徒然雑記

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★★★★☆

天才王子の赤字国家再生術 5~そうだ、売国しよう~ ★★★★☆   



【天才王子の赤字国家再生術 5~そうだ、売国しよう~】 鳥羽 徹/ファルまろ  GA文庫

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『やはり手を組むべきは、グリュエールだな、間違いない! 』
ミールタースでの騒動を機に、大いに知名度を上げたナトラ王国は、空前の好景気を迎えていた。
追い風に上機嫌なウェインにとって気がかりなのは、西側への玄関口として成長著しいマーデン領の存在。
国内のパワーバランスを調整するため、ウェインはグリュエール王が治めるソルジェスト王国と手を結び国全体を底上げすることを画策する。
折しもグリュエールからの招待を受け、意気込んで外交に向かうウェインだったが、
そこでは予想外の展開が待ち受けていた! 戦雲垂れ込める、弱小国家運営譚第五弾!

この作品、傑物怪物妖怪と呼ぶに相応しい国主、政治家、聖職者と幾人も登場してウェインの前に立ち塞がり、もしくは手を差し伸べてくるのだけれど……忘れていたわけじゃないけれど、主人公のウェイン王子こそがそんな人中の怪物の中でも屈指の化物なんだよなあ、というのを改めて思い知らされた感がある。人前で見せる理知的で切れ者な有能王子の顔も、プライベートでの剽げて戯けた間抜けな顔も、彼の一面でしかなく、その本質は……。
そして、その本質に気づき覗き込んだ者ほど、彼に惹かれてしまうんですよね。
今回、ウェインの前に立ちふさがるのは前巻で不穏な事をのたまっていたグリュエール王。完全にウェインにターゲティング決め込んでいただけに、すぐに戦争でも吹っ掛けてくるかと思ったのですがこの人そういう単純なバトルジャンキーなんかじゃなかったんですよね。ただの戦争屋ではなく、政治謀略外交戦略も含めて相手を陥れ、徹底的に弄ぶ万能の人なんですよね。この人、いろんな方面に圧倒的すぎるだろう。そりゃ、敵になれる相手がいなかったのもよくわかる。自分に抗し得る相手として、ウェインに目をつけたのはそれこそ目の付け所が際立っている、と言っていいのかもしれない。
ウェインからすると、大迷惑極まりないのだけれど、わざわざ自分の国に一度招いてから、というのがたち悪いですよね、これ。しかも、訪れて直接対面してみれば、どこからどう見ても名君ですし。そのくせ、大食感でブクブクに太りきった肉塊というキャラの濃さ。いや、ただ太っているだけならともかく、この人の場合「太っているにも関わらず」という冠がつくあれこれが多すぎるくらいなんだよなあ。その太っているという姿にも様々な意味が込められているし。そのうちの料理に関する件については、ウェイン完全敗北、完落ちアヘ顔ダブルピース状態だったじゃないですか、いやだもうw
宴で供される料理は外交交渉における最も偉大な武器の一つ、という事実をグリュエール王はまざまざと見せつけてくれたわけで。いや実際、この料理だけでこれまでも様々な外交交渉を有利にまとめてきた実績もあるんだろう、と思わせてくれるくらいのパーフェクトゲームでありました。
それ以上に、これまでの歴史や現状から見えているはずの国際情勢を全く無為にしてくる外交戦略が凄まじすぎたのですが。
そんでもって、相変わらずどう考えても詰んでるだろう、という状況から相手を根絶やしにする勢いで状況をひっくり返してしまうウェイン王子の得意技がまたも炸裂するわけである。
いや今回は特にすごかった。最近忘れられガチだけれど、このウェイン王子は真性の売国奴であるんですよね。国を売ることに、自分の立場を失うことに何らの忌避も抱いていない人間でなければ、絶対に繰り出せない策でありました。ってか、脅し方が勝利を後ろ盾に、じゃないどころか逆張りなのがもうとんでもねーんですよね。なにその発想。
「――俺はやるよ?」
このセリフに、ここまで凄絶さを、おぞましさをまとわせる主人公の化物っぷりよ。そう、こいつはヤるヤツなんだよ。
あれを目の前で見せつけられて、むしろ彼の眼鏡に適いたいと思うようになるゼノは見込みありますよ。或いは、アテられた、とも言えるのかも知れませんが。
そして、ウェインの才気以上の制御された狂気とも言える部分に今回もっともアテられたと言えるのがグリュエール王なのでしょう。いや、この展開は予想外だった。このグリュエール王、前回の様子からどう転んでも味方にはならず、ライバルか場合によってはラスボス級にウェインの前に立ち塞がりつづけるキャラクターになるかと思ったのですが……。うん、今後も決して味方とは言えないでしょうし仲間とも言えないでしょうけれど、絶対に信頼できないけれどこの上なく信用できる最大の同盟者……いや、この場合は共犯者と言うべきか、になってくれるんじゃないでしょうか。ウェインがその狂気を抱き続ける限り、この人は絶対に裏切らなさそう。裏切らなくても、常に試しいらんちょっかい掛けてきても、おかしくはなさそうでもあるのですけれど。
さてこれで、周辺国いつの間にかある程度掌握してしまった、ということになるのでしょうか。一旦どこかで整理したいくらいだけど。
次回は日常回という話ですが、さて「日常回とは!?」という内容にならなければよいのですが。わりと緩い話も多い作品なので、その危惧は杞憂でしょうけど。

シリーズ感想

異世界拷問姫 8 ★★★★☆  



【異世界拷問姫 8】 綾里 けいし/鵜飼 沙樹  MF文庫J

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『断罪を止めたくば、代償を、犠牲を、生贄を。我々は結晶化した“狂王”とその花嫁。及び、“拷問姫”エリザベート・レ・ファニュの身柄をお前達の命の代わりに求めよう』
各地での殺戮を煽動するアリスとルイスの要求に対し、三種族は救世の英雄を生贄とする決断を下す。
「…貴様ら夫婦を相手取る羽目になろうとはな。流石に予想せぬわ」
再び世界の敵となったエリザベートの前にはジャンヌとイザベラが立ちはだかり、
「さぁ―父性愛の勝負といこうじゃないか!」
愛娘の道を切り開くためヴラドはルイスを迎え撃つ。綾里けいし×鵜飼沙樹で贈る至高のダークファンタジー第八弾。彼らは戦う。各々の何かを守り抜くために。

ジャンヌとイザベラだけが癒やしです。この二人だけはそのまま幸せになってくれ、と願わずにはいられない。とうとうこの二人とも殺伐とした展開になるのかと危惧したのですけれど、彼女たちだけは平常運転で本当に良かった。この世界に対する失望と絶望が湧き上がり、カイトとヒナが身を犠牲にして守った意味があったのか、と幾度も自問してしまうなかで、ジャンヌとイザベラのカップルやリュート夫妻の存在がどれだけ救いに思えたか。この世界もそこに住まう人たちも決して見捨てたものじゃない、と思わせてくれる人たちなのですから。あのエリザベートを避難する民衆を一喝した老婆のように、咎人であったエリザベートを気遣ってくれた文官の人のように。この世界には、まだこんなにも尊いものが散らばっている。狂王カイトの姿に憧れた臆病者の王も、今や人族をまとめる王として以上に、世界の価値を信じさせてくれる良い男に成長してるのに。
それでも、悪夢は積み重なっていく。折り重ねられる復讐の連鎖、悪意の塔、無辜という名の罪人の群れたる民たち。
そんな中で独り戦うエリザベートの孤独はいや増すばかり。いや、その孤独を、寂しさを彼女はすべて受け入れている。ゆらぎはしてもブレはしない。
でも、その想いにもう名前をつけても良かったんですよ。ようやく、ようやく、エリザベート・レ・ファニュの本心がエリザベート自身に届いたのでした。その形のない想いを、言葉にして形作ることができた。

親友を、弟を、兄を、己の恩人を。
優しく、愚かで、仕方のない人を、
愛すべき人を、愛するように、
エリザベート・レ・ファニュはセナ・カイトを愛している。

無意識にこぼれ落ちた言葉を彼女は自分で反芻し、そして静かにはっきりともう一度繰り返した。
愛している。その言葉のなんて深い響きだったか。その言葉を告げる彼女が、どれほど美しいモノだったか。
何かを求めるわけではない、報いを欲しているわけではない。その感情は、湧き上がる想いはただただ捧げ与えるためのものだった。エリザベートのそれに、色恋の熱量は見当たらない。滾るものではない、焼き焦がすものではない、それはお互いを温め合うもの。その存在を慰め合うもの、癒やし合うもの。掛け替えのない、意味を持つもの。
愛すべき人を、愛するように。
思えば、エリザベートとカイトとヒナの三人の関係は、常に与え合うものでした。愛している、その三人同士の間で揺蕩う想いは、気安くも献身そのものでした。それは、エリザベート独りが取り残された今に、何も変わってない。触れられそうなほど近くにありながら、決して届かないはるか遠くへと行ってしまったカイトとヒナを、エリザベートは変わらずずっと愛している。
その健気でさみしげな彼女の姿が、どうしようもなく愛おしく美しく、悲しい、哀しい。
それは仕方のないことだったのだろうけど、やはりエリザベート独りを置いていってしまったカイトとヒナに文句が言いたくなる。二人とも、随分と後ろ髪引かれているみたいだけれど、エリザベートはもっとずっと寂しかったのだから。
迎えに行って、くれるのだろうか。もう一度、あの三人の輪の中にカイトとヒナはエリザベートを迎え入れてくれるのだろうか。

思えば、ヴラドもまた何も見返りを求めていなかったですよね。あれほどの極悪人で鬼畜外道の残骸であっても、彼の父親としての愛は、娘に何も求めなかった。ただ、愛していた。それが、彼がなしてきた残虐非道の数々に対して、冒涜であったとしても、娘への愛は無償であった。
ルイスが、ついぞ最期まで娘となったアリスを本当に心から愛していながら、彼女に愛に対する報いを、見返りを求めてしまった事と比べてしまえば、尚更に。尚更に胸に凝りを残すのである。
ああ、なんて度し難い愚かさなのだろう。それを自覚しながら自身を止められなかったルイスが、哀れでならない。


次が最後、本当の最期。万感の想いを抱いて、結末を待つ。

シリーズ感想

浅草鬼嫁日記 七 あやかし夫婦は御伽噺とともに眠れ。 ★★★★☆   



【浅草鬼嫁日記 七 あやかし夫婦は御伽噺とともに眠れ。】 友麻碧/あやとき  富士見L文庫

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茨木真紀は、かつて鬼姫“茨木童子”だった前世を持つ女子高生。前世の夫“酒呑童子”だった天酒馨らとともに、浅草あやかしを狙う「狩人」の騒動を退けて、無事に高校三年の新学期を迎えていた。陰陽局の津場木茜が転校してきたりと、少しずつ変わっていく真紀たちの日々。そんな折、法事で実家に帰る馨に、真紀はついていくことに。訪れたのは「御伽噺の隠れ里」と呼ばれる九州の片田舎。二人はそこで、夜毎屋敷をさまよう面妖な人間と遭遇し―。伝承と謎を相手に「最強の鬼嫁夫婦」も眠れない?
なんかもうねー、まいったなー。
ホロホロと泣いてしまったんですよね、これ。気がついたら、グワーッと泣けてきてしまってたんだ。
こういう思わず泣いちゃう時ってね、読んでて自分でも感情が沸き立っていくのがわかるし、わからない時はそれだけ夢中になってるか没頭してる時なんですよね。それでも、あっこれは泣いちゃう、というのは事前にわかるんですよ。
でも、今回はほんと気がついたら泣けてきちゃってて、自分でも「え? なに?」とちょっとびっくりしてしまったくらいで。あれ? これ自分、感動してる? と理解があとから追いついてきたんですよね。
それくらい、自分の中で馨と彼の母との和解というのは盲点で、もうあり得ない事なんだと思いこんでたんでしょう。
彼の母である雅子さんの馨への拒絶は本当に酷いもので、こと天酒馨の崩壊した家族関係はもう絶対に元に戻らないものだと思ってたんですよね。だからこそ、馨は真紀との関係に家族を求めて、正式に恋人となって将来を約束した今となってはもう彼の求める「家族」というものは眷属たちや仲間たちも含めて満たされた、と思っていたわけです。過去はもう過去であって、今更振り返るものではないと、克服したものなんだと。それは、諦めたとすら考えていなかった、決着のついたものだと、そう思っていたんです。
でも、真紀と結婚して夫婦になっても、それは前世で茨姫と結ばれた過去に並んだだけで、それ以上ではなかったんだなあ。いや、真紀とこのまま末永く生きていければ、悲劇に終わった前世よりもそりゃあ超えたものになるんだろうけれど。素敵な奥さんとの夫婦生活、というのはすでに前世で一度は得たものだったんですよね。それで足りないなんてことは全然なかったから、それ以上のことを別に何も考えていなかったんだけれど。
酒呑童子ではなく天酒馨という人間の男の子が本当以上の、最高の幸せを手に入れるには、幼い頃の悲しい思いを、得られなかった親の愛を取り戻して、辛い記憶を払拭することが最高の手段だったんだなあ。
それはでも、決して叶うものではないと思っていたのだけれど。そうか、時間を経て一度離れて距離を置くことで、そして馨が成長して大人にはまだなっていないけれど高校生になって、真紀との関係も幼い頃のあの必死で寄り添っていた頃よりも落ち着いたものになって、全体的に余裕ができた今でこそ。
そして雅子さんの方も、精神的に追い詰められてささくれ立ち過敏になっていた心が落ち着きを取り戻し、田舎の実家での生活によって余裕ができたときに、改めて自分の息子に対する所業を思い出してとてつもなく後悔していたのだ。
そうしてお互いに余裕ができたからこそ、落ち着いて向き合う機会というのは出来るもんなんでしょうね。
正直、馨の親への接し方というのは褒めれられたものがなかったのは確か。幼児からあんな態度取られ続けてたら、母親としてもノイローゼになっても仕方ないんじゃと同情してしまう部分はある。育児ノイローゼって非常にデリケートで周りの理解とサポートが必要なものですけれど、雅子さんもそのへん難しかったんだろうなあ。普通の育児の問題とはまた違う形ですし、馨との関係は。
馨としても、前世からして親と酷いことになってるわけですから、どう両親と接したらいいかわからない部分もあったでしょうし、元々人間関係小器用な方でもないわけで。
人として暮らした十数年間が。一般学生として同じ子供たちと一緒に学び、社会に出てバイトして、真紀と一緒に過ごしつつ他の人達とも遊んだりしていった経験は、確かに天酒馨のものとして酒呑童子のものしかなかった人生経験を上積みしてくれたんでしょうね。
再会した雅子さんと最初は恐る恐るお互い触れるのを怖がってなかなか近づかなかったけれど、事件を通じてちょっとずつ話すようになり、距離感を縮めていく間、馨の態度ってのはほんと、ただのちゃんとした高校生の息子って感じだったんですよ。ちょっとぶっきらぼうだけど、母親に接するただの十代後半の男の子の姿だったのです。
雅子さんの方も、どう考えてもおかしい幼児な息子よりも、高校生くらい成長した息子の方が違和感感じにくかったんじゃないかな。馨が結構普通にただの息子していたのを除いても、変に大人びたような幼児よりも、高校生くらいに成長した馨は精神年齢のギャップみたいなものが少なかったんじゃなかろうか。フラットに、接することが容易だったような感じなんですよね。
雅子さんって、過去の回想の印象からもっとヒステリックで神経質なイメージだったんですけれど、本来の彼女、改めて再会したお母さんってどこか頼りがいがあって姉御肌な部分もある懐の広い感じの女性で……何気に真紀ちゃんと似てるんじゃないか、と思えてしまう所すらある感じだったんですよね。
ああ、馨のお母さんって、こんな人だったのか、と。凄く新鮮だったんだよなあ。
ちゃんと、馨のこと愛してたですよね。そして、それは過去形じゃなくて今もちゃんと愛してくれていた。だからこそ、酷く馨を傷つけたことを後悔していて、自分の存在そのものが彼をまた傷つけるんじゃないか、と避けるようにしていたんだけれど。馨もまた似たような事考えてたんですよね。自分の異常さが家族を壊してしまった、母を傷つけてしまった、と。
だから、真紀が鎹になってくれなければ、この二人がまた家族になれることはなかったのでしょう。ちょっと真紀ちゃん、いい奥さんしすぎである。今までで一番良妻ムーブしてましたよ。真紀ちゃん一緒に連れて行くように言ってくれた馨の親父さん、ほんとグッドジョブである。
まさか、雅子さんに本当に全部、馨や真紀が妖怪とかこの世ならざるものを見ることが出来る、というだけではない、前世のことまで全部詳らかに打ち明けることになるとは想像だにしていなかったけれど。
一連の事件で、雅子さんは今度は決して逃げず、目をそらさず、全部受け止めてくれたんですよね。だからこそ、真紀も全部打ち明けなきゃ、と。そうすることで二人は今度こそ本当の母子になれる、と思うことができたんだろうけど。
あのもうどうしようもないくらい壊れてた母子が、馨と雅子さんがホントにただのそこらへんの高校生の男の子とその母親みたいな、普通の会話をしてるわけですよ。日々の生活の中でどこの家庭でもかわされてるような、ぶっきらぼうでふてくされたみたいだけどよく気がつく息子とそんな子供に遠慮なく背中を叩いて笑って叱咤するような元気なお母さん、みたいな光景が。
普通の親子の姿が、あったわけですよ。絶対にありえないと思っていた光景が。
もう、それ見てホロホロと泣けてきてしまったのです。
本当に、良かったなあ、と心の底から思えたんですよねえ。

これは徹頭徹尾、天酒馨という人間のお話でした。今回に限っては、酒呑童子という前世は関係ないんですよね。前世と紐付けされていない、天酒馨という人間が確立されたともいうべきお話で、茨木真紀が好きになったのは天酒馨という人なのだ、という彼女の想いを確かなものにする出来事でした。
ライ、というもうひとりの酒呑童子の魂を持つ存在が現れているからこそ、今回の話はとてつもなく重要だったのでしょう。馨のレゾンデートルを揺るがす彼の存在ですが、今回の一件で馨の側は強固に補強されたわけですから。
しかし、一方でライが酒呑童子の魂を持つ存在であることには違いなく、果たしてそれを真紀ちゃんが無視できるのか、という問題があるんですよね。真紀ちゃんが好きで愛しているのは、間違いなく馨です。これは揺るがない。彼女はとっくに選んでいる。でもだからといって、前世からの思いに苦しんでいるライを無視して関係ないと突き放せるような娘でもないわけで。選んだからこその苦悩が、彼女につきまとうことになるんですよね。
凛音の方もやたらとややこしいことになってるみたいですし。むやみに汚れ役しようとせんでもー。

シリーズ感想

処刑少女の生きる道(バージンロード) 2.ホワイト・アウト ★★★★☆   



【処刑少女の生きる道(バージンロード) 2.ホワイト・アウト】 佐藤真登/ニリツ  GA文庫

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「この海の近くには、霧があるのよ」
古都ガルムをあとにしたメノウたちは、港町リベールへと辿りつく。
入り込んだが最後、戻ってきた者はいないと言われるリベールの霧。それは、かつて南方諸島連合を食らいつくした、四大人災『霧魔殿』だった。死んでも蘇るアカリを殺しきる手段を求めるメノウは、処刑人としての任務を完遂するため、その魔の霧を利用することを思いつく。
そんななか、メノウたちに接近するリベール伯の娘・マノン。“いなかった"はずの彼女の行動が、メノウたちの運命をアカリですら意図しない方向へと捻じ曲げはじめる――。
彼女が彼女を殺すための物語、急変の第2巻!

これはあかんやつやーー!! やばいやばい、これガチでヤバいやつだ。四大人災ちょっと舐めてた。これはもう強いとか弱いとかの次元じゃないや。本人パニック映画の体現者みたいな事自称してますけれど、もうこれそれどころじゃなくコズミックホラーまで行っちゃってる、イッちゃってるよこれ。
マノンが言ってた通り、これは手に負えない。人間がどうこう出来るもんじゃないですって。見てるだけでSAN値がゴリゴリ削れていく。直葬直葬、頭がおかしくなりそう。怪物だ狂気だという程度のもんじゃないですよ、なんちゅうもんを描いてしまうんだこの作者さん。
生理的に嫌悪感と恐怖感、忌避感が溢れてくる。理解するのを生理的に拒みたくなる。それでいて、注視していないと目を逸らしてしまうと脳みその中にこびりついてべっとりと張り付いて棲み着いてベロベロと目玉を頭の中から舐められるみたいな妄想が剥がれないヤバい怖気を湧き上がらせるような、本物の狂気だ。本物の魔だ。最近、とんと久しくお目にかからなかったガチヤバいやつだ。
これが元は人間だったとか、今でも人間のつもりだとか、冗談じゃねーですよ。成れの果てがこれなのか、純粋概念に呑まれてしまった成れの果てがこれなのか。
他の四大人災(ヒューマンエラー)である星骸も、絡繰り世も、塩の剣も、みんなこんななのか。こんな破滅なのか。どないせいっちゅうねん。これ、人間が触れていいもんじゃないし、どうこうできるもんじゃないですよ。魔王だ邪神だというわかりやすい邪悪だったり強かったり無敵だったりインフレしてたりするような存在の方がよっぽどシンプルで簡単だ。
でもこれはダメだ。世界が歪んでる。在り方が根本的に間違ってる。法則が乱れきって原型がなくなってる。グチャグチャで無茶苦茶だ。
あかんわこれ、世界滅びるわ、それもわかりやすい滅び方じゃなくて人知を超えた形でグチャッと潰れるわ。
そんでもって絶望的なのは、純粋概念を魂に根付かせた異世界人は、もれなく限界を超えるとこれと同じものになってしまうということだ。アカリもまた、その末路はこれなのだ。
これが異世界人の破滅の形なのだ。そして、アカリの消耗はすでにかつて日本に居た頃の記憶をほぼ全損するほどにまで至っている。リミットは近いということだ。
問答無用で召喚された日本人は善悪の区別なく本人に罪はなくとも無関係に鏖殺すべし、という教会の方針、これを見せられてしまうとまったく過剰な反応ではなかったと納得させられてしまう。かの4大人災の狂気を実際に浴びる羽目になった当時の人々がこの結論に至ってしまったのは、もう当然だったんじゃないだろうか。召喚すること自体が大罪というのも重ねて重ねて。

一巻の段階ではほぼ不死身であり、人格の変換もあって裏から状況を操るフィクサーにしてプレイヤーとして物語の行方を引っ張る牽引者にも思えたアカリだけれど、まだただの人間に過ぎない彼女にとってはたとえ時間概念を自由に出来るとしても、意味がない。
パンデモニウムの語る話には多くの示唆があった。アカリの時間操作能力の限界に、純粋概念と呼ばれるものの意味。純粋概念とは使うものではなく、いずれ概念そのものに成り果てるものなのだと。
そして、アカリがもうすでに行き詰まっているという事。
そうなのか。何度も時間回帰によってやり直すことが出来るアカリこそが、アカリとメノウの救いのない破滅をハッピーエンドたる破滅へと進めることが出来る存在なのだと思ってた、思い込んでいたのだけれど。
アカリにはもうその権利はないのかもしれない。アカリの望みは自分の死、メノウによって殺される結末。それは行き詰まり行き止まった結末で、もうアカリに対してなんの裏表もない屈託のない笑顔を向けてしまうに至ったメノウにとっても、どう言い繕っても破滅の結末だ。
だから、そんな時の止まったアカリを動かし変える事が出来るのは、行き詰まった時間を動かす事が出来るのは、メノウの方なのだ。
ゆえにこそ、メノウが主人公だったんだ。
メノウの中にあるという「白」の残滓。悪人という「人」である事を選んだ決意が、この世界の理を・星の定めた運命(システム)を、穿つものになるのだろうか。
生きる道とは、人であるからこそ歩いていけるもの、為せるもの。生きて、彼女は成せるのか。
あの、あまりにも途方も無い人災という概念を前にして、その純粋概念を生み出したこの星の在り方に、翻って人の側の論理を以ってあらゆるすべてを蹂躙するバグみたいな「陽炎」に、果たして彼女は立ち向かえるのか。
メノウとアカリ、それにモモとアーシェナ。メノウだけじゃない、アカリだけでもだめだ。この四人こそが、鍵になるのだろう。きっと一番人間らしさを突き詰めたこの四人こそが。

アーシェナ姫、まさかあそこまでモモのこと執心するに至るとは。何が琴線に触れてしまったのだろう。そして、なんて女の子率が高い物語なんだろう。いやマジで男の登場人物で固有名詞出た人いねーんじゃないだろうか。マノンのお父さんですらなかったと思うし、何気に最初にメノウに殺された男の子も、名前出なかったんじゃなかったか。もしかして、他の四大人災もみんな女性、白の勇者ですらもそうなのか。

今回、万魔殿のインパクトがひたすらとにかくもう絨毯爆撃だったんですけれど、それを抜いても印象強かったのが、導師「陽炎(フレア)」がマノンの母を殺したシーンだったんですよね。死の間際に純粋概念を暴発させそうになった彼女に、陽炎が囁いた一言。それを聞いて、マノンの母が示したもの。それにグッと来ると同時に、そんな母親の強さと愛情を理解仕切りながらそれを利用してみせた師匠……これがあの師匠の在りようなんですよね。なんなんだろう、この人。この人こそ、まだ未知そのものなんだよなあ。一体何を考えているのか、何を目的としているのか、何を望んでいるのか。この人もこの人で、人の成れの果てにも見えてしまうのだけれど。

1巻感想

妖姫ノ夜 月下ニ契リテ幽世ヲ駆ケル ★★★★☆   



【妖姫ノ夜 月下ニ契リテ幽世ヲ駆ケル】 渡瀬 草一郎/こぞう  電撃文庫

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大正十三年、春。少年、椚雪緒は、上京した先の夜鳴川邸にて美しき白蛇に出会う。彼女は父である八頭八尾の大蛇、「十六夜」の決めた縁談から逃れるため、妖相手に商売をする「化猫堂」へ助力を求めに来たと云う。化猫堂の店主、夜鳴川夜霧と猫のミタマ様に連れられて、雪緒は妖達の住まう「常夜之町」へ乗り込むが、そこは人の世の常識が通じぬ異境だった―!関東大震災後の横浜を舞台に、人と妖の縁を紡ぐ大正伝奇浪漫。

雪緒くんイイなあ、これはイイ主人公だなあ。前作の【ソードアート・オンライン オルタナティブ クローバーズ・リグレット】のナユタもそうだったんだけれど、落ち着いた冷静で温厚で礼儀正しく品行方正な若者にも関わらず、妙な所で箍が外れているというか常識がズレているというかわりと我が道を行くタイプで周りとの差異を気にしない主人公、面白いんですよねえ。
妖怪の存在や異界となる幽世という人ならざるものを前にして、本来なら度肝を抜かれて驚き慌てふためくのが普通じゃないですか。それが雪緒くんと来たら本人それなりに驚いているつもりのようなんだけれど、傍から見るとまったく動じている風もなく平然としているように見えるんですよね。
驚くとか慌てるとか怯えるとか警戒するとか、そうでなくても何らかの反応を示すのを想像していた当の妖怪さんたちや、そちらと深く関わり合いのある夜霧さんなどは雪緒くんのあまりの平常運転ぶりに「お、おぉぅ?」となってしまうんですよね。え? そこは驚く所じゃないの!? てな感じで。白蛇の宵姫にしても、人間大の巨大な白蛇の姿で突然雪緒の部屋のベッドに潜り込んでいて、帰ってきた雪緒をばったり、というのが初顔合わせのシチュエーションだったわけですが、雪緒くんてば完全にフラットな対応でしたからね。
それどころか、逆に宵姫たち人ならざるモノたちの方が雪緒くんの真面目な顔して突然突拍子もない事を当たり前のようにやってしまう彼に「えええ……」と呆気にとられたり、度肝を抜かされてしまったりするわけで、いやどっちが人の世の常識が通じぬアレなんだろうか、と。

とはいえ、雪緒くん。決して変人とか変わり者という風情ではなくホント基本的には真面目な青年以外の何者でもなく、そんな世間の常識に疎いとかいう風でもないので、普通につきあっている分には多分気づかないんだろうけど、ほんと妙な所でボタンをかけちがえまくっているというか、えらいところで常識を履き違えている感じなんですよね。まあ、そもそもあの動じなさをまともな人といってしまうのは間違っているのだろうけど。


平安時代を舞台にした作品も手掛けている渡瀬さんの時代物ということで、またぞろ中世代の物語かとワクワクしていたのですが、まさかの大正ロマンチカ。ちょうど関東大震災の直後で都心が壊滅し復興もまだはじまろうとしているところ、という時代背景でこれがまた描写が素晴らしいんですよね。文体そのものも大正時代を意識しているのか雰囲気のある台詞回しや文章として凝っていて、そこにあの時代特有の空気感が目の裏に浮かぶような情景や風俗の描写が時代背景をダイレクトに感じさせてくれるのがまたいいんですよ。典雅な風情と地に足がついた風格のようなものを味わわせてくれる背景描写なんですよね。
平安時代のお話でのあの宮廷や京の都の描かれ方もすごかったけれど、まさに時代に合わせた情景描写なんだよなあ。
面白いことに、アヤカシたちの住まう幽世の方はまた大正時代の帝都とはちょっと雰囲気違うんですよね。あちらはあちらで文明開化の花が咲いて独特の文化が花開いているのだけれど、人の街である帝都のそれとはまた違う、人外たちが行き来する世界ということで人界以上に古きと新しきが混在している町並みになってるんですよね。ここのあやかしたちは、浮世離れしている風でもなくむしろ俗っぽい生命力を感じさせる存在たちなので、幽冥とした儚さよりもむしろ混沌とした鮮やかさを感じさせる世界観で、目の裏に浮かんでくるその賑やかさはなんとも見ているだけでも楽しかったのであります。
路面電車で乗り合わせて、猫なミタマさまにジッとガン見されてダラダラと冷や汗垂らしてる魚怪の乗客とか、行き過ぎる何でも無いワンシーンの片隅でちらっと描かれるこういう些細な描写が、作品全体の雰囲気に味わいをもたらしているんだろうなあ。こういうシーン、ほんと好き。

今回、面白いことに登場人物としては主人公の雪緒は当然としても、結構男連中が目立って存在感示していたんですよね。雪緒の下宿先のご主人であり雪緒とあやかしたちの縁を繋ぐきっかけとなる化猫堂の店主夜霧さんとか、宵姫の兄でもある蜂月さまとか。下手をするとメインヒロインの宵姫さまよりも前面に出てたような気がします。二人とも、美味しい場面も多かったですし。
とはいえ、これら一癖も二癖もあるだろう食わせ者たちを差し置いて、彼らの度肝を抜く形で実際は一番ぶっ飛んでいるのを証明してしまうのが主人公の雪緒くんなわけですけれど。
同郷で祖父の門人であったので雪緒くんの事を全部知っていた上に、さり気なく夜霧さんの事情についても察していた瀬尾さん、何気にこの人侮れないよなあ。計算の上で、夜霧さんの所に雪緒を下宿させたわけですから。
にしても、雪緒くんの正体というか素性に関してはそっち方面にはまったく想像していなかったので、詳細が明らかになった時は正直吹いたw
いやあ、でも時代からすると幕末から半世紀。ギリギリ最後発の範疇には入るのかなあ。まさに最後の「○○」なのか。
姫様に関しては家出してきた上に簡単に出歩けない状況になってしまったので、後ろに引っ込まざるを得なかったのはちとメインヒロインとしては存在感を示しきれなかったかもしれない。その分、蛇のお姫様らしい……思い込みの激しい所は十分見せていただいたので……ってか、完全にこの娘清姫系じゃねえか。無自覚ジゴロな雪緒の責任大にしても、遊郭を囲んでの口上の際に雪緒と自分の関係をホップ・ステップ・ジャンプな勢いでどんどん勝手にバージョンアップしていくのを見た日には、誰か止めろ、と。止められる人がどこにも居ねえw 
そして、化け猫か猫又なのか、猫の神様とかそんなのかと思っていたミタマさま……終始一貫して「可愛いのがお仕事」なただの猫だったじゃないですかー! ひたすら猫ムーブしつづけて癒やしを振りまき続けるミタマさま。にゃんこ可愛いなあ、もう!! 
にゃーん。にゃーん。

渡瀬草一郎作品感想

常敗将軍、また敗れる 3 ★★★★☆  



【常敗将軍、また敗れる 3】 北条新九郎/伊藤宗一  HJ文庫

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ダーカス一行の次の目的地は後継問題で二勢力に割れるサラマド公国。片勢力の主導者ライミリアは美貌と指導力を併せ持つシャルナの叔母にあたる人物だった。シャルナは尊敬する叔母にダーカスの雇用を勧めるが、条件が折り合わずダーカスは客として残ることになった。しかしダーカスは存在するだけで周囲に影響を与えてしまう。いつの間にか派閥の駆け引きの中心にいたダーカスはある晩、ライミリアの寝室を訪れ、彼女を抱いた。若いシャルナは烈火の如く怒るが、ダーカスにも意図があったのだ…。

今回のダーカス一行は、戦争で戦うための傭兵としてではなく、サラマド公国内での後継者の継承問題に首を突っ込むことになる。いや、ダーカスってほんと何者なんだろう。傭兵というのは所詮、戦う上での駒であることを商売道具にしていて、本作でも名うての傭兵でも将軍として軍勢を指揮する腕前、あるいは参謀として作戦を立案する能力、場合によっては情報や戦略を駆使して戦争そのものを動かすだけの力量を見せる傭兵なんかも居たけれど、ダーカスの場合はそれを超えて辣腕の外交官や政治家のような働きを見せてるんですよね。今回の政局への関与の仕方なんか、とても一介の傭兵とは思えない働きなんですよ。その意味では、彼が傭兵の中でも特に高給取りだというのも凄くわかるし、実績として毎回戦争で敗北を続けているにも関わらず、彼を雇う者が引きも切らないというのも大いに理解できるんですよね。
というか、彼を使うなら一部隊の戦闘指揮とかじゃあ勿体なさすぎるよなあ。なるほど、だからダーカスも自分の利用単価をあげてそういうしようもない使い方をされないようにしているのか。
第一巻のケースは信頼関係を結んだ二人の依頼人からの願いだった事に加えて、最終的な目的が単なる戦闘での勝利や戦争に勝つことでなかったことで、戦闘の指揮というのは敵将ユアン・マルハルドの殺害という目的以外は重きを為していなかったわけだし。
しかし、今回も戦争ではきっちり敗北しているわけですし、常敗の名は一切ブレていないんだよなあ。それでいて、この人指揮下においた将兵の信望は下がるどころか上がりっぱなし、というのも凄い話である。おまけに実績も上っ面だけみたら、戦争の敗北どころじゃなく今回なんぞある意味国自体が根こそぎ消滅してしまった、とも言えるわけでえらいことになっているのだけれど、依頼者の要望はほぼ全方向に達成してしまっているわけで、ある意味今回が一番ダーカスの凄みを感じられる内容だったかもしれない。
それにこの人、ダーカスって頼られた場合まず見捨てないし、きっちり助けて回ってるんですよねえ。これに関しては金銭関係なく、ですし信頼関係、友誼を結んだ場合は直接の契約関係なくずっと助けになるように動いてくれるんですもんね。ダーカスがアーバルト王子の助けになるように動いているのって、決して金や契約の関係じゃないのでしょうし。アーバルト王子個人への友誼であると同時に、ザルツボルグの王たるサルバトール王との友誼こそが、彼を動かしていると考えれば、クラクス王子派との敵対姿勢もよくわかるんですよね。
金次第でどの陣営にもつくという傭兵の在り方とは根本的に違うダーカスの傭兵としての在り方は非常に興味深いところがあります。彼の弟子としてついてきているティナやアイザッシュは色々と経験を得てダーカスのやり方をよく学んでいってますけど、果たしてダーカスのこういう根本的な生き方についてはどこまで理解し体得しようとしているのか。少なくとも、シャルナ王女にダーカスが度々行っている厳しいくらいの指摘、王女としての甘えを叩き出すような指導は普通の傭兵の論理ではない、彼が見てきた素晴らしい王侯の在り方というのが透けて見えてくる。何だかんだと、シャルナを邪魔者扱いせず鍛え上げようとしている上に、今回だって結局シャルナのお願いを拒否したように見えて叔母ライミリアを救うためにあれこれ動き回っていたわけで。この人、面倒見もいいんだよなあ。弟子たちやシャルナを放り出さずにずっと面倒見ている時点で、その面倒見の良さもわかるというものなんだけど。
しかし、今回の政争はサラマド公国というザルツボルグから分派して起こった属国という特殊な国の成り立ちも相まって、非常に面白いものがあった。占領されて属国化した国じゃなくて、重臣が許されて公国を起こした国なんで、いわば譜代でもあり公国の貴族たちも帰属意識がサラマド公国だけではなく、ザルツボルグにも残っているという特殊な状況が、後継者争いで派閥同士衝突しながら公国としてではなくザルツボルグの臣下としての大きな括りでの共有する意識もあり、と普通の派閥争いとは違う向きもあったんですよね。それを、ダーカスがたくみに刺激し誘導して、ライミリア公妃が主導するアラストラ派と同じく外部から強権的に介入してくるクラクス王子派のザルツボルグ軍人が推すネビル公子派との対立構図を巧みにひっくり返していく展開がとてもおもしろかったのです。
当初のプロットから大きく外れて、ネビル公子がクラクス派の傀儡から脱却していったのもこれ盛り上がる要因だったんでしょうな。当初の予定通りの小物だったら、ここまで劇的などんでん返しにはならなかったのでは。

にしても、ダーカスって交友関係をまともに聞いてたら60代70代でもおかしくない年齢に思えるのだけれど、まったくもって年齢不詳だよなあ、この男。女性関係も元気いっぱいですし。別に長命種だとかいう話も全くないですし、本当にいったい何者なんだダーカス。

シリーズ感想

迷宮の王 2.勇者誕生 ★★★★☆   



【迷宮の王 2.勇者誕生】 支援BIS/目黒 詔子  レジェンドノベルス

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ミノタウロス討伐の勅命を受けた騎士パンゼル。あと一撃でミノタウロスを葬り去れるはずだったが、思わぬ事態が発生し、勝負はお預けとなった。そしてパンゼルは、自身を育ててくれたメルクリウス家と王国の危機を救うため、サザードン迷宮を後にするのだった。
それから幾年月。ミノタウロスは未だ迷宮の奥深くに健在で、モンスターや時折訪れる人間の冒険者と戦っては、おのれの技量をひたすら磨き続けていた。そんな折、メルクリウス家から一人の少年が修行の旅に出た。豪雪吹雪く雪原や山脈、海の神殿など王国とはかけ離れた世界を見分し、想像を絶する要害を潜り抜け、見たこともないモンスターと戦い、様々な人たちと巡り合いながら、少年は成長していくのだった。
少年の名はザーラといった。誰あろう、英雄パンゼルの息子である。

ハイ・ファンタジーとは斯く在りき。
英雄を謳う物語が、この世界には古くから各地に存在する。英雄叙事詩、エッダ詩やサガといった類のものだ。【イーリアス】や【オデュッセイア】。【ニーベルンゲンの歌】などに代表されるように、英雄と呼ばれる人間たちの壮烈な戦いの人生を、勇壮な冒険を語り継ぐために記した詩である。
この作者が手掛ける英雄譚は、まさにそんな古く伝説的な英雄を語る詩にもっとも近しい、現代に蘇った叙事小説、サーガと呼ぶに相応しい作品だと思うのです。
ザーラという英雄の息子が、その旅立ちから経験していく幾つもの冒険、成し遂げていく幾つもの偉業、神代と人の時代の境界を跨いでいき、そしてかけがえのない人々との出会いの物語が語られていく様子は、描かれていく様子はこの国で描かれてきた代表的なファンタジーの描き方であるRPG風の、或いはTRPG風のそれとはどこか異なっている。
それはこの巻における主人公であるザーラが、読者自身の手によって動かす存在でも、自分を照らし合わせてみるアバターでもないからでしょう。作者からも読者からも、主人公が主人公としてキャラの個を確立させている作品とも少し違っている。
この作品そのものが、英雄の事績を謳うものであり、読者はその輝かしい偉業に、壮烈な運命に聞き入る聴衆であるのではないか。一人の勇者の伝説が生まれていくのを、目の当たりにしている目撃者であり観測者であり証言者なのだと。
だからこそ、本作は小説である以上に語り継ぐ伝説なのである。韻文詩ではないとはいえ、それを想起させてくれる一定の淡々としたリズムによって語られ紡がれる文章はまさに英雄叙事詩であり、本邦においてもっとも新しく本格的なヒロイックサーガなのでしょう。
ザーラの冒険は、そんな原初に近しい英雄の活躍へのワクワク感をもたらしてくれると同時に、彼が見聞きする新しい世界に、まったく未知の現象に、血のたぎるような戦いに、心躍らせてくれるのです。また、運命の少女との出会い、信頼できる仲間たちのただ一度の愉快で楽しい旅路が、遠い神代からの残り香との邂逅が、人と人とのつながりの偉大さを教えてくれる。
そして、仇敵たるリガ公爵家との、幾代もの世代を経た因縁と、それにまつわる様々な家と人との因果が、途方も無い歴史の壮大さを感じさせてくれる。
ザーラの冒険は、そんな神代の名残を示していて、歴史の流れのもっとも突端に位置し、過去の流れの、人々が次世代に託した願いや想いすべてが集まっていく収束点そのものだ。この運命のうねりの壮大さを感じることが出来るだろうか、その大いなる流れが収束し突き抜けていくことの美しさを見ることが出来るだろうか。
伝説とは、このように産まれていくのだと目の当たりにしている感動が伝わるだろうか。
そして、その点を超えた先に、迷宮の王が待ってる。英雄の到達を、自分を倒す偉大なる敵をずっとずっと待っている。

ゴンドナとヒマトラ、ボランテという軽妙で愉快な冒険者たちとの激闘の旅も、あの三人のあっけらかんとしたキャラクターもあってほんと楽しかったけれど、その前のナーリリアと出会う事件も面白かったなあ。彼女のポンコツさは、何とも愛嬌があってホント好き。あれは周囲の人たちからも愛されてたんだろうな、というのがよく分かる。彼女との出会いが、思えば先々にわたる様々な出来事や邂逅へのきっかけだったんですよねえ。
彼女の再登場はあったのか、ウェブ版は昔読んだのだけれど忘れてしまったなあ。でも、忘れているが故にまた心から楽しめるということもあるのですよね。そう思えば、とても幸いなことであります。

1巻感想



学園者! ~風紀委員と青春泥棒~ ★★★★☆   



【学園者! ~風紀委員と青春泥棒~】 岡本 タクヤ/マグカップ  ガガガ文庫

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青春全部入りの学園物語、開幕!

青春のすべてがここにある! ……かもね。
「先輩、最高の青春時代をおくるためには、どうすればいいんでしょう?」
「……はァ?」
椎名良士は高校二年生にして、学園の平和を守るトラブルシューター、風紀委員会の一員だ。
生徒同士の揉め事の仲裁や、教師には頼れない相談ごとを請け負い、学園内で起こる事件に翻弄される日々を送っていた。
そんな椎名の前に現れたのは、帰国子女の新入生、天野美咲。
青春というものに対して斜に構える椎名と、日本の学園生活を知らないがゆえに理想の青春に憧れる天野は、ひょんなことからコンビを組むことになる。
「思春期のガキを三千人、学校なんて狭いところに押し込めりゃ、そりゃ色んなことが起きる。いいことも、悪いことも」
入学シーズンの巨大学園を舞台に、個性的な生徒たちに翻弄されながら、次々と起こる事件を解決すべく学園内を走り回る椎名と天野。
果たして二人は最高の青春時代を掴み取ることができるのか。

リア充もぼっちも、モテも非モテも、優等生も不良も、文化系も体育会系も、みんながここで足掻いてる!
恋も友情も出会いも別れも勝利も敗北も甘さも苦さも、全部入りの青春学園物語、開幕!
風紀委員の新機軸だなあ、これ。この学校の風紀委員って、取締官や治安維持要員ではなくて、自分たちではトラブルシューターって言っているけれど、日本語で言うならいわゆる調停人なんですよね。かといって生徒の分際で揉め事トラブルを颯爽解決、なんてふうには行かないわなあ。それでも、足で稼ぎ頭を下げて周り、話を聞いて考えて損得勘定を計算して、と地道に働くことでどうにかこうにか、みんなが納得する形で物事を収めて調整していく。決して言うほど派手ではない仕事で、何気にトラブルメーカーで愉快犯気質の風紀委員長が首を突っ込んできて中途半端に大事にしようとしたり、さらっと多彩な人脈を駆使して助けてくれたり、と余計なのか何なのかわからない手出しをしてくるけれど、そう概ね派手ではなく地道な活動してるんですよね、風紀委員。と言っても、委員長除けば主人公の椎名に此度新入生で入ってきた天野の二人コンビだけが実働員なのですが。
しかし、トラブルはどこにでもあって、あらゆる種類の人間が抱えている。三千人も所属するマンモス学園である。様々な属性の生徒たちが存在しているのだ。でも、普通どれだけたくさんの生徒が所属していても、一人の生徒が活動する範囲というのはどうしたって自分のグループの近縁のみになる。しかし、あらゆるトラブルが持ち込まれる風紀委員は、いわば学校のあらゆる場所、あらゆるグループと関わり合いになる組織だ。
青春のすべてがここにある、というお題目は決して伊達ではないのである。
作品の雰囲気は明るく軽妙で、ポップともいうべきノリで繰り広げられる。でも、ギャグやコメディという領域には足を踏み入れていないんですよね。これだけ明るいノリなのに、しかし常にストーリーはシリアスに、真剣に展開していく。そこで描かれるのは、直球勝負の「青春」をテーマにした物語だ。逃げず茶化さず、真っ向から青春というお題目に挑戦しているのが本作【学園者!】なのである。
最後まで読み終えて、改て全体を振り返ってみると、本作のクオリティの高さに圧倒される。いやもうなんだろう、この絶妙なバランス感覚によって整えられた青春活劇としての完成度は。
本作の作者である岡本タクヤさんというと、【異世界修学旅行】で極めてレベルの高い異世界で青春するコメディ!を見せてくれたものですけれど、舞台を変え題目を整え直し、ひたすら一点集中で青春モノというものを突き詰めて描くと、ここまでのレベル、ここまでのクオリティのものを描き出せるのか、と正直震えたほどである。
惜しむらくは、ラストの展開がとても情緒的で主人公を含めてこの作品に登場した主要な人物の誰もが抱えていた孤独に繋がる展開の妙がある話であったのに対して、強烈さとかインパクトには少々欠ける落ち着きを得てしまっていたところか。いやそれも、しんみりと噛みしめるという意味では人それぞれの好みによるだろうし、決して惜しむようなものではないのかもしれない。
個人的には、椎名くんと三島香澄ってあれ実はプライベートで関わり合う分には滅茶苦茶相性いいんじゃないだろうか。今までは生徒会の人間と風紀委員の人間という立場同士だったり、クラスメイトとしても入学当初のトラブルから特定の立ち位置に立ってしまった椎名と、ほど最初からある種のカリスマ的な存在だった三島って、立場を踏まえてのかかわり合いしかしてこず、近く頻繁に接触があって遠慮もないわりに、一線とか壁というほどのものじゃないのだけれど、立ち位置立場を踏まえての関わり合い方しかしてこなかったようにも見えるこの二人。でも肩書とかそういうの全部取っ払ってしまって、ほんとに一個人、プライベートでのお付き合いとなったら滅茶苦茶相性良さそうな気がするんですよね。何気に趣味とかもあってるみたいだし。
色んな意味で対等で、色んな意味で特別なこの二人の関係は、物語が続くならもう少し突き詰めて見てみたい気がする。
その意味では、椎名と元気いっぱいな天野の関係って、前作の【異世界修学旅行】の沢木とプリシラの関係と似たものがあるかもしれないなあ。今の所恋愛関係に発展しそうに微塵もなさそうなところが。まあ今の所、という冠がつくけれど。何しろ、天野が堪能したい青春というものの醍醐味の一つこそ、恋愛なわけですし。
ともあれ、読み味が非常に滑らかで同時に読み応えもたっぷりという、実に読み甲斐のある傑作青春モノでありました。一応この一巻で格好ついているとはいえ、魅力的な登場人物がたくさんいますし、是非、続きが出てほしいものです。

岡本タクヤ作品感想

処刑少女の生きる道(バージンロード) ―そして、彼女は甦る― ★★★★☆   



【処刑少女の生きる道(バージンロード) ―そして、彼女は甦る―】 佐藤 真登/ニリツ  GA文庫

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この世界には、異世界の日本から『迷い人』がやってくる。
だが、過去に迷い人の暴走が原因で世界的な大災害が起きたため、彼らは見つけ次第『処刑人』が殺す必要があった。
そんななか、処刑人のメノウは、迷い人の少女アカリと出会う。
躊躇なく冷徹に任務を遂行するメノウ。
しかし、確実に殺したはずのアカリは、なぜか平然と復活してしまう。
途方にくれたメノウは、不死身のアカリを殺しきる方法を探すため、彼女を騙してともに旅立つのだが……
「メノウちゃーん。行こ!」
「……はいはい。わかったわよ」
妙に懐いてくるアカリを前に、メノウの心は少しずつ揺らぎはじめる。

GA文庫大賞、7年ぶりの《大賞》作品!
――これは、彼女が彼女を殺すための物語。

これ、「生きる道」にバージンロードというルビを振るの、話の内容を読んでメノウとアカリの旅の目的を知って、「生きる道」という言葉に込められた意味を理解したあとにもう一度見直すと、凶悪の一言なんじゃないですかね。
処刑少女 メノウの生きる道をバージンロードと言ってのけるこのセンスには喉の奥から呻き声が漏れ出てしまう。

生きる道を見つけなさい。生きてきた意味を見つけなさい。それが、彼女の遺言であり祝福の言葉だった。その人は正しく強く優しい道を、光の道をあるき続けてついに見つけることが叶わずに、迷い果ててしまった。正しくても、真っ当でも、善き在り方を続けても、生きる道が見つかるとは限らない。
メノウは悪人である。陽の光の下を歩けない、外道であり卑怯者であり、おぞましい人殺しである。それを選んだ。異世界人の人災によって自分も含めて何もかもが漂白された真っ白の果てに、それでも自分でその道を選んだ。復讐のためではなく、憎しみのためでもなく、正義のためですらなく、ただ誰かがやらなくてはならない悪行を、誰かの代わりに自分が引き受けるために。
その意志は尊く、しかしその在り方はあまりにも悪である。処刑人は自らを悪と規定する。言い訳もせず、必要だからと正当化もしない。迷い込んでくる日本人たちに罪はなく、彼らはおおむね善良で決して殺されるべき人々ではないと理解した上で、殺す。その所業を世界のためだとか正義のためだとかと糊塗したりせず、それを悪を見なしてその身に引き受けている。
処刑人とは、そんな存在でありメノウはその中でももっとも純粋な必要悪の概念を体現しているのだろう。だから、彼女は自らが救われることなど、かけらも望んでいない。誰かのために人を殺し続けた彼女は、だから、これまでメノウは自分が生きる道を見つけようだなんて、考えたこともなかった。
そんな彼女の、この物語はそんな彼女の、生きる道を見つけるための旅の物語なのである。今まで生きてきた意味を見つけるための、旅なのである。

翻って、アカリの生きる道はすでに見つけ終わっている。見つけ終わって、そこにたどり着くためのリスタートがこの旅なのだ。彼女の生きる道は、死に至るための道だ。彼女の生きてきた意味は、最愛の人に殺されるためにある。
アカリはとっくに、メノウを許している。彼女の悪を、この上なく受け入れてしまっている。
だから、この旅はメノウにとっても終焉に至る物語になっている。アカリの存在に染め上げられて彼女を喪えなくなっても、アカリに許されて彼女を喪うことになっても、いずれにしても変わらない。
だから、ある意味メノウにとっての幸福は約束されているのかもしれない。だから彼女の生きる道は、バージンロードなのだろうか。
メノウとアカリ、二人にとっての幸福は、二人にとっての終着点だ。そこに広がるであろう光景を、彼女たちは知らずして既に望んでいる。だから、これは二人にとっての破滅の物語なのだろう。二人が幸せな結末を迎えるための、約束された破滅の物語なのだ。二人で歩くバージンロードのその先に、幸福な破滅が待っている。それだけが、二人を救う。

でも……果たして、本当にそれだけがこの物語の約束された結末なのか。
鍵は、導師の言葉にあると思われる。
「いつの日か幸福によってすべてが壊れ、それでもなお生き残ることが出来たなら――」
メノウに悪を説いた、この世の悪を引き受けた導師【陽炎】が本当に望んだものはなんだったのか。
「お前は、その時、私を超えろ」


バージンロードとは、今まで歩いてきた道とも言われている。その上を歩き、その先で待っているのは新たな未来をともに歩む人だ。その先にあるのは未来そのものだ。
決して、終着点などではないはずのである。
処刑少女の生きる道、メノウはそれを本当の意味で見つけることが叶うのか。
永く、困難な旅路のはじまりの巻です。



ヤンデレさではモモばかり目立ってるけれど、あれリボンの件鑑みてもアカリも相当アレだよね。ってかこの二人、絶対仲良く出来ないだろうなあ、というのが透けて見えすぎる。何気に、リボンに対する嫌がらせは、モモのリミッター解除も加味してあの場における最適解なんだろうけど。あとで、メノウからモモに新しいプレゼントが贈られるとわかっているからこそなんだろうけど。
それでも、女の怖さが滲み出ててアカリも能天気なだけの娘じゃないのよ、という闇が……。

アーシュナ姫ちゃまは、瞬間瞬間が生きる道そのものだなあ。ある意味、刹那で完結しすぎていてそれ以上も以下もないというべきか。そして、あの衣装である。作中にて書かれている衣装の形状を忠実にイラスト化すると、あんなんなっちゃったというありさまで。
餓狼伝説の不知火舞の衣装を上回る、動いたらぽろり確実な服を見たのははじめてだw


佐藤 真登作品感想

天才王子の赤字国家再生術 4~そうだ、売国しよう~ ★★★★☆  



【天才王子の赤字国家再生術 4~そうだ、売国しよう~】 鳥羽 徹/ファルまろ  GA文庫

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妹が帝国で大丈夫か心配すぎる!


「心配だああああああああああ! 」
新たな皇帝を決めるため、三人の皇子による会談が持たれることになったアースワルド帝国。
ロウェルミナ皇女からその舞台となるミールタース市に招待されたウェインは、これを華麗にスルー。するはずが、なぜか代わりに妹姫のフラーニャ王女が出席することに! 一体、どうしてこうなった!?
懐刀のニニムを付けて送り出すも、不安のつきないウェインは結局自らも帝国に向かうのだが――
新たな外交の舞台で待ち受ける旧友たちとの再会。燻る戦争の火種。そしてもう一人の怪物が歴史の舞台に姿を現す、弱小国家運営譚第四章、開幕!

妹であるフラーニャ王女が最大のウェイン×ニニム派閥の領袖というのはポイント高いよなあ(なんの?)
だが待って欲しいフラーニャ姫、実はロワ皇女も実は何気に濃厚なウェイン×ニニム派なのですよ? ただチビっとそこに自分の分の席もお裾分けいただけたら、という嗜好があるだけで。
というわけで、これまでウェインやニニムのマスコットで癒やしという立場だった妹姫フラーニャが、一躍王族として外交デビューするお話である。そこで、彼女もまた「あの」ウェイン王子の妹だ、と評され讃えられる才能を開花させていくことになる。
ウェインと違って才気煥発という風情ではないフラーニャ。これまで王国内で大事に育てられてきた彼女は、王族として仕事を任せられるのはこれがはじめて。なので、ウェインの代役として会談に出席して面通しするのがお仕事で、それほど難しいことは求められていなかったんですよね。求める方がこの場合おかしいわけですが。それでも、王族が出席するだけでこの場合は十分だったわけです。ミールタースの市長やロワ皇女という曲者たちを相手にして器用に立ち回れるはずもなく、兄ウェインに事前に教えられた通りに振る舞うだけで精一杯、帝国の皇子たちとの面会では自分を保つだけでも一杯一杯だったわけですが……。
ミールタースで行われている市民会議、その様相に興味惹かれてのめり込みはじめてから、彼女の成長がはじまるのである。ウェインと違って智謀策謀を巡らすような性質ではないフラーニャですけれど、いざ何かに集中した時の集中力と理解力、そして一旦こうと決めた時の度には目を見張るものがありました。何より、その真摯さとひたむきさはウェインとはまた全く異なる種類のカリスマだったんですよね。この娘はこの娘で、予期せぬトラブルに対して本領を発揮してしまうタイプだったのか。
それにしても、相変わらずウェイン王子は何もかもが事前の思惑通りに行かないですねえ。いや、実際のところウェインは自分と同じ策士タイプ、それでなくても合理的に物事を捉える人種の思考や行動の予測に関しては神がかりに正確なんですよね。武断派の第二王子や陰湿な謀略家の気質である第三王子の動向なんぞはほぼトレース出来ていますし、だからこそその思考を誘導するのも容易くあるわけです。ロワ皇女なんか、ウェイン自身と傾向がそっくりなせいか以心伝心レベルで意図を読み取ることが可能ですし。多少振り回されるきらいがあるとはいえ、その意味でもロワとは相性いいんだよなあ。
しかしその分、論理的とは程遠いバカや狂人相手だと見事に予想の斜め下をいかれてしまうために、毎度そのおかげで大変な目に遭ってしまうわけですなあ。
そして、何気にこの手のバカや狂人が周辺諸国の権力者にわんさと居るのがなんともはや。
しかし、終わってみると帝国内の後継者争いはもはや後戻り出来ないほどの混迷を深めてしまう
一方で、ウェインてば帝国内にしっかりと足がかりを作っちゃう結果になってるんですよね。ロワ派との人脈のみならず、ミールタース市という交易拠点がフラーニャを通じて相当の王国シンパになっちゃったわけですしねえ。
ロワも、前に出た時の宣言からするとかなり野心あらわにガツガツと動くのかと思ってたら……。いや、これを日和ったというのは可哀想ですよね。大国一つを兄弟と争って自分から奪い取って背負うという重圧は、余程の覚悟と野心がなければ躊躇うのも仕方ないものがあるでしょう。彼女自身のモチベーションとなるものが、今のところまだそれほど確固としたものがあるというわけではなさそうですし。その意味でも、以前からウェインを欲しているのは共犯者を欲していたとも言えるのではないでしょうか。あるいは、ウェインがその本心を明らかにすれば、彼が目的としているものに帝位が必要とわかれば、ロワもガチになりそうなんですけどね。この皇女さまも、ウェインとニニムのことほんと好きですからねえ。いずれにしても、皇子会談の失敗によって否応なくロワ派閥の権威はあがっているわけで、いつまで中立でいられるか。ウェインも、後継者争いに無視できない影響力を及ぼすことになっちゃいましたしねえ。帝国留学中に友人となった二人、前に話題になってた連中がついに顔を見せましたけれど、彼らは第二、第三皇子の派閥の一員ということでロワやウェインとは物理的にも組織的にも離れた位置にいるわけですけれど、そこに文官、武官の親しい人物が配置されている、というのが物語上けっこう重要なキーワードにも見えるんですよねえ、将来の布石みたいな。

その前に、もう一度西のレベティア教と本格的にやり合うことになりそうですけど。それに、まだ匂わされる程度ですけれど、南の方でも何やら動いているようですし、どんどん動乱が大きくなっているなあ。
さて、今回もウェイン×ニニム派にはシーンこそ少ないものの美味しくいただける場面があってよかったです。ウェインが過労で倒れたあとのニニムの様子は、普段の毅然とも飄々ともした姿が完全に崩れたものがあって、ほんとニニムはウェイン命なんですよね。
そして、さり気なくフラーニャ×ナナキも実はニニムたちに負けず劣らずいい雰囲気だったりするんですよねえ。ナナキくんもクール少年に見えてフラーニャ命ですし。自分よりも実力上の相手だろうと、フラーニャが関わるなら絶対負ける気なし、というあたり凄く男の子してますし。フラーニャの方もナナキのこと男の子として意識している部分が見受けられるので、こっちも大変ご馳走様なんですよねえ。フラム人関係の問題、是非ウェイン王子には頑張ってほしいものです、妹たちのためにも。

シリーズ感想

Unnamed Memory II 玉座に無き女王 ★★★★☆   



【Unnamed Memory II 玉座に無き女王】 古宮 九時/chibi  電撃の新文芸

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呪われし王と、世界最強の魔女――悲劇と衝撃が渦巻く、急展開の第二巻!

「その時は――魔女〈ティナーシャ〉を殺すさ」
契約のもと、一年という限られた時間を共に過ごすオスカーとティナーシャ。だが突如二人の前に、ティナーシャのかつての婚約者・ラナクが姿を現す。古き魔法大国の血を継ぐ彼は、新たに国を興すと大陸全土への侵攻を企てて……。その時、オスカーとティナーシャの選んだ道とは――大陸の完全支配をもくろむ巨大魔法と王剣の剣士の、熾烈なる戦争の火蓋が切られる。


ついにラナク編。これはティナーシャの素性と彼女がどうして魔女になったのか。そして、ティナーシャがどんな因縁を抱え、情念を懐き、これまで魔女の人生を歩んできたのか。いわばティナーシャという魔女の中身をすべて曝け出すような話であって、このシリーズの最初の山場でもあるんですよね。いっそ、クライマックスと言っていいくらい。
まさか、この巻の中盤までに片がつくとは思わなかった!! いや、構成的にもこれ巻の最後まで引っ張って、ティナーシャを再び迎え入れてハッピーエンド、と思うじゃないですか。違うんですよね。ラナクの物語としては、古代魔法王国の女王の物語としてはこれ以上なく一区切りつくところではあるんですけれど、これをオスカーの方の視点から見ると。
バスターゴリラの本気スイッチ入ってしまう! の巻なんですよね、ここ。それまではオスカー、まだ余裕があった、というよりも一年という猶予の間になんだかんだ押し切る自信あったと思うんですよ。
でも、この一件でティナーシャにまつわる事情と彼女の面倒臭さの根源を知ったことで、マジになっちゃった感じなんですよね。いや、本気は最初から本気でしたでしょうし、この女こそ自分のとっての唯一だ、という想いは一貫して持ってたと思うんですけど、なんだかんだのなし崩し、ノリと勢いでティナーシャに頷かせて結婚に漕ぎ着けばいいか、みたいなところが今まではあった気がするんですよ。
でもこの件を経てオスカー、ティナーシャの事、徹底的にもうぐうの音も出ないほど完璧に落とす、と決め込んだようにも見えるんですよね。この女、もうマジ許さんから!てな感じに。
オスカーってさっぱりとして後腐れないような性格に見えますけど、一巻でもティナーシャと誤解されるような真似したアルスにとても怖い笑顔になってたみたいに、あれでかなり独占欲強いところがある感じなんですよね。ティナーシャに惚れてしまったルスト王子に対してもかなり刺々しい対応とってましたし、ラナクに至っては……。
でもだからといって、ティナーシャにベタベタしていかないのがこの若き王様のアレなところで。
というか、ラナクの件が片付いた時、恐ろしいことにティナーシャに対して全くといっていいほどお押してくような対応見せてないんですよね。普段からあれだけ何かあると結婚しようぜ、と気軽に声かけてたのに。
ティナーシャとしては長年の呪いとも言うべき因縁が終わり、魔女として長く生きてきた最大の目的も果たして、もう自分も役割を終えて死んでしまうのも良いだろう、とまで思ってたわけですよ。多少なりとも虚脱に近いものはあったでしょう。また、自分を信じて助けにきてくれたオスカーたちにも大いに思うところがあり、オスカーの元に「帰ってこれた」という喜びと安心感まで多分に感じて噛み締めているわけですよ。ティナーシャの心、大いに緩んでいる瞬間ですよ、ここ。
でも、そんなこの場面でノリと勢いで求婚して、ああまあいいかな、アリかな、みたいな感じでティナーシャの心を手繰り寄せる、みたいな真似をここではオスカー、一切しないのですよ。
対外的には、自分こいつと結婚するから、と堂々と諸外国に向けてまで宣言してるくせに。
そして、ティナーシャを訪ねてきたルスト王子も、妨害せずに二人での対面を許して放置。敢えて、自分以外の男に求婚させて、色々と意識させて、ティナーシャが断るのを泰然として待つ、姿勢である。アンタちょっと前にアルスと噂になっただけでメッチャ殺気立ってたのに、というか直前でルスト王子には直接食らわしかねない剣呑な態度示してたくせに、ですよ。

もう、こっからのオスカーさんと来たら、じっくりコトコトと煮込むように本腰を入れてティナーシャとの関係を推し進めていくんですよね。いや煮込んでいく、というのが一番相応しいような。敢えて急がず、ティナーシャ自身の意識や感情が変化し染め上がっていくのを、火加減を確かめたり時折かき混ぜるような感じで、完成へと導いていくのであります。後半のティナーシャさん、殆ど自覚なしにオスカーとのスキンシップが加速度的に過剰になっていくんですよ、自覚なく! 無意識に! どんどんそれが当たり前になってく感じで!
とはいえ、あの洞窟の一件ではオスカー、自分から仕掛けたくせに自分でテレてしまって泳ぎに行ってしまうの、カワイイ所なんですけどねえ。珍しく年相応の若さを見せてくれたというか。
そんな機微をまったく察しないポンコツ娘さんが相手なんで、オスカーもこう時にグイグイしなくちゃいけなくなっちゃうんですけどね! もう、ここでティナーシャ受け入れてる時点で、どうもこうもないはずなんだけど、この魔女はホントに!
そもそも傍から見てたら恋人同士にしか見えないイチャつきかたですよ? あんな自分から触って触られて、という距離感が普通ありますか。好きに自分の髪を男に触らせて気にしない女性が居ますかしら。オスカーの従者側からだけではなく、新たに加わったティナーシャ個人に忠誠を誓っているパイラみたいな人から見ても、もう完全に恋人モードなんですけどねえ。本人、ほんとに自覚が……。
自覚ないのに、ラナクにかつて自分がされた事を今度はオスカーにやらせるわけですよ。オスカーに傷をつけてもらう、なんてことをするわけですよ。
でもだからこそ、オスカーが呟く、かつてラナクがティナーシャに向けて誓った言葉が、まるで違う重みで聞こえてくるのです。
しかし、後半のエピソードはもうなんか、周りの状況が二人の仲を推し進めるのにワッショイワッショイ神輿担いで練り歩いてるような話が多くて、大丈夫進展してる、進展してるから。これで進展してないとか嘘だからw
最後の書き下ろしでの、寝ぼけて仕事しているオスカーの膝の上に乗っかって抱きついて寝ちゃおうとしちゃうティナーシャのこの甘ったれ感ときたらもう。これでホントにもう鈍感というか無自覚で無頓着なんですから、オスカーの苦労が偲ばれますなあ……。

1巻感想





七つの魔剣が支配する 3 ★★★★☆   



【七つの魔剣が支配する 3】 宇野 朴人/ミユキ ルリア  電撃文庫

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運命の魔剣を巡る魔法バトルファンタジー、待望の第3弾!

オフィーリアが魔に呑まれ、ピートがその使い魔に攫われた。キンバリーの地下迷宮に消えた生徒数の多さに、学園内は厳戒態勢が敷かれる。学生統括のゴッドフレイをはじめ、上級生らが奪還に向かうも救出活動は難航していた。
 迷宮の深みに潜む魔女を相手に、自分たちに何が出来るのか? 苦悩するオリバーらに、ある人物が取引を持ちかける。それは彼らにとっての光明か、それとも破滅への誘惑か。
 目指す場所は地下迷宮の更にその奥。想像を超えた環境と罠、恐るべき合成獣たちが行く手を阻む。果たして彼らはサルヴァドーリの工房にたどり付き、友人を取り返すことができるのか──。


魔に呑まれ、人からハズレて朽ち果てる。それは魔法使いの一つの末路であり、オリバーたちの未来の姿。ここで語られるオフィーリアの物語。彼女の青春と恋と友情と、そして絶望にして最期の物語は眩しいくらいに輝いていて、そしてあまりにも儚かった。
一巻でダンジョンにて遭遇した彼女は、まさに怪物だった。この学園で魔法を学び続けるということが、魔の道に進み続ければ果たしてどうなるのかを示唆するような存在であり、やがてオリバーたちもみな、このような怪物へと成り果てるものなのかと恐れおののいたものである。
でも、ここで語られたオフィーリアは決して怪物ではなかった。どれほど道を外れようと、魔に魅入られようと、彼女がこの学園で歩んできた軌跡は今オリバーたちが歩いている道となんら変わることのない輝かしい青春の中にあり、その只中から足を踏み外して奈落へと堕ちた今となっても、その在りようは人からハズレた怪物などでは決してなく、哀しいほどに人間であったのだ。
そしてそんな、人として藻掻くオフィーリアを命を賭けて救おうとするのも、彼女の破滅に殉じようとするのも、彼女の青春を共にした友人たちだった。友として、ゴッドフレイもカルロスも最期まで彼女を見捨てることはなかったのだ。たとえ、どんな形だったとしても。
その姿は、今この時ピートを助けるために命を賭けているオリバーたちと何が違うのだろう。何も違わない。あれは、将来のオリバーたちの克明なほどの未来の姿の一つである。
オフィーリアが人の心を摩滅させて真に怪物に成り果てたのならば、オリバーたちはそうならないと信じることも出来ただろう。
だが怪物に成り果てるのではなく、人であり続けたからこそ、余計にあのオフィーリアたちの末路はオリバーたちの未来を映し出しているかのように見えてしまうのだ。
オリバーも、ナナオも、ミシェーラも、彼らが人であるからこそ殉じるべき破滅を既に内包している。ピートを救うために見せた彼らの情熱も、純真さも、眩いほどの魂の輝きも、彼らだからこそ陰らせることもなくくすませることもなく、いつか己の道の前に友が立ちふさがった時、友情の厚さそのままに切り伏せて進むことの出来る強さであるように見えた。
きっと、彼らは友情も絆もそのままに、壊すこと無く歪めることなく、友と討ち合える強い「人間」なのだと、このピート救出行でのオリバーたちの必死さ、懸命さ、聡明さ、賢明さを見れば見るほど確信が深まった。オフィーリアとゴッドフレイ、カルロスという上級生たちの友情の成就を見れば、それはダメ押しのようだった。
オリバーは、彼女らの絆の証に何を見たのだろう。何を抱いたのだろう。何を得て、何を喪ったのだろう。今は思い巡らせることしかできない。
願わくば、そこに焦がれてほしくはない。ナナオと切り結んだときのように、そこに惹かれていってほしくはない。でも、美しい末路ではあったのだ。羨望を抱いても仕方ないことなのかもしれない。
オリバーやナナオ、ミシェーラの、前に進めてしまえる強さに対して、ピートやガイ、カティの思う通りに進めない弱さ故のひたむきな強さが、彼らの内包する破滅に対して良き作用を起こせればと願うばかりである。
……いや、どうなんだろう。そんな結末を自分は望んでいるのか? 願っているのか? 心の何処かで、そのようなわかりやすい救いなど望んでいないのかもしれない、と感じる部分がある。
だってオフィーリアの破滅は、孤独ではなかったその破滅は、哀しくも美しかったのだ。どこかで、それに魅入られている。オリバーたちの内包する破滅にもまた……あのナナオとの決闘で垣間見た刹那の破滅に、同じ美しさを垣間見ているのかもしれない。
この物語に魅入られて、闇に呑まれかかっているのは、果たして誰なのか。
ああ、じわりじわりと胸の奥へと仄暗い甘さが広がっていく……。

1巻 2巻感想

ガーリー・エアフォースXI ★★★★☆  



【ガーリー・エアフォースXI】 夏海 公司/遠坂 あさぎ  電撃文庫

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ついにザイ殱滅への光明が差し、作戦準備を進める慧と独飛の面々。しかし、その作戦はグリペンを始め、すべてのアニマに大きな代償を強いるものだった。最終決戦目前、日本のアニマ達にロシアのバーバチカ隊も合流し、いざ決戦!…といきたい所が、気負う慧を余所に、いつも通りのアニマの少女達。イーグルは陽気にウォッカをがぶ飲み、ファントムとジュラーヴリクは憎まれ口を叩き合い、慧に絡むラーストチュカにマイペースを貫くバイパーゼロとパクファ。そして、時を超え慧への変わらぬ想いを抱えたグリペンを待つ結末は―。美少女×戦闘機ストーリー、蒼穹を駆ける史上最大の空戦が始まる!

最終決戦前に主人公が搭乗機を新型、或いは決戦機に乗り換えるというのはロボットもののお約束ですか? いやこれロボットモノじゃないけどさ。
シリーズ途中から、特に空母シャルル・ド・ゴール編、いやザイの正体が判明した頃からか。そのあたりから特にSF色を強めてきた本作だけれど、終わってみれば未来への選択、という以上にアニマという人間ではない存在とのコミュニケーションの物語だった、という印象が焼き付いてくる。
まるで人間と同じように笑って泣いて物を食べ触れ合うことの出来る存在だったアニマだけれど、人と想い合い、愛を交わすことの出来た存在だったけれど、それでも彼らはやはり人間ではない。その価値観は、在り方は、魂の拠り所は人間とは決して交わらない存在である、ということを結局慧はこの土壇場で理解することになる。
気持ちが通じ合ったのは本当、お互い好きになって愛し合ったのも本当。でも、その想いの土台となる「本質」は人とアニマではまた違うのだ、ということをわかっていなかったのだと、ザイ殲滅の結果アニマが今の形状を維持できない、という事実を前にした時に慧もグリペンも思い知ることになる。
いや、わかっていないことすらわかっていなかったからこそ、最後まで拗れた、というべきなのかもしれません。お互いにその違いを理解しないまま、想いを貫こうとするから、相手を想うことを貫こうとするから、食い違いが生じてしまうという悲劇なのか喜劇なのか。第三者だからこそ、或いはアニマであることと人間であることの違いを正確に把握していたファントムは、だからこそ慧に事実を伝えたんだなあ、と読者である私もまたようやく後になって理解した次第。
このあたりのファントムの感性って、当初思っていた乙女心の発露とか、慧を気遣って、というのとは実は微妙に違ったんだなあ。いや、そういう要素もあったんだろうけれど、彼女もまた一貫してアニマであった、というべきなのか。
ともあれ、ファントムに後押しされたとはいえ、このアニマと人間とは違う存在である、というのをグリペンとの交流だけではなく、イーグルや帰ってきたベルクトとの会話からちゃんと理解しようとし、今までの経験を踏まえた上でそれを飲み込んで慧は理解し、選択しました。自分で選びました。自分で見つけました。
アニマと人間が交わらない異なる存在であるというのを踏まえた上で、アニマと人間であるからこその繋がり方というものを、人間であるからこそアニマの存在意義を証明し続けることの出来る関係を、意志を持つ存在とそれを叶える存在との在り方を、人である慧を好きになったグリペンとそんなグリペンを好きになった自分の思いの在り処を、彼はちゃんと見つけたのです。
だから、その選択は辿り着くべきへ辿り着いたと言えるのでしょう。妥協の産物や諦めの結果ではありません。自分たちにとって最良の結末へと、彼らは納得して辿り着いたのです。悩んで苦しんでなにか一番良い結末かを思い描いて、でもそのどれもが自分たちが望んだものとは違うのだと理解して、そうして望むべき形が何なのかへと辿り着いたのです。
だから、その選択に何の不満を抱くことがあるでしょうか。本気で悩んで考えて考えて、これまでの物語を、登場人物たちが紡いできた関係を昇華させて手繰り寄せた結論だからこそ、思いの外すとんと腑に落ちたのです。びっくりするほど納得がいったのでした。
異なる存在同士の相互理解、コミュニケーションの完成、知性持つ存在を突き詰めて解体していき、その在りよう、「意志」というものが持つ力を解き明かしていく、という意味でも全力でSFしていたんじゃないでしょうか、この【ガーリーエアフォース】という作品は。
慧とグリペンが辿り着いた答えを見た時に、この物語は描こうとしていたものを見事に描き切ったんだなあ、という万感の思いを抱いたのでした。

シーンは描かれませんでしたけれど、アニマが消えオート・パイロットで次々と帰還してくるドーターたちを迎える、最後に戻ってきたグリペンから一人降り立つ慧を迎え入れる八代通さんたちの光景は、想像しただけで心が震えます。
八代通さんは、慧とは異なるこの作品のもうひとりの主人公、とも言うべき人でしたしねえ。傲岸不遜で冷酷非情で、でも尋常じゃなく頼もしく頼りになって、信頼に応えてくれる尊敬するしか無いとびっきりの格好良い大人の人でした。人の醜さ、社会の闇というものに一番身近に接していた、或いは彼自身がその体現者であったからこそ、ザイを送り込んだ未来人の絶望にもっとも共感していたのも彼なのでしょう。その彼が、希望を見出して慧たちを送り出してくれたからこそ、この物語の先に希望を抱けたような気がします。

ベルクト再登場は多分来るだろうな、とはわかっていても嬉しかったですね。振り返ってみても、アニマの中でぶっちぎりに正統派ヒロインらしかったの彼女でしたし。まあ、慧のヒロインではなかったにしても。しかし、ベルクトの新装備コンセプトって完全にエースコンバットか、ってノリでしたよね。
最終決戦で、慧たちを送り出すために次々と翼を翻していくアニマたちとの別れのシーンも感無量でした。たとえ結果がどうなろうと、これが終の別れとなることをお互いわかっているシーンなだけに尚更に。ジュラーヴリクはほんと、最初から最後まで格好いい姉御でしたよ。アニマはちっちゃいのにねえ。流石はロシアの最強戦闘機Su-27に相応しい存在感でした。
ラファールの方は、なんかもうやたらカッコつけてたなあ。あの突撃シーンでの台詞回しはちょっとノリノリすぎやしませんかね!? いやもうそこまで突き抜けると格好いいな!!と思ってしまいましたけど。

エピローグの十年後のシーン、ああなってもやっぱりイチャイチャしているように見えてしまうグリペンと慧の姿って、なんかもう完成されたというべきなんでしょうかね。ザイが現れるに至った未来へと行き詰まらないように、新たな未来を勝ち取るために今も飛び続ける慧とグリペンを包み込む一面の青い空・青い海。素晴らしいラストシーンでした。
まだもう少しだけサイドエピソードか前日譚があるようですが、それを楽しみにしつつこの傑作SF作品の終わりの余韻に浸りたいと思います。

シリーズ感想

お迎えに上がりました。 国土交通省国土政策局幽冥推進課 ★★★★☆   



【お迎えに上がりました。 国土交通省国土政策局幽冥推進課】 竹林 七草 集英社文庫

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入社式当日に会社が倒産し、路頭に迷った朝霧夕霞。失意の中立ち寄った公園の掲示板で、国土交通省の臨時職員募集の貼紙を見つけ、藁をも掴む気持ちで応募する。不可思議な試験を経て採用が決まったが、そこは「幽冥推進課」。国土開発の妨げになる地縛霊などを立ち退かせる不思議な部署で、同僚は全員妖怪。しかし好待遇に心惹かれた夕霞は、働くことを決意し…。あやかしお仕事小説、開幕!
ガガガ文庫から出された【猫にはなれないご職業】の竹林七草さんの新シリーズ! と言っても、本作の刊行日は2017年の8月末なので、ほぼ一年半前の作品になってしまうのですが、【猫にはなれないご職業】自体2012年の作品なので結構間開いてるんですよね。いや、合間にもう一作出してらっしゃるのですが、そっち積んだまま読んでなかったんだよなあ。
ともあれ、【猫にはなれないご職業】。これがまたべらぼうに面白くて、陰陽師モノではあったのですが登場人物の内面をこれでもかと掘り下げていくスタイルで、軽妙でありながら読み終わった時の満足感たるや大長編を読み切ったようなものがあったんですね。
そんな作者さんの新シリーズである本作は、再びにゃん子先生を相棒とした地縛霊を説得し、あるいはその未練を解消して成仏させていく霊能モノ。とは言え、主人公の夕霞は霊能者などではなく、自分に霊感がある、見鬼の力があるなんてまるで知らなかった一般人。なので、除霊ならぬ成仏業務も体当たりの体力勝負。しかしこれが一筋縄でいかない案件、幽霊さんたちばかりで、というご内容。
いや、出てくる幽霊さんたちがまたありがちな「ひゅ〜どろどろ」なおどろおどろしいホラーな感じでは全然ないんですよね。夕霞も現場に向かうまではビビリまくっているにも関わらず、実際に出てきた途端に恐怖が引っ込むような登場の仕方ばかりな幽霊さんたちなんですよね。
とりあえず、皆さん死霊のくせにテンション高すぎなのである。死んでる自覚がある人もない人も。
一番落ち着いていたのは、最初に出会った人くらいなのですがこの人もこの人で、死んでる自覚があるくせに、未練あって地縛霊になっている人のくせにやたらと理知的で話しやすい幽霊だったんですよね。だからこそ、彼女を「見た」人、出会った人たちはみんな彼女が幽霊だと最初気づかなかったのでしょうけれど。
で、気づいてしまったにも関わらず、親身になって彼女の未練を果たそうと身を挺して頑張ってしまうのが、夕霞だったわけで。これ、幽冥推進課の職員になる前の話なのですよ。自分、無職になって大変なときにも関わらず、実際生活かなりピンチな状況で就職の面接に来たというなかなか一杯一杯だったときにも関わらず、生きてすらいない幽霊のために頑張れてしまう夕霞という主人公の、気合の入った人情家気質がまた温かくて心地よいのである。
こういう人だからこそ、見込まれてしまったとも言えるのでしょうけれど。
二話なんか、あれはもう貰い泣きしてしまいそうになりましたよ。現実には何も変わってないのかもしれない、それでもどれだけ救われただろう。これまでの悲しみ、苦しみが拭われただろう。
死んだ人だけではなく、今生きている人にも安らぎを与えてくれる、素晴らしいお仕事でした。
三話なんか、また小粋な結末なんですよね。課長もにゃんこ先生もいい仕事しますわー。
新人にして一番の下っ端として、ひたすら体力仕事に追われる夕霞ちゃんですが、なんていうんだろう、その心意気といい気風といい、苦労してきた分土台が大きい人物感があるんですよね。若いときはこうバリバリ働きまくっているけれど、これ十年二十年したらその筋では知らない者のいない界隈の大ボス、みたいなのになってそうな将来性すら見えてきそうです。
今はにゃんこ先生をリュックに背負って、いいようにこき使われ、何だかんだと助けられ助言され叱咤され褒められ慰められ、と至れり尽くせり猫にしていただいている現状ですが、猫とOLの実に良いコンビです。
じんわりと心を掴まれ、感情を揺さぶられ、ほっこりと温めてくれる素敵で味わい深い物語のはじまりでした。


竹林七草作品感想

Unnamed Memory 1.青き月の魔女と呪われし王 ★★★★☆  



【Unnamed Memory 1.青き月の魔女と呪われし王】 古宮 九時/chibi  電撃の新文芸

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「俺の望みはお前を妻にして、子を産んでもらうことだ」
「受け付けられません!」
永い時を生き、絶大な力で災厄を呼ぶ異端―魔女。強国ファルサスの王太子・オスカーは、幼い頃に受けた『子孫を残せない呪い』を解呪するため、世界最強と名高い魔女・ティナーシャのもとを訪れる。“魔女の塔”の試練を乗り越えて契約者となったオスカーだが、彼が望んだのはティナーシャを妻として迎えることで…。伝説的webノベル、書籍化!


……もう好き!!

あらすじにある通り、伝説的webノベルなんですよね、これ。今隆盛を誇っている「小説家になろう」が本格稼働するよりも前。ウェブ上で小説を発表するのも、自分でホームページを作ってそこで掲載するのが主流だった時代に現れ、読者の心を鷲掴みにしてシャイニングウィザード決めてしまった名作中の名作なのです。古宮さんが【監獄学校にて門番を】で電撃文庫からデビューした時も、ペンネーム変わってるけど【Unnamed Memory】じゃないかーー! と狂喜しながら飛びかかったものでした。
あの頃から、はよ【Unnamed Memory】書籍化しましょうよ、しないの? しないの!? なんでしないのー!? とジタバタ転げ回っていただけに、本作がついにとなった時には捕れたてのエビのようにピチピチと跳ねたものです。
これねー、ほんとねー、オスカーとティナーシャのカップルが好きなんですよ。めっさ好きーー。大好き。個人的にはこの二人はカップルとして至高の一柱だと思っている。
悠久を生きる魔女としてどこか超越的な存在であり、超然とした在り方で時間の流れをたゆたっているティナーシャなんだけど、オスカー相手だとあのすっとぼけて冗談か本気かわからない物言いに調子を崩され、良いように振り回されて頭抱えて叫ぶはめになる。そんな二人のやり取り、掛け合いがなんだかんだともう傍目には滅茶苦茶仲良い風にしか見えなくて、打ち解けきった間柄にしか見えなくて、「よし結婚しよう」「しないから!」「まあまあそう言わず」「しないよ!」という感じの掛け合いにひたすら至福を感じるのであります。
でもティナーシャ、別に押しに弱いというわけではないんでしょうけれど、こうして一気に読んでいると段々と絆されているというか、距離感なくなってってるんですよね。オスカー、多分ティナーシャの外見年齢変わったときだろうけれど、あそこらへんからガチのマジの本気になってるっぽいのですけど、オスカーがわりと無造作に触れてきたりティナーシャを膝に乗せてご満悦してたりするの、拒絶もせずに自然と受け入れたりしてましたからね。あれ、絶対意識して受け入れたとか内心で許可出したとかじゃなくて、触れられることにまるで忌避感抱かず無意識に当たり前に受け入れちゃってたっぽいもんなあ。いやね、普通女の人が髪梳かれたり、膝の上に座ったりとか受け入れませんから。在りえませんから。
それでいて、本気で結婚とかしないから、別に好きでもなんでもないし、と思い込んでいる風なのがティナーシャのボケボケしている可愛らしいところでありまして。
まあそれはオスカーがそもそも言い方軽すぎて、好意は多分にあるだろうけど呪いがあるから選択肢なくてだろう、と思われても仕方ないところがあったわけですし。
それに、ティナーシャは悠久を生きる魔女。普通の人間とは流れる時間が異なっているが故に、同じ時間で生きることは出来ない、というどうしようもない事実は度々語られ、ティナーシャ自身がそれを明確に自覚し、意図的に距離を置こうとしていること。かつてオスカーの曽祖父の時代に一時期城で暮らしていたことが、なおさらティナーシャと普通の人間の時間の違いを強調する材料となっていて、オスカーの求婚を拒絶する大きな理由となっているのでありました。
まあ、それだけじゃないんですけどね。ティナーシャが独りであることを選び続ける理由は。だいたい魔女があかんのであったら、同じ魔女のルクレツィアをオスカーに紹介して押し付けてやる、とかかなりえげつないこと平気で言ったりしないでしょうし。まあ、ルクレツィアが恋人たくさんいるタイプの人というのもあったのでしょうけど。
結局、オスカーはティナーシャの心を手に入れるために、途方もない幾つもの壁を乗り越え、彼女自身が抱える傷に触れなければならなくなるのですが、この王子の図々しいというか図太いというか、無神経とは程遠い繊細さがあるにも関わらず、手段がこの上なく大雑把でゴーイングマイウェイはところはちょっとした無敵感があって、どんな状況でも痛快に解決してくれるような安心感や頼り甲斐が満載な人なんですよね。
これ、何気にティナーシャにも当てはまる部分があって、行き詰まるとわりと大雑把に力任せに解決しようとするきらいがあるような気がするので、けっこう似たものカップルな気がするのです。もっとも、オスカーの方がなんていうんだろう、厳重な鍵がついた扉をチャチャッと器用に解錠して開けられる状態にしてからわざわざ扉蹴破って中に押し入る、みたいな印象があるので、強かというかしれっとした余裕のある感じなのですが。その差が振り回す方と振り回される方を確定している気がするぞ、うん。
こうして読んでいると、覚えている展開とけっこう違う部分もある気がするので構成変えたり加筆修正もかなりしてるんでしょうね。
しかし、オスカー、イラストだとイケメンすぎる気がするなあ。いや、実際イケメンなんで間違ってはいないはずなんですが、もっとこう……食えなさそうというかすっとぼけてそうな鋼鉄メンタルがにじみ出てそうな顔つきなイメージってそれどんな顔つきだよw
まだまだこの名前のない物語ははじまったばかり。この世界観を、オスカーとティナーシャの世界をもっと深く堪能し耽溺することが出来ることを期待し望むばかりです。いやあ、もうほんとに二人の押し問答というかやり取り見てるだけで多幸感がたまらんですわー。

古宮九字作品感想

七つの魔剣が支配する 2 ★★★★☆  



【七つの魔剣が支配する 2】 宇野 朴人/ミユキ ルリア 電撃文庫

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学園内の事件を解決し、一目置かれる存在となったナナオとオリバー。しかしそれは、魔法使いとしての研鑽に励む同級生たちの、矜持と野心に火を点けた。誰が一年生でいちばん強いのか?その問いに結論を出すために、お互いのメダルを奪い合う、バトルロイヤルの開催が告げられる。ナナオやオリバーを倒すべく、次々と名乗りを上げる強者たち、そしてこの機に乗じる存在が動き出し―。一方、その盛り上がりをよそに、ある大きな変化がピートを襲う。彼の体に隠された秘密が明かされ、それは大きな可能性を少年にもたらすのだが―。運命の魔剣を巡る、至高の魔法×剣術バトルファンタジー第2巻!

ヤバイこれヤバイこれ、おもしろいー、本当に面白いぞ!
凄まじく語彙が貧困になってしまったのですが、まずはゴチャゴチャと言葉をひねるよりもシンプルに言ってしまいたかったんです。
うー、なんかすごい密度で読んだ気になっているのですが本の厚さ結構なものだったんだろうか。電書で買ってるとそのへんがわからないんですよね。
さて、先だっての第一巻の感想では楽しい楽しい阿鼻叫喚の地獄絵図と称した学園生活ですが、ほんと殺意高いわー。常時命がけ、というのは比喩ではないのでしょう。油断すると即座に死んでしまいそうだし、油断してなくても不可抗力で死にそうだし、一年時は比較的安全を取り計らってもらっているのだけれど、これ学年が進むとどんどん自己責任になっていくんですよね。というか、学校側で生徒を守ろうという積極的な意志をまったく感じないんですよ。どんな危険地帯に学校が存在していても、学校側に生徒を守ろうという意志と体制があるならある程度の秩序だった安全な道筋というものが出来るものなんだけれど、ここまで生徒を突き放している学校というのはそうそう見たことがない。まあ、学校の上層部が主人公にとっての敵サイド、というのも大きいのだろうけれど。
問題はやはり、彼らが主人公にとっては敵であっても、皆にとっての敵ではないというところなのか。ミシェーラとは登場人物たちにとっては密かに、しかし状況的にはもろに敵対フラグ立ってるもんなあ、これ。ナナオとに関してはなおさらに。
そうなんだよなあ、面白いことにオリバーのカリスマ性とナナオのカリスマ性って並び立っていなくて、それぞれ独自に深く接して言葉を交わした相手を魅了しているのである。なんていうんだろう、オリバーとナナオの二人が一緒にその人を落とすのではなく、あくまで別々に、なんですよね。同じ相手であっても、オリバーとナナオ、二人の言葉が響いているのはその人の中の別の部分のような気がするのです。二人共、その言動は魂そのものを揺さぶるような、その人のそれまでの価値観そのものを覆すような、行き詰まった閉塞を切り開くよう……な鮮烈であり、重厚そのものの衝撃なんですけど、その届いている場所が異なっているような感覚がするんですよねえ。
それは相容れぬものではなく、並び立つことが可能な異なる別位であるのでしょうけれど、だからといって混じり入って一つになるようなものでは決してないような。
なんだろうね、これ。将来、オリバーとナナオが死命を賭すことになったとき、それはただ二人の間のことだけに収まらないのだという示唆なんだろうかこれは。
そうなんですよねえ、この物語ってオリバーとナナオのものであるのだろうけれど、彼ら二人に限定してしまうにはあまりにも他のキャラクターにもスポットがあたり、掘り下げが積極的に進められているんですよね。入学の際に意気投合してグループと相成ったミシェーラやピート、ガイにカティという六人組だけでも凄まじい密度でガンガン掘り下げ、お互いの関係をぐいぐいと縮めて絡めて昇華させていっているのみならず、周りの同じ一年の同学年の面々や上級生たちも取りこぼすことなく一人ひとり丁寧に取り上げて、彩り鮮やかにキャラクターを立たせていってるんですよ。
コーンフォリスとフェイのコンビなんか、あれズルいくらいじゃないですか。あれだけ覚悟決めきって頑張る幼馴染二人とか、感情移入しちゃいますよ。
カティのバイタリティはますます図太さと現実性を増してますし、ピートとシェラもなんかすげえ要素ぶっこんできましたし。一年生同士の本気の勝負は実に見応えありました……ってところで終わっていれば、まだ普通の魔法学園ものっぽかったんでしょうね。
最後の最後に、このキンバリーという学園の闇を、生徒たちが自ら選び自ら踏み入る闇の濃さ、深さ、おぞましさを「さあ、めしあがれ」とばかりに差し出してきましたよこのやろう。
あとがきの煽りがまた効くんですよね、これ。好きに生きて好きに死ね。その意味と味わいを、次巻にて堪能させられそう、ワクワク。

1巻感想

天才王子の赤字国家再生術 3 ~ そうだ、売国しよう ~ ★★★★☆  



【天才王子の赤字国家再生術 3 ~ そうだ、売国しよう ~】  鳥羽 徹/ファルまろ  GA文庫

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宗教勢力を利用して国の価値を爆上げだ!」

 帝国皇女との結婚話に端を発した騒動を切り抜けたウェイン。そんな彼の下に隣国カバリヌより使者が到着する。大陸西側の一大宗教・レベティア教の主催する『聖霊祭』にウェインを招待したいというのだ。
 絶大な影響力を持つ『選聖候』たちが集うイベントということもあり、ろくでもないことに巻き込まれることはほぼ確定。それでも隣国と友好関係を結ぶため、ウェインは渋々西へと向かうのだが――!?
 クセ者だらけの国際舞台に、天才王子が本格デビュー! 大人気の弱小国家運営譚第三章、ここに開幕!

相変わらずニニムに関することに関しては沸点が低いどころか無いんじゃないか、この王子。神算鬼謀深慮遠謀を地で行くウェインだけど、あの場面のあの行動は絶対策ありき、ではなかったよね!?
ただ、彼が尋常では無いのはその応急対応能力なのだろう。
前回もそうだったけれど、思い通り作戦通り行かなかったあとの立て直しの精度と速さが人間離れしてるんですよね。あの皇女さまも謀略家としてはウェインに伍するレベルにあったけれど、この事前に用意していた作戦も謀略も全部潰れてまっさらどころか窮地に追い詰められた際に、元から全部予想していました、と言っても不思議ではないくらいのレベルで作戦を即座に改めて復旧できる能力がウェイン王子、人外レベルなんですよね。そして、その能力こそ実戦的であり現場的であり戦乱の世に何より対応した能力なのでしょう。
この王子が偉いのは、それだけ場当たり的に深度の深い策を練って実行できるにも関わらず、事前の準備を決して怠らないし、効果があるか定かではない迂遠な策を幾つも展開しているところなんですよね。そして、この王子がエラいのは、それだけ事前にあらゆる対応が出来るように準備していながら、かなりの頻度で予想外の顛末に襲われてしまうところなのでしょう。
普通なら、すでに何回死んでるか、国が滅んじゃってるんだろうか、という段階で。毎回、頭抱えてなんでだー!?と断末魔に近い悲鳴をあげて転がりまくる王子、厄がついてるんじゃなかろうか。
まあその分、死ぬがよい展開を避けきったご褒美で彼が事前に確保していた以上の報酬が国単位で得られてしまうわけですが、お陰様で国は富んで飛躍してもその分王子の仕事が余計に増えてしまうという顛末は、本質的に自堕落に過ごした王子さまとしては地獄案件なんだろうなあ。だからといって放棄してしまわない責任感が、彼の首を絞めているわけですが。

しかし、果たしてどこまで選帝侯の推薦を受ける気があったのか。うーん、わりと本気ではあったと思うしなったらなったでその地位を利用しまくる算段はあったんだろうなあ。他の選帝侯の常軌を逸した人間性と政治力を見ると、この段階で正対するのはかなりキツイものがあった気もするのだけれど。フラム人差別がきつい大陸西部に深入りするということは、差別問題への対応に直面しなきゃいけないわけですし……ニニムに害意持つやつは絶対殺すマンなウェインが首突っ込むにはまだちょっとヤバすぎますよねえ。いやいや、絶対殺すマンなウェインでもマジガチであそこまで絶対殺すマンとは思わなかっただけに、尚更にまだ早いまだ早い。
でも、終わってみればまたえげつない結果なんですよね。結果として殆ど軍を動かさずして、西方を平定してしまった、とすら言えるんじゃないだろうか、これ。ウェイン王子はそんなつもりサラサラなかっただろうけど! 本来ならもっと堅実に物事を進めるつもり、場合によっては後退させるつもりだったのだろうけど!
まだまだウェイン王子の自身の異常性と能力に対する評価が低すぎる、低すぎるというかまっとうに評価しすぎているというか。決して過小評価とか卑下してるわけではなく、冷静冷徹に客観的に見て判断しているつもりなんでしょうけどね。ある意味その客観性こそが目を狂わせてる気がするなあ。
他から見たら、紛れもなく化け物ですよ、この王子は。
そんな化け物がまったく思い通り予定通り作戦通りにいかないシッチャカメッチャカに陥る状況を、なんでこうなったー!?と悲鳴を上げながらさらに改めて打ち立てた神算鬼謀で快刀乱麻に平定していくのは、やっぱりべらぼうに面白いですわ。傑作♪

1巻 2巻感想

嘘つき戦姫、迷宮をゆく 3 ★★★★☆   



【嘘つき戦姫、迷宮をゆく 3】 佐藤 真登/霜月 えいと ヒーロー文庫

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迷宮「最難関」の試練に挑む! 凶悪な刃を持つ魔物の正体とは? 街への魔物の逆走を止められるのか! ?

ムドラを仲間に加え入れ、四人パーティとなったリルドール一行は縦ロールと魔法を駆使して怒涛の勢いで迷宮を攻略していた。だが、次の目標を確認していたリルドールは、今の迷宮では五十階層の試練には挑戦出来ないことを知る。五十階層主の討伐に失敗すると、とあるデメリットがあり、国が挑戦させてくれないのだという。
実力も上がり、既に上級者となっていたリルドール達は、今探索している東の迷宮から、既に五十階層以下が解放されている南の迷宮へ、探索の場所を移すことを決める。次の迷宮に向けて準備をしていたリルドール達は、小さい頃にコロネルの世話をしていたという男・クルクルと遭遇する。
コロネルは偶然の再会に喜びはしゃぐのだが、リルドールは、妹分が自分よりも懐いている男をやっかむ。
そして、四十九階層を見てから新天地へ旅立とうと、最後に東の迷宮へ向かうのだが――。
カニーー!! カニーーーィッ!(号泣
宇宙一格好良いカニの登場である。カニの怪物というかもうカニ以外の何者でもないカニなんだけど、こんなに凄いカニが居てもいいのかと心臓を撃ち抜かれてしまうカニなのである。
50階層主カニエル見参!!
某おじさんのセリフからすると、五十階層主という連中はどいつもこいつも(各迷宮に一体ずつ存在するらしい)カニエルみたいな生き様在り方をしているモンスターのようなので、おじさんじゃないけれど自分もファンにならざるを得ないんですよね。
意志もなく知性もなくただ与えられた役割を本能のままに果たす魔物とは一線を画する、それは原初より知性を宿し個性を持つ迷宮の最難関にして、人類に与えられた最大の試練。それが彼ら五十階層主。ただそれだけでも敬するに値する敵なのですけれど、カニエルは本来与えられた役割に収まらなかった敵でもあるんですよね。
某おじさんに唆されたとは言え、世界の滅びまで役割に殉じて何もなせずに消えていくのではなく、自由を望んだモンスター。ただ迷宮を出て空を見たい、という願いに駆られてシステムへの反逆を試みた、というだけならただの逸脱者で終わったかも知れない。
でも、彼はその過程で自分に課せられた魔物というカテゴリーすら乗り越えていくのである。主人公たちがそうするように、絶対的に立ちふさがる壁を前にして、自分の夢を踏み潰そうという強大すぎる敵を前にして、彼は倒される魔物ではなく、主人公のように、英雄のように、人間のように、その想いを爆発させるのである。この世界において、思いの強さは「魔法」へと成り代わる。一人ひとりが胸に宿した強き想いが魔法へと変じ、その想いがさらに強まれば強まるほど魔法は変化し進化していく。その未来を願いを祈りを掴む証である魔法を、彼は諦められないことで挫けないことで絶望を覆すことで、掴み取るのだ。
だからこそ、挫折を乗り越えて今一度立ち上がったリルドールたちと、カニエルの決戦は英雄と倒されるべき魔物との戦いではない。互いに譲れない願い、夢を胸に燃やし滾らせ、それを叶えるために刃を交える対等の敵同士の決闘であったのだ。
お互いをとんでもない奴だと讃えすげえやつだと尊敬し、その上で打ち倒そうと自分の全身全霊を振り絞る、己が誇りを切っ先に掲げて、今いる場所を飛び越えて、限界なんか突き破って、ありえない可能性を手繰り寄せる。それをお互いに成し遂げながら、競って鈴嶺の頂きに登るような戦いがここには在ったのであります。
熱い、なんてもんじゃぁなっかったんだ!!
この作品の階層主たちは決して倒され打ち捨てられる敵なんかではなく、贄なんかではなく、死闘を繰り広げたリルたちに笑いかけながら、彼女たちの背中を押していってくれる連中なんですよね。
その勇気を讃え、その意志を後押しし、その願いを祝福して送り出してくれる奴らなのである。だから、その決戦のあとはどこか寂しく、それ以上に胸が暖かくなるのです。
カニエルは、その意味でも本当にとびっきりでした。

最初に彼に全く太刀打ちできず、自分たちを逃がすために犠牲になった兵士たちのこともあり、盛大に挫折を食らったリルさまですけれど、むしろ生まれたときから挫折し続けていたとも言えるリルはもう二度と本当の意味で心折れることはなかったのでしょう。彼女の八つ当たりも、よくよく聞けば決して感情的になっただけのものではありませんでしたし、それ以上にちゃんと遺族に自分から挨拶に行くこの娘は立派ですわ。
そして、そこで目撃した能力の強さとは全く意味を異にする人としての強さ。リルの中にはっきりと刻みつけられることになった強さの意味は、表面上の強さの意味しか知らないコロにとっても、とても重要な意味を持つことになるのでしょう。ある意味、今回本当の意味ではじめて挫折したのはコロの方だったのかもしれません。
でも、コロが教えられている強さというのも間違いじゃないんですよね。クルクルおじさんってそりゃもう悪い人では在るんだけれど……コロとかに教えているアドバイスとか人生訓って、何一つ間違いではなく、真摯ですらあって、コロを成長させるという点に関しては全力なんですよね。それも間違った方に歪めて成長させるとかそういう目論見一つなく。自分の信念や思想を押し付けるでもなく、極々自然な在り方を指導してるわけで。
これほどの悪人はおらず、実際に暗躍しまくっているにも関わらず……この人への信頼はまったく揺らがないし、頼もしさは確かなものなんですよね。作品通じて、クルクルおじさんが一番好き、という人は少なくないはず。
今回はついにカスミの挿絵もつきましたし、カスミチーム全体の出番も増えてきましたし、ある意味作中一番の怪人なエイスもそろそろ挿絵ほしいなあ。次巻あたりあるのかなあ。
しかし、この巻の表紙にもなっているヒィーコとムドラ。ヒィーコのツインテール縦ロールはまだしも、ムドラのアホ毛ロールはかなり苦しくないですか!? なんか、ガチなアホい毛になっちゃってますよ!?
いや、この二人に関しては変身ヒーローみたいで、その魔法すごく好きなのですけど……ヒィーコ、髪伸びてないですか!? 彼女の肩口あたりまでのウルフヘアだと、全然表紙絵の長さには足りてないと思うんですけどw
まあ、彼女の場合は「伸びた」で表現できそうだからいいんですけどね。
リルの方は伸びるじゃなくて「生える」だからなあ……縦ロールが生えるw
縦ロールの使い方も四足歩行モードや水面歩行、水中潜航モードだけじゃなく、ついに飛行モードまで発現させてしまって、本当にどこに行こうとしてるんだリルドールw


1巻 2巻感想 

異世界拷問姫 7 ★★★★☆  



【異世界拷問姫 7】 綾里けいし/鵜飼沙樹 MF文庫J

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いつか遠い遠い昔の御話と、呼ばれるかどうかもわからない醜悪な物語。

終焉を超えたはずの世界に、何の前触れもなく異世界からの【転生者】にして【異世界拷問姫】を名乗る禁断の存在――アリス・キャロルが現れる。
彼女は【お父様】のルイスと共にエリザベートに苛烈な選択を突きつける――
「会わせてあげる、エリザベート! この私が会わせてあげるの大事な人に!」
綾里けいし×鵜飼沙樹で贈る至高のダークファンタジー第七弾。
誰かの物語が終わったところで続くものはある。
かくして、新たな舞台の幕は上がる――演者達が、望むか否かに拘わらず。
もう泣く。エリザベートの抱く想いを想像するだけで、その切なさに、哀惜に、胸をかきむしられそうになる。
どれだけ、カイトとヒナに会いたいだろう。どれほど焦がれ、どれほど願い、どれほど祈っているのだろう。その上で、わかっているのだ彼女は。もう二度と、生きて彼らに逢うことはないのだということを。結晶に閉じ込められた彼らの姿を見守ることは出来ても、その声を聞くこともその肌に触れることも、もう二度と叶わないのだと。エリザベート・レ・ファニュは知っている。
あの幸せな時間はもう二度と戻ってこないのだと。
それを安易に、いや安易ではないのだろう。奴らには奴らの論理があり正義があり意義があり覚悟があり信念があり、怒りがある。
それでもなお、エリザベートにもう一度二人に逢わせてあげるなんて誘いをかけるなんて。そのために世界を裏切れなんて。
いったい、何を踏みにじっているのか、彼らは理解していないのだろうか。理解してなお、指し示しているのだろうか。いずれにしても、そう彼女の言葉を借りるならば。
「胸糞悪い!!」
これに尽きる。尽き果てる!
「穏やかで凡庸な、夢のようなひと時があった。そして、終わった――それでよいのだ」
「他でもない奴が望んだ。余を生かし、世界を守ると。ならば主たるもの決意を尊重しよう。今までの日々こそ罪人には過ぎた奇跡で幸福であった――もう戻らぬ。それでよい」

もうあの日々は帰らないと。戻らないと。終わったのだと。エリザベートの口から言わせ、それでよいのだと、言わせた奴らがどうしても許しがたい。
夢を見させろなんて言わない。言わないけれど、本人の口からそれを言わせることはないじゃないか。どれほどの想いをもって、もうよい、と口ずさんだのか。それを思うと、本当に泣けてくる。
エリザベートはカイトとヒナを本当に愛して慈しんでいたのだ。彼らと居るとき、彼女は本当に幸せだったのだ。たった一人取り残されて、眠る二人を寂しそうに見守りながら、彼女の愛は続いている。幸せは終わっても、いつまでも続く。
でも、彼女はもうたった一人なのだ。そのエリザベートの尊く誇り高い在り方を、セナカイトの世界中の痛みを背負い負の感情で打ちのめされ、それでもなお決して他者にその報いを向けることのなかった生き方を、踏みにじろうとしているのだ、彼らは。
同情に値する正当なる復讐者。彼らを弾劾できるものは、加害者たる世界には存在しないのだろう。
それでもなお、エリザベートの振るった弾劾の言葉こそが本質を貫いている。
「他者を踏み躙るために、弱者を名乗るな」

許せない。しかし嫌えない。ルイスとアリス、その在り方があまりにも悲痛で縋るような絶望に苛まれている姿が、憐れだからだろうか。あり得たかも知れない、カイトの結末の一つだったからなのか。彼らは虚無だ。感情を込めて睨みつけ見つめれば、穴に落ちるように吸い込まれていく。強い感情を抱けなくなる。

眠るカイトは、確かに世界を守り、淀んだ人の心に清涼の風を吹き込んだ。今なお、彼の存在が人を変えるきっかけとなり、世界を変えるきっかけとなり、愚かで救いがたいものを良き方へと変質させる踏切台になっている。
それでも、それでも、世界は終焉を逃れて良き方向へと進んでいるのかと言えば、決してそうとは言えないのが現実というものなのだろう。
もはや、ポイント・オブ・ノーリターンは通り過ぎた後だったのか。あ
亜人種の純血主義に秘められた悲壮とも言える祈願も、刻々と定まりつつある霊長の帰趨も、もはや個々人の意志や働きではどうにもならないところで決まりつつあるものなのかもしれない。その結果として起こり得る惨劇は、人が人である限りもう止めることは出来ないのだろうか。
エリザベートがこぼしたこらえ難い絶望の吐露が、改めて胸を突く。
リュートとアインの夫婦が迎えつつある結果は、諸手を挙げて祝福するべき幸いであるはずなのに。
微笑ましく甘やかなジャンヌとイザベラの睦言も、幸せなカップルとして何事もなく続いてくれれば、それでいいのに。
ラ・クリストフが幼き頃に抱いた夢が、万人の幼子の中で同じように輝く世界であれば、良かったのに。
獣人の姫たちの顛末が、聖人の見事なまでの最期が、あまりにも独りなエリザベートが、哀しくて切なくて、なんともたまらなく心揺さぶられる新たなる惨劇の開幕でありました。
世界は、救われてなお、未だ救われるに足らぬものなのか。
はぁ……なんかもう、ラ・クリストフが色んな意味でいい人いいキャラすぎて辛い、辛い。
つらすぎるので、亜人のお嬢さんにならって、もうジャンヌとイザベラのイチャイチャ見てひたすらキャーキャー言ってたいです、キャーキャー♪

シリーズ感想

終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか? 07 ★★★★☆  



【終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか? 07】 枯野瑛/ue 角川スニーカー文庫

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一人の少年が作り上げた舞台で、一人の少女が英雄となった。
〈獣〉に対抗できる黄金妖精(レプラカーン)の存在は明るみとなり、浮遊大陸群(レグル・エレ)が小さな守護者に沸く一方、38番浮遊島に侵食の足音が迫る。
「黄金妖精(レプラカーン)をしてくるよ。先輩たちには、ちと悪い気がするがね」
パニバル・ノク・カテナは、〈十一番目の獣(クロワイヤンス)〉に呑まれた39番浮遊島に立つ。
その力の限りを尽くして、〈獣〉との戦いへと臨むために。
これは作られた英雄たちの、終わりに近づく物語。

フェオドールの思惑通りにレプラカーンは闇から闇に消費される存在から、陽のあたる場所で活躍する存在へとなったわけだけれど、陽に当てられたら影が出来るわけで、その負の部分についての手当はどうにも片手落ちに見えて、やりたかった事はわかるけど中途半端だよフェオドール! と声を張り上げたくなってしまった。まだやらなきゃいけない事が残ってるじゃないか。なんでここで退場しちゃってるんだよ、君は。むしろ、ここからのほうが彼の能力が必要な場面が多かったろうに。フェオドールの上司だった被甲種のおっさんのフェオ不在への愚痴とも嘆きともつかない呟きに、強く共感を抱くのである。
ヒロインであるラキシュが死に、主人公であるフェオドールが退場して、しかしまだ浮遊大陸群を襲う危機は続いていて、兵器から英雄になったとはいえ黄金妖精たちの戦いは続いていく。
これまで第二部はティアットとラキシュがメインに描かれていた中で、今回はちびっ子四人組の中の不思議少女だったパニバルが主人公として描かれる。
小さい頃から何を考えてるのかわからない不思議ちゃんだったけれど、彼女が主人公として描かれてその内面まで明らかにされると、わりとみんな勢い任せな四人娘の中でこの子が一番色々と考えている子だったのかもしれない。
まあ、彼女の自己分析が正しかったのかについては、大いに疑問符がつくけれど。黄金妖精の「死霊」としての側面を強く持っていて、生命に対する関心が乏しくその内側に虚無を抱えている。だからか、自己保存についても興味がなくて自分を費やすことに躊躇いがない。なんて、自分で考えているけれど、果たしてそうなんだろうか。
むしろ、ラキシュの死に対して意識せずポロポロと泣いちゃっている時点で、他の妖精たちよりも生き死に対して敏感であるような気すらするのである。自分の生命に頓着しないところも、見方を変えると残されたコロンやティアット、後ろに続く後輩たちを犠牲にしないためという強い目的意識が眠っているようですし。
黄金妖精たちの持つ自分の命に対する無頓着さって、もっとアンバランスな唐突さを内包してる感じなんですよね。それに対してパニバルのそれは傍目には素晴らしく危なっかしく見えるけれど、内面的には極めて一貫しているように見える。
わりとアイセア似なところあると思うんですよね、パニバルって。その上でアイセアよりも考えすぎて自己完結してしまっている風でもある。自分はこういうモノだ、と答えありきで決めちゃっているような。
パニバルの考えるパニバル・ノク・カテナってどこにも泣くような真似をする要素は無いんですよ。パニバル・ノク・カテナは泣かないし悲しまない。喪うこと、欠け落ちることを既に知っているパニバル・ノク・カテナは、未来を望まない。既に幸福であることを知ったパニバル・ノク・カテナは過去を振り返るだけでいいのだ、と。幸せなまま終わることを望むのだと。
彼女自身はそう語っていて、でも彼女は実際こうして泣いている。表紙のように泣くのである。

パニバルが飛ぶシーンは、墜ちるシーンは、まさにクトリのあの瞬間とおんなじなんですよね。
でも異なるのである。パニバルはこのとき、決して「世界で一番幸せな女の子」ではなかったのだから。

だからその代わりに、パニバルを待ってたのは成れの果てでしかなかった黒瑪瑙ではなく、本物の英雄だったのでしょう。
決して作られた英雄なんかではなくて、もはや「死霊」としての黄金妖精でもない、特別な存在にティアット・シバ・イグナレオは成ったのである。
かつてのリーリァ・アスプレイでも至れなかった道。クトリもラキシュもヴィレムも掴めなかった場所。
この娘は、きっと望んだ未来を掴むことを叶えられる英雄になるに違いない。そう信じることが出来るシーンでした、ティアット登場シーンは。優しきセニオリスじゃなく、呪いから開放されたモウルネンの適合者として、またモウルネンをあんなふうに使える聖剣の使い手として、この娘こそが本当に英雄になることが出来るに違いない。


しかし、今回一番衝撃だったのはフェオドールのお姉ちゃんのオデットでしょう。第二部入ってからずっと裏で暗躍している一方で、何をしたいのかがわからず浮遊大陸群の置かれた現状を知らないまま邪魔ばかりして一体なんなんだ、と思っていたのですが……。
おいおいおいおい、もしかしてじゃなくオデットこそが一連の事態の核心に近いところで奔走していたのか!? ネフレンがああなったまさにその時に、オデットもそこに居たなんて。
ってか、怒涛にように溢れてくる情報がえらいことになっているし、クラスター爆弾のように散りばめられる伏線がとんでもないことになっている。リィエルからして、あれって思いっきりキーパーソンになっちゃってますよね、よく眠るようになってることも含めて。
トドメに最後のアレである。うははは、ブラックアゲートだけならまだしも、そう来たか。そうひっくり返してきたか!
参った、ここに来て一気にブースト掛かってきたんじゃないですかこれ!?

シリーズ感想
 
10月19日
デート・ア・ライブ 21.十香グッドエンド(上)
 橘公司(富士見ファンタジア文庫)

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スレイヤーズ 17.遥かなる帰路
 神坂一(富士見ファンタジア文庫)

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公女殿下の家庭教師 4.氷炎の姫君と夏休みに王国を救います
七野りく(富士見ファンタジア文庫)

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ロクでなし魔術講師と追想日誌 5
 羊太郎(富士見ファンタジア文庫)

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アサシンズプライド 11.暗殺教師と禁書階梯
 天城ケイ(富士見ファンタジア文庫)

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一億年ボタンを連打した俺は、気付いたら最強になっていた 1 〜落第剣士の学院無双〜
 月島秀一(富士見ファンタジア文庫)

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世界最強の復讐神官 〜神に仕えし者、魔王の力を手に入れる〜
 来生直紀(富士見ファンタジア文庫)

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女神に騙された俺の異世界ハーレム生活 3
 回復師(富士見ファンタジア文庫)

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最強奴隷商の烙印魔術と美少女堕とし 3
 初美陽一(富士見ファンタジア文庫)

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ゲーマーズ! 12.ゲーマーズと青春コンティニュー
葵せきな(富士見ファンタジア文庫)

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10月18日
【弱キャラ友崎くん Lv.8】
 屋久 ユウキ (ガガガ文庫)

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【千歳くんはラムネ瓶のなか 2】
 裕夢(ガガガ文庫)

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【黒川さんに悪役は似合わない 3】
 ハマ カズシ(ガガガ文庫)

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【コワモテの巨人くんはフラグだけはたてるんです。】
 十本 スイ(ガガガ文庫)

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【人狼機ウィンヴルガ 6】
 綱島志朗(チャンピオンREDコミックス)

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【ばくおん!! 13】
 おりもとみまな(ヤングチャンピオン烈コミックス)

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【放課後ていぼう日誌 5】
 小坂泰之(ヤングチャンピオン烈コミックス)

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【黒鉄・改 KUROGANE-KAI 3】
 冬目景(ヤングジャンプコミックス)

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【すんどめ!!ミルキーウェイ 8】
 ふなつかずき(ヤングジャンプコミックス)

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【シャトルアイズ 2】
 濱原蓮(ヤングジャンプコミックス)

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【天野めぐみはスキだらけ!17】
 ねこぐち(少年サンデーコミックス)

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【トニカクカワイイ 8】
 畑健二郎(少年サンデーコミックス)

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【妹さえいればいい。@comic9】
 平坂読/い〜どぅ〜(サンデーGXコミックス)

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【ディオサの首 1】
 伊藤明弘(サンデーGXコミックス)

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10月17日
【化物語 7】
 西尾維新/大暮維人(講談社コミックス)

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【化物語 7 特装版】
 西尾維新/大暮維人(講談社キャラクターズA)

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【それでも歩は寄せてくる 2】
 山本崇一朗(講談社コミックス)

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【炎炎ノ消防隊 20】
 大久保篤(講談社コミックス)

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【彼女、お借りします 12】
 宮島礼吏(講談社コミックス)

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【ダイヤのA act2 19】
 寺嶋裕二(講談社コミックス)

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【金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿 7】
 さとうふみや/天樹征丸(講談社コミックス)

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【虚構推理 11】
 片瀬茶柴/城平京(講談社コミックス月刊マガジン)

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【ノラガミ 21】
 あだちとか(講談社コミックス月刊マガジン)

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英国幻想蒸気譚II -ブラッドレッド・フォルクール-】 白雨 蒼(電撃の新文芸) Amazon Kindle B☆W
 【死に戻り勇者は魔王を倒せない ~セーブポイントのご利用は計画的に~】 近江 泉美(電撃の新文芸) Amazon Kindle B☆W


冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた 6
 門司柿家(アース・スター ノベル)

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脇役艦長の異世界航海記 ~エンヴィランの海賊騎士~3
 漂月(アース・スター ノベル)

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戦鬼と呼ばれた男、王家に暗殺されたら娘を拾い、 一緒にスローライフをはじめる 2
 ハーーナ殿下 (アース・スター ノベル)

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異世界姉妹と始める領地経営 ~婚約者が前世の妹で逃げられない~
 緋色の雨(アース・スター ノベル)

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【銀河連合日本 12】
 松本 保羽(星海社FICTIONS)

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【宇宙軍士官学校―攻勢偵察部隊― 5】
 鷹見 一幸 (ハヤカワ文庫JA)

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10月16日
【エイジ’87 2】
 上山道郎(YKコミックス)

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10月15日
メイデーア転生物語 1.この世界で一番悪い魔女
 友麻碧(富士見L文庫)

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平安あかしあやかし陰陽師 三 から紅の都と最後の大祓
 遠藤 遼(富士見L文庫)

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犯罪心理分析班・八木小春 ハロウィンの花
 佐藤 青南(富士見L文庫)

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陰陽花伝 天雲に翼打ちつけて飛ぶ鶴の
 秋月 忍(富士見L文庫)

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オカルトちゃんねる
 lpp(富士見L文庫)

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ご利用は計画的に 恋と利息のグレーゾーン
 古木 和真(富士見L文庫)

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【魔物を従える"帝印"を持つ転生賢者 ~かつての魔法と従魔でひっそり最強の冒険者になる~ 2】
 苗原一 (サーガフォレスト)

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【四度目は嫌な死属性魔術師 6】
 デンスケ (サーガフォレスト)

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【ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド エイジ オブ スカーレット オーダー 03】
 環望(コロナ・コミックス)

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10月12日
【野生のラスボスが現れた!黒翼の覇王 5】
 葉月翼/炎頭(アース・スターコミックス)

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【私、能力は平均値でって言ったよね!4】
 ねこみんと/FUNA(アース・スターコミックス)

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【私、日常は平均値でって言ったよね!1】
 森貴夕貴/FUNA(アース・スターコミックス)

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【戦国小町苦労譚 5 現代女子、戦場ニ立ツ】
 沢田一/夾竹桃(アース・スターコミックス)

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【ポンコツ女神の異世界創世録 1】
 金光鉉/林達永(ヴァルキリーコミックス)

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【魔物たちは片付けられない 3】
 高野裕也(ガンガンコミックスONLINE)

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【万代かなめは遊びたい 3】
 氷川翔(メテオCOMICS)

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天才王子の赤字国家再生術 5~そうだ、売国しよう~
 鳥羽 徹(GA文庫)

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超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです! 9
 海空りく(GA文庫)

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高2にタイムリープした俺が、当時好きだった先生に告った結果 5
 ケンノジ(GA文庫)

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綾瀬さんは貢ぎたい!
 空上タツタ(GA文庫)

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ノラネコ彼女を餌付けしたい
 天乃聖樹(GA文庫)

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暗黒騎士の俺ですが最強の聖騎士をめざします 5
 西島ふみかる(GA文庫)

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転生王子は錬金術師となり興国する
 月夜 涙(GA文庫)

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くじ引き特賞:無双ハーレム権 12
 三木 なずな(GA文庫)

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最強の魔導士。ひざに矢をうけてしまったので田舎の衛兵になる 5
 えぞぎんぎつね(GAノベル)

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異世界賢者の転生無双3 ~ゲームの知識で異世界最強~
 進行諸島 (GAノベル)

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【白銀の墟 玄の月 第一巻 十二国記】
 小野不由美(新潮文庫)

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【白銀の墟 玄の月 第二巻 十二国記】
 小野不由美(新潮文庫)

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私、能力は平均値でって言ったよね! 12
 FUNA (アース・スター ノベル)

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10月11日
【ノブナガ先生の幼な妻 5】
 紺野あずれ(アクションコミックス)

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【桃ノ木家の四姉妹 1】
 まっくすめろん(まんがタイムKRコミックス/フォワードシリーズ)

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10月10日
【世話やきキツネの仙狐さん 5】
 リムコロ(カドカワコミックスA)

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【七つの魔剣が支配する 1】
 えすのサカエ/宇野朴人(カドカワコミックスA)

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【とある科学の超電磁砲 15】
 冬川基/鎌池和馬(カドカワコミックスA)

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【魔王学院の不適合者〜史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う〜 3】
 秋/かやはるか(ガンガンコミックスUP!)

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ソードアート・オンライン 22.キス・アンド・フライ
川原 礫(電撃文庫)

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俺を好きなのはお前だけかよ 12
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 秋(電撃文庫)

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学園キノ 6
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ワールドエンドの探索指南 2
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へヴィーオブジェクト 純白カウントダウン
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シノゴノ言わずに私に甘えていればいーの!
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 遠藤 浅蜊 (このライトノベルがすごい! 文庫)

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 沢村 治太郎(カドカワBOOKS)

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レムシータ・ブレイブス・オンライン 〜スローライフに憧れる俺のままならないVR冒険記〜
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 いらないひと(TOブックス)

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【ミリモス・サーガ 末弟王子の転生戦記】
 中文字(ツギクルブックス)

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【もふもふを知らなかったら人生の半分は無駄にしていた 2】
 ひつじのはね(ツギクルブックス)

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【めっちゃ召喚された件】
 さいとうさ (マッグガーデン・ノベルズ)

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【転生者イシュルと神の魔法具】
 青のあらた (マッグガーデン・ノベルズ)

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【神様たちのお伊勢参り 6.帰る場所、約束の証】
 竹村優希(双葉文庫)

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【ハナコトバ喫茶の事件図鑑】
 瀬橋ゆか(双葉文庫)

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【魔法使いと契約結婚 2.あぶない後輩とやきもちな旦那様】
 三萩せんや(双葉文庫)

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10月9日
【神装魔法少女ハウリングムーン 2】
 佐藤ショウジ/サイトウケンジ(ドラゴンコミックスエイジ)

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【この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる 2】
 こゆき/土日月(ドラゴンコミックスエイジ)

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【ゲーム オブ ファミリア―家族戦記―3】
 山口ミコト/D.P(ドラゴンコミックスエイジ)

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【シネマこんぷれっくす!4】
 ビリー(ドラゴンコミックスエイジ)

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【可愛ければ変態でも好きになってくれますか?4】
 CHuN/花間燈(ドラゴンコミックスエイジ)

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【荒ぶる季節の乙女どもよ。8】
 絵本奈央/岡田麿里(講談社コミックス)

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【バビロン(上)】
 野まど/瀧下信英(講談社コミックス)

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【バビロン(下)】
 野まど/瀧下信英(講談社コミックス)

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【UQ HOLDER!21】
 赤松健(講談社コミックス)

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【異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術 10】
 福田直叶/むらさきゆきや(シリウスKC)

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【ポンコツ風紀委員とスカート丈が不適切なJKの話 1】
 横田卓馬(シリウスKC)

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【ライドンキング 3】
 馬場康誌(シリウスKC)

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【君は空のかなた】
 葉山透(幻冬舎文庫)

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10月7日
【大家さんは思春期! 11】
 水瀬るるう(まんがタイムコミックス)

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【吸血鬼ハンター 36.D-山嶽鬼】
 菊地秀行(朝日文庫)

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【創竜伝 14<月への門>】
 田中芳樹(講談社ノベルス)

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【天空の鏡 警視庁捜査一課十一係】
 麻見 和史(講談社ノベルス)

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10月6日
異世界の名探偵 1.首なし姫殺人事件
 片里鴎 (レジェンドノベルス)

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信長と征く 1 転生商人の天下取り
 入月 英一(レジェンドノベルス)

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幼女とスコップと魔眼王 2
 丁々発止(レジェンドノベルス)

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女王陛下の異世界戦略 3
 第616特別情報大隊(レジェンドノベルス)

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10月5日
【本好きの下剋上 第二部 本のためなら巫女になる! 2】
 鈴華/香月美夜(コロナ・コミックス)

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片道勇者 滅びの闇と繰り返す英雄
 紅仗直(ドラゴンノベルス)

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不死鳥への転生 ドラゴン倒せるって普通の鳥じゃないよね?
 shiryu(ドラゴンノベルス)

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10月4日
【学園都市オブ・ザ・デッド】
 三河ごーすと(LINE文庫エッジ)

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【女賢者の明智光秀だが、女勇者の信長がパーティーにいて気まずい】
 森田季節(LINE文庫エッジ)

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【幻獣と刻む帳簿と航海録】
 氷純(LINE文庫エッジ)

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【でび×チキ ブレイブリーソウル 魔界から来た婚約者】
 橘ぱん (LINE文庫エッジ)

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【ダンジョン・ザ・ステーション】
 大泉貴(LINE文庫エッジ)

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【すべては装丁内】
 木緒なち(LINE文庫)

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【明治はいから洋食お嬢さま】
 遠藤遼(LINE文庫)

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【科学オタクと霊感女 -成仏までの方程式-】
 半田畔(LINE文庫)

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【横濱SIKTH ―けれども世界、お前は終わらない― 】
 ニリツ(LINE文庫)

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【マタニティ・ボーイ ~僕、妊娠しました!?~】
 みうらまき(LINE文庫)

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村づくりゲームのNPCが生身の人間としか思えない 01
 昼熊(エンターブレイン)

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【猫と竜 猫の英雄と魔法学校】
 アマラ(宝島社文庫)

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【北鎌倉の嘉風堂 裏路地神社の扇子屋さん】
 千早 朔 (宝島社文庫)

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【死亡フラグが立ちました! 超絶リアルゲーム実況殺人事件】
 七尾 与史 (宝島社文庫)

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【不純文学 1ページで綴られる先輩と私の不思議な物語】
 斜線堂 有紀 (宝島社文庫)

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【クラス転移に巻き込まれたコンビニ店員のおっさん、勇者には必要なかった余り物スキルを駆使して最強となるようです。】
 日浦あやせ(BKブックス)

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10月3日
アークエネミー・スクールライフ 2.夜空に焦がれる妹と星を落とす魔神
 ツカサ(講談社ラノベ文庫)

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ボッチのオタクである俺が、学内屈指の美少女たちに囲まれていつの間にかリア充呼ばわりされていた
 ネコクロ (講談社ラノベ文庫)

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サキュバスアイドルの契約者 ボクっ娘サキュバスと秘密のルームシェア
虎走 かける(講談社ラノベ文庫)

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おジャ魔女どれみ20’s
 影山由美(講談社ラノベ文庫)

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次元特急ラザフォード
 曽我部 浩人(講談社ラノベ文庫)

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実は俺、最強でした? 2
 澄守彩(Kラノベブックス)

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【グイン・サーガ 146.雲雀とイリス】
 五代ゆう(ハヤカワ文庫JA)

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10月1日
【蒼き鋼のアルペジオ 18】
 Ark Performance(YKコミックス)

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【メンタルモデル・リサーチ 1】
 一葵さやか(YKコミックス)

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齢5000年の草食ドラゴン、いわれなき邪竜認定 3.~この子ったら、生き急ぎすぎではない?~
 榎本 快晴(角川スニーカー文庫)

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最低皇子たちによる皇位争『譲』戦 ~貧乏くじの皇位なんて誰にでもくれてやる!~
 榎本 快晴(角川スニーカー文庫)

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女神に呼ばれた現代最強、闇堕ち勇者を倒しに異世界へ
 西村 京(角川スニーカー文庫)

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このあと滅茶苦茶ラブコメした 本当はあなたのこと大好きだけど、絶対バレてるわけないよね!!
 春日部 タケル(角川スニーカー文庫)

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日常ではさえないただのおっさん、本当は地上最強の戦神 4
 相野 仁 (角川スニーカー文庫)

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落第賢者の学院無双 ~二度転生した最強賢者、400年後の世界を魔剣で無双~
 白石 新(角川スニーカー文庫)

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覇逆のドラグーン  1.〜落伍竜機士は運命の姫と、暁の極光世界を翔け上がる〜
 榊 一郎(HJ文庫)

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伝説の幼女王(300歳)頼れる冒険者とダンジョンへ旅立つ 1
 わかつきひかる(HJ文庫)

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最強と呼ばれた冒険者、低ランク魔物を極める。2
 空埜一樹(HJ文庫)

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封印魔竜が最強の仲間たちと数千年後の世界で無双するようですよ? 2
 葛西伸哉(HJ文庫)

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無免許勇者の無双譚〈オラトリオ〉3
 しやけ遊魚(HJ文庫)

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高1ですが異世界で城主はじめました 16
 鏡 裕之(HJ文庫)

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9月30日
【ラーメン大好き小泉さん 8】
 鳴見なる (バンブーコミックス)

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【トクサツガガガ 17】
 丹羽庭(ビッグ コミックス)

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【アスモデウスはあきらめない 5】
 勇人(ビッグ コミックス)

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【浅草鬼嫁日記 あやかし夫婦は今世こそ幸せになりたい。3】
 藤丸豆ノ介/友麻碧(B’slogコミックス)

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異世界のんびり農家 06
 内藤 騎之介(エンターブレイン)

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【僕のクラスには校内一有名な美人だけどコミュ障な隣人がいます。1】
 識原佳乃(モンスター文庫)

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【必勝ダンジョン運営方法 12】
 雪だるま(モンスター文庫)

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9月28日
転生したらスライムだった件 15
 伏瀬(GCノベルズ)

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転生したら剣でした 8
 棚架ユウ(GCノベルズ)

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死にゲー転生ブラッドペイン
 羽根川牧人(ファミ通文庫)

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俺の現実は恋愛ゲーム?? 〜かと思ったら命がけのゲームだった〜
 わるいおとこ(ファミ通文庫)

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ランダムでキャラを作ったんだが詰んだかもしれない
 牡羊座の山羊(エンターブレイン)

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エステルドバロニア
百黒 雅(エンターブレイン)

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異世界チート魔術師 11
 内田 健 (ヒーロー文庫)

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最強騎士団長の世直し旅 2
 佐竹アキノリ(ヒーロー文庫)

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クール・エール 3
 砂押 司 (ヒーロー文庫)

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サトコのパン屋、異世界へ行く 3
 塚本 悠真 (ヒーロー文庫)

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燦然のソウルスピナ 3
 蕗字 歩 (ヒーロー文庫)

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【異世界征服記 ~不遇種族たちの最強国家~1】
 未来人A (ブレイブ文庫)

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【さよならの言い方なんて知らない。2】
 河野 裕(新潮文庫nex)

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9月27日
【東方茨歌仙 〜Wild and Horned Hermit. 10】
 あずまあや/ZUN(REXコミックス)

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【信長の忍び 16】
 重野なおき(ヤングアニマルコミックス)

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【ガールズ&パンツァー アバンティ! アンツィオ高校 1】
 梵辛(電撃コミックスEX)

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【ご注文はうさぎですか? 8】
 Koi(まんがタイムKRコミックス)

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元貴族令嬢で未婚の母ですが、娘たちが可愛すぎて冒険者業も苦になりません 3
 大小判(TOブックス)

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9月26日
【ブギーポップは笑わない VSイマジネーター 2】
 上遠野浩平/越水ナオキ(電撃コミックスNEXT)

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9月25日
異世界拷問姫 8
 綾里けいし(MF文庫J)

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Re:ゼロから始める異世界生活 21
 長月 達平(MF文庫J)

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Re:ゼロから始める異世界生活 短編集 5
 長月 達平(MF文庫J)

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やがて僕は大軍師と呼ばれるらしい
 芝村 裕吏(MF文庫J)

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朝比奈若葉と○○な彼氏
 間 孝史(MF文庫J)

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スコップ無双 3「スコップ波動砲!」( `・ω・´)♂〓〓〓〓★(゜Д ゜ ;;;).:∴ドゴォォ
 つちせ八十八(MF文庫J)

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聖剣学院の魔剣使い 2
 志瑞祐(MF文庫J)

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ドSな後輩に“お願い”されて異能学園で覇権を狙う話
 七烏未奏(MF文庫J)

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ようこそ実力至上主義の教室へ11.5
 衣笠彰梧(MF文庫J)

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魔弾の王と凍漣の雪姫 4
 川口士(ダッシュエックス文庫)

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魔弾の王と聖泉の双紋剣
 瀬尾つかさ (ダッシュエックス文庫)

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漂流英雄 エコー・ザ・クラスタ
 森月 真冬 (ダッシュエックス文庫)

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史上最強の魔法剣士、Fランク冒険者に転生する ~剣聖と魔帝、2つの前世を持った男の英雄譚~
 柑橘 ゆすら (ダッシュエックス文庫)

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善人おっさん、生まれ変わったらSSSランク人生が確定した 4
 三木 なずな(ダッシュエックス文庫)

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【裏切られたSランク冒険者の俺は、愛する奴隷の彼女らと共に奴隷だけのハーレムギルドを作る 2】
 柊 咲 (ダッシュエックス文庫)

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HELLO WORLD if 勘解由小路三鈴は世界で最初の失恋をする
 伊瀬 ネキセ (ダッシュエックス文庫)

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攻撃力極振りの最強魔術師 2 〜筋力値9999の大剣士、転生して二度目の人生を歩む〜
 友橋かめつ(オーバーラップ文庫)

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ファンタジーキャンパス 1 ゲームのかませ犬役に転生したけど、気ままに学園生活を楽しむ
 CK(オーバーラップ文庫)

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黒鉄の魔法使い 4.剣姫一閃
 迷井豆腐(オーバーラップ文庫)

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ありふれた職業で世界最強 小篇集
 白米良(オーバーラップ文庫)

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異世界で土地を買って農場を作ろう 4
 岡沢六十四(オーバーラップノベルス)

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勇者ちゃんが帰らない! 1.僕の家に最強勇者がやってきた
 南木(オーバーラップノベルス)

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魔導具師ダリヤはうつむかない 〜今日から自由な職人ライフ〜 3
 甘岸久弥(MFブックス)

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召喚された賢者は異世界を往く 〜最強なのは不要在庫のアイテムでした〜 3
 夜州(MFブックス)

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ウィザードプリンセス 〜落ちこぼれ少女を最強魔導士に〜 3
 埴輪星人(MFブックス)

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フリースキルで最強冒険者 〜ペットも無双で異世界生活が楽しすぎる〜 2
 瀬戸メグル(MFブックス)

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人間不信の冒険者たちが世界を救うようです 1.最強パーティー結成編
 富士伸太(MFブックス)

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限界レベル1からの成り上がり 〜最弱レベルの俺が異世界最強になるまで〜 1
 未来人A(MFブックス)

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[映]アムリタ 新装版
 野崎 まど (メディアワークス文庫)

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神楽坂・悉皆屋ものがたり 着物のお直し、引き受けます。
 行田 尚希(メディアワークス文庫)

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本を愛した彼女と、彼女の本の物語
 上野 遊 (メディアワークス文庫)

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今日は心のおそうじ日和 素直じゃない小説家と自信がない私
 成田 名璃子 (メディアワークス文庫)

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かくしごと承ります。 ~筆耕士・相原文緒と六つの秘密~
 十三 湊(メディアワークス文庫)

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舞面真面とお面の女 新装版
 野崎 まど (メディアワークス文庫)

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アリクイのいんぼう 愛する人とチーズケーキとはんこう
 鳩見 すた(メディアワークス文庫)

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【Bestia  2】
 有坂あこ/三田誠/みやこかしわ(カドカワコミックスA)

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【けものみち 5】
 暁なつめ/まったくモー助(カドカワコミックスA)

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【はじめてのギャル 9】
 植野メグル(カドカワコミックスA)

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【魔導具師ダリヤはうつむかない 〜今日から自由な職人ライフ〜 1】
 釜田/甘岸久弥(カドカワコミックスA)

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【ライセカミカ 5】
 瀬川はじめ(カドカワコミックスA)

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【超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです! 8】
 山田 こたろ/海空 りく(ヤングガンガンコミックス)

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9月24日
【Fate/Grand Order メイヴ・メイヴ・メイヴ! 青乃下作品集】
 青乃下(カドカワコミックスA)

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【Fate/Grand Order 喚びだせ! カルデアすきま劇場! 逢坂たま作品集】
 逢坂たま(カドカワコミックスA)

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【さようなら竜生、こんにちは人生 17】
 永島ひろあき(アルファポリス)

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【大自然の魔法師アシュト、廃れた領地でスローライフ】
 さとう(アルファポリス)

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【最弱職の初級魔術師 初級魔法を極めたらいつの間にか「千の魔術師」と呼ばれていました】
 カタナヅキ(アルファポリス)

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【スキル【合成】が楽しすぎて最初の村から出られない】
 紅柄ねこ(アルファポリス)

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【異世界ゆるり紀行 7 子育てしながら冒険者します】
 水無月静琉(アルファポリス)

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【素材採取家の異世界旅行記 7】
 木乃子増緒(アルファポリス)

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【THE NEW GATE 15.魂の帰る場所】
 風波しのぎ(アルファポリス)

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【じい様が行く 6 『いのちだいじに』異世界ゆるり旅】
 蛍石(アルファポリス)

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【スキルはコピーして上書き最強でいいですか 2 改造初級魔法で便利に異世界ライフ】
 深田くれと(アルファポリス)

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【神様のヒントでキャラメイク大成功!魔法も生産も頑張ります! 2】
 まるぽろ(アルファポリス)

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9月21日
【うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。9】
 CHIROLU (HJ NOVELS)

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【王国へ続く道 6】
 湯水 快 (HJ NOVELS)

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【日本へようこそエルフさん。4】
 まきしま鈴木(HJ NOVELS)

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【槍使いと、黒猫。9】
 健康(HJ NOVELS)

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【孤児院テイマー 2】
 安藤正樹(HJ NOVELS)

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【異世界はスマートフォンとともに。18】
 冬原パトラ(HJ NOVELS)

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【Fate/Apocrypha vol.1「外典:聖杯大戦」】
 東出祐一郎(角川文庫)

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【機動戦士ガンダムMSV-Rジョニー・ライデンの帰還 19】
 Ark Performance(カドカワコミックスA)

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【齢5000年の草食ドラゴン、いわれなき邪竜認定 〜やだこの生贄、人の話を聞いてくれない〜 4】
 ムロコウイチ/榎本 快晴(ガンガンコミックスJOKER)

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9月20日
キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦 7
 細音 啓(富士見ファンタジア文庫)

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ファイフステル・サーガ 4.再臨の魔王と女神の巫女
 師走トオル(富士見ファンタジア文庫)

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氷川先生はオタ彼がほしい。 1時間目
 篠宮 夕(富士見ファンタジア文庫)

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監獄勇者のやり直し 貶められた最強の英雄は500年後の世界を自由に生きる
 瀬尾つかさ(富士見ファンタジア文庫)

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新米錬金術師の店舗経営 01.お店を手に入れた!
 いつきみずほ(富士見ファンタジア文庫)

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俺が好きなのは妹だけど妹じゃない 9
 恵比須清司(富士見ファンタジア文庫)

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異世界忍者無双 〜俺の異世界転生特典がどう見ても万能忍者スキルだったので超絶に忍びます〜
 甘味亭太丸(富士見ファンタジア文庫)

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コール・オブ・メディック 2.黒腕の衛生兵、戦場の万死を払う
 柳実冬貴(富士見ファンタジア文庫)

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甘えてくる年上教官に養ってもらうのはやり過ぎですか? 2
 神里 大和(富士見ファンタジア文庫)

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神々に育てられしもの、最強となる
 羽田遼亮(富士見ファンタジア文庫)

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ちょっぴりえっちな三姉妹でも、お嫁さんにしてくれますか? 2
 浅岡 旭(富士見ファンタジア文庫)

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通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか? 9
 井中だちま(富士見ファンタジア文庫)

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ソード・ワールド2.5リプレイトライ 継承される物語
 北沢慶(ドラゴンブック)

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【偽・聖剣伝説 〜幼なじみの聖女を売ったら道連れにされた〜】
 溝上良(アークライトノベルス)

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【紫電改のマキ 14】
 野上武志(チャンピオンREDコミックス)

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【豚公爵に転生したから、今度は君に好きと言いたい 3】
 fujy/合田拍子(MFコミックス アライブシリーズ)

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【エロの秘密結社 ドシコルド 2】
 長谷川シグリオ(MFC)

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【戦闘員、派遣します! 3】
 鬼麻 正明/暁 なつめ(MFコミックス アライブシリーズ)

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【続・この素晴らしい世界に爆焔を! 3】
 森野カスミ/暁なつめ(MFコミックス アライブシリーズ)

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【黒焔の戦乙女 02】
 梶沖 たくま(MFコミックス アライブシリーズ)

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【鬼灯の冷徹 29】
 江口夏実(モーニングKC)

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【ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜 9】
 泰三子(モーニングKC)

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【コウノドリ 28】
 鈴ノ木ユウ(モーニングKC)

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【サイクリーマン 1】
 原田尚(モーニングKC)

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