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新シリーズ

妖姫ノ夜 月下ニ契リテ幽世ヲ駆ケル ★★★★☆   



【妖姫ノ夜 月下ニ契リテ幽世ヲ駆ケル】 渡瀬 草一郎/こぞう  電撃文庫

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大正十三年、春。少年、椚雪緒は、上京した先の夜鳴川邸にて美しき白蛇に出会う。彼女は父である八頭八尾の大蛇、「十六夜」の決めた縁談から逃れるため、妖相手に商売をする「化猫堂」へ助力を求めに来たと云う。化猫堂の店主、夜鳴川夜霧と猫のミタマ様に連れられて、雪緒は妖達の住まう「常夜之町」へ乗り込むが、そこは人の世の常識が通じぬ異境だった―!関東大震災後の横浜を舞台に、人と妖の縁を紡ぐ大正伝奇浪漫。

雪緒くんイイなあ、これはイイ主人公だなあ。前作の【ソードアート・オンライン オルタナティブ クローバーズ・リグレット】のナユタもそうだったんだけれど、落ち着いた冷静で温厚で礼儀正しく品行方正な若者にも関わらず、妙な所で箍が外れているというか常識がズレているというかわりと我が道を行くタイプで周りとの差異を気にしない主人公、面白いんですよねえ。
妖怪の存在や異界となる幽世という人ならざるものを前にして、本来なら度肝を抜かれて驚き慌てふためくのが普通じゃないですか。それが雪緒くんと来たら本人それなりに驚いているつもりのようなんだけれど、傍から見るとまったく動じている風もなく平然としているように見えるんですよね。
驚くとか慌てるとか怯えるとか警戒するとか、そうでなくても何らかの反応を示すのを想像していた当の妖怪さんたちや、そちらと深く関わり合いのある夜霧さんなどは雪緒くんのあまりの平常運転ぶりに「お、おぉぅ?」となってしまうんですよね。え? そこは驚く所じゃないの!? てな感じで。白蛇の宵姫にしても、人間大の巨大な白蛇の姿で突然雪緒の部屋のベッドに潜り込んでいて、帰ってきた雪緒をばったり、というのが初顔合わせのシチュエーションだったわけですが、雪緒くんてば完全にフラットな対応でしたからね。
それどころか、逆に宵姫たち人ならざるモノたちの方が雪緒くんの真面目な顔して突然突拍子もない事を当たり前のようにやってしまう彼に「えええ……」と呆気にとられたり、度肝を抜かされてしまったりするわけで、いやどっちが人の世の常識が通じぬアレなんだろうか、と。

とはいえ、雪緒くん。決して変人とか変わり者という風情ではなくホント基本的には真面目な青年以外の何者でもなく、そんな世間の常識に疎いとかいう風でもないので、普通につきあっている分には多分気づかないんだろうけど、ほんと妙な所でボタンをかけちがえまくっているというか、えらいところで常識を履き違えている感じなんですよね。まあ、そもそもあの動じなさをまともな人といってしまうのは間違っているのだろうけど。


平安時代を舞台にした作品も手掛けている渡瀬さんの時代物ということで、またぞろ中世代の物語かとワクワクしていたのですが、まさかの大正ロマンチカ。ちょうど関東大震災の直後で都心が壊滅し復興もまだはじまろうとしているところ、という時代背景でこれがまた描写が素晴らしいんですよね。文体そのものも大正時代を意識しているのか雰囲気のある台詞回しや文章として凝っていて、そこにあの時代特有の空気感が目の裏に浮かぶような情景や風俗の描写が時代背景をダイレクトに感じさせてくれるのがまたいいんですよ。典雅な風情と地に足がついた風格のようなものを味わわせてくれる背景描写なんですよね。
平安時代のお話でのあの宮廷や京の都の描かれ方もすごかったけれど、まさに時代に合わせた情景描写なんだよなあ。
面白いことに、アヤカシたちの住まう幽世の方はまた大正時代の帝都とはちょっと雰囲気違うんですよね。あちらはあちらで文明開化の花が咲いて独特の文化が花開いているのだけれど、人の街である帝都のそれとはまた違う、人外たちが行き来する世界ということで人界以上に古きと新しきが混在している町並みになってるんですよね。ここのあやかしたちは、浮世離れしている風でもなくむしろ俗っぽい生命力を感じさせる存在たちなので、幽冥とした儚さよりもむしろ混沌とした鮮やかさを感じさせる世界観で、目の裏に浮かんでくるその賑やかさはなんとも見ているだけでも楽しかったのであります。
路面電車で乗り合わせて、猫なミタマさまにジッとガン見されてダラダラと冷や汗垂らしてる魚怪の乗客とか、行き過ぎる何でも無いワンシーンの片隅でちらっと描かれるこういう些細な描写が、作品全体の雰囲気に味わいをもたらしているんだろうなあ。こういうシーン、ほんと好き。

今回、面白いことに登場人物としては主人公の雪緒は当然としても、結構男連中が目立って存在感示していたんですよね。雪緒の下宿先のご主人であり雪緒とあやかしたちの縁を繋ぐきっかけとなる化猫堂の店主夜霧さんとか、宵姫の兄でもある蜂月さまとか。下手をするとメインヒロインの宵姫さまよりも前面に出てたような気がします。二人とも、美味しい場面も多かったですし。
とはいえ、これら一癖も二癖もあるだろう食わせ者たちを差し置いて、彼らの度肝を抜く形で実際は一番ぶっ飛んでいるのを証明してしまうのが主人公の雪緒くんなわけですけれど。
同郷で祖父の門人であったので雪緒くんの事を全部知っていた上に、さり気なく夜霧さんの事情についても察していた瀬尾さん、何気にこの人侮れないよなあ。計算の上で、夜霧さんの所に雪緒を下宿させたわけですから。
にしても、雪緒くんの正体というか素性に関してはそっち方面にはまったく想像していなかったので、詳細が明らかになった時は正直吹いたw
いやあ、でも時代からすると幕末から半世紀。ギリギリ最後発の範疇には入るのかなあ。まさに最後の「○○」なのか。
姫様に関しては家出してきた上に簡単に出歩けない状況になってしまったので、後ろに引っ込まざるを得なかったのはちとメインヒロインとしては存在感を示しきれなかったかもしれない。その分、蛇のお姫様らしい……思い込みの激しい所は十分見せていただいたので……ってか、完全にこの娘清姫系じゃねえか。無自覚ジゴロな雪緒の責任大にしても、遊郭を囲んでの口上の際に雪緒と自分の関係をホップ・ステップ・ジャンプな勢いでどんどん勝手にバージョンアップしていくのを見た日には、誰か止めろ、と。止められる人がどこにも居ねえw 
そして、化け猫か猫又なのか、猫の神様とかそんなのかと思っていたミタマさま……終始一貫して「可愛いのがお仕事」なただの猫だったじゃないですかー! ひたすら猫ムーブしつづけて癒やしを振りまき続けるミタマさま。にゃんこ可愛いなあ、もう!! 
にゃーん。にゃーん。

渡瀬草一郎作品感想

本屋の店員がダンジョンになんて入るもんじゃない! ★★★☆   



【本屋の店員がダンジョンになんて入るもんじゃない!】 しめさば/切符  ダッシュエックス文庫

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本をこよなく愛している青年、アシタ・ユーリアス。「一生本を読んで暮らしたい!」というアシタだったが、彼が働く本屋にはいつもひっきりなしに冒険者たちがやって来る。理由は簡単。彼の“知識”が欲しいのだ。本が読めたらそれでいいというアシタの想いとは裏腹に、顔馴染みの女冒険者、エルシィにダンジョンへ連れ出されたのが運の尽き。彼の博識さがダンジョン探索の鍵になると目を付けたエルシィは、貴重な文献をエサにしてアシタを更なるダンジョン探索へ誘い…。“最も博識”で、“最も貧弱”な本屋の店員が、「帰りたい!」と嘆きながらダンジョンを駆け回る!ドタバタファンタジーコメディ開幕!!
スペランカーだ、こいつスペランカー級だ! ファミコン時代の伝説的虚弱冒険者スペランカー、それは自分の背丈にも満たない段差を飛び降りるだけで死ぬる男。それに比類するほどの虚弱さを示すのが、このアシタである。ってか、アシタくんこれだけ虚弱だとダンジョン潜る以前に日常生活でも苦労してソウナンですよね。本屋とか、あれで地味に体力仕事なところがあるし、本棚に本を収めるために梯子を登るだけでオチて死にそうじゃないですか、この子。
と、思ってしまうくらいポキポキと折れるアシタの骨。君、骨粗鬆症じゃね? 特にダンジョン関係ないところで骨折れてたりするし。
よくまあこれをダンジョンなんて危ないところに連れて行こうとするよなあ、と思う所なんだけれど、その張本人であるエルシィ、最初は考えなしなのかと思ったのだけれどこれがよくよく気を使ってはいるんですよね。彼女の考えうる最高の手段と人脈を持ってアシタを守れるだけの仲間を取り揃えていたのが、あとになって一緒にダンジョン潜ったメンツを振り返るとわかってしまうわけで。
いやいや、これメチャクチャ贅沢なメンツじゃないですか。
それだけ非戦闘員以下に危ないアシタを危険地帯に連れて行くための万全の用意、というのは整えようとしているんですよね。エルシィの態度が気軽この上ないので考えなしに見えてしまうのだけれど。
加えて、アシタの知識に関しても決して軽々しく考えているのではなく、貴重で稀有な価値を持つものだとちゃんとわきまえた上で、最大限の評価をしているんですよね。そして、それを手前勝手に利用し搾取しようとしているのではなく、極めて正当な評価と対価を払おうとしている。
ダンジョン探索への参加料としての稀覯本を別にして、ダンジョンで得た収入を分前として等価に渡していることからも明らかなのである。正直、彼女そこまできっちりしているとは思わなかったので、ちょっと感心してしまったくらい。
彼の持っているものは一見分かりづらいもので、なかなか評価しづらいものではあるんですよね。なので、往々にして普通の人はそれに対して対価を払おうという概念から持っていない。アシタ本人ですらその意識に乏しい事からもエルシィの認識と考え方が決して一般的なものではないのだろう事は想像がつくんですよね。そういうところが、彼女をトップクラスの冒険者に押し上げているのかもしれない。
それにまあ、何だかんだとダンジョン探索に参加するアシタは、イヤイヤじゃないんですよね口で言っているほどには。結局、餌に釣られてとはいえ決断しているのはアシタの方ですし、断固として断る事はしていないわけで。
それに虚弱ではあっても、痛みに対する耐性は強いみたいですし何よりあれだけペキポキ骨折れていながら全然めげないのは根性があるというよりもメンタル異常なんじゃないだろうか。
ラプチノスとの交流にはほっこりとしてしまいましたけれど、ラプチノスって思いっきりジュラシックパークのヴェロキラプトルがモデルですよね。さすがにラプトルくらいになるとファンタジーのモンスター相手でも全然引けをとってない、というか凶悪度では上回ってるw
ちょっと街中で連れ歩いたり家で飼ったりするにはフォルム的にもやばすぎると思うんだけど、どうするんだこれ。

お隣さんな教え子と甘い○○ ★★★☆   



【お隣さんな教え子と甘い○○】 望月 唯一/maruma(まるま)  講談社ラノベ文庫

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出世には興味なし。仕事に求めるのは安定した給料と休暇のみ―。それが高校の調理科でパティシエの講師を務めている俺の方針だ。だが、新入生として入学してきた、理事長の孫娘である四宮蒼梨花が、特別授業を求めて俺に迫ってくる。仕事が増えるのはごめんだと断った俺だが、なんと蒼梨花は俺の隣の部屋に引っ越してきた!必要以上の仕事も無駄な努力も、俺のスタイルじゃないのに…。蒼梨花の熱意に負けて、俺は最終的に特別授業を引き受けることに。だが、俺の妹弟子にして、天才だがトラブルメーカーの少女・赤崎エイプリルたちを巻き込んだ日常は波瀾万丈で…!?お菓子も仕事も青春も、甘くて時にはほろ苦い―年の差師弟の学園ラブコメ!

調理師学校じゃなくて、通常の高校に調理科なんて学科がついている学校とかそんなのあるのかー、とびっくりしたんだけれど、調べたらそれなりに存在してるんですね、そういう学校。
思いの外、学生の進路って多種多様に広がっているもんなんだなあ、とちと感心したり。
そんな調理科で講師をやっている新見はかつては現役バリバリのパティシエとして活躍していて、四宮蒼梨花がパシティエを目指すきっかけになった人物でもある。とはいえ、蒼梨花が知っている新見はパティシエという仕事に誇りと情熱をもって働いていて、進路で悩み母親と喧嘩して家出していた蒼梨花に夢と熱意と憧れを抱かせてくれた恩人だったのだけれど、今の彼は情熱の火が消えて現場からドロップアウトしたやる気ゼロの講師でしかなかったわけだ。
蒼梨花が知っている彼とのギャップは、そのまま彼の過去と今の現在地の差異でもあり、彼女が滾らせている情熱はそのまま新見が宿していた熱量でもある。
かつて、少女に引火した情熱の火が回り回って、今それを失ってしまっていた新見の前に現れて、その熱と炎の勢いをもう一度もとの持ち主のところに戻ってきて、灯火を再点火しようとする、これはそんなお話だ。
幸いだったのが、新見の中の火は完全に鎮火してしまったわけではなく、熾火としてずっとジリジリと灯り続けていたことだろう。ゼロからもう一度火をつけようというのは大変だけれど、火が残っているのなら適切な燃料を加えればすぐに燃え上がる。やる気がないとうそぶきながらその腕を鈍らせるどころか密かに鍛え続けていた新見にとって、かつての自分を容易に思い出させてくれる夢に邁進する蒼梨花の姿は、適切以上の燃料になっただろう。結局、彼が現場を離れたのは大好きな菓子作りを嫌いになってしまわないための予防行動であって、心底嫌になったのならこんな風に講師としてもお菓子作りに携わり続けるものだろうか、ってなもんだ。
なので、新見先生、あんまり無駄な足掻きはしないで積極的な蒼梨花の行動に逆らわずに手を差し伸べてくれるんですよね。個人授業もちゃんとしっかり厳しく行ってくれてるし。
ただ、あの放課後個人授業ってそんなんホンマにあるんかいな、というぐらいなんかアレな制度ですよね。特定の生徒を贔屓して、というのも反発くらいそうだし評価も難しかろうし、何より講師と生徒とはいえ一対一でそんな、ねえ。いやまあ、学校で居残って程度なら全然問題ないのかもしれないけど。新見と蒼梨花の場合は部屋も隣で生活に重なっているという時点でほぼアウトである。保護者の許可というか推薦というか後押しがあるため、ギリギリセーフなのかもしれませんけれど、アウトセーフの判断基準は保護者な理事長次第、という首根っこの掴み方w

とはいえ、なかなか王道というか正道を行く挫折からの復活譚。弟子や生徒から逆に教えられる事になる教師モノとして、内面描写も堅実ながら丁寧な良作でありました。
エイプリルはなー、あの子はどこまで兄弟子に対して本気だったのかしら。蒼梨花の出現がなかったら兄弟子を立ち直らせるのは自分だったなり、という自負は垣間見えたような気もしたけれど。

望月 唯一作品感想

妖精狙撃 エルフ・ウィズ・サイレントアサシン ★★★★   



【妖精狙撃 エルフ・ウィズ・サイレントアサシン】 榊 一郎/森沢 晴行  富士見ファンタジア文庫

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「…悪い妖精は死体になるお時間です。にひ」
厳重な警備が敷かれた妖精族の結婚式で、新婦を撃ち抜いた一発の弾丸。妖精族を専門に狙う殺し屋“妖精刈り”。その正体は―“異界”から持ち込まれた自身の髪色と同じ朱色の狙撃銃“サイレント・アサシン”を愛用の武器にした妖精の少女アグネータ。生活能力皆無なアグネータの世話兼相棒を務める記憶喪失の普人ユーゴ。二人は今日も妖精の命を刈り落とす。それが使命だと信じて―。ファンタジースナイプアクション!

これ、「妖精の狙撃手」とかじゃなくて「妖精狙撃」というシュッとしたタイトルだからこそビビッと来るものがありますなあ。
榊先生、今までの作品の中でも極め付きに銃器趣味に走った作品だったのではないでしょうか。「妖精刈り」と呼ばれる謎のエルフ連続殺人犯。その正体は、狙撃手を担うエルフの少女アグニと、彼女に拾われその助手を務めることになったユーゴの二人組の殺し屋コンビ。
彼らが狩るのは、妖精族のみ。なんだけれど、この妖精族……エルフと呼ばれるそれはファンタジー定番の不老にして悠久を生きる事実上死から最も遠い生物、ということになってるんですね。ここからが面白いところでこのエルフたち、先の異世界人たちの来訪があった時代に天敵であったオーガやゴブリンが絶滅した上に医療技術の発展もあって病気などの外的要因による死が完全に遠ざかってしまったために、長く生きた個体ほど生命体として精神的に変質しはじめてしまうのですが……。
長く生きたために精神が摩耗して感情が薄くなっていく、という設定はよく聞くのですけれど、その結果として外界への興味が失せたり変化を厭うようになったり、という変質はよく見るものだったのですけれど、この世界のエルフたちは心を失うことで静的になるのではなく、むしろ刺激を求めて欲望へと忠実になっていってしまっているのである。個としてひたすらに快楽を求め、悪しき欲望の権化へと化していく。それが露骨に表に出るのなら社会的に制裁を受けようものなのだけれど、数百年を生きたが故の強かさと社会的な立場によって、その誰もが社会的には名士として表の顔を保っていて、陰で権力を駆使して自分の欲を満たすための邪悪を、死から最も遠ざかったという意識ゆえの傲慢さから享受しているのである。
アグニとユーゴは、名も知らぬ謎の依頼人から指示を受け、そんな世に罰せられないエルフたちを剪定する、そんな立場に立っている。
ただ、彼らには正義を行使しているという意識はない。あらすじには使命と信じて、なんて書いてあるけれどどこをどう見ても使命なんか見出している様子もない。信念があるわけでも思想的観念があるわけでもない。怒りや憎しみという感情に則って復讐を果たしているわけでもないし、同じエルフとして許せないと憤っているわけでもない。
ユーゴに関しては、どうやら異世界人らしく記憶喪失を伴って迷い込んだこの世界で保護された先で、それはもうトラウマになるような悪夢を味わい、その果にアグニと出会って拾われたわけだから、奴隷商人などに対するドロッとした負の感情、怒りや憎しみは煮え立っているのだけれどだからといって、正義の味方として振る舞っているわけでもそういう意識を持っているわけでもない。彼は彼なりに、自分がなぜアグニを手伝って悪を為しているエルフを殺して回っているかについて、答えを探していくのだけれど、一方でアグニの方はというと上記したように実のところなんにもないんですよね。ただ、言われたからやっているだけ、という主体性の無さで自分の狙撃の腕に自負があるわけでもなさそうだし、その仕事に熱意を持っているわけでもなさそう。
やる気もなくいつも気だるげでシモネタが大好きで生活能力皆無な駄目人間。これ、ヒロインとして大丈夫か、というレベルで女子力も皆無、人としておおむねダメというありさま。あとがきで野良猫風?とのたまっていらっしゃいますけれど、野良はもうちょっと野性味というかやる気があるんじゃないだろうか。エルフとはいえ、まだ見た目相応の……長寿のエルフにとって場合によっては見た目以下の精神年齢かもしれないアグニですけれど、はたして彼女に心はあるのか、とふと思ってしまうほどには感受性が薄い感じなんですよね。ふにゃふにゃしていて、だるだるーとしている有様は無機質とは言えないんだけれど、その根底には人形めいた主体性のなさが見いだせてしまう。
唯一、執着を示しているのはユーゴに対して、なのかは今の所まだハッキリとわかりやすい反応を示したわけでもなく、でも愛用のL115A3を紅く塗ったりしているのは趣味趣向が出ているんだろうか、これ。
キャラとしては辛うじて【棺姫のチャイカ】のアカリが似てるかも知れないけど、あれは単にシモネタ好きがかぶっているだけかしら。ただ中身の空疎さを唯一身近にいる人間で埋めようとしはじめている、という点で結構似た感じはするんですよねえ。
作品として見ると、アグニとユーゴの二人で完結している閉じた世界でもあるんですよね。あとにミリアムという獣祖族の少女がチームに加わるのですけれど、依頼者でスポンサーである相手は全くの謎で接触らしい接触もなく、狙撃対象とは個人的な繋がりもなし。外界から遮断された彼らだけの閉ざされた人間関係、というのはユーゴたちが殺し屋という職業なのを加味してしっとりとした黒さを雰囲気として醸し出している。
サブキャラとして、事件を捜査する刑事二人が登場しているのだけれど、果たして彼らの存在は重要な役どころになっていくのだろうか。閉ざされた世界に穴を穿つ相手になるのだろうか。

殺し屋稼業としては、どちらかというと必殺仕事人的な雰囲気もあるんですよね。狙撃でありながら、その尽くでヘッドショットではなく胴体をぶち抜いているのが何気にミソなんじゃないでしょうか。殺された当人がわけも分からず突然死ぬのではなく、じわじわと今から自分が死ぬのだという痛みと恐怖を味わいながら死んでいくという末路を、心を失い感情を喪失し死を克服したと増長していた悪に味わわす。因果応報というものである。
また、スナイピングのみならず、いやアグニはもう狙撃しか出来ないポンコツなのだけれど、ユーゴの方は結構近接での銃撃戦のシーンも多いんですよね。それも拳銃で撃ち合うのではなく、短機関銃しかもスコーピオンというのがまた、やっぱりここぞというときはスコーピオンですね、という感じでw いやまあ、最終的に手持ちの最後の武器である拳銃で撃ち合うことになる、というのは銃撃戦の定番ではあるんですが。
久々にどっぷりと黒い榊さんバージョンを読めて、大変満足でありました。アグネータ、ヒロインとしては大変アレなんだけれど、先の見えない暗殺者という生き方において、ああいう退廃的で刹那的で自堕落で女子力皆無な在り方というのは、逆にそのまま後先考えずにズブズブになってもいいじゃないという沼的な魅力がなきにしもあらずなので、ここからミリアムも加わってどうなっていくのか楽しみでもあります。

榊一郎作品感想

項羽と劉邦、あと田中 ★★★★   



【項羽と劉邦、あと田中】 古寺谷 雉/獅子猿  PASH! ブックス

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田中【たなか】(31歳・会社員)はある日突然、秦王朝末期の中国にタイムスリップ。
見知らぬ地を彷徨うなか、後の斉王・田横【でんおう】と出会い、
田中【でんちゅう】という名の一族の者と勘違いされ召し抱えられることに。

持ち前の弁舌を生かして重用され、田横らと親交を深める田中は、
現代に帰るために、そして田家の未来を変えるために時代のうねりに身を投じていく…。

新たな視点で楚漢戦争を描き出す、「小説家になろう」で話題沸騰の新機軸歴史ファンタジー。

これ、見てわかる通りタイトルのフォントが凄く凝ってるんですよね。このユーモアがきいてる感じは凄く好き。
さて、舞台は始皇帝が中国を統一した秦朝末期。いや、統一した途端に末期というあたりは考えさせられるものがありますが、ともあれこの秦滅亡から楚漢戦争に至る時代って司馬遼太郎の【項羽と劉邦】あたりが一番有名ですが、三国志なんぞと比べるとやはり知名度としては劣るんじゃないでしょうか。斯くいう自分も項羽や劉邦の家臣や、章邯あたりまでは知っていましたが、斉の田氏とか全然知らなかったんですよね。
殆ど未知の時代ということになるのですが、本作は軽快な語り口ながら丁寧に時代背景や、田中くんが見てる範囲のみならず、動乱の時代を迎えつつある中華の地で蠢き出す伏龍たちをじっくり描いてくれているので、余計にワクワクさせてくれるんですよ。
燕の地で牙を研ぐ項梁と若き項羽、ヤクザの親玉さながらに破落戸たちをまとめながら得体の知れない存在感を見せつける劉邦と、その個性的な仲間たち。蕭何さんのこの頃からの苦労っぷりな涙を誘います。そして、始皇帝の命を狙いながら各地を流離う張良。過酷な労役義務を果たせず死罪となる破滅の運命を前に、死なば諸共と立ち上がる陳勝と呉広。いつか秦を倒すために名を伏せ臥薪嘗胆する魏の臣張耳と陳余。幾人もの英傑たちが、まだ春秋戦国時代の余韻が残る秦王朝の黎明期に雌伏していたわけです。
田中さんが、迷い込んでしまったこのはるか古の中国の地で出会った男、田横もまた斉と呼ばれた地の王族として今も名望を保っている田氏の有力な一族の一人でした。
あらすじでは、同じ田氏と間違えられて召し抱えられた、という風に表現されてますけれど、あれって迷子になって困ってた田中さんを、田横が捨て犬拾うみたいに連れて帰って、ご飯と住むところの面倒みてあげた、という感じで部下にした云々という感じなんですよね。部下というよりも、すぐにもう身内みたいな扱いでしたし。あれって、田中さんが本当に遠い田氏の末裔なのかについては、田横はそもそもあんまり気にしている様子もなく、単にきっかけと他の面々への言い訳に使ったという感じでしたし、彼の兄である田栄も従兄で一族の長でもある田儋も田中の出自に関してはさほど気にしたようすもなかったですし。
最初は食客、それでも殆ど身内扱いでしたけれど田中さんが田横の好漢っぷりや他の田一族の人柄の良さに惹かれていき、この人達を破滅の運命から救いたいと願い、ただ自分が生き残るのを目的とするのではなく、この人たちと生きてこの人達と未来を夢見たい、と気構えを変えたその時から、家族同然の関係になっていくのであります。
なんで、部下と主人とかそういう関係は最初の方から殆ど見られないんですよね。だからこそ、田氏の皆のことがたまらなく好きになっていってしまうのですけれど。
ただ、確かにこの斉の田氏。周りが一族ばっかりで、一族主義と見做されても仕方ない部分はあるのですが、そこに一滴穴を穿ってくる巨大な存在が、のちに加わることになるのですが、そこには始皇帝の最期に関わる、大きくもあり小さくもある歴史の改変が起こることになるのですが、それは実際に作中にてご覧いただければ、と。
それにしても、田中さんのよく回る口の軽快さもさることながら、やっぱり一番目を引くのは田横のまさに好漢そのもの、という漢っぷりなんですよね。上の人間には可愛がられ、同輩とは肩を組んで笑いあい酒を酌み交わすような関係になり、下のものからはひたすら慕われる、という感じの本当に気持ちの良い男で、男が思わず惚れてしまう男なんですよね。
もう、めちゃくちゃ格好いいんだ、この人。実は、三十すぎてる田中くんよりも若い二十代後半なのですが、年齢関係なく兄貴分なのである。ただ、田中くんも表紙みてもあれで三十代というのは若いよなあ。せいぜい二十代前半、場合によっては高校生に見えてもおかしくないぞ。
ただ、ここぞというときに、田横に対して年上らしい頼りがいを見せてくれるので、ただただ口が回るだけの男ではないのである。あんまり軍師知恵者というところまではいかず、弁士というあたりが精々ではあるのですけれど、田氏の中では重要な知略担当として無骨な面々を頼りなくも支えていくことになるのである。いや、結構ちゃんと頼りにされてる節はあるんですけどね。田栄の息子である田広くんなんかには、からかわれながらも慕われていますし。意志薄弱だった田広が一念発起し、田横と田中の旅に同行して、メキメキと精神的に成長していくのを田中くんがめっちゃ嬉しそうに可愛がってるのとか、なんか微笑ましくて好きでした。

さて、ラスト近辺ではついに秦王朝滅亡への引き金が引かれ、動乱の幕があけます。タイトルにもある項羽と劉邦の飛躍もまさにこれから。田中くん、ついつい劉邦最初の軍勢立ち上げになぜか巻き込まれるはめになりますが、色々と因縁か因果か出会いの縁が交わってしまうんだなあ。これが、良縁になればいいのですが。いや、実際に良縁にぶつかってやがるんですが、この三十路。おまえ、田横の悲恋にももうちょいなんとかしてあげような。今の所は、どうにもならない別れの先なのですが。
ウェブ版も読んではいたのですが、改めて読んでも飽きもせず面白く読めてしまいました。いやいや、これは実に良い仮想歴史小説でありますよ。間をおかず、二巻も読む予定。

スカルアトラス 楽園を継ぐ者 1 ★★★☆   



【スカルアトラス 楽園を継ぐ者 1】 羽場 楽人/hou  電撃文庫

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万能元素エーテルの飽和により巨大化したモンスター。世界は蹂躙され、人類の文明は滅亡した。―それから幾星霜。地上五百メートルの円柱上に築いた楽園ベルバで人類の子孫は生き延びていた。ベルバ円柱の地下に眠り続け、氷結の眠り姫と崇められる巨大骸骨の化石兵器スカルアトラス―。彼女に恋い焦がれる考古学者クレイは、その意志を持った化石兵器の覚醒に立ち会う。アジュールと名乗る少女に擬態したスカルアトラスとともに、クレイは閉塞した世界を変革していく。時を同じく、絶滅したはずの最強種ドラゴンの復活が囁かれ…。青年は巨大化石兵器を駆り、神話の獣を討つ!歴史紡ぐ幻想浪漫譚、開幕。
【わたしの魔術コンサルタント】の羽場さんの新シリーズは文明崩壊後に悠久の時間を経て再び地上に人類国家が誕生した時代における古代兵器を巡るストーリー。
円柱都市ベルバという舞台となる場所の歴史や、世界が置かれた状況。ベルバに限定せずに他国を含めた人類の現状とここに至るまでの推移が詳細に描かれていて、それがダイレクトにスカルアトラスと呼ばれる存在へと繋がっている。こういうしっかりとした世界観、歴史、舞台設定の作り込まれた作品はほんと好きです。バックグラウンドがしっかりしていると、登場人物たちが飛び回る姿がよりくっきりと浮き上がるものですから。
しかし、てっきり発掘された古代兵器に登場して戦うロボットものの一種かと思っていたのですが、いや概ね間違ってはいないのですがそういう機械機械したロボットではなく搭乗という感じでもなく、これって一種のウルトラマン形式の巨大変身ヒーローものの類にあたってしまうのか。
その当事者、スカルアトラス本人のアジュールはというと、当初は私兵器ですのでー、とばかりに人間らしくない無機質で無表情な様相を心がけているのですが……どうにも当初の姿って取り澄ましてた感じなんですよね。クレイとの交流で人間的な情動が産まれて人らしくなっていった、というのとはちょっと違う感じなんですよね。段々と、繕っていた非人間性の仮面の下からポロポロと素の感情がこぼれだしはじめた、というか……いや、当初からそういう意味ではあんまり繕えてなかった気もしますけど。すぐにクレイの化石バカらしい空気読まない発言に「凍て殺しますよ!?」とか怒りだしてたし。
まあ本人意識して繕っていたわけじゃなく、兵器なんだからクールにするもんだ、と思い込んでそう装っていた、という感じですけど。初っ端からドラゴンとサラマンダー勘違いして慌てて飛び出してきたりとか、ポンコツ要素まったく隠せてなかった気もするのですけど。
というわけで、クレイと付き合っているうちにそのハチャメチャさ、無鉄砲っぷりにあれやこれやと取り澄ましているわけにはいかずに、早々に人と変わらぬ情動を取り戻して、クレイを叱り飛ばす日々になってしまうわけです。従妹にあたるベルバの時期女王な姫様も、クレイの古馴染みのシークもクレイと顔をあわせるととかくお小言を言わずには居られず、それにアジュールも早々に加わざるを得なかったところに、クレイの化石バカっぷりが伺い知れるというものです。彼の化石愛には、ちょっと変質者入った部分もあるもんなあ。これで完全にアジュールのことも化石と同一視してしまってたらさすがにドン引きなのですが、化石としてのスカルアトラスを大事にするのと同時にちゃんとアジュールを女の子として丁寧に取り扱っているあたりは最低限のデリカシーは維持していたものと思われます。というか、わりと見直しましたけれどね。少なくとも無神経さとは程遠い接し方でしたし。
しかし、一方で異性に対するきっぱりとした線引きはハクアたちがちょっと可愛そうになるくらい。そこはむしろいい加減でも良かったんじゃ、と思ってしまうのはあかんでしょうか。でもシークに関してはちゃんと全部お話してたら、それだけで彼女に夢中になってたんじゃないか、という疑惑が。シーク、何気に最初期に致命的判断ミスしてたのよね、これ。でも、普通考えてあんな変態的な化石バカになるとは思わんだろうしなあ。
彼女の正体については、薄々途中からなんか怪しいな、とは思っていたものの、巫女さんと繋げてはまったく考えていなかったので、ラストの展開は結構本気で驚かされました。いやでも、そうならあそこで拗らせなきゃよかったのに。ヤンデレの業なのか。彼女の来歴を考えると、どうしてもアジュールを受け付けなかった、というのもわかるんだけれど、本質的にシークが優しい人だったというのはアジュールの意識内での会話からもわかるだけに、無茶さえしなければと思ってしまう。戻ってくる余地がなくはない、という程度に蜘蛛の糸は垂らしているみたいだけど。
しかし、変態的という意味では何気にアジュールも同類の素質はあるんですよねえ。クレイが幼いころから氷の向こうのスカルアトラスに夢中になっていたように、スカルアトラスなアジュールの方も髪の毛一本にいたるまで完全再現できるくらいにはクレイを夢中でガン見してたわけですしね。いや、実際見すぎじゃね? というくらいの完全再現なわけですし、どれだけ細部に至るまで見てたのか。
ベルダ国内での大事件はなんとか決着したものの、あれこれと詳細に説明されていた国外の状況が伏線となって、今度は世界を巡るお話に。まだスカルアトラスの姉妹たちが5人か5体か存在しているわけですし、さらに舞台のスケールも広がって話も盛り上がっていきそう。楽しみなシリーズになりそうです。

羽場 楽人作品感想

生き残り錬金術師は街で静かに暮らしたい 01 ★★★☆   



【生き残り錬金術師は街で静かに暮らしたい 01】 のの原兎太/ox  エンターブレイン

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エンダルジア王国は『魔の森』のスタンピードによって滅亡した。錬金術師の少女・マリエラは『仮死の魔法陣』の力で難を逃れたものの、ちょっとした“うっかり”で眠り続けてしまい、目覚めたのは200年後。―そこは錬金術師が死に絶え、ポーションが高級品と化した別世界だった。都市で唯一の錬金術師になってしまった少女・マリエラの願い。それは、のんびり楽しく、街で静かに暮らすこと。ほのぼのスローライフ・ファンタジー、ここに開幕!
錬金術師が死に絶え、とあらすじに書いてあるのでポーションの製作技術そのものが絶えてしまった世界なのかと勘違いしたのだけれど、エンダルジア王国があった地域では錬金術師が絶えてしまったけれど、他の地域では健在なんですよね。ただ、ポーションには土地縛りがあってその地と契約みたいなものをしてその地域の魔力を使って製作しなきゃいけない上に、その地域から出るとポーションも力を失ってしまう、という特性がある世界観……って、めっちゃ使いにくいなポーション!! グローバリゼーションに覿面に適さない地域特性! いや、流通が馬車レベルに限られてしまっている時代でも、生産された地域でしか効果を発揮しない、効果を維持するためには極めて高価な魔法具を必要とする、というのは使いづらくて仕方ない。鮮魚が港付近でしか流通しないのと似たようなもんか。もちろん、食材の一つに過ぎない魚と、特殊な回復アイテムであるポーションとでは重要度が全然違ってくるだろうし、マリエラが目覚めた迷宮都市は魔物と対峙する最前線とも言える場所でポーションの需要も非常に高いわけだから、そんな中でポーションを生産できる唯一の存在になってしまったマリエラの重要性というのは、政治的な意味においても極めて高いものになってしまうのか。
幸いなのは、マリエラ自身がその危険性に早々に自分で気づいていたことか。200年前の世界でも一人で細々と自分でツテを作ってやりくりしていたからこその慎重さ、なんだけど一方で根っこの部分でぽややんなんですよね、この子。経験に応じて注意深くはなっているし聡明ではあるんだけれど、鈍くさかったり押しに弱かったり、いわゆる切れ者とは程遠いんですよね。200年前もなんかぼったくられてたみたいだし。
最初に出会ったディック隊長たちの輸送隊が良い人たちだったから良かったものの、ディック隊長のことお人好しで大丈夫か、なんて心配してる場合じゃないぞマリエラさんよ。
そういう意味でも一人でやってくには心配な子だったのだけれど、迷宮都市に到着した早々に廃棄されかかっていた死にかけ奴隷のジークムントを買い求めることで、相棒を手に入れることに。
ただ、その動機というのが寂しさからなんですよね。200年後の世界で見知った人は全員死に絶え、住んでいた街も滅び、スタンピードの恐怖は眠っていた彼女にとってつい昨日のこと。恐怖と孤独感に突き動かされ、絶対的な味方、自分のそばに居てくれる誰か、というのを求めた結果が、偶々目の前で死にそうになっていたジークムントだったわけである。
これって、つまるところ「誰でもよかった」という意味でもあるんですよね。ぽややんな所のあるマリエラは、そのあたり今のところはあんまり深く考えていないようだし、寄す処とも言えるジークのことを大事にして、死にかけの体を回復させて、奴隷扱いではなく自分の助手か相棒のように接するのだけれど、ジークの方はそう簡単に割り切れないんですよね。
奴隷にされていた間、酷い扱いを受けていたジークは本当に心身ともにボロボロになっていて、それを救ってくれたマリエラには崇拝に近い気持ちを抱くのだけれど、同時に自分でなくても誰でもよかった、という事実は誰よりも実感しているし、途中で自分が彼女に抱いているのは崇拝などではなく、自分がもう二度と奴隷時代の酷い境遇に堕ちないための拠り所に過ぎないと気づいて、自分の醜悪さに苦しむことになるのである。
ジークが奴隷落ちしたのは誰かに騙されたとかではなく、結構自業自得なところがあるんですよね。元々腕利きの冒険者であったものの傲慢でろくでもない人間だった、というのはちょっと驚きの過去ではあったのですけれど、地獄を経験してそこから救われても醜さが消えてなくて、そんな自分を自覚して本当の意味でマリエラを、自分を救ってくれたこの人を守れるようになりたい、と自分に命題を課して生き方を改め努力を積み重ねていくジークは、最初からいい人だったというのとは違う味わいがあって、二人の関係がどうなっていくのかは非常に興味深いところであります。
縁が出来た黒鉄輸送隊の面々に助けられ、他にも良い縁を繋いでもらったお蔭で、なんとか順調に迷宮都市に生活基盤を築いていくマリエラとジーク。ただ、マリエラの持つ希少性はかなりのもので、彼女を取り巻く環境は決して安定しているとは言い難い。今後、色々と立場的にも危うい展開に巻き込まれそうだけれど、普通の女の子であるマリエラがどうやって乗り越えていくのか、楽しみでもあります。

ロードス島戦記 誓約の宝冠 1 ★★★★   



【ロードス島戦記 誓約の宝冠 1】 水野 良/左 角川スニーカー文庫

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"呪われた島"ロードス。戦乱に包まれたこの地も英雄達の活躍でようやく平和が訪れようとしていた。不戦を誓い合う王達であったが、時の大賢者より"誓約の宝冠"が差し出される。
「この王冠を戴いた物は他国を侵略出来なくなるであろう……」
――かくして、真の平和へと至ったロードスであったがその100年後、フレイムの王位継承者に禁忌を犯すものが現れる!
マーモ公王の末裔ライルは、この不戦の誓いに仇なす帝国に対抗すべく"永遠の乙女"の力を借りようとするのだが!?
戦乱の世を駆ける王子と伝説のハイエルフ。時を超え新たな「ロードスの騎士」を巡る冒険の旅が今、はじまる!
私がこの【ロードス島戦記】と出会ったのは30年前。まだ小学校の頃でした。当時はまだライトノベルという言葉すらなかったと思いますが、正真正銘はじめて出会ったこのジュブナイルファンタジーは自分の読書嗜好を完全に方向づけてしまったように思います。あれから30年。また新たなロードス島戦記を読むことが出来るとは思いませんでした。
完全な続編新シリーズ。ソードワールドの年表で記されていた、邪神戦争から100年後に再びロードス島で起こったとされる戦乱がこの物語の舞台となるわけです。
【クリスタニア】シリーズでは、邪神戦争でマーモを脱出したアシュラムがクリスタニア大陸に流れ着いて漂流王と呼ばれ、彼とともに脱出したマーモの民は暗黒の民として彼の地に国を打ち立てるのですが、この百年後の戦乱でもどこかの国が滅んで、その亡国の王女が率いて脱出した避難民たちが「新しき民」としてダナーン王国を建国することになるのですが、そのロードス島での戦乱の詳細については殆ど語られてこなかったんですよね。
それが今、こうして新たなシリーズとして開幕したわけだ。それだけでもワクワクしてしまうのですが、あのディードリットが健在でこのシリーズでも登場するとなるとそりゃ落ち着いていられないですよ。
ディードに限らず……あれ? 【ロードス島戦記】【新ロードス島戦記】のヒロインって百年経っているにも関わらず、何気にみんな健在のような。特に小ニース、この人てば……。今更ながら、スパークってよくこの人御せたよなあ。
一方でハーフエルフのリーフは種族的にも百年後なら生きているとは予想できましたけれど、思ってたよりもマーモ公国の中では重要なポディションについてるんですね。いや、変に大人な女性に変身していなくて、相変わらずなのは嬉しかったですけれど。しかし、スパークが存命の頃はずっとあの「国王の友人」という称号のままだったのに、現在は「境界の森の奥方」と呼ばれてるのはちと意味深ですね。スパークとの仲、実際に友人止まりだったのか否か。
そんなスパークとニースの子孫たちは、今代はみんな個性豊かな面々になってしまっていて、まあ。
現状、マーモ公王は崩御していて、今は第二王子が公王代理となっているのですけれど、4王子3姫と7人も居るマーモの子供たちはみんななんというか曲者揃いで。公王を継ぐ第二王子のアルシャーが一番まともで堅実なんじゃないだろうか。ただ、兄妹姉妹全員が凄く仲いいんですよね。王族でここまで意趣なく仲良し兄妹なのは珍しいくらいで、戦乱を前に図らずも……いや、図ってなのですが第三王子のザイードと第三王女のビーナが敢えてフレイム王国につくことでもしマーモという国が滅びても、妖魔たちを含めた暗黒の民たちを守ってきた法の秩序を保つために、陣営を異にすることになるのですが、お互いちゃんと相談した上での出奔であり敵味方別れても信頼と親愛に揺るぎがないというのは、見ていても嬉しいんですよね、なんか。
それに、フレイム側についたザイードたちも敵方になってしまった、というよりももう一方の主人公という風に描かれているので、敵役という風でもなく今後どうなっていくかわからない様相になっている。一応王族という身分はあるものの、立場上一兵卒からの立ち回りになってしまったザイード王子。そこから武功を重ねてフレイム軍の中で出世していくという戦記物の主人公ばりの活躍をしだすんですよね。本来ザイード王子って、マーモ一番の切れ者という名に相応しく、宰相とか軍師という立場で戦略をこねくり回し先々を予想して手をうって策を巡らし、というのが似合うキャラな上に王子様でもあるのに、現場からの叩き上げで勇者の資質あり、なんていう話まで持ち上がっているわけで、なんとも面白い描かれ方をしているのです。
ってか口絵のあの顔、絶対裏で悪巧みするのが趣味です、みたいな面構えなのに!! 確かに策士型ではあるんだけれど、何考えてるかわからない信用しづらいタイプではなく、誠実で信頼のおけるタイプなんだよなあ、あの顔でw
第一王子なんか相当の食わせ者っぽいけれど、みんななんだかんだといい子ばかりでスパーク王の遺訓が今も行き届いているのか、今もマーモ王族の教育係みたいなものも務めてるリーフの薫陶が効いているのか。いずれにしても、お互い覚悟は決めているとはいえ兄弟相うつという形にはなってほしくはないものであります。
また、本来の主人公というべきマーモの末弟であるライル。この子は末っ子らしくヤンチャなお子様という体なんだけれど、その分余計なものがくっついてなくて素直でまっすぐなんですよね。
だからこそ、パーンの伝説と【ロードスの騎士】という称号に対して憧れを抱きつつも単なる英雄願望や正義感に任せた勢いではなく、たとえ道化と嘲られようと自分がまずロードスの騎士を名乗ることでロードス島に住む人々が普遍的に抱ける正義を見出そうという姿勢は、正しくパーンの意志を理解し継承しようとしていると見えるのです。ディードが彼を認めたのもわかる、素朴な愚直さなんですよねえ。
まず自分がロードスの騎士を名乗ることで、幾人ものロードスの騎士が生まれればいい。ロードスの平和を願うもの誰しもがロードスの騎士になれる。彼の熱意は、戦乱の行方に不安をいだき、国の上層部の判断に不満を抱く人々に火をつけていく。
カノン王国の内乱で彼が示した活躍は、まさに大きなうねりとなり、ライルはそのうねりの旗手として名乗りをあげることになるのである。
カノン王国は、あの剣豪レオナー王の子孫なわけだけれど、代々あの剣技伝え続けていたのか。ローテル王って、もしかして今代の登場人物の中では剣の腕では最強だったんじゃなかろうか。王としても決して無能ではなく、聡明さを持ち合わせていた彼はそれ故に色々と見通しが立ちすぎてしまったのだろう。ザイードが早々にフレイムの勝利を予測したように。タイミングも悪かったんだろうなあ。ただ、あとを継いだユーク王もライルと同年代だし剣の腕も父親ほどではないものの相当なもののようですし、ライルとは良い盟友になりそう。
一方で、この戦乱を引き起こしたフレイムのディアス王はなんだろう、今の所シリーズのラスボスとしてはまだ役者不足に見えるんだよなあ。ロードス統一を目論んだのは彼自身の野心ではあるんだろうけれど、フレイム王国全体に蔓延っていた大国に成長した故の市井や貴族の増長が根底にあってその後押しがあったわけだし、傭兵王カシューの意志を明確に取り違えているし、その割に格好とかカシュー王のマネしてるのは何とも劣化カシューに見えてしまうわけで。今の所目立った瑕疵はなく、着実に戦果をあげているものの……実のところそこまで傑出した英傑であるというエピソードがあったわけではなく、この段階では評価しづらいんですよねえ。
むしろ、王弟のパヤートの方が真意も見えず何考えているかわからない分、器を感じさせる部分もあるんですよね。マーモの第三王女ビーナと恋仲で、現在ザイードを取り立ててくれているザイードサイドの上司でもあるので、その分評価が加算されているのもあるのだろうけど。
ライルが旗印となりつつある自由騎士団。フレイムに対抗せんと連合しはじめるマーモなどの諸国。順調に領土を切り崩していくフレイム王国ディアス王、その麾下としてディアスに従いつつもその周辺に独自の仲間たちを集めだしているザイード。まだ戦乱は始まったばかりながら、かなりの錯綜を見せていて、先行きどうなるかの予測が立たなくてそれが余計にワクワク感を増してくれるのです。特に、ディアス王側に入ったザイードにこれだけスポットをあてて主人公にしてもおかしくない働きを見せてくれると、単に野心を滾らせ戦火を広げた覇王を倒したら終わり、という単純な構図になりにくくなりましたしね。
ちょいと登場人物が多い分、個々のキャラの掘り下げがそこまでいかず、サクサクっと進んでしまうのでもう少しじっくり腰を据えて個々を見ていきたい、という感触もあるのですが、話が進んでいけば自然と深まっていく部分かもしれないので、兎にも角にも続きを欲するばかりです。
パーンはもう居ないロードス島戦記ですけれど、たとえ個人としてのパーンは消えても、伝説とその意志が今も色濃く残っていることを感じさせてくれる、間違いなくロードス島戦記なシリーズ開幕編でした。

やがてうたわれる運命の、ぼくと殲姫の叛逆譚 ★★★☆  



【やがてうたわれる運命の、ぼくと殲姫の叛逆譚】 藍月 要/かわく  ファミ通文庫

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酒場で働く少年レンは歯がゆい思いをしていた。街を守ってくれている凄腕の女魔物狩りオルカが、同じ魔物狩りである男性達からまがい物扱いされているからだ。神聖な存在“うたうたい”がその歌による加護を男性にしか与えないため、女性の魔物狩りは見下されていた。オルカの癒しになれたらと、今日もレンは歌う。彼女から向けられている気持ちにも自分の歌に眠る力にも、まだ気づかないまま―。想いが世界を変える王道シンフォニック・ファンタジー!

おおぅ、これはまた男女の役割を入れ替えたような構図の作品でしたね。歌姫的な役を担うのが14歳の男の子レンであり、そんな彼の歌声に魅了された戦う三姉妹が二十歳、十九歳、十八歳という完全に一回り上のお姉さんという……おねショタだー。
それ以上に、レンくんがこれお姫様なんですよね、立ち回りの上で。彼には戦う力は一切なく、出来るのは歌うことだけ。一方で三姉妹の方は命がけで魔物を狩る魔物狩りと呼ばれる狩人であり戦士たち。レンくんは守られるお姫様になってるんですよね、これ。もちろん、守られるだけのお姫様なんかではないのですけれど、この男の子は。戦う力が一切なくても、能力的なものではなく、気概という意味で彼はしっかりと男の子しているのです。……まあ、それ以上にその健気な性格は可愛いの一言なのですけれど。
レンくんにメロメロな三姉妹は兎も角として、彼を知る町の人達もみんなレンくんの事可愛がってるんですよね。老若男女の区別なく、酒場の歌い手として活躍しているレンくんの傾倒っぷりは、なんというか街で評判の看板娘かアイドルか、という風情で。それも、彼の歌う歌声の素晴らしさもさることながら、やっぱりその健気で可愛らしい性格なんだよなあ。
長姉オルカさんが、陰でハァハァしてるのも、まあ無理からぬところなのである。このオルカさんが、また不器用でついつい緊張のあまり気になってる子にキツくそっけなく接してしまう、というどこの強面主人公か、というムーブをやらかしているんですよね。レンくんの前でだけやたらと無表情の厳しい口調で突き放すような台詞ばかり吐いてしまうという……。そんなオルカさんにも、自分が至らぬばかりにと後悔と反省をしながら健気に笑顔で懐こうとするレンくんは控えめに言っても天使です。オルカさん自分でも吐露してますけど、二十歳と十四歳では若干犯罪臭がしますから。
しかしこれ、三姉妹全員一回り上の年齢にしたのは思い切ったというべきか。変にレンと同世代の妹を入れなかったのは、はっきりとお姉さんとショタという構図にしたかったのでしょうか。確かに同世代の少女をまぶしてしまうと、ブレが生じるとも言えますし。ただ、そのお陰で次女のベルと三女のナーファル、タイプの違うお姉さんとはいえ、オルカ一人にスポットがあたってしまって……いや、ベルは姉御肌で気安くレンとも話せるから、オルカとの仲介役として結構重要な役どころだったけれど、ナーファルはレンに好意を持ちつつオルカをせっつきながらも遠慮してか、ちとレンと個別で絡む機会が少なくなってしまい、割りを食ってた感もありましたが。

でも、完全にヒロインなレンくんでしたけれど、理不尽に対しては毅然として屈しない気概の持ち主であり、ちゃんと男の子として格好いいんですよね。街が絶体絶命の危機に陥ったときも、自らの命をかけて動くことが出来たというあたりに、ただ守られるばかりではないお姫様、という覚悟がありました。
展開としては割とオーソドックスなもの……オトコの魔物狩りの鬼畜っぷりがかなりフルスロットルなんですが、それを加味してもストーリー展開に大どんでん返しみたいなものは存在しないのですけれど、それでも話自体をグッと胸にくるものにさせているのは、登場人物たちの感情が溢れかえり決壊する場面の描写力なのでしょう。前作でもあったのですけれど、ダムが決壊するみたいに感情が爆発して溢れかえってくる激情、或いは感動や悲嘆という感情の描写がなんか漲ってるんですよね。その衝撃や震えがダイレクトに伝わってくるような力に、思わず読んでいるこっちまで飲み込まれてしまうのです。これは、大きな武器だよなあ。
だからこそ、その感情の起爆が個々人の内面のみの描写で完結しているのは、微妙に勿体無いようにも思うのです。なんていうんだろう、そこで終わってしまうというか、熱くなったものが外に、他のキャラに繋がっていかない、というかコンボが決まらない単発になっているというか。もっとシーン全体に、物語の流れの中心にその熱さが乗っていけばもっと興奮したんだろうな、感情が高ぶったんだろうな、と思ったりも。
まあそういう期待は、続きに期待したいと思います。個人的には三女の秘めた想いは応援してあげたい。そして、なんだかんだとレンと三姉妹が旅に出たあと、街の安全は誰が守るのか、という何気に難しい問題になってた部分をしっかりクリアしてたのも、あれ上手かったんじゃないでしょうか。誰よりも信頼できる託せる相手がそこに居たわけですから。

藍月 要作品感想

素直になれたら廃ゲーマーな妹でもかまってくれますか? ★★★   



【素直になれたら廃ゲーマーな妹でもかまってくれますか?】 落合 祐輔/ 竹花 ノート 講談社ラノベ文庫

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「妹のブ、ブ、ブラ持ってニヤニヤしないでよ、へんたい!」
俺と妹・二美の日常はだいたいいつもこんな感じだ。昔は一緒にゲームしたりと仲も良かったんだが、いわゆる思春期的なころから気まずい関係が続いていた。なかなか解決策もないまま趣味のネトゲに没頭する毎日な俺。それでも、ゲームを通じて学年一の美少女・真木穂乃香と仲良くなれたし、ゲーム内でもライバルギルドのマスターにして超絶ブラコンなヴィオレットをはじめとする、愉快な仲間たちと楽しく過ごせている。
それがせめてもの救いか……と思っていたら。ある日、俺はヴィオレットのプレイヤーの正体を知ってしまい……!?
素直になれないポンコツ妹との学園ラブコメ!

うわぁ、この妹は確かに面倒くさい。兄に対して素直になれないのは兎も角としても、肝心な時に視野狭窄になって独りよがりな行動に出てしまうところは本当に痛い。それで、味方になってくれる人を自分から突き放してしまっている。自分から望んで孤高であろうとしているならまだいいのだけれど、本人にはそんなつもりがないのも辛いなあ。
この娘に友達が殆どいないのも、ゲーム好きで周りと話が合わない、というだけではないのが見て取れる。
だからこそ、絶対的な味方になってくれているサブマスターやリアルの親友は本当に大事にしなきゃなんないのにね。性格というのはなかなか変えがたいものだし、二人……穂乃香と裕子も二美がそういう娘だと判った上で汲んでくれている娘たちだけに、二美には是非彼女たちに与えてもらったものを返せるように頑張ってほしいし、彼女たちの絶対的な味方で居てほしいものであります。

というかね、この作品で面白い部分って兄と妹の仲直りという面よりも、妹のギルドのサブマスターがゲーム仲間で仲の良い美少女クラスメイトであり、また自分のギルドの右腕であるサブマスターが、妹の親友の後輩だった、という妹と錯綜する形で二人の女の子がヒロインとして確立している、というところなんですよね。そんな二人が、妹との仲を取り持つために色々と尽力してくれる間にもともと仲の良かった穂乃香とは、妹を支えるサブマスということから余計に親密になり、また自分のサブマスもオフ会で実は妹の唯一のリアルの親友であることがわかって、リアル側で妹との間を取り持ってもらうためにリアルでも接触するようになり、と二人の女性とプライベートで親密になってしまうのであります。なかなか面白い錯綜した関係であり、距離感の縮まり方なんですよね。
肝心の妹の二美は、現在は疎遠になりながらも本当は兄大好きな重度のブラコン、なわけですけれど、あくまでこの子のブラコンは常識の範疇のブラコンであって、普通に兄妹愛なんですよね。そりゃ、兄に恋人とか出来たらへそを曲げそうなくらいには重度のブラコンなのでしょうけれど、その相手が穂乃香や裕子であるなら邪魔はしないし、むしろ応援するんじゃなかろうか、というくらいには健全なタイプのブラコンなのであります。
まあ、問題はどっちを応援するか、になるんでしょうけれど。ギルドで自分をずっと支え未熟な自分を守ってくれていた年上な尊敬できる女性である穂乃香と、リアルで唯一の友達として自分とずっと一緒にいてくれた親友の裕子。まさに板挟みである。
とはいえ、本巻では兄と妹の関係の修復に話が終始していて、兄の女性関係についてはほんのりと芽が出始めている気配を匂わせている程度なので、二美の立場上の問題が浮上しているわけではないのだけれど、続くとするならさてどういう話になるものかしら。

34歳カードゲーマー和泉慎平 信金営業は魔法少女を狩る ★★★☆   



【34歳カードゲーマー和泉慎平 信金営業は魔法少女を狩る】 楽山/みゅとん  Novel 0

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マジメだけが取り柄の信用金庫職員、和泉慎平。しかし、神にも等しき存在に遭遇したことをきっかけに、彼の人生は一変した。対戦型カードゲームを通して仲良くなった憧れのアイドル・冴月晶―人類の守護者たる魔法少女でもあった彼女を打ち倒したことで、その仲間たちに命を狙われていく。
「偉大なる王からの贈り物です。さあ和泉様、ご命令を」
手に入れたのは、ただの人間を最強の悪魔召喚士に変えるカードゲーム『デモンズクラフト』と、悪魔に堕ちて慎平に忠誠を誓う晶。後戻りはできない。手にしたカードで戦うしかない。おっさんカードゲーマーVS.最強魔法少女、ここに開幕!

パワハラ上司に虐げられ、苦痛なだけの仕事に追われるばかりの日々。生活に潤いはなく、家族も居ない独身生活。わずかに正気にしがみついていられるのは、趣味としてアイドルと子供の頃から時間と金を費やし続けたカードゲームという拠り所があったからだろう。それも、日々摩耗していく心身に果たしてどこまで続けていけるか。趣味すらも楽しめなくなった時、果たして自分はどうなってしまうのか。
こんな男に、生きる価値が存在するのか。
そんなすり減るばかりの日々に、彼を救ってくれたのは推しのアイドル冴月晶との邂逅だった。彼女自身カードゲームを趣味として、大会で玄人好みの攻防で存在感を見せた慎平に感動し、何より扱いにくいはずの自分――冴月晶のカード(彼女たちの所属するアイドルユニットがコラボとしてキャラクターカードになっている)をメインに使用しての大活躍。
カードマスターとしての慎平のファンとして、彼のカードの腕前を全肯定して尊敬してくれる晶。それは、彼のうだつの上がらない人生の中で拘り続けた唯一のものを、他でもない自分が推しアイドルとして追い続けた晶に認めてもらったのだ。肯定してもらったのだ。
報われた、そう感じただろうこの瞬間は。
よりにもよって、そんな自分の人生の肯定者を、その手に掛けてしまったと理解するまでは。

和泉慎平は正義ではない。何かの信念あって戦う者ではない。ろくでもない世界を破壊したいわけでも、自分を虐げる社会を壊したいわけでもない。この世を良くしたいと、あえて悪行に手を染めている者でもない。
彼はただ巻き込まれただけで、ただ生き残りたいだけだった。確かに、自分の生に価値はないかもしれない。生き残って、あの地獄のような仕事の日々に戻ってどうするのか。そんな苦痛に塗れた日々に戻ることに、一体何の意味があるのか。
それでも、おっさんは生きたかったのだ。死にたくなかったのだ。このまま惨めに理不尽に何の価値もなく殺されてしまうことが我慢できなかったのだ。
でも、もし無力なだけで何も出来ないなら、嘆きながら抵抗もしなかったかもしれない。だが、彼の手の中には不思議なカードがあった。使い慣れ馴染んだそれではないものの、正体を隠してただの少年として慎平の前に現れていた「魔王」が持ってきて、一緒に遊んだカードゲームだった。
それを駆使して、生き残れと魔王は言う。彼が人生のすべてを費やしてきて、冴月晶が肯定し憧れ尊敬してくれた、カードゲームの腕前を以ってして。それは、彼に残されたすべてだった。和泉慎平の矜持そのものであり、自負であり、彼の人生の証明であった。
魔法少女から悪魔に堕した冴月晶が、彼の罪の象徴として彼のカードの一枚傍らに寄り添って、襲いくる正義の魔法少女たちと相打たせる。
見っともなく無様に這いつくばり、命乞いをして理不尽を叫び、だが和泉慎平は決して諦めない。諦めない泥臭さこそが、彼のプレイスタイルだった。それは、彼の命が掛かったこの土壇場でも変わらない。圧倒的な魔法少女の能力を前に、耐えて足掻いて凌いで抗って、その姿に勇壮さは微塵もない。ただボロボロになった小汚い中年男の煤けた背中が震えているだけだ。
それでも、最後に残された矜持を捨てない男の背中は、諦めることだけは知らない男の覚悟を据えたあり方は、魔王の責めに陥落して悪魔に堕した少女にとっての最後の拠り所で在り続けたにふさわしい、格好良さなのだ。そのみっともなさこそが格好良いのだ。それこそが魔王も認め、晶が憧れ支えとした強さであり、傲慢をねじ伏せ理不尽を叩き伏せる彼の力だ。

和泉慎平は正義ではない。しかし、生き残りたいという願いは邪悪ではなく、自分のために堕ちた少女を救いたいという願いは善である。彼の抗いは、戦いは、紛うことなく「オトコの戦い」でありました。
正直、晶はあそこまで堕落させてしまったのは、ヒロインとしてはちともったいなかったかな、と。晶の慎平に対する想いに、色んな意味で邪まなものが混じり入ってしまって、あれラストで開放されたあともそのまま残っちゃってますよねえ。あれで逆に慎平からアプローチしにくくなってしまった感もあるんですよね。それ抜きでも、既に好感度はほぼ全開状態だったと見えるだけに、尚更に。
しかし、これ続くとなるとどういう展開になるのか。少なくとも、タイトルは若干変えないといけないんじゃないのかしら。

今日も俺は暗黒幼馴染に立ち向かいます。 魔法使いたちの望みと願い ★★★☆   



【今日も俺は暗黒幼馴染に立ち向かいます。 魔法使いたちの望みと願い】 葉山哲/鈍色 玄   MF文庫J

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クールな幼馴染に弄ばれるドタバタ魔法学園ラブコメ、開幕!

将来を嘱望される天才魔法使い『四大召喚士』近衛ミキヤは六年ぶりに帰国し転入した神智魔法学園で幼馴染と再会した。
「ごきげんよう――天才魔法使いの泣き虫ミーくん」
「うわああああああああああああああああああああああ!」
『武装召喚士』柊シガノ――幼いミキヤに数々のトラウマを植え付けた暗黒幼馴染にしてもう一人の天才魔法使い。
「あなたが生徒会長選挙に立候補すると聞いたから、私も立候補することにしてあげたの」
師の命令により生徒会長を目指すミキヤの前に、再びシガノが立ち塞がる!
前途洋々だった学園生活は何処へ。
クールな幼馴染の、ちょっぴり過激で意地悪な愛情表現に立ち向かえ……!!

んんん!? なんか思ってたよりも暗黒じゃないぞ、シガノさん!
いやてっきり暗黒幼馴染なんてタイトルがついているし、ミキヤのあの再会した途端のあの動転の仕方からして、どれだけ残虐非道なイビりが待っているのかと思ったのですが……。
いやいやいや、シガノさんが仕掛けてくるのって客観的に見るとただのデートのお誘いだったり普通にイチャイチャするだけの内容ですよね!? 特に非道い事はなにもないんですケド。それどころか、シガノのミキヤが好きで好きでたまらない、という感情が滲み出ているどころかバケツをひっくり返すような勢いであからさまにぶちまけているんですよね。
ところが、幼少時に弄られまくったトラウマからシガノに関する物事はまったく冷静に捉えられないミキヤは、過剰に警戒しその意図の裏を穿って考え必要以上にビビりまくって構えるものだから、状況はややこしくなってしまう。
まあ始末が悪いのはシガノの方がそれを誤解だ勘違いだと指摘せず、それどころか煽るは思わせぶりに誤解を助長させるわ、ミキヤが警戒しまくって怯えるのをむしろ喜んでしまっているところなんですよね。
うん、間違いなくドSだわ。
好き好き大好きを全開でぶつけながら、それで変に勘ぐってビビって大げさに右往左往している様を悦に浸って楽しみまくるという。それでいて、ちゃっかり実際の活動の方は当初の予定通りにイチャイチャに終始しているので、シガノさん一から十まで満喫し切ってるんだよなあ。
過去の所業から、本当の想いが伝わらなくてやきもきしている、なんてことは一切なし! これ、最終的には自分の好意が通じることを疑いもしていないのか信じ切っているのか、この揺るぎの無さは正直凄いなあ、と感心する。
まあ実際彼女がやっていることを見ると、ミキヤが勘ぐって空回りして自爆しているだけで、ほぼ積極的にアプローチしている、というだけだもんなあ。特に悪いことは何もしていないという。自分から積極的にパンツ見せつけていくスタイルは、それなりに悪女かもしれないけど。
そのせいか、ミキヤの妹のミヤの方もお兄ちゃんお世話係にも関わらず、この件に関してはシガノの味方なんですよねえ。
込めた感情がそのまま味になる、という魔力注入ケーキが尋常でないダダ甘さだったという所からも、シガノがどれだけベタベタなのかというのが伝わってくるんじゃなかろうか。それでいて、マウント取るのは絶対にやめない、というのはまあ暗黒幼馴染と言われて仕方ないのかもしれない。
どう見ても、どう考えても、ミキヤはシガノには絶対勝てなさそうですしねえ。
さらっと
「まあ仕方ないわよね。一緒に死んであげるわ」
なんて台詞が出てくるあたりが作者らしくて好きなのです。もう少しこんな風に葉村哲調でイチャイチャしてくれても良かったんですけどね。
学校の実体もなかなかカオスでぶっ飛んだ人材の宝庫のようで、普通に学園生活を中心に描いてもドタバタが極まった楽しい話になりそうなので、まずはこの第一巻はキャラや設定舞台のお披露目で次からさらに物語に勢いつけて、という風になりそうなだけに、2巻にはさらに期待したいんだけどなあ。

葉村哲作品感想

学園者! ~風紀委員と青春泥棒~ ★★★★☆   



【学園者! ~風紀委員と青春泥棒~】 岡本 タクヤ/マグカップ  ガガガ文庫

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青春全部入りの学園物語、開幕!

青春のすべてがここにある! ……かもね。
「先輩、最高の青春時代をおくるためには、どうすればいいんでしょう?」
「……はァ?」
椎名良士は高校二年生にして、学園の平和を守るトラブルシューター、風紀委員会の一員だ。
生徒同士の揉め事の仲裁や、教師には頼れない相談ごとを請け負い、学園内で起こる事件に翻弄される日々を送っていた。
そんな椎名の前に現れたのは、帰国子女の新入生、天野美咲。
青春というものに対して斜に構える椎名と、日本の学園生活を知らないがゆえに理想の青春に憧れる天野は、ひょんなことからコンビを組むことになる。
「思春期のガキを三千人、学校なんて狭いところに押し込めりゃ、そりゃ色んなことが起きる。いいことも、悪いことも」
入学シーズンの巨大学園を舞台に、個性的な生徒たちに翻弄されながら、次々と起こる事件を解決すべく学園内を走り回る椎名と天野。
果たして二人は最高の青春時代を掴み取ることができるのか。

リア充もぼっちも、モテも非モテも、優等生も不良も、文化系も体育会系も、みんながここで足掻いてる!
恋も友情も出会いも別れも勝利も敗北も甘さも苦さも、全部入りの青春学園物語、開幕!
風紀委員の新機軸だなあ、これ。この学校の風紀委員って、取締官や治安維持要員ではなくて、自分たちではトラブルシューターって言っているけれど、日本語で言うならいわゆる調停人なんですよね。かといって生徒の分際で揉め事トラブルを颯爽解決、なんてふうには行かないわなあ。それでも、足で稼ぎ頭を下げて周り、話を聞いて考えて損得勘定を計算して、と地道に働くことでどうにかこうにか、みんなが納得する形で物事を収めて調整していく。決して言うほど派手ではない仕事で、何気にトラブルメーカーで愉快犯気質の風紀委員長が首を突っ込んできて中途半端に大事にしようとしたり、さらっと多彩な人脈を駆使して助けてくれたり、と余計なのか何なのかわからない手出しをしてくるけれど、そう概ね派手ではなく地道な活動してるんですよね、風紀委員。と言っても、委員長除けば主人公の椎名に此度新入生で入ってきた天野の二人コンビだけが実働員なのですが。
しかし、トラブルはどこにでもあって、あらゆる種類の人間が抱えている。三千人も所属するマンモス学園である。様々な属性の生徒たちが存在しているのだ。でも、普通どれだけたくさんの生徒が所属していても、一人の生徒が活動する範囲というのはどうしたって自分のグループの近縁のみになる。しかし、あらゆるトラブルが持ち込まれる風紀委員は、いわば学校のあらゆる場所、あらゆるグループと関わり合いになる組織だ。
青春のすべてがここにある、というお題目は決して伊達ではないのである。
作品の雰囲気は明るく軽妙で、ポップともいうべきノリで繰り広げられる。でも、ギャグやコメディという領域には足を踏み入れていないんですよね。これだけ明るいノリなのに、しかし常にストーリーはシリアスに、真剣に展開していく。そこで描かれるのは、直球勝負の「青春」をテーマにした物語だ。逃げず茶化さず、真っ向から青春というお題目に挑戦しているのが本作【学園者!】なのである。
最後まで読み終えて、改て全体を振り返ってみると、本作のクオリティの高さに圧倒される。いやもうなんだろう、この絶妙なバランス感覚によって整えられた青春活劇としての完成度は。
本作の作者である岡本タクヤさんというと、【異世界修学旅行】で極めてレベルの高い異世界で青春するコメディ!を見せてくれたものですけれど、舞台を変え題目を整え直し、ひたすら一点集中で青春モノというものを突き詰めて描くと、ここまでのレベル、ここまでのクオリティのものを描き出せるのか、と正直震えたほどである。
惜しむらくは、ラストの展開がとても情緒的で主人公を含めてこの作品に登場した主要な人物の誰もが抱えていた孤独に繋がる展開の妙がある話であったのに対して、強烈さとかインパクトには少々欠ける落ち着きを得てしまっていたところか。いやそれも、しんみりと噛みしめるという意味では人それぞれの好みによるだろうし、決して惜しむようなものではないのかもしれない。
個人的には、椎名くんと三島香澄ってあれ実はプライベートで関わり合う分には滅茶苦茶相性いいんじゃないだろうか。今までは生徒会の人間と風紀委員の人間という立場同士だったり、クラスメイトとしても入学当初のトラブルから特定の立ち位置に立ってしまった椎名と、ほど最初からある種のカリスマ的な存在だった三島って、立場を踏まえてのかかわり合いしかしてこず、近く頻繁に接触があって遠慮もないわりに、一線とか壁というほどのものじゃないのだけれど、立ち位置立場を踏まえての関わり合い方しかしてこなかったようにも見えるこの二人。でも肩書とかそういうの全部取っ払ってしまって、ほんとに一個人、プライベートでのお付き合いとなったら滅茶苦茶相性良さそうな気がするんですよね。何気に趣味とかもあってるみたいだし。
色んな意味で対等で、色んな意味で特別なこの二人の関係は、物語が続くならもう少し突き詰めて見てみたい気がする。
その意味では、椎名と元気いっぱいな天野の関係って、前作の【異世界修学旅行】の沢木とプリシラの関係と似たものがあるかもしれないなあ。今の所恋愛関係に発展しそうに微塵もなさそうなところが。まあ今の所、という冠がつくけれど。何しろ、天野が堪能したい青春というものの醍醐味の一つこそ、恋愛なわけですし。
ともあれ、読み味が非常に滑らかで同時に読み応えもたっぷりという、実に読み甲斐のある傑作青春モノでありました。一応この一巻で格好ついているとはいえ、魅力的な登場人物がたくさんいますし、是非、続きが出てほしいものです。

岡本タクヤ作品感想

全肯定奴隷少女:1回10分1000リン ★★★★★   



【全肯定奴隷少女:1回10分1000リン】 佐藤 真登/凪白 みと  MF文庫J

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大丈夫なの!! まったくもってその通りなの!!!!!!

公園で見かけたボロボロの貫頭衣を身に纏った銀髪の美少女。
あざとい笑顔と快活な声で親身な言葉をかけているが、手には『全肯定奴隷少女:1回10分1000リン』と書かれた怪しい看板? どうやらお悩み相談を受けているようで――。
「奴隷少女はあなたのお悩みを全肯定するの!!!!!
さあ!! 日々のお悩みを叫ぶといいのよ!!!! えへ!」
たかが10分。されど10分。人生を変える言葉がその10分に詰まっている! 自分の歩む道に迷い、悩む、そんな頑張るあなたの弱った心に寄り添う、癒しの全肯定ファンタジー!


まったくもって面白かったの!!!!!!!!!

って、奴隷少女ちゃんの真似事なんてしてしまうと、イチキちゃんみたいに恥ずかしい事になってしまうので自重自重。
というわけで、先ごろGA文庫新人賞にて【処刑少女の生きる道(バージンロード)】にて大賞を受賞した佐藤真登さんの、新作第二弾。それが、この【全肯定奴隷少女:1回10分1000リン】であります。
全肯定奴隷少女:1回10分1000リンってなんぞそれ、と思わずタイトルを凝視してしまうだろうそれは、すなわち作中で件の看板を掲げて公園の真ん中で経っている奴隷姿の少女を目の当たりにした登場人物たちと同じもの。そうやってクエスチョンマークを頭上に浮かべて見守る先で、奴隷少女ちゃんとそのお客となる人たちの人生模様が繰り広げられていくのである。
一回1000リンを払うことで、様々な愚痴や悩みを吐き出す依頼者を十分だけ全肯定してくれる奴隷少女ちゃん。そのハスキーボイスから繰り出される全肯定に基づく勢いの良い励まし、応援、共感はまさに癒やし。日々積もっていく仕事のストレス、行き詰まっている問題や悩みを、奴隷少女ちゃんの全肯定はスカッと吹き払ってくれるのである。それはまさにメンタルヘルスケア。人の心の闇を、少しだけ晴らしてくれる救済のお仕事なのだ。
田舎から都会に憧れて飛び出してきた冒険者見習いのレンは、とある中堅パーティーに採用され、まずは荷物持ちからとダンジョン攻略に参加出来ることになる。しかし、所詮は右も左も分からない素人であり初心者。思い描いていた想像とは全く異なる自分の未熟、何も知らない不見識、ただただ何も出来ないという現実を思い知らされる。
そんな折に、公園で奴隷少女ちゃんとその顧客のやり取りを目撃することになるんですね。自分の檻に閉じ籠もるのではなく、他人の悩み、他人の愚痴を耳にすることでこの世の中、自分ひとりが悩んで闇を抱えているわけじゃない、という当たり前のことに気づくのだ。そんな風に、レンくんは自分の弱さ、情けなさ、みっともなさと向き合いながら、時に自分も奴隷少女ちゃんに励ましてもらう機会を得ながら、一歩一歩成長していくのである。

全肯定、そんな言葉を尽くして人を癒そうとする少女がメインだからか、本作はとかく言葉が重きを成している。語りかける一言一言に、無視できない力があり、心に届く強さがある。言葉ヅラだけの、表面上だけの薄っぺらな肯定ではない、全身全霊の肯定があり、それを受ける側にも全力で受け止める下地があるんですね。
この巻において、二度だけ奴隷少女ちゃんがお金のやり取り抜きに言葉を語りかけてくれるシーンがある。普段は看板で口元を隠して、お金を払うまでは微笑んだまま一言も発しない彼女だけれどに、二度だけ金銭を介さぬ形で、レンに語りかけてくれるシーンが有るのだ。
その時の台詞に込められた、あまりの優しさ、温かさには今思い返しても痺れるものがある。あれほど、慈愛という質量が込められた台詞があるだろうか。人を肯定するとは、実は生中なことではない。しかし、あの2回のシーンには確かにこれ以上ない「全肯定」が存在している。

しかし彼女「全肯定奴隷少女」は肯定するばかりの存在ではない。あの全肯定の看板の裏には「全否定奴隷少女:回数時間・無制限・無料」なる表記があり、下手な以来には奴隷少女ちゃんは敢然と看板を裏返して、全否定を突きつけてくるのだ。あの凄まじい罵倒の嵐は、なるほどある種の界隈にはご褒美かもしれない。
そんな奴隷少女ちゃんとは一体何モノなのか。彼女がチンピラに絡まれたあたりから、その謎さが浮き彫りになってくる。彼女の正体については、主人公のレンが預かり知らぬ場面でこの国の過去、後年前に起こったという革命の話と合わせて徐々に明らかになってくるのだけれど、全肯定奴隷少女という名目は伊達ではないんですよね。
そのバックストーリーは、救国の勇者の登場、或いは帰還とあわせてようやく扉が開かれたところで、その中を除くのは2巻以降の話となっている。もっとも、その開けられた過去と今とを繋ぐ扉の前で繰り広げられる攻防こそが、この第一巻のクライマックスにして目玉になるのだけれど。
全肯定奴隷少女の全肯定、彼女が今までやってきたことの意義を示すための抗いであり、弱い弱い新人冒険者レンの情けなくみっともなく、しかし最もカッコいい戦い。
このレンくん、微妙に雑魚気質があるんだけれど、がんばり屋で直向きでイイ子なんですよねえ。時々、ナチュラルにクズ男ムーブかましてしまうところも含めて、実に可愛い主人公なのである。
同じパーティの先輩方がすごく可愛がってるのもよくわかるんだよなあ。
ちなみに、彼が所属したパーティーってこの世界、この街の基準ではどのくらいなのかはわかりませんけれど、客観的に見て相当にホワイトです。成果報酬制だけじゃなくて、月給+成果に応じたボーナス。緊急の場合のためのパーティー内貯蓄あり。というなにこの超ホワイト企業並。しかも、ド素人だったレンくんに対するケアやフォローもしっかりしていて、彼自身の努力あってこそなんですけど、パーティー全体が彼を育てることを重視して動いてくれてるんですよねえ。個々人もみんないい人ですし。
そんな中で唯一、レンに厳しくあたってくるのが年下の先輩という女魔術師。意識高い系で自分に厳しく他人にも厳しい彼女が、もうひとりのヒロインなのでありますが、最初はとにかく嫌な先輩なんですよね。その尖った性格にはもちろん理由があり、彼女にはひたすら強くならないといけないという理由と覚悟があるからこそなのですが、ヌルい態度で素人丸出しなレンは当初はもう目の敵にする感じで、レンもそのお蔭で序盤は随分と悩むことになります。
その態度も、レンの努力と精進でなんとか見れる冒険者になってきたことで徐々に解消され、見直されていくことになるのですが……。レンの大失敗をきっかけに、彼女との関係もまー、えらいことになっていくのであります。おおむね、レンの誤解を招く言い方とタイミングの妙が悪いんですけどね!
正直、この一巻でレンに妙に意識させられてしまって狼狽えだす女魔術師もこの時点で相当に可愛いのですけれど、本番はまさにあのラストシーンの直後からはじまってしまうんですよね。
ウェブ版の連載時でも、まさにあの直後から女魔術師の人気が起爆爆発してしまう、凄まじいまでの女魔術師タイムがはじまってしまうのですが、それはもう2巻に乞うご期待ということで。
いやあ、あの時期は私も更新されるたびに、あまりの甘酢っぱさと彼女の蠱惑的なあれこれに悶絶しまくってやばいことになってたんだよなあ。あれは本当に凄まじかった。凄まじいとしか言えない凄まじいラブコメ模様だった!
ちなみに、この女魔術師の名前ってウェブ版ではその女魔術師タイムが最高潮に達した瞬間についに作中で描かれる、という悪魔的所業がなされていて、滅茶苦茶効果的だったんですよね。
同時に奴隷少女ちゃんの本名もあかされる、という二重構造の名前公開になっていて、演出としても非常に効果的だったのだけれど、さすがに書籍版だとそこまで一巻ではたどり着かないということで、女魔術師ちゃんの方はちょっと早いタイミングでレンの口から名前が飛び出すことに。
タイミングとしてはウェブ版の方が最高とは思うんだけれど、こっちもレンが彼女に最初にちゃんと認めてもらえた、というシーンでのことなので繰り上がりのタイミングとなってしまいましたけれど、これはこれで良かったんじゃないかなあ。

ほぼほぼ戦闘シーンとはかけ離れた日常シーンの中で物語が繰り広げられる作品なのですけれど、背景となる世界観の設定は佐藤真登さんらしい魅力的で独特なもので、まずダンジョンの設定からして他とは一味違ってるんですよね。人の集まる場所に生じるので大概街中に存在していたり、人々が発する強い思いに応じて、魔物や素材なんかが発生するので強い悪意や負の感情が生じる事件が発生するとダンジョン内でもそれに応じた凶悪な魔物が発生したりする、という設定なんぞは街中で起こっている出来事や事件がダンジョンにそのまま連動しているというのは物語上も結構重要だし、展開の妙にも繋がっているんですよね。
魔法なんかの設定もかなり捻ってて面白いですし、あの度々登場する聖女イーズ・アンとか、色んな意味でとんでもないもんなあ。今までフィクションで出てきた「狂信者」というカテゴリーへの認識を一変させてくれたとんでもないキャラですし。
奴隷少女の妹だというイチキの方も、まだチラ見せ程度の出演、というにはなかなか濃い出番で、女魔術師との出会いと関係は後々もかなり大事な意味を持つのですけれど、彼女の見せ場についても(ラブコメ的な意味においても)これからこれから。

やー、ウェブ版からもちょこちょこと改稿加筆されている部分もあり、改めて読み直しても胸にダイレクトに届くものがある、最高の面白い傑作でありました。GA文庫の方の【処刑少女の生きる道】とはまた毛色に違う作品でもあり、あちらを読んだ方でも新鮮な感じで頁をめくれるのではないでしょうか。
ラブコメ的にフルバーストモードに入る第2巻が、今からヤバイくらいに楽しみになってます。やばいやばい。

佐藤真登作品感想

賢勇者シコルスキ・ジーライフの大いなる探求 ~愛弟子サヨナのわくわく冒険ランド~ ★★★★   



【賢勇者シコルスキ・ジーライフの大いなる探求 ~愛弟子サヨナのわくわく冒険ランド~】 有象利路/かれい 電撃文庫

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その男、最強にして変態――。弟子サヨナ絶望の日々を描くわくわく冒険譚!

「ところでコレ、ホントに出版するの?」
編集長の鋭い眼光とその言葉に、担当編集の命は風前の灯火であった。

本作は『賢者にして勇者である最強の称号《賢勇者》を持つ男が、弟子(おっとり巨乳美少女)とともに社会の裏に隠れた悪を断罪する』という“ザ・今時のライトノベル作品”としてスタートした。
だが作家からあがってきた原稿は、全裸のイケメン(賢勇者)をはじめ、筆舌に尽くしがたい変態仲間たちが織りなすナンセンスギャグギガ盛りの――いわば「なぜか堂々としている社会悪」的な何かであったのだ(ついでにヒロインの胸も削られていた)。

「だ、出版(だ)します! 面白いですから!」
超言い訳っぽい担当の言葉は真実か!? ――その答えは、君の目で確かめろ!
……凄えな、これ。いやマジですっげえなこれ! 凄えなこれ!?
なんかもう最初、凄えとしか語彙が出てこなくて参った。いやだって、凄いんだもん。キレキレ過ぎじゃないですか、このギャグ漫画。いや、漫画じゃなかったライトノベルだった。でもこのキャラ同士の掛け合いのテンポって4コマ漫画のそれに近いものを感じたんですよね。超面白いギャグ4コマ漫画を文章で読んでしまったような。いやそれにしても、ギャグの切れ味が半端なさすぎて圧巻ですらあるのだけれど。
正直、ここまでキレッキレにキレまくってるギャグラノベってちょっと他に類を見ないんじゃないだろうか。これでも結構たくさん読んできた自負はあるんだけれど、本作はガチで尋常ではないものがある。読んでて最初の方は、自分はとんでもないものを読んでいるんじゃないだろうか、という畏怖を笑い転げながら感じるというなかなか器用な有様になってしまったほど。
圧巻ですらあった。ちょっと白目剥いてたかもしれない。
ただ、序盤がそれだけ神がかっていたのに比べてしまうと、中盤以降はちょっと落ち着いてしまう。少なからず、魔王のカグヤちゃんが作中でもツッコまれてたけど、普通すぎて存在感が低かったせいかそこで少々冷静さを取り戻してしまったのかもしれない。
メタネタを後半に行くほど多様しすぎて、それに頼ってしまいがちになってしまったのも個人的に勢いを減じてしまったと感じたところです。メタネタは嫌いじゃないどころか、【ゴクドーくん漫遊記】でそんな手法があったのか、と感銘を受け以来うまく使っている分には好きなネタですし、本作におけるメタネタはKADOKAWAの御乱行な扱い方といい実にアレすぎて、血塗れの釘バットを振り回して時々振り回している自分にもヒットしているような暴れっぷりは清々しいほどで、いやもうこれぞメタネタの使い方の焚書本、という感じの凶悪な使い方で実に良かったのですけれど、若干繰り返しすぎて後半しつこく感じてしまったなあ、という向きがあったんですよね。ギャグネタの比重としても、後半に行くに連れてメタネタが増えてちと喰い飽きてきたというのがあるのですよ。あれなら、もっとシモネタでも攻めてくれても嬉しかったのに、というところで。まあこのあたりは、個人の好みもあるので、自分の感想に過ぎないのですが。
あと、終盤に向かって弟子っ娘サヨナの物語が進展するのですけれど、これが残念なことにギャグ作品としての勢いや切れ味に対して手綱を締めるようなバランスになってしまった感があるんですよね。ギャグの切れ味を増す方向ではなく、ギャグによってシッチャカメッチャカに引っ掻き回されて笑いに塗りつぶされるところを、変に落ち着かせられて平静さを取り戻してしまう要素になってしまったというべきか。クライマックスで今までの登場人物(変態)をオールキャストで登場させて、場をぐちゃぐちゃにして引っ掻き回すという展開も、燃え要素のある笑いではあったのだけれど、序盤の「なんじゃこりゃーー!」というあの訳のわからなさ、不条理、ナンセンスを沸騰させたようなそれとは違って、どうしても統制された理性を感じてしまったんだよなあ。
精神汚染から開放されてしまった、みたいな。それがちと残念というか物足らない部分であったのです。前半ほんとに自分の中でも伝説になるんじゃないか、という勢いだったからなあ。
いやそれでも、ほんとにとんでもねー作品なのだけれど。色んな意味でとんでもねー作品だったんだけど。
ただ、サヨナちゃんの弟子生活見ている限り、あのお師匠様を最終話であんな信頼する要素は一ミリも存在しなかったと思うんだけど! 概ねひどい目にしか合わされてなかったですよね!? なにかしらお師匠様として尊敬されるようなこと、されたことなかったですよね? むしろ、いつ縊り殺すかカウントダウン、終末時計の針一秒も止まりません! みたいな感じだったと思うのだけれど。
年頃の女の子が何回何度何人の汚い男の裸、全裸、生まれたままの姿を見せられたのか。そのうち、ろくに反応もしなくなったあたりに、サヨナの汚れちまった感が出ていて実にワクワクでした。冒険って誰が誰に対して冒険ランドだったんだろう。冒険というか暴挙に全裸頭頂してた気もするけれど。しかし、【境界線上のホライゾン】の主人公・全裸に続く主人公の全裸率だったなあ。モザイク無し時間で換算すると容易に上回っていたかもしれない。画面上における汚いおっさんどもの全裸になってはいけない公共の場所での全裸率に関して言うなら、圧倒的ですらあったかもしれない。なぜ、清涼剤としてサヨナちゃんの全裸が存在しなかったのかが深刻な謎である。もはや途中から老若男女の区別なく衣服とか必要なかったんじゃなかろうか。全部全裸でも良かったんじゃないだろうか、特に問題なさそうだし! だし!

なにはともあれ、ヤバイ! 酷い! 最低♪ の三拍子揃った大怪作でした。いやあ、もう凄えわ、うん。

新宿もののけ図書館利用案内 ★★★☆   



【新宿もののけ図書館利用案内】 峰守 ひろかず/Laruha  メゾン文庫

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気弱な司書の再就職先は妖怪専用図書館!?

新宿・舟町の住宅街にひっそりと佇む深夜営業の「新宿本姫図書館」。
本を返す時には必ず別の本を添えなければならないという奇妙なルールがあるこの館には、
人間でないものばかりが訪れる――。
人間の身でありながら、訳あって本姫図書館で働くことになった末花詞織。生真面目な館長代理の牛込山伏町カイルとともに、今夜も化け猫や化け狐などの新宿妖怪を相手に奮闘するが!?
気弱な司書と新米館長代理が紡ぐ、優しいもののけ図書館物語。

そう言えば、最近は図書館に行ってないなあ。自前の積本が1000冊超えちゃってるんで、図書館に行く暇があるならそれを崩さないと、となってしまって随分と足が遠のいている。それでも、そのときは既にバーコードで貸出の記録はとっていたし、パソコンで検索も出来ましたけどね。
本の裏付けに貸出カードを挟んで、という形式はさすがに30年前くらいでも既になくなりはじめてたやり方だったんじゃないかなあ。学校の図書館なんかは、当時はそんな形式でしたけどね。
さて、峰守ひろかずさんの妖怪もの、ご覧の通り今度は私設図書館と新宿という土地が舞台となっております。登場する妖怪たちは、知名度のある有名な妖怪とは少し違っていて新宿限定のローカルな妖怪伝説・伝承からの出演になっていて、いやそんな狭い地域の中にこれだけ様々な妖怪の伝承が残ってるの? と、驚くくらいに多士済々な逸話があるんですねえ。もちろん、長々としたお話が残っている妖怪ばかりではなく、ほんの一文だけの正体も具体的な姿形能力も不明なあやふやな存在も居たりするのですが、いやさ妖怪というものは実に面白いものだと改めて思わされるものでした。妖怪学なる学問大系が出てくるのもよくわかる深度と密度であります。
しかして本編のメインとなるカイルくん。彼がまたいいんですよ。
峰守さんって、絶対城先輩もそうでしたけれど他の方が書いたら愛想とか愛嬌とか欠片もないキャラになるだろう
クールでスタイリッシュだったり堅物で生真面目だったりする青年を、ものすごく可愛らしく書くのが本当に上手い! イケメンのシュッとした青年が可愛いって、変に思えるかもしれませんけれど、この人が書くと固い部分が素晴らしく愛らしい感じになるんですよね、不思議!
カイルくんはまさにその権化という感じで、なんていうんだろう……まんまですけれど、「真面目な猫」ってなんかそれだけで可愛げの塊みたいじゃありません?w
内気で気弱なヒロインである詞織さん、他人に意見なんてするの以ての外、という引っ込み思案な女性で前職の図書館司書として働いていたときも、騒いでいる客に注意も出来ず理不尽な理由で契約解除の通達をしてきた上司に対しても文句も言えず、という感じの人だったのに、カイルくんに対しては最初は当然どういう人柄の人なのかもわからず、カイルくんも気を使って遠慮したり気を回しすぎて婉曲になったりとお互い距離感のとり方に悩んでいたところなんですけれど、馴染んでくるにつれてむしろ詞織さんの方が、カイルくんの行動や決断を促したり、背中を押してあげたり、引っ張ったり、とイニシアティブを取る場面が多く見受けられるようになるんですよね。
もちろん、彼女も妖怪相手の図書館業務に勤しむことで成長や見識を得たり、というのはあるんですけれど、何よりカイルくんの人柄がついつい気弱な詞織さんをして、手を差し伸べてあげたと思わせたり、彼の頑張りを支えてあげたい、助けてあげたいと思わせられるようなキャラなんですよ。
なんかもう、可愛いのよ。
妖怪で化け猫なので、詞織よりもずっと年上なのかと思ったら、何気に実年齢年下だったりするのも結構ズルいなあ、と思うところで。いやそりゃ、猫としては大変長寿であらせられますけども!?
それでカイルくんは頼りないのかというと、そんなことは全然なく、いざというときは男らしいですし、詞織が滅入ってしまった時には懸命にフォローして言葉を尽くして支えてくれるんですよね。いやもうメッチャいい男やないですか。
各話も、どこか人情物らしい風情が漂っていて、本を借りたまま返さない化け猫の話とか、狸と狐の落語話なんか、非常に味わい深く楽しいものでした。せっかくなら、本姫さまちょいとだけの顔見せ出演じゃなく、もっとあのギャップをいかしてガッツリ出番確保してくれればよかったのに。
相変わらず読後感が清々しくほんのりと温かい、良い一作でありました。

峰守ひろかず作品感想

処刑少女の生きる道(バージンロード) ―そして、彼女は甦る― ★★★★☆   



【処刑少女の生きる道(バージンロード) ―そして、彼女は甦る―】 佐藤 真登/ニリツ  GA文庫

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この世界には、異世界の日本から『迷い人』がやってくる。
だが、過去に迷い人の暴走が原因で世界的な大災害が起きたため、彼らは見つけ次第『処刑人』が殺す必要があった。
そんななか、処刑人のメノウは、迷い人の少女アカリと出会う。
躊躇なく冷徹に任務を遂行するメノウ。
しかし、確実に殺したはずのアカリは、なぜか平然と復活してしまう。
途方にくれたメノウは、不死身のアカリを殺しきる方法を探すため、彼女を騙してともに旅立つのだが……
「メノウちゃーん。行こ!」
「……はいはい。わかったわよ」
妙に懐いてくるアカリを前に、メノウの心は少しずつ揺らぎはじめる。

GA文庫大賞、7年ぶりの《大賞》作品!
――これは、彼女が彼女を殺すための物語。

これ、「生きる道」にバージンロードというルビを振るの、話の内容を読んでメノウとアカリの旅の目的を知って、「生きる道」という言葉に込められた意味を理解したあとにもう一度見直すと、凶悪の一言なんじゃないですかね。
処刑少女 メノウの生きる道をバージンロードと言ってのけるこのセンスには喉の奥から呻き声が漏れ出てしまう。

生きる道を見つけなさい。生きてきた意味を見つけなさい。それが、彼女の遺言であり祝福の言葉だった。その人は正しく強く優しい道を、光の道をあるき続けてついに見つけることが叶わずに、迷い果ててしまった。正しくても、真っ当でも、善き在り方を続けても、生きる道が見つかるとは限らない。
メノウは悪人である。陽の光の下を歩けない、外道であり卑怯者であり、おぞましい人殺しである。それを選んだ。異世界人の人災によって自分も含めて何もかもが漂白された真っ白の果てに、それでも自分でその道を選んだ。復讐のためではなく、憎しみのためでもなく、正義のためですらなく、ただ誰かがやらなくてはならない悪行を、誰かの代わりに自分が引き受けるために。
その意志は尊く、しかしその在り方はあまりにも悪である。処刑人は自らを悪と規定する。言い訳もせず、必要だからと正当化もしない。迷い込んでくる日本人たちに罪はなく、彼らはおおむね善良で決して殺されるべき人々ではないと理解した上で、殺す。その所業を世界のためだとか正義のためだとかと糊塗したりせず、それを悪を見なしてその身に引き受けている。
処刑人とは、そんな存在でありメノウはその中でももっとも純粋な必要悪の概念を体現しているのだろう。だから、彼女は自らが救われることなど、かけらも望んでいない。誰かのために人を殺し続けた彼女は、だから、これまでメノウは自分が生きる道を見つけようだなんて、考えたこともなかった。
そんな彼女の、この物語はそんな彼女の、生きる道を見つけるための旅の物語なのである。今まで生きてきた意味を見つけるための、旅なのである。

翻って、アカリの生きる道はすでに見つけ終わっている。見つけ終わって、そこにたどり着くためのリスタートがこの旅なのだ。彼女の生きる道は、死に至るための道だ。彼女の生きてきた意味は、最愛の人に殺されるためにある。
アカリはとっくに、メノウを許している。彼女の悪を、この上なく受け入れてしまっている。
だから、この旅はメノウにとっても終焉に至る物語になっている。アカリの存在に染め上げられて彼女を喪えなくなっても、アカリに許されて彼女を喪うことになっても、いずれにしても変わらない。
だから、ある意味メノウにとっての幸福は約束されているのかもしれない。だから彼女の生きる道は、バージンロードなのだろうか。
メノウとアカリ、二人にとっての幸福は、二人にとっての終着点だ。そこに広がるであろう光景を、彼女たちは知らずして既に望んでいる。だから、これは二人にとっての破滅の物語なのだろう。二人が幸せな結末を迎えるための、約束された破滅の物語なのだ。二人で歩くバージンロードのその先に、幸福な破滅が待っている。それだけが、二人を救う。

でも……果たして、本当にそれだけがこの物語の約束された結末なのか。
鍵は、導師の言葉にあると思われる。
「いつの日か幸福によってすべてが壊れ、それでもなお生き残ることが出来たなら――」
メノウに悪を説いた、この世の悪を引き受けた導師【陽炎】が本当に望んだものはなんだったのか。
「お前は、その時、私を超えろ」


バージンロードとは、今まで歩いてきた道とも言われている。その上を歩き、その先で待っているのは新たな未来をともに歩む人だ。その先にあるのは未来そのものだ。
決して、終着点などではないはずのである。
処刑少女の生きる道、メノウはそれを本当の意味で見つけることが叶うのか。
永く、困難な旅路のはじまりの巻です。



ヤンデレさではモモばかり目立ってるけれど、あれリボンの件鑑みてもアカリも相当アレだよね。ってかこの二人、絶対仲良く出来ないだろうなあ、というのが透けて見えすぎる。何気に、リボンに対する嫌がらせは、モモのリミッター解除も加味してあの場における最適解なんだろうけど。あとで、メノウからモモに新しいプレゼントが贈られるとわかっているからこそなんだろうけど。
それでも、女の怖さが滲み出ててアカリも能天気なだけの娘じゃないのよ、という闇が……。

アーシュナ姫ちゃまは、瞬間瞬間が生きる道そのものだなあ。ある意味、刹那で完結しすぎていてそれ以上も以下もないというべきか。そして、あの衣装である。作中にて書かれている衣装の形状を忠実にイラスト化すると、あんなんなっちゃったというありさまで。
餓狼伝説の不知火舞の衣装を上回る、動いたらぽろり確実な服を見たのははじめてだw


佐藤 真登作品感想

理系な彼女の誘惑がポンコツかわいい ★★★★  



【理系な彼女の誘惑がポンコツかわいい】 長田 信織/うまくち醤油  角川スニーカー文庫

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「逆関数で考えましょう。恋人をすれば恋ができる」。お前ほんとはバカだろ

「私が、あなたを魅了し尽くしてみせるわ」
セレブの子息令嬢が通う私立瑛銘学院。
外部編入ながら学院首席の久遠寺梓と、名家のお嬢様であり数学の天才・弥勒院由槻は、学院の特権を賭けた“恋愛ゲーム”に参加することに(参加者総勢2名)。
持ち得る知識を駆使して梓にアプローチをかける由槻だったが、その方法はいちいちズレていて……。
「簡単に言うと『私と会っていないときに会いたくなる度数』ね」「よく堂々と言えるなそんなこと?」
由槻、お前ほんとはバカだろ。
――どちらがよりエリートか、それは“相手を恋に落とせば”わかる。
知性派高校生たちによる計算高い(?)“惚れさせ合い”合戦、開幕!
相手を恋に落とした方が勝ち。
ただし、恋に落ちているかどうかについては、数学、記号論理学的に証明しなければならない
という話ですよね、これ!?
この由槻ちゃんは、感情は豊かな方なのだけれど情緒というものを理数学的にしか認知、認識できないっぽいんですよね。寓意とかも通じなくて、梓くんが使う慣用句やことわざなんかも表意的にしか意味を捉えられずに「????」となってるし、自分から伝える場合にもわかりやすく噛み砕いて、ということが出来なくて、とある方程式における単語の意味を問われたときに単語の定義を伝わりやすい表現に噛み砕いて、ということが出来なくてパニックになりかけてたりするんですよね。
ぶっちゃけ、仮想デート回の話を見たら、由槻も梓くんもお互いのことどう見てもべた惚れなんですよね。お互い好きすぎて、頭沸騰しちゃってるんじゃ、というくらいには出来上がっているのです。
つまり、相手を恋に落とす、という勝利条件は実のところこの恋愛ゲームがはじまった時点でクリアしちゃってるわけですよ。なんだそれ!?
ところがですよ、由槻は自分が恋しているという状態をまるで認識出来ていないのである。見ないふりをしているとか、鈍感とかじゃなく、もやもやした感情の正体がわからなくて戸惑っている、とかでもなく、本当に認識出来てないっぽいんだよなあ。明らかにそこに恋情は存在していて、それに基づく身体反応はしているし情動に基づく心の動悸も起こっている。にも関わらず思考においてそれはまったく認識されていないっぽいのだ。なにしろ、数学的に証明されていないので。

まあ由槻はこういう娘、極端な理系型というのでまあ理解は出来るのだけれど、問題は梓くんの方である。こいつはこいつで、まともなふりをしているけれど、実は由槻とおんなじステージに乗っかってしまっている面倒くさいやつなんじゃなかろうか。彼女と同じ目線に立つために試行の段階を彼女に合わせている、みたいな類のことを言っていたけれど、根本的なところで同類じゃないとここまで波長はあわないと思うぞ。ある程度、一般人側の思考によせることが出来るので色々とごまかしもきいてるみたいだけれど、傍から見てるとどう考えても由槻側の思考回路に論理基準なんですよね。審判役を充てがわれて、なんか二人のイチャイチャを間近で見る羽目になった楓音はそれだけで可哀相なんですけれど、このルールと言うか言葉というか世界観が違う二人の言動に振り回され、あまりに理数学的により過ぎてて理解不能のあれやこれやに付き合わされるこの娘の苦労は、登場人物中屈指なんじゃないだろうか。
ただまあ、改めて二人の出会いの話なんかみると、梓くん完全に彼女用に自分をカスタマイズしてしまってるからなあ。それ以前、自己が固まっていないと言うか自分の存在自体が否定されたような環境の中で自分自身ですら自己否定に近い状態で固まっていたところで、由槻に出会って自分自身のパラダイムシフトが起こったわけだから、一旦刷新して真っ白な状態から彼女に合わせた在り方に自分を整えてしまったようにしか見えないわけで。
いやだから、これをべた惚れと言わずしてなんというのかしら。
ラストシーンの由槻を理屈を以って肯定して彼女の人間らしさを証明する場面は、なんというか由槻のステージにあがった梓くんだからこそ叶えられたものであり、情と理が見事に掛け合わされた美しい方程式でした。それに対する由槻のエピローグにおける「2+1=」もまたこの上なくビシッとキメてくれた返しでありました。
いや、面白かったですよ。ただのラブコメではなく、感情表現のルールが異なっているというか、普通のラブコメと違う方程式で表現されているというか、違うステージ上でやってるようなラブコメが何とも喉元を擽られるような感覚で、妙な心地よさがありました。由槻も、理屈だけで形成されてはいるものの感情豊かで、その発露の方法やルールが違うだけで非常に女の子らしく、実によいメインヒロインしていましたし。梓くんは梓くんで、他者と意思疎通するのに難儀している由槻の最大の理解者であり通訳者であり、根本的には彼女の側の人間で、という由槻を孤立させないことに終止している寄り添う主人公でしたし。サブキャラの楓音と彩霞さんもいいキャラしていて、うん良いラブコメでした。

長田 信織作品感想

幼なじみが反対しますが秘密結社を廃業することにしました ★★★☆   



【幼なじみが反対しますが秘密結社を廃業することにしました】 神野 オキナ/ みこやん  講談社ラノベ文庫

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「本日をもって、秘密結社ダークハドーを解体廃業いたします!」
日本最大の悪の秘密結社、ダークハドーの新しい首領――ビックハドー3世となった春也による、最初で最後にして最大の命令だった。しかし、すでに経済システムに密接に組み込まれたダークハドーにとって、廃業は自らだけで決められることとは思えない。そう考えた春也の幼なじみでもある、女性怪人――レディタイガーこと蓮杖ルミカは、首領である春也と、そして秘書官であり姉でもあるレイカを止めようと決意する。だが春也の決意は固く、廃業は進むもののやはり周囲は騒がしくなり――!神野オキナがお贈りする秘密結社アクションラブコメ、登場!

うわぁ、これガチで企業体の廃業計画執行だわ。ってか、この規模の組織の廃業はさすがに滅多ないんじゃないだろうか。中小企業単位なら、倒産廃業は万単位で毎年でてますけれど、ある一定以上の規模になると買収や合併、或いは公的資金投入なんかで支えが入りますからね。いくら将来的に破綻が確定してしまっても、だからこそ経営陣の刷新やら手が入るはず。日本経済そのものに影響を与えてしまうような規模の企業体が綺麗さっぱり廃業で撤退してしまう、ってそりゃ慌ててあらゆる方面が止めに入りますわなあ。ただ、企業は企業でもダークハドーは悪の秘密結社。株式会社でもなく銀行に資金面で首根っこ抑えられているわけでもなく、ましてや非合法組織なので究極的には政府官庁の指導や介入を受ける謂れはないのである。そりゃもう悪の秘密結社なんかを経済システムの中に組み込んでしまってる時点でどうしようもないよ日本。だいたい、正義の味方組織と常日頃から抗争していて、場合によっては今回みたいに組織のボスが本拠地要塞とともに吹っ飛んじゃうようなケースが常にリスクとして存在していたわけだから、そんな不安定な組織をシステムに組み込んじゃダメだから。
そのあたりの無理が、結局ダークハドーをこのまま続けても破綻から逃れられない、という結論が出てしまった理由の大きい部分なんだろうけど。
それでも、勝手にじゃあ辞めまーす、と新たなボスが宣言したらそれで片付くような単純な代物でもなく、何気に春也とレイカ主導による廃業計画は、各方面の根回しから資産の処分方法、組織所属者の廃業後のフォローなど多岐に笑って綿密に準備され、執行されてるんですよね。特に身内の大幹部たちへの根回しの周到さは特筆に値していて、末端の組織員には唐突だったかもしれないけれど、もうダークハドーという組織全体がちゃんと廃業に向かって動き出しているわけですよ。これだけの規模の組織が、トップの独断だけで解体できるはずもないですもんね。各部署が連携して粛々と事前計画に則って動かないと、組織という巨象が身動ぎすらも出来るはずもなく。それだけ、春也たちが入念に準備していたのが伺えるわけで、これだけの大事業を高校生でありながら主導したというだけで、春也が凡庸とは程遠い器の持ち主だというのが伺えます。どんな分野だって、一番困難なのは撤退戦だっての。
こういう場合、実体と評判というのは大いに乖離するもので、彼を知らない無責任な周辺の口にあがるのは、三代目の無能なボンボンが無責任に組織を投げ出してしまった、というたぐいのものになってるみたいだけれど、これだけ行き届いた一般の結社関係者への再就職斡旋、退職金準備、改造手術へのアフターケアなんかが成されてるのを見せられたら、そこらへんの倒産やら吸収合併やらと比べてどれだけホワイトな環境を用意できてるかわかるってもんでしょうに。おまけに、介入しようとしてくる関係各所に対しても、ほぼほぼビシッと影響を断ち切ってるわけですしね。
下部組織の反乱についても、あれに関しては相手が辣腕だったから、と言えるので不手際をあげつらうのなら、相手がこの機を逃さないほどの野心家だったのを見抜けずに重要な基幹情報の一つを預けてしまっていたことでしょうけれど、結局身内からはほぼ離反者を出さず速攻で叩き潰しているわけですしねえ。
つまるところ、ルミカの危惧はお概ね杞憂に過ぎないくらい、春也の手腕は長けていた、ということなんだろうけれど、彼女の不安と心配は結局自分には何も教えてくれず知らせてくれなかった、というところにありましたからねえ。だからこそ、春也がどれだけ安全マージンを取っているか、どれだけ入念に準備していたか、という情報を得られずに見えて聞こえる範囲での判断では春也は非常に危うい橋を渡っている、としか見えなかったわけですから、彼女の危惧は決して的外れというわけではなかったんですよね。実際、危ない場面はあったわけですから。
でもそれ以上に、ルミカにとってダメージだったのは自分だけが仲間はずれにされてしまった、という所なんでしょう。自分が幹部ではなく若手のホープとはいえ、一怪人に過ぎない以上重要な情報は回ってこない、という常識はもちろんわかっていますから、この不満が独りよがりである、とちゃんと弁えているのが、このルミカの可愛らしいところでもあるのですけれど。そういう感情と理性と理屈と情報不足の現状をすり合わせて今現実的に最適な行動、と導き出した結果が、夜這いというのが何とも拗らせたなあ、と苦笑したところでしたが。

見る人が見れば、春也の優秀さはレイカの秘書としての能力を考慮に入れても特筆に値するはず。このまま組織の解体、廃業に成功しても各分野から引く手数多でしょう、これ。のんびり学生生活なんて出来るわけがなさそうで。実際、正義の味方の友人はスカウトする気満々でしたからねえ。
どうせ何らかの形で引きずり出されるならば、破綻する要因をなんとか取り除いて、組織の再編を考えた方がよい気もするのだけれど、まあそういう先行きに関しては続刊がなってからになりますか。
こういうごちゃごちゃした話、個人的には大分好みだったみたいで、思いの外美味しくいただけました、面白かった。

神野オキナ作品感想

お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件 ★★★☆  



【お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件】 佐伯さん/ 和武 はざの  GA文庫

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藤宮周の住むマンションの隣には、学校で一番の美少女・椎名真昼が住んでいる。特に関わり合いのなかった二人だが、雨の中ずぶ濡れになった彼女に傘を貸したことから、不思議な交流が始まった。
自堕落な一人暮らしを送る周を見かねて、食事をつくり、部屋を掃除し、なにかと世話を焼く真昼。
家族の繋がりに飢え、次第に心を開いて甘えるようになる真昼と、彼女からの好意に自信を持ちきれない周。素直でないながらも二人は少しずつ距離を縮めていく……
「小説家になろう」で絶大な支持を集める、素っ気なくも可愛い隣人との甘く焦れったい恋の物語。
これ、タイトルからしてどれだけ甘やかされてしまうのかと思って読んだら、いや別に駄目人間にされてなくないですか!?
もともと周くん、一人暮らしに対する適性がなくてかなり生活を持ち崩してしまっていたところに、真昼と知り合って何くれとなく彼女のお世話を受けるようになった結果、まともな生活リズムを取り戻しているので、これむしろいつの間にか駄目人間から脱却させてもらっていた件、じゃなかろうか。
真昼も優しいばかりなどではなく、チクチクと毒舌気味に自堕落な生活習慣に対して指摘もしてくるし、しっかり矯正されてますよ、これ。まあお世話になりっぱなしで自力で自炊とか片付けしようという段階までまだまだ発展していないので、既に居なくなると困るところまで彼女の存在が重要になってしまったと考えるなら、だめにされているとも言えるのかもしれないけれど。
とはいえ、最初からズカズカとお互いのプライベートに踏み込むほど二人共図々しいタイプの人間ではないので、ちょっとしたお礼の交換から隣人として適切な交流に留まっていたんですよね。そこからの進展も劇的なものではなく、相手に何かを求めて近づくのでもなく、ごくごく自然に関係が続いていくことでパーソナルスペースが重なっていく過程がいいな、と思うんですよね。
まだまだ全然甘酸っぱい云々の関係には至らないのですけれど、建前や取り繕った余所ゆきの顔ではない普段着の自分を見せることに忌避感を感じなくなっていく隣人の存在は、楽しいとか心地よいとかではなく、まず傍に居ることに違和感がなく自然、というところから始まっている。そこから、学校での様子と家での様子のギャップに興味が湧き出して、相手のことを見ているうちに自分だけが知っているその人のことが増えていく。そうして徐々に芽生えてくるのが、他の誰もが知らないその人のことを知っているという細やかな独占欲。二人の関係が二人だけの秘密だという共犯関係が高じていって、共感が繋がっていく。
日常生活の中で、そんなふうに過ごしていたら一日の大半をどうやったってその相手の人のことばかり考えて過ごしてしまうというようなもの。それは、どうやったって気になってくるものだ。ネガティブな関係ではなく、よくお世話されお世話して、自分の生活の中にいつの間にか深く食い込み、自分の時間空間を共有している相手となれば尚更に。
それでも、ジリジリとしたものに過ぎなかった変化も、周の母親にバレたり友人にバレたりという外部からの刺激によって、自分たちの関係について強く意識し自覚していくことになるのは当然でしょう。
まあ、真昼の誕生日を知ってプレゼントを贈ろうと真剣に悩みだした時点で、行き着く先はキマってしまったようなものなんでしょうが。
周くん、なにげにしれっと恥ずかしいセリフを無自覚に言いまくってるのは、真昼からするとズルいってなもんでしょうね。あんなセリフ臆面もなく言われたらたまったもんじゃないでしょうし。
とはいえ、まだはじまっていることに何も気づいていない段階で、でも傍から見るとどう考えてもカウントダウン状態。ほんとに甘酸っぱくなってくるのは、お互いに自覚して動き出してからなのでしょうけれど、時間の問題だよなあ。

 
9月14日
【ダンジョン飯 8】
 九井 諒子(ハルタコミックス)

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【ヒナまつり 17】
 大武 政夫(ハルタコミックス)

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【欅姉妹の四季 3】
 大槻一翔(ハルタコミックス)

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浅草鬼嫁日記 七 あやかし夫婦は御伽噺とともに眠れ。
 友麻碧(富士見L文庫)

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あやかし万来、おむすび処はじめました。 押しかけ仮旦那と恋患いの狐
 蒼井 紬希(富士見L文庫)

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神華後宮厨師伝 偽りの天は花梨で邂逅す
 真楠ヨウ(富士見L文庫)

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織ノ王国物語 七番目の王子と忠誠の剣士
 あさぎ 千夜春 (富士見L文庫)

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仮そめ夫婦の猫さま喫茶店 なれそめは小倉トーストを添えて
 岐川 新(富士見L文庫)

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ここは書物平坂 黄泉の花咲く本屋さん
 新井輝(富士見L文庫)

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華仙公主夜話 三 その麗人、後宮の禍を祓う
 喜咲冬子(富士見L文庫)

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【反逆のソウルイーター ~弱者は不要といわれて剣聖(父)に追放されました~ 1】
 玉兎(アース・スター ノベル)

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【領民0人スタートの辺境領主様 3】
 風楼(アース・スター ノベル)

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【元英雄は平民として暮らしたい~勇者パーティを理不尽に追い出された俺。これを機に田舎で暮らし始めたけど、周りが俺をほっといてくれない 1】
 茨木野 (アース・スター ノベル)

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【即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。 7】
 藤孝剛志(アース・スター ノベル)

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【二度転生した少年はSランク冒険者として平穏に過ごす~前世が賢者で英雄だったボクは来世では地味に生きる~ 3】
 十一屋 翠(アース・スター ノベル)

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【優しさしか取り柄がない僕だけど、幻の超レアモンスターを助けたら懐かれちゃったみたい】
 ねこ鍋 (アース・スター ノベル)

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【魔剣使いの元少年兵は、元敵幹部のお姉さんと一緒に生きたい】
 支倉文度(モーニングスターブックス)

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【異世界でも無難に行きたい症候群 3】
 安泰(サーガフォレスト)

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9月13日
処刑少女の生きる道 2.ホワイト・アウト
 佐藤真登(GA文庫)

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ゴブリンスレイヤー 11
 蝸牛くも(GA文庫)

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やせいのえいゆう が あらわれた! たたかう にげる ▼デレる!?
 雪川 轍(GA文庫)

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家に帰るとカノジョが必ずナニかしています 2
 柚本悠斗(GA文庫)

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可愛い女の子に攻略されるのは好きですか?5
 天乃聖樹(GA文庫)

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29とJK 7.~さらば、憧憬~
 裕時悠示(GA文庫)

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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました スピンオフ ヒラ役人やって1500年、魔王の力で大臣にされちゃいました
 森田季節(GAノベル)

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異世界国家アルキマイラ2 ―最弱の王と無双の軍勢―
 蒼乃暁(GAノベル)

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貴族転生 ~恵まれた生まれから最強の力を得る~
 三木なずな(GAノベル)

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異世界転生で賢者になって冒険者生活2 ~【魔法改良】で異世界最強~
 進行諸島(GAノベル)

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失格紋の最強賢者10 〜世界最強の賢者が更に強くなるために転生しました〜
 進行諸島(GAノベル)

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【生活魔術師達、世界樹に挑む】
 丘野 境界(宝島社)

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【転生したら宿屋の息子でした 田舎街でのんびりスローライフをおくろう】
 錬金王(宝島社)

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9月12日
【舞妓さんちのまかないさん 11】
 小山愛子(少年サンデーコミックス〔スペシャル〕)

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【お酒は夫婦になってから 12】
 クリスタルな洋介(ビッグ コミックス〔スペシャル〕)

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【死神坊ちゃんと黒メイド 7】
 井上小春(サンデーうぇぶりSSC)

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【戦×恋(ヴァルラヴ) 8】
 朝倉 亮介(ガンガンコミックス)

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【進め!ギガグリーン 4】
 藤木 俊(ビッグ コミックス)

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【英雄教室 7】
 新木伸/岸田こあら(ガンガンコミックス)

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【花咲く日本橋おんみょうじ おばけ嫌いですが謎を解きます】
 四葉夕ト (双葉文庫)

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【太秦荘ダイアリー 3】
 望月麻衣 (双葉文庫)

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【イケメン貧乏神と同居はじめました!】
 花井有人(双葉文庫)

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9月10日
【魔法使いの嫁 12】
 ヤマザキコレ(ブレイドコミックス)

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【初回限定版 魔法使いの嫁 12 小冊子付】
 ヤマザキコレ(BLADE COMIC SP)

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【魔法使いの嫁 詩篇.108 魔術師の青 1】
 ツクモイスオ/三田誠(ブレイドコミックス)

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【魔法使いの嫁 詩篇.75 稲妻ジャックと妖精事件 1】
 オイカワマコ/五代ゆう(ブレイドコミックス)

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【スケッチブック 14】
 小箱とたん(ブレイドコミックス)

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【86ーエイティシックスー 2】
 安里 アサト/吉原 基貴(ヤングガンガンコミックス)

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アポカリプス・ウィッチ 飽食時代の【最強】たちへ
 鎌池和馬(電撃文庫)

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解術師アーベントの禁術講義
 川石折夫(電撃文庫)

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シャドウ・サーガ機 歔定の剣と呪いの黒剣−
 西村 西(電撃文庫)

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妖姫ノ夜 月下ニ契リテ、幽世ヲ駆ケル
 渡瀬草一郎(電撃文庫)

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彼女が俺を暗殺しようとしている
 大平しおり(電撃文庫)

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海のカナリア
 入間人間(電撃文庫)

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魔法科高校の劣等生 30.奪還編
 佐島 勤(電撃文庫)

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86‐エイティシックス‐Ep.7 ‐ミスト‐
 安里アサト(電撃文庫)

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ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? Lv.20
 聴猫芝居(電撃文庫)

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スイレン・グラフティ 2.もすこしつづく、ナイショの同居
 世津路 章(電撃文庫)

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悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!
 明。(カドカワBOOKS)

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最速無双のB級魔法使い 一発撃たれる前に千発撃ち返す!
 CK(カドカワBOOKS)

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聖女じゃなかったので、王宮でのんびりご飯を作ることにしました
 神山 りお(カドカワBOOKS)

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【修復】スキルが万能チート化したので、武器屋でも開こうかと思います 2】
 星川 銀河(カドカワBOOKS)

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魔王になったので、ダンジョン造って人外娘とほのぼのする 6
 流優(カドカワBOOKS)

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行き倒れもできないこんな異世界じゃ 2.迷子の迷子の子竜ちゃん編
 夏野 夜子(カドカワBOOKS)

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はぐれ精霊医の診察記録 〜聖女騎士団と癒やしの神業〜 2
 とーわ(カドカワBOOKS)

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本好きの下剋上 〜司書になるためには手段を選んでいられません〜 第四部 「貴族院の自称図書委員 VIII」
 香月美夜(TOブックス)

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忌み子と呼ばれた召喚士 2
 緑黄色野菜(TOブックス)

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黒髪の王 〜魔法の使えない魔剣士の成り上がり〜
 やま(TOブックス)

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秘密の仕立て屋さん 2 恋と決意とオネエの微笑
 江葉(TOブックス)

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出来損ないと呼ばれた元英雄は、実家から追放されたので好き勝手に生きることにした4
 紅月シン(TOブックス)

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【復讐を希う最強勇者は、闇の力で殲滅無双する 2】
 斧名田マニマニ(JUMP j BOOKS)

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【娘を婚約破棄された最強軍人、国を見限り辺境へ】
 謙虚なサークル (ツギクルブックス)

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【身体は児童、中身はおっさんの成り上がり冒険記 2】
 力水(ツギクルブックス)

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9月9日
【勇者と紋章のラグナロク 2】
 渡辺 つよし(ドラゴンコミックスエイジ)

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【マケン姫っ! ‐MAKEN‐KI!‐ 23】
 武田弘光(ドラゴンコミックスエイジ)

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【放課後の拷問少女 7】
 BOKU(講談社コミックス)

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【100万の命の上に俺は立っている 8】
 奈央 晃徳/山川 直輝(講談社コミックス)

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【世界か彼女か選べない 6】
 内山敦司(講談社コミックス)

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【可愛いだけじゃない式守さん 2】
 真木 蛍五(KCデラックス)

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【我間乱―修羅― 8】
 中丸洋介(KCデラックス)

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9月7日
JK無双 2 終わる世界の救い方
 津田夕也(レジェンドノベルス)

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魔界本紀 1.下剋上のゴーラン
 茂木鈴(レジェンドノベルス)

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俺はダンジョンマスター、真の迷宮探索というものを教えてやろう2
 北乃ゆうひ(レジェンドノベルス)

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9月6日
【なんでここに先生が!? 8】
 蘇募ロウ(ヤンマガKCスペシャル)

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【ソウナンですか?5】
 さがら梨々/岡本健太郎(ヤンマガKCスペシャル)

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【鬼の又鬼のアモ 2】
 多田乃伸明(ヤンマガKCスペシャル)

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【手品先輩 6】
 アズ(ヤンマガKCスペシャル)

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【怪獣のトカゲ 1】
 山本崇一朗/福地カミオ(少年チャンピオン・コミックス・エクストラ)

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9月5日
【サバゲにGO! はじめてのサバイバルゲーム】
 アサウラ (LINE文庫エッジ)

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【エクストラ・フォーリン・エールワイフ―異世界の奥さんは日本のビールを学びたい―】
 阿羅本景(LINE文庫エッジ)

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【勇者の君ともう一度ここから。】
 みかみてれん(LINE文庫エッジ)

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【CHiLD ―境界からの降臨者―】
 箕崎准(LINE文庫エッジ)

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【翠竜のティリストリ】
 寺田とものり(LINE文庫エッジ)

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【取締役は神絵師】
 水沢あきと(LINE文庫)

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【居酒屋がーる】
 おかざき登(LINE文庫)

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【出雲の阿国は銀盤に舞う】
 つるみ犬丸 (LINE文庫)

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【レールアテンダントガール 車内販売にまいりました!】
 豊田巧(LINE文庫)

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【異世界洋菓子店フォックステイル ラベンダー香る、甘さを忘れた街唯一のパティスリー】
 月夜涙 (LINE文庫)

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ゴブリンの勇者 2
 神虎斉(ドラゴンノベルス)

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魔獣密猟取締官になったんだけど、保護した魔獣に喰われそうです。 2
 飛野 猶(ドラゴンノベルス)

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ファンタジーには馴染めない 〜アラフォー男、ハードモード異世界に転移したけど結局無双〜
 nov(ドラゴンノベルス)

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【最強の魔物になる道を辿る俺、異世界中でざまぁを執行する 2】
 大小判(BKブックス)

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【美味しいダンジョン生活】
 神谷透子(BKブックス)

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【悪役令嬢の追放後! 教会改革ごはんで悠々シスター暮らし 2】
 柚原テイル(KADOKAWA)

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【キリングバイツ 14】
 村田真哉/隅田かずあさ(ヒーローズコミックス)

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【東島丹三郎は仮面ライダーになりたい 3】
 柴田ヨクサル(ヒーローズコミックス)

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9月4日
【異世界居酒屋「のぶ」9】
 蝉川 夏哉/ヴァージニア二等兵(角川コミックス・エース)

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【ダーリン・イン・ザ・フランキス 6】
 矢吹 健太朗(ジャンプコミックス)

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【ぼくたちは勉強ができない 13】
 筒井大志(ジャンプコミックス)

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【終わりのセラフ 19】
 山本 ヤマト/降矢 大輔(ジャンプコミックス)

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【Dr.STONE 12】
 Boichi/稲垣 理一郎(ジャンプコミックス)

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【早乙女姉妹は漫画のためなら!? 5】
 山本 亮平 (ジャンプコミックス)

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【アクタージュ act-age 8】
 宇佐崎しろ/マツキ タツヤ(ジャンプコミックス)

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【神緒ゆいは髪を結い 2】
椎橋 寛(ジャンプコミックス)

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9月1日
【ノブリス・オブリージュ 〜引きこもり令嬢が何故聖女と呼ばれたか 2】
 剥製ありす (MAGNET MACROLINK)

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9月1日
ミリオン・クラウン 5
 竜ノ湖太郎(角川スニーカー文庫)

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ヒマワリ:unUtopial World 8
 林トモアキ(角川スニーカー文庫)

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いつか仮面を脱ぐ為に ~嗤う鬼神と夢見る奴隷~
 榊一郎(角川スニーカー文庫)

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戦闘員、派遣します! 4
 暁 なつめ(角川スニーカー文庫)

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真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました 5
 ざっぽん(角川スニーカー文庫)

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魔王学園の反逆者 ~人類初の魔王候補、眷属少女と王座を目指して成り上がる~
 久慈 マサムネ(角川スニーカー文庫)

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魔装学園H×H 14
 久慈 マサムネ(角川スニーカー文庫)

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最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い 無能を演じるSSランク皇子は皇位継承戦を影から支配する
 タンバ(角川スニーカー文庫)

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ワンワン物語 6 ~金持ちの犬にしてとは言ったが、フェンリルにしろとは言ってねえ!~
 犬魔人(角川スニーカー文庫)

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妹がブラコンであることを兄だけは知っている。2
 ミヤ(角川スニーカー文庫)

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悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました 6
 永瀬 さらさ(角川ビーンズ文庫)

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竜宮輝夜記 天よ望めよ、恋の久遠
 糸森 環(角川ビーンズ文庫)

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8月31日
魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい? 9
 手島史詞(HJ文庫)

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常敗将軍、また敗れる 3
 北条新九郎(HJ文庫)

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クロの戦記 異世界転移した僕が最強なのはベッドの上だけのようです
 サイトウアユム(HJ文庫)

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魔術破りのリベンジ・マギア 7.再臨の魔人と逆襲術士
 子子子子 子子子(HJ文庫)

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成り上がり魔王のお忍び天下統一計画
 若桜拓海(HJ文庫)

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8月30日
夢に現れる君は、理想と幻想とぼくの過去
 園生 凪(講談社ラノベ文庫)

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世界は愛を救わない
 海老名龍人(講談社ラノベ文庫)

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異世界誕生 2006
 伊藤ヒロ(講談社ラノベ文庫)

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老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます 5
 FUNA(Kラノベブックス)

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暗黒騎士様といっしょ! 3.嘘つきは恋泥棒の始まり
 笹木さくま(ファミ通文庫)

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学園一の不良娘がオレにゲームを作って欲しがっている
 雪月花(ファミ通文庫)

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航宙軍士官、冒険者になる 3
 伊藤暖彦(エンターブレイン)

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三大陸英雄記 2
 桜木桜(エンターブレイン)

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双子の姉が神子として引き取られて、私は捨てられたけど多分私が神子である。2
 池中 織奈(エンターブレイン)

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【失格から始める成り上がり魔導師道! ~呪文開発ときどき戦記~ 1】
 樋辻臥命 (GCノベルズ)

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【ガチャを回して仲間を増やす 最強の美少女軍団を作り上げろ 7】
 ちんくるり(GCノベルズ)

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【嘆きの亡霊は引退したい~最弱ハンターによる最強パーティ育成術~ 3】
 槻影(GCノベルズ)

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【乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です 4】
 三嶋与夢(GCノベルズ)

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【くま クマ 熊 ベアー 13】
 くまなの(PASH!ブックス)

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【地味な剣聖はそれでも最強です 4】
 明石 六郎(PASH!ブックス)

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【異世界転生…されてねぇ! 2】
 タンサン(PASH!ブックス)

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【僕がSSSランクの冒険者なのは養成学校では秘密です 2】
 厨二の冒険者(PASH!ブックス)

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【なんでも吸い込む! ブラックホール!! (´・ω・`)ノ●~~~~ (゜ロ゜;ノ)ノ あらゆる敵を「しゅおんっ」と吸い込んで無双する!!! 1】
 六志麻あさ (モンスター文庫)

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【ぼっち転生記 7】
 ファースト(モンスター文庫)

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【社畜勇者、仕事辞めるってよ 3】
 岸本和葉(モンスター文庫)

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【機動戦士ガンダム サンダーボルト 14】
 太田垣 康男 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)

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【かくりよの宿飯 あやかしお宿に嫁入りします。6】
 衣丘 わこ/友麻碧(B's-LOG COMICS)

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8月29日
第六皇女殿下は黒騎士様の花嫁様 3
翠川 稜(ヒーロー文庫)

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鑑定能力で調合師になります 10
空野 進(ヒーロー文庫)

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クール・エール 2
砂押 司(ヒーロー文庫)

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たのしい傭兵団
上宮 将徳(ヒーロー文庫)

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転生勇者の気まま旅 1
九頭 七尾(ヒーロー文庫)

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サトコのパン屋、異世界へ行く 2
塚本 悠真(ヒーロー文庫)

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最弱の弟子
高崎 三吉(ヒーロー文庫)

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燦然のソウルスピナ 2
蕗字 歩(ヒーロー文庫)

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【グランクレスト戦記 7】
 四葉真/水野良(ヤングアニマルコミックス)

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【ゆるゆり 17】
 なもり (百合姫コミックス)

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8月28日
【魔王様、リトライ! 4】
 神埼黒音(Mノベルス)

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【不遇職テイマーの成り上がり 〜スキル【吸収】でモンスターの能力を手に入れ、最強になる〜 1】
 愛犬ロック(Mノベルス)

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【レベル1の最強賢者 〜呪いで最下級魔法しか使えないけど、神の勘違いで無限の魔力を手に入れ最強に〜】
 木塚麻弥(ブレイブ文庫)

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8月27日
【Fate/Grand Order ―Epic of Remnant― 亜種特異点検ゞ愆降臨庭園セイレム 異端なるセイレム 1】
 大森葵(REXコミックス)

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【魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい!?3】
 板垣ハコ/手島史詞(HJコミックス)

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【桐谷さん ちょっそれ食うんすか!?7】
 ぽんとごたんだ(アクションコミックス)

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【達人伝〜9万里を風に乗り〜 24】
 王欣太(アクションコミックス)

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8月26日
【Fate/Grand Order コミックアンソロジー THE NEXT7】
 アンソロジー(DNAメディアコミックス)

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【フェイト/エクストラ CCC FoxTail 8】
 たけのこ星人(カドカワコミックスA)

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【真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました 2】
 池野雅博/ざっぽん(カドカワコミックスA)

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【ロクでなし魔術講師と禁忌教典 11】
 常深アオサ/羊太郎(カドカワコミックスA)

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【すべての人類を破壊する。それらは再生できない。2】
 横田卓馬/伊瀬勝良(カドカワコミックスA)

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【魔法使いの印刷所 3】
 もちんち/深山靖宙(電撃コミックスNEXT)

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【ガヴリールドロップアウト 8】
 うかみ(電撃コミックスNEXT)

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【罠ガール 4】
 緑山のぶひろ(電撃コミックスNEXT)

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8月25日
世界の闇と戦う秘密結社が無いから作った(半ギレ)2
 黒留ハガネ(オーバーラップ文庫)

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デッド・オア・リライブ 〜天才科学者がやり直す人生は成功しますか?〜 1
 黒田達也(オーバーラップ文庫)

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絶対に働きたくないダンジョンマスターが惰眠をむさぼるまで 11】
 鬼影スパナ(オーバーラップ文庫)

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黒の召喚士 10.女帝の帰還
 迷井豆腐(オーバーラップ文庫)

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本能寺から始める信長との天下統一 1
 常陸之介寛浩(オーバーラップ文庫)

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女だから、とパーティを追放されたので伝説の魔女と最強タッグを組みました 2
 蛙田あめこ(オーバーラップノベルス)

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8月24日
白魔法クラスの大忍術師
 藤木わしろ(MF文庫J)

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なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか? 7.禍の使徒
 細音啓(MF文庫J)

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わたしの知らない、先輩の100コのこと 1
 兎谷あおい(MF文庫J)

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理想の娘なら世界最強でも可愛がってくれますか? 3
 三河ごーすと(MF文庫J)

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ラブコメの神様なのに俺のラブコメを邪魔するの? 3.えっちな子でもいいの?
 三月みどり(MF文庫J)

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ぼくたちのリメイク Ver.β
 木緒なち(MF文庫J)

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自称Fランクのお兄さまがゲームで評価される学園の頂点に君臨するそうですよ? 7
 三河ごーすと(MF文庫J)

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西野 〜学内カースト最下位にして異能世界最強の少年〜 6
 ぶんころり(MF文庫J)

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ライアー・ライアー  2.嘘つき転校生は小悪魔先輩に狙われています。
 久追遥希(MF文庫J)

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二度目の勇者は復讐の道を嗤い歩む 7 ~浅ましき正解者~
 木塚ネロ(MFブックス)

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異世界で手に入れた生産スキルは最強だったようです。 〜創造&器用のWチートで無双する〜1
 遠野九重(MFブックス)

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初めての旅は異世界で 1
 叶ルル(MFブックス)

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転生没落王子は『銭使い』スキルで成り上がる 〜魔法もスキルも金次第っ!?〜 2
 時野洋輔(MFブックス)

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アラフォー賢者の異世界生活日記 10
 寿安清(MFブックス)

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帰って来た最強勇者は、末永く幸せに暮らしました ヽ(・∀・)ノ 〜異世界で得た力と金にモノを言わせて、都会的スローライフを送りたい〜
 ハヤケン(HJノベルス)

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神達に拾われた男 7
 Roy(HJノベルス)

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アラフォーおっさんはスローライフの夢を見るか?
 サイトウアユム(HJノベルス)

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食い詰め傭兵の幻想奇譚 10
 まいん(HJノベルス)

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初恋ロスタイム ―First Time―
 仁科裕貴(メディアワークス文庫)

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初恋ロスタイム ―Advanced Time―
 仁科裕貴(メディアワークス文庫)

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いざ、しゃべります。
 並木飛暁(メディアワークス文庫)

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かりゆしの島のお迎えごはん 神様のおもてなし、いかがですか?
 早見慎司(メディアワークス文庫)

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迷える羊の森 フィトセラピスト花宮の不思議なカルテ
 有間カオル(メディアワークス文庫)

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【ディメンションW 16】
 岩原裕二(ヤングガンガンコミックススーパー)

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8月23日
本屋の店員がダンジョンになんて入るもんじゃない
 しめさば(ダッシュエックス文庫)

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若者の黒魔法離れが深刻ですが、就職してみたら待遇いいし、社長も使い魔もかわいくて最高です! 6
 森田季節(ダッシュエックス文庫)

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【アズールレーン Episode of Belfast 3rd】
 助供珠樹(ダッシュエックス文庫)

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はてな☆イリュージョンR
 原案:松智洋(ダッシュエックス文庫)

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劣等眼の転生魔術師 4〜虐げられた元勇者は未来の世界を余裕で生き抜く〜
 柑橘ゆすら(ダッシュエックス文庫)

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ロード・エルメロイII世の事件簿 5 「case.魔眼蒐集列車(下)」
 三田誠(角川文庫)

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丸の内で就職したら、幽霊物件担当でした。5
 竹村優希(角川文庫)

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【新約・異世界に転生したら全裸にされた 1】
 狐谷まどか(マックガーデンノベルズ)

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【新約・異世界に転生したら全裸にされた 2】
 狐谷まどか(マックガーデンノベルズ)

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【とあるおっさんのVRMMO活動記 19】
 椎名ほわほわ(アルファポリス)

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【欠陥品の文殊使いは最強の希少職でした。2】
登龍乃月(アルファポリス)

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【初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる! 2】
 霜月雹花(アルファポリス)

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【一度目は勇者、二度目は魔王だった俺の、三度目の異世界転生 2】
 塩分不足(アルファポリス)

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【お人好し職人のぶらり異世界旅 5】
 電電世界(アルファポリス)

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【巻き込まれ召喚!? そして私は『神』でした?? 4】
まはぷる(アルファポリス)

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【一般人な僕は、冒険者な親友について行く】
ひまり(アルファポリス)

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【異世界でいきなり経験値2億ポイント手に入れました 3】
 雪華慧太(アルファポリス)

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【ガールズ&パンツァー リボンの武者 12】
 野上武志/鈴木貴昭(MFコミックスフラッパーシリーズ)

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【のんのんびより 14】
 あっと(MFコミックスアライブシリーズ)

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【ディーふらぐ! 14】
 春野友矢(MFコミックスアライブシリーズ)

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【ガールズ&パンツァー プラウダ戦記 2】
 吉田創(MFC)

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【宇宙兄弟 36】
 小山宙哉(モーニングKC)

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8月21日
月とライカと吸血姫 5
 牧野 圭祐(ガガガ文庫)

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むしめづる姫宮さん
 手代木 正太郎(ガガガ文庫)

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ハル遠カラジ 3
 遍 柳一(ガガガ文庫)

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クズと天使の二周目生活 5
天津 向(ガガガ文庫)

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【うちの弟子がいつのまにか人類最強になっていて、なんの才能もない師匠の俺が、それを超える宇宙最強に誤認定されている件について】
 アキライズン(サーガフォレスト)

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【宮廷魔法師クビになったんで、田舎に帰って魔法科の先生になります1】
 世界るい (サーガフォレスト)

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8月20日
ロクでなし魔術講師と禁忌教典 15
 羊太郎(富士見ファンタジア文庫)

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妖精狙撃 エルフ・ウィズ・サイレントアサシン
 榊一郎(富士見ファンタジア文庫)

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ラストラウンド・アーサーズ 4.最弱の騎士と最も優れた騎士
 羊太郎(富士見ファンタジア文庫)

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ご落胤王子は異世界を楽しむと決めた! 3
 るう(富士見ファンタジア文庫)

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真ハイスクールD×D 3.修学旅行のサンシャワー
 石踏一榮(富士見ファンタジア文庫)

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撃ち抜かれた戦場は、そこで消えていろIII ―弾丸魔法とゴースト・プログラム―
 上川景(富士見ファンタジア文庫)

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豚公爵に転生したから、今度は君に好きと言いたい 8
 合田拍子(富士見ファンタジア文庫)

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異世界チートサバイバル飯 5 食べて、強くなって、また食べる
 赤石赫々(富士見ファンタジア文庫)

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異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する 3 〜レベルアップは人生を変えた
 美紅(富士見ファンタジア文庫)

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史上最強の大魔王、村人Aに転生する 5.教皇洗礼
 下等妙人(富士見ファンタジア文庫)

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星系出雲の兵站-遠征- 1
 林譲治 (ハヤカワ文庫JA)

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群青神殿
 小川一水 (ハヤカワ文庫JA)

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ハイウイング・ストロール
 小川一水 (ハヤカワ文庫JA)

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誰も死なないミステリーを君に 2
 井上 悠宇(ハヤカワ文庫JA)

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【百鬼一歌 菊と怨霊】
 瀬川 貴次(講談社タイガ)

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【ネタバレ厳禁症候群 〜So signs can't be missed!〜】
 柾木 政宗(講談社タイガ)

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【体育会系探偵部タイタン! レボリューションズ】
 清水 晴木(講談社タイガ)

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【ブラッド・ブレイン 3 闇探偵の旋律】
 小島正樹(講談社タイガ)

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【神さまの怨結び 8】
 守月史貴(チャンピオンREDコミックス)

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8月19日
【キングダム 55】
 原泰久(ヤングジャンプコミックス)

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【シャトルアイズ 1】
 濱原蓮(ヤングジャンプコミックス)

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【BUNGO―ブンゴ― 19】
 二宮裕次(ヤングジャンプコミックス)

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【サバゲっぱなし 5】
 坂崎ふれでぃ(サンデーGXコミックス)

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8月17日
EDGEシリーズ 神々のいない星で 僕と先輩の惑星クラフト〈上〉
 川上稔(電撃の新文芸)

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由比ガ浜機械修理相談所
 斉藤 すず(電撃の新文芸)

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エッチな召喚士の変態的召喚論 2
 RYOMA(電撃の新文芸)

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四畳半開拓日記 02
 七菜 なな(電撃の新文芸)

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【宝石吐きのおんなのこ 9.~少女への祈り~】
 なみあと (ぽにきゃんBOOKSライトノベルシリーズ)

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8月16日
【彼女、お借りします 11】
 宮島礼吏(講談社コミックス)

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【炎炎ノ消防隊 18】
 大久保篤(講談社コミックス)

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【DAYS 34】
 安田剛士(講談社コミックス)

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【生徒会役員共 18】
 氏家ト全(講談社コミックス)

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【シチハゴジュウロク 4】
 工藤哲孝/笹古みとも(講談社コミックス)

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【ダイヤのA act2 18】
 寺嶋裕二(講談社コミックス)

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【絶対可憐チルドレン 55】
 椎名高志(少年サンデーコミックス)

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【トニカクカワイイ 7】
 畑健二郎(少年サンデーコミックス)

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【君は008 6】
 松江名俊(少年サンデーコミックス)

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【探偵ゼノと7つの殺人密室 7】
 杉山鉄兵/七月鏡一(少年サンデーコミックス)

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【BE BLUES!〜青になれ〜 36】
 田中モトユキ(少年サンデーコミックス)

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【BIRDMEN 15】
 田辺イエロウ(少年サンデーコミックス)

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【古見さんは、コミュ症です。14】
 オダトモヒト(少年サンデーコミックス)

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