徒然雑記

終日のたりのたりかな  
  オロチのまどろむ庭TOP  読書メーター  月刊書籍発売カレンダー  書籍感想・殿堂作品
  書籍感想・著者索引(表紙絵附) 書籍感想・著者索引(シンプル版)  書籍感想・作品タイトル索引(シンプル版)
  7月の漫画新刊カレンダー  7月の書籍新刊カレンダー
  8月の漫画新刊カレンダー  8月の書籍新刊カレンダー
  

★★★★

数字で救う! 弱小国家 4.平和でいられる確率を求めよ。ただし大戦争は必須であるものとする。 ★★★★   



【数字で救う! 弱小国家 4.平和でいられる確率を求めよ。ただし大戦争は必須であるものとする。】 長田 信織/紅緒  電撃文庫

Amazon
Kindle BOOK☆WALKER

紆余曲折の果てに、契りを結んだソアラとナオキ。女王となったソアラは一児の母となり、そしてナオキは王配(女王の夫)としてソアラを助けつつ、宰相としての職務を日々こなしていた。なぜかちゃっかり宮廷女官長兼ナオキの愛人(女王陛下公認)におさまっているテレンティアが、しっかりナオキとの子を作っていたりするが、それはさておき、弱小国ファヴェールは平和であった。―そのはずだったのだが。ファヴェールが所属する国家同盟と、他の諸国連合の関係が悪化。史上最大規模の、『国家連合同士の大戦』が迫る。次なる世代に国の未来を繋ぐため、ソアラとナオキは、新たな戦いに臨む!!

「おっぱいは、おおきければおおきいほど、おおきい」

けだし名言である。しかも、数式的に出された答えである。冒頭のプロローグからこれですよ、かっ飛ばしてますなあ!
9歳から14歳に成長したツナちゃんことトゥーナ。天才数学少女も今はお年頃、と言ってもソアラのブラでフラフープして遊んでいる(真剣)くらいの娘さんでありますが、この時代の14歳ともなれば既に一人前に働いているわけで。成長したなー、ツナちゃんと感涙にむせぶまもなく監察官として全土を駆け回る日々である。傭兵隊長の息子のドクが護衛としてくっついているわけで、おうおうお年頃でありますなあ。
とか言ってるうちに、監察官として働くツナちゃん、不正を暴くべく数式を駆使しまくる。うん、わからん! いやまあ腰を据えて一からじっくりを理解しようと構えればなんとかなるレベルに押さえてくれてはいると思うのですけれど、正直仕事疲れであんまり頭が回らないときに読んだので、ドクと同じく同じ顔で「お、おう」と唸るばかり。こういう時はまずは結論を解せよ、である。にしても、わりと数式自体とそれの運用の仕方の描き方がガチめで、初っ端からやりたい放題なんですよね。この四巻、本来出るはずがなかった奇跡の巻らしく……そうだよね、主人公とヒロイン(+1)が結婚して子供まで産まれて、という状態からさらに続く、というのはなかなか決断のいる状況設定かと。実際、3巻終わった時点でシリーズも完結した、と思い込んでいたので4巻の発売情報にはかなりぶったまげた覚えがある。
でも、個人的にはこういうその後の話、も大変興味ありますし戦記物となれば言わば年代記の様相も呈していますし、世代を跨いでというのも戦記というジャンルで大きなスケールで物語を動かしていくには有為有用な展開でありますからねえ。
今回は特に作者先生がやりたいようにやりたい事を存分につぎ込んでいる感じというか勢いが感じられて、キャラクターもグイグイ動いて、読んでるこっちも勢いがつく空気感があってなんか痛快でありました。
国もキャラも、5年という月日と子供を持つ親の世代へと駆け上がったことで成熟を迎えた感もあるんですよね。行動に自信があり、人間関係に信頼があり、キャスティングボードをキャラ自身が握って動かしている感じなんですよね。
いわゆる大戦争への導入も、脚本通りではあるんでしょうけれど、その脚本自体がナオキとソアラとテレンティアに本人たちが一番やりたいようにやらせてあげる、という趣旨で転がした結果みたいなものでしたし。お膳立ては整えつつも、行動の選択はキャラ自身に預けるみたいな。こういうのって、作者とキャラクターの共同作業という体になってる感じがして、読者としてはこういうケースの作品全体のノリノリ感がほんと好きなんですわー、油が乗り切っている感じで。
感じ感じと、感じてばっかりですが、まあそんな感じなのです。

しかし、女王になり奥様になり母親になっても、ソアラのぼっちは治らんどころかますます磨き上げられてしまってるのかー。出征の際の、あとを託す子どもたちへの堂々とした宣言、「母上には友達がいません!」はちょっと不憫すぎて爆笑モノでした。彼女の場合、大半自業自得だけどな!
奥様はテレンティア以外ぼっちにも関わらず、夫の方はというとこいつ相当にアレな奴なのに悪友いるんですよねー。傭兵隊長、今は傭兵騎士のおっさんか。あのおっさんとのコンビもさることながら、軍の最高指揮官と次席指揮官のライアス公とケズテルド伯、この二人とはもうマブダチ、みたいなノリで、開戦前の相談というか悪巧みというか、さながら宅飲みでグダってるような三人のこの男同士の、おっさん三人の絡み合いはもう仲良すぎだろうこいつら、という風でいやあナオキが宰相として悪名高めながらやりたい放題やれてるの、家族がいるというだけじゃなくて、こういう心から言いたい放題言い合える得難い友人が身内に居て、偉いさんの中に居て、軍権握ってる人の中に居て、というのがあるんでしょうなあ。5年経って、国自体も発展したけれどそれ以上に味方の結束、身内の関係が素晴らしくいい形で成熟してるんですよね。今まさに、ファヴェールは最盛期を迎えつつある!とでも言うかのように。
まさにそのとおりだからこそ、チマチマしたローリスクローリターンな戦争ではなく、ハイリスクハイリターンな大戦争に打ってでることになったのでしょうが。

国際情勢も、前々の国と国の間での国境紛争という規模ではなく、同盟を結んだ国家連合同士の覇権争いへと移行しつつ在り、ファヴェールも敵を敵に回し味方も潜在的な競争相手として張り合い、と四方八方とせめぎ合うはめに。或いは望んで渦中へと飛び込んだり。
これ、地図を見ると分かる通り、欧州の地形をちょうど東西ひっくり返した形になってるんですね。ファヴェールはスウェーデンとフィンランドをあわせた土地に相当する国で、今回の同盟(アライアンス)と誓連会(リーグ)の戦争はちょうど、新教と旧教の戦いとなった三十年戦争を想起させるものになっている、と言っても細部から大きい部分に至るまで色々違うので、あくまでモデル、にもならないかもしれない。
ファヴェールが対決することになるピエルフシュは、いわゆるポーランド。ポーランドをなめてはいけません、侮ってはいけません、ある時期ではポーランドは欧州最強国家と言っても過言ではないくらいの国でしたし、まさにこのピエルフシュはそのポーランド最盛期……を若干通り過ぎたくらいか、ともあれ戦史においても伝説的神話的とすら言える騎兵、有翼重騎兵フサリア華やかなりしとき、をそのまま持ってきたような時期のかの国っぽいんですよね。
戦上手のライアス公とケズテルド伯をして、絶対勝てるかー、とトラウマになってるかのような慄き方をされているピエルフシュですけど、フサリアのあのやばすぎるというか非常識すぎるというか、現実仕事しろ、という伝説的な戦いを知ってしまうとまあ、わかるんですよねライアス公たちのトラウマ。ってか、彼らキルホルムの戦いの当事者じゃねえかw
まあそのフサリアの強さの秘密、というものをナオキは数式を以って具体的に解き明かしちゃってるんですけどね。つまり、偶然とかたまたまじゃなくて、あのフサリアの強さというのは数式で解き明かせるくらい確固とした答えの出せる強さでもあるわけだ。
ってかなんだよ、三倍の敵を中央突破で圧倒して殲滅するのを前提にした部隊ってw 前提からおかしいんですが!

そういう敵の強さの具体的なところを知っていると、ファヴェールなにやってんの!? 自殺!? 自殺!? と、あらゆる方面から白目剥かれた宣戦布告だったというのがより深く理解できるのじゃないでしょうか。
その後の電撃的な戦略機動は、ナオキの面目躍如というべきか、目指すところの高みと言うべきか。兵を歩かせてるだけで勝利を手にした、というのはナポレオンの大陸軍だったか。
ああいう士気高揚の演説を熟れた感じで出来るようになった、というのもナオキの成長、というよりも国家権力者としての成熟を感じさせられるのです。傭兵隊長のおっちゃんの忠言も、うまいこと拾い上げられてましたしねえ。少年の頃はまだまだ全体をあんなふうに掌握は出来てなかったと思う。
そう思えば、若い頃と比べても随分と腰も座りましたし、信頼できる味方も増えたものです。或いは、信頼できる人たちが増えたからこそ、余裕も備わったのかもしれませんが。でも、そういうスタッフを育て、彼らが働ける組織を立ち上げ育ててきたのも、ナオキたちなわけで、着実な躍進を様々な場面から感じさせてくれるんですよねえ。それがなんとも感慨深い。
ラストの決戦なんぞは、数学者が数式を書いてこの通りにやれば勝てるよ、と現場も見ないでうそぶいているようなもので、ある意味酷いことろくでもないことになってしまう定番とも言える展開なのですが、彼の場合計算どおりに、というのは予断や憶測、想像推理想定という曖昧な定義を重ねた計算ではなく、人の思わぬ行動や失敗不測の事態をも式の中に換算してある数式、ガチの数式なので、だいたいそのとおりに行くのであるが、往々にして人は数字がよくわからないので数字という真理を信じないし信じられないのが常なんだよなあ。まあこれも、式に代入する数字や前提が違ってしまえば、安定の計算違いになるものではあるんだけれど。
ナオキの凄みは、数学者であると同時に政治家であり組織人でもあるので、ちゃんと現実の方を数式に合わせられるだけの下ごしらえが出来る辣腕なんですよなあ。そして何より現場渦中におけるあのくそ度胸、魔術師呼ばわりも、決して的外れではないですよ、これは確かに。

さても、大戦争のタイトルに偽りなく、今までとはスケールからして異なるダイナミックな展開に、さらにラストでの大どんでんちゃぶ台返し。これはもう、今までが全部プロローグだったんじゃないの、とすら思いたくなるような、ここからさらにシリーズそのものの勢い増しましじゃないですかー、と言ったところでのエンディングであります。いやこれ、どう見ても5巻に続くじゃないんですか!? あとがきではどちらとも取れるような取れないようなコメントで、いやだからどっち!?
これはもうやりましょうよ、ガチの大戦争、さらなる大戦争を。待ち侘びます、はい。

シリーズ感想


魔弾の王と凍漣の雪姫(ミーチェリア)2 ★★★★   



【魔弾の王と凍漣の雪姫(ミーチェリア)2】  川口 士/美弥月いつか ダッシュエックス文庫

Amazon
Kindle BOOK☆WALKER

ブリューヌ、ジスタート連合軍によるムオジネル侵攻は、失敗に終わった。アルサスに帰還したティグルだが、国王からの密命を受けてジスタートへ向かう。愛するミラとの再会を無事に果たし、オルミュッツを訪れたティグルを、新たな出会いが待ち受けていた。ミラと険悪な間柄で知られる戦姫“銀閃の風姫”エレオノーラが来ていたのだ。一方そのころ、北西の王国アスヴァールは、ジスタートに野心の牙を向けようとしていた。そこには、戦による混乱と流血を望むブリューヌのガヌロン公爵と、そして魔物の影があった。黒弓と竜具に導かれるティグルとミラの運命は。新たな魔物との戦いが幕を開ける!
前作のメインヒロインであるエレン、ミラがヒロインとなったこちらのストーリーでは領地同士の繋がりも乏しいし、今回はしばらくは疎遠という形で行くのかなー、と思ってたら第二巻で速攻ガッツリ絡んできた。
もともとミラとはライバル関係だし、アルサスとエレンのライトメリッツも隣国と行っていい距離だし関わり合いにならないほうがおかしいか。いやでもね、前回のメインヒロインだけあってエレンとティグルってやっぱりべらぼうに相性いいんですよ。初対面で意気投合してしまうくらいには。しかも、身持ちの固いミラと違ってエレンてばやたらと全裸登場する始末。いや、エレンさんてばティグルに裸見せすぎじゃないですかね!? もうこれエロス担当ヒロインじゃないですかー。
ミラが思わずやきもきしてしまうのも無理からぬところでしょう。ただでさえ、ティグルとは表立って付き合えない身分差の恋ですものねえ。ティグルが一途で居てくれているからいいものの。これに関してはミラからはどうしようもなくて、ティグルが身を立ててくれないとどうにもならないですからねえ。それに、ある意味一代の戦姫だったエレンと違って、ミラのところは代々が戦姫を継いでいる家柄というのが、ティグルとの婚姻を面倒なことにしているわけで。ティグルも軽々には婿入りとか出来ない立場だもんなあ。親父殿が健在で幼く腹違いとはいえ弟がいる、というのは前作と大きな違いではあるものの……。下手に出世してしまっても、そうなると所属している国が違うという壁が隔ててしまうわけで、いやこれ前作よりかなりヒロインと結ばれるハードル上がってるなあ。
おまけに、魔物との戦いが本格化しはじめたこともあって、ティグルには早々に後継者、子供を作ってくれないと困るという話が持ち上がってしまい、これはまた形は変わってもまたぞろ嫁さんたくさん出来てしまうパターンなのか。
国内情勢も、ティナルディエの嫡子であるザイアンが生きてて竜騎士になるべく頑張ってたり、黒騎士ロランがバリバリ現役でファーロン王もガヌロンから手出しされていないのか健在と大きく異なっていたけれど、ここで国際情勢の方も前作とは大きく様相を異にしてきてアスヴァール王国の内乱もギネヴィア姫の動きが大きく変わっていて、これ成り上がったタラードどうなるんだろう。

ムネジオル王国の方でも、ダーマードがなんか第二の主人公みたくアイシェ姫をヒロインにして独自のストーリーを展開していて、こっちも目が離せない状況になってるんだよなあ。
もう一人、戦姫ミリッツァも今回ミラにもティグルにも会わないまま、一人でアルザス訪問したりと動いている様子が描かれていて、ある意味ソフィよりも重要な役どころなのかもしれない。

あ、ルーリックもちゃんと登場してくれましたが髪があるルーリックって新鮮w

シリーズ感想



理系な彼女の誘惑がポンコツかわいい ★★★★  



【理系な彼女の誘惑がポンコツかわいい】 長田 信織/うまくち醤油  角川スニーカー文庫

Amazon
Kindle BOOK☆WALKER

「逆関数で考えましょう。恋人をすれば恋ができる」。お前ほんとはバカだろ

「私が、あなたを魅了し尽くしてみせるわ」
セレブの子息令嬢が通う私立瑛銘学院。
外部編入ながら学院首席の久遠寺梓と、名家のお嬢様であり数学の天才・弥勒院由槻は、学院の特権を賭けた“恋愛ゲーム”に参加することに(参加者総勢2名)。
持ち得る知識を駆使して梓にアプローチをかける由槻だったが、その方法はいちいちズレていて……。
「簡単に言うと『私と会っていないときに会いたくなる度数』ね」「よく堂々と言えるなそんなこと?」
由槻、お前ほんとはバカだろ。
――どちらがよりエリートか、それは“相手を恋に落とせば”わかる。
知性派高校生たちによる計算高い(?)“惚れさせ合い”合戦、開幕!
相手を恋に落とした方が勝ち。
ただし、恋に落ちているかどうかについては、数学、記号論理学的に証明しなければならない
という話ですよね、これ!?
この由槻ちゃんは、感情は豊かな方なのだけれど情緒というものを理数学的にしか認知、認識できないっぽいんですよね。寓意とかも通じなくて、梓くんが使う慣用句やことわざなんかも表意的にしか意味を捉えられずに「????」となってるし、自分から伝える場合にもわかりやすく噛み砕いて、ということが出来なくて、とある方程式における単語の意味を問われたときに単語の定義を伝わりやすい表現に噛み砕いて、ということが出来なくてパニックになりかけてたりするんですよね。
ぶっちゃけ、仮想デート回の話を見たら、由槻も梓くんもお互いのことどう見てもべた惚れなんですよね。お互い好きすぎて、頭沸騰しちゃってるんじゃ、というくらいには出来上がっているのです。
つまり、相手を恋に落とす、という勝利条件は実のところこの恋愛ゲームがはじまった時点でクリアしちゃってるわけですよ。なんだそれ!?
ところがですよ、由槻は自分が恋しているという状態をまるで認識出来ていないのである。見ないふりをしているとか、鈍感とかじゃなく、もやもやした感情の正体がわからなくて戸惑っている、とかでもなく、本当に認識出来てないっぽいんだよなあ。明らかにそこに恋情は存在していて、それに基づく身体反応はしているし情動に基づく心の動悸も起こっている。にも関わらず思考においてそれはまったく認識されていないっぽいのだ。なにしろ、数学的に証明されていないので。

まあ由槻はこういう娘、極端な理系型というのでまあ理解は出来るのだけれど、問題は梓くんの方である。こいつはこいつで、まともなふりをしているけれど、実は由槻とおんなじステージに乗っかってしまっている面倒くさいやつなんじゃなかろうか。彼女と同じ目線に立つために試行の段階を彼女に合わせている、みたいな類のことを言っていたけれど、根本的なところで同類じゃないとここまで波長はあわないと思うぞ。ある程度、一般人側の思考によせることが出来るので色々とごまかしもきいてるみたいだけれど、傍から見てるとどう考えても由槻側の思考回路に論理基準なんですよね。審判役を充てがわれて、なんか二人のイチャイチャを間近で見る羽目になった楓音はそれだけで可哀相なんですけれど、このルールと言うか言葉というか世界観が違う二人の言動に振り回され、あまりに理数学的により過ぎてて理解不能のあれやこれやに付き合わされるこの娘の苦労は、登場人物中屈指なんじゃないだろうか。
ただまあ、改めて二人の出会いの話なんかみると、梓くん完全に彼女用に自分をカスタマイズしてしまってるからなあ。それ以前、自己が固まっていないと言うか自分の存在自体が否定されたような環境の中で自分自身ですら自己否定に近い状態で固まっていたところで、由槻に出会って自分自身のパラダイムシフトが起こったわけだから、一旦刷新して真っ白な状態から彼女に合わせた在り方に自分を整えてしまったようにしか見えないわけで。
いやだから、これをべた惚れと言わずしてなんというのかしら。
ラストシーンの由槻を理屈を以って肯定して彼女の人間らしさを証明する場面は、なんというか由槻のステージにあがった梓くんだからこそ叶えられたものであり、情と理が見事に掛け合わされた美しい方程式でした。それに対する由槻のエピローグにおける「2+1=」もまたこの上なくビシッとキメてくれた返しでありました。
いや、面白かったですよ。ただのラブコメではなく、感情表現のルールが異なっているというか、普通のラブコメと違う方程式で表現されているというか、違うステージ上でやってるようなラブコメが何とも喉元を擽られるような感覚で、妙な心地よさがありました。由槻も、理屈だけで形成されてはいるものの感情豊かで、その発露の方法やルールが違うだけで非常に女の子らしく、実によいメインヒロインしていましたし。梓くんは梓くんで、他者と意思疎通するのに難儀している由槻の最大の理解者であり通訳者であり、根本的には彼女の側の人間で、という由槻を孤立させないことに終止している寄り添う主人公でしたし。サブキャラの楓音と彩霞さんもいいキャラしていて、うん良いラブコメでした。

長田 信織作品感想

ロクでなし魔術講師と禁忌教典(アカシックレコード)14 ★★★★   



【ロクでなし魔術講師と禁忌教典(アカシックレコード)14】 】 羊太郎/三嶋 くろね  富士見ファンタジア文庫

Amazon
Kindle BOOK☆WALKER

リィエルの一件を乗り込え、ようやく訪れた平穏。女王陛下の尽力により数十年ぶりに開催されることになった魔術祭典に、アルザーノ帝国魔術学院、聖リリィ魔術女学院、クライトス魔術学院―アルザーノ帝国の各地から有力生徒たちが結集する。
「世界の大舞台で魔術の腕を競い合ったお祖父様が見たという光景を、この眼で見たいんです!」
その中には、もちろんシスティーナの姿もあり―。帝国代表の覇を競う中、因縁の少女・エレン=クライトスと再会することになるのだが…。選抜会に潜む卑劣な陰謀、そして失われゆく自分たちの未来を解放するため、システィーナは天高く飛翔する!

白猫成長したなあ。魔術祭典の帝国代表選手を選抜するための国内大会、ということでシスティーナの大会での大活躍が描かれる回なのかと思ってたら……えらいまた変則ルートに。いやもう白猫が既に学生レベルを大きく逸脱する実力を持ち得ているのはわかっていました。仮にもアルベルトの助手を務めましたし、イヴにも認められて実戦にも参加して強敵をその手で下しているわけですから。それでも、正直ここまで名実ともに学生レベルではないとは思わなかった。もう学生しか出ない大会では白猫の舞台としては役不足なのか。
その意味では、既に白猫はもう完全にグレンやルミア、リェエルが在籍している暗部の領域に足を踏み入れているんですよね。本当の殺し合いを前にして怖くて身が竦んで何も出来ず泣いてしまっていた白猫はもう本当に過去になってしまったである。実力も精神的にも足りず届かず、親友や大切な人たちが関わっているだろう事件を前にしても、傍観者でいるしかなかったシスティーナ。余裕もなく自分を突き放す人たちに八つ当たりするしかなかったシスティーナ。そんなかつての彼女を覚えていれば、この巻で見せた彼女の結実は胸が震えるような感動がある。システィーナが見苦しくみっともなくのたうち回り、無様に喚き見れたものじゃない姿を晒しながら、それでも一歩一歩着実に学んで、技を身につけ、恐怖を乗り越えて戦いの場に身を投じ、自分を切り売りしながらグレンたちがいる場所に這いつくばりながら登ってきたのを知っている。
知っているからこそ、エレンが言っていたような苦労知らずの天才だなんて、間違っても思わない。真実の修羅場に自ら飛び込み、命をすり減らして飛躍し、そうして開花した今のシスティーナの凄みを、実力を天才の一言で片付けられてなるものか、と言えるのである。
それはただ実力能力だけの問題ではなく、脱出できない永獄ループに囚われて二進も三進もいかなくなって行き詰まってしまったグレンに対して、精神的に余裕もなくして追い詰められた彼の八つ当たりに対して、びっくりするような包容力と理解力を見せたシーンなんか、いやもうどれだけヒロインとしても成長してしまったのか、と度肝を抜かれたのでした。グレンが隔ててしまう日常と非日常の境目を、この娘はもう容易に、無理もせず、相手に無理も強いず乗り越えてくるようになったんだなあ。ただ指を咥えて隔てられた向こう側から恨めしげに傍観するだけだった自分を、この娘はこれほど見事に克服してみせてくれた。もうグレンの中では白猫はセラを思い出させてくれる存在ではなく、白猫の存在そのものがグレンにとっての救いになりつつ在るんですよねえ。ほんと、自力でメインヒロインに相応しい存在感を手に入れてみせたわけだ、この娘は。

とまあ、圧倒的なまでの白猫回だった今回ですけれど、今までにない仕掛けが施されていたギミック的にも面白い回でありました。白猫メインにも関わらず、何気に美味しいところをちゃっかり着実にゲットしているイヴさん、最近目立たないルミアと違って着実にポイント稼いでるなあ。登場当初から貯めまくっていたヘイトも、だいぶ解消されてしまっているのがグレンの態度からも伺えるわけで。いやまじでイヴさん、セラの件で長らくこじらせ固執するはめに陥ってなかったらマジでヒロインとして揺るぎない地位をゲットできてたかもしれないのに、もったいない。

そして、本編の要となるだろう禁忌教典に関わる重要人物がしれっと向こうから飛び込んできて、ストーリーにもギアが入った感じ。そろそろクライマックスに突入するよ、と言わんばかりの伏線が飛び交い積み重なっているだけに、いつ導火線に火がつけられるか、ワクワクする状況になっていました。今回の話も、魔術祭典の代表選手を選抜するための大会で、本番はこれからなわけですしね。楽しみ楽しみ。

シリーズ感想

終末なにしてますか?異伝 リーリァ・アスプレイ ★★★★   



【終末なにしてますか?異伝 リーリァ・アスプレイ】 枯野 瑛/ue  角川スニーカー文庫

Amazon
Kindle BOOK☆WALKER

亡国の姫、勇者、13歳。『終末なにしてますか』シリーズもう一つの物語。

【TVアニメでも話題騒然の『終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?』シリーズから紡がれる、新・外伝。】

リーリァ・アスプレイ――極位の聖剣セニオリスに資格を認めらた正規勇者(リーガル・ブレイブ)の少女。
「あんたって、やっぱりさ。生きるの、へたくそだよね」
人類を守護するという使命を背負う彼女に並び立つことを諦めない兄弟子に、複雑な感情を抱きながら。
怪物(モンストラス)が蔓延る地上でリーリァが過ごすのは、烈しくも可憐な日々。
アニメ化も果たした『終末なにしてますか?』シリーズから紡がれる、いつかは滅びゆく大地で、いまを生きる勇者と人々の物語。

リーリァ・アスプレイは泣かない。
描かれるキャラクターの涙する姿が印象的なこのシリーズのジャケットデザインですけれど、聖剣セニオリスを手にこちらを振り返るリーリァの口元は強く引き結ばれ、その瞳はどこか虚ろでありながら強固な意志を感じさせる。それは多くの感情を封じ込めた、頑ななまでに鎧った表情であり、諦めであり、焦がれであり。このリーリァの物語を読んだあとだと、様々な想いを抱かせてくれるとても素晴らしい表紙絵である。一三歳のリーリァ。すでに正規勇者として最前線で活躍し続けていた彼女ですけれど、後の彼女と比べるとまだ自分の「正規勇者」としての命運に対して吹っ切れていない印象なんですよね。あるいは、その勇者としての命運を受け入れすぎているのか。
人類という総体を救う存在であるが故に、よりミクロな意味での救いたいと思う者を絶対に救えないという勇者という特質性。作中でも、リーリァは自分が助けたいと思った人を実際に助けられたことは本当に少ない、と吐露しているように人類最強級の戦士でありながら彼女は常に絶望と寄り添っている。その根底には諦観があり、それでも諦めきれずに手を差し伸べ続け叶わぬまま果てることに苦悩し続けている。この頃のリーリァはそんな勇者としての自分にのたうち回りながら足掻いている頃なのだろう。より頑なで周りを顧みない子供だったころ。
兄弟子ヴィレムの存在を、彼の在り方をどう受け止めていいのかまだわからないまま、ぐちゃぐちゃな想いを抱えていたころ。
後のリーリァも多分、泣かなかっただろうけれど、このリーリァのように堪えるように口元を引き結んではいなかった。その目を乾かせてはいなかった。最期までリーリァは幸せそうに想いを馳せて笑っていた。だからこれは、そんなリーリァに至る前の物語なのだ。
同時に、はるか昔に終わってしまうことがわかっている世界の物語でもある。結末を既に知っているだけに、全力で生きている姿を克明に鮮烈に描かれるこの作品のワンシーンワンシーンに、登場人物たちの生き様に、アデライードたちの生きるために懸命な輝きに胸を締め付けられる。
きっとこの作中の登場人物たちの誰にも理解できなかっただろう、ヨーズア氏の奈落のような絶望と姪っ子への愛情に共感させられる。
なんかもう、シリーズ全体の中から見た立ち位置として、物語の中身を度外視してもこの巻そのものが切ないんですよねえ。
それでも、彼らはこの時代、この時を現在として懸命に生きている。全力で生き足掻いている。

しかし、後の破滅とは関係なく、星神との戦いとの前段階で既にこの星の人類って容易に滅びやすい状況にあったんですよねえ。ちょっと気を抜くと滅びるよー、みたいな。でなければリーリァみたいな勇者が歴代活躍しているはずがなく、聖剣が開発されるはずもなく。
既にこの頃から人類、一杯一杯のギリギリを歩んでいるわけで、そこに生きる人たちにも瀬戸際の限界の端を歩いているような緊張感が、誰からも伺えるわけです。アデライードにしてもシリルにしてもあの孤児だったエマにしてすらも。
そんな中であのヴィレムである。この人だけ、この子だけ、ヴィレムだけはなんかこう、違うんですよねえ。いや違うくはないのかもしれないけれど、彼もまたこの簡単に滅びてしまいそうな世界の中で他の人達と同じようにギリギリを抱えながら生きているのだろうけれど、そのギリギリの意味が異なっているというべきか、あまりにもヴィレムはヴィレムでありすぎるというべきか。いつの時代、どんな世界でも、ヴィレムはヴィレムなんだよなあ。
そして、そんなヴィレムの凡人であるが故に凡人の極地へと至ってしまった彼の在り方は、その凡庸すぎる考え方の行き果てた先は、リーリァの諦めと絶望に対してあまりにもマッチングしすぎているんですよね。彼女が取りこぼしていくものを、どうしても掴めず拾えずどれだけ頑張ってもどうしようもできなかったものを、全部回収して拾い上げてすくい上げていくスタイル。丁寧に全部全部賄っていってくれるスタイル。
もうヴィレムがヴィレムすぎて、泣きそうになる。そんなヴィレムすぎるヴィレムを目の当たりにするリーリァの中から溢れてきて抑えきれず必死に蓋をしようとして抑え込みながらも、その隙間からこぼれ落ちてしまうキラキラした想いに、やっぱり泣きそうになってしまう。
ヴィレムに向けられるリーリァの笑み、彼女が笑う、笑えるというその意味に、その価値に胸打たれるのだ。
聖剣セニオリスの持ち主たちは、そんな風に笑っていく。そんな風に笑うものたちだからこそ、セニオリスは力を貸してくれるのだと、そんな者たちために生まれた剣なのだと、セニオリス誕生秘話も語っている。幕間に挟まれる初代勇者とそんな彼の人生に寄り添った精霊の物語、聖剣セニオリスがどのようにして誕生したのかを語る挿話がまた……クるんですよねえ。胸の奥からこみ上げてくるものがある。セニオリスが呪われた剣なんかじゃない、幾つもの願いが織り込まれ結実された優しい剣だというのが伝わってくる。

他にも、ヴィレムがどうしてセニオリスの調整が出来たのか、とか。セニオリスがどうして幾つもの護符(タリスマン)を繋いで剣として形成されているなんて変な構造をしているのか、など本編を補完する内容も幾つもあって、その意味でも読み応えある作品でした。
そして極位古聖剣モウルネンの継承条件なんか……あれずるいよね。六巻のラストにティアットがモウルネンを継承したシーンの重みがさらに変わってきてしまう。
なんかもう、色々と堪能させていただきましたよ、うん…………ヴィレムに似た人形ゲットして本能のままに抱き枕にしまくってるリーリァ、可愛かったですうん。目撃者は殺されそうですけどw

シリーズ感想

ゴブリンスレイヤー 9 ★★★★  



【ゴブリンスレイヤー 9】 蝸牛 くも/神奈月 昇  GA文庫

Amazon
Kindle BOOK☆WALKER

ただの配達。ゴブリンスレイヤーですら、そう思っていた。牧場の手伝いで配達に出たゴブリンスレイヤーは牛飼娘とともに、ゴブリンの大群に待ち伏せされる。それは、ある祈らぬ者の策謀だった!一方、ゴブリンスレイヤー不在の一党は、見習聖女の託宣より、雪山を目指すことに。そこは、氷の魔女の統べる永久の冬の領域だった!包囲された雪の廃村で、牛飼娘を守り、孤軍奮闘するゴブリンスレイヤー。彼不在の中、女神官は、ゴブリンではない怪物たちの脅威と対峙し、一党の行動を決断していく―。「―手は、あります」蝸牛くも×神奈月昇が贈るダークファンタジー第9弾!

表紙絵の受付さん、今回全然関係ないじゃん! 前々回に牛飼娘を表紙に抜擢してしまったが故のミスマッチ。今回こそ牛飼娘メインヒロイン回だったのです。いっそ新米戦士と見習聖女のコンビでも良かったのに。
というわけで、ゴブリンスレイヤーさんと牛飼娘とのふたり旅。この世界、幾ら何でもゴブリンとの遭遇率が高すぎやしませんかね!? ゴブリン退治の依頼抜きで別の依頼を受けても普通に配達に出てもゴブリンに遭遇するゴブスレさんである。特にゴブスレさんだけ遭遇率が高いというわけでもなく、万人総じて遭遇するわ、村が幾つも滅びているわ、とこの世界の環境が過酷すぎる、いまさらだけど。
この場合、ゴブスレさんが一緒についてきてくれていたことこそが幸いなのか。馬車と馬を失ってしまったの、地味に痛い損失な気もするけれど。馬車も馬も一財産なだけに、普通の農家だと一気に家計悪化してヤバイことになりそう。幸いにも、ゴブスレさんが相応に稼いでいるはずなのでこれは本格的に婿入りしてもらうしかないですね(完結)。
ともあれ、ゴブスレさんとしても戦えない人間を抱えながら戦うのは……いや、ゴブリンに捕まっていた女性なんかを助けて逃げながら、というシチュエーションはこれまでもあったかもしれないけれど、ゴブリンを殺すための戦いではなく失ってはいけない大切な人を護りきるための戦い、というのはゴブスレさんからしてもはじめての体験だったのではなかろうか。
ゴブリンスレイブマシーンと化していた頃のゴブスレさんだったら、果たしてこのシチュエーションを乗り越えられていたかどうか。きっちり切り替えて牛飼娘の安全を最優先に、そのためには自分もまた死んではならない、行動できないほどに傷ついてはならぬ、という縛りは新たに出来た仲間たちとの冒険の経験、自分に出来ることと人に頼ることの範囲を経験し体得していなければ、かなり危なかったのではなかろうか。彼の発想の豊かさの方向性はひたすらにゴブリンの殺し方、の方面に特化していたとも言えるので、それを二人で生き残る方向、牛飼娘を守る方向へと転換するのはいきなりでは出来なかったんじゃないか、と思えるのだ。これもまた、仲間たちの影響だろう。
翻って、ゴブスレさんの影響を深く受けてしまっている人もいるわけで。新米戦士と見習聖女のコンビもまた、基礎的な事とはいえゴブスレさんから教えを受けて、それを元に成長を続けているわけで。今回のゴブスレさん抜きのいつものメンバーに助けてもらって秩序神の託宣に従う冒険に向かうの、冒険者たちの横のつながりがホントしっかりしてきたのが見て取れて、思わずニマニマしてしまいます。
って、今回の見所は女神官でしょう。この人こそが良くも悪くもゴブスレさんの影響を色濃く受けてしまった最たる人で。そりゃ、冒険者になってからの殆の期間をゴブスレさんと行動し、ゴブスレさんのやり方を見続け体験し続けてきたわけですから、それ色に染まっちゃいますわなあ。
でも、この濃いメンツの中でリーダーシップを取って、というのは彼女自身の資質なんですよね。ごちゃごちゃ言わずに信頼して任せてくれる仲間たちだからこそ、とも言えるのでしょうけれど、女神官も頼れる仲間相手だからこそオーダーに遠慮がない、とも言えるのですけれど、色々と作戦を考えるだけではなく、判断し決断し選択肢を選んでパーティーを導いていく、というのは生半なことじゃないはずなんですよね。立派になったなあ。決め台詞が「策はあります」なのは、染まりすぎ、と思わなくもないですけど。
逆に言うと、この娘はもうゴブスレさんから独り立ちも出来るんだろうな、とも思えるんですよねえ。彼がいなくても立派にやっていけるだけのものを積み上げてるんだなあ、と。ヒロインから段々と主人公の方へとスライドしていっている感じが微妙にしなくもなかったり。

とはいえ、やっぱりここぞという時に危機一髪、パーティーが助けに現れるというシチュエーションは燃えます。ゴブスレさんが笑い、ゴブスレさんが冒険者を自認する。変わったものです。本当に、良き方へと変わったものです。

締めの方で、新米戦士と見習聖女のコンビに新しいメンバー白兎猟兵が加わって、新パーティーが出来上がったのもまた、なんとも微笑ましいことで。ってか、白兎くん女の子だったのか。順調に主人公ルートに入ってるな、この男の子も。


シリーズ感想

ガーリー・エアフォースXII ★★★★   



【ガーリー・エアフォースXII】 夏海 公司/遠坂 あさぎ  電撃文庫

Amazon
Kindle BOOK☆WALKER

米国で新たなドーター適合機が発見された!調整のため小松にやって来ると聞き、妹ができると期待に胸を躍らせるグリペン。しかし、覚醒前で眠りについたままのそのアニマの少女、XF‐108‐ANM、レイピアを巡り、慧たちは不可思議な事態に巻き込まれてゆき…?その他、グリペン、イーグル、ファントムそれぞれの前日譚に、健気で人気なベルクトとロシアンアニマ三人衆の交流も収録。癖の強い先輩アニマに困惑するベルクトは、果たして任務を達成できるのか!?バラエティ豊かなエピソード満載でお贈りする、美少女×戦闘機ストーリー最終章!

「Episode1 ドリームウィーバー」
「レイピア」ってなに!? こんな戦闘機知らないよ!? と、思ったら形式番号にXがついてた。試作のまま終わった機体か。その印象的なシルエット、ペンシル型と言って差し支えないだろうデザインは過渡期のジェット戦闘機を象徴しているかのようで面白い。
と、それはそれで新アニマとか本編では出てこなかったのに、どう展開を処理するんだろうと思っていたらまたぞろ凄い展開に。いやこれ、レイピアを表紙にって微妙に詐欺じゃないですかぃ!? このアニマの子って、殆ど活動してないじゃないですか。
アニマがどういう理屈で誕生しているか、をザイの正体が明らかになった上でその仕組の詳細が自明の理になっていたからこその大胆な展開で、いやこれこのレイピアのパターンが可能ならアニマを作るのって戦闘機に限定されなかったんじゃなかろうか。真面目な話、空母とかイージス艦でも可能っぽいんだよなあ。ともあれ、同時にその定義の不安定さこそが、この第一話の大混乱にも繋がっているわけで、概念が現実世界に侵食してしまったという話なんですよね。物理的には何も変わっていないにも関わらず、人間の認識だけが世界規模で塗り替えられていくって、やばすぎるにも程があるじゃないですか。
それがまた、戦略空軍マフィアの夢、というのが実にイキっていて大好物なのですが。そうだよね、ロケットやミサイルのたぐいの開発が失敗した世界なら、弾道弾も存在せず宇宙開発もなく、人工衛星による地上偵察もネットワークの構築も存在しませんよね。そこから派生していく戦略空軍という滅びた概念の可能性。これ、爆撃機の類のアニマを直接誕生させるのではなく、新世代戦略爆撃機ノースアメリカンXB-70の護衛機として計画されモックアップで破棄されることとなったレイピアを持ってくるのはまた乙だよなあ、と。
今回の自体が進むに連れて狂想曲と化していく展開に対しての、グリペンの塩対応がまたひどいんですよねw いや、わりと大変な事態なんですからもっと一緒になって慌ててくださいよ、と言いたくなるけど、グリペンからすると何やってんだこいつら、という事になってしまうんですかねえ。こういう時にいつも慧の側で一緒に共感し一緒に奔走してくれるのがファントムというのは、やはり相棒感は緑髪の彼女の方が強かったなあ、と思う次第です。
この話はオチがまたキマってて凄く好きですw

「Episode2 プリンセスイーグル」
自由奔放なイーグルに八代通さんが振り回されるお話。おっさん、それはアニマだから精神構造が謎、なのではなくて年頃の女の子に共通する最大の問題、というやつなんですよ、きっと。
娘が出来たら同じことになる予感。まあこの人が結婚するというのが少しも想像できないのだけれど。

「Episode3 シアターブルー」
自由奔放すぎるイーグルにファントムが振り回される話。いつものことながら、策士策に溺れるを地で行くファントムである。我に秘策あり、何て言うのは失敗フラグだ、と自分で言いながら「我に秘策あり」と自分で言ってしっかり失敗するあたり、律儀ですらある。そして、何かあると基地からの逃亡を図るな、このファントムさん。本編でも何度もエスケープしてたし、この巻の第一話でも脱走してたし!


「Episode4 フェイクモキュメンタリー」
広報用ビデオの作成まで担当する八代通さん。広報というよりも資金源のためのPVなわけだけれど、この人技官なのにホントなにやってんだろう。


「Episode5 トリコロール・ヴィント」
本編の前日譚。まずはグリペン。あの上海からの脱出船団を急襲したザイを迎撃に現れたグリペンが、どのような過程で出撃したのかを描いたエピソードである。本来なら戦闘どころか飛ぶことすら、それ以前に覚醒しかままならなかったグリペンが、どうしてあの場面で救援に訪れて、慧の前に現れたのか。
すべてが明らかになり、そして終わったあとになってみると、偶然などではなくまさに会うべくしてあった再会だったんだなあ、と。

そしてイーグル。整備員のフナさんとのお話。慧を除くとあのヒゲの整備長なフナさんが一番アニマたちを人と同じように慈しんでいたんだろうなあ、と想像してしまう一編でありました。

最後にファントム。これは前日譚ではなく作中時間内での掌編という感じだけれど、やっぱりいちばん乙女な側面を見せてたのってファントムだよなあ、と思わせてくれる一片でありました。

「Episode6 ザ・ラスト・バタフライ」
最終決戦前に、宇宙から舞い戻ったベルクトが一時期ロシア組に加わっていた時のお話。新参者としてうまく馴染めるかどうかドギマギしているベルクトが、ロシアアニマ三人娘たちに一人ひとり配属のご挨拶していくお話。
いきなりラーストチュカへの印象がひどいベルクトである。眉毛ないです。触れる者皆、傷つけるような目をシています怖いです、て。いやそりゃ実際怖いけどw
そしてなぜか出会って即数秒で何故か愚痴られ悩み相談されてるベルクト。そして、なんでかスランプに陥っていたジュラーヴリクのカウンセリングをして、相変わらず逃げ回っているパクファを追いかけ回し、と最終決戦前に何気にヤバイ状態に陥っていたロシアチームの救世主となってしまうベルクト。この子、日本に亡命してきたときも癒し系だったけれど、ロシアでも頼られ系だったのか。長らく、具体的には6巻分ほど物語上から消えてしまっていたのがやっぱり勿体無いイイキャラクターだったんですよねえ、ベルクト。
それにしても、いつも強気なジュラーヴリクの姐御が弱気でヘタレている姿はなかなか新鮮で良かったです。慧たちに、そんな弱気な姿見せるわけなかったですしねえ。

というわけで、短編集はあくまで作中時間内か、前日譚のみという形で終始しました。あの本編でのエピローグ以後の後日談をやらなかったのは、それだけ本編で全部書き切った、このガーリーエアフォースという物語が映し出される情景はあそこまで、という自負が伝わってくるようです。
とはいえ、何がきっかけになってもう一度はじまるかわからない、というフリはかましてくれてますが、あとがきで。
ともあれ物語の余韻もここまで。良きSF作品であり、物語でありました。


シリーズ感想

ストライク・ザ・ブラッド 20.再会の吸血姫 ★★★★   



【ストライク・ザ・ブラッド 20.再会の吸血姫】 三雲 岳斗/マニャ子 電撃文庫

Amazon
Kindle BOOK☆WALKER

戦場と化した絃神島で、古城はアヴローラと再び出会う!

真祖たちの乱入によって混迷を深めていく絃神島の領主選争。事態収拾の切り札である十二番目のアヴローラを連れて、志緒と唯里は絃神島へと向かう。しかし彼女たちを待ち受けていたのは、第二真祖“滅びの瞳”。包囲された志緒たちを救うため、第二真祖の支配地へと単身で乗りこむ雪菜だが――
そのころ古城は原因不明の飢えと渇きに苦しんでいた。集結した真祖たちと共鳴した眷獣たちの活性化が原因だ。そんな古城に第一真祖が告げる、眷獣たちの暴走を防ぐ恐るべき方法とは――
世界最強の吸血鬼が、常夏の人工島で繰り広げる学園アクションファンタジー、待望の第二十弾!
ついに、あの。あのアヴローラが再臨である。やっぱりこの娘、別格である。偉そうな古めかしい喋り方のくせに内気で弱気、儚げで可憐で健気で一途。このギャップは本編での再登場となっても凶悪極まる。ちょっと一緒にいたら好きになっちゃうのも無理がない可愛い生き物なのである。
事実、アヴローラのあまりの可愛さに次々と陥落していく彼女と行動することになった登場人物たち。だって可愛いもの、仕方ないよね?
だから、志緒と唯里が話していた、古城が雪菜と付き合わないのは他に本命が居るからだ、その相手こそアヴローラなのだ! という話、あながち間違いじゃないと思うんですよね。古城の心の中でアヴローラこそがずっと大きなものを占めていたのは絶対的に確かな話なのですから。
とはいえ、アヴローラと古城が付き合いだしてしまうと、雪菜が監視役というよりもただのヤバイストーカーと化してしまう、という想像図には吹いてしまいましたが。雪菜、同僚からも概ねそんな風に見られているのか。
まあアヴローラという大本命の再臨という自体ではありますけれど、雪菜もこれまで正妻として積み重ねてきたものがありますからね。何気に一番苦労しそうなのは浅葱の方かもしれない。浅葱はねえ、古城ベッタリじゃなく独自に頑張ってる自立した部分があるからこそ、という可哀想な面もあるんだけれど。本人のなかなか直截的な行動に移れない性格も大きいんでしょうけれど。
そうこうしているうちに、今回一番躍進していたの、カス子ですよね。何気に古城の面倒を甲斐甲斐しく見る、という部分で雪菜と張り合えるヒロインここまで居なかったですし、領主選争編ではドメインの領主の一人として大いに活躍しつつ、イロワーズ魔族特区の生き残りとしての生き様戦いっぷりも見せてくれましたし、その上で堂々とヒロイン戦線への名乗りあげですもんね。ここまでストレートにちゃんと好意を古城に突きつけた子って、なかなかいませんでしたからね。まあ優麻とかいましたけど。ラ・フォリアは腹黒すぎてカウント外w
それにしても、夏音、カス子、雪菜の三連夜這いは笑いましたけど、その子らみんなJC……。
そして、その一方で古城当人ではなく、牙城と深森の暁夫婦に勝手にご挨拶している煌坂紗矢華w 

三人の真祖たちの介入で大混乱に陥る領主選争は、終焉教団の主たる吸血王の目的とMARが黒幕という事実が明らかになり、ようやく全貌が明らかになってくる。その中で、アヴローラと古城の再会は決して幸せな再会とは行かない様相を呈してしまう。アヴローラこそ最後の贄。古城を第四真祖にした彼女こそが、古城を第四真祖として完成させるもの。しかしそれは同時に、幾つもの悲劇を招いてしまう。それを避けるために、真実を知った者たちはアヴローラを抹殺スべく動き出す。その中には雪菜の姿も。
果たして、古城が選ぶべき選択は。とクライマックスと盛り上がってきたところで、古城くんの雪菜への信頼がまた厚いんですよね。誰よりも大切なアヴローラを託すに足るは誰なのか。
その上で、ラストシーンがまた熱い。第四真祖という力も肩書も失いただの少年となった暁古城と、血の従者でもなくなり監視者としても意味を失ったただの少女、姫柊雪菜。そんな何者でもなくなったが故に、ありのままのただの古城と雪菜となった二人の、彼らの戦争(ケンカ)が今まさにはじまるのである。
まさにシリーズのクライマックスのはじまりに相応しい、次回への期待を膨らませてくれるシーンでした。これは次が楽しみ楽しみ。

シリーズ感想

ラストエンブリオ 7.吼えよ英傑、甦れ神の雷霆! ★★★★  



【ラストエンブリオ 7.吼えよ英傑、甦れ神の雷霆!】 竜ノ湖 太郎/ももこ  角川スニーカー文庫

Amazon
Kindle BOOK☆WALKER

箱庭第二桁、ギリシャ最強の魔王・テュポエウスとの一戦を終えた「問題児たち」。辛くも一時的に撃退したものの、しかしアトランティス大陸の異変は収まることがなく――。
巨人族が溢れ大陸全土が混乱する中、第二次太陽主権戦争・第一回戦は終わりを迎えようとしていた。謀り企てる"ウロボロス"のゲームメイカー、奮戦する問題児たち、『王の在り方』を問われるアステリオス――激動の中で様々な想いが交錯し、遂に"大父神宣言"の真実が解き明かされる時、英雄英傑、そして問題児たちは再び魔王・テュポエウスとの決戦に臨む!!
竜ノ湖太郎の大人気シリーズ、アトランティス大陸編、完結!

なんだろう、ようやく様々な謎が薄っすらとだけれど一つに繋がって見える範囲まで浮き上がってきた気がするぞ。破局的大噴火(ウルトラボルケイノ)による人類史の終焉、星辰粒子体(アストラルナノマシン)の研究の暗躍者、血中粒子加速器(Blood accelerator)の存在、第二次太陽主権戦争が行われる意味、星霊の定義。多種多様な用語が飛び交い、そこに秘めたる関連性がずっと示唆されつつも実際に紐づけするには複雑に絡み合いすぎていて、全体像が掴めなかったのも確かなんですよね。大まかな意味において、十六夜たちは何を目指すのか。近しい視点観点においては目的は個人的にもコミュニティ的にも色々とあるものの、大局的な俯瞰的なマクロな視点としては十六夜たち、方向性こそ見出しつつあったものの、それそのものを見出すためにもこの今回のギフトゲームに参加している、という感もあったんですよね。
まだあまりにも、あまりにも謎でわからないことも多く、真意が掴めないキャラクターも多いのですけれど、一つだけ……少なくとも一つだけははっきりとわかったことがあるんじゃないだろうか。
敵はジェームズ。ウロボロスのゲームメーカーを名乗るあの男だ。
魔王テュポエウスが義憤により立ったように、絶対悪アジ=ダカーハが偉大なる悪であったように、殿下が救世の英傑として再起したように、敵として立ちふさがった者たちにもそれぞれに戦うべき理由を矜持とともに持っていた。
あのクリシュナの皮を被ったナニモノかですら、その意図が悪しきものであったとしても真正面から自らの意志を貫こうと襲いかかってきた。あれもまた、絶対に相容れぬ戦うべき敵なんだろうけれど、あれですらまだ戦いが成立する、とも言えるんですよね。
対してジェームズである。意図を隠し思惑を秘し虚言を弄し他者を陥れ騙し公然と利用して、愉悦する。もう邪悪極まるんですよね。あれだけみんなから胡散臭くて信用出来ないと思われているにも関わらず、彼を排除できず彼の言葉に踊らされざるを得ないこのもどかしさたるや。その上で、今箱庭も外界もまとめて悪い方悪い方へと持っていこうとしているナニモノか、その起点となっているのがどうにもジェームズっぽい、という証拠と言えるのかわからないけれど、つながりのようなものが見えてきて、芋づる式に今あれもこれも全部見事に繋がっているんじゃないか、という感覚が引き釣り出されてきたっぽいのが、今回の話の肝の一つだった気がするんですよね。ぽい、だったり気がする、と断言できないところにやっぱりもどかしさもあるのですけれど。それでも、はっきりと目に見える形で、こいつが悪い! という相手が確定したというのは随分スッキリしたわけですよ。的がついに確かになったんですから。盛大にぶっ飛ばすべき怨敵が。許されざる真の外道が。
ウロボロス自体は、旧知の人物や以前の仲間が加わっていたり、決してそのもの全体が敵、というわけではなく内部でも意思統一がなされていないような感じもあるので、まるっとあいつら敵、とはならずモヤモヤしていただけに、余計に元凶がはっきりしたというのは物語としても焦点があってきたんですよね。
それでもまた新たに謎や設定も増えて来ているのですけれど。

ともあれ、大父神宣言の真実はこのアトランティス大陸編の決着を決定づけるに相応しい大解答でありました。いやこれ、大神ゼウスの有名な女癖の悪さからくる悪名を根底からひっくり返してしまう話だったんじゃないでしょうか。この解釈だと、ゼウスのあのレイプ魔としか言いようがない因業が、まるで真逆の意味になっちゃいますもんね。一つの神話大系の主神に相応しい偉大さとして語れるものじゃないでしょうか。ついでに女神ヘラのアレも一緒に意味づけてほしいところでありますけど。
他にも先代?問題児の一人であるあのアルゴールがついに出番だとばかりに登場したり、アルマテイアがいきなりひげをつけて解説をはじめたり、ケツァルコアトルさんがやたらイイ人だったり、と見どころは沢山あったわけですが、やはり一番の見せ場はアステリオスの王としての決断であり覚醒であったのでしょう。なにしろ、サブタイからして「甦れ神の雷霆」なのですから。かつてミノス王が乗り越えられなかった壁を、今息子たるアステリオスが乗り越え、箱庭世界に名乗りを上げる。
一方でまた魔王テュポエウスももうひとりの主人公なんですよね。アバターとなっている実験体の少年が宿していた、父とも思った相手からの裏切りによる悲嘆と絶望、そして怒りに義憤を覚え戦うテュポエウスもまた、父であるゼウスに裏切られたもの。その傷ついた心を目の当たりにした十六夜の行動は、あの抱擁は……なんていうんだろう、十六夜くんって色んな意味でこの子やっぱり「お兄ちゃん」なんだよなあ。

次の舞台はどうやら「ローマ」。コンクラーベという単語が出てきたけれど、果たして二回戦はどんなギフトゲームが用意されているのか。ジェームズが本格的にノーネームを敵と見定めた節もあり、ここからどんどん核心へと突き進んでいきそう。さあ、ワクワクしてきましたぞ。

シリーズ感想

幼女戦記 5.Abyssus abyssum invocat ★★★★   



【幼女戦記 5.Abyssus abyssum invocat】 カルロ・ゼン/篠月しのぶ  エンターブレイン

Amazon
Kindle BOOK☆WALKER

金髪、碧眼の愛くるしい外見ながら『悪魔』と忌避される帝国軍のターニャ・フォン・デグレチャフ魔導中佐。
冬までのタイムリミットを約二ヶ月と見積もった帝国軍参謀本部は積極的な攻勢か、越冬を見通した戦線再構築かで割れていた。激論の末に導き出された結論は、攻勢に必要な物資集積の合間での『実態調査』。実行部隊として、ターニャ率いるサラマンダー戦闘団は白羽の矢を立てられる。
進むべきか、踏みとどまるべきか?逡巡する暇はない。
地獄が地獄を呼び、止めどなく激化してゆく戦争。誰もが、守るべきものを心に抱き戦場に向かうのだ。すべては「祖国」のために。
デグさん完全に便利屋扱いだよなあ、これ。有能さを示せば示すほど際限なく仕事を割り振られていくのがこの世の真理。その上、現場と上との現状認識の乖離は容易に無茶振りへと繋がっていってしまうのである。デグさんもなまじ、その無茶振りを熟しちゃうから、上もそれが当たり前だと思っちゃうのがまた問題で。
戦闘団の即応編成って、これデグさん以外に務まるものなんだろうか。彼女はあくまで戦闘団の諸兵科連合としての有用性を示したつもりでいるようだけれど、参謀本部の方が重視しているのは即応性の方であってその点でも認識がややズレているみたいだし。

しかし泥沼である。参謀本部の冬季突入までに攻勢で押し切るか、越冬を見越して踏みとどまるか、の意見対立、なにがヤバイってどちらも間違っていなくて現状に対する危機感も同等に有しているところなんですよね。どちらかが明らかに間違えているなら、正しい方を選べば戦局は良い方に進むのでしょう。でもどちらも間違えていない、どちらも正しいということは、どちらを選んでも先に見通しが立たない、泥沼必至というところなんですもんね。
進むも地獄、引くも地獄。
そんな消耗戦の中で、ついにデグさんの子飼いである「第二〇三魔導大隊」からも戦死者が出てしまう。替えの効かない精兵の喪失である。特に航空魔導師の隊は大隊と言っても48名しかいないので、一人でも抜ければそれだけで相当の被害になってしまうのに、今回の戦闘で食らった損害はそれどころではなかったですからね。
あのデグレチャフ氏をもってして痛恨事と言わしめ、彼女自身ショックと後悔でのたうち回る事態に陥る凄まじい大損害だったのである。戦争中にもう同じレベルの精兵を集めるのは不可能でありますし、一から新兵を鍛えなおしている余裕など便利屋扱いでたらい回しにされているデグさんの部隊ではあり得るはずもなく。それでも、君なら出来るだろう、これまでも出来てたし、と臆面もなく要求してくるのが上なんですよね。
人材の払底を身をもって痛感させられているデグさんにとって、こうなってくると手元の能力在る部下たちは以前にもまして宝石のように思えてくるわけで。要求する能力にまったく足りていない未熟な兵や士官、それどころか無能の烙印を連打しても飽き足らないような士官まで回されてきた日には、それまで自分の手元で働いてくれていたヴィーシャやヴァイス中尉がどれほど有能で行き届いた手腕の持ち主か、というのを改めて実感させられるわけで。もう文中からデグさんの、ヴィーシャたちへの絶賛に絶賛を重ねるような賛辞の連発と、こいつらが居てくれてよかった、ほんとよかった、もうこいつら居なかったらと思うとゾッとする。凄い! 素敵! もう最高! 抱いて! 結婚して! とでも言いたげな想いがビリビリと伝わってくるのですよね。
大隊結成当初なんぞ、部下に対してはもっと冷めているというか、利用価値のある出世のための道具、自分の安全を保証するための肉盾、みたいな認識があったと思うのですけれど、まあ根本のところでは変わっていないのかもしれませんけど、喪うことなど想像もしたくない大事な大事な部下たちという想いは間違いのないものになってきてるよなあ、と思うところなんですよね。

さて、ひたすら打開の方法すらない泥沼一直線かと思われた東方戦線も、連邦の一般将兵の認識がイデオロギーのための戦争ではなく、祖国を守るためのナショナリズムの戦争だと気づいたデグさんによっての、上層部への意見通達によって、東方戦線は戦争のやり方そのものを変えていくことに。連邦が真の意味で青ざめることになる、帝国の戦争方針の大転換は果たして戦局の打開に繋がるのか。少なくとも一方的にどうしようもなくなっていくだけの行き詰まった展開からは、希望が見えてきたのだろうか。

それにしても、思いの外連邦のロリヤが有能で驚かされる。保身と組織防衛と政敵を追いやる謀略だけに長けているのかと思ったら、先の魔導師の復権の提案もそうでしたけれど戦争に勝つために真に必要なことをイデオロギーなどの建前を排除して、ちゃんと提案し用意し準備することができてるんですよね。これ、連合のチャーブル首相なみに手強い相手になってるんじゃなかろうか。
デグさんもえらいのに目をつけられたなあ。

シリーズ感想

あやかし同心捕物控 とんちんかん ★★★★   



【あやかし同心捕物控 とんちんかん】 霜島 けい  光文社時代小説文庫

Amazon
Kindle BOOK☆WALKER

盗人と疑われ、番屋につきだされてきた青物売りのお駒を放免してやった同心の柏木千太郎。跳ねっ返りで威勢はいいが、早くに両親を亡くし、十一で人買いに売られ苦労して生きてきた娘だ。そんなお駒を陰から見守っているらしき謎の男がいた―。その正体とは?(表題作)顔はないけど男前。のっぺら同心と仲間たちがあやかし騒ぎ解決に走る、妖怪捕物帖第三弾!


前の出版社でのシリーズは2巻までで止まっちゃったのですけれど、光文社から改めて再版されたのがこの「のっぺら坊」の同心柏木千太郎が活躍する【あやかし同心捕物控】でした。
でもそれって、同じ光文社から霜島先生が出されている【九十九字ふしぎ屋 商い中】との兼ね合いで再版しただけで、それでお終いだと思ってたんですよね。
まさか、新たに第三巻が出るとは。嬉しい……(しみじみ)

時代小説の醍醐味の一つに「人情物」があると思うのですけれど、本作はまさにその人情物の極みなんですよね。人情とはすなわち、人としての情け。他人への思いやり。これが、本作には目一杯詰まっている。情に厚いのは決してメインの登場人物たちだけではなくて、無名の人々もみんななんだかんだと優しいんですよ。
たとえば、第一話の主人公となるお駒。まだ十を幾ばくか過ぎたばかりの子供である彼女。人買いから逃げ出した子供に過ぎないこの子が、なんだかんだと長屋に暮らせて仕事も貰えて働いて生きていけているのって、様々な人たちがなにくれとなくこの身寄りのない娘を助けてくれたからなんですよね。住むところを世話してくれて、仕事も世話してくれて、と何の得もないのに手を尽くしてくれる情け深い人が幾人もいたわけだ。
お駒も、そんな情けに報いるために懸命に頑張るんだけれど、儘ならないのもまた人の世。人買いの追ってに追いかけられたり、見覚えのない金が手元に現れ盗人に間違われ、と苦労に苦労を重ねている。でも、そんな境遇に挫けることなく拗ねることなく、胸を張って真っ直ぐに生きてるんですよ、このお駒は。
もうメチャクチャいい子なのですよ。それも世間知らず故の苦労も知らない世の中の闇も知らないが故の気軽な善性ではなく、苦労に苦労を重ねた上でなおどっしりと揺るぎなく据え置いた貫目のある善性というべきか。まだ子供にも関わらず、お駒の言葉には人生の苦味を味わい尽くしたような悟りがあり、その上で人の善性を体現するかのようなセリフを誇るでもなくただただ自然と口ずさむのである。
イイ子を描くことはさして難しいことではないかもしれない。でも、倫理的にも当たり前のことを行い、口にすることでここまで「ああ、この娘は本当に良い子だ」としみじみと感じ入ってしまう、相変わらず霜島先生の人物描写たるや、尋常ではないと改めて思い知らされる次第である。
そんでもって、こういうホントにイイ子が、イイ子であるからこそきちんと報われることこそが、人情物の醍醐味なんですよね。それを主導するのが、我らがのっぺらぼうの千太郎とその一党。自分は盗みなんかしていない、と言い張るお駒を、お前は盗んでいない、と即座に信じて解き放つ千太郎、このシーンが好きでねえ。自分の潔白を、自分の在り方を、自分という人間そのものをこんな風に信じてくれることが、辛い思いを幾度もその身に、その心に刻んできたお駒にとってどれだけ嬉しいことだったか。
それからも、雨が続いて仕事が捗らずその日の食うものにも困っていた時に、さり気なく自分の子供の子守の世話なんかを頼んだりして、あれこれ世話を焼くわけですよ、千さんたら。
こういう、町の人達一人一人をよく見てくれる、見守ってくれる同心がいるわけですから、相手が人間じゃなくのっぺらぼうであろうと、そりゃ江戸の街の人々に慕われますわなあ。

第二話の憑き物のお話も、一度は途切れてしまった親子の縁、親子の情を人知れずつなぎ直す、そんなお話。本来なら既に潰えてしまったはずの絆であったものが、偶々最期を看取ったのが千太郎であったが故に、千太郎たちの尽力によって想いと願いを託して残すことが出来たというお話だったんですよね。本来ならもっと切なくも物悲しい話になりそうなところを、どこか心安らぐコメディチックなノリとテンポで描かれるのがまた良い味が出てるんですよね。暗い雰囲気などどこにもなく、どこか明るく脳天気に、しかししっとりと温かみの余韻を感じさせてくれる、思いやりをじっくり噛み締められる作品でありました。

しかし、正悟はまだぐだぐだしていて、おようさんとくっつけてないのか。じれったいというかなんというか。はやく所帯持ちなさいよ。

葡萄大陸物語 野良猫姫と言葉渡しの王 ★★★★   



【葡萄大陸物語 野良猫姫と言葉渡しの王】 一ツ屋 赤彦/紅緒  角川スニーカー文庫

Amazon
Kindle BOOK☆WALKER

第24回スニーカー大賞≪金賞≫受賞作!
様々な種族がひしめき合い、“葡萄”のように国が乱立する大陸の小国ランタン。流浪の少年メルは、多言語を話せる特技をランタン王に買われ、豹人族の姫シャルネの教育係に抜擢される。己の奔放な振る舞いにも常に優しいメルに、徐々に惹かれていくシャルネ。そんな折、大国との政略結婚を控えた彼女は相手の王を怒らせ、婚姻は最悪の形で破談に。二国間の緊張が高まる中、次期ランタン王に任命されたのは、なんとメル!? 王として彼が取った起死回生の策は、“シャルネと結婚し、豹人族の支援を取り付ける”というものだった! 言葉を操り、人を繋げ、敗戦必至の大戦に挑む! 弱小王国の下克上ファンタジー、ここに開幕! ※電子版特典として、電子限定書き下ろし短編『キリン様の憂鬱』を特別収録!

先代ランタン王が偉大すぎるんだよな、これ。
実のところ、本作のこの一巻ぶんにおけるランタン国が辿った道筋はほぼ先代ランタン王が描いた筋書き通りに進んでいる。自らの病による死の時期すらも織り込んだ大戦略は、恐るべき事に受動的な部分が殆ど見当たらない。未来を予測して備えるのではなく、望んだ道筋に誘導し現実を予定の方へと引きずり込んでいるのだ。これは自国のみならず敵国となるバツ国ですら変わらない。どころか、バツ国と敵対状態になりバツ国が攻め込んでくることすら、誘導によるものだというのだから戦慄すら覚える。
これ、バツ側からするとどこからどう見てもバツ側の意志によって侵略を開始しているはずなんですよね。しかも、大陸中に知れ渡った英雄であったランタン王の死を契機として攻め込んでいるのだから、ただでさえ普通に攻めても簡単に滅ぼせるだろう弱小国に、万難を排して挑もうという戦いであったはずなのだ。尤も、バツの政治を司る宰相アーデルハイドから言わせれば、早すぎる侵攻であったわけだけれど、宰相たる彼をして開戦を遅らせられないほどに政局が固められてしまった段階で、先代ランタン王の掌の上だったんですよね。
そして、ランタン王の大戦略の最後にして最大のピースであったのが、本作の主人公、流民の少年であったメル・アルカートなのでありました。
すべてはランタン王の掌の上、と言いつつもお膳立てされた舞台の上で踊るのは言われた動きしか出来ない駒などではなく、自分の意志で立ち自分の胸で理想を抱き、そして夢を語ることの出来る人間なのであります。駒では、決して自体を打開できない、この場をしのげても、ランタン王亡きあとのそのサキを続けていくことが出来ない。そして何より、そこにはランタン王が思い描いた夢が無い。
王が求めたのは、国の行く末……夢を託せる次代なのでありました。だから、彼が用意したお膳立ては、黙って乗っかればそれで全部キレイに片付く、なんて簡単な代物などではなく、そこに立った者たちが皆全力を尽くさねば乗り越えられない試練であり、その試練を超えてこそランタン国を、夢の地を続けていける、その先へ広げていける可能性を得られる、そんな残された者たちへの、託された者たちへの宿題でもあったのです。
ランタン王がその生涯をかけて築き上げてきた宝を、メルとシャルネに継承するあのシーンは、この巻においてもっとも美しい場面でもありました。王の言葉には力があり、想いがあり、慈愛があり、その一言一言が胸に響く玉音でありました。これほど強く優しく染み渡る言葉の連なりが果たしてどれほど今までに目の当たりにしたことがあったでしょうか。
感じ入るばかりでした。

先王に託された夢は、メル少年にとって彼自身も抱き続けた夢でした。しかしそこに、国という重石をつけられて、それまで流民として彷徨い続けた子供にすぎない彼は一人ではとてもその重さに耐えきれなかったでしょう。しかし、王はこうも言い残したのでした。
「君は人に支えてもらえる王になれ」
そして、彼の隣には勇気ある姫シャルネがいる。表紙絵で、二人背中合わせでしかししっかりと手を握り合っている姿は象徴的だ。彼らは二人でこのランタンの王となる。そして、ここで冒頭でメルがシャルネの無聊を慰めるために語ったこの葡萄大陸の主となる王の資格を語るおとぎ話が、差し込まれてくるんですよね。きれいなきれいな伏線の回収でありました。あの荒唐無稽とも矛盾の塊で実現の可能性がかけらもない、だからこそおとぎ話にしか思えなかったあの話が、こういう形で実在性を帯びてくるなんて。

実際のバツ国の侵攻に対する防衛戦も、非常に面白かった。ここで軍師ギンが存在感を増しましてくるんですよね。戦争にも関わらず人の死をなるべく回避しようとするメルの願いは、甘いもののようにも見えますけれど、実際のところこの戦場、この戦争だけに終わるものではない将来のランタン国の進むべき道を思えば、そして何よりランタン国が体現しようとしている人々の夢を思えば、それは大局的に正しい方針なのでしょう。感嘆するべきは、メルの方針を将来の布石にするまでもなく、この場の負うべきリスクにせず、この戦局における極めて強力な武器へと昇華せしめた軍師ギンの奸智でしょうか。裏で現実主義者を気取ってるわけでもないんですよね。理想を叶えるために汚れ仕事を引き受ける、なんて後ろ向きな真似……理想や夢を神輿にして現実から遠ざけて守ろうなんて真似をせず、きちんと一緒に真正面から夢を叶える同志として寄って立つ、そんな気概を見せてくれる軍師っぷりでありました。性格はひねくれてるっぽいですけど。
バツ国側も面白くて、侵攻軍の最高司令官である宰相アーデルハイド。彼は間違いなく傑出した人物なんですよね。その才覚は、組織運営者として極まったもので運用が極めて困難な大軍を全く何の問題もなく滞りなくスムーズに他国の首都まで進め、その後も全軍の手綱を握ってほぼ思う通りに動かせていたことからも明らかで、数々のシーンから彼の並外れた能力が伺えるわけです。同時に、その才覚はあくまで軍政家であり、組織運営者であって作戦家ではなかったというあたりが非常に面白かった。軍事的に無能、というわけではないのは現場での対応能力の高さや速さからも確かだと思うのですが、教科書以上の対応が取れないというのはホント、アーデルハイドさん前線指揮官向いてなかったんだろうな、というのが伝わってくるわけです。ただ彼の場合、それが無能に見えるのではなく逆に、明らかに向いていないにも関わらずここまで出来てしまうその能力のべらぼうさに度肝を抜かれてしまう、という感じなんですよね。
今回の適性ではない仕事を押し付けられてた件に代表されるように、アーデルハイドさんそのバグってんじゃないかとすら思える能力を十分に発揮できない環境に置かれているの、敵ながらもったいなさすぎと感じていただけに、ギンちゃんの「貴方の使えるべき国はそこではない」という伝言には、グッと来たんですよね。然り然り、と。

未だ幼き二人の子供、大陸すべての種族の言葉をしゃべることの出来る少年メルと、野良猫と呼ばれる豹人族の姫シャルネ。二人は出会い、恋をして、共に同じ夢を頂いて、偉大なる王から未来を託された。
彼らは二人で一つの王。幾多の種族が混在し手を取り合って暮らす小さな国を統べる王となった。
これはそんな二人が治める小さな国が、葡萄大陸と呼ばれる世界に大きく羽ばたく、そんな歴史の幕開けの物語である。

転生したらスライムだった件 14 ★★★★   



【転生したらスライムだった件 14】 伏瀬/みっつばー  GCノベルズ

Amazon
Kindle BOOK☆WALKER

帝国からの侵略をなんなく退けたリムルは、これ以上の戦争はごめんだと大本を叩くべく帝都へと乗り込む。
事前の計画は帝国幹部へとのし上がっていたユウキが国内でクーデターを起こし、皇帝の座を簒奪する手はずとなっていた。だがリムルは思い知らされる、先遣軍などとは比較にならない、帝国の真の戦力たちの実力を……。

むぎゃーーー! そこで終わるんかー!
なんか一番いいところで終わっちゃいましたがなッ。そこで、そこで止めですの!? このシリーズ、最近購入してこの14巻まで一気読み、というにはたっぷり三ヶ月位かけているのですが、最新刊まで手元において淀み無く読めていただけに、まだ次の巻が発売されていないまさにここで「レイニー止め」な展開をされてしまうとは。おおぅ、おおぅ。

帝国の西方侵攻軍の大半を撃滅してのけ、その論功行賞を行うことにしたリムルさん。そこで貯めた魂を使って大盤振る舞い、大レベルアップ、大覚醒祭りの開幕である。いやいや、そこで覚醒魔王を大量生産って、そりゃガゼル王以下周辺各国の皆々様が白目剥くのも当然ですわな。
リムル本人はもうノリノリで夜通し、覚醒した連中の称号とか考えるの楽しそうでしたけど。この人、八星魔王(オクタグラム)を即興で名付けたときもそうでしたけど、こういう名付けするの好きでしょ、絶対。そして、特に深慮遠謀とかじゃなく、ただ単に部下たちも覚醒させられる条件が整いました、と言われたから、出来るの?じゃあやっちゃおう!と特に何も考えずにやっちゃってますよね、この人絶対。
もうここまで来ると警戒するのも馬鹿らしいというか、西方諸国では抵抗しようのない戦力になっちゃってるのですが、それでもまあリムルなら大丈夫か、とみんなが仕方なさそうにため息つきながらも信頼して信用してくれるのは、リムルさんの人徳ですなあ。まあリムル側だけではなく、そうして信頼してくれるガゼル王たちの人となりもそれだけ大したものなのでしょうけれど。
サリオンのエルメシア皇帝とリムルとミョルマイルの三人の酔っぱらい談義は笑いましたけど。各国の国主のなかでこのエルメシアさんが一番リムルとノリあってるんじゃないだろうか。お互い楽しそうだし、まあいいや大丈夫大丈夫、という楽天的なところが異様に噛み合ってしまってる。おかげで、どんどん相乗効果で暴走しそうな組み合わせですが。

と、論功行賞にあわせてベニマルが無事年貢を納めることに。ベニマルは相手は一人と宣言していましたから正直、モミジの完勝でアルビスの方はちと苦しいかとも思っていたので、これは実質アルビスの粘り勝ちなんじゃないでしょうか。魔物の子作りに関する設定はこうなってくると結構面倒くさいものになってしまってる感もありますけど、望めば即子供が出来るというのはそれはそれで美味しいなあ。

というわけで、覚醒大祭りのおかげで世界の戦力バランスは見事に崩壊。西方を担って当方の帝国とゲームをシていたというギィもまたすっ飛んできたわけですが、これはまあリムルさんが悪いですよね。悪いというわけじゃないけど、誰の責任かというとリムルさんですね。いやまあ、リムルさんからすると知ったコッチャないのですが。そんなゲームとか行われてるの知らないし。
でも、クライマックスの展開を見てしまうとギィってばもうちょっと対戦相手の情報くれても良かったんじゃないだろうか。ヴェルドラがとられてしまう、というのはギィの側からしても殆ど詰みになってしまいかねない展開なわけですし。
いやそもそも、そうなり得るという事自体、ギィもヴェルザード姉さんも知らなかったのかしら。ヴェルザードもヴェルドラに会いに来てるわけですから、何の対策もとってない様子なのは相手の手の内知ってたら変な話ですもんね。
ユウキはこいつホントにやることなすこと何一つうまいこといかなさすぎて、実はガチで無能なんじゃないですか疑惑が。なんかやたらと本人自信満々だから周りも流されて騙されてるだけでw
それにしても、ダムダラの立ち位置というか何を考えているのかが未だに錯綜してよくわかんないですなあ。皇帝に忠誠を誓いつつも近藤中尉とは根本的に方針が違っているみたいですし。これも、今の皇帝ルドラの怪しい状態が関わっているのか。マサユキくんがここに関わっているらしいのは、本人まったく知らないっぽいけれど確実なようですし。まだもう一捻り一筋縄ではいかない展開が待っていそう。
次は9月だそうで、けっこう待つことになりそう。

シリーズ感想

転生したらスライムだった件 13 ★★★★   



【転生したらスライムだった件 13】 伏瀬/みっつばー  GCノベルズ

Amazon
Kindle BOOK☆WALKER

ジュラの大森林に攻め込む帝国94万の大軍勢。
迎え撃つテンペストは、魔王ラミリスの権能により、ダンジョンへと町を避難させた。
最前線で原初の悪魔であるテスタロッサ、ウルティマが猛威を振るう中、帝国軍はダンジョン攻略に乗り込む。
しかしそこで待っていたのは、圧倒的な武力を誇るテンペストの、凄まじいまでの虐殺劇であった……。

あらすじで虐殺劇って言っちゃってる……。いやもう実際誤解のしようがないくらい虐殺劇になっちゃっているのだけれど。ゴブタとガビルだけであれだけ圧倒できるほどとは思わんかったけれど。まああの二人からしてクレイマン基準で魔王級くらいの力はもうあるっぽいんですよねえ。便利に基準になってくれるクレイマンさん。そろそろ、クレイマンより強い程度だと大して強くないんじゃないか、という段階になってきてしまった気がしますが。
しかしこれだと、テスタロッサとか原初の三人衆を各軍団長の護衛につけたのって完全に過剰でしたよねえ。リムルの配下たちへの愛情からすると、万難を排して安全マージンを取るというのは必然だったのでしょうけれど、逆にゴブタがおかげで死ぬよりもひどい目に遭いかねなかったわけですが。テスタロッサにしたり顔で説教かますゴブタさんは、それこそ「さすゴブ」でありましたよ。
まあその愛情のおかげで帝国軍、可哀想なことになってしまうのですけど。最終的に帝国軍であかんくなったのってほぼほぼ全部原初たち相手にしちゃった連中なんですよねえ、南無南無。

さて、本番は迷宮に潜った魔都を蹂躙するために迷宮攻略をはじめてしまった帝国軍90万によるラミリス迷宮攻略戦である。ってかこれ、どう考えても戦力の逐次投入じゃないですか。迷宮に入った連中と連絡がとれないのに次々と迷宮に戦力送り込んじゃってまあ……。
これって、どう考えても普通のダンジョン攻略イベントでは誰も深層までたどり着かなくていつまで経っても出番ないだろう迷宮十傑のお披露目というか救済措置ですよね。通常ならどうやったってアダルマン階層で行き止まり状態だったもんなあ。ゼギオンとか、絶対に出番回ってこなかったろうし。わざわざ迷宮に入った軍勢を最初から各階層に割り振ったのも、十傑の出番くれーという露骨な要望のおかげでしたし。
でも、数だけはやたらめったら居たとは言え、最終的にゼギオンとクマラ以外の階層主を撃破出来たのって帝国軍、特に近衛というのは伊達ではなかったんだ。まあその分、ゼギオンの無茶苦茶さが際立ってしまったのですが。いや、あれはあかんやろうw リムルさんが、これ外に出しちゃだめなやつだ、というのも無理ないです。色々と頭が残念なヴェルドラさんよりも、これストイックで精神面で隙がないゼギオンの方がヤバイんじゃないだろうか。

しかし、あれだけフラグ立ててリムル狙われてる、狙われてるという状況になっているのにひょいひょい戦いにいっちゃってリムルの傍を離れてしまうシオンとディアブロてば。シオンはまあああいう子なので仕方ないのだけれど、ディアブロもあれ大概ポンコツなところありますなあ。
ちょっとマサユキくんが裏切り者だったのか、とドキドキしてしまいましたがさすがに伏線が露骨でしたか。ジンライがちゃんとマサユキくんの実態をわかっていた上で心から尊敬してついてきていたのは、なんか感動してしまった。そうなんだよなあ、マサユキくん当人に力がなくても決して期待を裏切らない男なんだよなあ。そして、リムルがガチでマサユキくん馬鹿にされたことに怒ったのもね、リムルのそういうところ凄い好きです。
クロエは、あれ切り札に近いジョーカーだと思ってのだけれど、案外使い所が難しい? というかこれ、継戦能力に相当に難ありだなあ。クロエ本人が実際にもっと成長というか年長になっていかないとなかなか自由に力振るえないんじゃなかろうか。
今回攻めてきたファルムス王国の軍勢を鏖殺して魔王になった時を上回る勢いで、敵軍を追い返すような甘い対応をせず本当に一人残らず皆殺しにしていってたので普段にまして容赦ないなあ、と思っていたのですが、ラストでまさかの復活劇に。いやでも、リムルさんのキャラクターからして敵に対しては冷酷非情の魔王なリムルさんよりも自分はこっちのゆるいリムルさんの方がやはり好ましいので、この展開は良かったですし有難かったですよ。
でも、これ下手したらアダルマンを教祖にしてルミナス教に匹敵する新宗教が誕生してしまいかねない危険性がw

シリーズ感想

我が驍勇にふるえよ天地 9 ~アレクシス帝国興隆記~ ★★★★   



【我が驍勇にふるえよ天地 9 ~アレクシス帝国興隆記~】 あわむら 赤光/卵の黄身  GA文庫

Amazon
Kindle BOOK☆WALKER

キルクス、カトルシヴァ両皇子との緒戦、勝ち負けつかず。
その結末は引き分けというにはあまりにも重い代償をレオナートに突きつけた。

一方、中央帝国パリディーダでは、ツァーラント帝国、ガビロン帝国を一つに束ね、三国同盟でレオナートを滅ぼす邪悪な秘策が蠢動していた。
恐るべき絵図を描くは、千里をも見通すとされる《魔女》シェヘラザード。
混乱の情勢を不敵に操る魔術のごとき企みが、レオたちを新たな戦いへと誘う――。

いざ示さん、王者の戦い!
強大なる三帝国を堂々迎え撃て!!
痛快にして本格なるファンタジー戦記の大本命、激動の第9弾!!
キルクス皇子、有能さではレオナートのライバルにふさわしいのだけれど、それに比して地盤と人材がレオナートと比べると著しく弱いのがネックだと思っていたのですが、なるほどこういう展開か。
まずはレオナート包囲網。出る杭は打たれる、というのは戦国乱世となった国際情勢なら当然で、放って置いたらまず間違いなく近隣の最大勢力へとのし上がるに違いなく、それでいて平和的にやりましょうなんて連中ではないのだから、まだどうにか出来るうちに寄ってたかって叩き潰そうとするのは当たり前の流れなのでしょう。
でも、むしろ合従軍やら包囲網なんてのを起こさないといけない時点で手遅れ、というケースも珍しくはないのですが、さて今回の場合はどうなのか。
少なくとも、シェーラやジュカが想定していなかった以上は相当に早巻きされた展開ではあるんでしょうね。それだけ、各国のアレクシス軍の勃興に対する危機感は高く、それらをまとめ上げたシェヘラザードの手腕は並々ならぬもの、となるのでしょう。
しかしこのシェヘラザード、かなりいきなりポッと出てきましたけれど、一体何者なのか。バックグラウンドがかなり不明であることはともかく、シェーラと瓜二つというのは何かしらの意味があるんだろうなあ。シェヘラザード自身はシェーラの事は全く知らなかったようなのだけれど。
何気にやりかたも結構似てるんですよね。シェーラの『伝説伝承』構想。あのフォークロアと、シェヘラザードの語る『魔王』という世界の敵を仕立て上げる構想は、ベクトルこそ異なっているものの構造としてはほぼ一緒のものですし。
それでも、シェヘラザードが一番の黒幕でラスボス、というにはもう一つなにか違う気がするんですよね。これだと、あくまでシェーラの対抗馬という構図が一番当てはまりそうですし。
となると、やはりキルクス皇子がレイナートの最大の好敵手になっていくのか。今の段階では包囲網の中でも弱小勢力ですけれど、この件をきっかけに彼に元に色々と糾合していきそうな流れが生まれていましたし。その中でも一番の要になりそうだったのが、ツァーラント帝国の騎士の中の騎士アルフレッドだったのですが……。
いや、こいつ実際どうなの?
自分ルールすぎて、周りついていけてないんじゃない? 怖いは怖いしそのメチャクチャなまでの強さは脅威なんだけれど、こいつだけ在り方が突出しすぎていて過程や他人の心を蔑ろにしすぎている分、質的にも量的にも消耗が激しすぎるんですよね。自分の正義は正しい、という信仰は勝っているうちは渋々周りもついていくかもしれないけれど……。
だいたいこれ、考え方がパターン決まっちゃってる節があるので、レイヴァーンが相手って一番あかん組み合わせだったんじゃないだろうか、アルフレッドにとって。
つーかこれ、相変わらずレイヴァーンが凄すぎる。軍略家として未だに登場人物中で頭一つ抜けてるんじゃないだろうか。よくまあ、この男に勝てたよなあ。いや、実際ちゃんと勝っていなくて、アドモスの政変のおかげで向こうから降ってきた当時を振り返ってみたら、果たしてあのままレイヴァーンと戦っててレイナートですらちゃんと勝てたのかどうか。
そのシリーズ最大の強敵がまったく衰えないまま味方になっている、という現状が頼もしすぎます。彼のみならず、アドモス帝国の強敵たちがほぼまるごと反転してこっちの味方になっているわけですからね。
これでもまだ人材が足りない! と嘆くレイナートが贅沢すぎるのですけれど、これをして贅沢などと言えないくらいやはり包囲網という状況は過酷なのか。
……アランくんがすっげーフラグ立ててったのですけれど、さすがにこれ逆にフラグ潰しですよね? ね?

シリーズ感想

転生したらスライムだった件 12 ★★★★   



【転生したらスライムだった件 12】 伏瀬/みっつばー  GCノベルズ

Amazon
Kindle BOOK☆WALKER

順調に勢力拡大を続けるテンペストに向け、ついに『東の帝国』が動き出した。
未来を知る少女“勇者クロエ"の話では、とある時間軸で、その帝国によってリムルが討たれ、テンペストが崩壊したという。
今はその時とは違った運命線にいるとはいえ、可能性が消えたわけではない。
警戒を強めるリムルであったが、そんな折、帝国の密偵がテンペストに潜入する――。


前々からずっと懸念材料、近々攻めてくる可能性大、という噂が流れていた東の帝国がついに本格的に動き出す。ある時間軸では、リムルの命運を絶ち、テンペストを滅ぼした相手なのだからリムルさんもそりゃ気合入るよなあ。
というわけで、帝国編はじまるよー。
で、はじまった途端に帝国の重鎮の一人が寝返って味方になってしまったという超速展開には笑ってしまった。いや、速い! 速いよ! まだ開戦もしてないし、前哨戦みたいな感じで先遣部隊がこっそり潜入してきて衝突が起こった、みたいな戦闘行為すら起こってないよ!?
でも、これに関しては帝国の大魔導師ガドラ老師のフットワークの軽さと判断の早さを褒めるべきなんでしょうね。偶々ラーゼンのお師匠様だったり、不死王のアダルマンと親友だったり、という深い縁があったとはいえ、テンペストやリムルの実情を知るや否や、これはあかん! と寝返っちゃったわけですしね。このシリーズ、正確な情報を得られないまま自分の都合の良い古い情報を信じたまま動いてエライ目に遭う面々には事欠かなかっただけに、これだけ手早く正確な情報を入手した上で躊躇わず適切な判断を選択するその賢明さは大したものだと頷かざるをえないんですよね。
しかも、それだけならただの機会主義者に見えてしまうのですけれど、元々帝国で大魔導師として技術推進を主導していた理由も、アダルマンが七曜に騙されて討たれたことに憤り、七曜とその主であるルミナスを仇討ちで倒そうという厚い友情から頑張っていた、というものですし、仕えていた帝国に対しても、ちゃんとテンペストに所属移る前にテンペストやばいから敵対しちゃだめー、と戦略会議では戦争に反対し皇帝本人にも直訴した上で殺されかかったので、というか蘇生手段を密かに用意していたのが功を奏して、殺されたけれど蘇生してテンペストへ逃げてきた、という義理立てしっかりとしてきてからの亡命ですからね。筋はちゃんと通してるんですよね。
それに、未だ帝国側で働いている自分の弟子として面倒みてきた異世界人たちに関しても、ガドラ老師自身が奔走して、リムル側と戦いになった時は助命嘆願しに駆け回ったり、説得してこっち側に亡命してくるように手回ししたり、と非常に情深くて面倒見良いところを見せてくれるものですから、このお爺ちゃん良い人だなあ、という印象になっちゃいまして。
あれだけ胡散臭くて、実際必要な情報回してくれなくて面倒なことになりかけたユウキに対しても、あの小僧め、と思いながらそれでも見捨てずに情報回してあげたり心配したりしてるわけで。人が良いんだよなあ。
ともあれ、能力的にも非常に高く、異世界人たちにも顔が利き、というかこの世界で生きるためのノウハウを叩き込んで面倒見続けてくれた師匠として大変慕われていて、昨今の帝国の技術発展に寄与し続けていた大人物であったこのガドラ老師が、速攻でテンペスト側に入ってしまった、という時点で帝国側の命運が透けて見えてきてしまったわけで。これは、思ってたよりも帝国側ヤバくはない?
そもそも、あのユウキが速攻で出世して軍の三大大将の一人に収まってしまう、みたいなことになっている時点でアレなんですよね。組織掌握してのし上がる能力に関してはユウキ、天才的なんでしょうけれど、どうしてもこいつっていつまで経っても小物感が抜けきらないというか、ギィにあれだけシバかれたのに懲りてないというか、やっぱりリムルとテンペストのことちゃんと評価しきれてないところとか、残念度が抜けきれてないんですよなあ。アルティメットスキルに目覚めても、あんまり貫目増えてないし。
今は帝国内の獅子身中の虫として蠢動してて、クーデター画策しているわけだけれど、こいつの計画ってなんともうまくいきそうな感じがまったくしないのが逆に面白く思えてきた。

さて、帝国側が異世界人を大量に抱えていることもあって、またぞろ沢山地球からの召喚者たちが出てきたけれど、最初期に敵対した人間として壊れてた三人組と違って、みんなマトモな連中なのでウマウマ。てか、シンジくんあれ何気に主人公体質なんだろうか。けっこう同輩から信頼され慕われてるみたいだけど。女性にモテて、しかもそれに気づいていない鈍感、という定番のアレみたいだしw

着々と進む、侵攻してくるだろう帝国に対する迎撃作戦計画だけど……ひどいねこれw
迷宮に街ごと収納しちゃうってなんだよそれ。防衛としては最強じゃないですか。帝国軍の技術も実際凄くて、このままだったら西側諸国一蹴されて然るべき質と量、戦車や飛空艇とか何世代技術力上回ってるんだ、というそれなんだけれど、それ以上にテンペストが酷いw
特にテンペスト側だけ戦場の霧が存在せず、映像で俯瞰的に敵情を観察できるとか、敵軍の動き丸見えすぎて可哀想になってくるじゃないですか。
帝国側の皇帝とその傍に侍る「元帥」の正体には少々驚かされましたけれど、またぞろこの人たちも目がギィにばかり向いていて、ヴェルドラの現状やリムルについてはさっぱり把握していないあたり、なんか見覚えのある光景というかなんというか。グランベル翁が主敵扱いだった、とか原初たちの動向を把握していなかったりとか、うん情報が古すぎる。この情報の遅れがどう影響してくるのか。とりあえずは、侵攻してきた帝国軍との開戦からか。

シリーズ感想

野生のラスボスが現れた!8 ★★★★   



【野生のラスボスが現れた!8】 炎頭(ファイヤーヘッド)/YahaKo  アース・スターノベル

Amazon
Kindle BOOK☆WALKER

世界存亡をかけた最終決戦、開始っ!!!!!!!!
敵(ラスボス)は――この世界を創造した女神!?


“俺"が存在していた現代日本で覇道十三星天の『蛇遣い』(ディーナ)を回収した“私"は、自身のすべてを思い出した。
私が夢から覚め、力を取り戻したということはきっとミズガルズに帰れば女神(アロヴィナス)が龍を起動させ、世界をリセットすべく破壊を進めるだろう。
そうなれば女神のアバターであるディーナが女神に操られることは避けられない。
私は必ず救い出すことを彼女に誓って最終決戦場ミズガルズへと舞い戻る。

世界の終焉がはじまったミズガルズで十二星天、勇者、七英雄たちが力を合わせて龍に立ち向かう中、私は対峙する。女神に操られたディーナ、そして傍らにたたずむ見知った姿のゴーレム(十二星天『天秤』)と。

この二人がいずれ敵として立ち塞がる事など分かり切っていた。だから驚きはない。ただ決意があるだけだ。返してもらう、などと図々しい事は言わない。
――ただ奪い取るだけだ!!
超インフレバトル、ついに開幕!!

の前に、冒頭近くでこのシリーズでも特に好きなシーンの一つがあるんですよね。ルファスのアバターとして誕生した地球の少年と道端ですれ違うシーン。自分がゲームのキャラであるルファスに憑依してしまった、と思い込んでいた「俺」の記憶の元となった少年。ディーナによって生み出された彼は、いわばもう一人のルファスだったんですよね。
ルファスは本来の記憶をディーナを通じて封印し、この地球の少年。自分のアバターである彼の記憶を自分の意識に上乗せすることで、自分がルファスではなくゲームのキャラに憑依してしまった地球の少年だと思い込むことで、ルファスを無力化したと女神アロヴィナスを誤解させ、ディーナの導きに従って女神のシナリオを覆す展開を着々と構築していったわけですが、この地球来訪によってついにルファスは自分の記憶を全部取り戻し、かつて自分とディーナの二人で企んだ作戦も全部思い出すことが出来たわけです。そして、それは地球人としての自分の記憶が、借り物であったという事実を知るということでもあり、この自分の記憶の元となったアバターの少年との邂逅は、同時にもう一人の自分との決別でもあったのです。
これ以降、「俺」はこの物語から離れ、関係のない一般人としての人生を歩んでいく。そして、ルファスはミズガルズへと帰り、女神との決戦に挑むことになる。
この自分との最初で最後の邂逅、二度と交差せず離れていく二人の人生の分岐点というシーンで凄く感慨深いんですよね。少なくとも、このシリーズの大半はルファスの自意識は彼女自身でありつつ、この少年でもあったのですから。読者としても、ある意味シリーズ最初からの付き合いである主人公であった彼がこの物語そのものから離れていく姿、というのは何とも複雑に心揺らされる想いだったのです。
そして、この物語は名実ともにルファス・マファールのモノとなるのである。


ここからの、本来の力を取り戻したルファスを中心とするバトルの展開は、とんでもないレベルでのインフレとなっていってこれがまためっちゃ楽しいのですよ!!
通常インフレバトルって、結局作者が強さの表現のバランス調整に失敗した結果、表現をどんどん過剰にして行かざるを得なくなってしまった結果、というパターンが多いのですけれど、本作に限って言えばまったくの真逆で、完全に統制され制御され計算しつくされた結果のインフレバトルなんですよね。
最初から、最終的にこの展開にしてやる、と周到に予定され準備された上でのバトルなのである。もう最初から、惑星ミズガルズさんや物理法則さんを「やめてー、もうライフはゼロだからやめてー」とガン泣きさせるつもりで粛々と物語が積み重ねられてきた、と思うとゾクゾクしてきてしまいます。
女神のしもべであり、世界そのものをリセットさせるためのシステムである龍たちの起動、の前の魔神王オルムとのタイマン決闘の時点で既に、いきなりスケールが惑星上から宇宙規模に跳ね上がりますからね。ってか、オルムの正体の全長が12万3000キロある、って地球一周で4万キロですからね、ちなみに!
まともな物理法則が機能していないミズカルズ世界だからこそ成立する戦いではあるんですが、それにしても本気でやりたい放題好き放題やってて、この滅茶苦茶さがホント好きです。
速攻で爆発四散させられる火星! 龍との掴み合いドツキ合いのさなかにその辺に転がってた石ころ感覚で鷲掴みに掴まれて、鈍器として相手の龍をボコボコに殴った挙げ句に粉砕されて粉々になってしまうお月さま。その後も、日龍、火龍、木龍、土龍と味方側との激闘でものすごい勢いでボロボロに消し飛んでいく太陽系ww
太陽系がやばいww
ミズガルズ本星。一応地球をモデルに女神が創った星なのだけれど、この規模の戦闘の舞台としてはあまりにも脆く小さすぎて、よくまあ原型保ってるな、頑張ってるな、と健気に思えてくるほどの悲惨なありさまに。いや、こうなるのはわかっていたので、事前にルファスとディーナが用意していた宇宙船にミズガルズ上の生命体や街や都市国家ごとまるまる避難させてたので、みんな無事は無事なのだけれど、世界をリセットするシステムである龍という存在、まったく過言でもなんでもなかったわけで。これとまともに戦えているルファス軍団が規格外すぎる。魔神王オルムは、正体が正体だけに順当ではあるんだけれど、ルファスの配下である覇道十三星も復活の七英雄も、なんというかさすがズブズブの女神が創った世界の存在というべきかなんというか。

とまあ、宇宙規模で大暴れしている連中がいる一方で、女神のシナリオをひっくり返した最大の功労者としてMVPの活躍を見せていたディーナとはまた別にもう一人、勇者として召喚された瀬衣少年がまた手放しでルファスたちから称賛されてるんですよね。このデタラメに力がインフレしてる世界の中で、ルファスたちの存在を目の当たりにしながら心折れることなく、さりとて力を求めることなく、弱ければ弱いなりにやるべきことを見つけて、世界を救う方法を手繰り寄せてきたのが瀬衣少年なのです。力があるからではなく、勇気あるからこその勇者。女神の誘惑にも誘導にもまったく揺るがされず、女神のシナリオを徹底的に台無しにしてみせた彼は、見事にこのインフレした世界の中で勇者しきってみせてくれたんですよね。最終的にも、ルファスが一番信頼してたのってディーナを除けば彼だったかもしれません。ルファスを世界の敵にせず、ルファスと自ら接触し話し合うことで未だ彼女を恐れる世界の人々と繋げてみせたのも彼でしたし、女神との決戦を前にして、ルファスが人々を纏めて避難させることを全面的に任せたのも彼でしたし。
瀬衣くん、登場から一貫して戦闘なんかでは一切活躍していないにも関わらず、しかし物語の中で肝心なタイミングでは常に活躍し続けてきてるのである。ひたすらインフレしていく展開の中で、きっちり彼のような存在を用意して、要所で大事な役割を負わせて、最後まで重きを成させるというのは何気に難しいと思うし、こういう子をちゃんと「弱くても関係なく格好いい」と思わせるように描くのって難易度相当だと思うのですけれど、瀬衣少年に関してはホントにお見事でした。ちゃんと、もうひとりの主人公になってたもんなあ。

そして、魔神王オルムが女神のシナリオから自ら外れた理由。このあたりも、ディーナの忠義のはじまりともかぶるものがあって、ジワジワと心揺さぶってくるのである。機械人形リーブラの、真なる魂の覚醒の場面もそうですし、個々のキャラクターの情理を深く掘り下げてくるタイミングといい描き方といい、なかなかいい具合にハートを鷲掴みにしてくる描写なんですよねえ。
もう色んな意味で際限なく果てしなく盛り上がってきたクライマックスバトル。
稀代のポンコツ女神アロヴィナスとの最終決戦、どこまでテンション上げきるか、どこまでインフレし尽くすのか。ウェブ版読んではいるのですけれど、さらに上乗せマシマシしてくれそうで、実に楽しみです。というか、何回読んでも楽しいなあこれ。
ルファスさま、リーブラの件でかましたアロヴィナスへの煽り方、ちょっと芸術的なくらい最高すぎますよ、それww

7巻感想

ぼんくら陰陽師の鬼嫁 五 ★★★★   



【ぼんくら陰陽師の鬼嫁 五】 秋田 みやび/しの とうこ 富士見L文庫

Amazon
Kindle BOOK☆WALKER

保護者代わりとして、笑と二泊三日の短期高額バイト旅行に出かけた芹。途中、父親の墓参りも兼ねて立ち寄った伯母一家の営む食堂で、偶然八城を含めた『廃墟研究会』のメンバーと会う。彼らはミステリ作品の聖地巡礼で閉園した遊園地に行くらしい。話を聞いた笑は興味津々。そのまま芹たちも同行することに。しかし、閉園されたさびれた遊園地に、墓参りで出会った黒ずくめの男、ミステリ作家の鷹雄光弦が現れて―?ぼんくら陰陽師の嫁、旦那不在で大ピンチ!?退魔お仕事物語!
お義母さん好きが高じすぎて、当のお義母さんにドン引きされて避けられてしまう芹。猫が好きすぎて構いすぎて逆に逃げられるのとおんなじ構図だw
お義母さん側とすれば一生懸命嫌がらせしているはずなのに、逆にめちゃくちゃ好かれて懐かれてベタベタしてこられるんだから、怖いよな。まあ相変わらずお義母さんの嫌がらせは気遣いが一杯詰まった優しいものなので、芹も楽しみにしてしまってるんだが。楽しみにしている嫌がらせってなんだよ、と言いたいところなんだけれど、皮肉じゃなく本気で楽しみにしてるんだよなあ。まあわかるんですけど。あれらは全然嫌がらせになってないし。
と、前回の一件で芹のお義母さんへの好感度が自分を差し置いて爆裂してしまったことに密かに焦っている旦那であるはずの皇臥でありますけど、お義母さん好感度の爆上げに隠れてしまっていますけれど着実に芹の皇臥への好感度も上がってるんですよねえ。
ふとした時に皇臥の思いやりは気遣いを察して気持ちを揺らしたり、今回は笑ちゃんとの旅行ということで離れて行動しているわけだけれど、何くれと無く皇臥の事に思いを馳せたり、いざという時皇臥のことを頼りに思ったり、と以前よりもさらに皇臥に対して物思う時にじんわりとした温かい熱が籠もるようになってきているのが、言動の端々から感じるようになってきているのであります。
芹自身も多少なりとも自覚があるのかもしれません。そういうのをまるで察していなくて空回りしがちなのが皇臥クオリティなのですけど。でも、彼の細々とした気遣いとかちゃんと伝わってるんですよねえ。
今回だって、笑ちゃんとの旅行は芹のことを慮ってのことですし。芹って忘れがちですけど、まだ遊びたい盛りの大学生なわけですしね。まあ遊びたい盛りと言っても芹の場合境遇からしてそんな遊び回るような環境でもなかったですし、性格的にも一ところで落ち着けるタイプですけど。でも、友達と遊びにいくのも決して嫌いではないでしょうし、それどころか、旅行にかこつけてお墓参りとか親戚への挨拶も、とか気を回してくれるのを嬉しく思わないはずもないわけで。

ところが、この旅行をきっかけに芹の両親。野崎の実家の、というか父親の知らざる姿が明らかになってしまうのは芹にとっても皇臥にとっても予想外のことだったでしょう。
てか、芹パパって見える人だったのか。どうして、芹が親戚に預けられる時に腫れ物めいた扱いをされたのかも、こうして事情がわかってくると納得させられる部分もあるわけで。ただまあ理由は納得できても感情としては納得したくはないよねえ。形見を処分させられたのとか。
ともあれ、父親の知らざる事情に加えて、父親の弟子だったという作家先生と遭遇するにあたって何やら不穏な展開に。ミステリ作家の鷹雄光弦、なんか格好が京極夏彦先生みたいなのを想起してしまってちょっと笑ってしまったのだけれど、この人マジもんの陰陽師なんだよなあ。その先生、どうやら北御門とは因縁があるようで。あちらも、恩師の娘が北御門に嫁いでいるなんて知らなかったものだから、余計に面倒なことになってしまったようだけれど。
しかもこの先生、どうやら本物の天才らしく、素人の芹が九字の一音を聞いただけで「あ、うちの旦那とは別格だわ」と悟ってしまうほど。ってか、あそこで「皇臥ってほんとに陰陽師としてぼんくらだったんだ」としみじみ考えちゃうのはさすがに失礼! 事実であっても失礼!!
でも、皇臥はぼんくらでも北御門の式神は、護里ちゃんと祈里ちゃんは相変わらず頼もしいので大丈夫大丈夫。それにぼんくらであっても頼りになる旦那であるのは間違いなく、突然の窮地に急いで駆けつけてきているだろう皇臥の存在はこの場面においてはやっぱり頼もしいんですよね。いやまあ来てもらっても何が出来るかわからないんですけど。陰陽師の実力としては果たして頼りにしていいものか疑問ばかりなのですけど。それでも頼もしく感じるのは、夫としての存在感なのではないでしょうか。うんまあ、夫としても大丈夫かぁ、と疑念がよぎってしまう感じはありますけど、うん大丈夫大丈夫。

今回、『廃墟研究会』の実際の活動に芹たちも参加させてもらってましたけれど、凄くちゃんとした活動内容で感心してしまいました。あっちこっちに許可貰って申請して、危険がないように事前に準備も欠かさず計画もしっかり立てて、と想像以上に用意周到で慎重かつ安全重視で。なるほど、真っ当な活動とかこういうものを言うんだなあ、と。まあ今回はそれでもトラブルに見舞われてしまったのですが、これは不可抗力だよなあ。

あと、芹のパパさん。幼い娘を残したまま事故で妻と共に亡くなってたり、霊視体質で苦労したり奥さんと結婚する際もトラブルあったり、と幸薄いしんどい人生送ったような印象を外から見ると感じてしまうのですけど、鷹雄光弦が芹と話している時たびたび芹のマイペースな言動にやっぱりあの人の娘だな!!と思わず叫んでいるのを見ると、芹に似てバイタリティ溢れた人だったんだろうなあ、と思わず笑ってしまったり。芹もずいぶん苦労した人生送ってきましたけど、そんな人生をあんまり想像させないたくましいキャラですものねえ。願わくば、もう少し芹パパの昔話を聞ける機会が訪れればいいのですが。
事件はまさしく後編へと続く、という展開に。おお気になる気になる、続きを早く早く。

シリーズ感想

転生したらスライムだった件 11 ★★★★   



【転生したらスライムだった件 11】 伏瀬/みっつばー  GCノベルズ

Amazon
Kindle BOOK☆WALKER

勇者が目覚めるとき、運命の歯車が動き出す―。魔王ルミナスとの約束である音楽会を開催するため、神聖法皇国ルベリオスを訪れることになったリムルたち。進む音楽会の準備―だが、その裏側ではリムル、そしてルミナスをも巻き込む狡猾な陰謀が張り巡らされていた。はたして音楽会は無事に開催されるのか!?

思ったよりも早かったクロエの伏線回収、ってこれは自分がほぼまとめ読みしているからそう思うだけで、クロエの登場が4巻なのでむしろ相当に待たされたと捉えるべきなのか。
あの時点ではまさかルベリオスやヒナタに関わる伏線だったとは想像もつかなかったですしね。未来のクロエという正体がわかっていたにしても。
でも、リムルが本来進むはずだった未来がここでは大きく違ってきているというのは驚き。やはりあの魔王化は大きなターニングポイントだったのか。あそこまでとそれ以降では確かにリムルの存在感がバグったのか、と思えるくらいに異なっていますもんね。リムル自身の強さもそうですけど、それ以上に雪崩をうってリムルを取り巻く環境が激変し、そのうねりの中に世界の命運を握るような面々が取り込まれて、一緒にお祭り騒ぎを繰り広げることになっている。今となっては、リムルの手を離れて勝手にお祭り騒ぎに便乗して世界を変えちゃうような発見や発明をしてる人たちも出てきているし、オクタグラムの面々もどんどんこのうねりの中に入っちゃってきてるんですよね。
ルミナスはもとより、今回に至ってはディーノが居候を決め込んできて、さらにレオンも合流してきてギィですらも超然と見下ろしているわけにはいかない状況になってきたわけで。
レオンは、なんか思っていた以上にイイ男でしたね。もうちょっと面倒くさい奴かと思っていたけれど、面倒臭さの方向性が想像していたのと違っていたというか、内面で拗らせているのではなくて内面を表に出さないことで拗れているタイプだったのか。シズさんもそう言えばぶん殴ってほしいという希望はあったものの、それ以上は特に望んでなかったもんなあ。
むしろ、リムルとは内心があんまり周囲に正しく伝わらないモノ同士のシンパシーみたいなものが通じ合っている気がする。なぜか、二人の間だと言葉を介さなくても意図が通じ合っちゃって、妙に噛み合ってたし。ヴェルドラやミリムといったマブダチとはまた違う、気の合う関係になりそうな感じがあるんですよね。
しかし、今回元勇者だというグランベル翁の本性が明らかになって思ったのですけれど、勇者と呼ばれた人たちって確かにみんな相応の勇者らしいあり方をしてたんだなあ、と。レオンも誤解もあり、本人の執着もありで今となっては魔王と成り果ててますけれど、サリオンの女王様から今も可愛がられているように勇者としての善性、或いは人間性というべきものを失ってはいないようですし、グランベル翁も最後には勇者としてのケジメの付け方をビシッと見せてくれたわけで。この世界における勇者ってもっと胡散臭いものだと思ってたのですけれど、それぞれ勇者を名乗った人物の詳細を見ていくと、変に役割立てられていない分立派な存在として機能しているのかもしれない。いやまあ、レンもグラン翁もその過程で盛大に足を踏み外してはいるんですけどw
でもグランベル翁なんか、マリアベルの添え物という認識だっただけにこのリムルと敵対するには既に力不足であったはずなのに、見事に窮地に追い込まれる強敵っぷりを見せられましたからね。何気に、これほど難敵は久々だったんじゃ。

今回一番驚きだったのは、シオンの成長でしょう。いや、能力的にはビシバシ毎回どんどん強くなってたのは間違いなかったのですが、メンタル面ではさっぱり成長せず脳筋のままリムルも目を離すと何をしでかすかわからないと心配するばかりだったのですが、ここにきてようやく精神的な成長を見せてくれたのが、驚いたのなんの。あれはもう成長の余地のない宿痾かと思ってたのにw
もしこのまま、取り敢えずぶん殴って解決、という脳筋思考から解き放たれたのなら、ディアブロよりもマシな扱いになるんじゃないですか? というか、ようやくヒロインらしくなれるというか。
この巻ではクロエが盛大にヒロインとして殴り込んできたのと同時に、ついにヒナタがリムルのことをちゃんと気にし始めるというターニングポイントでもありましたからね。
物語的にも今回の一件ではヒナタこそがメインヒロインみたいな役回りでありましたし、何気にリムルが一番女性として意識してるというか気になってる素振りを見せるのってヒナタなので、いやリムルはスライムで性別に関してはもうトンじゃってるのですけど、それ抜きにして面白くなってきた。

ところで、戦力的に原初悪魔あれだけ加入させたら戦力バランス無茶苦茶になっちゃったのが酷い。ギィさんがわりと真剣に顔色変わっちゃってるのがなんというかご愁傷様である。

シリーズ感想

お迎えに上がりました。 国土交通省国土政策局幽冥推進課 2 ★★★★   



【お迎えに上がりました。 国土交通省国土政策局幽冥推進課 2】 竹林 七草  集英社文庫

Amazon
Kindle BOOK☆WALKER

新橋のボロビルの地下にひっそり存在する、幽冥推進課。地縛霊を説得して成仏させるという業務にも慣れてきた夕霞。地縛霊の噂が観光名所の集客の妨げになっているので何とかしてほしいと依頼を受ける。現地へ赴いて老女の霊を確認したものの、調査の結果、彼女は「幽冥推進課の業務範囲外」だと上司に言われてしまい…。人々の遺した想いと向き合う、笑えて泣ける心霊お仕事小説第2弾!
うわあ、夕霞えらい危なっかしくなってしまって。
思えば一巻の時の幽霊にビビリまくっていた時は、その分腰が引けていい塩梅になってたんですよね。ところが幽霊に慣れてしまったがために、業務関係なく自分から地縛霊たちの事情にグイグイと踏み込んでいってしまうようになってしまって。感情移入するなとは言わないし、仕事だと割り切って突き放した態度に終始するのも違うでしょう。でも、これが仕事だということを忘れて前のめりにつんのめりながら人助けならぬ幽霊助けに入れ込んでしまう、というのはやっぱり違うし危なっかしくて仕方ないんですよね。
火車先輩と辻神課長が心配するのも無理ないのめり込み方ではあるんですけど、二人とも失敗を経験するのも致し方なし、という心づもりでもあるところがなかなかスパルタだと思う。夕霞の性格がわかっていたら、ロッカーの地縛霊の件であんな突き放し方したら余計に暴走するとわかっているだろうに。でも、あれだけ徹底的にダメ出しして冷徹に突き放しておきながら、夕霞がやるだろう無茶に対するフォローを事前に全部手回ししておいてくれて、何気に彼女が存分に思う通り出来るように手配してくれているのだから、厳しくもこの上なく優しい上司であり先輩なんですよね。
実際、辻神課長が絶賛しているように夕霞はよくやっているし、生霊のお婆ちゃんの件では彼女のこれまでのひたむきさが多くの人を動かして、最後の再会を叶えるに至ったのですから彼女のやり方は間違っているなんてことはないのでしょう。
でも、課長たちが心配しているようにこの課の案件は人の死を間近で見つめ、そして見送る仕事でもあるのです。ただ淡々と見送るだけでも重なっていく負担は大きいでしょうに、この娘は全力で感情移入して旅立つ地縛霊たちにも、幽霊たちと縁ある人達の別れの痛みにも目一杯触れてるわけですしね。いつか擦り切れてしまうのでは、とまだ努め始めて半年経たずに心配されるというのは相当です。そこで幽霊に対する恐怖感がなくなってきて、前にも増して前のめりになってきた日には。
一度失敗を経験させて、というのもよくわかる気持ちなんですよね。
それに、結局夕霞はロッカーの地縛霊の案件についても決して失敗、というような形では終わらせずに済ませてるんですよね。あれは、失敗ではないでしょう。ただ、夕霞にとっては思い描いていた結末ではなかっただけで。あれはあれで地縛霊の方も人間の方も救われた形にはなってると思うんですけどね。それでも、夕霞はあんな辛い思いをさせたいと思っていたわけではなく、ここでちゃんと自分の行為が善意の押しつけでもあったのだと気づくのは偉いと思うんですよ。そうして、悩み苦しみ、でも逃げずにめげないところが根性の女だと思うんですよねえ。
とはいえ、急には性格も生き様も変えられるわけでもなく、次のお稲荷様の案件でもあれかなりヤバイ橋を渡ってしまったんですよね。相手方の受け取り方如何によってはかなりの問題になりかねないところだったし。あれも、お稲荷様の方に感情移入してしまった結果なわけですけど。
でも、誰かが何らかの形で行動しなければ、介入しなければ今回の一件はずっと動かないまま停滞してしまっていたのも確かなわけで。難しいところですよね、こういうのは。
それでも、あのお稲荷様の新たな願掛けを受けての、あの嬉しそうな笑みを思えば……。こういう人と神様の関係ってイイよなあ、としみじみと思うのでした。こういう神様こそ、偉大だよな。
そんな偉大なお稲荷様からお墨付きをいただいた夕霞だけれど、ここでその心根を褒められ、がむしゃらさを褒められ、悩んでも進むが良いと背中を押されて……おかなければ、きっと挫けてしまうんじゃないか、というようなタイムリミットが迫ってるんですよね。
お稲荷様も、だからこそ夕霞の芯になりえるような啓示を送ってあげたのでしょうけれど。
夕霞と火車にゃんこ先輩、ほんと良い関係だけに次の巻は試練だなあ。

1巻感想
 
7月25日
全肯定奴隷少女:1回10分1000リン
 佐藤真登(MF文庫J)

Amazon B☆W

今日も俺は暗黒幼馴染に立ち向かいます。 魔法使いたちの望みと願い
 葉村哲(MF文庫J)

Amazon B☆W

エイルン・ラストコード ~架空世界より戦場へ~10
 東 龍乃助(MF文庫J)

Amazon B☆W

可愛ければ変態でも好きになってくれますか? 8
 花間燈(MF文庫J)

Amazon B☆W

宮本サクラが可愛いだけの小説。2
 鈴木 大輔(MF文庫J)

Amazon B☆W

何故か学校一の美少女が休み時間の度に、ぼっちの俺に話しかけてくるんだが? 3
 出井 愛(MF文庫J)

Amazon B☆W

教え子に脅迫されるのは犯罪ですか? 5時間目
 さがら総(MF文庫J)

Amazon B☆W

妹紹介所でお兄ちゃんになってください! ただし実妹が全力で嫉妬します
 岩波零(MF文庫J)

Amazon B☆W

神童勇者とメイドおねえさん2
 望公太(MF文庫J)

Amazon B☆W

君死にたもう流星群 4
 松山剛(MF文庫J)

Amazon B☆W

神域のカンピオーネス 5.黙示録の時
 丈月城(ダッシュエックス文庫)

Amazon

モンスター娘のお医者さん 6
 折口良乃(ダッシュエックス文庫)

Amazon Kindle B☆W

最強の傭兵少女の学園生活―少女と少女、邂逅する―
 笹塔五郎(ダッシュエックス文庫)

Amazon Kindle B☆W

村長スキルで異世界まったり生活も余裕ですか?
 櫂末高彰(ダッシュエックス文庫)

Amazon Kindle B☆W

俺はまだ、本気を出していない 2
 三木なずな(ダッシュエックス文庫)

Amazon Kindle B☆W

異世界迷宮の最深部を目指そう 12
 割内タリサ(オーバーラップ文庫)

Amazon Kindle B☆W

信者ゼロの女神サマと始める異世界攻略 2.災害指定の転生少女
 大崎アイル(オーバーラップ文庫)

Amazon Kindle B☆W

友人キャラの俺がモテまくるわけないだろ? 1
 世界一(オーバーラップ文庫)

Amazon Kindle B☆W

そのエルフさんは世界樹に呪われています。 1 「ご飯を食べに来ましたえうっ!」
 ぷぺんぱぷ(オーバーラップ文庫)

Amazon Kindle B☆W

冒険に、ついてこないでお母さん! 1〜超過保護な最強ドラゴンに育てられた息子、母親同伴で冒険者になる〜
 茨木野(オーバーラップ文庫)

Amazon Kindle B☆W

異世界保育園を開きました 〜父性スキルで最強ロリ精霊たちはデレデレです〜 2
 友橋かめつ(オーバーラップ文庫)

Amazon Kindle B☆W

ワールド・ティーチャー 異世界式教育エージェント 11
 ネコ光一(オーバーラップ文庫)

Amazon Kindle B☆W

とんでもスキルで異世界放浪メシ 7.赤身肉のステーキ×創造神の裁き
 江口 連(オーバーラップノベルス)

Amazon Kindle B☆W

Lv2からチートだった元勇者候補のまったり異世界ライフ 8
 鬼ノ城ミヤ(オーバーラップノベルス)

Amazon Kindle B☆W

無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜 22
 理不尽な孫の手(MFブックス)

Amazon B☆W

異世界薬局 7
 高山理図(MFブックス)

Amazon B☆W

八男って、それはないでしょう! 17
 Y.A(MFブックス)

Amazon B☆W

LV0の神殺し
 星月子猫(MFブックス)

Amazon B☆W

最強剣士は隠遁したい
 EDA(MFブックス)

Amazon B☆W

異世界ぬいぐるみ無双 〜俺のスキルが『人形使い』〜 2
 鬼影スパナ(MFブックス)

Amazon B☆W

おとなりの晴明さん 第五集 ~陰陽師は雪の文様を愛でる~
 仲町六絵(メディアワークス文庫)

Amazon Kindle B☆W

あやかし旅館で働き始めました 〜イケメン猫又になつかれて困ってます〜
 石黒敦久(メディアワークス文庫)

Amazon Kindle B☆W

漆黒の狼と白亜の姫騎士 英雄讃歌 1
 森山光太郎(メディアワークス文庫)

Amazon Kindle B☆W

霊能探偵・初ノ宮行幸の事件簿 3
 山口幸三郎(メディアワークス文庫)

Amazon Kindle B☆W

夏の終わりに君が死ねば完璧だったから
 斜線堂有紀(メディアワークス文庫)

Amazon Kindle B☆W

ニセモノ夫婦の紅茶店 2.~あの日の茶葉と二人の約束~
 神戸遥真(メディアワークス文庫)

Amazon Kindle B☆W

ちょっと今から人生かえてくる
 北川恵海(メディアワークス文庫)

Amazon Kindle B☆W

超ミニスカ宇宙海賊 1.海賊士官候補生
 笹本 祐一(メディアファクトリー)

Amazon B☆W

【きんいろモザイク 10】
 原悠衣 (まんがタイムKRコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【うらら迷路帖 7】
 はりかも (まんがタイムKRコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【アニマエール!4】
 卯花つかさ(まんがタイムKRコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【可愛ければ変態でも好きになってくれますか?3】
CHuN/花間燈(ドラゴンコミックスエイジ)

Amazon Kindle B☆W

【幼女戦記 15】
 東條チカ/カルロ・ゼン(カドカワコミックスA)

Amazon Kindle B☆W

【陰の実力者になりたくて! 1】
 坂野杏梨/逢沢大介(カドカワコミックスA)

Amazon Kindle B☆W

【衛宮さんちの今日のごはん 4】
 TAa/只野まこと(カドカワコミックスA)

Amazon Kindle B☆W

【超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!7】
 海空りく/山田こたろ(ヤングガンガンコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【ナイツ&マジック 9】
 天酒之瓢/加藤拓弐(ヤングガンガンコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【薬屋のひとりごと 5】
 日向夏/ねこクラゲ(ビッグガンガンコミックス)

Amazon Kindle B☆W

7月24日
ロード・エルメロイII世の事件簿  4.「case.魔眼蒐集列車(上)」
 三田 誠(角川文庫)

Amazon

夏の方舟
 海猫沢めろん(角川文庫)

Amazon Kindle B☆W

宮廷神官物語 七
 榎田ユウリ(角川文庫)

Amazon Kindle B☆W

彩雲国物語 八、光降る碧の大地
 雪乃紗衣(角川文庫)

Amazon

【D・N・ANGEL 17】
 杉崎ゆきる(あすかコミックス)

Kindle B☆W

7月23日
【聖☆おにいさん 17】
 中村光(モーニング KC)

Amazon Kindle B☆W

【将棋めし 5】
 松本渚(MFコミックスフラッパーシリーズ)

Amazon Kindle B☆W

【フロアに魔王がいます 8】
 川上真樹/はと(MFコミックスアライブシリーズ)

Amazon Kindle B☆W

【ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜8】
 泰三子(モーニングKC)

Amazon Kindle B☆W

【とりぱん 25】
 とりのなん子(ワイドKC)

Amazon Kindle B☆W

【マージナル・オペレーション 13】
 キムラダイスケ/芝村裕吏(アフタヌーンKC)

Amazon Kindle B☆W

【グラゼニ〜パ・リーグ編〜5】
 足立金太郎/森高夕次(モーニングKC)

Amazon Kindle B☆W

【GIANT KILLING 52】
 ツジトモ/綱本将也(モーニングKC)

Amazon Kindle B☆W

【KILLER APE 3】
 河部真道(モーニングKC)

Amazon Kindle B☆W

【ウォルテニア戦記XIII】
 保利亮太(HJ NOVELS)

Amazon Kindle B☆W

【異世界料理道 18】
 EDA(HJ NOVELS)

Amazon Kindle B☆W

【魔眼と弾丸を使って異世界をぶち抜く! 5】
 かたなかじ(HJ NOVELS)

Amazon Kindle B☆W

【才能(ギフト)がなくても冒険者になれますか? 2 〜ゼロから始まる『成長』チート〜】
 かたなかじ(HJ NOVELS)

Amazon Kindle B☆W

7月22日
【未確認で進行形 10】
 荒井チェリー(4コマKINGSぱれっとコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【ラグナクリムゾン 5】
 小林大樹(ガンガンコミックスJOKER)

Amazon Kindle B☆W

【氷室行進曲 冬木GameOver 1】
 磨伸映一郎/TYPE−MOON(4コマKINGSぱれっとコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【氷室の天地 Fate/school life 12】
 磨伸映一郎/TYPE−MOON(4コマKINGSぱれっとコミックス)

Amazon Kindle B☆W

7月20日
デート・ア・ライブ アンコール 9
 橘公司(富士見ファンタジア文庫)

Amazon Kindle B☆W

放課後は、異世界喫茶でコーヒーを 6
 風見鶏(富士見ファンタジア文庫)

Amazon Kindle B☆W

非オタの彼女が俺の持ってるエロゲに興味津々なんだが…… 11
 滝沢 慧(富士見ファンタジア文庫)

Amazon Kindle B☆W

好きすぎるから彼女以上の、妹として愛してください。
 滝沢 慧(富士見ファンタジア文庫)

Amazon Kindle B☆W

黒猫のおうて!
 八奈川景晶(富士見ファンタジア文庫)

Amazon Kindle B☆W

同棲から始まるオタク彼女の作りかた 3
 村上 凛(富士見ファンタジア文庫)

Amazon Kindle B☆W

はしたない姉妹ですが、躾けてもらえますか? 獣魔導士は服従の首輪にて姉妹と契る
 ツカサ(富士見ファンタジア文庫)

Amazon Kindle B☆W

異世界でロリに甘やかされるのは間違っているだろうか ぱーと2
 長岡マキ子(富士見ファンタジア文庫)

Amazon Kindle B☆W

魔王討伐したあと、目立ちたくないのでギルドマスターになった 7
 朱月十話(富士見ファンタジア文庫)

Amazon Kindle B☆W

【乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…8】
 山口 悟(一迅社文庫アイリス)

Amazon Kindle B☆W

7月19日
【神呪のネクタール 7】
 吉野弘幸/佐藤健悦(チャンピオンREDコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【ジョジョリオン 21】
 荒木飛呂彦(ジャンプコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜15】
 赤坂アカ(ヤングジャンプコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【姫ヤドリ 4】
 やまむらはじめ(サンデーGXコミックス)

Kindle B☆W

【姫ヤドリ 5】
 やまむらはじめ(サンデーGXコミックス)

Kindle B☆W

7月18日
夏へのトンネル、さよならの出口
 八目 迷 (ガガガ文庫)

Amazon Kindle B☆W

先日助けていただいたNPCです ~年上な奴隷エルフの恩返し~
 秀章(ガガガ文庫)

Amazon Kindle B☆W

空飛ぶ卵の右舷砲 3
 喜多川 信 (ガガガ文庫)

Amazon Kindle B☆W

史上最強オークさんの楽しい種付けハーレムづくり
 月夜 涙(ガガガ文庫)

Amazon Kindle B☆W

出会ってひと突きで絶頂除霊!5
 赤城 大空(ガガガ文庫)

Amazon Kindle B☆W

魔王です。女勇者の母親と再婚したので、女勇者が義理の娘になりました。3
 森田季節(ガガガブックス)

Amazon Kindle B☆W

最強職《竜騎士》から初級職《運び屋》になったのに、なぜか勇者達から頼られてます 4
 あまうい白一(ガガガブックス)

Amazon Kindle B☆W

5分間SF
 草上 仁(ハヤカワ文庫JA)

Amazon Kindle B☆W

疾走!千マイル急行 (上)
 小川一水(ハヤカワ文庫JA)

Amazon

疾走!千マイル急行 (下)
 小川一水(ハヤカワ文庫JA)

Amazon

【天野めぐみはスキだらけ! 16】
 ねこぐち(少年サンデーコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【湯神くんには友達がいない 16】
 佐倉準(少年サンデーコミックス)

Amazon Kindle B☆W

7月17日
リビルドワールドI〈下〉 無理無茶無謀
 ナフサ(電撃の新文芸)

Amazon B☆W

英国幻想蒸気譚 1 ーレヴェナント・フォークロアー
 白雨 蒼(電撃の新文芸)

Amazon B☆W

マギステルス・バッドトリップ Season 2nd
 鎌池 和馬(電撃の新文芸)

Amazon B☆W

【渋谷隔絶 東京クロノス】
 小山 恭平(講談社タイガ)

Amazon Kindle B☆W

【透明なきみの後悔を見抜けない】
 望月 拓海(講談社タイガ)

Amazon Kindle B☆W

【ブラッド・ブレイン 2 闇探偵の暗躍】
 小島 正樹(講談社タイガ)

Amazon Kindle B☆W

【ギルドレ 3 滅亡都市】
 朝霧 カフカ(講談社タイガ)

Amazon Kindle B☆W

【化物語 6】
 西尾維新/大暮維人(KCデラックス)

Amazon Kindle B☆W

【化物語 6 特装版】
 西尾維新/大暮維人(講談社キャラクターズA)

Amazon Kindle B☆W

【マコさんは死んでも自立しない 4】
 千田大輔(講談社コミックス)

Amazon Kindle B☆W

7月16日
戦国小町苦労譚 11 黎明、安土時代の幕開け
 夾竹桃(アース・スターノベル)

Amazon Kindle B☆W

転生してから40年。そろそろ、おじさんも恋がしたい。1
 清露 (アース・スターノベル)

Amazon Kindle B☆W

ドラゴンは寂しいと死んじゃいます ~レベッカたんのにいたんは人類最強の傭兵~ 5
 藤原ゴンザレス(アース・スターノベル)

Amazon Kindle B☆W

【急募】捨てられてたドラゴン拾った【飼い方】
 アッサムてー (アース・スターノベル)

Amazon Kindle B☆W

私、能力は平均値でって言ったよね! 11
 FUNA(アース・スターノベル)

Amazon B☆W

攻略対象たちに気に入られるとかどうでもいいです。私は私らしく、自由にさせていただきます!
 斧名田マニマニ(アース・スターノベル)

Amazon Kindle B☆W

転生したらドラゴンの卵だった~最強以外目指さねぇ~ 10
 猫子(アース・スターノベル)

Amazon Kindle B☆W

傭兵と小説家
 南海 遊(星海社FICTIONS)

Amazon

令和元年のゲーム・キッズ
 渡辺 浩弐 (星海社FICTIONS)

Amazon

異セカイ迷子の半透明とやさしい死神
 漆原 雪人 (星海社FICTIONS)

Amazon

7月15日
【転生幼女はあきらめない 2】
 カヤ(サーガフォレスト)

Amazon Kindle B☆W

【呼び出した召喚獣が強すぎる件】
 しのこ(サーガフォレスト)

Amazon Kindle B☆W

7月14日
百島王国物語 滅びの王と魔術歌使い
 佐藤二葉(星海社FICTIONS)

Amazon

7月13日
戦国昼寝姫、いざ参らぬ
 尼野 ゆたか(富士見L文庫)

Amazon Kindle B☆W

わたしの幸せな結婚 2
 顎木 あくみ(富士見L文庫)

Amazon Kindle B☆W

鎌倉お寺ごはん あじさい亭の典座さん
 遠藤 遼(富士見L文庫)

Amazon Kindle B☆W

翠玉姫演義 三 ‐泥に咲く花‐
 柊平ハルモ(富士見L文庫)

Amazon Kindle B☆W

旺華国後宮の薬師
 甲斐田 紫乃(富士見L文庫)

Amazon Kindle B☆W

民俗学研究室の愁いある調査 その男、怪異喰らいにつき
 神尾あるみ(富士見L文庫)

Amazon Kindle B☆W

7月12日
処刑少女の生きる道(バージンロード) ―そして、彼女は甦る―
 佐藤 真登(GA文庫)

Amazon Kindle B☆W

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア 12
 大森藤ノ(GA文庫)

Amazon B☆W

友達の妹が俺にだけウザい 2
 三河ごーすと(GA文庫)

Amazon B☆W

その劣等騎士、レベル999 2
 白石新(GA文庫)

Amazon B☆W

【配信中】女神チャンネル! え、これ売名ですの! ?
 徳山銀次郎(GA文庫)

Amazon B☆W

小泉花音は自重しない 美少女助手の甘デレ事情と現代異能事件録
 高町 京(GA文庫)

Amazon B☆W

帝国の勇者 世界より少女を守りたい、と“まがいもの"は叫んだ
 有澤 有(GA文庫)

Amazon B☆W

たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語 7
 サトウとシオ(GA文庫)

Amazon B☆W

6歳の賢者は日陰の道を歩みたい
 斧名田 マニマニ(GAノベル)

Amazon B☆W

【異世界賢者の転生無双 2 〜ゲームの知識で異世界最強〜】
 進行諸島(GAノベル)

Amazon B☆W

【ピーター・グリルと賢者の時間 4】
 檜山 大輔(アクションコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【ちはやふる 42】
 末次由紀(BE LOVE KC)

Amazon Kindle B☆W

【無能なナナ 5】
 るーすぼーい/古屋 庵(ガンガンコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 外伝 ソード・オラトリア 14】
 大森藤ノ/矢樹貴(ガンガンコミックスJOKER)

Amazon Kindle B☆W

7月11日
【Fate/Grand Order アンソロジーコミック STAR RELIGHT 1】
 アンソロジー(星海社COMICS)

Amazon

【京都寺町三条のホームズ: 祗園探偵の事件手帖 12】
 望月麻衣(双葉文庫)

Amazon

【道後温泉 湯築屋 3.今宵、神様のお宿は月が綺麗ですね】
 田井ノエル(双葉文庫)

Amazon

【さくらい動物病院の不思議な獣医さん 3】
 竹村優希(双葉文庫)

Amazon

【後宮の花は偽りを散らす】
 天城智尋(双葉文庫)

Amazon

【召喚軍師のデスゲーム 3 〜異世界で、ヒロイン王女を無視して女騎士にキスした俺は!〜】
 雪華慧太(アルファライト文庫)

Amazon

【異世界で怠惰な田舎ライフ。1】
 太陽クレハ(アルファライト文庫)

Amazon

【この世界の平均寿命を頑張って伸ばします。2】
 まさちち(アルファライト文庫)

Amazon

7月10日
ワールドエンドの探索指南
 夏海公司(電撃文庫)

Amazon B☆W

異世界帰りの俺(チートスキル保持)、ジャンル違いな超常バトルに巻き込まれたけれどワンパンで片付けて無事青春をおくりたい。
 真代屋秀晃(電撃文庫)

Amazon B☆W

淫らで緋色なノロイの女王
 岩田洋季(電撃文庫)

Amazon B☆W

破滅の義眼と終末を望む乙女 〈方舟〉争奪戦
 秋月陽澄(電撃文庫)

Amazon B☆W

秋山野要は愛されている。
 石崎とも(電撃文庫)

Amazon B☆W

つるぎのかなた 2
 渋谷瑞也(電撃文庫)

Amazon B☆W

湖底ゆらめく最果て図書館 光の勇者と涙する姫君
 冬月いろり(電撃文庫)

Amazon B☆W

新約 とある魔術の禁書目録 22.リバース
 鎌池和馬(電撃文庫)

Amazon B☆W

キノの旅XXII the Beautiful World
 時雨沢恵一(電撃文庫)

Amazon B☆W

錆喰いビスコ 4.業花の帝冠、花束の剣
 瘤久保慎司(電撃文庫)

Amazon B☆W

数字で救う! 弱小国家 4.平和でいられる確率を求めよ。ただし大戦争は必須であるものとする。
 長田信織(電撃文庫)

Amazon B☆W

そして異端の創換術師 現代魔術師、千年前に転移させられたので新たな歴史を創る
 えいちだ(電撃文庫)

Amazon B☆W

【俺にはもうNとファンタジーの定義が見えない】 鎌池和馬(電撃文庫) B☆W

私はおとなしく消え去ることにします 2
 きりえ(カドカワBOOKS)

Amazon B☆W

大公妃候補だけど、堅実に行こうと思います 2
 瀬尾優梨(カドカワBOOKS)

Amazon B☆W

魔石グルメ 3 魔物の力を食べたオレは最強!
 結城涼(カドカワBOOKS)

Amazon B☆W

世界最強の後衛 ~迷宮国の新人探索者~ 5
 とーわ(カドカワBOOKS)

Amazon B☆W

外れスキル「影が薄い」を持つギルド職員が、実は伝説の暗殺者 2
 ケンノジ (カドカワBOOKS)

Amazon B☆W

役立たずスキルに人生を注ぎ込み25年、今さら最強の冒険譚 2.青銅と赤鉄の章
 しゅうきち(カドカワBOOKS)

Amazon B☆W

最強の鑑定士って誰のこと? 7 ~満腹ごはんで異世界生活~
 港瀬 つかさ(カドカワBOOKS)

Amazon B☆W

蜘蛛ですが、なにか? 11
 馬場 翁(カドカワBOOKS)

Amazon B☆W

目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい
 リュート(カドカワBOOKS)

Amazon B☆W

追放された勇者の盾は、隠者の犬になりました。
 家具付(TOブックス)

Amazon Kindle B☆W

特級ギルドへようこそ! 〜看板娘の愛されエルフはみんなの心を和ませる〜
 阿井りいあ(TOブックス)

Amazon Kindle B☆W

継続は魔力なり 3~無能魔法が便利魔法に進化を遂げました~
 リッキー(TOブックス)

Amazon Kindle B☆W

眠れる勇者と夢見る大賢者の協奏曲2
 夜赭翼アルタ(TOブックス)

Amazon Kindle B☆W

勇者によって追放された元国王、おっさんになってから新たなSSSランク勇者に指名され、玉座に舞い戻る
 いらないひと(TOブックス)

Amazon Kindle B☆W

おかしな転生XII~学生たちには飴と鞭~
 古流望(TOブックス)

Amazon Kindle B☆W

7月7日
コボルドキング 2 騎士団長、辺境で妖精犬の王になる
 Syousa.(レジェンドノベルス)

Amazon Kindle B☆W

白の魔王と黒の英雄
 ずくなしひまたろう(レジェンドノベルス)

Amazon Kindle B☆W

最強船長と最高に愉快な仲間たち 2
 宮澤花(レジェンドノベルス)

Amazon Kindle B☆W 

迷宮の王 2.勇者誕生
 支援BIS(レジェンドノベルス)

Amazon Kindle B☆W

7月5日
【ぐらんぶる 13】
 井上堅二/吉岡公威(アフタヌーンKC)

Amazon Kindle B☆W

【てんぷる 1】
 吉岡公威(アフタヌーンKC)

Amazon Kindle B☆W

【ウチの使い魔がすみません 6】
 櫓刃鉄火(アフタヌーンKC)

Amazon Kindle B☆W

【サタノファニ 10】
 山田恵庸(ヤンマガKCスペシャル)

Amazon Kindle B☆W

【アトム ザ・ビギニング 10】
 手塚治虫/ゆうきまさみ(ヒーローズコミックス)

Amazon Kindle B☆W

THE KING OF FANTASY 八神庵の異世界無双 月を見るたび思い出せ!
 天河信彦(ドラゴンノベルス)

Amazon Kindle B☆W

極振り拒否して手探りスタート! 特化しないヒーラー、仲間と別れて旅に出る2
 刻一(ドラゴンノベルス)

Amazon Kindle B☆W

宵の国戦記 2.暴蝕の森
 長月 東葭(ドラゴンノベルス)

Amazon Kindle B☆W

【魔王軍四天王の面汚しと呼ばれた俺、今は女勇者のお兄ちゃん】
猿渡かざみ(BKブックス)

Amazon Kindle B☆W

【転生した受付嬢のギルド日誌】
 Seica(BKブックス)

Amazon Kindle B☆W

7月4日
【それでも歩は寄せてくる 1】
 山本 崇一朗 (KCデラックス)

Amazon Kindle B☆W

【ワンパンマン 20】
 村田 雄介/ONE(ジャンプコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【鬼滅の刃 16】
 吾峠 呼世晴(ジャンプコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【ONE PIECE 93】
 尾田 栄一郎(ジャンプコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【アクタージュ act-age7】
マツキタツヤ/宇佐崎しろ(ジャンプコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【Dr.STONE 11】
 Boichi/稲垣 理一郎(ジャンプコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【神緒ゆいは髪を結い 1】
 椎橋寛(ジャンプコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【双星の陰陽師 19】
 助野 嘉昭(ジャンプコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【ド級編隊エグゼロス 7】
 きただ りょうま(ジャンプコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【ド級編隊エグゼロス 7 特盛版】
 きただ りょうま(ジャンプコミックス)

Kindle B☆W

【魔都精兵のスレイブ 2】
 竹村 洋平/タカヒロ(ジャンプコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【からかい上手の高木さん 11】
 山本 崇一朗(ゲッサン少年サンデーコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【からかい上手の(元)高木さん 6】
 稲葉 光史/山本 崇一朗(ゲッサン少年サンデーコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【くノ一ツバキの胸の内 3】
 山本 崇一朗(ゲッサン少年サンデーコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【千年探偵ロマネスク 大正怪奇事件帖】
 囲 恭之介(宝島社文庫)

Amazon

7月3日
【身売りっ娘 俺がまとめて面倒見ますっ!】
 エール(MAGNET MACROLINK)

Amazon Kindle B☆W

7月1日
上流学園の暗躍執事 お嬢様を邪魔するやつは影から倒してカースト制覇
 桜目禅斗(角川スニーカー文庫)

Amazon B☆W

異世界転生アンチテーゼ 転生魔王はチート転生者をチートで殺します
 小路 燦(角川スニーカー文庫)

Amazon B☆W

理系な彼女の誘惑がポンコツかわいい
 長田信織(角川スニーカー文庫)

Amazon B☆W

スーパーカブ 5
 トネ・コーケン(角川スニーカー文庫)

Amazon B☆W

子守り男子の日向くんは帰宅が早い。2
 双葉三葉(角川スニーカー文庫)

Amazon B☆W

回復術士のやり直し 6 〜即死魔法とスキルコピーの超越ヒール〜
 月夜 涙(角川スニーカー文庫)

Amazon B☆W

世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する 2
 月夜 涙(角川スニーカー文庫)

Amazon B☆W

フリーライフ 〜異世界何でも屋奮闘記〜 7
 気がつけば毛玉(角川スニーカー文庫)

Amazon B☆W

八大種族の最弱血統者 〜規格外の少年は全種族最強を目指すようです〜
 藤木わしろ(HJ文庫)

Amazon Kindle B☆W

剣と魔法とセーラー服 〜ときどき女神にアイアンクロー〜
 三条ツバメ(HJ文庫)

Amazon Kindle B☆W

魔王を倒した俺に待っていたのは、世話好きなヨメとのイチャイチャ錬金生活だった。 4
 かじいたかし(HJ文庫)

Amazon Kindle B☆W

嫌われ魔王が没落令嬢と恋に落ちて何が悪い! 3
 猫又ぬこ(HJ文庫)

Amazon Kindle B☆W

六畳間の侵略者!? 32
 健速(HJ文庫)

Amazon Kindle B☆W

悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました 5
 永瀬 さらさ(角川ビーンズ文庫)

Amazon Kindle B☆W

【はやめブラストギア 6】
 竹山 祐右(YKコミックス)

Amazon Kindle B☆W

6月29日
恋愛カルテット リトルプリンセスの恋愛相談
 箕崎 准(ファミ通文庫)

Amazon B☆W

賢者の孫 10.不撓不屈の魔王さま
 吉岡 剛(ファミ通文庫)

Amazon B☆W

誰が為のアルケミスト 砂の彼方の刹那
 はせがわみやび(ファミ通文庫)

Amazon B☆W

ファントムオブキル 時と絆の紡ぐ針
 櫂末高彰(ファミ通文庫)

Amazon B☆W

お姉さん先生は男子高生に餌づけしたい。
 朱月十話(ファミ通文庫)

Amazon B☆W

【じんるいのみなさまへ −わたしたちの場所−】
 伊西殻(エンターブレイン)

Amazon B☆W

【ちびっこ賢者、Lv.1から異世界でがんばります!3】
 彩戸ゆめ(エンターブレイン)

Amazon B☆W

【聖者無双~サラリーマン、異世界で生き残るために歩む道~ 6】
 ブロッコリーライオン(GCノベルズ)

Amazon Kindle B☆W

【ご主人様とゆく異世界サバイバル!2】
 リュート(GCノベルズ)

Amazon Kindle B☆W

【出遅れテイマーのその日暮らし 3】
 棚架ユウ(GCノベルズ)

Amazon Kindle B☆W

【冒険者をクビになったので、錬金術師として出直します! ~辺境開拓? よし、俺に任せとけ!2】
 佐々木さざめき(Mノベルス)

Amazon Kindle B☆W

【パーティーから追放されたその治癒師、実は最強につき 2】
 影茸(Mノベルス)

Amazon Kindle B☆W

【村人転生 最強のスローライフ 10】
 タカハシあん(Mノベルス)

Amazon Kindle B☆W

6月28日
 【未完結ラブコメと運命的な運命論
 ゆうび なぎ(講談社ラノベ文庫)

Amazon Kindle B☆W

お隣さんな教え子と甘い○○
 望月唯一(講談社ラノベ文庫)

Amazon Kindle B☆W

2年B組は反逆しました
 天宮 暁(講談社ラノベ文庫)

Amazon Kindle B☆W

幼なじみは負けフラグって本当ですか? 2
 猫又ぬこ(講談社ラノベ文庫)

Amazon Kindle B☆W

勇者パーティーを追放されたビーストテイマー、最強種の猫耳少女と出会う 2
 深山 鈴(Kラノベブックス)

Amazon Kindle B☆W

よくわからないけれど異世界に転生していたようです 2
 あし(Kラノベブックス)

Amazon Kindle B☆W

二周目チートの転生魔導士 〜最強が1000年後に転生したら、人生余裕すぎました〜
 鬱沢色素(Kラノベブックス)

Amazon Kindle B☆W

異世界チート魔術師 10
 内田 健(ヒーロー文庫)

Amazon Kindle B☆W

その最強、神の依頼で異世界へ 4
 速峰 淳(ヒーロー文庫)

Amazon Kindle B☆W

いずれ最強へと至る道 2
 藍澤 建(ヒーロー文庫)

Amazon Kindle B☆W

ネクロマンサー少女 1
 天乃 聖樹(ヒーロー文庫)

Amazon Kindle B☆W

神様は少々私に手厳しい 6
 守野 伊音(ヒーロー文庫)

Amazon Kindle B☆W

傭兵団の料理番 7
 川井 昂(ヒーロー文庫)

Amazon Kindle B☆W

最強騎士団長の世直し旅 1
 佐竹 アキノリ(ヒーロー文庫)

Amazon Kindle B☆W

無属性魔法の救世主(メサイア)6
 武藤 健太(ヒーロー文庫)

Amazon Kindle B☆W

【神スキル【呼吸】するだけでレベルアップする僕は、神々のダンジョンへ挑む。4】
 妹尾尻尾 (モンスター文庫)

Amazon Kindle B☆W

【アラフォー社畜のゴーレムマスター 6】
 高見梁川(モンスター文庫)

Amazon Kindle B☆W

【髪結師は竜の番になりました(やっぱり間違いだったようです)】
 三国 司(PASH!ブックス)

Amazon Kindle B☆W

【神統記(テオゴニア) 3】
 谷舞 司 (PASH!ブックス)

Amazon Kindle B☆W

【気ままに東京サバイブ。もしも日本が魔物だらけで、レベルアップとハクスラ要素があって、サバイバル生活まで楽しめたら。】
 まきしま 鈴木(PASH!ブックス)

Amazon Kindle B☆W

チート薬師のスローライフ 〜異世界に作ろうドラッグストア〜 3
 ケンノジ(ブレイブ文庫)

Amazon Kindle

【ギャルごはん 7】
 太陽まりい (ヤングアニマルコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【無人島に何か一つ持ってくとしたら何持ってく?って話 1】
 大塚志郎(バンブーコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【楽園 Le Paradis 第30号】 (白泉社)

Amazon

6月27日
【NEW GAME!9】
 得能正太郎 (まんがタイムKRコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【ニジとクロ 1】
 武梨えり(REXコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【インフィニット・デンドログラム 5】
 今井神/海道左近(HJコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【最強の黒騎士、戦闘メイドに転職しました 3】
 百門一新(幻冬舎コミックス)

Amazon Kindle

6月26日
【キノの旅 the Beautiful World 4】
 郷/時雨沢恵一(電撃コミックスNEXT)

Amazon Kindle B☆W

【航宙軍士官、冒険者になる 1】
 たくま朋正/伊藤暖彦(電撃コミックスNEXT)

Amazon Kindle B☆W


Categories
最新コメント

Archives
記事検索
タグ絞り込み検索