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ガガガ文庫

クラスメイトが使い魔になりまして ★★★★   



【クラスメイトが使い魔になりまして】 鶴城 東/なたーしゃ ガガガ文庫

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「その貧乳で使い魔は無理だろ」「死ね!」

クラスの美少女を侍らせてみたい。

誰もが一度くらいは考えるんじゃなかろうか。でもまあ、正直オススメしない。
落ちこぼれ魔術師の俺、芦屋想太には藤原千影という使い魔がいる。彼女は魔術師の名門出身で、ついでに誰もが憧れる学年一の美少女だ。
え、羨ましい? まじか、じゃあ譲ってやるよ。
まず、こいつはご主人様に求める理想が高い。負けん気が強く、中々反抗的で、絶望的に貧乳だ。
それでもいいならぜひ引き取って……あ、うそ! 許して、藤原さ―――

この物語は主従関係からはじまる、ふたりの恋(?)のヒストリー……らしい。
ストーリー展開にも世界観にも特筆スべき部分がなく概ねオーソドックスにも関わらず、ついつい没頭してしまう面白さというのは、やっぱり語り口の上手さということになるんでしょうね。どれだけお話が面白いネタであっても、それを伝える喋りが下手ならその面白さなんてものはさっぱり伝わらない。いやこれ、なんでこんなに面白いんだろう、と思わず首をひねってしまう作品は大概これなんですよねえ。
主人公は控え目に言ってもろくでなし。やる気のないクズ。実は熱い心を秘めていて情にも厚く義理堅い、というわけでもない。とはいえ、正真正銘のクズ野郎でも悪人でもゲスの類でもないんだけど。そこまで悪くはないんだけど、という中途半端さは実に一般人らしい範疇である。こういうのを、意識が低いというのか。
対してヒロインにして事故で使い魔になってしまった藤原千影は自分にも他人にも厳しい意識高い系。そりゃ相性悪いよね、という所なんだけれど事情が明らかになってくると千影の想太への当たりの強さは彼女の意識の高さとは関係ない、いや極めて強い関連性はあるんだけれど、想太の向上心の無さ実力の無さが自分の美意識と合わない、許せない、という類の苛立ちとは種類が異なっていたことがわかってくる。
これ、最初想太の使い魔になってしまったこと、千影は本気で絶望して錯乱して嫌がっていたのだと思っていたのだけれど、わりとさっさと諦観に飲まれてしまったというか想太の使い魔として一生仕えなければならない、という悪夢を白目剥いて虚ろになりながらも現実のものとして受け入れてしまっていたんですよね。それを不思議には思わなかったのですけれど、考えてみるともっと現実逃避したり、もっと必死になって使い魔の楔を解く方法を探し回ったり、想太に対して敵愾心を剥き出しにしてもおかしくはなかったんですよね。いや、もう想太とバチバチ文句言い合って暴れて罵倒しまくって、としていたからあんまり違和感感じていなかったのだけれど。
でも、最後まで読んで想太と千影の過去を垣間見てしまうと……千影さん、実は渡りに船だったのじゃないのか、これ。嫌がらせで、このままならアンタを婿入させて名家の当主に仕立て上げて権力闘争の渦中に放り込んで一生苦しめてやる、死なばもろともだー、とかほざいてたのも、いやわりと的確に想太が本気で嫌がる未来絵図だったので真実嫌がらせだと思ってたんですけど……実はわりとマジだったんじゃないのか?
意識して意図的だったかは怪しいけれど、無意識に望んでいたことをぶちまけていた可能性は十分にある。現場、千影自身の罪悪感や名家の後継者として決して望んではいけなくて叶うはずもなかったことを、周りにも実家にも自分自身にも言い訳できる形で、これは仕方ないことだから仕方ないのだ、と受け入れさせることができるチャンスだったわけですから。
実際の使い魔生活は、実質同棲生活そのもの。お互い距離感を図りながらのそれは、はじめて一緒に暮らし始めてお互いうまくやれる範囲を探り合う、という点で同棲じゃん、としか言えないし、その中で魔力供給のためとはいえ、週一回映画を借りてきて手を握りながら一緒に一本見るのを決まりごとにしている、とか完全にお家デートじゃないですかー。
これでどうにかならない主人公は、それほど徹底した貧乳排外主義なのか。ただ、どうにも過去の呪いの影響で記憶への干渉があるのは確かとしても、それ以外にも何らかのリセットが度々掛けられている可能性はあるんだよなあ。もしくは、自分自身で千影という存在に対してセーブをかけているか。
でも想太、呪いによって記憶だけじゃなくて人格そのものに影響を受けている可能性もあるにしても、やっぱりクズの資質はあると思うんですよね。ソフィアに対してのあのラストの仕打ちは、なかなか出来るもんじゃあないですもんね。
でも、あれはソフィアが悪いしなあ。人の話を端から聞かず、要望も懇願も無視して好き勝手して自分のやってほしいことを無理やり押し付けてくる。嫌だ嫌だといってるのをあれだけスルーされて強要されたら、現実的には弁護士案件の範疇と言えなくもない。縁切りは、相手を慮っていてはキリがないもの。
でも、それを加味した上でもあれは恨まれるよなあ、酷いよなあ、鬼畜カレシよなあという切り捨て方ではありました。浮かれてたんだよ、浮かれきってたんだよソフィアさんは。あれを可哀相、と思ってしまうのは仕方ないよなあ。ソフィアさんといいスケバンといい、感情的に一杯一杯になった時のあの描き方は、テンパってる様子や頭のなか本当にぐちゃぐちゃになってる様子がダイレクトに伝わってきて、特にいいなと思うところでありました。
一連の出来事の引き金をひいたあの召喚事故の本当の黒幕は、結局わからないまま次回へ続くか。あからさまに怪しい人が一人いるけれど、さてそれが本命かそれとも釣り餌か。なにはともあれ、面白かった。

筺底のエルピス 6.四百億の昼と夜 ★★★★★   



【筺底のエルピス 6.四百億の昼と夜】 オキシ タケヒコ/toi8  ガガガ文庫

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ゲート組織の過去に広がる、巨大な真相――

殺戮因果連鎖憑依体――
古来より『鬼』や『悪魔』と呼ばれてきたその存在は、感染する殺意であり、次元の裏側から送り込まれた人類絶滅のプログラム。未来を閉ざすその脅威に立ち向かうためには、衝突や非干渉を続けてきた鬼狩りの派閥――三つのゲート組織を和解させる必要があった。

バチカンの《ゲオルギウス会》との同盟が締結された今、日本の《門部》と敵対するゲート組織は不死者の軍勢《I》のみ。組織の裁定権を握る式務の一員となった百刈圭は、和解交渉の特使として、世界を牛耳る巨大な秘密結社のもとに赴くこととなる。
一方その頃、鬼狩りの訓練生となった若者たちも、各ゲート組織に君臨する異星知性体の目的を独自に考察しようとしていた。海を隔てた二つの場所で、真実に肉薄していく彼らが目の当たりにする、星界の影に覆われた、この世の真の様相とは。

不死者の首魁《プロフェッサー》と対峙し、夜空を見上げ、すべての真相にたどり着いたその先で、若き狩人たちが足を踏み出すことになる標なき道は、果たして、いかなる荒野へと続くのか――。
人類の存亡をかけた、影なる戦士たちの一大叙事詩。終わりが始まる、継続の第6弾。

…………(白目
ヤベえわ、やっべえわこれ。なんちゅうもうを書いてくれなんさるんじゃ。
前回の感想で
これまでも十分壮大な話だったのですが、これからはもっと途方もなく、しかし地に足の着いた「ヒト」の話になりそうだなあ。
なんて書いたんですけどね。
それどころじゃなかったよ。途方も無いどころじゃなかったよ。想像を絶するレベルで想像以上に壮大すぎで、途方もなさすぎで、あまりにも「ヒト」の物語りすぎて、そうか筆舌に尽くし難いというのはこういうのを言うのか。
叶が二人になったあの絶望的な捨環戦でもうとてつもないスケールに圧倒されてたというのに、ここで明かされた真実はあの捨環戦ですら、砂漠の砂の一粒に過ぎなかったのだと思い知らされるこの世界の置かれた状況だった。
捨環戦というものがどれほど悲惨なものなのかは、叶のあの捨環戦で十分味わったはずなのに、あれと同じことが、或いはそれ以上に悲劇的な結末が、凄まじい数繰り返され世界が切り捨てられてきたという事実には立ち尽くすしかない。
もうこれ以上の絶望はないだろうという奈落の底を、毎度毎度なんでこんな簡単に更新していけるんだろう。
同時に、こんな絶望どうやったってもうどうしようもないじゃないか、という諦めを蹴飛ばしてみせる希望をどうやったらこんな風に繋げていけるんだろう。
絶望と希望が斑に押し寄せてくるのに、濁流の中の木の葉のように押し流されていくばかりだ。
でもこんな、3つのゲート組織の間に生じてしまっていた組織間抗争の根源的に理由がまさかあんな理由だったなんて、想像だに出来るはずがないじゃないですか。色々とな前提となっていただろう世界や組織の在り方とか状況が、次々とドミノ倒しのようにひっくり返っていき、その結果として全く違う世界の姿が現れだしていくのは、ただただ呆然と見ているしかなくて、こんな真実を抱えて今までずっと動いていたのかと思うと、阿黍師匠にはもう言葉もない。
そう、この人こそが根幹だったんですね。元々謎の多い人ではあったけれど、まさかここまで真実の根幹に食い込んでいる人だとは思わなかった。まさか、こんな風に生きてきた人だとは想像もしていなかった。
すごい人だ凄い人だとは思っていたけれど、どこか遠い人ではあったんですよね。あまりに遠くの境地にある人で、圭たちと同じただの人の地平に立っている人には思えない部分があった。でもそれは、結局この人のことを知らなかったからだったのだ。シリーズはじまった当初に、当主になってしまった妹の燈のことを、大切に思いながらも別人になってしまったように感じて心の距離が遠くなってしまっていたように、その人の内面がわからないとやっぱりどこか突き放して捉えてしまうんですよね。
しかし、ここで語られた阿黍宗佑という男の人生は……やっぱり常人離れしたとてつもないものだったんだけれど、その根幹に横たわり続けたのは常に人としての意志であり、愛した人たちとの約束であり、どうしようもないくらい人間という存在の体現者であり守護者そのものだったんですね。
ただ、彼はあまりにも突き抜けすぎて、大切な約束を守るために孤独になりすぎてしまった。
空虚の中身を叶をはじめとした周りの人たちによって埋め尽くした圭とは、そこで食い違ったのですね。覚悟の質が異なってしまった。彼の兄や姉が可愛い弟に願ったことは、その約束の本当の意味はもうちょっとだけ、違うものだったんじゃないかと思えてならないのです。彼の終着駅が、本当にここだったのか。まだちょっと信じきれないところがあるのですが、もしこれで終わりだとすると辛いよなあ。報われたとは、言えないよなあ。

そして、「i」の本拠地で行われる和睦会談。って、いきなりあのエンブリオが、3巻における絶望の権化そのものだったあの狂人がちょっかい掛けてきた時には本気で青くなったのですけど……花さん、貴治崎花女医がもうなんだこれなんだこれ!?
なにこの人、なんなのこの人!? ポカーンですよ、口開きっぱなしですよ。もしかしなくても、門部で一番ヤベえのって、花さんなんじゃないのか!?
別に力とかステータスとか能力がインフレしたわけじゃないのに、三巻で登場人物たちも読んでる読者の方も根こそぎ虐殺して心へし折ってくれたあのアクマが、エンブリオが……あばばばば。

ちょっと茫然自失になりながらも、なんとかはじまった不死者のプロフェッサー、百刈圭、そしてゲオルギス会の休眠者ギスラン猊下の三者による和解鼎談。その中で次々と明かされていくゲート組織誕生の秘密と人類史を横断する真実。
これまで疑問点として浮き上がっていた部分、そもそも疑問にも思っていなかったところに至るまで、キレイにパタパタとピースがハマり、伏線が明かされ、情報が一新されていく。そうして見えてくる世界のありようはこれまでとまったく一変していて、言葉が本当に出てこない。
でも集約するなら、これは愛の物語だ。
そう、この世界は真実、人の意志と愛によって成立していた世界だったのです。各ゲート組織の頂点に立つ異性知性体と人間の関係は、本当にまさかまさかのものでした。まさか過ぎるんだよぉ!!
もうこれ、紛れもなく人間讃歌じゃないですか。人の愛の素晴らしさと尊さを説く物語じゃないですか。
ギスラン猊下、人類愛を心の底から信じている生粋の平和主義者なんだけれど、その過去の重さも相まって愛という在りようへの狂信者めいた所があるんですよね。でも、彼の在りようはこの物語においては徹底して否定されない。彼の愛も善良さも狂うほどに極まっていても壊れてはいない。少なくともこの巻の間においては、彼はもっとも人らしい人で在り続けてくれて、愛とは素晴らしいものだと体現してくれ続けてくれた。彼の在り方こそ、この世界が人の意志と愛情によって成り立っていることの証明だった。彼がずっと人間そのもので居てくれたことで、どれだけ救われたことか。
もし、この会談がプロフェッサーと圭の二人きりのものだったら、圭はもっと深みにハマってしまっていたかもしれない。少なくとも、この現場においてギスさんの存在は圭にとってもアンカーになり続けてくれたんですよね。
この三者会談がはじまったとき、プロフェッサーとギスラン猊下という何百年もの時代をまたに掛けて戦い続けている化け物たちと果たして自分みたいな木っ端が肩を並べて対等に話し合えるのか、と圭は緊張を通り越してビビってすらいましたけれど、いざ会談がプロフェッサーが知る真実を伝える場になって佳境に入った頃には、この場における真の化け物はプロフェッサーと圭の方であって、ギスラン猊下こそがマトモな人間の側であったという、立場立ち位置の逆転には息を呑む形となりましたけれど、猊下が二人に置いてけぼりにされながら必死に圭がハズレ切らないように食い下がってくれた姿には、この猊下のファンになった人も多かったんじゃないでしょうか。
だいたい、この猊下いい年したおっさんなのに、色んな意味で可愛すぎるんですよ。なんだよ、この作品屈指の愛されキャラは! まさしくゲオルギス会の秘密兵器じゃないか。こんなの隠し持ってたのかよ、ゲオルギス会、色んな意味で侮れない、侮れなさ過ぎる。

プロフェッサーの正体も、想像を遥かに上回るものでした。確かにこの人、黒幕然として色々と暗躍しているんだろうな、と思ってはいたんですけれど所詮は3つあるゲート組織の一つを掌握する人物として出来る範囲の暗躍だと思ってたんですよね。
人類史そのものの黒幕じゃねえか!!
いやそれ以上だ。彼は反逆者であり、紛れもない人類の守護者であり志士であったのだ。そして、彼もまた人を愛して人のために戦い続けていた人だったのだ。その正体にはほんと度肝を抜かれたけれど。彼の素性というか、歴史上における本名ってこれまで伏線というか、推察できるヒントとか出てましたかね!?
でも、これほどの人が、プロフェッサーが本当の意味で味方であり、猊下がやっぱり味方になってくれるというのは、もう万軍の味方を得たような頼もしさなんだけど。なんだけど。
本当の意味で和解以上の同志、運命共同体めいた共感と結束を得た途端に、さらなる絶望のどん底が、地獄の釜の蓋が開くはめに。
だから、絶望と希望の波状攻撃が毎回毎回凄まじすぎるんですよぉ。しかも、波が来るたんびにそのスケールがわけわからん規模で大きくなってるし。これいったいどうするんだよ、という有様になってるし。
それでも、それでも叶とカナエがついにその日が来たと覚悟とあきらめを得た瞬間に戻ってくるとか、圭さんちょっとヒーローすぎやしませんかね!? くそう、格好いいぞお兄ちゃん。
だいたい、叶とカナエ、二人の置かれた状況が過酷すぎるんですよね。同一存在である二人が同じ場所にいる以上、常に一本角の鬼がどちらかの叶を抹殺することで正常化をはかろうとするために、いずれどちらかが鬼に殺される日が来ることを受け入れている。生きたいと願いながら、いつかその日が来ることを受け入れて、生き残った方が圭と幸せになるんだ、と叶とカナエの二人で決めている、とか。そんなの、圭さん受け入れていいんですか? 許していいんですか? 

異性知性体の目的はついに明らかになったのですけれど、「なぜ」そんなことをしているのか、については未だ明かされていないんですよね。そして、鬼の本当の正体についても。絶対に存在しないハッピーエンドに辿り着く、鍵はやはりそこなのか。
その前に、目の前の窮地をなんとかしないとどうにもならないんですけれど、正直コレどうにかなるのか!? 全面核戦争が起こる核ミサイルの発射スイッチが押されてしまったのと大して変わらない状況だぞ、これ!?


シリーズ感想

学園者! ~風紀委員と青春泥棒~ ★★★★☆   



【学園者! ~風紀委員と青春泥棒~】 岡本 タクヤ/マグカップ  ガガガ文庫

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青春全部入りの学園物語、開幕!

青春のすべてがここにある! ……かもね。
「先輩、最高の青春時代をおくるためには、どうすればいいんでしょう?」
「……はァ?」
椎名良士は高校二年生にして、学園の平和を守るトラブルシューター、風紀委員会の一員だ。
生徒同士の揉め事の仲裁や、教師には頼れない相談ごとを請け負い、学園内で起こる事件に翻弄される日々を送っていた。
そんな椎名の前に現れたのは、帰国子女の新入生、天野美咲。
青春というものに対して斜に構える椎名と、日本の学園生活を知らないがゆえに理想の青春に憧れる天野は、ひょんなことからコンビを組むことになる。
「思春期のガキを三千人、学校なんて狭いところに押し込めりゃ、そりゃ色んなことが起きる。いいことも、悪いことも」
入学シーズンの巨大学園を舞台に、個性的な生徒たちに翻弄されながら、次々と起こる事件を解決すべく学園内を走り回る椎名と天野。
果たして二人は最高の青春時代を掴み取ることができるのか。

リア充もぼっちも、モテも非モテも、優等生も不良も、文化系も体育会系も、みんながここで足掻いてる!
恋も友情も出会いも別れも勝利も敗北も甘さも苦さも、全部入りの青春学園物語、開幕!
風紀委員の新機軸だなあ、これ。この学校の風紀委員って、取締官や治安維持要員ではなくて、自分たちではトラブルシューターって言っているけれど、日本語で言うならいわゆる調停人なんですよね。かといって生徒の分際で揉め事トラブルを颯爽解決、なんてふうには行かないわなあ。それでも、足で稼ぎ頭を下げて周り、話を聞いて考えて損得勘定を計算して、と地道に働くことでどうにかこうにか、みんなが納得する形で物事を収めて調整していく。決して言うほど派手ではない仕事で、何気にトラブルメーカーで愉快犯気質の風紀委員長が首を突っ込んできて中途半端に大事にしようとしたり、さらっと多彩な人脈を駆使して助けてくれたり、と余計なのか何なのかわからない手出しをしてくるけれど、そう概ね派手ではなく地道な活動してるんですよね、風紀委員。と言っても、委員長除けば主人公の椎名に此度新入生で入ってきた天野の二人コンビだけが実働員なのですが。
しかし、トラブルはどこにでもあって、あらゆる種類の人間が抱えている。三千人も所属するマンモス学園である。様々な属性の生徒たちが存在しているのだ。でも、普通どれだけたくさんの生徒が所属していても、一人の生徒が活動する範囲というのはどうしたって自分のグループの近縁のみになる。しかし、あらゆるトラブルが持ち込まれる風紀委員は、いわば学校のあらゆる場所、あらゆるグループと関わり合いになる組織だ。
青春のすべてがここにある、というお題目は決して伊達ではないのである。
作品の雰囲気は明るく軽妙で、ポップともいうべきノリで繰り広げられる。でも、ギャグやコメディという領域には足を踏み入れていないんですよね。これだけ明るいノリなのに、しかし常にストーリーはシリアスに、真剣に展開していく。そこで描かれるのは、直球勝負の「青春」をテーマにした物語だ。逃げず茶化さず、真っ向から青春というお題目に挑戦しているのが本作【学園者!】なのである。
最後まで読み終えて、改て全体を振り返ってみると、本作のクオリティの高さに圧倒される。いやもうなんだろう、この絶妙なバランス感覚によって整えられた青春活劇としての完成度は。
本作の作者である岡本タクヤさんというと、【異世界修学旅行】で極めてレベルの高い異世界で青春するコメディ!を見せてくれたものですけれど、舞台を変え題目を整え直し、ひたすら一点集中で青春モノというものを突き詰めて描くと、ここまでのレベル、ここまでのクオリティのものを描き出せるのか、と正直震えたほどである。
惜しむらくは、ラストの展開がとても情緒的で主人公を含めてこの作品に登場した主要な人物の誰もが抱えていた孤独に繋がる展開の妙がある話であったのに対して、強烈さとかインパクトには少々欠ける落ち着きを得てしまっていたところか。いやそれも、しんみりと噛みしめるという意味では人それぞれの好みによるだろうし、決して惜しむようなものではないのかもしれない。
個人的には、椎名くんと三島香澄ってあれ実はプライベートで関わり合う分には滅茶苦茶相性いいんじゃないだろうか。今までは生徒会の人間と風紀委員の人間という立場同士だったり、クラスメイトとしても入学当初のトラブルから特定の立ち位置に立ってしまった椎名と、ほど最初からある種のカリスマ的な存在だった三島って、立場を踏まえてのかかわり合いしかしてこず、近く頻繁に接触があって遠慮もないわりに、一線とか壁というほどのものじゃないのだけれど、立ち位置立場を踏まえての関わり合い方しかしてこなかったようにも見えるこの二人。でも肩書とかそういうの全部取っ払ってしまって、ほんとに一個人、プライベートでのお付き合いとなったら滅茶苦茶相性良さそうな気がするんですよね。何気に趣味とかもあってるみたいだし。
色んな意味で対等で、色んな意味で特別なこの二人の関係は、物語が続くならもう少し突き詰めて見てみたい気がする。
その意味では、椎名と元気いっぱいな天野の関係って、前作の【異世界修学旅行】の沢木とプリシラの関係と似たものがあるかもしれないなあ。今の所恋愛関係に発展しそうに微塵もなさそうなところが。まあ今の所、という冠がつくけれど。何しろ、天野が堪能したい青春というものの醍醐味の一つこそ、恋愛なわけですし。
ともあれ、読み味が非常に滑らかで同時に読み応えもたっぷりという、実に読み甲斐のある傑作青春モノでありました。一応この一巻で格好ついているとはいえ、魅力的な登場人物がたくさんいますし、是非、続きが出てほしいものです。

岡本タクヤ作品感想

やがて恋するヴィヴィ・レイン 4 ★★★☆   



【やがて恋するヴィヴィ・レイン 4】 犬村 小六/岩崎美奈子 ガガガ文庫

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ガルメンディア王国に戻ったルカはファニアとの約束を果たすため暗躍を開始。テラノーラ戦役、ウルキオラ暴動、ドル・ドラム戦役で傑出した戦果をあげたことにより、ルカは民衆からの絶大な支持を得て反体制勢力の中心人物へとのしあがっていく。一方のファニアは王政に身を捧げる覚悟を決め、ルカに蜂起を思いとどまらせようと煩悶していた。ふたりの思いはすれ違ったまま王国はついに革命のときを迎える―。
「民に君臨し、民を搾取し、民のために我が身を捧げる、それがわたしの誇りです」。
風雲急を告げる恋と会戦の物語、第四巻。
ヴィヴィ・レイン……可能性として何らかのシステムとか概念か何かなのか、と考えたこともあったのだけれど、ちゃんと人の名前だったのか。
って、今回一気に怪しさ大爆発な人物が浮かび上がってきちゃったんだけど、え? このタイミングで露骨すぎない?

ファニアと再会するために、彼女との約束を果たすために、ついに革命の旗印へと名乗りを上げたルカ・ヴァルカ。ただの戦場の英雄という御輿じゃなく、自らの言葉で未来を示し、人を導き、反体制組織の幹部たちを懐柔し、利益誘導をして組織間のパワーバランスを調整し、と名実ともに革命勢力の指導者へと駆け上がっていくルカ。こういうの苦手なんだけれどなあ、と気乗りしない様子だったくせに、いざ機運が盛り上がり民衆の不満がどうあっても爆発してしまう状況になって、それをコントロールするためにその苦手な分野に自ら飛び込んでいくこの男、大したものなんだけれど、それ以上に苦手とか言ってるくせにやってるうちに革命指導者として揺るぎない才覚と実力を示しちゃうんだから、こいつなんなんだろう、天才? いや、これでスラムで這いつくばって食料を探し回っている頃から本だけは手放そうとしなかった読書家であり、元々インテリでもあるんですよね、ルカって。ほんとそうは見えないんだけれど。
それでいて、理想だけで羽ばたこうとしない一歩一歩歩いて進んでいく現実主義者でもあり、ただ一人の女性との約束を守るために世界を変える決意を固めた情熱家でもあるわけだ。
はたして、これだけの出来物を歴史のいたずらが災厄の魔王と呼ばれるまでの人物に仕立て上げてしまうのだから、なんかもうたまったもんじゃないよなあ。ルカの性質からして、魔王なんて呼ばれたの結果論か、風評の類なのかと思ってたのだけれど、あのラストの展開を見るとどうやら魔王と呼ばれるに当然の所業へと走ってしまう模様で……いや、でも気持ちはわからないでもない。
あんな、いちばん大事な時にいきなり頭から水ぶっかけられるような真似されて、怒り狂わない男がいるだろうか。もう、怒髪天ブチ切れまくって正気も吹っ飛ぶわ、というようなことをやらかしてしまったのが、かのジェミニ先輩であります。
ほんとにもう最高にして最低のタイミングで、やってくれましたねこの人。ルカに嫌がらせするために全身全霊を賭けている男の面目躍如というべきか、ルカを煽るにこれ以上ないタイミングでさすがとしか言いようがない。
まあルカとファニアも、ファニア自身がこんな時になにやってるんだろう、と思わず自問してしまうような状況で積年の想いを爆発させてしまっていたわけだけれど、いやほんとにこんな時にそんなことしてて大丈夫なんかー!?とは思った、思うよ! だって、いつ民衆が暴徒化して突入してくるかわかんない場面ですよ、状況ですよ。それでもなお、辛抱たまらんかったというルカなんですよね。そりゃあねえ、何年も何年も戦火くぐり抜けて戦って戦って戦友失いながら実際革命までこぎつけて、心身すり減らしてようやく辿り着いてみたら、相手のファニアさんてばグダグダと今更になって建前ばっかりで本音を押し殺して聞かせてくれなくて、もう「だらっしゃーー!!」と爆発させてしまうのもわかる、わかる。ファニアと同じ調子でグダグダし始めずに、本音本心本体ぶつけ合わなきゃはじまらんわー、とばかりに押し切ってしまったルカはえらいです、大したもんです、男です。こういう果断でバッサリしたところ、いい主人公だと思うんですよねえ。
決して悩まず考えないわけではなく、立ち止まっていいタイミングではとことん思慮に耽溺し、想いにふけって迷って悩んでいるんですもの、彼は。
ファニアと結局どうすればよかったのか。その結論を出す時間はありませんでしたけれど、あの全部捨てて逃げる、という選択肢はあのジェミニの執着を思えば、あまり良い選択ではなかったんでしょうね。結局、どこまでも追いかけてきそうですし。ジェミニめー。
……お兄ちゃんの元皇太子さまの方は、あれだけファニアに執着してたのに実際会って自分に目がないとわかるとのたうち回った挙げ句ですがあっさりフラれたと受け止めて諦めて、ルカとファニアを応援してくれるようなさっぱりした人なのに……。いや、あれをサッパリと言っていいのか激しい疑問を覚える変人っぷりではあるのですけれど。それ以上に面白い人すぎて、この皇太子いったいどこへ行こうとしているキャラなんだろう。
アステルの残り時間もそろそろ本格的に余裕がなくなってきた状況で、ルカとジェミニの本格的な対立がはじまってしまう。ヴィヴィ・レインの正体にも徐々に近づいているけれど、風雲急を告げっぱなしだな、これ。

シリーズ感想

友人キャラは大変ですか? 7 ★★★☆   



【友人キャラは大変ですか? 7】 伊達 康/紅緒  ガガガ文庫

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連絡の途絶えたシズマを追って、異界に突入する火乃森龍牙と仲間たち。もちろん友人キャラの俺、小林一郎も一緒だ。なんてったって、シズマは俺の息子(育ての意味での)。普通に心配なのだ。異界の意外な姿に驚いたのも束の間、俺たちはキュウキ陣営の襲撃を受ける。ええい、ここが正念場だ!第三部以降ややこしくなっちまったが、元凶のキュウキをぶっとばせば龍牙の異能バトルストーリーはめでたく完結、俺の本来の居場所(日常パート)も取り戻せるって寸法よ!―大人気名助演ラブコメ、佳境を迎える第7弾!
シズマがやっぱりイイ子すぎる! それ以上に残念なところがなく全般的に優秀な面しかないところなんぞ、彼こそが御輿として掲げるべき主人公なんじゃないかと思ってしまうんだが、どうよ小林くん。友人キャラとしてストーリープランナーとしては、息子が主人公というのは自分のポディション的にも難しいのか?
結局、今回小林くんは友人キャラではなく主人公キャラになってしまおうとする自分の立ち位置、キュウキ側からの後押しを避けるために逃げ回っていたら、友人キャラとしての本分を果たすべき「日常パート」から自分から遠ざかってしまった、という致命的な判断ミスを招いてしまうんですよね。自分でも嘆いていましたが、なにやってんだほんとに!!
異界の方に引きこもってしまった小林くんをそっちのけにして、日本の方ではリューガたち主人公組と三姫たちが様々な日常パートのシチュエーションによって仲良くなったり新たな関係を築いたり、とどんどん進展していってしまうのである。ちょっと会わないうちに劇的に変わってる人間関係! 知らないうちになんか親友同士になってる敵同士だったあの子たち。いつの間にかバンドが結成され解散の危機に陥っているという勝手に進んでるエピソード。
小林くんが異界にいるせいで、幾つも堪能できたはずのエピソードが全然見られなかったんですけど! 読者であるこっちまで見れなかったんですけど!!
いつのまにか魅怨とリューガがお互いを愛称で呼び合う親友ポディションに収まっていたのを目の当たりにした時はひっくり返りましたがな。いやそれ、本来なら一巻分のメインとして描かれるような重要パートじゃないの? なんで知らないうちに終了完結してるの!?
それもこれも、全部小林くんのせいである。おのれっ。
ただ、彼の暴挙ともいうべき引きこもりは、確かにキュウキ側の思惑をも外していたようで状況は一気に総力戦に。いや、でも小林くんらが異界に引きこもってまで守っていた場所は実はまったく意味なかったんですけどね! ただ、本当に意味ないところに引きこもられたことが、小林くんとはまた違うストーリープランナーを自認するキュウキとしては、予定と違ってしまったのか。相手側からしても、あれだけ物語の進行的に無駄なことされると、どうしようもないもんなあ。
ともあれ、将軍ポディションの使徒たちも総出演で、総力戦に。でも、将軍クラスってろくにマトモなの居なかったよね。それをいうと、四凶たる魔神たちも全員ちゃんとしたマトモなやつが一人もいなかったわけですが。キュウキだけなんとか敵として黒幕っぽい動きをしてくれましたけれど、逆にちょっとマトモぽかった分、テッたんことトウテツ、コントンのおっさん、トッコことトウコツの三人のあまりもあんまりな色物キャラに比べてどうしてもインパクトが足りなかったのも確かで。
てか味方陣営が人数過多でラスト供給過剰になってしまったのは笑ってしまった。それでも、ラストはようやくヒーロー物の締めらしいリューガの必殺技での決着で、いやこういうちゃんとした終わり方って初めてだったんじゃw

ただ、キュウキ編も結局新章開始の前段階だったわけで。これはタイトルコールを変更しての第二シーズン開始ですよね? あのキャラの突然のポディションチェンジについては、今までの立ち位置の不可解なまでの中途半端さというか蚊帳の外なところからして、なにか絶対にあると感じていただけに、むしろようやくか、という待ってました感が。いやまあ、いまさらヒロイン枠になるにも色物キャラすぎるのですが。
やはり不動のメインヒロイン、小林家のお嫁さんは魅怨が譲らんかったよなあw

シリーズ感想

ピンポンラバー ★★★  



【ピンポンラバー】 谷山 走太/みっつばー ガガガ文庫

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かつて天才卓球少年と呼ばれた飛鳥翔星は、怪我のため卓球界から姿を消した。それから数年後、私立卓越学園の入学式に彼の姿があった。
そこは日本全国から集まった卓球エリートたちがひしめく最高峰の学園。翔星がこの学園に進学した目的は小学生時代に唯一敗北を喫した名も知らぬ少女を見つけ出し、そして勝利することにあった。
だが、入学初日にして彼は本物のエリートによる厳しい洗礼を受けることになる。
一年生最強の女子・白鳳院瑠璃に、怪我をしていた膝の弱点を見抜かれ、あっけなく敗北してしまう。敗北しうなだれる翔星に、瑠璃は「あなた、私のパートナーになりなさい」と告げる。彼女の目的は、才能のある彼とダブルスを組み、これまで一度も勝てたことのない相手、姉の紅亜を負かすことにあった。そして、その紅亜こそが、翔星が捜し求めていた、あの日の少女だったのだ。
学園最強女子・紅亜という共通の敵を倒すため、翔星と瑠璃は共闘関係を結ぶことになるのだが……。
その身を焦がすほどに卓球を愛し、すべてを捧げた少年の燃えるような青春。第12回小学館ライトノベル大賞・優秀賞受賞作。

イラスト担当の絵師であるみっつばーさん。【転生したらスライムだった件】でもイラスト担当している人だけれど、この人の最大の特徴ってキャラの「つり目」なんですよね。ヒロインも主人公もみんなかなりキツイつり目揃いなのである。おかげで、登場人物全員揃った集合絵の眼力の強さがえらいことになってて、強キャラ揃いのやべえ奴らだ!な感じになっちゃってるわけですよ。やべえ奴らが集った卓球野郎どもの巣窟!みたいな。
まあ実際の所、国内の天才卓球少年少女たちを集めた卓球専門のエリート校のわりに人材の密度は極めて薄い気がするんですけどね。これ、各学年の一位二位くらいしか全国レベルいないんじゃないの?というくらい。その一位二位だけが図抜けて強いのですけれど、それ以下との差がちょっと酷いことになっていて、ほんと全校生徒全員卓球やっているにも関わらず上澄みを掬い取った僅かな人数しか強くなっていないとなると、これ教育方針間違ってるんじゃないの?
中学時代を棒に振るほどの大怪我を負った主人公の翔星が復帰して卓球を再開してまだ半年、しかも怪我も完治とまではいっていなくてサポーターでガチガチに固めている状態で大いにハンデあり、という状態で殆ど敵なしで勝ってしまうのだから、看板に偽りありだわなあ。
そんな無双状態で駆け上がる翔星が、格上に当たると手も足も出ないでこてんぱんにやられてしまう、というなんていうんだろう、強さの強弱の差が激しすぎるというか拮抗した状態がないというか。弱い相手にはひたすら強く、強い相手にはひたすら弱いという感じで、このあたりの強さの並べ方というか見せ方にいささか工夫が足りないと言うか映えがないというか。
そもそも、必殺技めいた得意技をそれぞれが持っているのですけれど、あんまりイメージ湧かないんですよね。技の説明は多分にシてくれているのですけれど、その解説があんまり動作となって浮かび上がってこない。瑠璃も結局強いんだか弱いんだか。彼女の必殺技もなんか中途半端でしたしねえ。

かつての幼馴染の約束を固く守って、もう一度彼女と再会するために辛く苦しいリハビリ生活を耐え抜いて、今一度戦場へと舞い戻った翼折れし【音速鳥】。という、スポ根らしい熱い復活劇と、ラブコメと青春劇を合わせたようなあの約束をもう一度、という展開は筋書きとしては十分なものがあると思うんだけれど、やはり実際の試合の場面でギラギラと映える描写があまり見られないと盛り上がりきらないところはどうしても出てきてしまうかなあ。
次回以降、もう少し手に汗握るものがあったり、キャラの存在感が出てきてくれればいいのだけれど。

路地裏に怪物はもういない ★★★☆   



【路地裏に怪物はもういない】 今慈 ムジナ/やまかわ  ガガガ文庫

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平成最後の夏、最後の幻想がはじまる

一つの時代が終わろうとしている。
高度に発達した文明社会は路地裏の暗闇さえも駆逐し、この世界に幻想の居場所はなくなった。かつて人々が怖れた怪異は、誰しもがネットで正体不明を暴けるものとなった。
そんな幻想の余地がなくなった現代社会で、十代の少年少女を中心に不可思議な現象が起きる。
――乖異。
己が妄執こそが真の現実だと主張する、突如顕れた新たな病魔。現実から乖離し、現実とは異なる理で世界をねじ曲げる現象。乖異によって引き起こされるは、「死者のいない」猟奇事件。導かれるように集ったのは、過去に囚われた三人。
絶えた怪異を殺す少女・神座椿姫。
空想を終わらせる男・左右流。
そして、世界に残された最後の幻想である少年・夏野幽。
一連の事件に「真祖の吸血鬼」の存在を見いだした彼らは、それぞれの理由を胸に乖異とかかわっていくことになる……。
終わる平成。最後の夏。最後の幻想。
旧時代と新時代の狭間に問う、新感覚伝奇小説 がここに。
妄想具現化!!
この怪異ならぬ乖異なる現象はそう表現するのが一番相応しいのじゃなかろうか。もっとも、この乖異は妄想のまま終わらずそのまま異常が異常と認識されなくなり、そのまま現実へと推移していくという空恐ろしい結果へと至ってしまうのだが。
個人の妄想が現実を侵食する、それが可愛らしい絵空事や空想なら微笑ましいコメディにもなるのだろうけれど、ここで語られるのは人の抱える痛みや苦しみから求められた業であり足掻きであり負の感情から生じる、こうあればと願う掻き毟るような妄念だ。それらが蠢き現実へと成り代わろうとする姿はどこか無残で痛ましい。
しかし、そんな妄想に縋る彼らにとって、それは救いなのだ。彼女たちがそれを求めたことは決して悪ではない、邪まであったわけではない。しかし、弱さではあったのだ。
幽と椿姫、そして左右流はそんな彼女たちを憂いながらも、容赦なく現実を突きつけていく。弱さを指摘していく。でも、それは彼女たちを打ちのめして立ち上がれないようにするためではない。ある意味抱える痛みから逃げていた彼女たちに、現実に立ち向かうための手助けを、彼女たちが抱えていた苦しみに立ち向かうための術を、彼女たちが一人ではないと知るきっかけを与えることが、幽たちが成し得た乖異退治だったのでしょう。
最後の一人、最大の一人、もっとも忌まわしき乖異の主との対決を除いては。
翻って、それは幽たち三人にも当てはまること。過去に、歴史に、伝統に、宿命に囚われた三人にとっても、乖異に囚われた人々との対峙は自らを省みることになるのです。
もっとも、主に幽の視点で物語が推移し、幽も口数が多い割に本意については空とぼけているような節があるので、彼ら三人の心情に関してはそうだろうなと想像するほかないのですが。
特に椿姫に関してはもう少しその内面に踏み込んでも良かった気がするんですけどね。最初、キラーマシンのような冷徹非情な情緒を表さぬ怪異殺しの専門家、という体だった椿姫が話数が進むにつれて劇的なほどに人間味を見せていく姿には随分とキュンキュンさせられただけに、傍目から見た印象だけではなく彼女が何を考えているか、その行動原理にどういう変化が起こっているのかを彼女に焦点を合わせて色々と見てみたかった気がします。猫化しているときの可愛らしさは尋常じゃなかったですし。
それに、ラストのあの一文の原因って、誰が成したのかってついつい想像してしまうじゃないですか。誰が、何を思って、乞い願ってしまったのか。
ただ、この一冊に関しては殆ど一人のメイドさんがスポットライトを偏に浴びて持っていってしまいました。彼女の意志、彼女の存在感が悪意も怪物性もすべて塗りつぶし、印象を掻っ攫っていってしまいました。これは、彼女の物語であったと言っても過言ではないくらいに。
それに伍するように、拝み屋さんの地味だけれど粛々とした覚悟もまた、この作品に重みと安定感をもたらしてくれていたように思います。なんだかんだと、幽と椿姫と流という三人組の相性というか息の合ったしっくり来る良いものだったんだなあ、と思うんですよね。
出来れば、この夏の延長戦となるだろう次巻も読めればいいのだけれど。

今慈 ムジナ作品感想

友人キャラは大変ですか? オフコース ★★★☆   



【友人キャラは大変ですか? オフコース】 伊達 康/紅緒  ガガガ文庫

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俺こと小林一郎は、ただの友人キャラである。親友・火乃森龍牙の世界の命運を懸けた戦いに関わってしまったり、龍牙ヒロインズと次々フラグを立ててしまったり、敵の美少女使徒たちが居候してきたり、ラスボスである魔神に取り憑かれたりしているが、やはりただの友人キャラである。『そんな友人キャラがいるかァ!』というご指摘はいったん呑み込んで頂きたい。俺もツッコみたくて必死に我慢しているから。これは、そんな俺の苦悩に満ちた、日常の記録である―。

短編集どころではなく、掌編集というような短い話を集めたもので、どうやら新聞の方に連載していたものを改稿してまとめたもののようなのですが、これいきなり新聞で連載されても原作知らないと事情の方がさっぱりわからないんじゃないだろうか。はじまりの方で一応原作の展開の説明はされていましたけれど、ざっくりとしたものですし何より一郎の奇天烈極まる友人キャラへの拘りというものは、原作のあのしつこいまでの偏執的な彼の側面を見ないとなかなか伝わらないんじゃないでしょうか。
とはいえ、原作を読んでいる身からするとこの掌編集は見ていて楽しいものでした。特に大きな事件が起こるでもない日常の様子を徒然と描かれることで気楽に楽しめましたしねえ。
まあ、日常風景の方は本編の方でもわりと分量割いて描かれているのでここでしか見れない姿、というのは案外無いとは思うのですけれど、けっこう多くなってきたキャラが満遍なくこうやって登場するのは本編では意外となかったことなので嬉しいんですよね。龍牙ヒロインズって意外と横のつながりが少ない、というわけではないはずなんですけれど、本編だと意外と絡みが少なかったりするのでその意味ではここで見るヒロインズの友人関係というのは新鮮だったりしますしね。
何気に、三姫とのライバル関係の絡みの方が多かったりするんですよね。ここでも、そのライバル同士の丁々発止はよく見られましたし。というか、本編よりも特に事件やトラブル、問題が背景にない分気楽にやりとりしているので、普段よりも仲の良い姿が見られたり。
てか、ほんとに普通に仲良いですよね、こいつら。敵同士なのにw
小林家の家庭内の様子もお陰様で丹念に描かれているので、三姫のあのもう居候という段階を完全に通り越した所帯じみた家族感がなんともほのぼのさせられます。テッちゃん、魔神でボスのはずなのに家庭内ヒエラルキー自然に一番下になっちゃってるよな、これ。でも、蔑ろにされているわけではなくて、なんだかんだ頼られているのはテッちゃんの不思議な魅力でもある。パシリとして尊ばれている気もするけれど。
そして、ここでも小林家のオカン力を見せつける魅怨さん。小林家の内部の仕切り方がもう完璧におかあちゃん、なんですよねえ。主婦力の高さが素晴らしすぎる。それでいて、おばちゃんくさくなくて、怜さんとファッション談義で盛り上がっているようにセンスも良いし、生活力あるし、可愛いし、とお嫁さんにしたいキャラナンバーワンの座は圧倒的すぎて揺るぎなさ過ぎます。
龍牙、君は残念ながらダメだ。気がついていないけれど、君は色物系ヒロインだぞ、その本性は。
何気にテッちゃんと相性ピッタリに見えるのはあれなんなんでしょうね。
ちなみに、小林一郎の呼び方で一番自分がキュンと来るのはやっぱり魅怨の「一郎くん」です、あれが一番好きw

シリーズ感想

妹さえいればいい。9 ★★★★   



【妹さえいればいい。9】 平坂読/カントク ガガガ文庫

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相生初に続き、第15回新人賞受賞者たちの作品が続々と刊行された。那由多に憧れる笠松青菜もどうにかデビューを果たすのだが、待っていたのは酷評の嵐だった。伊月はそんな彼女の姿に自分のデビュー当時のことを思い出し、励ましの言葉をかける。一方、いよいよ放送が近づいてきた『妹のすべて』のアニメ制作ではさらなるトラブルが相次ぎ、京はいよいよ就職活動が始まり、千尋の前にもお掃除ロボットではなくちゃんと人間のライバルが登場する。大人気青春ラブコメ群像劇、妹がいっぱいの第9弾登場!!
アシュリー先生とマキナさんの大人の関係、と一言で言ってしまうには勿体無い人生の大波に翻弄されて砂浜に流れ着いたもの同士のなんとも言えない関係、好きだなあ。
同志でもあり共犯者でもあり敵対者でもある、友達であって他人であって人生の最も深い部分が交錯したもの同士。惚れた腫れたでは語りづらく、一定の距離を置きたい関係であり、しかしどこか離れるのが勿体なくて多分大切であるかもしれない関係。こればっかりはまだまだ若い連中では届かない境地なんかしら。いやまあこれも人それぞれか。平坂先生はこういうなんとも言えない距離感の人間関係ってこれまで書いてきた作品見ても、なんとなく好きっぽい気がするなあ。

さて、今回は妹尽くしの回でありました。妹さえいればいい、というタイトルにも関わらず、何気に妹が妹であることを隠している千尋と、時々登場する春斗の妹ちゃんくらいだった本作。
ある意味、妹としての立場は弟であると思われていることを除けば安泰であった千尋くんなのですが、デビュー作を酷評されて凹んでいたところをアドバイスしたら懐いてしまった青葉と、新人お爺ちゃん先生のお孫さんである小学生が、「お兄ちゃんお兄ちゃん」と伊月を慕ってベタベタしだす、つまり疑似妹の出現に伊月がデレデレしまくり、お兄ちゃんと呼んでくれる女なら誰でも良い(意訳)、というなかなかのクズっぽいコメントについに千尋追い詰められる、の回であります。
自分こそが本当の妹なのに! 自分こそがもっとお兄ちゃんに妹として可愛がられるべきなのに! というなんかもう妹を拗らせている嫉妬の仕方が、わかるんだけれど気持ちわかるんだけれど、冷静に考えるとそれはどういう嫉妬なんだ?と疑問に思ってしまうところでもあるんですよね。
そいつ、彼女持ちの義理の兄だぜ? 異性として意識して女として嫉妬している、のではないのが味噌というか肝というか。あくまで妹として妹として認められていないために妹可愛がりされてるニセ妹たちに妹的な嫉妬を募らせているわけで。ありそうでなかなか見ない嫉妬なんではないだろうか。
TRPGで弟キャラではなく妹キャラとして演じていたところから、本当の自分をさらけ出してしまう展開にはなかなか唸らされました。これ、最初から筋書きとして図ってたのか。

一方で京の就職活動も本番化。いろんな企業に面接に行くわけですが、うちに来いと言われているGF文庫にはコネは良くないと避けちゃうところは潔癖と言うか不器用というか。コネじゃなく実力を評価されてのことなのにね。ただ、就活始めた時点では編集者になる、ということにまだそれほどの意志を持っていなかっただけに、流されるようにGF文庫にお世話になるのはしっくり来るものがなかったのかもしれない。土岐さんの流されまくった挙げ句に座礁したみたいにGF文庫に入った経緯を先に聞いていたら違っていたかもしれないけれど。
ただ、明確に編集者になりたいと意識したあとの動きとしては考えさせられるものがあるんですよね。たまたま遭遇した蒼真くんの事件、そこで感じたこと投げかけられた言葉は京ちゃんの人生そのものを左右することになるのでしょう。彼女の生き様を決める出来事になったのかもしれない。神戸さん、その業界の理屈を彼女に理不尽にも見える形で示してしまったのは悪手ではなかったかと。
時として、作家さんとは会社ではなく人についていくことだってあるんだから。逃した魚は大きいどころじゃないかもよ。

やがて恋するヴィヴィ・レイン 3 ★★★☆  



【やがて恋するヴィヴィ・レイン 3】 犬村 小六/ 岩崎美奈子 ガガガ文庫

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ウルキオラ暴動から三年。神聖リヴァノヴァ帝国においてルカはジェミニらと共に帝国最強の独立混成連隊として勇名を馳せていた。ルカの編み出した新戦術は三次に及ぶ「ドル・ドラム戦役」においてその威力を発揮し、帝国軍総司令官ヴラドレン皇太子はルカに作戦会議への参加を特例で許可する。だが一方で、皇帝の血を引くジェミニは皇太子を排除すべく暗躍を開始、ルカは皇位継承を巡る闘争へと巻き込まれることになってしまった…。魅力的なキャラクターたちが織りなす一大軍事戦記。さらにさらに加速する恋と会戦の物語!!

2巻を読んでから1年以上積んでしまった。内容についてはちゃんと覚えていたのだけれど、二巻を読んで自分がどんな感想書いたのかは覚えていなかったので、改めて見直してみたらルカがどれほど献身的な性格をしているのか、という点についてよく書いていてなるほどなあ、とこの三巻を振り返ってみたら、確かに彼って尽くす性格なんですよね、この三巻でもそのあたり滲み出てる。
一方で自分自身についてはあまり省みることは少ないようで、絶体絶命になっても人事は尽くすのだけれど、それでダメだったら「ああダメだったなあ」とわりとサッパリしているところがあるんですよね。自分についてそこまで執着がない、という感じで。だからなのかわからないけれど、自分が何を望んでいるか、という点についても深いところまで考えていなくて、最後のあのシーン、説得のために自分の目的や思いというのを打ち明けていく過程で、ああ自分ってこんな事を望んでいたのかー、とどこか暢気に気づいているくらいでしたものねえ。
皇太子が淫行淫行とはしゃいでいたのも、いや待て待てと言いながらも何気に怒ったりはしてないんですよねえ、ルカって。フェニアのこと好きで、彼女のために色々頑張っている一方で彼女に対する独占欲、みたいなものがいまいち感じられないところがある。まあこれは彼女に限らないのだろう。ミズキに対しても、アステルに対しても本当に大切にしているのだけれど、彼女たちに対して自分が自分が、という執着めいたものは殆ど見せたことがない。アステルが微妙に不満そうにしてるのって、ちゃんと構ってくれないという点を突き詰めてのそうした執着を見せてくれないところにあるんじゃないかな、なんて思ったり。

……こうしてみると、中身空っぽで全然何にも大切にしなくて利害が拗れたらすぐに切り捨てるくせに、凄く執着するのがジェミニなのかもしれない。少なくとも、ルカに対しては幼少の頃に何にも言わずに居なくなったことずっと根に持ってるし、母親に対しても根に持って執着していた部分があったわけで。
ルカってジェミニの人間性について深く理解していたけれど、考えてみると自分がどれだけ執着されているか、というところに関しては無頓着なように思える。これも、ルカの自身の省みなさが強く作用しているのか。ジェミニの悪しき部分をあれだけわかっていながら、フェニアのこととか自分の目的とか平気でペラペラとジェミニに喋ってるし、いざ決別したときもその点に関して危機感を全く抱いているようすがなかった。これも、ジェミニが自分に拘っている、という観点が一切なかったと考えればよくわかるんですよねえ。もちろん、これからどうなろうとジェミニが悪し、なんですがルカはあれだねえ、せっせと種まいて耕して去っていった感じである。

しかし、ジェミニもジェミニで凄いですよ。あのルカの尽くす性格をして、「あ、こいつさすがにあかんわ、ついていけん!」と思わせてしまったくらいですもんねえ。ルカがよっぽどのことがなければずっとついていくつもりだったのは、一度はジェミニが間違えた道を歩いてっても一緒に間違えてやる、とまで言ってのけたことからもわかりますしねえ。ルカをして突き放した人物は、ジェミニが史上初でしょう。それでも突き放しきれずに、別れ際にお説教なんかしちゃってジェミニの行く末を心配してるんだから、ルカってばほんと筋金入りなのではないでしょうか。
だからこそ、ミズキやアステルだけじゃなく、他にもついてくる人が増えてきたのでしょう。まあ、この場合、比較対象がジェミニだった、というところがアレだった可能性もありますけどw

そう言えば、はっきり言ってノーマークだったミズキもその身の上に何らかの秘密がある可能性が出てきたんですね。あの義妹と一緒だったワイバーンとの再会シーンでのミズキの登場、意味深だったのにこの巻では結局その後一切触れられず。同じ巻で回収されないということは、これはよっぽどの伏線なのか。
フェニアの方もだいぶ頭押さえつけられてへこたれてるみたいだし、動向があちらもこちらも目まぐるしい。まだ三巻なんですよねえ、このシリーズ。密度が凄いなあ。

シリーズ感想

友人キャラは大変ですか? 6 ★★★☆   



【友人キャラは大変ですか? 6】 伊達康/紅緒 ガガガ文庫

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しっちゃかめっちゃかな学園祭編!!!

雪宮さんの体調不良から始まった第三部。
物語はおむすびのごとくころころ転がって、完全に俺、小林一郎の手を離れてしまった。

「まさかラスボスがダブルブッキングしてしまうとは……」

なによりの問題はこれである。
モッサリ魔神のトウコツだけでなく、あくどいキュウキの相手までしなくてはならなくなった。
例えるならFCバルセロナとの試合中に、レアルマドリードも相手にしなくてはならなくなった感じだ。

どうしたものかと悩む俺だが、日常は容赦ない。季節は秋、まもなく学園祭を迎える。
歌唱ライヴをやるという龍牙と四神ヒロインズのサポートも、当然友人キャラたる俺の職務である。

さらに、龍牙をメインに据えた女装メイド喫茶がクラスの出し物に決まり……?

くそ、明らかに手も足も足りてねえが、学園祭で主人公を輝かせられなくて何が友人キャラだ!
ぜんぶ並行しながら、龍牙を祭の主役にしてやるぜ!

カオスがカオスを呼ぶ第三部学園祭パート、ここに開宴!
いやいやいや、モッサリ魔神のトッコはもう戦う気端からないんだから無理にラスボスにしなくていいじゃないか。そういうとこだぞ、小林一郎。自分の友人キャラムーヴとシナリオに拘泥して、役を強いようとするところ、ほんとダメだからね。
それ、指摘されて自省したと思ったらわりと速攻で反省したのを忘れちゃったような有様になっちゃってるし。こいつ、まるで反省していない!?
よくよく冷静に振り返ってみると、状況がシッチャカメッチャカになっている最たる原因は一郎なんですよね。彼が自分のシナリオに拘泥して情報の共有を制限して各人の行動をコントロールしようとした結果、見事に片っ端から破綻しまくって見事にしっちゃかめっちゃかになっちゃったんだからね、これ。ある程度大事な情報を共有して目的を一本化したら大方のトラブルは混乱を来す前に解決できたような気がする。まあ、状況が混沌と化したからこそ魔神サイドが身内になったんじゃ、と考えることも出来るので一概に一郎の行動が状況を悪化させ続けたとは言えないのだけれど。
だいたい、一郎が最善を尽くしてしまうとこの話、何の面白みもないハーレム異能モノになってしまうので、混沌を牽引する一郎がいないとこれほどドタバタと騒がしくハチャメチャな話にならなかったわけですけれど。
まあすでに、一郎ってもうどう見てもシナリオ管制のコントロールを失ってしまっているんですよね現状。あまりに状況が錯綜しすぎて、一郎も全体的に何がなんだかわかんなくなってるきらいがあるんだけどw

そんな中で、ぽややんとした魔神たちの中から唯一強烈なラスボスムーヴを発揮しだしたキュウキ。話のわかるいいヤツ揃いだった魔神の中で、一人真っ当に悪人をやってくれるキュウキはこの際、状況を一纏めにしてくれる救世主なんじゃないだろうか、この場合。
一郎としても、ラスボスがちゃんとラスボスしてくれるとシナリオがすっきり一本通って収拾しやすくなるだろうし。
阿義斗が一郎が関わったせいなのか、クールで非情な敵役がやたらとシモネタを連発する変態になってしまった今、悪役ムーヴしつづけるキュウキが唯一の希望である。いや、アギトまじでキモいからそれw

シリーズ感想

空飛ぶ卵の右舷砲 ★★★☆  



【空飛ぶ卵の右舷砲】 喜多川 信/こずみっく ガガガ文庫

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人造の豊穣神・ユグドラシルによって繁栄を極めた近未来。人類は植物を自在に操り、時にはビルさえ"育てていた"。そんな文明絶頂期の中で、『大崩壊』は起きた。世界人口の半数以上が死に絶え、各地ではあらゆるシステムが麻痺。さらに突如現れた樹獣、樹竜と呼ばれる異形の怪物たちによって、人類はあっという間に地上から追放され、その拠点を人工の浮島・海上都市へと移した。
『大崩壊』から数十年。小型ヘリ<静かなる女王号>を操り、樹竜狩りを生業とするヤブサメ。彼は妹が患う奇病を治すため、師であり相棒でもあるモズとともに仕事をこなしながら、日本各地を飛び回っていた。そんな中、二人は東京第一空団副長セキレイの窮地を救い、その腕を買われて旧都市・新宿での大規模探索作戦への同行を依頼される。彼らを必要とするセキレイはヤブサメにこう囁きかけた。
「この作戦の成功は、キミの妹の病を治す事に繋がるかもしれない」
しかし新宿は「帰還不可能」とも噂される、Sクラスの危険地帯。割に合わないと、モズは難色を示すのだが――
これは鋼の翼と意志で空を駆り、樹竜を狩る者たちの物語。第12回小学館ライトノベル大賞・審査員特別賞受賞作。
作者がすごくすごくヘリコプター大好き! というのがよく分かる一作でありました。
だって、ヘリ大活躍ですもの。主人公たちが乗る<静かなる女王号>だけならともかく、いわゆるモブに当たるだろう他のヘリ。東京第一空団のヘリとそのパイロットたちも縦横無尽でしたもの。ヘリの機動力、攻撃力もさることながら、なかなか落ちないそのしぶとさ、タフネスさ、万が一被弾しても簡単には墜落しないその生存性。通常なら救援に迎えないような場所でも果敢に要救護者を助けに行けるどこにでも降りれる汎用性。ヘリって凄い、強い、なんでもできる格好いい! というのが伝わってくるんですよね。そのヘリを操るパイロットたちの粘り強さ、技術力の高さ、まさに凄腕たちという感じがまたビシビシ来るんですよね。
ラストの大規模探索作戦なんぞ、激戦も激戦。樹獣や樹竜という怪物の大群相手にあらゆるヘリが獅子奮迅、神がかりとも言っていい機動戦闘を見せてくれるわけです。どのヘリも簡単には墜ちないどころか、思わずブルっとくるような神業や最後まで諦めないプロフェッショナル仕事を駆使するのである。結局、墜落した機体はあってもどの無名キャラでも機体を制御しきって不時着まで粘って持ち込んでましたしねえ。
ヘリは死なぬ! ヘリは死んでも自分に乗る搭乗員は死なせぬ! と主張するようなヘリ三昧でありました。何気に機種も、地上から追いやられて海上都市に生存し、かつての文明を失った人類が運用しているにはびっくりするくらい多種多様の機体が出てきますしねえ。
樹獣や樹竜の素材がヘリ含めて様々な高度な機械にも使える、という要素はあるにしても、まあ大したものである。主人公たちが駆るOH-6Dは観測用の小型ヘリにあたるんだけれど、D型って自衛隊仕様らしいんですよね。相性は幾つかあって、そのうちの一つがフライングエッグ。空飛ぶ卵、すなわちタイトルのそれにあたるわけですね。いや、言われなきゃわかんないよ、このタイトル。
ヒロインにしてボスにして船長たるモズさんは、控えめに言ってもダメ人間であります。ヤブサメくん、どう考えてもとっととこの人見限って、別に就職したほうがいいと思うんだけれど。自堕落とかならまだいいんだけれど、稼いだ金根こそぎギャンブルやら酒やらで速攻使い果たしてしまうとか、完全に離婚案件、昭和のクズ親父である。昭和とは限らんか。古来よりクズと呼称されるダメ人間の典型である。どれだけ機上では有能であってもなあ、生活費も給料も使い込むようなのははっきりアカンでしょう。
ヤブサメくん、腕は確かだし空団からもスカウトされてるんだから、目的があるにしてもこの人の元だとちゃんと情報も入手できるのかどうか。
別にモズさんにベタぼれ、というわけでもなさそうなので、そのうち普通に以前のモズさんの相棒のように見限って離れてっても不思議ではないぞ。
結局、ヤブサメくんが目的としている妹の治療にまつわるあれこれに関しては、ヤブサメくんがそれを抱えている、という話が出ただけで、探索作戦の方にかかりっきりで触れることすらなく終わってしまったので、なんだろうこの一巻はキャラの関係の掘り下げや抱えている事情の解決というところは一切置いておいて、ひたすらヘリアクション! という勢いだったのかもしれない。
セキレイさんの政治的な立場と野心とか、ヒタキとの和解と親睦についても、後回しとか勢いでなんか解決、みたいな感じでしたし。
まあ「ヘリコプター!」という主題については、これでもかというくらい存分に叩きつけた感もあるし、実際ヘリアクションは手に汗握る熱いもので、読み応えありましたし、これはこれで満足度としては十分なのじゃないでしょうか。
変にごちゃごちゃ足止めて個々を掘り下げるよりもこちらのほうがいいのかも。
文明崩壊後の、それでもある程度の技術を維持して果敢に生きようとしている世界観も雰囲気のある良質で味のあるものでしたし。良作良作。

妹さえいればいい。8 ★★★☆  

妹さえいればいい。 8 (8) (ガガガ文庫)

【妹さえいればいい。8】 平坂読/カントク ガガガ文庫

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土岐健次郎、切腹……!?

年が明け、『妹のすべて』のアニメ化発表が着々と近づいていたある日、なにげなくエゴサーチをした伊月が見たものは「妹すべ、アニメ化決定!」という新刊の画像付きツイートだった。その画像の出所はなんとギフト出版の公式サイトで……。伊月やアニメ関係者からの信用を失ったGF文庫編集部が放つ、起死回生の一手とは……!? 伊月や土岐がアニメに翻弄される一方で、春斗や京、他の新人作家たちの物語も進んでいき、千尋の心にも大きな変化が訪れて――。
動き続ける青春ラブコメ群像劇、第8弾登場!!

そ、そうですよねえ。お父さんとしては、自分の息子の偏執的なまでの妹への執着を知ってしまったら、新しく出来た連れ子の娘に何をされるかわからん、と危機感を抱いてしまうのも無理からぬこと。
他人の性癖なんて家族だろうと傍からはそう簡単に認識できるもんじゃないし、妹属性なんて言われてもまあ妹が好きなんだろう、程度の把握で終わってしまうだろうところを、伊月の場合本という形で恐ろしいほどに赤裸々にその趣味趣向を語り尽くした狂気の沙汰の代物を実際お父さん読んでしまったわけですから、こいつやべえ! と思うのも仕方ないよ、うん。
そこはそれ、書いている内容がそのまま筆者の内実であるわけはないのだけれど、伊月の場合は完全に一致しているし、これほどの危機感を覚えるということはお父さんとしても日常の中に家族としてそういう傾向を見出していたんだろうし、うん。
千尋本人としては、伊月に対して性別を隠す理由は何もなくて、それどころか自ら望んでそうしている風でもなかったので、なんでだろうとは思っていたのだけれど、これほど伊月の父の意向が働いていたとは。
ただ、現状では千尋が妹だということが伊月にバレることは、当初危惧していたほどの爆弾にはならなさそうではある。それだけ、伊月と那由多の交際が真剣かつ順調で、いまさら妹が出来たところで伊月が心変わりするような関係ではなくなっている、というところが大きいからだ。
ほんと、最初の方は妹バレがシリーズの中でも最大級の爆弾として物語を激震させるかと思ってたんだけれど、平坂さんは前々からこういう定番たる展開の仕込みをあっさりと無力化して流してしまうところがある。そういうのを肩透かしに終わらせるのではなく、物語の中の妙味として活かしているのだから、流石だなあ、と。
ただこれ、妹バレした時点では起爆しなくても、何気にあとあとで効果発揮してくる場合があるだけに油断ならない。今の所伊月は那由多の作家としての天才性に対等に戦ってみせる気概に満ちあふれているけれど、地雷はふんだんに埋設されているだけに……。
しかし、当面はバレても問題にならないところには来ているだけに、お父さんのもう正体を明かしてもいいなじゃないか、という判断は決して間違ってはいないのだろう。
問題は、千尋の女性としての交友範囲が義兄の伊月だけに限定されずに、いつの間にか伊月の周囲の面々にまで広がってしまったことにある。既に伊月を介在せずに多くの友人関係を構築してしまっているだけに、いまさら千尋の性別を明かすことが伊月相手だけで済む問題じゃなくなってるんですよね。
これは千尋としてはかなり困ったことになっている。まだ未成年の彼女としては、多くの友人を騙していたという事実を明らかにして関係を再構築する、というのは大変な勇気を必要とする件になってしまっていて、これはちょっと足踏みしてしまうわなあ。
せめて相談できる相手がいればいいんだけれど。これに関しては、大人組であるアシュリー先生と千尋は知らないけれど独自に気づいてしまっている土岐さん、という二大頼れる大人が彼女の正体を知っている、というあたりにセーフティゾーンが敷かれている、と思えばいいんだろうか。
まあそうそうひどいことにはならないだろうことは、みんな関係者いい人だけに安心は出来ているのだけれど。

とりあえず、シェアハウスで一緒に暮らすことになって速攻、家に伊月連れ込んで隣の部屋にみゃーさん居る状態でにゃんにゃんしようとしていた那由多、鬼畜であるw
エロマンガだとその流れで行き着くところに行き着いてしまいかねないのだけれど、これエロマンガ先生じゃないからなあ。
しかし、みゃーさんバイトの段階で編集長から部屋紹介されて家具とかも手配してもらって、って同居人が那由多と蚕先生という重要人物であるとしても、尋常じゃない優遇のされ方だというのを全く自覚してないのな。意外と自分のことについてはわからんもんなのよねえ。

シリーズ感想

友人キャラは大変ですか? 5 ★★★☆  

友人キャラは大変ですか? 5 (5) (ガガガ文庫)

【友人キャラは大変ですか? 5】 伊達 康/紅緒 ガガガ文庫

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もうひとりの主人公、登場!?

最近、雪宮さんが体調不良で学校を休んでいる。彼女は白虎の巫女。生命力は折り紙つきで、そんな雪宮さんが体調不良なんてこれは一大事だ。すわ、雪宮汐莉メインエピソードが始まるかと思いきや――。
俺的に、とんでもないメインイベントが始まってしまった。うちのクラスに、転校生が来たのである。しかも、とんでもない主人公オーラの持ち主が!

「よろしくお願いする。名前は、天涼院阿義斗(てんりょういん・あぎと)だ」

こんな主人公感のあるやつは、龍牙のほかに見たことがねえ……!
……俺も最近、友人キャラ(笑)みたいになってたからなあ。男・小林一郎、ここは阿義斗とがっつりダチになって、友人キャラの面目躍如としてやるぜ!
――新たな主人公の登場で、新旧主人公対決が勃発!? そして汐莉の問題にも意外な展開が……?
大人気名助演ラブコメ、新展開の第5弾!
雪宮さん回なのに表紙は保険医の呪理なのかー、と思ったんだけれど雪宮さんは一応二巻で表紙飾っていたのか。
敢えてここで三姫長女の呪理を持ってきたということは、このまま魅怨、忌綺と三姫で続けていくつもりなんだろうか。それだけ先の見積もりが立っているというのはありがたい話だけれど。
まあ今回はようやくヒロイン衆の残されていた最後の一人、雪宮さん回だと思ったらそう見せかけて殆どトウコツことトッコちゃん回だったんで、雪宮さん物語的にも大迷惑である。小説だとビジュアル的にお嬢様な雪宮さんが超田舎娘状態になってる見た目のギャップはあんまり伝わってこなかったのだけれど。
セバスチャンも、なんでこんな仕え甲斐のなさそうな魔神に忠誠を誓ってしまったんだろう。昔は違ったんだろうか。どうもトウテツたち、こいつら元々こんな感じだったようにしか見えないんだけれど。
とまあ、トッコちゃんがテッちゃんたちを上回る超穏健派だったために、物語的にはバトルも起こらず穏当に済みそうになってるのに、一郎がむしろそれを混ぜっ返そうとしてキュウキ勢力に利用されてしまって、となんだかんだと今回一郎が要らんことをしまくっていた気がするぞ。
友人キャラとしての立場にまだ未練があるのか、ストーリー展開のバランサーを気取ってしまっているのか、あれこれ話を盛り上げようとして無駄にしっちゃかめっちゃかにしちゃっているあたり、君はいったい何キャラを目指しているんだ、と。黒幕キャラか!? 少なくとも、もう友人キャラも主人公キャラでもない気がするんだけれど。
新登場の阿義斗に龍牙たちほっぽりだして嬉々として友人キャラとして絡んで行っちゃってるところなんぞ、それもう浮気同然ですし。こらこら、今龍牙たんたちの話にあれだけどっぷり首まで浸かっているのに、他の物語にまで首を突っ込もうとしてどうする。それも本気ならともかく、久々に友人キャラやりたいから、という遊び感覚だったしなあ。
今回はちょっとデートイベントに関しても、みんなのこと蔑ろにしすぎていたように思う。少なくとも友人キャラを自認しようというのなら、友達は大切にしなさいよ。
あと、幾つかの秘密、龍牙が女の子だという話とか、三姫が一郎の家に同居しているのとか、知っている人と知らない人が錯綜してしまっているのは、とりあえず本当に一度整理した方がいいと思うぞ。トラブルに際して誰にどう相談していいのか、混乱してしまいますし。
必然的に全部承知している三姫たちに頼り切りになってしまって、メインヒロインがそっち側に移りがちになってしまう原因にもなってますし、三姫とえらい仲良くなってしまったエルミーラの出番が加速度的に増えて、なんもしらん雪宮さんが加速度的に外の方に追いやられてしまっている遠因にもなってる気がしますし。とりあえず雪宮さんはメイン回がこれって出番的にも可愛そうすぎるので、次回の決着編では頑張ってほしいものであります。

シリーズ感想

六人の赤ずきんは今夜食べられる ★★★☆   

六人の赤ずきんは今夜食べられる (ガガガ文庫)

【六人の赤ずきんは今夜食べられる】 氷桃 甘雪/シソ ガガガ文庫

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生き残れるか!?戦慄のパニックミステリー

名声のために罪を犯した過去を恥じ、いまは猟師として各地を旅する「私」。ある日、迷いこんだ村の村長から奇妙な警告を受ける。
『森には、秘薬を作れる「赤ずきん」と呼ばれる少女たちが住んでいる。赤い月の夜、彼女らはオオカミの化け物に喰い殺されるが、決して救おうとしてはならない』と。
だが、出会った「赤ずきん」のひとりに、かつて見殺しにしてしまった少女の面影を見た「私」は、警告を無視して彼女たちを護りぬくことを決意する。
「私」の策は、森の外れの「塔」に、六人の「赤ずきん」とともに朝まで籠城すること。だが、その途中で「私」たちは化け物から思わぬ襲撃を受ける。そうして、「私」は知ることになる。「赤ずきん」のなかに、裏切り者がいることを――。
息詰まる攻防の果てに、「私」は少女たちを護りきれるのか? 第12回小学館ライトノベル大賞・優秀賞受賞。戦慄のパニックミステリー!
色んな童話や伝承をごった煮、というよりもその物語に出てくる記号を名前だけ借りたようなものか。話自体はこれ独自のもので、それぞれの童話などは全然関係ないものね。……関係ないよね? 特に意味が込められてたりとかないよね。「私」がかの人物だった、というのもそれ自体に裏や意味があったように思えないし。あれってあっと驚く展開だったんだろうか。
ハッピーエンドではなく、実はホラーな終わり方だった、という示唆を含んでいる。なんてこともあんまり考えられないし。猟師の「私」の後悔は、狂気に至る前にここの赤ずきんたちを護ることで区切りがついたように見えるわけで、彼のその名前が恐れとともに語られる要因が発生する可能性も乏しいように思えますし。

この中に1人、裏切り者がいる。
赤ずきん全員が意思疎通が不可能と思われる獣に狙われている、という状況で裏切り者ってなんだよ。自分の首締めるだけじゃないか、という当然な疑問が生じるのですが、それもこの赤ずきんの血族が、毎年一日だけ「ジェヴォーダンの獣」に狙われ食い殺される、という状況そのものに秘められていた真実が明らかになるにつれて解消されていきます。
なぜ、どうして、誰がどんな目的で、どうやって、こんな事をやっているのか。あからさまに怪しい動きをしている人なんかも居ますけれど、ちゃんと全部に理由づけがなされていて、謎が紐解かれていくのはミステリーとして、なかなか整然としていて面白かったです。
ただ、赤ずきん個人個人に関しては掘り下げも少なく、それぞれの人間関係ももひとつ踏み込みが足りなかったせいか、表面をさらったくらいの感触でしか無くキャラクターに対してあんまり関心を寄せることは叶いませんでした。黒幕の正体についても、あんまりサプライズでもありませんでしたし。いやなんちゅうか、ポディション的にあからさますぎません?(苦笑
とはいえ、作中では殆ど怪しい素振りを見せなかった、というのはそれだけ作中の登場人物たちに怪しまれない、という意味でもあり、あれだけ切羽詰まった状況で精神的に追い詰められている場面では、そりゃ怪しいやつから怪しまれるのは当然だしなあ。
当面の脅威であるジェヴォーダンの獣からして、ただの怪物ではなく狡猾どころではない立ち回りで迫ってきますし、一度ならずちゃぶ台をひっくり返される展開もあり、ただのミステリーではなくパニックミステリーという肩書に相応しい緊迫感が最後まで続いていて、手に汗握るものがありました。


異世界修学旅行 7 ★★★★★  

異世界修学旅行 7 (ガガガ文庫)

【異世界修学旅行 7】 岡本 タクヤ/しらび ガガガ文庫

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出逢いと別れの異世界修学旅行、最終日!

異世界修学旅行、そして伝説へ!

修学旅行の最中に突如飛ばされてしまった異世界で、王女プリシラと共にクラスメートを捜しながら修学旅行を続ける沢木浩介たち二年一組。
ついに、残るクラスメートはあと一人。
そしてその最後の一人、山田という少年は、大方の予想通り、浩介たちより先立ってこの世界にやってきて、魔王を倒し、世界を平和に導いた勇者となっていた。
世界を救った勇者は、やがてもとの世界へ――日本へと還っていく。
そんな、この異世界で何度も繰り返された筋書きをなぞるはずだったが、事態は予想外の方向に進んで……。
「ぼ……僕は、日本には還らない! この異世界で、これからも勇者として生きていくんだ!」
帰還を拒否する勇者山田を何とか連れ戻そうと、異世界を巻き込んだ最後の大騒動が幕を開ける!
そしてその最中、浩介は旅の終わりが近いことを意識する。
「おぬしらは、日本へ還っていってしまうんじゃよな。妾を置いて――」
クラス全員揃っての日本への帰還――異世界修学旅行の終わり。
それは、プリシラとの別れでもあった。

異世界から日本へ還ってゆく修学旅行生たちの異文化コミュニケーションコメディ、第七弾!

旅は旅でも当て所のない旅でもなく、どこか目的に向かって延々と歩き続ける旅路でもない。旅行なのだ。これは修学旅行なのだ。その旅先が異世界であっても、旅行であったならば家に帰らなければならない。どれだけ楽しくても、そこでかけがえのない友達ができたとしても、帰らなければならないのだ。
というわけで、さよならのシーンでボロ泣きである。わりとマジ泣きでありました。
だって、本当に楽しかったんだもの。楽しければ楽しいほどに、その終わりがとてつもなく寂しい。誰よりもこの旅行を、みんなとの旅を楽しんでいたプリシラと、ここで別れなければならないとなればなおさらに。
これが、もう二度と会えない別れとなるならば、なおさらに。

勇者山田はともかくとして、他のまだ未回収だったメンバーも雑に回収して、って本当に雑なんだけれど、その雑さすらもネタにしてしまうあたり、プリシラのキャラクターの強力さとお得さが知れるというものであります。
本作は、異世界集団転移モノというジャンルではあるのでしょうけれど、その中でもとびっきりの異端だったのでしょう。何しろ、呼び出された先は既に魔王が討伐され平和になった世界。召喚されたクラスメートの大半があっちこっちに散らばってしまって、その回収の為に世界を回ることになったのだけれど、その案内人たるプリシラ姫ときたら、こっちの世界の人間よりも日本のポップカルチャーに詳しいを通り越してもうあんた博士だろう、というくらいの現代エンタメネタの宝庫であり、そんな彼女とともにこれは異世界を遊び回り、異世界を観光し、それでいて色んなトラブルをみんなで協力して乗り越える、心を豊かにする青春劇だったのだ。二度と経験できないだろう、特別な体験だったのだ。それは、いつか異世界から訪れる異邦人たちと冒険の旅をするのだ、と夢見ていたお姫様にとっても、掛け替えのない体験であり、きっと予想していなかった楽しい時間だったのだ。
だから、こんなにも寂しい。別れが辛い。でも楽しかったからこそ、笑って「さよなら」を言い合える。二度と会えないのだとしても、「またいつか」と再会を約束できる。
旅行という特別な時間の中で、だからこそ少しずつ変わっていく自分たち。成長なのか羽化なのかわからないけれど、楽しいの冠がつく非日常体験は普段と違う自分を発見させてくれる。そうやって、少しずつクラスメイト同士の関係も変わり、自分も今までやろうとしなかったことを頑張る気になる。それは、修学旅行らしい特別な効果だ。今まであまり交流のなかった人と仲良くなったり、それまでよく知っていたと思っていた人のことを見直してみたり。
でも、幾ら特別な時間をもたらしてくれる旅行でも、同じメンツだとなかなか殻は破れないんですよね。異世界という特別すぎる環境に、ホームシックにさせてくれない日本に詳しすぎるプリシラという超強力な牽引役の存在こそが、この旅を最初から最後まで「楽しい」ものにしてくれたのだろう。
旅行の時間が終わりに近づいているのを理解しつつ、物語のノリはいつまでたっても変わらない。それは、プリシラもみんなも敢えて、だったんですよね。別れの時間が近づいてくることを努めて無視しようとしていた結果が、いつものとおり、だったのだと今にしてそう思う。
だから、本当に別れの時間になった時の想いの爆発が、抑え切れない感情の交歓が、もうたまらないあのシーンへと繋がっていったのだろう。たくさんいるクラスメイト、みんな強烈なほど個性的で、よく印象に残る連中ばかりでした。雑に扱われたw最終合流メンバーもその雑さ故にわりと印象に残ってたし。そういう意味でもプリシラのパーティー編成コミュは絶妙だったんじゃないでしょうか。楽しい、楽しい連中でした。綾ちゃん、ついぞ目立たぬポディションを維持し続けたなあメインヒロインなのに、と思ってたんだけれど、彼女の場合そうなってしまった、のではなくてキャラが勝手に動いてうまいことそんなポディションを確保し続けたのだ、という作者の回顧には思わず深く納得してしまった。いや確かに、うまく動かなくて、という目立たなさじゃなかったですもんね。そこにいるのにうまいこと視線から外れて、スススっとその位置に動き続けた、と言われると凄く納得。それでいて、プリシラと沢木が良い雰囲気になることがなく、友達ポディションに固着するようなバランスの取れた立ち回りをし続けてたわけですしね。このプリシラと沢木のまったく恋愛臭のしてこない、でも意気投合した息のあいっぷりは振り返っても感心させられるものでした。変に恋愛が絡んでしまうと、この旅行の楽しさやその終わりの別れに余分が混じっちゃうことを思うと、最上の関係性だったもんなあ。
締めの、あの余韻を余韻のままで終わらせてくれない、楽しいを想い出の中だけに置いていかないラストは、私はとても大好きです。それでこそ、それでこそ。
楽しい楽しい傑作でした。

シリーズ感想

俺、ツインテールになります。15 ★★★☆  

俺、ツインテールになります。 15 (ガガガ文庫)

【俺、ツインテールになります。15】  水沢夢/春日歩 ガガガ文庫

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女神の口から語られるツインテールの真実!

強敵メデューサギルディを倒し、神の一剣の完全撃破に向けて気持ちを新たにする総二たちツインテイルズ。だがトゥアールは、自身の発明であるテイルブレスオルターを敵の科学者マーメイドギルディに強奪されたことを仲間たちに告げられずにいた。苦悩を悟られまいと、いつも以上に明るく振る舞うトゥアール。そうとは知らない愛香たちは、総二へのアタックの激しさを増していくのだった。
そんなある日、総二の前に再びソーラが現れ、もう戦ってはいけないと忠告する。一度は総二のことを認め、心を託してくれたはずのソーラが何故!? そして、ソーラはさらに驚くべき行動に出る……。
一方、テイルブレスオルターからテイルギアのデータを解析したマーメイドギルディは、エレメリアンに使える装備を開発してしまう。テイルギアと同等の力を持つ武器を、人智を超えた怪人が使い侵攻する……。人間である総二たちにとっては絶望的な戦局が幕を開けた!
来襲するアルティメギル最強の"切り札"! そして女神の口から語られる、ツインテールの真実とは!? 宇宙がツインテールとなったあの日、全てが始まった――。
「ツインテールは斯く語りき」、或いは「真ヒロイン登場(二人目)」。
愛香はヒロインとして最近すごく頑張っているのはわかるんですが、ソーラの乙女力がナリュラルに高すぎる!!(前巻に引き続き二人目)。
というか、ソーラが高すぎるのではなく、元から乙女力が低すぎる人がどれだけ頑張って底上げしてもパッドはパッドという真理に通じる話なのかもしれません。
それはそれとしても、あのソーラのいきなり出てきてあのいきなりメインヒロインの風格はさすがというかなんというか。ソーラ当人としてちゃんと人格キャラクターを前にして登場してきたのは今回が初めてのはずなんですけどね。ちらっと映し身というか総二が自分のツインテールと対話するという体でちらっと登場したことはあっても。
今回は悪の組織が牽引するニセヒーロー回でありつつ、擬人化というテーマも潜んでいて、まさにツインテールの擬人化でありあらゆるツインテールのオリジンともいうべき少女の顕現ともいうべきソーラの登場だったのですが、さすがはツインテールを盲愛する総二というべきか、ソーラへの接し方がイケメンすぎて、こ、こいつ普段はツインテールにしか興味がないくせに女の子にときめく男の子みたいな反応を、と普段と同じように見せかけて微妙に普通の男子みたいなところを垣間見せるという異様なようなそうでもないようななんともいえない状況に。
まあそれだけ普段と変わらないことにうつつを抜かすことができているのは、結翼唯乃がどうなったのかを致命的に錯誤しているから、とも言えるのですが。というか、総二たちが唯乃がやられたことを知らないってのは展開的にもヤバイんですよね。唯乃復活への筋道が思いの外遠いことになってることに気付かされてしまう。
未だにトゥアールがギャグキャラとして復調しきれず、テンションあがりきらないままなのでコメディとしてもなかなかあがってこないところもありますし。それは、敵側のエレメリアンのコメディリリーフとしての人材が枯渇してしまっている、というのも大きいのですけれど。メデューサギルディは完全に悪役そのものですし、新たな幹部級たちは敬愛スべき敵というにはちょっとズレてますし、今までのような相いれぬながらも尊敬できる敵というのが居なくなってしまっているのは、笑いと熱さに対して何気に重石がつけられたような感じではあるんですよね。
しばらく準備回が続いているのですが、さてどこでカタルシスを爆発させる展開まで持ってこれるのか。雌伏のときであります。

シリーズ感想

世界の終わりに問う賛歌  

世界の終わりに問う賛歌 (ガガガ文庫)

【世界の終わりに問う賛歌】 白樺みひゃえる/須田彩加 ガガガ文庫

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魔導と科学が共存する世界で――。

魔導が衰退し、それに代わる科学技術が発達した世界。魔導師の存在が稀少なものとなるなか、天然の魔力鉱石から魔力を抽出する「発魔炉」の登場により、人々は依然として魔力の恩恵を享受していた。
小国ローゼンブルクのマフィア「ヴィルトハイムファミリー」の構成員である特殊交渉人ブルクハルトのもとに、とある任務が舞い込む。それは近い将来、魔力鉱石が枯渇するという『魔力危機』に端を発する国家プロジェクト――魔力鉱石ではなく、魔力を自己生成する魔導師から直接抽出するという「次世代型発魔炉」の開発にまつわるものだった。「肉体的苦痛」を発魔条件として莫大な魔力を生み出すことができる『トネリコの蛇』の末裔の少女、ヘレナ・ヘレーゼを「炉心」とする次世代型の長期運用。弱者を守る古きマフィアの教えに感銘を受け、組織の誰よりも騎士道精神を重んじてきたブルクハルトは、罪なき少女を痛めつけなければならないことに苦悩しながらも最良の手段を模索していく。
わからん! つまり、この作品は何を描きたかったんだ? 何を伝えたかったんだ? どんな想いが込められていて、その結末に何を見い出せばよかったんだ?
痛みによって、膨大な魔力を発生させる少女。その少女をなるべく長く「使う」ことで一国家の消費エネルギーを支える動力源、発電所のようなものか、として活用しようという発想自体が狂ってるのだけれど、天然の魔力資源が枯渇しつつある世界でインフラを支えるエネルギー源のもとになるモノに関して、誰も是非は問わない。
無垢で何の罪もない少女を痛めつける、何かを得るために痛みという交渉によってそれを引き出すことを拷問という特殊交渉と考えている拷問官のブルクハルトにとって、その行為はただの虐待としか思えず、彼は苦悩し続けるのだけれど、その苦悩の中にこんな事は間違っている、という考えだけは見当たらないんですよね。一人の少女を犠牲にしなくては保てない社会なんぞ間違っている、という考えはどこにも見当たらない。唯一、一人だけが彼女を救おうとするものの、それも彼女を犠牲にしなければならない社会への反発というよりも、それが必要と考えながらも少女が犠牲になることに耐えられなかった、という感じなんですよね。それも、少女自身の拒絶によって潰えてしまう。
では、本作では結局何を描こうとしていたのか。少女を犠牲にする社会へ何かを訴える物語ではないようだった。自己犠牲の塊である少女に、何かを訴える物語でもなかった。少女ヘレナは、特に何か特別な出来事があったわけでもなく、生来の優しさで社会の安定が、みんなが平穏に暮らすためのエネルギー源となることを自ら望んで選択する。挙句の果てに、起こった戦争を早期に終わらせるために最終兵器と最終決戦兵力全般のエネルギー源となることを積極的に望み、平和の為に勇躍して犠牲になろうという勇ましい聖女のような姿を見せるようになる。
彼女の心は最後まで折れず、考え方は変わらず、誰もそれを否定せず疑問も呈しない。
彼女の在り方の是非を問うような話でもないようだった。
じゃあなんだ、というと結局の所ひたすら、ヘレナが壊れないように長期に渡って、出来れば永続的に彼女に痛みを与え続ける方法を、ブルクハルトが結成されたチームのメンバーと共に討論を繰り返し、ディスカッションし、その方法を発見し或いは手繰り寄せるために、考え、話し合い、資料をあさり、過去に立ち返って思索する。そういう話だったんですよね。
ヘレナを死なせずに、心折らせずに、どうやって痛みを味わわせて魔力を抽出するか。その技術的な結論を見出すための物語、そういう事だったんだろうか。ラストのラストになって、ようやくその方法を見つけ出しました、めでたしめでたし、という以外の何かがあったのか、自分にはついぞわからなかった。
生かす、死なせない。そんなブルクハルトの結論は、最初からあったものだ。そのために、彼女の自己犠牲を自分も分けてもらう、という考えは拷問官としては革新なのかもしれないけれど、それでブルクハルトは何か変わったのか、ヘレナが何か変わったのか。社会が、世界が何か変わるのか。
つまり、なんだったのか。なんだろう、これだけ重厚な世界観と切々とした内面描写が描かれながら、そこから何も汲み取れなかった作品というのはあんまり記憶にない。
決して中身がない物語ではない、そのはずである。でも、自分にはこの箱の開け方が皆目わからなかった、という事なのだろうか。中身もジロジロと眺め回して透かし見ることが出来たし、手に持って重たさを感じることも、振ることでその中身の感触も伝わってきた。でも、開けることができなかったから、結局それが何なのかさっぱりわからなかった。そんな感じなのだろう。
これに関してはちょっと☆の付け方が判断できない。
話は決して難しいものではなかった。一貫していてブレもなく最初から最後まで筋の通った物語であった。でも、つまるところどういう話なのかよくわからなかった、率直に言ってそんな感じである。

物理的に孤立している俺の高校生活 2 ★★★☆   

物理的に孤立している俺の高校生活 2 (ガガガ文庫)

【物理的に孤立している俺の高校生活 2】 森田季節/MikaPikazo ガガガ文庫

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こ、これが友達のいるベタな夏休みの力か!

波久礼業平には友達がいない……こともない。自慢ではないが、最近友達ができた。彼と同じく残念な異能力という悩みを抱えた、菖蒲池愛河と高鷲えんじゅの二人だ。(高鷲えんじゅは頑なに業平を友達と認めようとしないが)
とはいえ、業平の持つ異能力、無意識に半径1m以内の人間のエネルギーを吸い取る、「ドレイン」はもちろん健在である。相変わらず、物理的に孤立していた。
もの悲しい状況だが、業平にとって久方ぶりの「友達がいる夏休み」が目前に迫っていた。夏休みの計画を立てようとする矢先、彼のクラスに季節外れの転校生がやってくる。さっそく、えんじゅは彼女に狙いを定めようとする。

「よく考えてみなさい。あの子は夏休み直前の時期に、この学校で友達がいない。友達候補として勧誘するには、かなりのチャンスだと思わない?」

確かに一理あるかもなあ、と思った業平だったが、案の定転校生もまた残念すぎる異能力を持った少女であったのだ。しかも、そんな中で犬猿の仲となっている幼馴染・竜田川エリアスと仲直りしろという命令まで下されてしまい――!?

残念系異能力者たちが夏休みを満喫(?)する、青春未満ラブコメ第2弾!!
本作って、明確な言語化したテーマを設定した上で描いてるんだろうか。物理的に距離を置かなければならない業平を主人公として、人間関係の距離感に主眼をおいて物語を書く、みたいな。
今回主に描かれているのは、業平と彼の幼馴染……というには些か微妙に距離感の遠い、敵同士を自認しあう竜田川エリアスとの距離感の再構築。彼女との距離感というのは本当に微妙というか曖昧で、幼馴染という言葉から連想される仲の良さというものは幼い頃からとんとなく、友達というにも縁が薄い状態からはじまり、業平が見せた自身の能力へのスタンスを目の当たりにしたエリアスが自分の能力と業平の能力の対比からくる煩悶から生じた敵愾心が、二人の関係の歴史の大半を埋め尽くしている。
本来縁が薄かった二人が曲がりなりにもお互いを強く意識し続けている要因が、エリアスの敵意にあるという出発点からして複雑で、またエリアスが業平に対して敵意はあっても人格に嫌悪の類いは抱いていない、というのがまたややこしさを煩雑なものにしていて、とにかくよくわからん関係なんですよね。
周りから仲直りしなよ、と言われてもいやそもそも仲直りするような関係じゃないし、とうそぶくのはわりと真剣な返答だったのかもしれない。そもそも、お互いの関係、お互いの距離感について定義付けがなされていないせいで、当人同士もなんかよくわかっていなくて、はっきりしているのはエリアスがどうして業平に敵意を抱いているのか、という部分だけ。いやそれすらも、二人が顔を突き合わせて話し合った結果として浮かび上がってきた事実なのかもしれない。だから結局の所、二人に必要だったのはその関係の定義付け、だったのだろう。
まあ、それに成功したかというと怪しい所なのだけれど。それでも、お互いにもやもやした気持ちを自分だけで抱え込んだままだった現状を、お互いそのもやもやを話すことで共有することが出来たお陰で、相手が自分をどう思っているのかというのをある程度把握しあえた、というのは二人にちょっとした「すっきり感」をもたらすことには成功してるんですよね。
それでもやっぱり二人の関係は定義付けも明確なわかりやすさも固定できず、曖昧模糊としたつまり何なんだろうというほか無い関係として継続してしまうのだけど、敢えて言うならそれって「友達」でいいんじゃない?というところにまでは辿り着いたのかなあ、というところ。

新しく登場した転校生の汐ノ宮さんは、面白いことにこの手の曖昧な距離感の人間関係、というものをさっぱり理解できないタチの人らしく、非常に明確な区分を以って分け隔てないと混乱してしまうようで。ただ、前の学校でそのあたりで大失敗をしているために、はっきりとした基準に基づかない曖昧模糊とした関係や、ふわふわとしたその場の状況や雰囲気、関係によってその言動の意味する所が変わってしまう、というような状況が存在する、そしてそれを自分はうまく把握や認識が出来ないというのをちゃんとわかっている。
わかっているけれど、判別できないのでどうしても空気が読めない言動をしてしまいがちで、えらく慎重な物言いに終始するところがある、というキャラになっているっぽい。
出来ないことをわかったからと言って、それが出来るようになるかと言うとそうじゃあないのが辛い所なんだよなあ。あっさりメイド長を切り捨ててしまったときのように、自認していても自覚できない場合もある。エリアスとの微妙な関係にスポットをあてる脇で、その微妙さを踏みにじり、微妙さに踏みつけられる登場人物を放り込んでくるあたり、何気にピーキーな構成というか、物語の積み重ね方をしてるんじゃないかしら、と思ったりもするのでした。
でもどう話が転がっていくにせよ、物理的に他の人に触れない、というのは女の子と仲良くなるという点については先行き詰んでるんだよね。

森田季節作品

漂海のレクキール ★★★★   

漂海のレクキール (ガガガ文庫)

【漂海のレクキール】 秋目人/ 柴乃櫂人 ガガガ文庫

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帆を張れ、碇を上げよ、針路は未知の最果て。

 万能の源・エルにより圧倒的な文明と栄華を誇っていた世界があった。
しかし突如にしてエルが消失し、同時に陸地のほとんどが水没。かつての技術も失われ、全ての権力は唯一の陸地リエスを治める聖王家が握った。
 リエスから追われた人々は寄り集まり、『船団国家』を形成し、海で生活を送るようになる。親王派のアレム、中立派のファシェン、急進派のザレグの3国家が海上権を巡り航行していた。
 そんな中、リエスで突如政変が。聖王の弟が反旗を翻し、王位を簒奪。策略によって故郷を追われた聖王家の末姫・サリューは、父王から謎の海図を託され命からがら逃げのびる。
 その先で彼女が出会ったのは、海に生き自由と未知を求める船乗り・カーシュ。『不沈』の異名を持つ彼に、サリューはある取引を持ちかける。
「わたしを、この海図が示す場所に連れていって」
 航海へ出た二人は様々な思惑を乗り越え、人々がまだ見ぬ『新天地』への手がかりを掴むことになる。
『騙王』の秋目人がガガガ文庫に参戦!イラストは『ベン・トー』や『神殺しの英雄と七つの誓約』の柴乃櫂人! 海を漂い、最果てに想いを馳せる海洋戦記ファンタジー、出航!

せーのっ、海だーーー!!
海です、海である。海なのだ。そう海といえば冒険、そこが宇宙という海だろうと大空という海だろうと、海洋という海だろうと、海であるならばそこには冒険が詰まっている、冒険の世界が広がっている。古今、海という世界を舞台に描かれるのは常に、果てなき未知の世界へと漕ぎ出す冒険譚だった。本作もまた、その王道をど真ん中で突っ走っている。
はぐれものの船乗りの前に現れる逃亡者たる王女様。彼女が握りしめるのは古の海図、求めるのは王家に伝わる未知の大陸への航路。彼女の持つ地図を頼りに訪れた場所に隠されていた、古代文明の遺産。王女を追いかけて襲いかかってくる海軍船団。もうジブリか!というほどの王道の海洋冒険ロマンそのままの展開であり、その展開を持ってきたに恥じぬ堂々たる物語なのであるこれが。
王女さまがお客さまではなく、小さな船の船員として仲間として認められて、お姫様だからではなく自分たちの仲間サリューだから、彼女を護り助けるのだ、という流れもいいんですよね。お姫様にとっても、船での生活はそれまでの王宮での生活では知り得なかった出来事であり、まさに目の前に開かれた新世界であり、そこで出会った人たちの仕事と仲間に誠実な人柄は、そして船長カーシュの彼女を一人の人間として目線を合わせて接してくれるその姿は、身近な人間にも裏切られて傷ついた野生動物のようになっていたサリューの心を解きほぐしていく。小さな船での生活が、一人の王女様を一人の船乗りにしていく様子は、切った張ったの派手な展開ではなくても広い海での航海そのものが冒険であるのだと現しているようで、これがまた良かったんだなあ。そして、ちゃんと後半ではド派手は船同士のドンパチあり、相手の船へと切り込んでいく切った張ったあり、と抑えるところは抑えているのですよ。主人公のカシューは少年というにはあまりにもとうが立っているおっさんだけれど、冒険心をたぐらせている男はみんな少年なのです。そして、自分を待っている女の子のもとへと真っ先に切り込んでいくそれは、立派な主人公なのですよ。おっさんだけど。まだ若い彼をおっさん呼ばわりしてしまうとリアルおっさんなこっちがダメージくらってしまうのですが、ビジュアルイケメンの格好いい若者風なのに対して、言動かなり普通に歳食ったおっさんっぽいので、お前の方がおっさんだこの野郎、と思うことで心は凪ぎます。
それにしても、海水が真水ではないけれど塩水ではなく、不味いけど飲める、という世界はなかなかに意表を突かれました。ある意味、この一点で違う惑星の話という感じが出てるよなあ。

 
9月14日
【ダンジョン飯 8】
 九井 諒子(ハルタコミックス)

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【ヒナまつり 17】
 大武 政夫(ハルタコミックス)

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【欅姉妹の四季 3】
 大槻一翔(ハルタコミックス)

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浅草鬼嫁日記 七 あやかし夫婦は御伽噺とともに眠れ。
 友麻碧(富士見L文庫)

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あやかし万来、おむすび処はじめました。 押しかけ仮旦那と恋患いの狐
 蒼井 紬希(富士見L文庫)

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神華後宮厨師伝 偽りの天は花梨で邂逅す
 真楠ヨウ(富士見L文庫)

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織ノ王国物語 七番目の王子と忠誠の剣士
 あさぎ 千夜春 (富士見L文庫)

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仮そめ夫婦の猫さま喫茶店 なれそめは小倉トーストを添えて
 岐川 新(富士見L文庫)

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ここは書物平坂 黄泉の花咲く本屋さん
 新井輝(富士見L文庫)

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華仙公主夜話 三 その麗人、後宮の禍を祓う
 喜咲冬子(富士見L文庫)

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【反逆のソウルイーター ~弱者は不要といわれて剣聖(父)に追放されました~ 1】
 玉兎(アース・スター ノベル)

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【領民0人スタートの辺境領主様 3】
 風楼(アース・スター ノベル)

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【元英雄は平民として暮らしたい~勇者パーティを理不尽に追い出された俺。これを機に田舎で暮らし始めたけど、周りが俺をほっといてくれない 1】
 茨木野 (アース・スター ノベル)

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【即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。 7】
 藤孝剛志(アース・スター ノベル)

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【二度転生した少年はSランク冒険者として平穏に過ごす~前世が賢者で英雄だったボクは来世では地味に生きる~ 3】
 十一屋 翠(アース・スター ノベル)

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【優しさしか取り柄がない僕だけど、幻の超レアモンスターを助けたら懐かれちゃったみたい】
 ねこ鍋 (アース・スター ノベル)

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【魔剣使いの元少年兵は、元敵幹部のお姉さんと一緒に生きたい】
 支倉文度(モーニングスターブックス)

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【異世界でも無難に行きたい症候群 3】
 安泰(サーガフォレスト)

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9月13日
処刑少女の生きる道 2.ホワイト・アウト
 佐藤真登(GA文庫)

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ゴブリンスレイヤー 11
 蝸牛くも(GA文庫)

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やせいのえいゆう が あらわれた! たたかう にげる ▼デレる!?
 雪川 轍(GA文庫)

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家に帰るとカノジョが必ずナニかしています 2
 柚本悠斗(GA文庫)

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可愛い女の子に攻略されるのは好きですか?5
 天乃聖樹(GA文庫)

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29とJK 7.~さらば、憧憬~
 裕時悠示(GA文庫)

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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました スピンオフ ヒラ役人やって1500年、魔王の力で大臣にされちゃいました
 森田季節(GAノベル)

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異世界国家アルキマイラ2 ―最弱の王と無双の軍勢―
 蒼乃暁(GAノベル)

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貴族転生 ~恵まれた生まれから最強の力を得る~
 三木なずな(GAノベル)

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異世界転生で賢者になって冒険者生活2 ~【魔法改良】で異世界最強~
 進行諸島(GAノベル)

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失格紋の最強賢者10 〜世界最強の賢者が更に強くなるために転生しました〜
 進行諸島(GAノベル)

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【生活魔術師達、世界樹に挑む】
 丘野 境界(宝島社)

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【転生したら宿屋の息子でした 田舎街でのんびりスローライフをおくろう】
 錬金王(宝島社)

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9月12日
【舞妓さんちのまかないさん 11】
 小山愛子(少年サンデーコミックス〔スペシャル〕)

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【お酒は夫婦になってから 12】
 クリスタルな洋介(ビッグ コミックス〔スペシャル〕)

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【死神坊ちゃんと黒メイド 7】
 井上小春(サンデーうぇぶりSSC)

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【戦×恋(ヴァルラヴ) 8】
 朝倉 亮介(ガンガンコミックス)

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【進め!ギガグリーン 4】
 藤木 俊(ビッグ コミックス)

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【英雄教室 7】
 新木伸/岸田こあら(ガンガンコミックス)

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【花咲く日本橋おんみょうじ おばけ嫌いですが謎を解きます】
 四葉夕ト (双葉文庫)

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【太秦荘ダイアリー 3】
 望月麻衣 (双葉文庫)

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【イケメン貧乏神と同居はじめました!】
 花井有人(双葉文庫)

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9月10日
【魔法使いの嫁 12】
 ヤマザキコレ(ブレイドコミックス)

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【初回限定版 魔法使いの嫁 12 小冊子付】
 ヤマザキコレ(BLADE COMIC SP)

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【魔法使いの嫁 詩篇.108 魔術師の青 1】
 ツクモイスオ/三田誠(ブレイドコミックス)

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【魔法使いの嫁 詩篇.75 稲妻ジャックと妖精事件 1】
 オイカワマコ/五代ゆう(ブレイドコミックス)

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【スケッチブック 14】
 小箱とたん(ブレイドコミックス)

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【86ーエイティシックスー 2】
 安里 アサト/吉原 基貴(ヤングガンガンコミックス)

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アポカリプス・ウィッチ 飽食時代の【最強】たちへ
 鎌池和馬(電撃文庫)

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解術師アーベントの禁術講義
 川石折夫(電撃文庫)

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シャドウ・サーガ機 歔定の剣と呪いの黒剣−
 西村 西(電撃文庫)

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妖姫ノ夜 月下ニ契リテ、幽世ヲ駆ケル
 渡瀬草一郎(電撃文庫)

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彼女が俺を暗殺しようとしている
 大平しおり(電撃文庫)

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海のカナリア
 入間人間(電撃文庫)

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魔法科高校の劣等生 30.奪還編
 佐島 勤(電撃文庫)

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86‐エイティシックス‐Ep.7 ‐ミスト‐
 安里アサト(電撃文庫)

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ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? Lv.20
 聴猫芝居(電撃文庫)

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スイレン・グラフティ 2.もすこしつづく、ナイショの同居
 世津路 章(電撃文庫)

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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!
 明。(カドカワBOOKS)

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最速無双のB級魔法使い 一発撃たれる前に千発撃ち返す!
 CK(カドカワBOOKS)

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聖女じゃなかったので、王宮でのんびりご飯を作ることにしました
 神山 りお(カドカワBOOKS)

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【修復】スキルが万能チート化したので、武器屋でも開こうかと思います 2】
 星川 銀河(カドカワBOOKS)

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魔王になったので、ダンジョン造って人外娘とほのぼのする 6
 流優(カドカワBOOKS)

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行き倒れもできないこんな異世界じゃ 2.迷子の迷子の子竜ちゃん編
 夏野 夜子(カドカワBOOKS)

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はぐれ精霊医の診察記録 〜聖女騎士団と癒やしの神業〜 2
 とーわ(カドカワBOOKS)

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本好きの下剋上 〜司書になるためには手段を選んでいられません〜 第四部 「貴族院の自称図書委員 VIII」
 香月美夜(TOブックス)

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忌み子と呼ばれた召喚士 2
 緑黄色野菜(TOブックス)

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黒髪の王 〜魔法の使えない魔剣士の成り上がり〜
 やま(TOブックス)

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秘密の仕立て屋さん 2 恋と決意とオネエの微笑
 江葉(TOブックス)

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出来損ないと呼ばれた元英雄は、実家から追放されたので好き勝手に生きることにした4
 紅月シン(TOブックス)

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【復讐を希う最強勇者は、闇の力で殲滅無双する 2】
 斧名田マニマニ(JUMP j BOOKS)

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【娘を婚約破棄された最強軍人、国を見限り辺境へ】
 謙虚なサークル (ツギクルブックス)

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【身体は児童、中身はおっさんの成り上がり冒険記 2】
 力水(ツギクルブックス)

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9月9日
【勇者と紋章のラグナロク 2】
 渡辺 つよし(ドラゴンコミックスエイジ)

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【マケン姫っ! ‐MAKEN‐KI!‐ 23】
 武田弘光(ドラゴンコミックスエイジ)

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【放課後の拷問少女 7】
 BOKU(講談社コミックス)

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【100万の命の上に俺は立っている 8】
 奈央 晃徳/山川 直輝(講談社コミックス)

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【世界か彼女か選べない 6】
 内山敦司(講談社コミックス)

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【可愛いだけじゃない式守さん 2】
 真木 蛍五(KCデラックス)

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【我間乱―修羅― 8】
 中丸洋介(KCデラックス)

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9月7日
JK無双 2 終わる世界の救い方
 津田夕也(レジェンドノベルス)

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魔界本紀 1.下剋上のゴーラン
 茂木鈴(レジェンドノベルス)

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俺はダンジョンマスター、真の迷宮探索というものを教えてやろう2
 北乃ゆうひ(レジェンドノベルス)

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9月6日
【なんでここに先生が!? 8】
 蘇募ロウ(ヤンマガKCスペシャル)

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【ソウナンですか?5】
 さがら梨々/岡本健太郎(ヤンマガKCスペシャル)

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【鬼の又鬼のアモ 2】
 多田乃伸明(ヤンマガKCスペシャル)

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【手品先輩 6】
 アズ(ヤンマガKCスペシャル)

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【怪獣のトカゲ 1】
 山本崇一朗/福地カミオ(少年チャンピオン・コミックス・エクストラ)

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9月5日
【サバゲにGO! はじめてのサバイバルゲーム】
 アサウラ (LINE文庫エッジ)

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【エクストラ・フォーリン・エールワイフ―異世界の奥さんは日本のビールを学びたい―】
 阿羅本景(LINE文庫エッジ)

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【勇者の君ともう一度ここから。】
 みかみてれん(LINE文庫エッジ)

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【CHiLD ―境界からの降臨者―】
 箕崎准(LINE文庫エッジ)

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【翠竜のティリストリ】
 寺田とものり(LINE文庫エッジ)

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【取締役は神絵師】
 水沢あきと(LINE文庫)

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【居酒屋がーる】
 おかざき登(LINE文庫)

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【出雲の阿国は銀盤に舞う】
 つるみ犬丸 (LINE文庫)

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【レールアテンダントガール 車内販売にまいりました!】
 豊田巧(LINE文庫)

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【異世界洋菓子店フォックステイル ラベンダー香る、甘さを忘れた街唯一のパティスリー】
 月夜涙 (LINE文庫)

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ゴブリンの勇者 2
 神虎斉(ドラゴンノベルス)

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魔獣密猟取締官になったんだけど、保護した魔獣に喰われそうです。 2
 飛野 猶(ドラゴンノベルス)

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ファンタジーには馴染めない 〜アラフォー男、ハードモード異世界に転移したけど結局無双〜
 nov(ドラゴンノベルス)

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【最強の魔物になる道を辿る俺、異世界中でざまぁを執行する 2】
 大小判(BKブックス)

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【美味しいダンジョン生活】
 神谷透子(BKブックス)

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【悪役令嬢の追放後! 教会改革ごはんで悠々シスター暮らし 2】
 柚原テイル(KADOKAWA)

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【キリングバイツ 14】
 村田真哉/隅田かずあさ(ヒーローズコミックス)

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【東島丹三郎は仮面ライダーになりたい 3】
 柴田ヨクサル(ヒーローズコミックス)

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9月4日
【異世界居酒屋「のぶ」9】
 蝉川 夏哉/ヴァージニア二等兵(角川コミックス・エース)

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【ダーリン・イン・ザ・フランキス 6】
 矢吹 健太朗(ジャンプコミックス)

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【ぼくたちは勉強ができない 13】
 筒井大志(ジャンプコミックス)

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【終わりのセラフ 19】
 山本 ヤマト/降矢 大輔(ジャンプコミックス)

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【Dr.STONE 12】
 Boichi/稲垣 理一郎(ジャンプコミックス)

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【早乙女姉妹は漫画のためなら!? 5】
 山本 亮平 (ジャンプコミックス)

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【アクタージュ act-age 8】
 宇佐崎しろ/マツキ タツヤ(ジャンプコミックス)

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【神緒ゆいは髪を結い 2】
椎橋 寛(ジャンプコミックス)

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9月1日
【ノブリス・オブリージュ 〜引きこもり令嬢が何故聖女と呼ばれたか 2】
 剥製ありす (MAGNET MACROLINK)

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9月1日
ミリオン・クラウン 5
 竜ノ湖太郎(角川スニーカー文庫)

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ヒマワリ:unUtopial World 8
 林トモアキ(角川スニーカー文庫)

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いつか仮面を脱ぐ為に ~嗤う鬼神と夢見る奴隷~
 榊一郎(角川スニーカー文庫)

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戦闘員、派遣します! 4
 暁 なつめ(角川スニーカー文庫)

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真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました 5
 ざっぽん(角川スニーカー文庫)

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魔王学園の反逆者 ~人類初の魔王候補、眷属少女と王座を目指して成り上がる~
 久慈 マサムネ(角川スニーカー文庫)

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魔装学園H×H 14
 久慈 マサムネ(角川スニーカー文庫)

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最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い 無能を演じるSSランク皇子は皇位継承戦を影から支配する
 タンバ(角川スニーカー文庫)

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ワンワン物語 6 ~金持ちの犬にしてとは言ったが、フェンリルにしろとは言ってねえ!~
 犬魔人(角川スニーカー文庫)

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妹がブラコンであることを兄だけは知っている。2
 ミヤ(角川スニーカー文庫)

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悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました 6
 永瀬 さらさ(角川ビーンズ文庫)

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竜宮輝夜記 天よ望めよ、恋の久遠
 糸森 環(角川ビーンズ文庫)

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8月31日
魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい? 9
 手島史詞(HJ文庫)

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常敗将軍、また敗れる 3
 北条新九郎(HJ文庫)

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クロの戦記 異世界転移した僕が最強なのはベッドの上だけのようです
 サイトウアユム(HJ文庫)

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魔術破りのリベンジ・マギア 7.再臨の魔人と逆襲術士
 子子子子 子子子(HJ文庫)

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成り上がり魔王のお忍び天下統一計画
 若桜拓海(HJ文庫)

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8月30日
夢に現れる君は、理想と幻想とぼくの過去
 園生 凪(講談社ラノベ文庫)

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世界は愛を救わない
 海老名龍人(講談社ラノベ文庫)

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異世界誕生 2006
 伊藤ヒロ(講談社ラノベ文庫)

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老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます 5
 FUNA(Kラノベブックス)

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暗黒騎士様といっしょ! 3.嘘つきは恋泥棒の始まり
 笹木さくま(ファミ通文庫)

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学園一の不良娘がオレにゲームを作って欲しがっている
 雪月花(ファミ通文庫)

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航宙軍士官、冒険者になる 3
 伊藤暖彦(エンターブレイン)

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三大陸英雄記 2
 桜木桜(エンターブレイン)

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双子の姉が神子として引き取られて、私は捨てられたけど多分私が神子である。2
 池中 織奈(エンターブレイン)

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【失格から始める成り上がり魔導師道! ~呪文開発ときどき戦記~ 1】
 樋辻臥命 (GCノベルズ)

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【ガチャを回して仲間を増やす 最強の美少女軍団を作り上げろ 7】
 ちんくるり(GCノベルズ)

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【嘆きの亡霊は引退したい~最弱ハンターによる最強パーティ育成術~ 3】
 槻影(GCノベルズ)

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【乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です 4】
 三嶋与夢(GCノベルズ)

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【くま クマ 熊 ベアー 13】
 くまなの(PASH!ブックス)

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【地味な剣聖はそれでも最強です 4】
 明石 六郎(PASH!ブックス)

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【異世界転生…されてねぇ! 2】
 タンサン(PASH!ブックス)

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【僕がSSSランクの冒険者なのは養成学校では秘密です 2】
 厨二の冒険者(PASH!ブックス)

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【なんでも吸い込む! ブラックホール!! (´・ω・`)ノ●~~~~ (゜ロ゜;ノ)ノ あらゆる敵を「しゅおんっ」と吸い込んで無双する!!! 1】
 六志麻あさ (モンスター文庫)

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【ぼっち転生記 7】
 ファースト(モンスター文庫)

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【社畜勇者、仕事辞めるってよ 3】
 岸本和葉(モンスター文庫)

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【機動戦士ガンダム サンダーボルト 14】
 太田垣 康男 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)

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【かくりよの宿飯 あやかしお宿に嫁入りします。6】
 衣丘 わこ/友麻碧(B's-LOG COMICS)

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8月29日
第六皇女殿下は黒騎士様の花嫁様 3
翠川 稜(ヒーロー文庫)

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鑑定能力で調合師になります 10
空野 進(ヒーロー文庫)

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クール・エール 2
砂押 司(ヒーロー文庫)

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たのしい傭兵団
上宮 将徳(ヒーロー文庫)

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転生勇者の気まま旅 1
九頭 七尾(ヒーロー文庫)

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サトコのパン屋、異世界へ行く 2
塚本 悠真(ヒーロー文庫)

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最弱の弟子
高崎 三吉(ヒーロー文庫)

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燦然のソウルスピナ 2
蕗字 歩(ヒーロー文庫)

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【グランクレスト戦記 7】
 四葉真/水野良(ヤングアニマルコミックス)

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【ゆるゆり 17】
 なもり (百合姫コミックス)

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8月28日
【魔王様、リトライ! 4】
 神埼黒音(Mノベルス)

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【不遇職テイマーの成り上がり 〜スキル【吸収】でモンスターの能力を手に入れ、最強になる〜 1】
 愛犬ロック(Mノベルス)

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【レベル1の最強賢者 〜呪いで最下級魔法しか使えないけど、神の勘違いで無限の魔力を手に入れ最強に〜】
 木塚麻弥(ブレイブ文庫)

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8月27日
【Fate/Grand Order ―Epic of Remnant― 亜種特異点検ゞ愆降臨庭園セイレム 異端なるセイレム 1】
 大森葵(REXコミックス)

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【魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい!?3】
 板垣ハコ/手島史詞(HJコミックス)

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【桐谷さん ちょっそれ食うんすか!?7】
 ぽんとごたんだ(アクションコミックス)

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【達人伝〜9万里を風に乗り〜 24】
 王欣太(アクションコミックス)

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8月26日
【Fate/Grand Order コミックアンソロジー THE NEXT7】
 アンソロジー(DNAメディアコミックス)

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【フェイト/エクストラ CCC FoxTail 8】
 たけのこ星人(カドカワコミックスA)

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【真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました 2】
 池野雅博/ざっぽん(カドカワコミックスA)

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【ロクでなし魔術講師と禁忌教典 11】
 常深アオサ/羊太郎(カドカワコミックスA)

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【すべての人類を破壊する。それらは再生できない。2】
 横田卓馬/伊瀬勝良(カドカワコミックスA)

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【魔法使いの印刷所 3】
 もちんち/深山靖宙(電撃コミックスNEXT)

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【ガヴリールドロップアウト 8】
 うかみ(電撃コミックスNEXT)

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【罠ガール 4】
 緑山のぶひろ(電撃コミックスNEXT)

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8月25日
世界の闇と戦う秘密結社が無いから作った(半ギレ)2
 黒留ハガネ(オーバーラップ文庫)

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デッド・オア・リライブ 〜天才科学者がやり直す人生は成功しますか?〜 1
 黒田達也(オーバーラップ文庫)

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絶対に働きたくないダンジョンマスターが惰眠をむさぼるまで 11】
 鬼影スパナ(オーバーラップ文庫)

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黒の召喚士 10.女帝の帰還
 迷井豆腐(オーバーラップ文庫)

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本能寺から始める信長との天下統一 1
 常陸之介寛浩(オーバーラップ文庫)

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女だから、とパーティを追放されたので伝説の魔女と最強タッグを組みました 2
 蛙田あめこ(オーバーラップノベルス)

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8月24日
白魔法クラスの大忍術師
 藤木わしろ(MF文庫J)

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なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか? 7.禍の使徒
 細音啓(MF文庫J)

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わたしの知らない、先輩の100コのこと 1
 兎谷あおい(MF文庫J)

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理想の娘なら世界最強でも可愛がってくれますか? 3
 三河ごーすと(MF文庫J)

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ラブコメの神様なのに俺のラブコメを邪魔するの? 3.えっちな子でもいいの?
 三月みどり(MF文庫J)

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ぼくたちのリメイク Ver.β
 木緒なち(MF文庫J)

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自称Fランクのお兄さまがゲームで評価される学園の頂点に君臨するそうですよ? 7
 三河ごーすと(MF文庫J)

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西野 〜学内カースト最下位にして異能世界最強の少年〜 6
 ぶんころり(MF文庫J)

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ライアー・ライアー  2.嘘つき転校生は小悪魔先輩に狙われています。
 久追遥希(MF文庫J)

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二度目の勇者は復讐の道を嗤い歩む 7 ~浅ましき正解者~
 木塚ネロ(MFブックス)

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異世界で手に入れた生産スキルは最強だったようです。 〜創造&器用のWチートで無双する〜1
 遠野九重(MFブックス)

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初めての旅は異世界で 1
 叶ルル(MFブックス)

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転生没落王子は『銭使い』スキルで成り上がる 〜魔法もスキルも金次第っ!?〜 2
 時野洋輔(MFブックス)

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アラフォー賢者の異世界生活日記 10
 寿安清(MFブックス)

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帰って来た最強勇者は、末永く幸せに暮らしました ヽ(・∀・)ノ 〜異世界で得た力と金にモノを言わせて、都会的スローライフを送りたい〜
 ハヤケン(HJノベルス)

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神達に拾われた男 7
 Roy(HJノベルス)

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アラフォーおっさんはスローライフの夢を見るか?
 サイトウアユム(HJノベルス)

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食い詰め傭兵の幻想奇譚 10
 まいん(HJノベルス)

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初恋ロスタイム ―First Time―
 仁科裕貴(メディアワークス文庫)

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初恋ロスタイム ―Advanced Time―
 仁科裕貴(メディアワークス文庫)

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いざ、しゃべります。
 並木飛暁(メディアワークス文庫)

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かりゆしの島のお迎えごはん 神様のおもてなし、いかがですか?
 早見慎司(メディアワークス文庫)

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迷える羊の森 フィトセラピスト花宮の不思議なカルテ
 有間カオル(メディアワークス文庫)

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【ディメンションW 16】
 岩原裕二(ヤングガンガンコミックススーパー)

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8月23日
本屋の店員がダンジョンになんて入るもんじゃない
 しめさば(ダッシュエックス文庫)

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若者の黒魔法離れが深刻ですが、就職してみたら待遇いいし、社長も使い魔もかわいくて最高です! 6
 森田季節(ダッシュエックス文庫)

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【アズールレーン Episode of Belfast 3rd】
 助供珠樹(ダッシュエックス文庫)

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はてな☆イリュージョンR
 原案:松智洋(ダッシュエックス文庫)

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劣等眼の転生魔術師 4〜虐げられた元勇者は未来の世界を余裕で生き抜く〜
 柑橘ゆすら(ダッシュエックス文庫)

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ロード・エルメロイII世の事件簿 5 「case.魔眼蒐集列車(下)」
 三田誠(角川文庫)

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丸の内で就職したら、幽霊物件担当でした。5
 竹村優希(角川文庫)

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【新約・異世界に転生したら全裸にされた 1】
 狐谷まどか(マックガーデンノベルズ)

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【新約・異世界に転生したら全裸にされた 2】
 狐谷まどか(マックガーデンノベルズ)

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【とあるおっさんのVRMMO活動記 19】
 椎名ほわほわ(アルファポリス)

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【欠陥品の文殊使いは最強の希少職でした。2】
登龍乃月(アルファポリス)

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【初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる! 2】
 霜月雹花(アルファポリス)

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【一度目は勇者、二度目は魔王だった俺の、三度目の異世界転生 2】
 塩分不足(アルファポリス)

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【お人好し職人のぶらり異世界旅 5】
 電電世界(アルファポリス)

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【巻き込まれ召喚!? そして私は『神』でした?? 4】
まはぷる(アルファポリス)

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【一般人な僕は、冒険者な親友について行く】
ひまり(アルファポリス)

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【異世界でいきなり経験値2億ポイント手に入れました 3】
 雪華慧太(アルファポリス)

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【ガールズ&パンツァー リボンの武者 12】
 野上武志/鈴木貴昭(MFコミックスフラッパーシリーズ)

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【のんのんびより 14】
 あっと(MFコミックスアライブシリーズ)

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【ディーふらぐ! 14】
 春野友矢(MFコミックスアライブシリーズ)

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【ガールズ&パンツァー プラウダ戦記 2】
 吉田創(MFC)

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【宇宙兄弟 36】
 小山宙哉(モーニングKC)

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8月21日
月とライカと吸血姫 5
 牧野 圭祐(ガガガ文庫)

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むしめづる姫宮さん
 手代木 正太郎(ガガガ文庫)

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ハル遠カラジ 3
 遍 柳一(ガガガ文庫)

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クズと天使の二周目生活 5
天津 向(ガガガ文庫)

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【うちの弟子がいつのまにか人類最強になっていて、なんの才能もない師匠の俺が、それを超える宇宙最強に誤認定されている件について】
 アキライズン(サーガフォレスト)

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【宮廷魔法師クビになったんで、田舎に帰って魔法科の先生になります1】
 世界るい (サーガフォレスト)

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8月20日
ロクでなし魔術講師と禁忌教典 15
 羊太郎(富士見ファンタジア文庫)

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妖精狙撃 エルフ・ウィズ・サイレントアサシン
 榊一郎(富士見ファンタジア文庫)

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ラストラウンド・アーサーズ 4.最弱の騎士と最も優れた騎士
 羊太郎(富士見ファンタジア文庫)

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ご落胤王子は異世界を楽しむと決めた! 3
 るう(富士見ファンタジア文庫)

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真ハイスクールD×D 3.修学旅行のサンシャワー
 石踏一榮(富士見ファンタジア文庫)

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撃ち抜かれた戦場は、そこで消えていろIII ―弾丸魔法とゴースト・プログラム―
 上川景(富士見ファンタジア文庫)

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豚公爵に転生したから、今度は君に好きと言いたい 8
 合田拍子(富士見ファンタジア文庫)

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異世界チートサバイバル飯 5 食べて、強くなって、また食べる
 赤石赫々(富士見ファンタジア文庫)

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異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する 3 〜レベルアップは人生を変えた
 美紅(富士見ファンタジア文庫)

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史上最強の大魔王、村人Aに転生する 5.教皇洗礼
 下等妙人(富士見ファンタジア文庫)

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星系出雲の兵站-遠征- 1
 林譲治 (ハヤカワ文庫JA)

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群青神殿
 小川一水 (ハヤカワ文庫JA)

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ハイウイング・ストロール
 小川一水 (ハヤカワ文庫JA)

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誰も死なないミステリーを君に 2
 井上 悠宇(ハヤカワ文庫JA)

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【百鬼一歌 菊と怨霊】
 瀬川 貴次(講談社タイガ)

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【ネタバレ厳禁症候群 〜So signs can't be missed!〜】
 柾木 政宗(講談社タイガ)

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【体育会系探偵部タイタン! レボリューションズ】
 清水 晴木(講談社タイガ)

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【ブラッド・ブレイン 3 闇探偵の旋律】
 小島正樹(講談社タイガ)

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【神さまの怨結び 8】
 守月史貴(チャンピオンREDコミックス)

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8月19日
【キングダム 55】
 原泰久(ヤングジャンプコミックス)

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【シャトルアイズ 1】
 濱原蓮(ヤングジャンプコミックス)

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【BUNGO―ブンゴ― 19】
 二宮裕次(ヤングジャンプコミックス)

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【サバゲっぱなし 5】
 坂崎ふれでぃ(サンデーGXコミックス)

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8月17日
EDGEシリーズ 神々のいない星で 僕と先輩の惑星クラフト〈上〉
 川上稔(電撃の新文芸)

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由比ガ浜機械修理相談所
 斉藤 すず(電撃の新文芸)

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エッチな召喚士の変態的召喚論 2
 RYOMA(電撃の新文芸)

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四畳半開拓日記 02
 七菜 なな(電撃の新文芸)

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【宝石吐きのおんなのこ 9.~少女への祈り~】
 なみあと (ぽにきゃんBOOKSライトノベルシリーズ)

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8月16日
【彼女、お借りします 11】
 宮島礼吏(講談社コミックス)

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【炎炎ノ消防隊 18】
 大久保篤(講談社コミックス)

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【DAYS 34】
 安田剛士(講談社コミックス)

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【生徒会役員共 18】
 氏家ト全(講談社コミックス)

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【シチハゴジュウロク 4】
 工藤哲孝/笹古みとも(講談社コミックス)

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【ダイヤのA act2 18】
 寺嶋裕二(講談社コミックス)

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【絶対可憐チルドレン 55】
 椎名高志(少年サンデーコミックス)

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【トニカクカワイイ 7】
 畑健二郎(少年サンデーコミックス)

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【君は008 6】
 松江名俊(少年サンデーコミックス)

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【探偵ゼノと7つの殺人密室 7】
 杉山鉄兵/七月鏡一(少年サンデーコミックス)

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【BE BLUES!〜青になれ〜 36】
 田中モトユキ(少年サンデーコミックス)

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【BIRDMEN 15】
 田辺イエロウ(少年サンデーコミックス)

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【古見さんは、コミュ症です。14】
 オダトモヒト(少年サンデーコミックス)

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