまった影響で、ルシードもずいぶんメタメタな精神状態になってしまっているし。
ルシードは元々人間不信、というかこれは自己不信、自分は愛されない人間であるという意識があるのか、唯一心を許せる相手となっているマシアスとジルに対しても、いつか自分から離れていく人間だ、と受け止めていて、本当の意味で相手の心の中まで踏み込むことができていなくて、その御陰でルシードがどれほどマシアスという人間に対して、自分の魂の比重を置いているのかわからなかったのだけれど、これほどヘコむほどだったのかぁ。それこそ、自分ひとりでは立っていられないほどの。
だからこそ、ああやってリドリスへと傾倒していくことになったんだろうが。

今回、マシアスの過去が明らかになったわけですけど、これは想像を絶したなあ。確かに、今のマシアスからはまるで連想できない。ほとんど別人に近いじゃないか。
まさにかつての彼は一度粉々に打ち砕かれ、ほぼ零から再構築されたのが今のマシアスなんだろうか。となると、今のカレを形作ったのは間違いなくルシードであって、彼の独白からも伺えるけど、ルシードの存在はマシアスにとって、丁度【銃姫】のエピソードに当てはめると、彼の中の神、と言うことになるのかもしれない。元々星教会の使徒である彼が、与えられた神ではなく、こうして自分自身の中の神をみつけると言うのも、星教会の祖となった女性の物語を知っていると、因果を感じてまた面白いなあ。

そう、今回はちょうど【銃姫】の最終巻と刊行時期が重なたせいか、関連するエピソードや史実がふんだんに盛り込まれているんですよね。悪神ゼフリートの正体とか、ここではもろに書いてあったもんなあ。彼がやった事を客観的に事実のみ羅列して並べてみたら、そりゃあ悪神としか言い様がない凄まじいことやってるといえばやってるんですけど。
それから、ミゼリコルドの目的が人間になること、というのもまた感慨深い話なんですよね。ただ、それが目的となるとミゼリコルドのやり方というのは盛大に間違っている気もするんですけど。ここでジル相手に契約と称して様々な感情などを代償として奪い去っているミゼリコルドが、後世を舞台にした別のシリーズでは、こういう事をしていないのを考えると、また色々となんかあるんだろうなあ、ミゼリコルドに関しても。

リドリスは、勿論このままじゃ済まないんだろうなあ。どうも、彼の中には通り一辺倒の復讐心や利己心というものがなさそうなのが、余計にたちが悪そうなんだよなあ。彼が敵意を持っていないことは、ルシードの本能やジルの洞察力が断定しているように、間違いないんだろうけれど、時として敵意の無い相手の方が厄介だというケースもあることだし、リドリスの場合、どうも兄であるルシードに対して異常な執着があるみたいだし。ジルが、何となくルシードとリドリスの仲の良さに嫉妬心や危機感をいだいてしまっているのは、決して的外れなんかじゃないんですよね。彼女の女の勘は、ここでは正しく機能していると見てよさそう。問題は、それがどういう形で発露するのか、と言うところだけど……。
やっぱり、ここでマシアスがいないのは痛すぎる。

と、身内のゴタゴタと並行して、国際情勢は複雑怪奇、ルシードもいくつかの政治的決断を要求される事態に陥っている。これ、かなりシビアな情勢だよなあ。わかりやすく現状と選択肢の内実について説明してくれているおかげで、ルシードやジルが抱く切実感が実感を伴って伝わってくる。問題はこの選択肢、外すと彼らの目的からするとかなり致命的な事になりかねないにも関わらず、正解を導きだすための情報が少なすぎる所なんだよなあ。でも、情報を得ようとすると逆にやぶ蛇になりかねないという危険性もあるし。ジルのパペットを使った情報収集力は強力だけれど、ここで必要なのはどこまでも届く長い手、というよりもとても広い範囲まで聞こえる耳の方なわけだし。私的ではなく公的で大規模な情報収集システムが欲しいところだよなあ。まだルシードの力では公国にそれだけの機関を作るには至らないか。味方、まだまだ少なそうだし。
それでも、ジルが得てくる情報は確実に、不鮮明な状況に色を加えてくれるのだから、とても頼みになるのだけれど。


巻末の短編は、短いながらこれは面白かったし、何気に次の舞台の主のお話でもあるから、先々の話を見る上でもかの人の人柄を知る上で、かなり興味深い話でもある。
これって、純愛だよなあ、ひとつの。現実に疲れ愛に疲れたひとりの王を癒すのは、無邪気で気まぐれな猫一匹。それが、ジルのもう一人の姉妹、というのは運命なのか、因果なのか。
どうでもいいけど、キキとジルとヒース。この三姉妹って、ホント、どういう姉妹だったんだ? 三人ともあまりにも個性的すぎて、一緒に居る姿が全然想像できないんだが(苦笑

ダンタリアンの書架 44   

ダンタリアンの書架4 (角川スニーカー文庫)

【ダンタリアンの書架 4】 三雲岳斗/Gユウスケ 角川スニーカー文庫

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上流階級の令嬢が集まる寄宿学校に招かれたダリアンとヒューイ。目的は、連続殺人犯ディフリングが持ち込んだ幻書を見つけ出すこと――神出鬼没のディフリングに対し、ダリアンの仕掛けた罠とは――!?


「全寮制の女子校の中にいるのは落ち着かないね」などと嘯きながら、中庭のベンチで優雅に昼寝を決め込んでいるヒューイは、やっぱり大物だと思うんだ。

今回も構成は、ダリアンとヒューイが主体の短編が四本に、焚書官がメインの話が一本。そして掌篇が二本というものに。
これ、スニーカーに連載されていた時とは順番が異なっているんですね。かなり話の内容を吟味して選んで、並べ方にも気を使っているみたい。思えば、前巻も同じテーマの話を持ってきていましたしね。今回も、ダリアンたちの使う幻書の使い方や、一途な愛の行き着く果てなど面白い対比があって、確かにこれはよく構成が練られている。
三話では、またあのヒューイの後輩のアルマン君が登場。こいつ、前回でひどい目にあったくせに、全然懲りてないじゃないか(笑 もうこういう役回りのキャラクターということね。うざいなあ、こいつw しかし、あれだけ邪に幻書に関わりながら、ヒューイたちに助けて貰っているとはいえ切り抜けて生き残っているあたり、しぶといというかタフというか。

と、気を抜いて楽しめるばかりじゃないのが、この【ダンタリアンの書架】。悲劇的な結末が多いのは仕方ないとはいえ、これまではまだ、身の程を知らずに幻書に取り憑かれ、その魔力に魅入られて自滅、もしくは自業自得的に破滅していく人が目立っていたのだけれど、今回の特徴は幻書に認められた適格者であり、その魔性に魅入られる事もなく、ちゃんと幻書を使いこなしていたにも関わらず、悲劇的な結末を迎えざるを得なかったと言うことでしょうか。たとえ、本人がどれほど適正に幻書を使いこなしていても、それによって振るわれる力は超常のものであり、周囲の人間の運命を狂わせていき、引いては幻書の使用者の運命をも狂わせてしまう。
特に四話の「調香師」のマイスターは、ヒロイン格でレギュラー化してもおかしくないくらいキャラも立った人格的にも善い娘だっただけに、けっこうキツい。
焚書官が、幻書を内容のいかんに問わず災厄を招くモノだと断罪しているのも、こうなってくると理解できないでもない。でも、焚書官が問答無用で本を焼くのは、本好きとしてはやっぱり嫌なんだよなあ。こいつ、攻撃するたんびに本を爆破するもんだから、その度に反射的に「うわっ」「うわっ」と思ってしまう(苦笑

毎度の事ながら、短編の完成度には目を見張る。このサイズにきっちりと起承転結のメリハリをつけ、ちゃんと毎回のゲストキャラクターにもキャラが立つのを当然としている。短編って、ほんと難しいんですよね。小説家としての技量が、短編には露骨に出るわけで、やっぱり作者は上手いんだなあ、と納得。
ただ、三雲さんって性分として長編向きだよなあ、と思わされるのが、世界観やキャラクターのバックグラウンドを短編連作の作品としてはありえないぐらい細かく煮詰めてる所なんですよね。順調にレギュラーキャラクターも増えてるし。あの叔母さんとか、新ヒロインとして準レギュラー化しそうなジェシカとか、短編連作の作品としてはまず登場しない類の立ち位置ですし。
ぶっちゃけ、次の巻から長編シリーズが始まっても何の問題もないくらいには、既に整備が行き届いているんですよね。
実際、ダリアンの過去を含めて、作品各所にものすごい勢いで散りばめられつつある様々な謎は、それこそ長編に移行しないと収集がつかないというか、物語としてきっちり終わらせるためには、長い話を持ってこないと難しいような気もするんですけどね。
いや、単に長いのも読みたいなあ、と思ってるだけなんですけど。

それはそうと、今回もカミラ姉さん、出番なかったじゃないかー! 掌篇には出てますけど。いや、あの短いシーンだけでカミラが普段どういう生活しているのかが丸分かりになる、というのは凄いと思うけど。姉さん、ホントに天衣無縫だなあ。

ALL AROUND TYPE-MOON アーネンエルベの日常4   

ALL AROUND TYPE-MOON~アーネンエルベの日常~ (角川コミックス・エース 253-1)

【ALL AROUND TYPE-MOON アーネンエルベの日常】 Bすけ (角川コミックス・エース)

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喫茶店<アーネンエルベ>を舞台とした、月姫、空の境界、Fateのメンバー共演によるドタバタコメディ。
どうやら、最初の一話だけはドラマCDの漫画化らしく、あとは作者のオリジナル脚本。一話は導入から三作のメインヒロインがテーブルを同じくして親睦会、みたいなのりで歓談してるからどうも話として違和感あるな、と思っていたのだけれど、元がドラマCDなら納得。話の筋立ても、確かにラジオドラマ風の作りだし。しかし、あれだけキャラクターがたくさん登場しておきながら、一人だけ酷い目にあってオチまで担当してしまうのが凛というのは、いい加減役割極まってきたなあ(苦笑

と、話的にいささか微妙な感があるのは第一話のみ。最初から漫画形式で作者が独自に話を組んだ
二話以降、これが抜群に面白いんだ。

第二話は笑いのツボ、ならぬ吸い込むと笑い転げてしまう笑気ガスを噴出する幸福の壺を巡るドタバタ劇。笑いというものは何気に伝染してしまうもので、人が笑っているのを見るとどうもつられて笑ってしまうんですよね。というわけで、出てくるキャラクターみんながゲラゲラと笑い転げながら、アーネンエルベの中で壺を追い掛け回すのが笑えるのなんの。あーぱー吸血鬼なアルクェイドや大河が笑ってるのはいつものことだけれど、両儀式やセイバーが腹を抱えて大笑してるシーンなんて貴重極まりないですよ。鮮花と式が折り重なって笑い死んでるとか。
出てくるシーンは短いけれど、ウェイトレス姿の式は眼福モノ。

第三話は典型的ながらハマればウケる、中身入れ替わり。アルクェイドのあーぱー振りが極まってて、タイプムーンヒロインズの中でも彼女のこの天真爛漫な能天気さは、ちょっとした無敵属性だわなあ。対して、非常事態にガーーー! となってるのが式。セイバーも真面目な子だから本来あわてふためいてもおかしくないのに、胸が大きいアルクェイドに入れ替わったからか、ぽわーんと女性的な肉体を楽しんであるあたり、この娘も変なところで暢気なんだよなあ。ボケたアルクェイドやアンバーに対して突っ込みまくる式は意外と苦労性というかなんというか。
何気にこの漫画だと式が弄られ役に廻っているのが新鮮だ。

全般的に優遇されているのがランサーか。アーチャーと並んで、オトコキャラでは一番出番多いし。アーチャーもチマチマと存在感あるよなあ。中身アルクェイドのアーチャーは必見である。アーパーなアーチャーは爆笑したw

基本的に肩の力を抜いて楽しめるコメディで、なによりタイプムーンのキャラクターがゾロゾロと入り乱れている様子は無条件に愉快になる。舞台が喫茶店ということで、キャラの登場・滞在・退場が自由自在で自然というのも有効に機能しているんですよね。なるほど、喫茶店という一期一会にも連なる場所を世界観のクロスポイントに敷設した慧眼には感服させられる。こうして、有効に活用できているわけですしね。まあ、一期一会というよりも溜まり場になってるっぽいけどw

もっとグダグダな内容のモノを想像していたので、コメディとして非常に良質な代物だったのは望外のことでした。実はあんまり期待していなかったもんで(汗
いやいや、面白かった。続刊があるのかわかりませんけど、出たら速攻で買いだな、うん。

恋愛ラボ 44   

恋愛ラボ 4 (まんがタイムコミックス)

【恋愛ラボ 4】 宮原るり(まんがタイムコミックス)

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この巻の表紙絵は秀逸の一言に尽きる。気まずそうなリコとマキ、そんな二人を背後から見つめる二人の男の子。なにしろ、この一枚の絵だけで、この巻のすべてを物語っているわけだから。
そろそろ、リコがマキについていた嘘が苦しくなってきた頃だったしね。まだ、二人の仲がただの知り合い、友達ぐらいだったら、その嘘は二人の仲を繋ぎ止める接着剤的な要素であり、ドタバタのネタとして機能していたけれど、これだけ二人が仲良く、親友と呼ぶにふさわしい親密さを得るようになった今では、リコの罪悪感を刺激する心苦しい棘になっていたわけだし。
見ているこっちも、リコの悩みっぷりや息苦しそうな様子に、痛々しさすら感じるようになっていただけに、そろそろこの嘘も潮時だったんですよね。なので、あとはどう隠すか、繕うかではなく、どのタイミングで告白するか、に移行していたわけだけど、そのきっかけとなるのが凪野とヤンの二人の男の子。今回、二人との絡みが非常に多くなっているのを鑑みても、恋愛ラボも荒唐無稽な机上の空論を振りかざして大騒ぎする段階から、実践編、すなわち実際のラブコメへと移行しはじめたのかなあ、というところ。女子校内部での諸問題は生徒会、新聞部、恋愛相談と、ある程度問題解決のメドは立って安定してきたわけですし。
ナギやヤンの背景なんかも、具体的に出てきたわけですしね。
それにしても、ナギのイイ男っぷりは素晴らしいな。リコがなんだかんだとマキに本当の事を告白しようと思うようになったのは、ナギの厳しくも正しい指摘の賜物だったわけだし。厳しいことを言うだけ言って放ったらかしではなく、色々と二人の仲をフォローしてやるナギの心意気がカッコいいのなんの。確かに、リコは見る目無いよなあ。まあ、今のところはマキの相手をするのに頭が一杯一杯なんだろうけど。
なかなか面白かったのがヤンとマキの交流の方か。恋愛にあこがれながらも、箱入り娘で男に一切免疫がなく、男性に対して恐怖心めいたものを抱いてしまっているマキですが、ヤンに対しては、彼の人を人とも思わぬ傲岸不遜さ、性格の悪さが逆に<男>という要素を意識させず、フラトな状態、素のマキでいがみ合い衝突するという流れになっていて、これが上手いんだ。
なるほど、マキの抱えている恋愛教条や男性への認識の完全な外側からヤンという存在を近づかせるのか。これは同時に他人を寄せ付けないヤンへのアプローチにもなっていて、相互の影響による変化がかなり面白いことになりそうな予感。
嘘を告白し、とうとう嘘偽りの何もない親友同士になれたリコとマキ。ならば、ラボの実験もストーリーも次の段階に移動する時が来たわけで。
ふふふ、これは楽しみな流れになってきましたよ。

放課後の魔術師(メイガス) 6.ミスティック・トリップ4   

放課後の魔術師    (6)ミスティック・トリップ (角川スニーカー文庫)

【放課後の魔術師(メイガス) 6.ミスティック・トリップ】 土屋つかさ/ふゆの春秋 角川スニーカー文庫

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前回の感想でも相当に円環への怒りをぶちまけていたけれど、もういい加減怒髪天が有頂天ですよ!(意味不明
ジェシカシステムへの介入や、遥へのちょっかいなど、それ相応の遠大な理由があるのかと思ったら、結局は組織の権益の維持、保身のためかよ。それも、予防的な措置により人の尊厳を簡単に踏みにじり、簡単に生命すら奪おうとするなんて。そのためには、円環自身が定めた法すらねじ曲げ、非合法な手段に走る。しかも、表向きには正式な拘束力を発揮してコチラの動きを制しつつ、だ。悪質極まりない。
派閥による態度の差異はあるとはいえ、いくらなんでもこれは腐りきっている。ここまで暴虐的かつ恣意的に権力の乱用をされたら、各氏族たちも円環から受ける利益よりも、自分たちの身の安全に対する深刻な危惧を抱き始めるんじゃないだろうか。円環の指先一つで氏族の指導者格まで簡単に処分されるようじゃ、他の氏族たちもおちおち安心していられないだろうし。ナニカ明確な理由があるのならともかく、円環による統治の維持が目的で、遥の暗殺まで行うようじゃ、ねえ。
実際、蒼はどうやらこれを機会に完全に討ってでる態勢を整えてるし、ベルも紫をまとめてナニカ動きを見せる様子を見せているし、他の氏族だって黙って円環の跳梁を座して見逃すかどうか。
どちらにせよ、遥の立場からしたら、自分を殺そうとした組織に対して反抗するのは正当防衛だし、場合によっちゃ鴉に身を寄せてもいいんじゃないかと思うくらい。今のところ、どう考えても円環の方が無茶苦茶やってるもんなあ。遥の力をそれだけ恐れているのなら、もし遥が覚醒したとき自分たちが虎の尾を踏み躙っている状態にあるというのをちゃんと把握してるんだろうか。遥が非常に理知的で攻撃性からは程遠い性格なのが幸いしてるけど、もし遥が振りかかる火の粉を徹底的に振り払う性格だった場合、こいつら遥が覚醒したあと円環まるごと殲滅対象にされて皆殺しにされる危険性とか考えないんだろうか。現状の遥だって、安芸や仄香がもし巻き添え食って死んじゃったケースなんか、容易に堕ちる可能性もあるだろうに。
どうもそんな覚悟もなく、安易に手を出している気がするんだよなあ。それがまた、腹が立つ。

とはいえ、それだけ遥が切羽詰った状況に追い込まれて行くなかで、安芸の遥への距離感が猛烈な勢いで変化して行くのには驚いた。斎条先生はじめとして、周りの後押しや自覚を促す示唆があったとはいえ、安芸が義務感ではなく、自分の感情として遥を傍に置いておきたい、守ってあげたいと思っていると気づきはじめ、その感情が具体的に何なのかすら見つけるに到るまで進展するとは。この野郎の鈍感さは、ちょっとした凶器クラスだっただけに、いやはやこれは良い驚きだった。
まー、あの師匠に可愛がられてたのなら、防衛本能として女性の思わせぶりな態度とか心情に対して鈍くなるのも仕方ないところがあるよなあ。心を鈍くしておかないと、可愛がられすぎてストレスで死んじゃうネコみたいに、頭おかしくなりそうだし。
あの師匠は性格ももとより、コスプレ(?)こそどうかと思うけど。あれ、ベルの魔法少女バージョン並にアレだぞw

二人の仲の進展と同時に、これまで伏せらえてきた紅の能力に、紅の氏族がこれまでどうして行方不明とされてきたのか、仄香が人前に姿を表さない理由。ジェシカシステムに伊代が組み込まれた理由など、様々な真相が明らかになり、事態は急展開。
ラストには衝撃的な顛末もあり、日本でもアッと驚きの漏れてしまうような、予想外の動きあり、と大きなうねりがクライマックスに向けて盛り上がってきた感あり、である。
さあ、次回は総力戦の一大決戦か!!

ガンパレード・マーチ 逆襲の刻 津軽強襲4   

ガンパレード・マーチ 逆襲の刻(とき)―津軽強襲 (電撃ゲーム文庫)

【ガンパレード・マーチ 逆襲の刻 津軽強襲】 榊涼介/きむらじゅんこ  電撃ゲーム文庫

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年末に突如勃発した主戦派によるクーデターは鎮圧され、首都・東京は静かな正月を迎えていた。しかし、5121小隊に初めて人間相手の戦闘を強いた内乱は、隊員たちの心に大きな負荷をかけた。そのストレスに壬生屋は再入院、滝川は過食に、さらには原の言動さえも怪しくなり始めていた。危うい状態の中、正月3日に北の大地から凶報が届く。津軽半島に幻獣上陸。予想だにしていなかった襲来に、民間人はもとより半島沿岸部の守備隊、警備隊までもが逃げることができず、殺戮の海にのみ込まれていった……


山川中将の活躍がもう八面六臂の域にまで達していて、凄いのなんの。会津閥の先鋭として芝村閥と対立し、大原首相派と距離を置いていた頃は、海千山千の寝業師としての並外れた政治屋ぶりに振り回され、頭を抱えさせられたものだけど、いざ味方になるとここまで頼もしい人材になるとは。芝村も政治はやるとはいえ、この一派は俗人離れした処があるので、剛腕かつ鋭利なやり方で表に裏に力攻めすることには長けているんだけど、ある種の搦め手、人間関係や政治情勢のバランスを手管にした絶妙の駆け引きの類は、どうも得手としてる風情じゃなかったんですよね。そこに、会津閥にも顔がきく軍内政治の名手である山川中将が加わったんだから、まさに足りないところに手が届く状況。さらに、今回手きが攻めてきたのは会津閥の本拠とも言うべき東北地方。山川中将の手練がなかったら、まともに軍を送って態勢を立て直すこともできなかったんじゃないだろうか。
いやあこの人、戦争は下手だったけど、政治は本当に抜群に上手いわ。自分でも言ってるけど、ただの政治好きな軍人と違って、好きな上に上手いと来た。そりゃあ、これほどの凄腕だったなら、味方じゃないときは厄介だったのも当然か。あの九州侵攻戦での大失態にも関わらず、政治的ダメージを殆ど負わなかったという不思議さも、今回の働きを見てたら大納得。今回のクーデターで、息子とともに単身戒厳令下の東京を駆け回り、軟禁された首相を助け出して脱出するという大立ち回りや、義父である官房長官の西王によう精神操作によるクーデター参加などの事態を経たことで、山川中将の意識もだいぶ変わったみたいだし、以前にあったある種の硬直した思考がほどけて、組織や派閥の益に目線を囚われない広い視野を取り戻したみたいだし、本当に頼もしい。これで、ちゃっかり適度に私利私欲は維持し、自分の政治好きを肯定しているところも、逆にしたたかさが失せてないと言うことで頼もしいんですよね。
こう言っちゃなんですけど、あの悲惨なクーデターの中で、最大の戦果はこの山川中将の取り込みだったんじゃないでしょうか。
クーデターのあと、立て続けに休戦状態にあるはずの幻獣が津軽に上陸したことで、穏健派の立場はかなり悪化したようですし、山川中将がいなかったら軍内の会津閥の空気はどうなっていたことか。幻獣側の内実については、本当に軍や政府の一部しか知らない状態で、津軽に攻めイってきた勢力と、カーミラが掌握している九州の勢力はまったく別の<国>とすら言っていい違いがあることを、国民は知らないんですからね。そりゃあ、休戦を支持する勢力は立場悪くなりますよ。
幸い、憲兵、警察という治安維持組織は大原首相の元にまとまり、西王に受けた精神操作を解除してまわったおかげで、カーミラに対する認識も完全に味方というものになって、一本化されているのは大きいですけど。

それにしても、先のクーデターの影響は悪すぎるなあ。軍内、もうボロボロじゃないか。軍の中核を為す中堅士官も相当ごっそり抜けたみたいだし。まだ、クーデターに参加した士官の多くは戦闘経験の無い者が多かったようだから助かってるけど(経験がないからこそ、現実をみないクーデターに参加したわけだが)。ただ、本来ならじっくり立て直しを図るはずが、早々に津軽に幻獣軍が強襲上陸。ただでさえ、経済が破綻寸前で、故にこそカーミラと結んで大博打を打って敵の首魁を討ち、和平にこぎつけたというのに、さらに戦争は続き、挙句、人造石油の供給地である北海道との連絡線を切断され、座していても早晩日本は干上がってしまうという……地味だけど、これ、これまでで一番追い詰められた状況かもしれない。
本来なら、日本みたいな長い海岸線に囲まれた国は、制海権がなかったら、どこからでも上陸されて、防衛のしようが無いもんなあ。
そもそも東北では、まともな軍は先の九州上陸戦のためにごっそり抜き取られているから、残っているのは兵備も訓練もろくに出来ていない警備部隊ばかり。援軍を送るにも、クーデターのおかげで予備部隊はボロボロ。ここで、大阪第四師団が出てくるのは笑ったけど。ほんとに、陸軍中枢からの大阪第四師団への扱いはひどかったんだなあ(苦笑
またも負けたか第八連隊、それでは勲章九連隊などと言われて、最弱呼ばわりされてたのは史実でも同じなのですけど、実際はかなり精強な部隊で、戦果もかなりあげています。
ここでも、ユーラシアでの悲惨な撤退戦で、かなり際立った働きを示したらしく、分かっている人の間では歴戦の撤退戦の名手として知られる部隊となっているようで、山川中将が切り札と持ち上げるのも、まんざらお世辞じゃないんですよね。ユーラシア以来の古参の兵士下士官が多数残り、装備も充実。山口や九州で無茶な突撃をかました連中と違って、粘り強く敵の攻勢に耐え忍べる部隊の性質といい、よくこの段階でこれだけの師団が無傷でまるまる残っていたものだと。陸軍中枢を統べる会津閥から軽視されてきたからだろうが、本気で切り札になりそうだ。

我らが5121部隊も、休暇を切り上げ、北へと向かうわけだけど、先のクーデターでこれまでと違い人間相手に殺し合いをしてしまった子どもたちは、いつにもまして精神的にダメージを受け、多かれ少なかれPTSDに罹ってるんですよね。原さんなんか、ほとんど壊れかかってたし。あれ、みんながうまくフォローし、善行さんが頑張らなかったら今回本気でヤバかったんじゃないだろうか。ホテルに連れ込んでナニをしてたかは詮索しませんけどw
まさか壬生屋が人型戦車で対人戦闘をやっていたとは思わず、ただでさえ疲弊しがちだったミオが、これは持つはずないよなあ。それでも、ボロボロになりながら、限界を超えて、さらにその先に限界を作り直して立ち上ある5121部隊の面々。
もっとも優れた反戦作品は、もっとも優れた戦争作品だ、という言葉はよく聞く言葉だけど、これもまさしくそれだよなあ。


どう手を打っても、これはもう殆ど詰み、という状態の中で、差し込んでくる一筋の光。
いや、これはまさか! と驚かざるをえない展開だけど、これが叶い、国民が真実に耐えられたなら、まさしく状況は一発逆転。これまで日本、ひいては世界が置かれてきた末期的な状況が、大転換を起こす一手になるんじゃないだろうか。
これは、正直興奮させられましたよ。

ただ、希望的観測とは裏腹に、なんかフラグ立っている人もチラホラ。あの……合田少尉、なんかヤバくないですか? なんか、微妙にコツコツとフラグ立てまくってるような、今回。まあ、前々から一番ヤバそうな立ち位置でありながら、しぶとく生き残ってきた人だから大丈夫だと信じたいんですが、今回特にヤバそうなんだよなあ。
その上、荒波少将がなんか、えらいことになってるみたいだし。前園さんと一緒にアレ、どうなっちゃったんですか! 描写が肝心なところで途切れて、レイニー止めどころじゃないですよ!!

藍坂素敵な症候群4   

藍坂素敵な症候群 (電撃文庫)

【藍坂素敵な症候群】 水瀬葉月/東条さかな 電撃文庫

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だ、騙された。騙された騙された騙された騙された。
これはタチの悪い宣伝詐欺でしょう(笑
少なくともゆるいタイトルやあらすじや表紙絵や帯の宣伝文句見て、この内容は想像できんですよー。
「しゅじゅちゅします!」
合言葉はフェティシズム! 医術部部長・藍坂素敵のちょっと素敵な物語。
フェチ系美少女学園ストーリー

てっきり、MF文庫Jの【えむえむっ】と同類の似たような話だと思い、あらすじを読んでその認識を新たにし、カラー口絵の美少女たちの紹介文を読んでさらに認識を強固に固め、本分序盤もそのつもりで読んでましたよ。

完全に油断してた。

著者のところに【水瀬葉月】とちゃんと銘打っている事の意味を、不覚ながらまったく意識していなかったのが敗因だった。
そうなんだよなあ。最近忘れてたけど、この人、萌え畑と見せかけつつその実態は根っからの

偏執血みどろグロ畑

の人だったんだよなあ。かなり無防備な心構えの所にポンとグロシーンが飛んできたんで、いい具合にクラってしまった。本来ならそんなに強烈な描写でもなくて、案外ジャブ程度の軽い一撃だったと思うんだけど、全然構えてないとけっこうギョッとなるんですよね。
話も一線を超えた途端、突然様相を変えてしまうし。この切り替わりは、さすがはもうベテランの領域にある作家さんという構成の手際の良さ。
最近、主戦であるところの【C3】が内容的に柔らかくなってきている分の鬱憤を晴らすかのように、グロくてシビアな要素をふんだんにつぎ込んだ、久々に水瀬葉月のスロットルを踏み込んだ感じの話になってるなあ。
ただ、この人の作品の好きなところなんですけど、主だった登場人物の多くが、残虐無道で歪み捻れまくった舞台の上に配されているにも関わらず、その歪みに真っ向から抗うかのような、心根の真っ直ぐな熱くも気持ちのイイ連中だというのが、この作品でも一貫していたのには一安心。特に、メインヒロインたる藍坂素敵はこれ、読むまではキャラクター誤解されるよなあこれは。興奮すると舌っ足らずになったり、冒頭の強引な絡み方を見てると、見た目通りの精神も幼児気質のわがままで傍若無人なキャラクターかと思ったら、思いのほか大人で理知的で他人に気を遣うタイプという、事前の印象とはまるで正反対。その上繊細で傷つきやすい癖に、自分が傷つくことを恐れず前に進むことの出来るとても強い子。正直、かなり好感の持てる子なんですよね。彼女の素顔を知った人たちが、彼女の周りに集まってくるのも宜なる哉。そりゃあ、好かれるし、自然とこの子のことを助けたい、守ってあげたいと思うわなあ。
とはいえ、彼女の抱える秘密と言うのは、実際ナニも知らずに目の当たりにしてしまえば、拒絶してしまうにもまた無理のない話。主人公の浩介の反応はまともだと思うんですよね。こいつの偉いところは、自分が間違ってると思ったら、自己正当化せず即座に行動に移せるところだなあ。最初に素敵の話をまともに聞かなかった時も、彼女の言い分に正当性あり、と判断するや、うだうだと躊躇わず、すぐにもう一度話を聞きに行ってるし。ほどよく熱くて真っ直で、これは気持ちの良い主人公だわ。

単に緩くて語感だけを重視して考えたようなタイトルも(いや、実際それだけにしてもこのタイトルはなかなか印象に残りやすくて結構イイタイトルだとは思ったけど)、実はかなり重要で真摯な意味合いが込められていて、その意味が明らかになった時はタイトルへのイメージが見事に反転させられて、これはなかなかグッとくる体験だった。
って、あとがき読んだら<スーパー変態大戦>って、また(苦笑 いや、間違ってはいないけどさ。

なんか見たことのあるようなパワーのこもったイラストだと思ったら、この人【SHI-NO】の東条さかなさんかー!

白雪ぱにみくす! 54   

白雪ぱにみくす!(5) (BLADE COMICS)

【白雪ぱにみくす! 5】 桐原いづみ BLADE COMICS

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白雪が、白雪が、白雪が、デレたーーーーー!?
ぎゃおおおおおおおん!?

叫ぶようなことじゃないのだけれど、キスから始まった出会いにも関わらずこれまで白雪側にはそういう兆候が一切なかっただけに、あの傍若無人な暴虐娘にこんなデレ反応が出てくるのが新鮮で新鮮で。

黄金のリンゴ編は、結局白雪の痣に反応しないまま終わってしまい、色々あったものの万事円満解決に。リンゴが発動した際に、王妃様が白雪のこと必死に抱きかかえて守ろうとしているコマがなんか印象的だったなあ。王妃様だけじゃなく、ミドリ、シンコ、杜若に尾玉、朝顔と総出で庇ってるんですよね。何気にこのコマ、この巻で一番好きかも。
ただ、果たして痣のことが迷信だったのかというと、それで収まりがつくのかどうか。まだ一波乱残ってそうな気もするなあ。

というわけで、白雪に付き纏っていた呪いの噂も根拠が無いものとされたものの、白雪はそのまま花嫁修業ということでミドリの家への居候を継続することに。これまでは、あくまで白雪の見を守るために緊急避難的にミドリの家に匿われていた、というのが正しいところだったのが、これ以降は建前だった花嫁修行が建前じゃなくなってしまったということで、本格的にラブコメルートに入ったってことなのか? まあ盛り上がってるのは周りだけで本人さんたちはそんな意識ないはず、だったのが、白雪がなんか微妙に、意識変わってるし!
発熱の影響があったとはいえ、あれだけ白雪がミドリのことを意識するとは。新鮮だ。とてつもない偉業を目撃したような感覚だ。
風邪が治ってからも、なんだかんだとミドリのこと意識してるし、ミドリはミドリで白雪を助けに行ったことで白雪の存在を完全に受け入れきったみたいなところがあって、白雪の突飛で乱暴な行動にも動じず、なーんかイイ雰囲気なんですよね。白雪のデレが空回りしてなくて、ミドリの鷹揚さのおかげでちゃんと恋する女の子となっているというか。
ここに来て、白雪がちゃんと王子様に恋する白雪姫になってきた、というか。
強要されたものや、儀式的、勢いに任せたものじゃない、ちゃんとイイ雰囲気になってのキス未遂も連続で起こるようになってきたし、これはラブコメとして本格的に始まったな、白雪ぱにみくす。
ソルシール組も現世の方に押しかけてきて、学校の方もメンバー増えて賑やかになってきたし。
このソルシール組参入って、紫蘭やルチルが加わってのドタバタラブコメ要素の強化、というよりも撫子がシンコのクラスに入ったのが重要なんだろうなあ。白雪の問題は概ね解決したものの、霊感が強くて不思議な言動をとりがちなシンコが、クラスから排斥されてる問題は相変わらず変わってないみたいなんですよね。こればっかりは学年の違うミドリは何かするにも限界はあるし、白雪も同じく。白雪の場合は、見境なくブチ切れそうで危険、というのもあるけど。以前も、ちょっとヤバい事があったし。その意味でも、同じクラスに撫子が編入したのは大きいように思う。ミドリもその辺を期待して、撫子にシンコのこと頼んだんだろうし。

ううっ、それにしても最後のキス未遂は惜しかったなあ。あれは完璧にいってただろうに。つないだ手を握り直して、とかもうその所作からしてイイ雰囲気で。何気に、もう片方のミドリの手、白雪のふとももに置かれているのがエロかったり。あれ、あのまま白雪の空間に篭ったままだったら、そのまま押し倒してたんじゃw
こりゃあ6巻も、二人の仲はどんどん進展しそうで、盛り上がってきましたよ。

[映]アムリタ5   

[映]アムリタ (メディアワークス文庫 の 1-1)

【[映]アムリタ】 野崎まど メディアワークス文庫

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………(絶句)

お、い…おいおいおいおい、なんちゅうもんを書くんだこの新人さんは。
いったい何を考えてこんなものを電撃文庫なんかに投稿したんだ、と首をかしげかけたんだけれど、よく考えると確かにこれは電撃文庫くらいじゃないとハマらないというか入りきらないというか。ただ、電撃文庫の枠内にも収まらなかったからこそ、こうしてメディアワークス文庫なんて新装開店のところに放り込まれたんだろうけど。
ぶっちゃけ、メディアワークス文庫賞って、この作品のために作られたんじゃないのか、なんて妄想を滾らせてしまいことを止められないくらいには、とんでもない作品だった。
呆気にとられる作品だった。

最初読み始めたときは軽妙洒脱な主人公のノリは、森見登美彦っぽいし、これなら一般文芸でもいいんじゃないのか? こういう芸大の大学生が集まって妙なノリで映画作りって、冬目景とかやまむらはじめの漫画で読んでみたいよなあ。などと気楽に読んでいた頃が懐かしい。
ヒロインであるところの最上最早と主人公であるところの二見遭一との粋を凝らしたボケと切れ味たっぷりの即応裁断型ツッコミの応酬は、ノリノリの西尾維新を想起させる愉快さで、大いに笑わせていただいた。遭一くんのツッコミの切れ味は阿良々木くんのそれにも勝るとも劣らず、とだけ票しておこう。もちろん、それを引き出す最早嬢の計算し尽くされたボケに関しては芸術の領域であるからして、もはやツッコミの資質があるならば、それに反応するのは条件反射どころか簡単な物理法則の発露に近しいもの。それは、すなわち最早嬢の意思一つで自由自在にツッコまされている、と言っても過言では無く、ああ、遭一くん、最早嬢に好きなように弄ばれてるなあ、とゲラゲラ笑っていたわけだ。幾重にも囲われた枠の一番内側に囚われていることにも気づかずに。
読み終わる頃にはそんな連想をしていたこと自体に、蒼褪めていたのだけれど。


本物の、真性の、唯一にして無二である、<天才>という生き物。天にすべてを与えられたもの。
それが存在したとして、それが人間の中に紛れていたとして、社会の中に入り込んでいたとして、常人たる普通の人間とかかわることで、いったい何が起こるのか。

神様の手慰み。

彼女は神のごとく悪魔のごとく人を愛し、世界を愛し、故にこそ、思うが儘に弄ぶ。

俺の妹がこんなに可愛いわけがない 54   

俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈5〉 (電撃文庫)

【俺の妹がこんなに可愛いわけがない 5】 伏見つかさ/かんざきひろ 電撃文庫

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四巻の感想でも書いたことだけれど、完全に作品を掌中に入れることに成功してるなあ。あとがきでは一番苦戦した巻と触れていはるけど、シチュエーションを用意さえしたら、もうキャラクターはある程度勝手に動いてくれてたんじゃないだろうか。少なくとも、黒猫や沙織についてはそんな感じがしたんだけれど。
なんにせよ、面白さの安定感がハンパない。いやさ、こりゃあ推進ロケット二段目に点火したんじゃないかしら。前巻から、こう「ぐぐっ」と面白さが迫り上がってきてる感じがするんですよね。

これは自分個人の感覚ではっきりと自信があるわけじゃないんだけれど、今回については黒猫の物語であると同時に、彼女に自分から積極的に関わろうとすることで京介兄貴の話にもなっていた気がする。なんだかんだとこれまで受身側だった京介が、この巻では最初から最後まで果敢に自律的に動いていたんですよね。その御陰で、彼の趣味趣向や思考パターンという人品の隅っこの方まで見えるように、掘り下げが進んでたように見える。
うーん、こうしてみると黒猫と京介ってかなり相性がいいんだよなあ。桐乃相手だと京介って兄の見栄か矜持かか、ここまで開けっぴろげになかなかなれないし。いや、なれなかった、と過去形で言うべきか。
桐乃がいなくなった事で空いた空白にぽんと入り込んだ黒猫は、気難しくて面倒くさい性格だけれど、京介にとっては他人であるからこそ意地をはらずに可愛がれる相手で、黒猫も京介は肉親でないからこそ、桐乃と違ってちゃんと人間関係の距離感を測る事が出来ていたわけで。
時として、彼我の距離感を測れずに踏み込みすぎ、離れすぎる肉親同士よりも、程よく近しい距離にある他人の方が、大きな影響と見識の変化をもたらすことがあるんですよね。麻奈美も、あれは肉親並に近すぎるのでダメだったんだろうし。
京介にどんな意識の変化が訪れたかどうかは、この巻の最後まで読めばわかるでしょう。正直、ここまで彼の桐乃への意識が変わると、この巻を挟んで桐乃との関係とか今後の話の広がり方とか、かなり変わりそうな予感がするんですよね。
黒猫との関係も含めて、これって麻奈美がいなかったらラブコメ的にもドえらく面白くなりそうなキャパもあったんだろうけどなあ。桐乃、これ絶対京介と黒猫との関係みたら、えらいことなるぞw
麻奈美の鉄板さはもうどうしようもなさそうだし、こればっかりはどうしようもないのか。

それにしても、京介は黒猫好きすぎだろうこれ(苦笑
ネコ可愛がり、とでも言うんだろうか。ここまで嬉々として性格の面倒くさい後輩少女の世話を焼きまくる男ってのも相当珍しいぞ。だいたい、小学生でもあるまいに、年下の女の子が部屋に入り浸っている事に対して、何の違和感も危機感も持っていない、というのはある意味阿良々木くん並に女性に対する意識がズレてるところがあるんだよなあ、京介にーちゃんは。
さすがに、二人きりの時は多少なりとも問題意識がある素振りを見せるあたりはまだ健全だけど。ただ、久々に伏見先生特有の女の子の無防備なエロさが所々で炸裂していたので、何となくイケナい雰囲気がそこかしこに漂っていて、ニヤニヤさせていただきましたけど。
まさか黒猫がこれほどヒロインとしてポンテンシャルを秘めていたとはなあ。4巻終わったときは黒猫ルート突入か、の振りにもふーんというくらいのものだっただけに、この巻の黒猫のヒロイン度の急上昇には、まったくもって御見逸しました、としか言えません。
あのシーン、黒猫のしおらしい態度からしても、まずメールの件がなかったらいわゆる決定的な出来事、が起こってたはずなのに、惜しい惜しい。

桐乃の一件は素直にお兄ちゃんグッドジョブ、と拍手したい。あのままだと、桐乃には間違いなくその後の人生に影響があるような挫折と傷を負うことになっただろうし。桐乃はバカだなあ、と思うけどあの自分に妥協や逃げを許さないかたくなさには敬意を覚えるんですよね。彼女のあの高潔さは失われてはいけない部分だと思うし、彼女が自身のそういう所に嫌悪や侮蔑を抱くようになってしまっては、彼女の在り様というのは大きく変わってしまっていたでしょう。
そんな彼女の一番真ん中の芯の部分に傷をつけず、大切なものを損なわせずに、見事に後ろに引かせたわけですから、お兄ちゃんよくやったと手放しで褒めてあげたい。
あのシーンは、桐乃を守る、という意味では一巻のクライマックスに匹敵するくらいに大きな仕事だったように思いますよ。

さて、これで黒猫の独壇場も終わってしまったものの、桐乃不在の間に大いに存在感を高めることには成功したわけで、これで次の巻からは二大巨頭並び立つ! といった風情になるのか。
次回はネタ満載のコメディになるそうですが、そろそろ沙織の話も読んでみたいなあ、とこれだけ想定以上の黒猫の可愛さを見せられると、ついつい期待してしまいます。

空ろの箱と零のマリア 34   

空ろの箱と零のマリア〈3〉 (電撃文庫)

【空ろの箱と零のマリア 3】 御影瑛路/鉄雄 電撃文庫

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上手い。やっぱり滅茶苦茶上手い。毎度のことながら、作者のイイ様に引っ張りまわされしまうこの作品の構成力には舌を巻いてしまう。
今回に関しては最初が誰か箱の所有者であり、今回の一件を引き起こした犯人か分かっている。もっと言えば犯人から明確な敵対宣言を受けている。故にこれまでのように誰が犯人か、という第一歩の段階で混迷を余儀なくされる余地はない、非常に明瞭にして明快な展開になるはずなのだ、普通は。
まったくもって考えが足りなかったとしか言い様がない。
逆に、犯人が分かっていることによって状況がここまで混迷させられるとは。それどころか、犯人が分かっているという一番重要で揺ぎ無いはずの前提条件ですら、それが正しいのかという真偽が問われることになるのだから、たまったものではない。情報が何もないという状況は確かに最悪だけれど、だからと言って情報を持っていることがそのまま難易度がイージーになるのとイコールではないということを、改めて思い知らされた。
まさか、ここまで引っ掻き回されるハメになるとは。
このシリーズの妙は、根底となる部分がとても単純で明快なモノとなっていることなんですよね。そのために、多重に迷彩がかけられ、幾重にもミスリードが仕掛けられ、何枚もフードが被せられた複雑怪奇な状況設定にも関わらず、分かりにくいと言うことがないのが凄い。状況が進み、真相が明らかになっていくに連れて、それまでの意味不明だった部分、違和感を感じていた部分、複雑に絡み合っていた部分が次々と紐解け、その意図が日の下に引っ張り出され、それがとてもシンプルなテクスチャーだったことが判明するわけです。
ああ、そうだったのか。と?が残ることなく理解が浸透し、納得が広がるわけです。
これがなにげに凄いんだ。
極限状態に置かれた人間心理の切迫感すらも、このゲームの全体の仕掛けに組み込まれており、それが明らかになったときのインパクトはなかなかのものだった。
さらに、このゲームは真相を知ったことで終わりではなく、むしろそこから新たな段階に進むようになっているのがまたよく出来ていると唸らされる。この参加者の情報格差はほんとに上手い。
加えて言うなら、このゲーム、進行するに連れて攻略の難易度自体は下がっていくんですね。情報が蓄積されることによって攻略の手法、手段はどんどん広がっていくわけです。
ただ、このゲームの怖いところはゲームを攻略して勝者になること=正解、では決してないところ。だからと言って、敗者になることは絶対的な敗北に繋がるわけでもあり、参加者は必死に無残な勝利を目指すことになる。
それこそ、手段を選ばずに、人を偽り、騙し、誘導し、陥れる。腹の探り合い、駆け引きに取り引き、脅しに懇願。ただ生き残るために、生き抜くために、人間性がむき出しに引きずり出される殺し合いのゲーム。でも、その人間として最低の薄汚い本性がむき出しになったとしても、そのさらに向こう側に垣間見えるのは、彼らの普段の姿だったりするんですよね。
エゴをむき出しにして生にしがみつくのが本性なのか、それとも他人を騙し傷つけることに自らも心がズタズタに傷つくことが本性なのか。
なかなか突きつけられるものがある。

そんな非日常の中で試されるのは、主人公の日常への異様な執着。今まで絶大な戦力であり頼もしい味方であったマリアは、その高潔な在り方からこのゲームでは最弱と言う他ないポディションに置かれている。信じられるのは彼女一人。でも、いつものように彼女には皆を守れる力はなく、それなのに自らを箱と規定している彼女は容易に自らの身を蔑ろにしようとする。
ゲームの全貌を知るに至った主人公は、彼女を守るため、日常を守るために通常の勝利条件を無視した、最難たる勝利条件に挑むことになる。それこそ、自らの生命を賭けた戦いに。

相変わらずマリアと一輝の絆の強さは揺るぎが無い。なんでこれで付きあわないのだろうと不思議に思うほどなんだけれど、マリアは自分を人間だと思っておらず、普通に幸せを手に入れる資格を持っていないと思い込んでいるだけに、あれほどデレているにも関わらず、マリアからの歩み寄りは無いと思っていいんでしょう。冒頭のお見舞いシーンでもその傾向は垣間見えたし。
ただ、今回は箱じゃないマリアの本音も聞けたし、一輝も過去のトラウマを押しのけてマリアを選択したわけだし、今マリアが無力化されている状況も相まって、次回の反撃の内容如何では大幅な進展もあるやも。

醍哉の方の事情も、どうも彼が口で言っている件だけではなさそうなんだよなあ。ゲームの中身自体は殆ど詳細が開示されたっぽいけど、まだまだ話全体には迷彩が掛かっている感じがする。醍哉とのやり取りを見る限り、一輝は何らかの推測が浮かんできているみたいだけど。

と、もの凄いイイところで次回に引き、というまたぞろ凶悪パターン。幸いにして、それほど待たされそうにないのは安心ですけど。

はこマリの略称はなかなかアリだと思うな、自分はw

秋田禎信BOX5   

秋田禎信BOX

【秋田禎信BOX】 秋田禎信

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限定生産とうたってたけれど、アマゾンではまだ在庫があるのか。7350円という書籍としては非常に高額なだけに購入をためらう人も多いと思うが、かつて【魔術士オーフェンはぐれ旅】を嗜んだ人ならば、これは絶対に買って損はないと断言します。

もう、すごいから。

このセットが世に出るきっかけとなった作者が自分のHPで掲載していた「あいつがそいつでこいつがそれで」の改訂版<キエサルヒマの終端>からしてあのオーフェンの物語に決着をつける意味でも凄かったのに、書下ろしの<約束の地で>と<魔王の娘の師匠>なんかもう、内容からして物凄かったとしか言い様がない。
<キエサルヒマの終端>は本編最終巻直後からのお話。短編の方の最後でオーフェンの娘の話なんかが載っていて、しかも舞台がキエサルヒマ大陸とは違う新たな大陸、と来て母親は誰なんだ、とか何がどうなってキエサルヒマから離れることになったんだ、と結構話題と言うか大混乱が起こったものですが、いわゆるオーフェンたちがキエサルヒマを旅立つまでを描いた話となっております。本編では結局最後の方まで身勝手な小娘の括りから逃れることの出来なかったクリーオウが、本編が終わったその後でようやく真のヒロインとして目覚めると言う驚愕のお話でもアリ……。いや、まじでクリーオウ、考え方と言うか心構えが以前とは別人かと言うくらいに変わってるんですよね。ある種の覚悟と、思慮を得ることで非常に大人びた女性の振る舞いになっているこの驚き。まあ、よくよく見ると無茶するのは何にも変わってないわけですけど、その無茶もちゃんとリスクを弁えた上で決然と踏み出した結果の無茶なので、以前とはまるで印象が異なっているわけです。
一連の大事件によって、大陸の情勢は混迷を極め、事態はキムラックの崩壊と、魔術士同盟と貴族連盟の全面戦争というところにまで発展。オーフェンの立場も随分と大変なことに。
ここでオーフェンがこうまで大掛かりな政治的な行動に討ってでるというのは、既にこの時点で将来における彼の立ち位置の片鱗が垣間見えているわけか。魔王となった彼は、もう一介の魔術士という立場を公的にも私的にも許されなくなってるんですよね。そして同時に、哀しいことに彼は自分の選択としてもそれを受け入れ、選んだわけだ。
そこで手を組んだ相手があの人達だったというのは、かなり意外でしたけど。ここで短編のメンバーが出てくるとは。しかも、結婚してるとは!! 結局直接は登場しなかったけど、いったい何を血迷ってあんなのと結婚したんだ、その人はw 話によると真面目な普通人みたいだし、本当にかわいそうにかわいそうに。

まー、結婚でびっくらこいたといえば、残り二組のカップルも相当驚かされたところだけれど。特に、ティッシは連載中に読んだ時には仰天したもんですわ。前々からそういう関係だったっていうけれど、読んでいる限りでは全然気がつかなかったですよ。

そして、最後まで理解が及びそうでその内面を解析しきれなかったコルゴン。最初から完成された人間であったが故の自信と行き詰まりを体現したようなキャラクターで、よくよく考えてみるととてもシンプルでわかりやすい在り方の男だったのかもしれないけど、本編だけだったらやっぱりよくわからなかったなあ。この男こそ、後日談があったからこそその人物がようやく理解できた人間と言えるんじゃないだろうか。クリーオウとの邂逅と、オーフェンとの決着。完璧にして完成された最強の暗殺者にして魔術士だった男の初めての挫折と混迷。理解できないものへ、クリーオウとの邂逅を通じてはじめて真正面から向き合い、それでもなお振り払おうとして相手と選んだのは、自らを打ち砕いた弟弟子。
その後の彼にどういう遍歴があって、20年後のああいう生き方にたどり着いたのかには、非常に興味をそそられるところではあるんだけれど、それが語られることはなさそうだなあ。ただ、まあ無為な人生を送っているわけではなさそうなのは良かった。

そして、メインディッシュこそこの<約束の地で>。
本編から二十年後ですぜ! 二十年後!
人に歴史あり、とは言うけれど、その歴史をリアルタイムで読み続けてきた身とするならば、あの生々しい日々が新世代の若者たちによって歴史として語られるというのは、かなり奇妙な気分だ。その当事者たちはみんな大人としてそれぞれに立場を変えながらも、そこにいるわけですしねえ。
オーフェンには娘がいることは、既にその娘が主人公の短編が描かれていることで明らかになっていたけれど、あのラッツベインだけでなく、彼女を長女として他にエッジとラチェットという全部で三人も娘がいたという事実が発覚。というか、全員名前ひどいよな、おい! ラッツベインが一番ひどいのは間違いないけど(殺鼠剤だぜ)、次女のエッジも、三女のラチェット(工具だぜ、ラチェットっつったら)といい、オーフェンのネーミングセンスの酷さは尋常ではない。自分の名前に孤児(オーフェン)と名付けたのは、ある種の自重と皮肉かと思っていたけれど、もしかしたら彼独特のズレたセンスも要因の一部なのかもしれない。
奥さんは何にも言わなかったんだろうか。あんまりこだわり無さそうだしなあ、彼女も。

エッジに関しては、プルートー師がキリランシェロに似ていると言ってるけど、この我の強さと言うか強引さについては母親の性質もよく出てる気がするなあ。むしろ、ラッツベインの方がキリランシェロっぽい所が垣間見える気がするようにも思える。ラチェットについてはあんまりキャラ描写がなかったからよくわかんないけど、どうやら周囲からは普通の子扱いされてるみたいなのが逆に怖いw 魔術士としての成績はあんまりよくないみたいだけど、本人にあんまりやる気がないからっぽい所もあるし、なによりレキと一番仲がイイっつーのがなあ。

子供世代というとベイジットが図抜けてひどいんだよなあ。これは、子育て失敗してるんじゃないだろうか。両親の悪いところ、というよりも悪質なところ? が合わさっちゃってるみたいなところがあるし。
一方でマヨールは、容姿は母親そっくりと繰り返し言われてるけど、中身についてはかなり父親そのまんまだよね、これ。まあ、あの人はなかなか内面を見せてくれなくてどういう人物か判断しにくいところがあったけど、つまるところこのマヨールみたいな人だったんじゃないかと。勿論、この子よりもイイ意味でも悪い意味でも抑制された人格っぽいけど。
ただ、二十年後のお父さんしている彼は、若い頃の印象よりもかなり柔らかい感じなので、抑制されていたというよりもかたくなだったのかもしれないなあ。若さゆえの固さというべきか。歳を経ることで自分のイメージと実情にズレが少なくなり、プライドの高さに肩肘を張り続ける必要もなくなって、柔らかくなったというべきか。

まあ、変わったと言えばやっぱりオーフェンが一番変わってるよなあ。この変わり方はかなり予想外だった。あれほどコミュニケーション能力に難ありだった男が、これほど世慣れるとは。否応なくとはいえ、チャイルドマンよりも余程うまくやってるんじゃないだろうか、これは。
けっこう家庭に馴染んでいるのもちょっとした驚きかも。
原大陸での開拓事業は相当ひどいものだったようだけれど、奥さんとの仲はどんなふうに進展していったんだか。奥さんも相当暴れたっぽいけどなあ。魔王のボディーガードってどんな異名だよ。武勇伝もまた、すごいことになってるし。
あと、二人がお見合いで出会ったと言う情報は確かに間違ってないけど、大間違いだ! 相手がそもそも違うし、実は本当は結婚詐欺でした、とか子供たちには教えられないわなあ(苦笑
そういえば、今はオーフェン、フィンランディ姓を名乗っているけど、これって聞き覚えがあると思ったら、キリランシェロの本姓だったんでしたね。いつ、どのタイミングからまたこの姓を名乗るようになったのかは興味深いところ。やっぱり、結婚する際なのかなあ。

第四部というだけあって、世界観の変動もえらいことになっている。少なくとも、以前のオーフェンの世界の感覚とはかなり激変してるんじゃないだろうか。
だいぶ落ち着いたとはいえ、ラッツベイン主役の短編を読んだ時に感じた平和な時代とはかなりイメージが違う、現在進行形で過酷な闘争がつづいている状態みたいだし、へたをすると原大陸のみならずキエサルヒマ大陸(島)にまで拡大しかねないという危惧すらあるというのが、この短編での重要なキーワードになっているわけで。
魔術の概念もかなりえらいことになってるしなあ。
最後の短編での話だけど、擬似空間転移でマジクが壁抜けしてみせたときはひっくり返ったし。音声魔術も、音響相殺魔術で消音を実現してるみたいだし。

そう、マジクといえば、この子もまた、なんというか、なるべくしてこんな大人になっちゃったというか。昼行灯と言うよりも枯れた大人になっちゃったなあ(苦笑 もうちょっと歪んで育つかとも思ったんだけれど。
でもこれじゃあ女の人にはモテないなあ。しばらく新婚のオーフェン夫妻のところに居候して、奥さんにもだいぶ面倒見てもらったみたいだし、なんか間近で見せられて、色々と達観しちゃったんだろうなあ。マジクって、奥さんに気があったっぽいし。
なんだかんだと暢気な師匠に弟子が構い続けてそのまま隣にくっつきそうな気配もあるけれど。

そのマジクさん。結局本編では瞳の色やその不安定な天才性で、思わせぶりにドラゴン種族じゃないのか、秘められた力があるんじゃないかと期待させながら、最後まで本人の努力によるわりと落ち着いた成長に基づく、活躍に終始してしまい、秘められたうんたらについては何もなく終わっちゃったんですよね。
ところが、やっぱりあったんだ、秘密!!
未収録短編での、チャイルドマン教室大集合編でのブラッディ・バース・リンとの大活劇から、一応彼の天才性の根拠となるような情報が、よりにもよってチャイルドマンから明かされることに。
っていうか、マジクの母ちゃん、本気で化けものだったんだな。短編の世界観仕様のアレかと思ってたんだが。

エンジェルハウリングの方も、コチラも後日談ですが、こっちは本編終了後から間もなくで、それぞれ生き様や立場が激変した、というわけでもないので、むしろコチラの方が物語の終わりの余韻を名残惜しむ意味では正しい後日談かもしれませんね。
サリオンの幸の薄さはきっと一生変わらんのだな(苦笑
特に目に見えて不幸ってわけじゃなのだけれど、この青年が幸せそうにしている情景がまるで浮かばない、ひたすらに気の毒そう、というのはどういうキャラクターなんだろう、ホントに。

まー、<約束の地で>を読むためだけでも、このボックス買う価値はあるんじゃないでしょうか。オーフェン好きだった世代には、垂涎モノです、間違いなく。
逆に言うと、これが本当に最後なんだろうなあ、としみじみと思う。作者はまだまだ小説家として世に作品を送り出してくるでしょうけど、オーフェンみたいなノリと枠組みの作品はきっともう書くこともないでしょうし。
自分の中に区切りを付ける意味でも、この書籍が出てくれたのは本当にありがたかったと思う。

ご馳走様でした。

“文学少女”見習いの、傷心。4   

“文学少女”見習いの、傷心。 (ファミ通文庫)

【“文学少女”見習いの、傷心。】 野村美月/竹岡美穂 ファミ通文庫

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よし、心葉はいっぺん死なそう。
前巻にて「ぼくは君が嫌いだ」と冷厳に告げた心葉。それはそれとして仕方の無い感情だとは思うのだけれど、その後の心葉の菜乃への仕打ちには、ちょっとマジで殺意が湧いてしまった。
なんでこの小僧はよりにもよってそういうわざわざ人の心をズタズタに切り裂くようなやり方をするんだ、人を遠ざける、排除するにしてもやり方ってもんがあるだろうに、彼にやり口というものは控えめに言っても人でなし、ろくでなしの類である。それをやるなら、最初からそうすれば良かったのだ。仮にも打ち解けてしまい、心の内側の幾許かを見せてしまった相手に、その態度は残酷にも程がある。嫌うというのは積極的な感情であり、対人関係においてより深い断絶を導くのは無視であるとよくいうけれど、考えてみると単に無視するというのも相手のアプローチが強力なものだった場合は積極的な意思表示になる行為と言える。
だとすれば、心葉が菜乃に示した態度は無視よりも断固とした拒絶であり、相手の人間性を蔑ろにし、自分に取って相手の存在が全く相手にする価値がない人間であるのだと知らしめる徹底的な断絶である。
これ、相手がタフネス菜乃だから良かったものの、このシリーズの多数派に所属するであろう繊細で精神的に脆く妙に叙情的で儚い思春期の少年少女たちだったら、すっぱり絶望して自死しかねない仕打ちですよ?

これには菜乃も相当傷つきめげたはずなんだけど、折れないなあこの子は。
この子の心には、どうやら陰ることの無い太陽が燦々と輝き続けているらしい。
だけれど、心に深い闇を持ち、暗闇に惑いと安堵をいだいている者たちにとっては、その光はいささか眩しすぎるらしい。
光は、暗闇に身を潜める儚い者たちの姿を、なぜ彼らが闇に親しむのか、闇に心を委ねているのかの理由も、事情も、何も考慮せず、配慮もせず、事情があるなどと想像すらもせず、それどころかそんな闇があることすら認知せず、その強い光によって暴きだそうとする。
その無神経さ、暴虐と理不尽に振り回され、あげつらわれ、痛めつけられて、彼ら彼女らはその善良な光の主に、苛立ち、怒り、憎悪を抱き、そして同時に闇と言う名の、人間が持つ本質、真実、醜悪さ、絶望の姿を知らない無知で愚かな善人に、仄暗い嘲りと優越感を抱くのだ。
何も知らないくせに。お前には理解できないのだ。この傷の痛みなど、想像もできないだろう、と。
見下し、侮蔑し、せせら笑う。

そうして無知で愚かで善良で、眩しい光を遠ざけようとしながら、一方で憧れ、羨望し、惹かれるのだ。

傷ついた自分を憐れみ、慈しみ、愛でるのは、甘い痛みに身を委ねるということで、それはきっと苦しくも心地よいものなのだろう。だけれど、その痛みは自分ばかりではなく他人をも傷つけ、苦しみを広げていくばかりなのだ。
それでも、どうしたらいいのか分からず心の中の暗闇に浸るか弱き者たちにとって、菜乃の存在は理不尽であり暴虐であるのだとしても、それ以上にやはり差し込む光であり、道を指し示す光なのだ。
太陽の光は、逃げこむべき闇を吹き払い、迷い子たちを隠れる場所の無い荒野へと放り出す。だが、心葉も、ななせも、もう闇に逃げ込み震えているだけの子たちではない。あの頃の彼らには、きっと菜乃の光は凶器にも等しかっただろうけれど、今の彼らは一度は一人で立ち、逃げるのではなく歩いて行こうと決意した子たちなのだ。菜乃の存在は、確かに彼らを前に進ませる力になっている、それが嬉しくも誇らしい。

一方で光そのものである菜乃もまた、自分の視界に映る世界以外にも、光が届かない場所があるのだということを、目のあたりにすることになる。人の心に闇があり、怪物は厳然と存在することを、それまで想像もしなかった奈乃は、急迫として突きつけられ、大いに衝撃を受けることになる。きっと、このとき太陽は一度確かに陰りかけたのかもしれない。人々の心にはびこる暗闇は、光を蝕み始めていたのかもしれない。
でも、その時に彼女に手を差し伸べ、彼女が光たらんとするのを支えたのが、心葉だったのは彼がもう遠子に手を引っ張られるだけの子じゃないのだというのがわかり、安堵と頼もしさを覚えたのでした。
大丈夫、この子は自分じゃない誰かを守ることの出来る子に、ちゃんと一歩一歩成れているよ。

それはななせもおんなじで、傷つき痛みに悶え苦しみながら、彼女のなかにはちゃんと勇気が芽生えている。この子だけは、菜乃の光に怯みはしても、その光にアテられている風はないんですよね。だから、妬みも見下しもしない。ただただ震えながら、それでもがむしゃらで、菜乃を気にしてないわけじゃないんだけれど、その存在感、在り方――光に気を取られることもなく、それよりも心葉の事に一生懸命で。それがななせらしくて、なんとももどかしくも愛しい。
他の連中はいいから、この娘だけは幸せになって欲しい。
ちょっとしたサプライズから、どうやら彼女の未来にはちゃんとその道筋が出来つつあるらしいことが伺えて、物凄くホッとさせられた。


“文学”に同期し若者たちの純粋で夢見がちな心を鏡とすることで、人の悪意も醜い愛憎も、何もかもが儚くも美しい結晶のように映り込むこの作品。その美しさに魅せられながらも、それらを美しいと思うこと自体に、怖気を感じることが侭ある。
そんな中で、菜乃の存在はそんな怖気と不安感をぬぐい去るナニカがあったのだけれど、残り一冊。文学少女見習いは、純粋で夢見がちな少女のまま、最後まで幻燈機に映る世界に飲み込まれない光として踏破できるのか。強く前向きな女の子のまま、バタバタと駆け抜けて欲しいなあ。

幻想譚グリモアリス 5.天の座に咲け叛逆者4   

幻想譚グリモアリスV  天の座に咲け叛逆者 (富士見ファンタジア文庫)

【幻想譚グリモアリス 5.天の座に咲け叛逆者】 海冬レイジ/松竜 富士見ファンタジア文庫

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誓護の冥界での立場と言うのは、アネモネ王家連合軍の軍師という位置にあたるのだろうけど、実際に果たしている役割を見てると、軍師どころじゃないんだよなあ。
彼が動いた時点で戦の勝敗も物事の真贋も、すべてが読み切られ、あとは彼の掌の上で何もかもが転がっていく。少なくとも彼に匹敵する指し手は存在せず、対局相手のいない詰将棋のようなもの。
それはもはや軍師や戦略家といった領域ではなく、占星術師か預言者のようなものだ。ただ、それらと誓護が決定的に違うのは、彼は決まりきった未来を運命のごとく語るわけでも、他人を物事を成就させるための駒扱いするわけでもなく、彼の計画のプロセスはそれに組み込まれた仲間たちが全力を振り絞って割り振られた役割を果すことを、信頼して組み上げられていることだろう。なにより、自分もまたその渦中に飛び込み、自分の組み上げた計画の歯車の一つとして危険の中に飛び込んで行くわけだ。
自分の身命を賭ける覚悟、他人の生命を預り使い尽くす覚悟、そして他人が本分を尽くすことを信じる覚悟。そうした生半可ではない覚悟を背負っているからこそ、アコニットをはじめアネモネ連合軍に加わったものは、彼に絶大な信頼を寄せるわけだ。

ぶっちゃけ、冥界の人々の彼への信頼感は、野放図ですらあるとも思うのだけれど。
もうここまで誓護が皆に認められちゃったら、アコニットと誓護、グリモアリスと人間の種族の違いなんて問題にならないんじゃないのか。
などと楽天的に眺めてたら、このシスコン、なにリヤナにまで粉かけてやがる(笑
だめだこいつ、ナチュラルにキザったらしい口説き文句を吐くのはアコニット限定かと思ってたら、無節操にリヤナにまで要らん事言ってやがる。その大切なお友達宣言はこれまでアコニット専用だったはずなのに、アコニットに知れたら大荒れだぞw
こうなったら早々にアコニットとの仲を<友達>から先に進めないと、色々と悲惨なことになりかねん。何度もいい雰囲気を重ねているわけだから、そろそろ周りの連中が後押ししてやってはくれないものだろうか。

と、二人の仲をどういう言ってる間にも、冥界の情勢はいきなりクライマックス。アネモネとロードデンドロンの連合軍が結成され、アコニットに反逆者の汚名を着せた霊廟への反抗を高らかに謳ったものの、状況はもう少しじっくり描かれると思ってたんですよね。それがまさに怒涛と言う他ない情勢の劇的進行。
もしかして巻きが入ったのか?
なんにせよ、オドラやアザレアたちを含めたこちら側の戦力総動員の総力戦。思わぬ人物までも引っ張り出して来援させたり、仰天の大どんでん返しが待っていたりと、疾走感たっぷりの見所満載な展開でしたけど、でもやっぱり急ぎ足という感じは少々するんですよね。軋軋の件にしても、アコニットのトラウマの解消と成長にしても、うまいこと処理はしているけれど、巻を分けてじっくりとやってくれたら、もっと感慨もひとしおだったんじゃないかと思ってしまう。
次回で最終巻というのは、やっぱり打ち切りなんだろうか。
まだ鈴蘭や千秋たちについての件も残ってるし、あれを一巻で片付けるというのもバタバタな感じがするんだけれど。
個人的には、アコニットと誓護のイチャイチャをもっとじっくりと見たかっただけに、二人の接触そのものが大闘争ということでどうしても少なくなってしまったのは物足りなかったので、次回こそはラストということもあり、バッサリやって欲しいところです。

神さまのいない日曜日3   

神さまのいない日曜日 (富士見ファンタジア文庫)

【神さまのいない日曜日】 入江君人/茨乃 富士見ファンタジア文庫

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なんで絶賛しつつみんな売れない売れないって付け加えるんだよ! と選考の選評を見て突っ込んでしまった(笑
いや、確かにそうなんだけど。
ウケ狙いとは程遠い、実に大賞らしいというか受賞作を取りに来た作品と言う完成度の高さを重視した作りは、この作品に限っては売れ筋ではないでしょうけど、前の大賞受賞者の人に比べれば(この人はこの人で別レーベルの作品ですけど独自の作風を確立して、物凄いファンなんですけど)、だいぶエンタメ方面に舵を切れる余裕が文体から感じられるので、むしろ以降のシリーズがどれだけ売れ線に手綱を緩めながらこの大賞受賞作の持つ<雰囲気>を堅持できるかのバランス調整に興味が湧くところです。

と、肝心の本編ですが、この手の卒なく余分の無い完成度の高いのが特徴の作品は感想の取っ掛かりがなくて難しいんだよなあ。ぶっちゃけこの人、読んだ感覚だと奔放にやらせたらかなりのスケール感を振り回せるポンテンシャルを感じたんだけれど、この作品に限っては色々と圧縮しすぎてポロポロと削り落ちている部分が目立ってしまうくらいにはあるんですよね。もっとテーマのみに焦点を当てて研ぎ澄ませる方式ならこれほど粗が目立つことも、肝心の主題に対する印象が薄まってしまうこともなかったんだろうけど、こりゃあもっと色々書きたかったんだろうなあ、というのが伝わってくる気がして、ついつい削り落としてしまった部分の削り跡に目が行ってしまいました。スカーにしてもユーリにしても、中途半端なんだよなあ。
それでもボロボロにならずに、ここまでガッチリ物語として固めてるんですから、感心させられる次第。

って、やっぱり中身に触れてないや。出来れば人が死ななくなった壊れた世界の街並み、人々の日常風景などといった世界観の根幹を担う部分をもっと読みたかったなあ。
 
6月25日
【Fate/Grand Order コミックアンソロジー THE NEXT 6】
 アンソロジー(DNAメディアコミックス)

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【ゴブリンスレイヤー:ブランニュー・デイ 2】
 蝸牛 くも/池野 雅博(ビッグガンガンコミックス)

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【ゴブリンスレイヤー 7】
 蝸牛くも/黒瀬 浩介(ビッグガンガンコミックス)

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【ゴブリンスレイヤー外伝:イヤーワン 4】
 蝸牛 くも/栄田 健人 (ビッグガンガンコミックス)

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【やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 -妄言録(モノローグ) 14】
 渡 航,/佳月 玲茅(ビッグガンガンコミックス)

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【兄の嫁と暮らしています。6】
 くずしろ(ヤングガンガンコミックス)

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【ユーベルブラット 23】
 塩野 干支郎次(ヤングガンガンコミックス)

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【異世界食堂 4】
  犬塚 惇平/九月 タカアキ (ヤングガンガンコミックス)

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【武装少女マキャヴェリズム 9】
 黒神遊夜/神崎かるな(カドカワコミックスA)

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【悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました 2】
 柚アンコ/永瀬さらさ(カドカワコミックスA)

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【狐のお嫁ちゃん 4】
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【Fate/Grand Order コミックアラカルト PLUS!3】
 アンソロジー(カドカワコミックスA)

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【フレームアームズ・ガール カナガタ・デイズ】
 常石ツネオ(カドカワコミックスA)

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【それゆけ! 異世界チート魔術師 2】
 川村 拓(カドカワコミックスA)

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【ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり15】
 竿尾悟/柳内たくみ(アルファポリスCOMICS)

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Re:ゼロから始める異世界生活 20
 長月達平(MF文庫J)

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「キミ、どこ住み?え、俺は空中要塞住みだけど」
 川岸殴魚(MF文庫J)

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自称Fランクのお兄さまがゲームで評価される学園の頂点に君臨するそうですよ? 6.5
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黒凪のダンジョンマスター 2.不適合スキルで海賊ライフ
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緋弾のアリア XXXI 静かなる鬼
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灰と幻想のグリムガル level.14++
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現実主義勇者の王国再建記 X
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異世界召喚された俺がHできない理由 Answer.2 HPチートで無双したから
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 ぎあまん(オーバーラップ文庫)

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女大好き、クズ王子 〜転生魔王のハーレム英雄譚〜 1
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 シゲ(オーバーラップノベルス)

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追放者食堂へようこそ! 1 最強パーティーを追放された料理人(Lv.99)は、田舎で念願の冒険者食堂を開きます!
 君川優樹(オーバーラップノベルス)

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学園騎士のレベルアップ! レベル1,000超えの転生者、落ちこぼれクラスに入学。そして、
 三上康明(ダッシュエックス文庫)

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地下室ダンジョン 〜貧乏兄妹は娯楽を求めて最強へ〜
 錆び匙(ダッシュエックス文庫)

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ソロ神官のVRMMO冒険記 4 〜どこから見ても狂戦士です本当にありがとうございました〜
 原初(ダッシュエックス文庫)

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私、聖女様じゃありませんよ!? 〜レベル上限100の異世界に、9999レベルの私が召喚された結果〜
 月島秀一(ダッシュエックス文庫)

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盾の勇者の成り上がり 22
 アネコユサギ(MFブックス)

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錬金術師です。自重はゴミ箱に捨ててきました。3
 夏月涼(MFブックス)

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剣と弓とちょこっと魔法の転生戦記  2 〜凡人貴族、好敵手との邂逅〜
 U字(MFブックス)

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見習い聖女の憂鬱
 澪亜(MFブックス)

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盾の勇者の成り上がりクラスアップ 公式設定資料集
 アネコユサギ(MFブックス)

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マネートラップ 偽りの王子と非道なる一族
 木崎ちあき(メディアワークス文庫)

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わけありシェアハウス
 綾藤安樹(メディアワークス文庫)

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逢う日、花咲く。
 青海野灰(メディアワークス文庫)

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オーダーは探偵に 失われた絆にひとしずくの謎解きを
 近江泉美(メディアワークス文庫)

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おはようの神様
 鈴森丹子(メディアワークス文庫)

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シャバの「普通」は難しい 04
 中村 颯希(エンターブレイン)

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6月24日
【ロード・エルメロイII世の事件簿 4】
 東冬/三田誠(カドカワコミックスA)

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【終末のノスフェラトゥ 3】
 真じろう(カドカワコミックスA)

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6月22日
【うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。 5】
 ほた。/CHIROLU(MFC)

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【剣鬼恋歌 Re:ゼロから始める異世界生活†真銘譚 1】
 野崎つばた/長月 達平(MFコミックス アライブシリーズ)

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【賭博師は祈らない 3】
 えかきびと/周藤 蓮(MFC)

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【Re:ゼロから始める異世界生活 第三章 Truth of Zero 10】
 マツセダイチ/長月 達平(MFコミックス アライブシリーズ)

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【ようこそ実力至上主義の教室へ 8】
 一乃 ゆゆ/衣笠彰梧(MFコミックス アライブシリーズ)

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新米オッサン冒険者、最強パーティに死ぬ ほど鍛えられて無敵になる。2
 岸馬きらく(HJ NOVELS)

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シロクマ転生 7 ―森の守護神になったぞ伝説―
 三島千廣(HJ NOVELS)

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異世界はスマートフォンとともに。17
 冬原パトラ(HJ NOVELS)

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6月21日
【ヴィンランド・サガ 22】
 幸村誠(アフタヌーンKC)

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【チェーザレ 破壊の創造者 12】
 惣領冬実(KCデラックス)

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【コウノドリ 27】
 鈴ノ木ユウ(モーニングKC)

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【はたらく細胞BLACK 4】
 初嘉屋一生/原田重光(モーニングKC)

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【HELLO WORLD】
 野崎まど(集英社文庫)

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6月20日
【なんでここに先生が!? 7】
 蘇募ロウ(ヤンマガKCスペシャル)

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学園王国の没落王と12人の生徒会長 乙女座ヴァージンロード
 岬かつみ(富士見ファンタジア文庫)

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公女殿下の家庭教師 3.魔法革命で迷える聖女を導きます
 七野りく(富士見ファンタジア文庫)

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アサシンズプライド 10.暗殺教師と水鏡双姫
 天城ケイ(富士見ファンタジア文庫)

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俺が好きなのは妹だけど妹じゃない 8.5
 恵比須清司(富士見ファンタジア文庫)

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最強奴隷商の烙印魔術と美少女堕とし 2
 初美陽一(富士見ファンタジア文庫)

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織田信奈の野望 全国版 22
 春日みかげ(富士見ファンタジア文庫)

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真リアルバウトハイスクールXX 春の嵐と虹の龍
 雑賀礼史(富士見ファンタジア文庫)

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真リアルバウトハイスクールXX 少年探偵と虹の悪魔
 雑賀礼史(富士見ファンタジア文庫)

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ウタカイ: 異能短歌遊戯
 森田季節(ハヤカワ文庫JA)

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機忍兵零牙〔新装版〕
 月村 了衛(ハヤカワ文庫JA)

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〔少女庭国〕
 矢部 嵩(ハヤカワ文庫JA)

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【君と過ごす最後の一週間】
 新井 輝(マイナビ出版ファン文庫)

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6月19日
【ゴールデンカムイ 18】
 野田サトル(ヤングジャンプコミックス)

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【すんどめ!!ミルキーウェイ 7】
 ふなつかずき(ヤングジャンプコミックス)

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【BUNGO-ブンゴ- 18】
 二宮裕次(ヤングジャンプコミックス)

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【薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~ 5】
 倉田三ノ路/日向夏(サンデーGXコミックス)

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【妹さえいればいい。@comic 8】
 い~どぅ~/平坂読(サンデーGXコミックス)

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【アサシンズプライド 4】
 加藤よし江/天城ケイ(ヤングジャンプコミックス)

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【虚構推理 スリーピング・マーダー】
 城平 京(講談社タイガ)

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【路地裏のほたる食堂 3つの嘘】
 大沼紀子(講談社タイガ)

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【それでもデミアンは一人なのか? Still Demian Has Only One Brain?】
 森 博嗣(講談社タイガ)

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【ブラッド・ブレイン 1.闇探偵の降臨】
 小島正樹(講談社タイガ)

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6月18日
友人キャラは大変ですか?7
 伊達 康(ガガガ文庫)

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千歳くんはラムネ瓶のなか
 裕夢(ガガガ文庫)

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リベンジャーズ・ハイ
 呂暇郁夫(ガガガ文庫)

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【古見さんは、コミュ症です。13】
 オダトモヒト(少年サンデーコミックス)

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【双亡亭壊すべし 13】
 藤田和日郎(少年サンデーコミックス)

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【トニカクカワイイ 6】
 畑健二郎(少年サンデーコミックス)

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【死神坊ちゃんと黒メイド 6】
 井上小春(サンデーうぇぶりSSC)

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【初恋ゾンビ 17】
 峰浪りょう(少年サンデーコミックス)

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【保安官エヴァンスの嘘 8】
 栗山ミヅキ(少年サンデーコミックス)

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【探偵ゼノと7つの殺人密室 6】
 杉山鉄兵/七月鏡一(少年サンデーコミックス)

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【私に天使が舞い降りた!8】
 椋木ななつ(百合姫コミックス)

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6月17日
【玉キック 4】
 光永 康則/いのまる(YKコミックス)

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【ダイヤのA act2 17】
 寺嶋裕二(講談社コミックス)

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【五等分の花嫁 10】
 春場ねぎ(講談社コミックス)

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【シチハゴジュウロク 3】
 工藤哲孝/笹古みとも(講談社コミックス)

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【白聖女と黒牧師 4】
 和武はざの(講談社コミックス月刊マガジン)

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【金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿 6】
 さとうふみや/天樹征丸(講談社コミックス)

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6月16日
銀河連合日本 11
 松本 保羽 (星海社FICTIONS)

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6月15日
天才王子の赤字国家再生術 4~そうだ、売国しよう~
 鳥羽 徹(GA文庫)

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ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 15
 大森藤ノ(GA文庫)

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最弱無敗の神装機竜《バハムート》 18
 明月 千里(GA文庫)

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お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件
 佐伯さん(GA文庫)

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魔王バトルロイヤル 魔力ゼロでも最強魔王になれますか? 2
 之雪(GA文庫)

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ワールドエンドクロニクル 2.君がセカイを裏切る前に
 霜野おつかい(GA文庫)

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スクランブル・イレギュラー 2.悪魔使いと呪われた欲望(オークション)
 只木ミロ (GA文庫)

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剣士を目指して入学したのに魔法適性9999なんですけど!? 8
 年中麦茶太郎(GAノベル)

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窓際の天才軍師 2 ~左遷先で楽しようとしたら救国の英雄に祭り上げられました~
 風来山(GAノベル)

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最強剣聖の魔法修行 2 ~レベル99のステータスを保ったままレベル1からやり直す~
 年中麦茶太郎(GAノベル)

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魔王様の街づくり! 8 ~最強のダンジョンは近代都市~
 月夜 涙(GAノベル)

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最強の魔導士。ひざに矢をうけてしまったので田舎の衛兵になる 4
 えぞぎんぎつね(GAノベル)

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底辺戦士、チート魔導師に転職する! 4
 kimimaro(GAノベル)

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失格紋の最強賢者 9~世界最強の賢者が更に強くなるために転生しました~
 進行諸島(GAノベル)

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冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた 5
 門司柿家(アース・スターノベル)

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人狼への転生、魔王の副官 12.新時代の幕開け
 漂月 (アース・スターノベル)

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転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す 1
 十夜(アース・スターノベル)

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悠久の愚者アズリーの、賢者のすゝめ 12
 壱弐参(アース・スターノベル)

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無職の英雄 別にスキルなんか要らなかったんだが 4
 九頭七尾(アース・スターノベル)

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6月14日
神様の薬草園 かまいたちの傷薬
 松浦(富士見L文庫)

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一生夢で食わせていきますが、なにか。
 黒崎 蒼(富士見L文庫)

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妖狐の執事はかしずかない 3
 古河 樹(富士見L文庫)

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紅霞後宮物語 第十幕
 雪村花菜(富士見L文庫)

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榮国物語 春華とりかえ抄 五
 一石月下(富士見L文庫)

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ホームレス・ホームズの優雅な0円推理
 森 晶麿(富士見L文庫)

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あやかし嫁入り縁結び 三 式神の願い、かなえます。
 椎名 蓮月(富士見L文庫)

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お師匠さまは、天神様 やり直しの道は太宰府から
 小田 菜摘(富士見L文庫)

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ロード・エルメロイII世の事件簿 3 「case.双貌塔イゼルマ(下)」
 三田誠(角川文庫)

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いまさら翼といわれても
 米澤 穂信(角川文庫)

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三鬼 三島屋変調百物語四之続
 宮部みゆき(角川文庫)

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狩人の悪夢
 有栖川 有栖(角川文庫)

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地獄くらやみ花もなき 参 蛇喰らう宿
 路生 よる(角川文庫)

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猟犬の旗
 芝村裕吏(角川文庫)

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6月12日
【王様ランキング 4】
 十日 草輔(ビームコミックス)

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【舞妓さんちのまかないさん 10】
 小山愛(少年サンデーコミックス〔スペシャル〕)

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【乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ 12】
 大西巷一(アクションコミックス)

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【人狼への転生、魔王の副官 はじまりの章 4】
 瑚澄遊智/漂月(アース・スター コミックス)

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【進め!ギガグリーン 3】
 藤木俊(ビッグ コミックス)

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【俺の彼女に何かようかい 6】
 高津カリノ(ガンガンコミックス)

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【ちょっといっぱい!5】
 火曜(まんがタイムKRコミックス)

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【骨董屋『猫亀堂』 にゃんこ店長の事件簿】
 浅海ユウ(双葉文庫)

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【出雲のあやかしホテルに就職します 6】
 硝子町玻璃 (双葉文庫)

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6月11日
【ニーナさんの魔法生活 2】
 高梨 りんご(メテオCOMICS)

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【異世界でもふもふなでなでするためにがんばってます。 7】
 向日葵(Mノベルス)

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6月10日
メニューをどうぞ 2.~迷宮大海老のビスク フィルダニア風~
 汐邑 雛(カドカワBOOKS)

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ゼロスキルの料理番
 延野 正行 (カドカワBOOKS)

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装備枠ゼロの最強剣士 2 でも、呪いの装備(可愛い)なら9999個つけ放題
 坂木 持丸(カドカワBOOKS)

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元・世界1位のサブキャラ育成日記 2 ~廃プレイヤー、異世界を攻略中!~
 沢村 治太郎(カドカワBOOKS)

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大預言者は前世から逃げる ~三周目は公爵令嬢に転生したから、バラ色ライフを送りたい~
 寿利真(カドカワBOOKS)

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ど庶民の私、実は転生者でした レアな浄化スキルが開花したので成り上がります!
 吉野屋 桜子 (カドカワBOOKS)

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異世界でスキルを解体したらチートな嫁が増殖しました 9.概念交差のストラクチャー
 千月さかき(カドカワBOOKS)

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本好きの下剋上 〜司書になるためには手段を選んでいられません〜 第四部 「貴族院の自称図書委員 VII」
 香月美夜(TOブックス)

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穏やか貴族の休暇のすすめ。5
 岬(TOブックス)

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ティアムーン帝国物語〜断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー〜
 餅月望(TOブックス)

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出来損ないと呼ばれた元英雄は、実家から追放されたので好き勝手に生きることにした 3
 紅月シン(TOブックス)

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キッチンカー『デリ・ジョイ』―車窓から異世界へ美味いもの密輸販売中!―】 
りぃん(TOブックス)

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【魔法少女育成計画 episodesΔ】
遠藤 浅蜊(このライトノベルがすごい!文庫)

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6月8日
【トリアージX 19】
 佐藤ショウジ(ドラゴンコミックスエイジ)

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【賢者ちゃんは悟ってない!3】
 菅原健二(ドラゴンコミックスエイジ)

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【死もまた死するものなれば 1】
 狛句/海法 紀光, 桜井 光(ドラゴンコミックスエイジ)

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ガーリー・エアフォースⅫ
 夏海公司(電撃文庫)

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ストライク・ザ・ブラッド 20.再会の吸血姫
 三雲岳斗(電撃文庫)

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スイレン・グラフティ わたしとあの娘のナイショの同居
 世津路 章(電撃文庫)

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モンスター娘ハンター すべてのモン娘はぼくの嫁!
 折口良乃(電撃文庫)

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幼なじみが絶対に負けないラブコメ
 二丸修一(電撃文庫)

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賢勇者シコルスキ・ジーライフの大いなる探求 〜愛弟子サヨナのわくわく冒険ランド〜
 有象利路(電撃文庫)

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魔法科高校の劣等生 29.追跡編(下)
 佐島 勤(電撃文庫)

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リベリオ・マキナ 2.《白檀式》文月の嫉妬心
 ミサキナギ(電撃文庫)

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乃木坂明日夏の秘密 4
 五十嵐雄策(電撃文庫)

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ヒトの時代は終わったけれど、それでもお腹は減りますか?2
 新 八角(電撃文庫)

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未踏召喚://ブラッドサイン 10
 鎌池和馬(電撃文庫)

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6月7日
【可愛いだけじゃない式守さん 1】
 真木 蛍五(KCデラックス)

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【UQ HOLDER!20】
 赤松健(講談社コミックス)

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【テンジュの国 4】
 泉一聞(講談社コミックス)

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【イジらないで、長瀞さん 5】
 ナナシ(講談社コミックス)

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【はねバド! 15】
 濱田浩輔(アフタヌーンKC)

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【いそあそび 3】
 佐藤宏海(アフタヌーンKC)

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【無双航路 3 転生して宇宙戦艦のAIになりました】
 松屋大好(レジェンドノベル)

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【幼女とスコップと魔眼王 1】
 丁々発止(レジェンドノベル)

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【ソシャゲダンジョン2 レア度Rの反逆】
 止流うず(レジェンドノベル)

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【異世界総力戦に日本国現る 2】
 河畑濤士(レジェンドノベル)

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【吸血鬼ハンター 35.D-黒い来訪者】
 菊地 秀行 (朝日文庫)

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【魔女と使い魔の猫】
 アマラ(宝島社)

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6月6日
【ヒッキーヒッキーシェイク】
 津原 泰水(ハヤカワ文庫JA)

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6月5日
桜降る代に決闘を 桜降る代の神語り 1
 五十嵐 月夜 (ドラゴンノベルス)

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異邦人、ダンジョンに潜る。2.ワイルドハント
 麻美 ヒナギ (ドラゴンノベルス)

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異世界転移、地雷付き。 2
 いつきみずほ(ドラゴンノベルス)

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【ジェノサイド・オンライン 2.極悪令嬢の集団遊戯】
たけのこ(BKブックス)

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6月4日
【ゆらぎ荘の幽奈さん 16】
 ミウラタダヒロ(ジャンプコミックス)

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【食戟のソーマ 35】
 佐伯 俊/森崎 友紀(ジャンプコミックス)

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【ぼくたちは勉強ができない 12】
 筒井大志(ジャンプコミックス)

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【冒険王ビィト 14】
 稲田 浩司/三条 陸(ジャンプコミックス)

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【BOXER’s BLAST 2】
 暁月 あきら/酒井 敦朗(ジャンプコミックス)

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【理想のヒモ生活 6】
 日月 ネコ/渡辺 恒彦(角川コミックス・エース)

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【であいもん 7】
 浅野りん(角川コミックス・エース)

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【グランジェリー 2】
 鰤/牙/夜桜 エレル(角川コミックス・エース)

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【モネさんのマジメすぎるつき合い方 6】
 梧桐 柾木(ジャンプコミックス)

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6月3日
【かさでん! 〜雨降る街の傘の伝説〜】
 渡辺 屋(MAGNET MACROLINK)

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6月1日
終末なにしてますか異伝 リーリァ・アスプレイ
 枯野瑛 (角川スニーカー文庫)

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ラストエンブリオ 7.吼えよ英傑、甦れ神の雷霆!
 竜ノ湖太郎(角川スニーカー文庫)

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ミリオン・クラウン 4
 竜ノ湖太郎(角川スニーカー文庫)

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葡萄大陸物語 野良猫姫と言葉渡しの王
 一ツ屋 赤彦(角川スニーカー文庫)

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所持金ゼロの彼が資産家令嬢から求められるようになった理由
 五木 友人(角川スニーカー文庫)

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中ボスさんレベル99、最強の部下たちとともに二周目突入!
 猿渡 かざみ(角川スニーカー文庫)

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<Infinite Dendrogram>―インフィニット・デンドログラム― 10.嵐の後、嵐の前
 海道左近(HJ文庫)

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道化か毒か錬金術 2
 水城正太郎(HJ文庫)

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お知らせ:最強魔王はダンジョン経営で荒稼ぎを始めます!
 坂本一馬(HJ文庫)

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異世界でタコ焼き屋はじめたけど、わりと簡単につぶれた
 七色春日(HJ文庫)

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百錬の覇王と聖約の戦乙女 18
 鷹山誠一(HJ文庫)

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5月31日
【お気に召すまま シギサワカヤ短編集】
 シギサワカヤ(白泉社)

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幼なじみが反対しますが秘密結社を廃業することにしました
 神野オキナ(講談社ラノベ文庫)

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素直になれたら廃ゲーマーな妹でもかまってくれますか?
 落合 祐輔(講談社ラノベ文庫)

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異世界支配のスキルテイカー10 ~ゼロから始める奴隷ハーレム~
 柑橘 ゆすら(講談社ラノベ文庫)

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恋愛禁止のアイドルだけど、お兄ちゃんなら恋してもいいよねっ?
 椎月アサミ(講談社ラノベ文庫)

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魔王さまの育児休暇 ~人間の幼女を拾って育てます~
 菊池九五(講談社ラノベ文庫)

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実は俺、最強でした?
 澄守彩(Kラノベブックス)

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Free Life Fantasy Online ~人外姫様、始めました~2
 子日あきすず(Kラノベブックス)

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どうしても破滅したくない悪役令嬢が現代兵器を手にした結果がこれです 2
 第616特別情報大隊(Kラノベブックス)

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【親友モブの俺に主人公の妹が惚れるわけがない】
 としぞう(PASH!ブックス)

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【クズ異能【温度を変える者≪サーモオペレーター≫】の俺が無双するまで 2】
 鍋敷(PASH!ブックス)

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【大好きな婚約者、僕に君は勿体ない! は?寝言は寝てから仰って】
 ナユタ(PASH!ブックス)

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5月30日
神スキルの門番(ゲートキーパー) 元英雄職「魔法剣士」が志す、悠々自適な「門番」ライフ
 春日山せいじ(ファミ通文庫)

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なぜ究極魔術師の俺ごときが、超人女子高生をチョロインにしてしまうのか
 黒九いな(ファミ通文庫)

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リアデイルの大地にて 2
 Ceez(エンターブレイン)

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ご近所の平穏を乱す奴が相手なら、アラフィフ勇者の最強スキルを使わざるをえない!2
 嬉野秋彦(エンターブレイン)

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辺境魔法学校 3
 金暮 銀 (ヒーロー文庫)

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ネクストライフ 15
 相野 仁 (ヒーロー文庫)

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青雲を駆ける 5
 肥前 文俊 (ヒーロー文庫)

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お人よし悪魔と駄女神さま 1
 瑞沢 ゆう (ヒーロー文庫)

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神様は少々私に手厳しい 5
 守野 伊音(ヒーロー文庫)

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転生少女の履歴書 8
 唐澤 和希 (ヒーロー文庫)

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アンリミテッド・レベル 3
 鏑木 カヅキ(ヒーロー文庫)

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モンスターのご主人様 14
 日暮眠都(モンスター文庫)

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神眼の勇者 9
 ファースト(モンスター文庫)

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賢者の弟子を名乗る賢者 11
 りゅうせんひろつぐ (GCノベルズ)

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田中~年齢イコール彼女いない歴の魔法使い~ 9
 ぶんころり(GCノベルズ)

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ご主人様とゆく異世界サバイバル!1
 リュート(GCノベルズ)

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アイヲンモール異世界店、本日グランドオープン!1
 坂東太郎(GCノベルズ)

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精霊達の楽園と理想の異世界生活 2
 たむたむ(幻冬舎コミックス)

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【メイドインアビス 8】
 つくしあきひと(バンブーコミックス)

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【アスモデウスはあきらめない 4】
 勇人(バンブーコミックス)

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5月29日
【キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦 2】
 okama/細音啓 (ヤングアニマルコミックス)

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【グランクレスト戦記 6】
 四葉真/水野良(ヤングアニマルコミックス)

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魔王様、リトライ!3
 神埼黒音(Mノベルス)

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冒険家になろう!〜スキルボードでダンジョン攻略〜3
萩鵜アキ(Mノベルス)

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空飛ぶクジラの幸せ生活〜神代の無敵艦と融合した俺は、背中に獣人たちの街をつくる〜2
じゃき(Mノベルス)

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5月28日
スキル0(ゼロ)冒険者の俺、結婚して龍王の騎士となる
 響恭也(ブレイブ文庫)

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