徒然雑記

終日のたりのたりかな  
  オロチのまどろむ庭TOP  読書メーター  月刊書籍発売カレンダー  書籍感想・殿堂作品
  書籍感想・著者索引(表紙絵附) 書籍感想・著者索引(シンプル版)  書籍感想・作品タイトル索引(シンプル版)
  9月の漫画新刊カレンダー  9月の書籍新刊カレンダー
  10月の漫画新刊カレンダー  10月の書籍新刊カレンダー
 

瀬尾つかさ

ニートの少女(17)に時給650円でレベル上げさせているオンライン 2 ★★★☆   

ニートの少女(17)に時給650円でレベル上げさせているオンライン2 (角川スニーカー文庫)

【ニートの少女(17)に時給650円でレベル上げさせているオンライン 2】 瀬尾 つかさ/kakao 角川スニーカー文庫

Amazon
Kindle B☆W

レベルアップは突然に。サラリーマンと17歳の同棲MMOライフ、第2弾!

MMOを愛するサラリーマン・石破真一は、居候ニートの水那と相変わらずのネトゲライフを過ごしていた。
クリスマスイベントの無能運営に文句を垂れ、職場の上司からの文句にこらえて、ついに迎えた正月はもちろんネトゲ。それと水那、お前はいいかげん風呂上がりは服を着て……
「わわわっ、見るなばかあ! し、真一のすけべっ」
なぜか乙女な反応を見せる水那。
それはちょっとした変化だったが、水那が目指す夢への挑戦(レベルアツプ)の前触れだったなんて――
「なあ、真一。あたしがいなくなったら、寂しいか」

レベルアップは突然に。ニート少女と同棲MMOライフ第2弾!!
主人公の真一、これだけ頭の中ネトゲばかりで形成されている重度のネトゲ廃人にも関わらず、実際のゲーム内ではトップランカーな攻略組には到底届かないエンジョイ寄りの緩いギルドメンバーって、これだけ廃人なのにゆるゲーマー扱いしかないって、ガチ廃人ってどれだけの頂きなのか!! 6000、7000メートルクラスの鋭峰に挑むガチの登山家クライマーみたいなものなのか。何%かの割合で遭難して帰ってこなかったりするレベルの挑戦者たちなのか。
真一ってちょっと頭がおかしいくらいのレベルの廃ゲーマーっぽいのだけれど、それでも社会人である以上時間の拘束は当然のようにあるわけで、やはり働いたら負けなんですよねw
ガチの攻略組だった絵里子が度々プレイヤースキル、ゲーム内の能力値じゃなくプレイヤー本人の操作の上手さや戦術眼の高さを絶賛されてて、それこそ彼女1人の存在だけでダンジョン攻略イベントクリアの難易度が桁なんこか変わるほど、といくらいの戦略兵器扱いされているのだけれど、この娘ほんとどれだけ時間ゲームに費やしてたんだろう。よく女子大生になれたもんだ。そしてよく進学できたもんだ。リアルタイムでさらなる進学はやばい感じになりかけてるけれど。試験は受けろー!

とまあひたすらネトゲばかりやっている話である。前巻の感想でこれはモラトリアム期間を描いた物語だ、なんてことを書いたような気がするのだけれど、モラトリアムがネトゲで埋まっておられるw
とは言え、ネトゲしてるだけでも人間関係は変化していき、情緒は生まれ、人の中身には成長という綿が詰め込まれていく。
いつまでも現状維持ではいられない。変化が顕著なのは学生時代だけれど、社会人になっても周囲は変わらないように見えて、着実に変わっていってしまうんですよね。歩いていくスピードは人によって違う。歩いていく方向も違う。いっとき、同じ時間同じ速さ同じ方向に向かって進んでいても、やがてそれらは段々と食い違っていくものなのだ。
一歩も動けなくなってうずくまってた水那を拾い上げたのは真一である。かつての憧れであり初恋だった人が自分に預けていった、いや捨てていった水那をすくい上げ、しかし彼はさほどの干渉を水那には及ぼしていない。急き立てるでもなく励ますでもなく、時給650円で自分のゲームのアカウントを育てる、という役割を与えて住むところと食べるところとを提供しただけ。猫を飼うように何もせず、ただ一緒に居て、一緒の時間を過ごしただけだ。
だから、水那が立ち直ったのも彼女自身の意思であり力であり、水那が他人とまっとうに付き合えるようになったのも絵里子という友人のおかげだ。そして、自分の力で未来を切り開いていくことを彼女が選んだときも、巣立ちを選んだときも、真一は何も言わなかった。ただ受け入れただけだ。彼女を拾ったときのように、彼女が出ていくときもその事実を受け入れただけだった。
でも、それこそが水那にとっての最良だったのだろう。自分の母親にすら受け入れられなかった異端にして異形の自分。それを、彼はあるがままに受け入れてくれた。
彼こそが、ホームだったのだ。
それだけは、間違いなく石破真一の選択である。誰もをあるがまま受け入れていたわけではない。水那の母親とは、再会のときまだ抱えていたであろう淡い想いを、未練を封印し、決定的な決別を示している。
彼が受け入れたのは、水那なのだ。だから、強がりだろうとなんだろうと、置き去りにされてしまう、自分を置いてさっていってしまう彼女の意思を受け入れることが出来たのだろう。
だからこそ、石破真一は徹頭徹尾、水那の居場所でありホーム足り得たのだ。帰るべき場所になれたのだ。
流れる時間を異にしてしまった人同士、同じ時間を歩めない。だから、歩くスピードを早めてしまった彼女たちは、目的地を見定めてしまった彼女たちは、一目散に走り去っていく。変わらない主人公を置き去りにして、去っていってしまう。
それは、作者の物語の根幹の一つだ。
そのまま別れ別れのまま遠い空を見上げるだけだったり、主人公自身が自分のスピードを早くして先に行った彼女たちのもとに追いついていく、そんな作品はあったけれど……。
そう、変わらない彼のもとに還ってくる話は初めてかもしれない。
……異なってしまった流れる時間を、異なったまま重ねて一緒に過ごす方法があるとすれば、それは「家族」になることなんじゃないか。
だからこれは、旅立った彼女が我が家に帰ってくる物語。ホームで在り続けてくれた彼のもとに戻ってくる物語。翼を広げて羽ばたいたままでも、置き去りにせずに一緒に居る選択を示した物語である。
そうか、こんな答えが出てくるところまで来たんだなあ……。

瀬尾つかさ作品感想

ニートの少女(17)に時給650円でレベル上げさせているオンライン ★★★★  

ニートの少女(17)に時給650円でレベル上げさせているオンライン (角川スニーカー文庫)

【ニートの少女(17)に時給650円でレベル上げさせているオンライン】 瀬尾つかさ/ kakao 角川スニーカー文庫

Amazon
Kindle B☆W

ダメかわいいニートの少女と、同居生活はじめました。

MMOを愛するサラリーマン・石破真一(27)の部屋には、ニートの少女・瑞薙水那(17)が居候している。金髪美少女JKと同棲、といえば聞こえはいいが、「お腹空いた」と起こしにくるし、風呂上がりにタオル一枚でうろつくし、ネトゲのレベル上げバイトはサボるし……「真一っ、大好きだぞ! 愛してる!」「おだててもダメだ。給料は昨日やっただろクソニート!」社畜ゲーマーがネトゲに社会復帰に、ダメかわいいニートの少女を育成《レベル上げ》!?
またえらくエキセントリックなタイトルである。内容の方も、普段の瀬尾さんのそれとは随分と毛色が違う独特の……と、思ったんだけれど、ふーむ。
以前から口ずさんでいた事なんだけれど、瀬尾つかさという人の作品って、これはデビューしたての頃がその傾向強かったですけれど、主人公がヒロインたちに置いていかれる物語でした。遥か遠く遠くまで脇目も振らず駆け抜けていく彼女たちの背中を、あるところまでは支え背中を押していた主人公が、いつしかその腕の中からヒロインたちが飛び出し、もう主人公の力を必要としなくなった先で、その場に彼を置き去りにしてそのまま先へ先へと行ってしまう。それをどこか淋しげにしかし満足そうに見送り、見上げ、遠く手の届かないところへ行ってしまった彼女たちを眺め続ける。
特に最初期の【クジラのソラ】が顕著だったんですけれど、それ以外の作品にも色んな形であってもこの感じは常に敷かれ続けてたんですよね。
近年になって、主人公は佇んだままではなくなって、たとえ届かなくても追いかけるようになり、その手が届くケースも増えて来たのですけれど、この「置いていかれる」という要素はなかなか根強く散見されるのであります。
本作もまさにそれ、なんですよね。
初っ端から8年後のシーンからはじまり、彼女は既に遠く遠く違う世界に在るのを彼は地上から見上げている。
面白いのは、そこに至るまでの物語、つまり「現在」として描かれる本編が「激動の渦中」ではなくどちらかというと「モラトリアム」として描かれている、というところでしょうか。
これは、今現在ニートやっているニー子のことのみならず、既に28歳でバリバリのサラリーマンとして働いている社会人の石破真一についても、描かれるこの期間はどこか「猶予期間」なんですよね。それはこの物語の舞台となる2005年前。かの頃には全盛期でありながら現在プレイ人口が減りつつあるというMMORPGの現況とともに、8年前である本編時には社会人でありながら廃ゲーマーとして勇躍していながら、その熱中度が嘘のように今はかつてのゲームから離れている真一の姿にも、その隣に大人になった大家の娘の姿があるのもまた、モラトリアムというものを見てしまう理由なのかもしれない。
どこか懐かしく、振り返れば胸の奥を詰め先でひっかくような痛みと心地よさを感じる過去の情景。そして、もう二度と帰ることの出来ない想い出の時間。なんて表現するにはあまりにもバカバカしく、ダレ果てた日常。でも楽しかったかけがえのないあの頃。
それが、ここで描かれるニートな少女とそれを取り巻く騒がしい友人知人たちとの何気なくも懸命でいい加減だった、今はもう無いあのアパートの日々なのである。

瀬尾つかさ作品感想

ワールド・イズ・コンティニュー 2 ★★★☆  

ワールド・イズ・コンティニュー2 (ファンタジア文庫)

【ワールド・イズ・コンティニュー 2】 瀬尾つかさ/ 早川 ハルイ 富士見ファンタジア文庫

Amazon
Kindle B☆W

“死んでも蘇る”を繰り返し、レベル100に到達した浩史とハイシェン。しかし、姉が待つ地に辿りつくには最強の旅団を作ることが必要だった!敵陣を穿つアタッカー、絶対的タンク、広範囲への制圧力。必要なピースを探す浩史だが、やっと見つけた一対多のスペシャリスト、シリンはどうやらハイシェンと相性が…?浩史にべったりなハイシェンに気ままなシリン。おまけに、素直でなかった風羽根も少しずつ積極的になってきて…!?浩史は旅団をまとめ上げることができるのか。攻略は新しいステージへ!!
打ち切りかー。僅か二巻で、というのは辛いなあ。
本作って、6人居る闘神のそれぞれが、別の世界の人間なんですよね。その使徒として召喚されるのも、また闘神と同じ世界の人間たち。それぞれの世界に異なった文化があり、能力があり、価値観がある。今度登場したシリンの居た世界というのは、魔法と科学が融合した文明が隆盛をなしていた世界であり、相応に機械群を操る文化を持っているのだけれど、このように召喚されたこの世界で用意されていたシステム上のスキルや職種とは別に、使徒の出身によって価値観の相克があり、それが文化交流みたいなのも催す萌芽となる描写もちらほら散見されて、シリーズ長く続いていくとそこらへんにもスポット当たったんだろうなあ、といささか残念なんですよね。
現段階でも、不老不死で自壊死以外に死なない使徒たちと、普通の寿命しか持たない彼ら使徒の二世・三世との世代ギャップ、同じ使徒でも既に百年以上生きている人たちとまだ召喚されたての若い世代との意識の違い、同じ日本人でも元の日本を知らない二世・三世世代との違いなど、異なる在り方の人々との「交流」と「協力」。友人になること、仲間になることへのハードルをこうして設けているのを見ると、この作品に設けられていたプランニングが色々と想像も出来るんですよねえ。
それなりに長期プランを組んでたんじゃないかなあ。
勿体無い。
個人的には桃子の、闘神たちが企図したゲーム攻略ルートを思いっきり無視した経済掌握による世界大改造がどうなっていくのか、の方をもっと見ていたかったんですけどね。本来なら百年を費やしてもレベル100に至れない中で、僅か数ヶ月で効率的レベルアップ法を駆使してレベル100に到達した浩次は、最初からゲームの攻略法を知っていたにしても十分頭おかしい人種なんだけれど、それに負けず劣らずわずか数ヶ月で地域の経済掌握したどころではなく、流通革命を起こして世界の在り方そのものを数ヶ月で数百年単位で発展させようとしている桃子女史の方も十分頭おかしいんですよね。二巻、名前だけで一切登場していないにも関わらず、この存在感w
それよりもヒロインとして面白かったのは風羽根由紀その人でしょう。桃子が金庫番にして財界の妖怪とすれば、風羽根は組織運営の魔人、みたいな人なんですよね。元からある組織をうまく動かす、というのなら出来る人は少なくないかもしれないけれど、ゼロから組織立ち上げて人集めて各界と協力繋いで、滞りない運営体制を作り上げて、最終的に自分が居なくても組織が勝手に動けるように完成させる、って豪腕どころじゃない手腕なんですよね、これ。召喚されて大混乱に陥っている連中をまとめ上げて、というだけでも凄いのに、浩次たちのバックアップをほぼ完璧に物資の提供から人材の確保から何からこなし切ってたわけですしね。
んで、彼女が凄まじいのは、当時居た現地で作り上げた組織を自分が関わらなくても自力で運営できるようにした上でほっぽり出し、自分は身一つで浩次たちが新しいフィールドに進出したのにくっついてきた挙句に、またその新しい土地で新しい組織作り上げて、さらに大規模に浩次たちを支援できる組織とその枠組をつくりだしてしまった、というところなんですよね。
化け物か、この女!!
しかも、それって一途に浩次を助けるため、ただそれだけのためなんであって、ゼロからバックアップ体制を作っては、それを放り出してしまうのに一切躊躇がないのである。野心とか全然ないんですよね。果たして、かつてここまで都合が良すぎる女が居ただろうか。自分の手持ちの財産や能力から際限なく貢いでくれる女性は珍しくなかったかもしれないけれど、ただ貢ぐためにこれだけ巨大な影響力を及ぼす体制を構築してしまうとか、とんでもねえよ! それで、ちょっと感謝されたりしただけでテンションマックスまであがって鼻血出してしまって満足するというチョロさ。餌、それだけでいいの? という見返りの無さなんだけれど、風羽根さんは十分満足そうなので、いいんでしょう。そう思っておいた方が平和だ、きっと。

1巻感想

サイバーアーツ 01 真紅の虚獣 ★★★★   

サイバーアーツ01 真紅の虚獣 (角川スニーカー文庫)

【サイバーアーツ 01 真紅の虚獣】 瀬尾つかさ/ヤッペン 角川スニーカー文庫

Amazon
Kindle B☆W

《V2ウェア》の普及により、どこでもVR空間にダイブできる時代。現実でも仮想空間でも存在しないかのように扱われる、樫尾ナジムの孤独な日常は、クラス一の才媛かつアングラな辣腕ハッカー・高嶺レンが彼を認識したことで、波乱の一日へと収斂する。生物型ウイルス《ゼノ》の襲撃、銃弾飛び交うテロリズム――ナジムの《V2ウェア》に隠された“機密”を巡り、現実(リアル)と仮想空間(ヴァーチャル)を跨ぐスリルと興奮のボーイミーツガールが始まる!!

ゼノきたーー!! うははは、まじかー。瀬尾さんの別作品を読んでると、このゼノなる存在のヤバさははっきりとわかるのですが、むしろゾクゾク来たのは仮想空間(ヴァーチャル)から現実への侵食でありましょう。電脳空間と現実世界の密接なリンクというとまず【攻殻機動隊】なんかが思い浮かびますけれど、例えば映画「マトリックス」、或いはPCゲームの【BALDR】シリーズのあの広大な電脳空間と荒廃した未来世界の重奏した世界観がまた素晴らしかったのですけれど、本作はもう一つ現実と仮想の境界の描き方についてこれらとは別のアプローチをしてるんですよね。
人間という肉体の端末を通して、ヒトは意識を・魂を現実と仮想の両世界に行き来させている。でも、逆に言うとそういった物理的な端末を通してしか、両世界は行き来出来ないとも言えるんですよね。そりゃそうだ。電脳空間とは、仮想に構築された領域に過ぎないわけですから。
ところが、本作では《V2ウェア》という人間の脳に直接ナノマシンを注入して、量子的に拡張させた仮想空間を構築してるんですよね。これって、厳密に言うと通常語られるところの電脳空間とは実態が別物なんじゃないの? という話なんですよね。ここで「ゼノ」なる人類の敵が登場してくる瀬尾つかさ作品の【銀閃の戦乙女と封門の姫】【魔導書が暴れて困ってます。まぁ、どうしよう! ?】における世界観がどういうものだったかを思い出すと、俄然面白くなってくるんですよね。特に、舞台となる世界「クァント=タン」がどんな風に作られて、どんな風に扱われたか。「異世界」なる無数の世界とその末路、地球との関係性、そしてそれらへのゼノの侵攻の実情。これらを鑑みると、ね。
もちろん、人工的に作られた異世界にしてゼノに対する最後の砦たる「クァント=タン」は、実体がありゲートを通るにしても物理的に肉体を伴って地球と行き来できる世界であって、リアルと仮想のダブルで存在して活動できる本作の仮想世界とは異なっているのですけれど、実は人工的に創造された「異世界」という意味では同じなんじゃないかと。そして、それが計画的に作られたかはともかくとして、現実の地球を後ろに置いた最終防衛ラインとしての人類最後の砦として機能している、という観点からも何気に同じなんじゃないかと。
いや、この場合人類最後の砦というよりも、ゼノ侵攻の呼び水、或いは橋頭堡になってしまっているフシも、幾つかの描写から伺えるのでありますが。
現実と仮想世界は、意識を行き来させることは出来ても物理的には絶対的に断絶しているもの。仮想世界から現実に介入するには、人間の肉体、或いは機械的な端末(ロボットやドローンや思考戦車やそういうのね)を介する必要がある、という常識が、この物語においてはえらく脆く感じてしまうのが、またドキドキを加速させてくれるんですよね。現実と仮想の境界を曖昧に感じさせるツールとなっているのが「AR(拡張現実)」なのである。データや擬似的な映像やCGなどの情報を現実に重ねて映し出してみせるというAR技術。これもまた《V2ウェア》を通して一般的に普及している技術なのですけれど、主人公であるナジムの存在が他者の認識から偽装ステルスされていたという事案も仮想から現実への具体的な干渉という意味ではかなり強烈なのですが、こういうのは攻殻機動隊なんかでもあったネタなんですよね。それよりも衝撃的だったのは、むしろあの「雲」でしょう。AR技術によって映し出されたあれは、しかし仮想から現実への投影とはまったく逆のベクトルの代物であることが薄っすらと描写されてくるんですけれど、これ理解が追いついてくるに連れてもう「やべえやべえ」という感覚が吹き出てきて、もう実にワクワクしてしまったんですよね。
いやー、色んな作品において色んなアプローチを用いて地球存亡の危機を描き出してきた瀬尾さんですけれど、今回はまたとびっきりに面白い設定ですわ、これ。すっげえ好みドストライクかも。

さて、そんな降ってわいたような未知の危機と相対することになる本作の登場人物たち。これがまた、今までになくピーキーなんですよね。メインヒロインの高嶺レンからして、イケイケドンドンなアナーキーというある種の人格破綻者なのである。これまでの瀬尾さんの作品のメインヒロインは、ある程度常識枠に収まっているタイプが多かったんですけどね。早々に主人公に引っ張られるか状況の過酷さに適応するか本性が露わになるかで、一線を越えてぶっ飛んだキャラになるとは言え、基本ベースは温厚で柔らかな常識人か凛としたしっかりもの、もしくは真面目だけど腹黒政治家タイプ、とかそんなんだったんですけどねー。
社会的ルールとか完全にぶっちして、脊髄反射でハックして悪びれないアナーキストとか、もう美味しすぎますよ、レンさん。この手のタイプのヒロインは、きっちり締めるタイプのヒロインが居る中で色々と状況や人間関係引っ掻き回して楽しんでる三番手ヒロインあたりが務めてたんですけどねえ。敢えて今回はメインに持ってきたんかー。とはいえ、今回は彼女に限らず、出て来るヒロイン衆全員ピーキーにイカレてるようなヤバイ女性ばっかりなんですけど。特に、あの小学生は色々と盛りすぎじゃないか、というくらいにドカ盛りだし。今回真面目なタイプが全然いねえw
主人公も、兄貴に魔改造されてしまってかなりアカンことになってしまってると思うんですけれど、両サイドがあんまりと言えばあんまりな具合にイケイケなので、目立って無くてマトモな司令塔扱いになってるのは幸いなんだろうか、これw
ともあれ、作者の手がけるシリーズの中でも、この新シリーズは特に盛りだくさんな要素満載で、これは先々がかなり楽しみで期待大ですよ。

瀬尾つかさ作品感想

ワールド・イズ・コンティニュー ★★★  

ワールド・イズ・コンティニュー (ファンタジア文庫)

【ワールド・イズ・コンティニュー】 瀬尾つかさ/早川ハルイ 富士見ファンタジア文庫

Amazon
Kindle B☆W

異世界フルシエラ―その世界に召喚された者は『闘神の使徒』と呼ばれ、『クラス』を選び、『スキル』と『レベル』を伸ばしながら魔物と闘い、エリア開拓に挑んでいた。ゲーム好きの浩史はこの世界の謎に迫るためレベル100を目指す。しかし魔物の強さは異常でゲームバランスとしては最悪。そんななか浩史が選んだのは弱体魔法特化の錬金術師、そして“死んでも蘇る”を繰り返すスタイルだった!?強敵に怯まず苦境を何度も乗り越える姿に「コージの心は強い…わたしも強くなれる?」魔法戦士の少女・ハイシェンの折れかけた心にも希望が戻り―。ピーキースタイルが異世界攻略の道を拓く!!
「レベルを上げて物理で殴れ」という方法は単純に真理であるのだけれど、考えてみるとこれってゲームバランスが取れた良質なゲームであってこその理屈であるのかもしれないなあ。容易に詰みかねないゲームだと、進行は非常に慎重に行わなければならない。戻ることの出来ないゲームなら、最初に選択した方向性でその時点で詰みかねないからだ。
この作品世界の場合、死んでも生き返ってやりなおせる、というトライアルアンドエラーが出来るものの、ゲーム自体をリセットして最初からやり直したり、転換点となるポイントまで巻き戻る、ということは出来ないために、どうやったって前に進むことの出来ない状況が現出してしまう世界である。
古いゲームプレイヤーなら経験はあるだろうか。ダンジョンのボス前でセーブしてしまって、ボスは倒せずしかし戻るルートは封鎖されていて脱出もできず、ゲーム自体進めることができなくなってしまった経験が。
普通は、幾つかストーリー進行に添ってセーブポイントを残しているものなんだけれど、興が乗ってリターンポイントとなるセーブを残さず進めちゃっていたり、そもそも古いゲームだとセーブストック自体一枠しかないものも決して少なくなかったんですよね。
あの、二進も三進も行かなくなってしまった時の目の前が暗くなる感覚は忘れがたいものがある。あれ、復活の呪文を忘れてしまうケースよりも最悪なんですよね。少なくとも「復活の呪文」形式は、以前のメモが残っていることが珍しくはないですし、その日のプレイは無駄になってしまったとしても、やり直しは出来るわけですから。
ボス前セーブポイントの場合は、もうゲームそのものを一からやり直さないといけないわけで、ほぼ確実にココロが折れます。
当然、現実で同じことが起こった場合の地獄は想像に余りあるものがあります。何しろ、現実ではゲームの電源を落とすことは出来ない。不老不死のプレイヤーは永遠に行き詰った牢獄のなかで精神が崩壊するのを待たなければならない。
そんな結末を、最初から組み込んでいるかのように「自壊死」という自殺システムが最初から装備されているあたりに、この世界の仕組みの恐ろしさが溢れ出しているのではないでしょうか。
ぶっちゃけ無理ゲーすぎるだろう、これ。
そんな中で、この世界の仕組みを開設したと思しき女性の弟として、姉が作るピーキーすぎるゲームを幼い頃からプレイして、味わい尽くし攻略し尽くしてきた主人公は、この世界の仕組みの勘所というものを肌で習得しているわけで、スタート地点でまったく違っているんですよね。
それでも、「死」という凄まじいストレスに全く怯まず、死んで蘇って不備を解消して、を繰り返していく浩次の異常性こそが、彼の躍進の最大要因なのでしょう。何しろ、死ぬことに対して全く負荷らしいものを感じてないようだものなあ。
作者の作品としてやや珍しいなあ、と思うのはプレイヤーが戦闘を行うための環境構築に政治要件が含まれていないことか。瀬尾さんの作品って、だいたいにおいて組織力学や政治力学によって戦闘を行うにあたって幾つもの障害や阻害要因が発生していて、それらを排するために或いは有利な状況に転換して、戦闘従事者に十全以上の力を発揮させるための環境整備を行う「政治家」としての役割を負ったヒロインが登場するんだけれど、本作では戦闘フィールドが非常に限定された場所で展開されて、ほぼどうやって能力を上げてボスを攻略するか、という戦闘面に限定されていて、物語において語られる工夫や工作もその方面に集中しているわけだ。その意味では、実験作でもあるのだろうか。
でも、決して「政治家」タイプのヒロインがいないわけじゃないんですよね。ダンジョンの外で待機して支援を担っているクラスメイトの子が明らかにそのタイプで、穿ってみるならば既にこの一巻の舞台となる閉鎖フィールドに浩次が挑むという事自体が、そのクラスメイトの子が整えた環境である、とも彼女と浩次の通信内容を見たら考えうる範疇なんですよねえ。
そう考えると、瀬尾さんが最近書いていた一迅社文庫の【高度に発達した魔法は神の奇蹟と区別がつかない】が政治パートに物語の進行やキャラの動向の比重が置かれていたのと真逆の構成になっているわけで、色々と面白い。
これでメインヒロインが、他の作品だとサードヒロインタイプとなるトリッキーな食わせ者系だったら面白かったんだけど、ハイシェンのキャラは天然無垢な子犬系なので、そのあたりはオーソドックス、と思ったけれど、ハイシェンって天然な分規定に捕われないフリーダムな自由人なところがあって、基本二人きりでの行動となってる中でそのフリーダムさはなかなかツボをつく部分があって、けっこう好きかも。
この一巻、ラストの展開を見るとただのチュートリアルだった可能性も高いので、ストーリーの進行や他のヒロインの動向も本番は次からなんじゃなかろうか。とにかく、ある程度ヒロインが揃ってから、だわなあ。

瀬尾つかさ作品感想


高度に発達した魔法は神の奇蹟と区別がつかない 2 ★★★★   

高度に発達した魔法は神の奇蹟と区別がつかない2 (一迅社文庫)

【高度に発達した魔法は神の奇蹟と区別がつかない 2】 瀬尾つかさ/kakao 一迅社文庫

Amazon
Kindle B☆W

書き換わった歴史の中、最善を尽くしつつ現代への帰還を目指すダナン魔導学院の生徒たち。古代文明の遺産を利用した積層都市アルフェで開催される西部都市の魔族軍対策会議にダナンからも人員を派遣するのだが、洞窟都市グリンデのハルメス・ザルダート議長はケーネの姿を見て驚愕する。「あなたこそ、今代の星の神子!」一方、エルドは歴史上の重要人物、魔族軍と苛烈に戦い最後のひとりまで殺し尽くした女将軍シルテシア・アルフェミティと出会う。しかし、エルドの前に現れたシルテシアは、まだ争いとは無縁の優しい母親でしかなかった。星の神子に祀り上げられたケーネの運命、後世に虐殺者として知られるシルテシアの真実、そして積層都市アルフェで蠢く陰謀の影とは―。

難しいところだよなあ。目の前で起ころうとしている悲劇を回避するために力を貸してしまうと、それがそのまま人間サイドの戦力を強化してしまいかねない。人魔大戦と呼ばれた大戦争に対するダナン学院のスタンスは、歴史の改変はもう仕方ないものとして、とにかく人も魔族も被害を少なくしたい、というものである以上、一方の必要以上の強化はより被害を拡大させかねないわけで。かと言って、手の届く範囲で多くの人が死のうとしているのを見過ごす、なんて割り切りが出来るほど学生たちは達観していないわけだし。
これは図らずも魔族側に入り込むことになってしまったガゼットも同じくで、とにかく出来ることをやって酷い有様の現状を改善していたら、著しく麾下の魔族軍が強化されちゃってるわけですし。でも、ガゼットってただのナンパなチャラ男かと思ってたら、どこのチート転生者かと思うくらい様々なジャンルに万能なんですけど、こいつ。全部、付き合ってた女の子から教えてもらったり、話を合わせるために習得したり、というあたりすげえとしか言いようがないんですが。
もしかして、戦闘特化型のエルドより主人公力高いんじゃなかろうかw 伊達に学園から離れてたった一人で魔族側に入り込むことになってしまっただけあるよなあ。助け得られないんですし。
それでも、使い魔を通じてある程度連絡は取れるだけマシなのか。エルドとガゼットの、立場も何もかも離れきってなお、あのお互いに信頼しきった親友関係はいいなあ、と思うんですよねえ。自分の命を預けるどころじゃない、自分の大切な人の命を預けられる、って大変なことだと思いますよ。
ダークエルフ姉妹の全幅の信頼を得ているとはいえ、秘密を抱えて一人奮闘しなくてはならないガゼットと違って、エルドたちはまだだいぶマシではあるんですよね。何よりも、この時代の人間でありながらダナン学園の秘密を知ってなお、味方になってくれたスピカ。時代に埋もれて後世には名前も残っていない彼女ですけれど、政治・智謀99はあって不思議じゃないんですよね。それが、ダナンのために全面的に力になってくれているわけで、この頼もしさたるや。何しろ、この時代の人間であり権力者サイドに立っていた娘ですから、各都市の上層部にも顔が通じてますし、何より国家間の事情や情報に明るい。ダナンの風紀委員長であるケーネも、末端とはいえ後世の統一帝国の皇族の一員であり、彼女も十分政治お化け、謀略妖怪の類いなんですけれど、政治力ってイコール人脈でもあるのでやっぱりスピカの存在は大きいんですよねえ。
まあ、そのケーネもまさかの「星の神子」認定によって、ただの政治交渉能力どころか、宗教系の影響力まで保持してしまったので、こちらはこちらで別方向から政治無双を発揮しだすのですが。
その星の神子認定も、どうやら帝国の血筋に関わりがあるようで、人魔大戦後の人類史においてケーネの帝国って相当裏で色々やってるみたいなんだよなあ。その原点が、丁度この人魔大戦まで遡ることを考えると、歴史上ではこの大戦当時では動きがなかったはずの冥神の使徒が暗躍している件も含めて、まだまだダナンがこの時代に来てしまった理由も絡んで、裏で大きな策謀が蠢いてるっぽいのよねえ。
ある意味、冥神の連中がダナンと同じステージに立っていることがわかった、ということそのものがこれから本番、という雰囲気を醸し出しているのですが……シリーズは一旦ここで一区切りのようで。
でも、また違う形で続き出します、と明言されているので、担当編集の移籍が要因だそうですけれど、これ一迅社文庫そのものの再編が絡んできそうだなあ。一迅社が講談社の子会社になった一件が、一迅社文庫に何の関わりもないまま、ということもあるわけないですし。

しかし、今回ひたすらスピカ推しだったですねえ。スピカのお兄さん登場によって、普段の賢さ爆発している余裕たっぷりの姿とは裏腹の年相応の感情を制御できずにプンスカしている可愛い面も見られましたし。
ケーネさん、ケーネさん、頑張らんとガチ婚約者にぜんぶ持ってかれますよ。当のスピカに全面支援してもらってるのになあ。とかそうこうしている間に、NEW婚約者になりそうな娘まで出てきてしまいましたし。続きが出るなら、ちゃんと巻き返していかないとw

1巻感想

高度に発達した魔法は神の奇蹟と区別がつかない ★★★★  

高度に発達した魔法は神の奇蹟と区別がつかない (一迅社文庫)

【高度に発達した魔法は神の奇蹟と区別がつかない】 瀬尾つかさ/kakao 一迅社文庫

Amazon
Kindle B☆W

いくつもの戦争を経験した人類と魔族は一人の英雄の尽力により種族対立を乗り越え、千年の時の中で平和な世界の実現と技術発展を遂げていた。魔導技術に秀でた魔導学院の学生エルド・アルウェンは、高熱を出した妹のナナリーを見舞うため、特別に学院女子寮を訪れていたそのとき、学院を巨大な地震が襲い、閃光とともに学生女子寮は見知らぬ大地へと転移していた。そこは千年前、世界が混沌としていた戦乱の中世時代だった……。女生徒たちとともに過去へ転移したエルドは風紀委員のケーネ、そしてしっかりものの生徒会長にして騎士科の優等生アレミアとともに元の世界へ帰る手立てを探すが、手違いから大戦を終わらせた英雄の命を奪ってしまい――――
科学文明の発展した未来・現代の人間が過去、或いは中世レベルのファンタジー世界に転移して、という話は山程あれど。ファンタジー世界のまま発展した高度魔法文明の学徒たちが、古代のファンタジー世界に転移して、その昇華された魔法理論で無双する、というのは何気にありそうでなかった設定だなあ。
知るかぎりでは【異世界魔法は遅れてる!】くらいか。これは現代地球の魔術師が異世界に召喚され、という話だったけれど。
ただ、本作における魔法文明の現代ってこっちの21世紀相当じゃなくて、それより遡って19世紀から20世紀初頭くらいっぽいんですよねえ。社会システムに対する意識や認識が近代に入っている過渡期、くらいなのが面白い。国家規模での戦争は遠のいている一方で、戦闘技能がエリートを集めた大学内で一定数の割合で必須技能として求められる程度には、それが必要とされるあれこれがあるわけで。
まあだからこそ、戦乱の世に飛ばされてなお統制が行き届いていたわけですけれど。
でも、高度に発達した、というわりには魔法理論が古代から飛躍していたように見えなかったのはちと残念だったけれど。威力と効率は見違えるように古代からあがっていたとしても、それって元々あった理論の強化発展に過ぎず、古代の人たちから見ても、それは凄いものではあっても訳の分からない未知のものではないと思うんですよね。古代の人間が戦車や飛行機を目の当たりにする驚き、火の明かりしか知らない人が電灯を目にした時の理解、工業技術・医療技術、物理法則や過去ではまだ存在しない概念の数々。高度に発達した未来文明との遭遇、というのは大きな断絶があるものなんだけれど、本作だとどれも過去からの延長線上に存在しているものに過ぎないわけで、タイムトラベルという要素の面白味としては些か物足りない感じがしてしまうんですよね。
一方で、重要となるのが人魔大戦という人と魔族との人種対立が高じた末の殲滅戦争的な大戦の最初期に飛ばされたこの学院では、既に人族と魔族の垣根が完全に取っ払われて、総じて同じ「人間」という括りになっているということ。そもそも、この魔導学院が大戦の終結に伴って、人族と魔族の融和を願って創設されたという理念によって成立している、というのが重要なんですよね。

過去の世界では突出した高度な魔法を使える、というアドバンテージは、大きな武器ではあっても道具に過ぎず、まず生存と元の時代に戻ることを目的としている彼らだけれど、彼らの持つアドバンテージというのはただ生存のために用いるためのものではない、という流れなんですよね、これ。
すでに初っ端で、未来を決定的に変えてしまう歴史的人物の殺害、という改変を行ってしまっている彼ら。本来なら鏖殺され歴史上から消え去っていた街を、図らずも救ってしまったこと。もはや、冒頭で既に過去を変えることなく未来に戻る、という選択肢は喪われてしまっているわけで……。
ある意味、縛りが最初から消えてしまっている、ということでもあるんですよね。既に、周りに関わらずに生き残り続ける、という道も不可能になっていて、必然的に歴史的な大戦に関わらずを得なくなってしまっている。
そこで、ただ戦う、という道だけではなく、魔導学院の創立理念である「融和」が鍵になってくるわけで。果たして、彼らは人類史における最大の悲劇を回避できるのか、という話になってくるのがまたダイナミックなストーリーに出来る拡張性を感じさせてくれるんですよね。
でも、その学院の方向を決めるための戦略眼や政治力、地に足の着いた思考力と未来の影響を受けた社会理念を持っている人物が、学院内には居ないんですよねえ。主人公のエルドはいわゆるサバイバリティは高くても自分で考えるのは苦手な脳筋だし、アレミアはリーダーシップは非常に高いもののあれこれ自分で算段立てていくタイプじゃないし、ケーネは実務能力高くて喫緊の問題の処理能力は高いし将来的な予測とその対処方法もしっかり立てられるけれど、大きな未来図を描いたり戦略的に物事を想像し、方向性を示せるタイプじゃないんですよね。
それが出来るのが、まさか現地から現れるとは。まさに、この学院のターニングポイントって、彼女を完全にこっちサイドに取り込めたことなんでしょうね。真実から何から全部詳らかに明らかにした上で、本来なら現地の利益代表者だった彼女を、完全に味方に引き込めた。どう考えても、今後この学院国家の陰の宰相になるのって、この子なんだよなあ。
とはいえ、元々は外部の人間だった彼女が全部決めるはずもないので、漠然とこうしたい、という決断だけは主人公たち、というか学生全員で決めるんだろうけれど。

しかし、メインヒロインが堅物の風紀委員、というのは珍しいので面白いなあ。ケーネ、面倒くさいんだけれど瀬尾作品はヒロインの攻勢がほんとに容赦ないんで、グダグダやってるとあっさり脱落しかねないし、グズグズしてると尋常じゃない煽りを食らうので、心底をごまかしてられないのでわりと早々にケーネも丸裸で縛り上げられて、エルドの前に放り出されそうw

瀬尾つかさ作品感想

横浜ダンジョン 3.世界を変える最初の五人 ★★★☆  

横浜ダンジョン (3) 世界を変える最初の五人 (角川スニーカー文庫)

【横浜ダンジョン 3.世界を変える最初の五人】 瀬尾つかさ/やむ茶 角川スニーカー文庫

Amazon
Kindle B☆W
世界各地にダンジョンが出現した世界―。無詠唱で魔法を使える特殊な力を持つ少年・黒鉄響の前世の記憶、それは異世界で四人の仲間と共に『異界神アグナガラグ』を倒した、白き賢者アルランとしての記憶である。再び覚醒しつつあるアグナガラグの調査を進める響だったが、各地で魔物の大暴走が立て続けに発生し、春菜たちを連れて討伐へと向かうことになり―。響、春菜、彩、シンシア、クレアの五人が世界の危機に立ち向かう!!
異質な外界からの侵略者によって、世界が滅亡の危機、というシチュが多い瀬尾作品の中でも、特に本作は迎撃の態勢も整っておらず、まず敵の存在、危機感の認識からして持っていない事から非常に危うい状況にある、とは前回の感想でも触れたところでありますけれど、その危機感を『異界神アグナガラグ』と相対した経験があるからこそ、異世界にて一致団結して総力戦を戦った経験を持つ響だからこそ、誰よりも危機感を持っているがゆえに、手段と問わずに敵の脅威を知らしめ、共有し、その上で迎撃の態勢を整えるための下地を作るために奔走する、というのが今回の話の肝でありました。
その為に、そりゃもう世界規模で暗躍しまくる主人公。完全に、フィクサーです。場合によっては、黒幕と言われてもおかしくないくらいに、世論の操作から被害の選択、敵サイドの謀略を逆手に取って誘導、など
文字通り、世界を裏から操り動かし導いていた彼はある意味正面切って大暴れするよりも、やりたい放題やってたんじゃないだろうか。
勿論、何もかも都合よく物事が動くわけでもない。異界神アグナガラグに対抗するための戦力を育てるためには、なりふり構わぬ国家による非人道的な活動にも肯定的だし、メリットが多ければ人的被害も許容する、どころか自分から率先して「コントロール」するような所業にも手を出している。
ここまで冷徹な合理性に徹底している主人公、というのもなかなか珍しい。
一方でプライベートの方では思いっきり甘ちゃんで、周りの女性陣には振り回されてばかりで全く彼女らを制御できないどころか、完全に乗っかられてしまっている、尻に敷かれてしまっている、という部分が、彼をまったく冷たい人間に感じさせないところなのだろう。
彼の割り切りというのは、実体験に基づくものであり、より過酷で人権意識の薄い世界で育った故の、個人の特質としての価値観ではなく、そこに住んでいた人が共感できる価値観、という点も大きいのだろう。
小悪魔な女性陣にやり込められつつ、逆にいじり倒したり、という日常のキャッキャウフフなやり取りは楽しかった。瀬尾さんのハーレムの距離感は、毎度ながらベタベタしつつサッパリしているので、凄い好みなんですよねえ。
とはいえ、打ち切り展開ということでだいぶ急いでまとめた感もあり、これから本番、というところでの終了はやっぱり勿体無かったかなあ。ぶっちゃけ、下地を整えた段階で終わってしまったわけですし。不穏な、響が敵側に回ってしまう、という未来予知も、原因不明のママでしたしね。それが起こりうる可能性を、響が潰して動きまわっていましたけれど、まさかのイレギュラーがラストに明らかになったわけで。
正体を明らかにした彼女との問題は、まさにこれからが面白いところだっただけに、尚更に。
帰ってきた夏美さんとどう絡むのか、などまだまだラブコメ的にも楽しめる要素はたくさんあったでしょうからね。次は、もっと長く続いてほしいけれど。

1巻 2巻感想

双剣使いの封呪結界(ロストマギカ) ★★★   

双剣使いの封呪結界2 (一迅社文庫)

【双剣使いの封呪結界(ロストマギカ)】 瀬尾つかさ/美弥月いつか 一迅社文庫

Amazon
Kindle B☆W
黒い霧から東京を解放すべく活動を続ける一輝、遙、理沙ら。そんな三人の耳に入ったのは、黒い霧と戦うための帰還者たちの最大組織「東解委」の主力遠征隊が何者かの襲撃を受けたこと、そして襲撃したのが死んだはずの遙の姉である久遠であるという情報だった。かつての想い人の名に動揺する一輝。時を同じくして、混乱する「東解委」が発生し、拓海淳という謎の男の手中に落ちる。新たな「東解委」のリーダーとなった拓海淳は、別行動を取る一輝たちの殲滅を計る。一輝たちはこの危機を乗り越えることができるのかそして、一輝たちの前に立ちふさがる久遠の正体は?!
二巻で実質打ち切りかー。となると、久遠を生き返らせるという一輝の妄執とそれに遥がどう付き合うか、そして命残り少ないかなたの運命とそれに寄り添うことをきめた理沙にどう決着をつけるか、というところに一気に焦点をアテないといけなかったわけで、色々と取っ払ってその辺に多少唐突だろうと久遠もぶっこんで話を持ってきたのは、最善だったんだろう。
もうちょい時間があれば、一輝のイカレ混じりの久遠への執着を煮込んで色々と出汁を取ることもできたんだろうけれど、こうなったら決断を促すしかなかったからなあ。勿論、あれだけ執着を抱えている一輝に一人でそれが出来るはずもないので、久遠ご本人にやらかしてもらうのが一番だったんだろうけれど、遥のあの一輝の落ち込みに付け込むことにまったく躊躇しないガンガンいこうぜ!な姿勢には感服しました。久遠の代わりに自分が居ますよー、とあからさまに攻めこむことに衒いも何もないんですもんね。そのあっけらかんとすらしている態度には嫌味がないので、余計に攻撃力高いんでしょうけれど。
今回の話でやっぱり印象的なのは、まだ小学生にも関わらず、過剰な能力付与で寿命を削りまくった挙句にもう何週間と命が持たない、というところまで消耗したかなたが、自分の命の使いドコロを冷静に選択し続けるところでしょう。その事実については隠すこともなく公にしてるので、一輝たちも全員知っているのですけれど、かなたを止めるでもなく、無闇に延命させようともせず、ぴーぴー騒いで感情的にならず、かなたが本分を尽くせるように支え続ける理沙を含めた、メインキャラたちの姿勢には感じ入るものがありました。
様々な苦悩や葛藤を乗り越えた末の、かなたの覚悟を受け入れた見送る者としての覚悟。泣きわめくこともなく、親友として笑ってかなたとイチャつき続けた理沙の強さは、瞠目すべきものでした。戦闘マシーンとしてではなく、誰かを大切に思うがうえにその人たちを守るために自分の命を使い果たせる人間に、かなたを戻した理沙。それは見るものによっては残酷なことだったのかもしれませんけれど、かなたの迷いの失せた満ち足りた決意を見せられると、かなたにとってそれがどれだけ掛け替えのないことだったか、納得出来るというものです。
よく、見送った。

だからこそ、かなたを見舞った運命については、素直に祝福出来るんですよね。良かった、と言える。この展開を見れただけでも、本望です。
さて、そろそろあの大迷惑な小人族を敵役にして、徹底的に撃滅する話でも描かれないかなあ、と思う今日このごろ。まあ、そうなるとむしろ主人公サイドがこてんぱんにやられてエンドになりかねないのですがw

1巻感想

横浜ダンジョン 2.英雄姉妹の挑戦 ★★★★   

横浜ダンジョン (2) 英雄姉妹の挑戦 (角川スニーカー文庫)

【横浜ダンジョン 2.英雄姉妹の挑戦】 瀬尾つかさ/やむ茶 角川スニーカー文庫

Amazon
Kindle B☆W
世界各地にダンジョンが出現した世界―。前世で白き賢者と呼ばれた少年・黒鉄響は、無詠唱で魔法を使える特殊な力を持ちながらも、それを隠して日々を過ごしていた。クラスメイトの真藤春菜とその相棒である坂霧彩に戦い方を教えながら、夏休みもダンジョン攻略を進める響。そんなある日、大剣使いのクレアと魔術師シンシアの姉妹に突然春菜が決闘を申し込まれて―。戻らない探索部隊、そして姉妹に課せられた重き使命とは!?
危機感、というのは得てして共有されにくいもので、こればっかりは仕方ないんだよなあ。現状、ダンジョンの奥に潜む脅威について知識・情報として持っているか否か、から危機感は変わってくるし、たとえ知っていてもその脅威を「実感」として得ているか、正しく理解出来ているか、によっても差は出てくる。ぶっちゃけ、響が感じている危機感、切迫感をこの現代の地球で共有できるのはそれこそ、その脅威を目の当たりにした春菜の姉たちだけであり、そして彼女はその脅威に抗うためにダンジョンの奥に姿を消してしまったわけで、わりと響って現状行き詰まりがあったと思うんですよね。色々と、星繰り人強化の為に手は打っていたものの、かなり地道な活動で影響力としてはそこまで劇的に及ぼせたかどうか。
先進国間の星繰り人のレベルの上昇が停滞していたのも無理からぬ話で、「敵」の存在がちゃんと把握されていない現状では、先進国が星繰り人の「安全」を重視するのは当然の話で、なりふり構わぬやり方をした結果犠牲が大量に出てしまうと、世論としてなんで安全性を無視してそんな無茶をやらせるのか、許すのか、という論調が出てきてまあ当然だし、当の星繰り人たちも「無茶」をする理由も今はないわけですよ。
その意味では、数々の世界滅亡の脅威を描いてきた瀬尾さんの作品の中でも、本作はトップクラスに危なっかしい世界観なのかもしれない。何しろ、敵の勢力とまともにやりあえる戦力が現状殆ど皆無に等しいわけですし、その戦力を生み出すのに必要な危機感が、世界の中で全く共有されていないわけですから。
だからこそ、夢見で正しい知識と実感として敵の脅威に対する危機感を得ている上に、うん初動が遅かろう日本政府ではなく、英国中枢に多大な影響力を及ぼす力を持っているシンシアの登場は、非常に大事なものなんですよね。星繰り人として超一流、というのはこの際添え物なのかもしれない。彼女の重要性とは、世界に対する影響力そのもの、と言って良いのでしょう。その彼女が、この危機を打開する鍵こそが、黒鉄響という少年である、というのを正確に捉えている。鍵である響に対して、シンシアこそが扉、とすら言えるかもしれない。
この扉を台無しにしようとしたわけですから、政府はヘタを打ったもんですわ。事情を鑑みると、クレアの横槍のせいとも取れるので、一概に政府攻めるわけにもいかんのでしょうけれど、おかげで「ザ・ブラック」が誕生してしまい、響の繊細な心に消えないダメージが刻まれてしまったじゃないですか、どうするんだ。仮にも白の賢者と呼ばれたホワイトイメージが、黒くなっちゃうのは如何なものかw
でも、こっちでの名前も黒鉄なんですよね。何気に、シンシアがラストに見た新たな夢見も絡んで、この白と黒の相克は何らかの意味がコメられてるんだろうか。

しかし、これだけ正直に自身の持つ秘密をあけっぴろげに公言しているのに、まるで信じてもらえない主人公、というのも苦笑してしまう。本人、別に信じてもらうつもりもなくて、持ちネタみたいに使っちゃってるけれど、そりゃあ出処不明の革新的すぎる知識や怪しげなネタを全部、前世の記憶です、と言っても信じてもらえないか。

1巻感想

双剣使いの封呪結界(ロストマギカ) ★★★  

双剣使いの封呪結界 (一迅社文庫)

【双剣使いの封呪結界(ロストマギカ)】 瀬尾つかさ/ 美弥月いつか 一迅社文庫

Amazon
Kindle B☆W

若者たちが異世界に勇者として召喚されては、ちからを手に入れたまま帰還することが頻発するようになった地球。あるとき、東京は謎の黒い霧に覆われ異世界とつながり、強大な怪物たちが現れるようになり東京は閉鎖された。高い戦闘力を保持した異世界帰還者たちは、霧を発生させている謎の黒い柱を破壊することで霧から東京を解放できることを発見するが、黒い柱の数は膨大で……。帰還者たちの中でも最強と呼ばれる一輝と遙、特殊な魔術を行使する理沙の三人組は、激しい戦いの中、黒い霧の奧に潜む途方もない何かの存在に巻き込まれていく……。スカイワールド、銀閃シリーズを完結させた瀬尾つかさが挑むバトルファンタジーの新境地!
相変わらずどこでも出てくるな、このマッド小人族。黒い霧が無数の異世界を侵食していく、という危機的状況だけれど、侵食具合なら作品の枠を超えてどこにでも登場するこの自爆系小人族の方がよっぽど侵食してますよね!?
多数の次元世界を滅ぼした勢力が、現代地球にも侵略の手を及ぼしてくる、というのは瀬尾さんの得意のツールなんだけれど、本作は最初期に東京の中枢部がやられてしまっているために、優秀かつ指導力を持った層が根こそぎいなくなっているので大人側の指揮系統が完全に劣化してるんですよね。割りと他の作品では後方支援組織やバックアップ体制は中身が真っ黒であろうとかなり頼りがいはあったんですよね。人類の存亡を賭けた総力戦、に相応しい体制だったのですが、こっちはバックアップがしっかりしているどころか、足を引っ張られている状況なので前線戦力となる帰還者たちは精神的にも肉体的にも疲弊する一方。かなりストレスの溜まる状況なんですなあ。
そんな中で世界を救うよりも個人的な事情を優先して動いているのが、主人公となる一輝と遙。政府の紐付から離れて独自に動いているのですが、この子たちも目的に向かってひたすら脇目もふらずに邁進していたが為に、気付かずかなりメンタルがヘタって先鋭化していたようなんですよね。
そんな中で、召喚された異世界で仲間たちをすべて殺されて自身もその世界の侵略者のボス相手に潰えようとしていたところを一輝たちに助けられた理沙。彼女の参入と地球への帰還が、思えばすべての変化の起点になってるんですよね。彼女自身、共に召喚されて辛い戦いをくぐり抜けてきた仲間たちを失い、大きな心の傷を負っているにも関わらず、微妙に三下っぽい、しかし意図された陽気さと前向きさによって、徐々に一輝たちの凝り固まったメンタルを解きほぐして、彼らを人間に戻していくんですね。また、帰還者たちのリーダーとしてこの世界の盾となり、無能なバックとの調整や一輝たちに便宜を図るなど組織運営や防衛戦略についてもほぼ一人で奮闘していた小学生戦士かなたの孤高にして孤独な心を本当の意味で救い支えようとしているのも彼女、理沙ですし……もうこれ、理沙が主人公でいいんじゃないだろうかw
理沙は決して強い子じゃないんですよね。戻った学校ではうまく馴染めず、失敗を繰り返してはへこんで落ち込んでいるし。それでも、この娘だけはひたすら目的に向かって邁進する、突き進まなければもう二度と進めないくらいにボロボロになっている帰還者たちの中で、周りの人たちを支えようとしている。かつて、自分が居世界で仲間たちに支えられ助けられ、最期まで守られたことを。彼女の能力が、誰かに守られることを前提としているからこそ、当たり前のように自分を費やして周りの人たちを身も心も守ろうとしている。それこそ、自分を使い尽くすのを望んでいるように。その意味では、彼女もまたいい具合に壊れているんだけれど、その壊れ方が他人を癒やすことに費やされているのは、何とも健気だなあ、と遠い目になってしまう。これに関しては、かなたも似たようなものなんですけどね。かつて喪われた仲間たちが自分に託したものを、目いっぱいに背負い込んで、世界を守るために全力全壊で使い尽くそうとしている。小学生の幼女が背負うには、あまりにも酷じゃあないですか。でも、優秀すぎるが故にみんな、彼女自身も含めて彼女を決して歳相応の小学生の子供としては扱わない。それを、理沙がするりと滑り込んで誰もやらなかったことをやっているわけですけれど……。
いずれにしても、惨い世界観だなあ。ただでさええげつない状況下で、さらに悪意を持った謀略が帰還者たちを陥れ、屠ろうと手を伸ばしてくる。さて、いったいどの段階で痛快にこの行き場のないどん詰まりのような状況をふっ飛ばしてくれる展開になってくれるのか。

瀬尾つかさ作品感想

横浜ダンジョン 大魔術師の記憶4   

横浜ダンジョン  大魔術師の記憶 (角川スニーカー文庫)

【横浜ダンジョン 大魔術師の記憶】 瀬尾つかさ/やむ茶 角川スニーカー文庫

Amazon

世界各地にダンジョンが出現した世界―。前世で白き賢者と呼ばれた少年・黒鉄響は、無詠唱で魔法を使える特殊な力を持ちながらも、それを隠して日々を過ごしていた。だがある日、クラスメイトの真藤春菜を魔物から救ったことで「戦い方を教えてほしい」と言われてしまう。彼女はダンジョンの探索者・星繰り人だったのだ―。春菜の相棒である坂霧彩を加えた3人が、それぞれの目的のために横浜の大ダンジョンを今、攻略する!
あとがきで書かれている本作のコンセプトと、それに纏わる主人公の立ち位置がなかなかに興味深い。これは響の目的にも適うところなのだけれど、彼がヒロインの春菜たち星繰り人の舞台まで降りてくることはなさそうなんですよね。少なくとも、春菜たちが駆け上ってくるまでは主人公とヒロインたちが同じステージで戦うことはないっぽい。ところが、同時に目指すところが定まっている響に対して、春菜や彩という娘たちは目指す果てが無いのである。ただただ高みを目指し、どこまでもどこまでも行こうとしている。この構図は、瀬尾さんの初期作品である【クジラのソラ】を想起させられて、ちょっと懐かしさに目を細めている。
しかし、この主人公、逢いたい女の元に行く為に強い仲間が必要なので、春菜や彩を鍛えあげて利用しようとしているのは兎も角として、それを春菜にはっきり告げちゃうところが、誠実にゲスいw 何がゲスいって、春菜が自分に好意を抱いていることをハッキリ認識した上で言っちゃうところ。
「わたしの気持ち、もうご存知ですよね」
「うん」
「わたしに、そのひとのところまで黒鉄くんを運ぶ手伝いをしろってことですよね」
「そうだ」
酷い男である。これに対する春菜の対応が最高というか彼女もけっこうアレだよなあ、と思うところなのだけれど、これこそ瀬尾作品のヒロインだよなあ、と頷いてしまうあたり、この人の作品、自分大分好きなのよねえ。
病弱少女キャラの殻を盛大に割りまくってシモネタお色気ネタで積極的に食いにくる食わせ者の春菜の妹の冬音といい、無口系野生少女キャラを盛大に蹴り倒して、クールに悪戯っ子しまくってる彩といい、真面目で優等生ヒロインに見せかけてかなりイイ性格している春菜といい、ヒロイン衆はみんな普通とは一味も二味も違ったキャラをしていて、実に面白い。色々と人生経験豊富な響でなけりゃあ、一方的に振り回されてどうしようもなかったでしょう……あれ? すでに散々振り回されつくして悲鳴をあげている気がしないでもないですが、響は響で腹黒というか性格悪いというか、彼は彼でけっこう意地悪でサディストっぽいところもあるので、引っ張り回し合いの綱引きは拮抗してるんじゃないでしょうか。能力隠していた理由も、端的にいうとシスコンを拗らせた結果というか、賢者のわりにかなり抜けてるというか足元が疎かなところがあって、あれは愛嬌があるんだろうなあ。
【スカイ・ワールド】が完結に至り、一迅社文庫では長期シリーズが見当たらない今、瀬尾さんの本命はこれになるのかしら。現代ダンジョンものとしてはかなり面白そうな奥行きと広さを持ちそうな作品だけに、今から期待大であります。

瀬尾つかさ作品感想

聖煉の剣姫と墜ちた竜の帝国 2 3   

聖煉の剣姫と墜ちた竜の帝国2 (一迅社文庫)

【聖煉の剣姫と墜ちた竜の帝国 2】 瀬尾つかさ/美弥月いつか 一迅社文庫

Amazon

アリシアに連れられて賢者の学院に入学したグレイだが、生物学や薬草学など狩猟以外の座学ではまったくの役立たずであることが判明する。実母の故郷であり、かつて地上に墜落し地下迷宮と化した竜の帝国の廃墟へ向かうのだが、そこには意外な人物が待ち受けていた…。

あれぇ、二巻で打ち切りですか。長期シリーズを睨んだ仕込みが随所に見られる作品でしたし、主だったキャラクターもまだ出揃ってもいない段階でこれはキツいなあ。
主人公グレイの、シスコンを通り越した妹教狂信者的な妹至上主義なキャラは面白かったですし、そんな妹にしか眼中にない彼をアリシアが必死こいて靡かせていく流れは楽しみだったんですけれど。どこか、動物の調教めいていて(マテ
振り返ってみると主人公のグレイは天然のスットボケたアホの子であり、ウェンディは瀬尾作品の小人族らしい自爆教派で引っ掻き回すのが大好きな享楽家、新登場のイルミナは恋愛脳の妄想家、んで唯一のツッコミ役をあてがいたいアリシアからして、真面目ゆえにどんどん空回りしていって歯止めを見失うタイプなので、カオスを止める人が全く居ない。これでは、掛け合いもポンポンと弾むはずです。この手の漫才はキャラの立ち位置がある程度定まってからガッチリ噛みあうのが常ですから、まず出会いがありそこから交流があり親密になっていく紹介と微調整という過程が必要な1巻よりも2巻からが本番であり、実際本作もこっから調子出てるんですよね。一旦軸が定まれば、後からキャラが追加されても上手いこと嵌り込むので停滞はなく、イルミナやラストの彼女の登場と加入はよいアクセントになるはずだったのですが……。特にイルミナは、まだ本番はこれからといった風情で、馴染む前に終わっちゃうというのは辛いなあ。アリシアの噛ませ臭がプンプンしていたのは確かですけれど。
興味深いのはエルシオーネという人の存在。彼女に近似するのが【銀閃の戦乙女と封門の姫】のエリカなんだけれど、このパターンのヒロインは中々他では見ることの出来ない属性なんですよね。エリカだけだったなら、特別で済んだのだけれど、ここでエルシオーネという存在を改めて登場させてきたとなると、作者にはそっちの嗜好もあるということなのか。もしかしたら、以後のシリーズでも似たような存在についてはお目にかかれるかもしれない。
魔王側の埋伏作戦といい、妹フィーネの暗躍といい、竜の一族の謎といい、ここで放棄されるのは勿体無いネタと伏線と謎ばかりで、本当に勿体無い限りです。頼むからほんと、2巻打ち切りというのは勘弁してほしいなあ。3巻切りと比べても余りにも中途半端になってしまうし。

瀬尾つかさ作品感想

スカイ・ワールド 8 3   

スカイ・ワールド (8) (富士見ファンタジア文庫)

【スカイ・ワールド 8】 瀬尾つかさ/武藤此史 富士見ファンタジア文庫

Amazon

スカイワールド―それは魔法と科学技術が同居する世界で、無数に浮かぶ島から島へと飛空挺で旅をするオンラインRPG。アリス救出の糸口があるとされる、第三軌道『バロックの牢獄』の攻略を開始したジュンたち。そこは緊急脱出を始めとする、テレポート魔法一切禁止の高難度ダンジョンだった。そんな中、踏み入れたとたんに罠とモンスターが大量に襲いかかってくる、チートフロアに挑む面々。手も足も出ない状況に、ジュンはあることを思いつく。それは誰も試さなかった、この世界を逆手に取った手段で―!?世界を愛する心が導く、熱きオンライン冒険ファンタジー!!
うわぁ、これは自分には廃ゲーマーとか絶対に無理だというのがよく分かる。ゲームで何度もトライアル・アンド・エラーを繰り返して攻略法を導き出していく、という気の長い手段に耐えられないですよ、きっと。大規模レイドダンジョンフィールドでは、何度も死んで死んでを繰り返してちょっとずつダンジョンの奥へと進む方法、現れる敵の攻略法を見つけ出していくそうですけれど、艦これのイベントで粗方攻略情報が出揃ったあとで、あとは単に準備を整えてアタックを繰り返せばいい、という段階に至ってすら、途中で気力が尽きてしまう程度の自分ではとてもとても。
まあ、こういうのは他にやりたい事が一切なくて、ただただひたすらにそのゲームにのみ集中でき、夢中になれる環境があれば、まったく苦にならないんでしょうね。廃ゲーマーというのは、まさにそのゲーム以外に何も必要としていない環境、状況を手にすることの出来た人たちが成る事のできる存在なんだろうなあ。
その結晶とも言うのが、あの大学八年生なのでしょう。
自分は結局、あれもこれもとしたいことが山と積もって消化するのも儘ならないから、集中できんのよねえ。せめて、それをやっている間くらいは集中して、終わったらきっぱり切り替えて、というのが出来れば、もっと効率的に消化出来ると思うんだけれど。
ジュンもこの手の一極集中で、他をまったく省みない廃ゲーマーなのは間違いないのだろうけれど、幸か不幸か彼がハマっているゲームというのは、仲間と組んで世界を攻略していくオンラインRPGで、人間関係も重要になってくるせいか、案外と対人関係も気を遣うことが出来、ひいてはそれが女性陣との繊細さが要求される距離感の構築にも一役買っているんだろうけれど……だからこそ、リアルに戻った時にゲームと関係ないところでこれだけの人間関係を維持発展させていく事が出来るものなのか、心配になってくるところです。カスミさんとか現実世界の方がなんか難しそうだもんなあ。むしろ、あっちに帰った時はエリとかヒカルの方が頼もしそう。どちらにせよ、サクヤが居てくれないと始まらなさそう、というのはありますけどね。さて、ジュンとサクヤが組むと現実世界でもハチャメチャな事を始めそうで、実に恐ろしいのですけれど。
でも、このスカイ・ワールドの世界では、二人が組めば何が起こっても恐ろしくない無敵感は、果てがないと言っていいくらいのものでした。それこそ、ゲーム上の制約なんかでも無視してしまいそうな万能感が存在したわけです。
だからこそ、だからこそのこの展開だったんだろうなあ。
巷で昨今よく使われるようになった「チート」という言葉は、つまるところ「ズル」という意味です。その意味では、アリスを封印し、今ジュンたちの前に敵として厳然と現れたこの存在は、ジュンたちと同じステージに立つ事から拒絶した、まさにズルの塊なんですよね。相手をルールで縛っておきながら、自分は易易とルールを無視して制限を超えた結果を強要してくる。これを卑怯と言わずしてなんというのか。
だからこそ、ゲーム上のルールに則りながら、その範疇を飛び越える結果を引っこ抜いてくるようなジュンとサクヤのコンビは、このチートの存在に真っ向から立ち向かえる唯一の希望だったと思ったのに。
アリスというもう一方の制約外の存在を手に入れたものの、それ以上のものを失ってしまったジュンたちに、果たして希望はあるのか。いや、希望の有る無しを抜きにして、なんとしてもやり遂げなくてはならない状況になってしまったのですけれど。

しかし、こういう話になってくると、変に「ズル」い能力やオーバースペックを持っている人よりも、制約のもとにありながらも無双状態と言っていい結果を導き出す人のほうがよっぽど凄い感がある。具体的には、あの小学生w
リュカさんがもう小学生というレベルじゃないんですけれど。登場時から繰り返し言われていることですけれど、彼女に関しては巻を重ねるごとにその度合が深刻化しているというか、もう人類史の偉人レベルに到達してしまっている気が。この小学生、中身も本当に小学生か? 
ある意味、サクヤよりも便利キャラ、無敵キャラすぎて、戦闘力がないというハンデを無視して、彼女さえ居たら万事なんとかなるんじゃないか、とすら思えてくるんですけれど。

さて、あらすじにもあった今回の話の肝心の要素であるゲームのシステムを現実に近くなったことを逆手にとって全く新しい手段で云々、というのは、てっきり【ログ・ホライズン】みたいな常識のパラダイムシフト、レベルの事を期待してしまっていたので、え?それ!?という感じになってしまいました。いや、それはちょっと高望みしすぎてたのか。


シリーズ感想

深き迷宮と蒼の勇者 銀閃の戦乙女と封門の姫外伝3   

深き迷宮と蒼の勇者 -銀閃の戦乙女と封門の姫外伝 (一迅社文庫)

【深き迷宮と蒼の勇者 銀閃の戦乙女と封門の姫外伝】 瀬尾つかさ/美弥月いつか 一迅社文庫

Amazon

異世界クァント=タンで繰り広げられたすべてを滅ぼす凶生物ゼノとの死闘。ゼノとの戦いはもっと前から始まっていた。エアリア界の魔法を操る少年、法鷹和馬は勇者の血統をもつ青髪の少女あかり・クラインと出会い、迷宮の中で発見された和馬の記憶喪失の妹エーリエとともに深き迷宮、その最深部を目指し攻略に挑んでいた。数多の魔物が闊歩する迷宮の奥底に潜む陰謀と、世界を滅ぼす災厄の正体とは?!『銀閃の戦乙女と封門の姫』の前日譚『放課後ランダムダンジョン』が、加筆のうえ装いも新たに再登場!瀬尾つかさ書き下ろし、『銀閃の戦乙女と封門の姫』の後日談となる物語も収録!
【銀閃の戦乙女と封門の姫】の最終決戦にて颯爽と参戦して、縦横無尽の活躍を見せた蒼の勇者あかり・クライン(既婚・人妻)が、旦那となるお相手と出会い結ばれるまでのお話、というと語弊があるか。正確には、ゼノ戦争の前史。【銀閃の戦乙女と封門の姫】にていくども語られることになる「ゲート・ブレイク現象」と「英雄部隊の最後の戦い」の当事者であり、再びゼノが侵攻してくるまでの一連の出来事を担うことになる、英雄部隊の生き残りと蒼の勇者の後継者の物語である。
作中の時系列的にも、作品の出版時期についてもこちらの方が本当は速く、本作は新装版ということになるのだけれど、自分が読むのはコチラが後発。エリカお母さんもメンバーだったという英雄部隊の活躍については、ずっと気になってたし、ゲート・ブレイク現象から異世界クァント=タンで戦備が整えられるまでの具体的な過程も薄っすらと既に終わった話として語られるばかりだったので、こうして当事者の視点から語られる物語は疑問や好奇心を解消させてくれるという意味では、まさに痒い所に手の届く作品だった。新装版は助かったなあ。
なんでダンジョンなんかに潜る事になってたんだ? という最大の疑問についてもちゃんと答えが用意されていたし。
まだ十代の子供にも関わらず、重すぎる過去と心の傷を負ってしまった和馬やあかり、そしてエーリエ。年齢的にはまだ幼いと言っていいくらいの子供なのに、もう微塵も子供として生きる猶予も余裕も与えられていない彼らが、可哀想でならない。大人であるケンの忸怩たる思いもわかるというものだ。なのに、さらに彼らを戦場へと引っ張り込まなければ、人類が滅びてしまうという矛盾。重責というにも程がある負担である。否応もなく子供で居られなくなった彼らだからこそ、お互いに出会うことが出来たのは何よりの幸いだったのだろう。負担も重責も心の傷も、重すぎる真実も一緒に共有でき、一緒に背負うことが出来、人生を共に歩むことが出来、一緒に戦うことが出来る支え合える相手と出会えたということは、何よりの幸いだったのだろう。あまりにも悲惨で救いのない事実ばかりの中で、こればかりは運命の巡り合わせだったように思う。
エーリエについては、もっと悲惨な顛末になっても仕方なかっただけに、最悪の事態にならずに済んで本当に良かった。救われたと思って、期待を踏みにじられたら立ち直れないよ、これ。
一巻完結ということで、和馬とあかりがイチャイチャするような余裕はあんまりなくて、この蒼の勇者というぼんやり娘が、この朴念仁をどうやって攻略したかについてはざっくり端折られてしまったのはちょいと残念。まああかりが想像以上に奥手だったので、あかりが攻略という形にはならなかったみたいだけれど。これ、エーリエ苦労したんだろうなあ。その苦労をねぎらうためじゃないけれど、彼女についても責任負っちゃえばいいのに。エーリエもごちゃごちゃ言ってないで。
ちゃんと妹含めて、皆まとめて娶ってしまった実績の持ち主が、クァント=タンの方に見本として現れてくれたんだから。まあ、あっちにはラスボス属性の妹と黒幕属性の妹姫様がタッグを組んで暗躍するという怖すぎる肉食系ヒロインの支配領域なので、あかりとエーリエに同じ真似をしろ、というのも難しいというか可哀想なのだけれど。でも、人妻とか言っておいて、あかりにまだ手を出してなかったとか、当時の切羽詰まった事情もあるでしょうが、そりゃあかんでしょう、和馬さん!!

瀬尾つかさ作品感想

聖煉の剣姫(ソーディア)と墜ちた竜の帝国3   

聖煉の剣姫と墜ちた竜の帝国 (一迅社文庫)

【聖煉の剣姫(ソーディア)と墜ちた竜の帝国】 瀬尾つかさ/美弥月いつか 一迅社文庫

Amazon

魔王が60年周期で赤い月からやってくる。人間と竜、妖精、そしてエルフやドワーフといった多種多様な種族は、強大なちからを持つ竜を中心に戦い、都度、魔王を討ち果たした。しかし60年前、魔王は現れず、共通の敵を失った人々は互いに争い、いくつもの国が滅びた。それから60年。豊かな自然に囲まれた辺境の町に住む狩人の少年グレイのもとに、浮遊機動島ネクサス・シティにある賢者の学院から一人の少女が現れた。少女の名はアリシア。賢者の学院に留学したグレイの妹フィーネが失踪したこと、各地に伝わる遺跡や聖遺物を彼女が破壊している疑いがあり真偽を問うべく、フィーネを追いこの地にやってきたという。魔の森、その奥深くにある遺跡へ向かったというフィーネを追い、アリシアとともに旅立ったグレイは、かつてないほど殺気立つ魔物の群れ、そして自らの血に隠された秘密を知る―アリシアとグレイを待つ運命とは、そして赤い月からやってくる魔王とは―
これまでから引き続き、イラストは美弥月いつかさんとのコンビで。今となっては一迅社ではこの絵師さんとでないと、みたいな安心感があります。さて、イラストレイターの人は前作から引き続いたとはいえ、作品自体に繋がりがあるかというと……あれ? 無いとは言い切れないのか。【銀閃の戦乙女と封門の姫】や【魔導書が暴れて困ってます】は、三千世界との行き来が可能な世界観なので、完全な異世界モノである本作とも繋がりが無いとは言えないんですよね。まあ、その三千世界は前作の敵によって殆ど滅ぼされてしまっているのですが。
とはいえ、この60年周期で魔王が赤い月からやってくる、という話と、竜という存在が色々と想像はさせてくれます。特にこの魔王と敵対していた「竜」という存在は、どうやらその単語から思い浮かべるトカゲの王様、ドラゴン的な存在とはちょっと違うみたいなのですよ。少なくとも、作中で描写された「竜」の姿は全部人間形態ですし、「竜」特有の言葉や表現ってのが……完全に現代日本で使われてる「スラング」だったりするんで、あれ?となってしまうわけです。
でも、妖精が爆発するのは宇宙的真理なので、この際共通項として挙げるにはいささか根拠が弱いですよ?

「竜」の正体も「魔王」の正体も今のところまだ不明なままですが、この60年周期の魔王の襲来という設定は面白いなあ。特に、前回の60年前には魔王は襲来せず、その為に種族間や国家間の結束が崩壊してしまった、というところなんぞは。
強大な敵に対する備え、というものは、必ず来るとわかっていたならば万全を期して待つことが出来ますけれど、来るぞ来るぞと待ち構えていたものをスカされて空振りさせられてしまうと、どうしても次も同じように備える、という事は出来にくいんですよね。
論理的に考えて、もしもの時に備えて準備しておくことは当たり前なんでしょうけれど、60年という世代が1つ2つ更新してしまう年月や、その準備の為にかかる予算や労力のことを考えると、もし次も空振りならば、という何もなかった時の方のリスクへと意識が行ってしまう。
根拠はなんにもないけれど、前回は大丈夫だったんだから、今回だって大丈夫だよ。これまで大丈夫だったんだから、今後だって大丈夫なんだよ、という気分になってしまうのが人間であり、これだけ準備したのに今回も何もなかったら誰が責任を取るんだ! と言い出してしまうのが人間というものだったりします。
その意味では、この作品における魔王サイドの戦略というものは急所を穿ちまくってるんですよね。結果的に見れば、60年前に攻め込まなかったことで、むしろ攻めこむよりも多くの被害、損害、損失をこの世界に及ぼしているのですから。しかも、自分たちの戦力を費やすことなく。それどころか戦力の蓄積増強にすら成功している。人間サイドは、もう魔王の侵攻の可能性自体を無視している状況だし、開戦の段階でもう殆ど戦略的に詰ませた、と言っていいくらいの状況を作り出している。これで負けるとか、あり得ないよね〜〜。

めっちゃやられとるやん!!
ちょっ、せっかく60年掛けて準備してきた侵攻計画が、たった一人の為に半壊状態じゃん!!
魔王サイド、これ涙目じゃないですか?(苦笑
これはもう、妹ちゃんを褒めないとしようがないのか。
前作もそうだったけれど、妹という存在は優秀すぎてたまらんなあ。兄のシスコン振りも、前作に輪をかけてひどくなっているけれど。酷いどころじゃなくて、もうこれ唯一妹神として絶対信仰しているんじゃないか、というレベルでシスコンなんですけど。あかん、この主人公、瀬尾さんの作品の中でも頭ひとつ抜けておかしなことになってるw
あまりにも妹絶対主義の狂信者になってしまっているせいで、肝心のヒロインのはずの、表紙も飾っているアリシアの扱いが微妙に目立たなくなっちゃってるような気がするのだけれど、グレイは妹に対してはイカレてるけれど、それ以外に対しては生真面目で愚直なくらい素直なので、相棒として、ヒロインとしての接し方はかなり丁寧だし対等に尊重している上に距離感に遠慮もないので、今後なかなかよいコンビになっていきそうです。
というか、このアリシアも多分にもれずお姫様としてリーダーシップに溢れているタイプなので、なんかグレイとの関係はお姫様とワンコになりそうだ。グレイって賢い忠犬みたいなところがあるし。
ともかく、まだ物語もスタートしたばかりで、舞台を整えて人員を揃えている状態。本格的に動き出すのは次回以降になるんでしょう。ブースターに火がついてからが本番かな。

瀬尾つかさ作品感想

スカイ・ワールド 73   

スカイ・ワールド7 (富士見ファンタジア文庫)

【スカイ・ワールド 7】 瀬尾つかさ/武藤此史 富士見ファンタジア文庫

Amazon

スカイワールド―それは魔法と科学技術が同居する世界で、無数に浮かぶ島から島へと飛空艇で旅をするオンラインRPG。第三軌道への鍵を手に入れたジュンたち『覇者の御旗』は、その扉の在処を知る『銀翼騎士団』との共闘を求めて、バクラヴェン島奥地にある遺跡を目指し、行軍を続けていた。そんな中、突如現れた『銀翼騎士団』のギルドリーダー・クァンタム。急な決闘を申し込まれるも、ジュンは見事勝利し、共闘は約束されたのだが…『銀翼騎士団』メンバーの異様な雰囲気に、ある残酷な過去があることを知り―。この世界の真理を暴く、熱きオンライン冒険ファンタジー!!
ユーカリアがエロの代名詞になってる! ユーカリア化、ユーカリアナイズなどなど、その汚染の単位で10ユーカリア、25ユーカリアとか名付けられるかもしれない。まあ小学生のリュカやスズランにいらん言葉を教えこんでいる時点で有罪確定なのですけれど。なんだ、あのエロ淑女は。いったい何をコントロールしようとしてるんだ、あの制御役は。
大規模レイドを生き甲斐として、ある意味ジュンと違った形でこのスカイワールドを「楽しんでいる」銀翼騎士団。このゲーム廃人たちは、人としても朗らかで裏表がなく楽しい連中なのだけれど、同時に大規模レイドの為に平気でドラゴニュートたちを虐殺した前科の持ち主たちでもあるわけです。その為に、一時期サクヤたちのパーティーと敵対していたこともあり、彼らとの同盟は必要とはいえ一悶着あるのかとも思ったのですが、銀翼騎士団側も、或いはジュンやサクヤの側も全くと言っていいくらい屈託なくお互いを受け入れ、和やかに親交を深めていくのである。それは、ジュン側たちの意図した「彼らに身内と認識されるくらい親しくなる」という目的があったのは間違いないんですけれど、もしジュンたちの側にも隔意が潜んでいたら、早々根っから仲良くはなれんのですよね。そして、ジュンたちは銀翼騎士団の面々の在り方を狂っていると断じながらも、それを悪いとも拒絶するでもなく、受け入れいている。それは、少なからず自分たちも彼らと同類という認識があるからだ、としているのだけれど、実際最前線に出ている連中っていうのは、多かれ少なかれどのギルドも狂気を内包することを受容しているのだろう。それどころか、カスミたちなどはむしろ積極的に、ジュンやサクヤたちに近づくために、同類となるために、狂気を招き入れようとしている。
それを受けて、ジュンもまた、かつて自分が憤怒したサクヤのカスミへの扱い方を、今自分が全く同じように繰り返そうとしていることを自覚して、しかしそれを諾として受け入れている。
さて、どこを見てもいい具合に狂ってきているようにも見えるのだけれど、むしろ狂気を受け入れることですべてが安定してきているようにみえるのはまた皮肉な話ではないだろうか。常識にこだわることで、倫理にしがみつくことで、余計に無理を重ねて負担を背負い、人として壊れていくこともあるのだろう。逆に狂気に身を委ねることによって、あるがままに人らしく、心豊かにのびのびと生きることが出来る、なんてこともあるのだろう。
ここは、スカイワールドは今はそういう世界なのだ。
実際、軛から解き放たれたジュンとサクヤは、自由に空を羽ばたく鳥のように、比翼の鳥のように何物にも束縛されずに実に楽しそうに飛び回っている。フルメンバーでも太刀打ちできなかったレイドボスを、たった二人で踊るように倒してのけた姿など、まさにここが彼らのために用意された世界のように感じられた。
世界の謎が紐解かれていく、タイムリミットは迫っている。しかし、重苦しい雰囲気はない。今、彼らは果てしなく自由だ。

しかし、いい加減どの子もまともさを逸脱しているけれど、その中でダントツというか破格にイッちゃってるのって、どう見てもリュカだよね。幾らなんでも小学生であの商業センスは突き抜けすぎてるわー。小学生って、まだ数学の前の算数をえんやこれと、ドリルで宿題やってるような年齢だろうに、ただの商売を通りすぎて、商社クラスの商品の取扱を経営して、その上流通まで握りつつあるってんだから。このまま行くと、コングロマリットまで形成シそうな勢いなんですけれど。スカイワールドの経済そのものを掌握しかねないその手管、サクヤやヒカルの天才性すらカスミかねないチートなんですけどw
ラブコメパートは、サクヤが貫禄のリードで。まあ、ジュンからすると、サクヤはほんとに別枠だもんなあ。あそこで積極的に打って出るとは、なかなかやるのう。でも、もう十把一絡げじゃなく、エリ、カスミ、ユーカリア、ヒカルとそれぞれに余人とは比べられない特別な関係を築いているので、誰彼がリードとか、ひとまとめで、という安っぽいハーレムからはもう脱却しているので、安心して進捗を楽しむことが出来ますわ。瀬戸さんも、このあたりのハーレム形成力は特筆に値するものになってきたなあ。


瀬尾つかさ作品感想

銀閃の戦乙女と封門の姫 6 4   

銀閃の戦乙女と封門の姫6 (一迅社文庫)

【銀閃の戦乙女と封門の姫 6】 瀬尾つかさ/美弥月いつか 一迅社文庫

Amazon

ついに始まった大侵攻により王都は陥落し、ゼノの指令中枢である七体―始祖七桂―に広域殱滅スキルを持つフレイを連れ去られた。フレイの広域殱滅スキルをコピーされたらクァント=タンに勝機はない、その前にゼノを討滅する。第一王女エレオノーラの指揮のもとクァント=タンの全王族と機士を中心に結集した連合軍は、最終決戦へと向かう。一方、カイトたちも囚われのフレイの救出と始祖七桂を打倒するため、ゼノの中核へと切り込んでいくのだが、その行く手には最強のゼノ、始祖七桂が立ち塞がる。はたしてカイトはフレイを助け出すことができるのか、そして最悪の侵略者ゼノとの戦争の結末は―。瀬尾つかさが贈る剣と魔法の異世界ファンタジー、ついに終幕!
とっとと表紙飾るヒロイン持ち回り制にしたら良かったのに、フレイで引っ張り続けたせいでシャーリーが割り食っちゃったじゃないか。実質、シリーズ通じてのMVPは紛れも無く彼女だったのに。
というわけで本シリーズもこれが最終巻、最終決戦でありますよ。三千世界を滅ぼしつくし、押し寄せてきたゼノを食い止めるために創造された異世界クァント=タンを舞台に、全時空生命の存亡をかけた戦いが今此処に。
クァント=タンって、いうなればワールド・オブ・キルゾーン。地球を含む残された世界群を一つの城に見立てたならば、クァント=タンは虎口と言っていいでしょう。異世界一つ丸々を、侵略者を誘い込み殲滅するためのキルゾーンとしてカスタマイズして創造し、そこにこれまた戦闘用にカスタマイズされた人類を住まわせる、というのは改めて見ても凄絶を通り越した発想なんだけれど、これですら殆どゼノを破る希望もなく、ほぼ時間稼ぎか自爆覚悟の捨鉢な期待しかされていなかったというのだから、いったいどれだけ絶望的な状況だったのか。まあ、クァント=タンを創造する以前の戦いの被害の凄まじさを考えたら、もう絶望しかなかったのも仕方ないのか。
そんな、もう終わるしかなかった状況をひっくり返すきっかけになったものこそ、カイトの存在だったというけれど、傍から見ている限りではキングクラスのモンスター戦からこっち、ずっと無双状態を続けていたのはシャーリーと梨花の謀将二人であったのは間違いなく。正面戦力としてはソーニャさまや他の王族どころか、カイトやフレイと比べても片手落ちだったシャーリーと梨花ですけれど、戦局を打開し続けたのは常に二人の頭脳と度胸だったのですから大したものです。この場合、頭脳担当が二人揃っていたというのが味噌で、どちらかが機能不全に陥っても即座にカバーとフォローをまかなえてたのが大きいんだよなあ。今回も、シャーリーが決断できなかった時に背中を押したのは梨花でしたし。これ、どちら片一方しかいなかったらまずどこかで綱渡りの縄から転げ落ちていたと思われる。それくらい、ゼノ登場付近から厳しい判断を問われ続けていたわけですし。
この敵のゼノが曲者で、意思の疎通が不可能な異生物、というとどうしても機械的、或いは昆虫的な存在で対応力が突出していても、先手を取るのは頭を使う人間側、というパターンが多いのですけれど、ゼノの場合知略でもシャーリーや梨花の上を行くことがしばしばで、イニシアティブについてはほぼ相手に握られていたんじゃないか、というくらい。シャーリーたちの知謀の冴えは間違いなく一級品だっただけに、相手の手強さの感触は並外れていました。それでも諦めずに、彼女らが食らいついていったからこそ、辛うじて希望の糸が途切れないまま最後まで繋がったのですが。
つまるところ、ゼノの侵攻戦で終始最前線で火花を散らしていたのはシャーリーと梨花だったと言えるので、彼女ら二人がメインだったはずのカイトやフレイやソーニャ様よりも実質活躍していたのは、まあ仕方ないよなあ。
王族差し置いて囚われの姫の役を担った上に触手に蹂躙されるなんて美味しいところまでやらかしたフレイはともかくとして、敵中枢に殴りこんだカイトとソーニャも、結局始祖七桂のシャーリーの想定を上回る対応策のお陰で一番美味しいところではなくなっちゃいましたしw
最後の対決でも、一番美味しかったのはもっとも戦力的に劣り絶望的な戦いを強いられ、健気に覚悟を決めながら起死回生の目を引いたシャーリーでしたし。
一方で、ソーニャ様はというと、ホントにヒロインかというくらい残念脳筋として弄られまくってて、もしかしてこの人作品のマスコットだったんだろうか、という思いが湧いてくるほど、愛され系になってましたよ?
彼女だけは嫁というよりもペット扱いでも違和感がないような……w
ともあれ、文字通りの総力戦となり人類世界の存亡をかけた激戦が存分に繰り広げられる展開は、手放しで燃えました。カイトも頑張ったよ、うん。自爆妖精も、最後に見せてくれましたし。何でもとにかく爆発させずにはいられない性のアルルメルルが、一番肝心の爆発を阻止してみせた、というのは色々と粋だったなあ。
個人的には、同じ一迅社文庫なんだから【魔導書】の面々ももっと前面に出てきて活躍してくれると嬉しかったんですけどね。モリー男爵は一人で頑張ってましたが。まあ、チラッと顔見せてくれるだけでも嬉しかったんですけどね。
エピローグで、梨花が世界相手に盛大にやらかしてたのは爆笑ものでしたけれど。ちゃんとフレイが正妻になりそうですけれど、これはもう、「妹(梨花&シャーリー)からは逃れられない」は決定ですね。ふたりとも有能すぎる。なんにせよ、ほんと最高に面白かったです。次回作も大いに楽しみ♪

シリーズ感想

スカイ・ワールド 63   

スカイ・ワールド6 (富士見ファンタジア文庫)

【スカイ・ワールド 6】 瀬尾つかさ/武藤此史 富士見ファンタジア文庫

Amazon

スカイワールド―それは魔法と科学技術が同居する世界で、無数に浮かぶ島から島へと飛空艇で旅をするオンラインRPG。封印都市シャッカイの地に降り立ったジュンたちは、第三軌道への手がかりを探しつつも、レベルを上げ、装備を整えて、チームの戦力をアップさせるべくクエストを進めていた。そんな中で遭遇した神話的クエスト『真なる竜への試練』。六人しか入れないダンジョンのため、ジュン、かすみ、エリ、ユーカリア、ヒカルといういつものメンバーに、サクヤ班からアサシンのチョココロネを借りて挑むことになり―。竜の歴史の扉を開く、熱きオンライン冒険ファンタジー!!

あれ? 六人パーティーでのクエストというから、いつものジュン班にサクヤが加わるものかと思ってたら違うのか!  代わりに参加してきたのがチョコちゃん。……こいつ、ちびっ子のくせにサクヤの同級生なんだよなあ。エリよりも年上なんだぜ。年下の女の子の膝の上に座ってご満悦の幼女先輩。
でも、ホントに意外だ。ここでサクヤがパーティーに加わって、他のメンバーと交流を深めて人間関係に化学反応を起こすことは、物語の展開的にちょうど要求されている時期だったはずなんですよ。ところが、そんな制作サイドの必要性を見事に無視して、サクヤたちが置かれている状況が要求している配置を優先してるんですね。確かに、ここでサクヤが【覇者の御旗】の総指揮を抜けるというのは、ユズに死ね、と言っているようなもんで、まあそうでなくても様々な判断や決断が要求される大事な時期に、サクヤとジュンという要の二人が抜けてしまうと、あっちこっちで不備が出て一気に【覇者の御旗】やシャッカイの安定性が瓦解しかねないのも非常に理解できる話なんですよ。だから、ここでサクヤがパーティーに加わらなかった、というのは理解できる。ただ、そのしわ寄せがどこに行ってしまったかというと、回り回ってエリのところに出てしまったのが今回のトラブルの原因だったんじゃないだろうか。
ぶっちゃけ、エリとサクヤは早いとこ直接面と向かって決着つけんことには、エリの性格的にもどうしても歪みがここに出てしまうんですよね。ジュンの野郎は身の程知らずにも、というべきなのか、チームの人間関係を理屈で管制しようとしていたわけですが、これはサクヤの切羽詰まったちゃぶ台返しで台無しにされた上に、エリの感情的負担を考慮しきれてないものだったので、ヒカルとユーカリアから総駄目だしを喰らってしまったわけで……。悪気はないんだろうけれど、恋愛が中心と成った人間関係を、ゲームの戦闘みたいに管制しようというのは無理とは言わないけれど、かなり難しい案件だぜ。実はサクヤもこの当たり、ジュンと同じロジックで人間関係をコントロールしているんで、ホント似たもの同士だなあ、と苦笑せざるを得ない。
ヒカルとユーカリアは、ジュンとサクヤが何をやってるか概ね理解出来てるんだけれど、この娘たちは汚れ役というか自分の気持ちにも人間関係にも割り切りという名の受容ができているので、ジュンもサクヤもやろうとしていることは決して自分にとっては損ではない、として受け入れる判断ができているんだけれど、エリはそもそも自分の感情について判断ができてない上に、サクヤの存在を受け入れきれていない、ときて真面目な分妥協しにくい上に、自分の中で貯めこんじゃって概ねそれを我慢できる娘だから、とにかく一切合切の歪みが彼女のところに集まっちゃったんだなあ、これ。おまけに、このチームのバランサーというか、人間関係の調整役、支援役という要がエリなんですよね。彼女こそがそうした歪みを捌いている肝心要でもあったわけで……。
そりゃ、エリに頼りすぎだ、と怒られても仕方ないわなあ、これ。だいたい、一番年下だってのに、エリが。

さて、久々に6人という少人数のパーティによるクエストに焦点が集まったわけですけれど、改めて見るとMMORPGモノの中では、この【スカイ・ワールド】がやはり頭ひとつ抜けてガチでMMORPGというゲームしてますよね。とかく、ゲームシステムの描写の緻密性がパないです。たとえば【ログ・ホライズン】と比べても、純粋なゲームシステムの活用としては、こちらの方が描写としては濃い気がします。あっちは、ゲームから一皮剥けちゃってまた違うステージに行ってますからねえ。向かった方向が違うのですけれど。
そして、この物語の舞台が「ゲーム」の枠から逸脱していないということは、作中で語られているようにゲームヲクリアした、その後、という観点が現れてくるんですよね。二周目については、ジュンやヒカルが拒絶的反応を示しているのを見ると……ゲームが終わったあと、という点については結構重要なポイントなのかもしれないなあ。どこまでも、どこまでも、飽くなき先を望んでいく……。ふっと、作者の最初期の傑作である【クジラのソラ】が頭をよぎったり、ふぅむ。

瀬尾つかさ作品感想

銀閃の戦乙女と封門の姫 5 4   

銀閃の戦乙女と封門の姫5 (一迅社文庫)

【銀閃の戦乙女と封門の姫 5】 瀬尾つかさ/美弥月いつか 一迅社文庫

Amazon

ついに明らかになった世界の脅威「ゼノ」。王城へと侵入したゼノが王族最強の第一王子タウロスを無力化したことで、ゼノの脅威とその特殊能力が明らかとなる。カイトとフレイ、第三王女ソーニャたちは、第四王女シャーロッテの指揮の元、逃走するゼノの群れを追撃することになるのだが、その高い戦闘力と組織的な連携攻撃に苦戦を余儀なくされ、ついには王族からの犠牲者も出してしまう。その頃、梨花は第二王女アアフィリンの秘密に気づき…。瀬尾つかさが贈る剣と魔法の本格異世界ファンタジー、急転の第五弾!
おっもしろいなあ、もう!!
そういえば、瀬尾さんって先の【魔導書〜】でもそうだったけれど、キャラ被りを恐れないんですよね。竹中半兵衛と黒田官兵衛、或いは諸葛亮に龐統といった感じに、ヒロインに軍師格を二人突っ込む事を厭わないわけです。この作品の場合は、シャーロッテと梨花が双頭の龍のように政治・戦略・作戦・戦術・情報・謀略戦と頭を使うことに関してはほぼ二人でやってのけてます。普通は、こういう知謀系のキャラは作品にひとりいれば良くて、概ねその一人で大方の方針や指針を示していくものなんですけれど、こっちは一人ですらオーバースペックなシャーリーと梨花が二人で足りない部分を補いながら作戦を仕立てていくので、殆ど反則級の無敵状態です。いや、今回の一件、ゼノの仕掛けていた罠がかなり悪辣で、はっきり言ってどう考えても詰んでいてたように見えたんですけれど、第二王子の遭遇という偶然があったにしても、絶体絶命の場所からの挽回の仕方が洒落にならない勢いと精度で、もうシャーリーと梨花の独壇場、というくらいに二人の知謀が冴え渡ってました。恐るべきことに、第一王女と第二王女、エレ姫さんとアアフィリンもこれ、頭の回転がべらぼうに速いタイプで、政治と知謀が90オーバーしてそうな人たちなんですけれど、この二人も後半全面的に協力体制に入ってくれたことで、四人もの稀有にして屈指の賢人がフル回転で知恵を絞りだすという展開になってしまって、これがもう頼もしいのなんの。頭の方は残念なソーニャ姫やカイトは完全に仕出し係である(苦笑
特にソーニャ姫は、残念ながらその頭の悪さは王様になるのはちょっと無理ですね。早々に王位継承放棄していて正解でした。いや、頭悪い悪いとは言われてたし実際悪いとしか言いようのない言動は今までも数々あったけれど、今回は特に実感させられました。この人は最前線で誰かの命令に合わせて大暴れしているのが一番合ってるわ。使う人じゃなくて使われる事によって最大の能力を発揮できるタイプなんだなあ。

それにしても、なんであの愚王から、これだけ出来物の息子・娘が生まれたのか不思議でならない。本気で全員傑物じゃないですか。いささか腹に一物ありそうだったアアフィリンも、決して足を引っ張るような事を考えていたわけではありませんでしたし、一番性格悪そうだったエレオノーラ姫も、いざとなったら頼もしいわカッコいいわ。確かに、この人ツンデレだわ、ツンデレだわ。男の王族の方も、タウロス閣下は文句なしのイイ男でしたし、今回えらいことになってしまったアシュレイ王子も、好漢と呼んでふさわしい人物でしたし。
ハズレが居ないし!!
能力だけではなく、危急時に身内同士で争わない、という原則をキチンと守れる人たちだというのが何より凄い。なんだかんだと足を引っ張り合ってしまいそうな場面だってのに、そういう時こそ普段対立しているくせに、一致団結して目の前の危機に対処できるというのは、実際目の当たりにすると感動すら覚えてしまう。
さすがは、三千世界最後の砦として造られた世界の王族たち、という他なし。

この三千世界を滅ぼしつくしたゼノという生命体に対する、クァント=タンという出城での迎撃作戦。凄まじい犠牲を払って構築し、現在進行形で様々な犠牲を強いながら用意されたゼノへの対抗措置。もう傍から聞いているだけで、これを構築したメンバーの鬼気迫る凄味には薄ら寒さすら感じるものだったんだけれど、見事にこれらが機能してゼノに対抗できる舞台が整ったのを見た時には、なんかこう……心揺さぶられるものがあった。ここまでしなければならなかったのか、という思いと、ここまでしてのけるだけの覚悟への敬意、そしてそれが成就したことで、犠牲が無駄にならなかった事への胸の詰まるような感慨。
ふー。今回はほんと、度々息を止めてしまうような迫真の展開が続きました。なにしろ、初っ端から一手打ち間違えるだけで破滅、という綱渡りの状況でしたし、幾度か取り返しの付かない事に実際なりかけてましたしね。各人の獅子奮迅の活躍がなければ、どうなっていたことか。
これまでのモンスターと違って、今度のゼノはシャーロッテや梨花の手を掻い潜り、思考の死角を突いてくるような狡知の徒でもあるので、読んでても一時も油断できない展開が続きましたし。ふとした瞬間から、いきなり大ピンチに陥ってたりと、気を抜く暇がなかったからなあ。
ともかく、この流れはどうやら最後まで行かないと終わらないようで、次の巻まで緊迫しっぱなしだ。
個人的には、ソーニャ姫さまの力説する漫画脳的展開は大いにありなんだがなあw

さて、瀬尾つかさオールスター、とも言われる本作。私が読んでいない作品のヒロインも今回がっつりと登場していたようで、このヒロインも既に人妻か!!
それどころか、あれですよ。イリーナさん、ご懐妊おめでとうございます♪ 挿絵付き、とはどんなご褒美だ(笑

一巻 二巻 三巻 四巻感想
 
9月20日
キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦 7
 細音 啓(富士見ファンタジア文庫)

Amazon Kindle B☆W

ファイフステル・サーガ 4.再臨の魔王と女神の巫女
 師走トオル(富士見ファンタジア文庫)

Amazon Kindle B☆W

氷川先生はオタ彼がほしい。 1時間目
 篠宮 夕(富士見ファンタジア文庫)

Amazon Kindle B☆W

監獄勇者のやり直し 貶められた最強の英雄は500年後の世界を自由に生きる
 瀬尾つかさ(富士見ファンタジア文庫)

Amazon Kindle B☆W

新米錬金術師の店舗経営 01.お店を手に入れた!
 いつきみずほ(富士見ファンタジア文庫)

Amazon Kindle B☆W

俺が好きなのは妹だけど妹じゃない 9
 恵比須清司(富士見ファンタジア文庫)

Amazon Kindle B☆W

異世界忍者無双 〜俺の異世界転生特典がどう見ても万能忍者スキルだったので超絶に忍びます〜
 甘味亭太丸(富士見ファンタジア文庫)

Amazon Kindle B☆W

コール・オブ・メディック 2.黒腕の衛生兵、戦場の万死を払う
 柳実冬貴(富士見ファンタジア文庫)

Amazon Kindle B☆W

甘えてくる年上教官に養ってもらうのはやり過ぎですか? 2
 神里 大和(富士見ファンタジア文庫)

Amazon Kindle B☆W

神々に育てられしもの、最強となる
 羽田遼亮(富士見ファンタジア文庫)

Amazon Kindle B☆W

ちょっぴりえっちな三姉妹でも、お嫁さんにしてくれますか? 2
 浅岡 旭(富士見ファンタジア文庫)

Amazon Kindle B☆W

通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか? 9
 井中だちま(富士見ファンタジア文庫)

Amazon Kindle B☆W

ソード・ワールド2.5リプレイトライ 継承される物語
 北沢慶(ドラゴンブック)

Amazon Kindle B☆W

【偽・聖剣伝説 〜幼なじみの聖女を売ったら道連れにされた〜】
 溝上良(アークライトノベルス)

Amazon

【紫電改のマキ 14】
 野上武志(チャンピオンREDコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【豚公爵に転生したから、今度は君に好きと言いたい 3】
 fujy/合田拍子(MFコミックス アライブシリーズ)

Amazon Kindle B☆W

【エロの秘密結社 ドシコルド 2】
 長谷川シグリオ(MFC)

Amazon Kindle B☆W

【戦闘員、派遣します! 3】
 鬼麻 正明/暁 なつめ(MFコミックス アライブシリーズ)

Amazon Kindle B☆W

【続・この素晴らしい世界に爆焔を! 3】
 森野カスミ/暁なつめ(MFコミックス アライブシリーズ)

Amazon Kindle B☆W

【黒焔の戦乙女 02】
 梶沖 たくま(MFコミックス アライブシリーズ)

Amazon Kindle B☆W

【鬼灯の冷徹 29】
 江口夏実(モーニングKC)

Amazon Kindle B☆W

【ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜 9】
 泰三子(モーニングKC)

Amazon Kindle B☆W

【コウノドリ 28】
 鈴ノ木ユウ(モーニングKC)

Amazon Kindle B☆W

【サイクリーマン 1】
 原田尚(モーニングKC)

Amazon Kindle B☆W

9月19日
【かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 16】
 赤坂アカ(ヤングジャンプコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【ゴールデンカムイ 19】
 野田サトル(ヤングジャンプコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【貧民、聖櫃、大富豪 5】
 高橋慶太郎(サンデーGXコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【辺境の老騎士 バルド・ローエン 5】
 菊石森生/支援BIS(ヤンマガKCスペシャル)

Amazon Kindle B☆W

【魔女と野獣 5】
 佐竹幸典(ヤンマガKCスペシャル)

Amazon Kindle B☆W

9月18日
【妹さえいればいい。13】
 平坂読(ガガガ文庫)

Amazon Kindle B☆W

【俺、ツインテールになります。18】
 水沢 夢(ガガガ文庫)

Amazon Kindle B☆W

【プロペラオペラ】
 犬村小六(ガガガ文庫)

Amazon Kindle B☆W

【物理的に孤立している俺の高校生活 7】
 森田季節(ガガガ文庫)

Amazon Kindle B☆W

【クラスメイトが使い魔になりまして 2】
 鶴城 東(ガガガ文庫)

Amazon Kindle B☆W

【SSSS.GRIDMAN NOVELIZATIONS Vol.1 〜もう一人の神〜】
 水沢夢(ガガガブックス)

Amazon Kindle B☆W

【紅蓮館の殺人】
 阿津川辰海(講談社タイガ)

Amazon Kindle B☆W

【三日月邸花図鑑 花の城のアリス】
 白川紺子(講談社タイガ)

Amazon Kindle B☆W

【昨夜は殺れたかも】
 藤石波矢/辻堂ゆめ(講談社タイガ)

Amazon Kindle B☆W

【カナダ金貨の謎】
 有栖川有栖(講談社ノベルス)

Amazon Kindle B☆W

【双亡亭壊すべし 14】
 藤田和日郎(少年サンデーコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【MAO 1】
 高橋 留美子(少年サンデーコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【魔王城でおやすみ 12】
 熊之股鍵次(少年サンデーコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【保安官エヴァンスの嘘: ~DEAD OR LOVE~9】
 栗山 ミヅキ(少年サンデーコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【ゆこさえ戦えば 1】
 福井セイ(少年サンデーコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【探偵ゼノと7つの殺人密室 8】
 杉山鉄兵/七月鏡一(少年サンデーコミックス)

Amazon Kindle B☆W

9月17日
Unnamed Memory III 永遠を誓いし果て
 古宮 九時(電撃の新文芸)

Amazon Kindle B☆W

異修羅 I 新魔王戦争
 珪素(電撃の新文芸)

Amazon Kindle B☆W

EDGEシリーズ 神々のいない星で 僕と先輩の惑星クラフト(下)
 川上稔(電撃の新文芸)

Amazon Kindle B☆W

【コールミー・バイ・ノーネーム】
 斜線堂 有紀(星海社FICTIONS)

Amazon

【プニプニとサラサラ 3】
 塩野 干支郎次(YKコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【五等分の花嫁 11】
 春場 ねぎ(講談社コミックス)

Amazon Kindle B☆W

【炎炎ノ消防隊 19】
 大久保 篤(講談社コミックス)

Amazon Kindle B☆W

【キノの旅 the Beautiful World 6】
 シオミヤイルカ/時雨沢恵一(マガジンエッジKC)

Amazon Kindle B☆W

9月14日
【ダンジョン飯 8】
 九井 諒子(ハルタコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【ヒナまつり 17】
 大武 政夫(ハルタコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【欅姉妹の四季 3】
 大槻一翔(ハルタコミックス)

Amazon Kindle B☆W

浅草鬼嫁日記 七 あやかし夫婦は御伽噺とともに眠れ。
 友麻碧(富士見L文庫)

Amazon Kindle B☆W

あやかし万来、おむすび処はじめました。 押しかけ仮旦那と恋患いの狐
 蒼井 紬希(富士見L文庫)

Amazon Kindle B☆W

神華後宮厨師伝 偽りの天は花梨で邂逅す
 真楠ヨウ(富士見L文庫)

Amazon Kindle B☆W

織ノ王国物語 七番目の王子と忠誠の剣士
 あさぎ 千夜春 (富士見L文庫)

Amazon Kindle B☆W

仮そめ夫婦の猫さま喫茶店 なれそめは小倉トーストを添えて
 岐川 新(富士見L文庫)

Amazon Kindle B☆W

ここは書物平坂 黄泉の花咲く本屋さん
 新井輝(富士見L文庫)

Amazon Kindle B☆W

華仙公主夜話 三 その麗人、後宮の禍を祓う
 喜咲冬子(富士見L文庫)

Amazon Kindle B☆W

【反逆のソウルイーター ~弱者は不要といわれて剣聖(父)に追放されました~ 1】
 玉兎(アース・スター ノベル)

Amazon Kindle B☆W

【領民0人スタートの辺境領主様 3】
 風楼(アース・スター ノベル)

Amazon Kindle B☆W

【元英雄は平民として暮らしたい~勇者パーティを理不尽に追い出された俺。これを機に田舎で暮らし始めたけど、周りが俺をほっといてくれない 1】
 茨木野 (アース・スター ノベル)

Amazon Kindle B☆W

【即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。 7】
 藤孝剛志(アース・スター ノベル)

Amazon Kindle B☆W

【二度転生した少年はSランク冒険者として平穏に過ごす~前世が賢者で英雄だったボクは来世では地味に生きる~ 3】
 十一屋 翠(アース・スター ノベル)

Amazon Kindle B☆W

【優しさしか取り柄がない僕だけど、幻の超レアモンスターを助けたら懐かれちゃったみたい】
 ねこ鍋 (アース・スター ノベル)

Amazon Kindle B☆W

【魔剣使いの元少年兵は、元敵幹部のお姉さんと一緒に生きたい】
 支倉文度(モーニングスターブックス)

Amazon Kindle B☆W

【異世界でも無難に行きたい症候群 3】
 安泰(サーガフォレスト)

Amazon Kindle B☆W

9月13日
処刑少女の生きる道 2.ホワイト・アウト
 佐藤真登(GA文庫)

Amazon Kindle B☆W

ゴブリンスレイヤー 11
 蝸牛くも(GA文庫)

Amazon Kindle B☆W

やせいのえいゆう が あらわれた! たたかう にげる ▼デレる!?
 雪川 轍(GA文庫)

Amazon Kindle B☆W

家に帰るとカノジョが必ずナニかしています 2
 柚本悠斗(GA文庫)

Amazon Kindle B☆W

可愛い女の子に攻略されるのは好きですか?5
 天乃聖樹(GA文庫)

Amazon Kindle B☆W

29とJK 7.~さらば、憧憬~
 裕時悠示(GA文庫)

Amazon Kindle B☆W

スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました スピンオフ ヒラ役人やって1500年、魔王の力で大臣にされちゃいました
 森田季節(GAノベル)

Amazon Kindle B☆W

異世界国家アルキマイラ2 ―最弱の王と無双の軍勢―
 蒼乃暁(GAノベル)

Amazon Kindle B☆W

貴族転生 ~恵まれた生まれから最強の力を得る~
 三木なずな(GAノベル)

Amazon Kindle B☆W

異世界転生で賢者になって冒険者生活2 ~【魔法改良】で異世界最強~
 進行諸島(GAノベル)

Amazon Kindle B☆W

失格紋の最強賢者10 〜世界最強の賢者が更に強くなるために転生しました〜
 進行諸島(GAノベル)

Amazon Kindle B☆W

【生活魔術師達、世界樹に挑む】
 丘野 境界(宝島社)

Amazon Kindle B☆W

【転生したら宿屋の息子でした 田舎街でのんびりスローライフをおくろう】
 錬金王(宝島社)

Amazon

9月12日
【舞妓さんちのまかないさん 11】
 小山愛子(少年サンデーコミックス〔スペシャル〕)

Amazon Kindle B☆W

【お酒は夫婦になってから 12】
 クリスタルな洋介(ビッグ コミックス〔スペシャル〕)

Amazon Kindle B☆W

【死神坊ちゃんと黒メイド 7】
 井上小春(サンデーうぇぶりSSC)

Amazon Kindle B☆W

【戦×恋(ヴァルラヴ) 8】
 朝倉 亮介(ガンガンコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【進め!ギガグリーン 4】
 藤木 俊(ビッグ コミックス)

Amazon Kindle B☆W

【英雄教室 7】
 新木伸/岸田こあら(ガンガンコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【花咲く日本橋おんみょうじ おばけ嫌いですが謎を解きます】
 四葉夕ト (双葉文庫)

Amazon

【太秦荘ダイアリー 3】
 望月麻衣 (双葉文庫)

Amazon

【イケメン貧乏神と同居はじめました!】
 花井有人(双葉文庫)

Amazon

9月10日
【魔法使いの嫁 12】
 ヤマザキコレ(ブレイドコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【初回限定版 魔法使いの嫁 12 小冊子付】
 ヤマザキコレ(BLADE COMIC SP)

Amazon

【魔法使いの嫁 詩篇.108 魔術師の青 1】
 ツクモイスオ/三田誠(ブレイドコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【魔法使いの嫁 詩篇.75 稲妻ジャックと妖精事件 1】
 オイカワマコ/五代ゆう(ブレイドコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【スケッチブック 14】
 小箱とたん(ブレイドコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【86ーエイティシックスー 2】
 安里 アサト/吉原 基貴(ヤングガンガンコミックス)

Amazon Kindle B☆W

アポカリプス・ウィッチ 飽食時代の【最強】たちへ
 鎌池和馬(電撃文庫)

Amazon B☆W

解術師アーベントの禁術講義
 川石折夫(電撃文庫)

Amazon Kindle B☆W

シャドウ・サーガ機 歔定の剣と呪いの黒剣−
 西村 西(電撃文庫)

Amazon Kindle B☆W

妖姫ノ夜 月下ニ契リテ、幽世ヲ駆ケル
 渡瀬草一郎(電撃文庫)

Amazon Kindle B☆W

彼女が俺を暗殺しようとしている
 大平しおり(電撃文庫)

Amazon Kindle B☆W

海のカナリア
 入間人間(電撃文庫)

Amazon Kindle B☆W

魔法科高校の劣等生 30.奪還編
 佐島 勤(電撃文庫)

Amazon Kindle B☆W

86‐エイティシックス‐Ep.7 ‐ミスト‐
 安里アサト(電撃文庫)

Amazon Kindle B☆W

ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? Lv.20
 聴猫芝居(電撃文庫)

Amazon Kindle B☆W

スイレン・グラフティ 2.もすこしつづく、ナイショの同居
 世津路 章(電撃文庫)

Amazon Kindle B☆W

悪役令嬢になんかなりません。私は『普通』の公爵令嬢です!
 明。(カドカワBOOKS)

Amazon Kindle B☆W

最速無双のB級魔法使い 一発撃たれる前に千発撃ち返す!
 CK(カドカワBOOKS)

Amazon Kindle B☆W

聖女じゃなかったので、王宮でのんびりご飯を作ることにしました
 神山 りお(カドカワBOOKS)

Amazon Kindle B☆W

【修復】スキルが万能チート化したので、武器屋でも開こうかと思います 2】
 星川 銀河(カドカワBOOKS)

Amazon Kindle B☆W

魔王になったので、ダンジョン造って人外娘とほのぼのする 6
 流優(カドカワBOOKS)

Amazon Kindle B☆W

行き倒れもできないこんな異世界じゃ 2.迷子の迷子の子竜ちゃん編
 夏野 夜子(カドカワBOOKS)

Amazon Kindle B☆W

はぐれ精霊医の診察記録 〜聖女騎士団と癒やしの神業〜 2
 とーわ(カドカワBOOKS)

Amazon Kindle B☆W

本好きの下剋上 〜司書になるためには手段を選んでいられません〜 第四部 「貴族院の自称図書委員 VIII」
 香月美夜(TOブックス)

Amazon Kindle B☆W

忌み子と呼ばれた召喚士 2
 緑黄色野菜(TOブックス)

Amazon Kindle B☆W

黒髪の王 〜魔法の使えない魔剣士の成り上がり〜
 やま(TOブックス)

Amazon Kindle B☆W

秘密の仕立て屋さん 2 恋と決意とオネエの微笑
 江葉(TOブックス)

Amazon Kindle B☆W

出来損ないと呼ばれた元英雄は、実家から追放されたので好き勝手に生きることにした4
 紅月シン(TOブックス)

Amazon Kindle B☆W

【復讐を希う最強勇者は、闇の力で殲滅無双する 2】
 斧名田マニマニ(JUMP j BOOKS)

Amazon B☆W

【娘を婚約破棄された最強軍人、国を見限り辺境へ】
 謙虚なサークル (ツギクルブックス)

Amazon

【身体は児童、中身はおっさんの成り上がり冒険記 2】
 力水(ツギクルブックス)

Amazon

9月9日
【勇者と紋章のラグナロク 2】
 渡辺 つよし(ドラゴンコミックスエイジ)

Amazon Kindle B☆W

【マケン姫っ! ‐MAKEN‐KI!‐ 23】
 武田弘光(ドラゴンコミックスエイジ)

Amazon Kindle B☆W

【放課後の拷問少女 7】
 BOKU(講談社コミックス)

Amazon Kindle B☆W

【100万の命の上に俺は立っている 8】
 奈央 晃徳/山川 直輝(講談社コミックス)

Amazon Kindle B☆W

【世界か彼女か選べない 6】
 内山敦司(講談社コミックス)

Amazon Kindle B☆W

【可愛いだけじゃない式守さん 2】
 真木 蛍五(KCデラックス)

Amazon Kindle B☆W

【我間乱―修羅― 8】
 中丸洋介(KCデラックス)

Amazon Kindle B☆W

9月7日
JK無双 2 終わる世界の救い方
 津田夕也(レジェンドノベルス)

Amazon Kindle B☆W

魔界本紀 1.下剋上のゴーラン
 茂木鈴(レジェンドノベルス)

Amazon Kindle B☆W

俺はダンジョンマスター、真の迷宮探索というものを教えてやろう2
 北乃ゆうひ(レジェンドノベルス)

Amazon Kindle B☆W

9月6日
【なんでここに先生が!? 8】
 蘇募ロウ(ヤンマガKCスペシャル)

Amazon Kindle B☆W

【ソウナンですか?5】
 さがら梨々/岡本健太郎(ヤンマガKCスペシャル)

Amazon Kindle B☆W

【鬼の又鬼のアモ 2】
 多田乃伸明(ヤンマガKCスペシャル)

Amazon Kindle B☆W

【手品先輩 6】
 アズ(ヤンマガKCスペシャル)

Amazon Kindle B☆W

【怪獣のトカゲ 1】
 山本崇一朗/福地カミオ(少年チャンピオン・コミックス・エクストラ)

Amazon Kindle B☆W

9月5日
【サバゲにGO! はじめてのサバイバルゲーム】
 アサウラ (LINE文庫エッジ)

Amazon Kindle B☆W

【エクストラ・フォーリン・エールワイフ―異世界の奥さんは日本のビールを学びたい―】
 阿羅本景(LINE文庫エッジ)

Amazon Kindle B☆W

【勇者の君ともう一度ここから。】
 みかみてれん(LINE文庫エッジ)

Amazon Kindle B☆W

【CHiLD ―境界からの降臨者―】
 箕崎准(LINE文庫エッジ)

Amazon Kindle B☆W

【翠竜のティリストリ】
 寺田とものり(LINE文庫エッジ)

Amazon Kindle B☆W

【取締役は神絵師】
 水沢あきと(LINE文庫)

Amazon Kindle B☆W

【居酒屋がーる】
 おかざき登(LINE文庫)

Amazon Kindle B☆W

【出雲の阿国は銀盤に舞う】
 つるみ犬丸 (LINE文庫)

Amazon Kindle B☆W

【レールアテンダントガール 車内販売にまいりました!】
 豊田巧(LINE文庫)

Amazon Kindle B☆W

【異世界洋菓子店フォックステイル ラベンダー香る、甘さを忘れた街唯一のパティスリー】
 月夜涙 (LINE文庫)

Amazon Kindle B☆W

ゴブリンの勇者 2
 神虎斉(ドラゴンノベルス)

Amazon Kindle B☆W

魔獣密猟取締官になったんだけど、保護した魔獣に喰われそうです。 2
 飛野 猶(ドラゴンノベルス)

Amazon Kindle B☆W

ファンタジーには馴染めない 〜アラフォー男、ハードモード異世界に転移したけど結局無双〜
 nov(ドラゴンノベルス)

Amazon Kindle B☆W

【最強の魔物になる道を辿る俺、異世界中でざまぁを執行する 2】
 大小判(BKブックス)

Amazon Kindle

【美味しいダンジョン生活】
 神谷透子(BKブックス)

Amazon Kindle

【悪役令嬢の追放後! 教会改革ごはんで悠々シスター暮らし 2】
 柚原テイル(KADOKAWA)

Amazon Kindle B☆W

【キリングバイツ 14】
 村田真哉/隅田かずあさ(ヒーローズコミックス)

Amazon Kindle

【東島丹三郎は仮面ライダーになりたい 3】
 柴田ヨクサル(ヒーローズコミックス)

Amazon Kindle

9月4日
【異世界居酒屋「のぶ」9】
 蝉川 夏哉/ヴァージニア二等兵(角川コミックス・エース)

Amazon Kindle B☆W

【ダーリン・イン・ザ・フランキス 6】
 矢吹 健太朗(ジャンプコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【ぼくたちは勉強ができない 13】
 筒井大志(ジャンプコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【終わりのセラフ 19】
 山本 ヤマト/降矢 大輔(ジャンプコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【Dr.STONE 12】
 Boichi/稲垣 理一郎(ジャンプコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【早乙女姉妹は漫画のためなら!? 5】
 山本 亮平 (ジャンプコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【アクタージュ act-age 8】
 宇佐崎しろ/マツキ タツヤ(ジャンプコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【神緒ゆいは髪を結い 2】
椎橋 寛(ジャンプコミックス)

Amazon Kindle B☆W

9月1日
【ノブリス・オブリージュ 〜引きこもり令嬢が何故聖女と呼ばれたか 2】
 剥製ありす (MAGNET MACROLINK)

Amazon Kindle B☆W

9月1日
ミリオン・クラウン 5
 竜ノ湖太郎(角川スニーカー文庫)

Amazon Kindle B☆W

ヒマワリ:unUtopial World 8
 林トモアキ(角川スニーカー文庫)

Amazon Kindle B☆W

いつか仮面を脱ぐ為に ~嗤う鬼神と夢見る奴隷~
 榊一郎(角川スニーカー文庫)

Amazon Kindle B☆W

戦闘員、派遣します! 4
 暁 なつめ(角川スニーカー文庫)

Amazon Kindle B☆W

真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました 5
 ざっぽん(角川スニーカー文庫)

Amazon Kindle B☆W

魔王学園の反逆者 ~人類初の魔王候補、眷属少女と王座を目指して成り上がる~
 久慈 マサムネ(角川スニーカー文庫)

Amazon Kindle B☆W

魔装学園H×H 14
 久慈 マサムネ(角川スニーカー文庫)

Amazon Kindle B☆W

最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い 無能を演じるSSランク皇子は皇位継承戦を影から支配する
 タンバ(角川スニーカー文庫)

Amazon Kindle B☆W

ワンワン物語 6 ~金持ちの犬にしてとは言ったが、フェンリルにしろとは言ってねえ!~
 犬魔人(角川スニーカー文庫)

Amazon Kindle B☆W

妹がブラコンであることを兄だけは知っている。2
 ミヤ(角川スニーカー文庫)

Amazon Kindle B☆W

悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました 6
 永瀬 さらさ(角川ビーンズ文庫)

Amazon Kindle B☆W

竜宮輝夜記 天よ望めよ、恋の久遠
 糸森 環(角川ビーンズ文庫)

Amazon Kindle B☆W

8月31日
魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい? 9
 手島史詞(HJ文庫)

Amazon Kindle B☆W

常敗将軍、また敗れる 3
 北条新九郎(HJ文庫)

Amazon Kindle B☆W

クロの戦記 異世界転移した僕が最強なのはベッドの上だけのようです
 サイトウアユム(HJ文庫)

Amazon Kindle B☆W

魔術破りのリベンジ・マギア 7.再臨の魔人と逆襲術士
 子子子子 子子子(HJ文庫)

Amazon Kindle B☆W

成り上がり魔王のお忍び天下統一計画
 若桜拓海(HJ文庫)

Amazon Kindle B☆W

8月30日
夢に現れる君は、理想と幻想とぼくの過去
 園生 凪(講談社ラノベ文庫)

Amazon Kindle B☆W

世界は愛を救わない
 海老名龍人(講談社ラノベ文庫)

Amazon Kindle B☆W

異世界誕生 2006
 伊藤ヒロ(講談社ラノベ文庫)

Amazon Kindle B☆W

老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます 5
 FUNA(Kラノベブックス)

Amazon Kindle B☆W

暗黒騎士様といっしょ! 3.嘘つきは恋泥棒の始まり
 笹木さくま(ファミ通文庫)

Amazon B☆W

学園一の不良娘がオレにゲームを作って欲しがっている
 雪月花(ファミ通文庫)

Amazon B☆W

航宙軍士官、冒険者になる 3
 伊藤暖彦(エンターブレイン)

Amazon B☆W

三大陸英雄記 2
 桜木桜(エンターブレイン)

Amazon B☆W

双子の姉が神子として引き取られて、私は捨てられたけど多分私が神子である。2
 池中 織奈(エンターブレイン)

Amazon B☆W

【失格から始める成り上がり魔導師道! ~呪文開発ときどき戦記~ 1】
 樋辻臥命 (GCノベルズ)

Amazon Kindle B☆W

【ガチャを回して仲間を増やす 最強の美少女軍団を作り上げろ 7】
 ちんくるり(GCノベルズ)

Amazon Kindle B☆W

【嘆きの亡霊は引退したい~最弱ハンターによる最強パーティ育成術~ 3】
 槻影(GCノベルズ)

Amazon Kindle B☆W

【乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です 4】
 三嶋与夢(GCノベルズ)

Amazon Kindle B☆W

【くま クマ 熊 ベアー 13】
 くまなの(PASH!ブックス)

Amazon Kindle B☆W

【地味な剣聖はそれでも最強です 4】
 明石 六郎(PASH!ブックス)

Amazon Kindle target="_blank" >B☆W

【異世界転生…されてねぇ! 2】
 タンサン(PASH!ブックス)

Amazon Kindle B☆W

【僕がSSSランクの冒険者なのは養成学校では秘密です 2】
 厨二の冒険者(PASH!ブックス)

Amazon Kindle B☆W

【なんでも吸い込む! ブラックホール!! (´・ω・`)ノ●~~~~ (゜ロ゜;ノ)ノ あらゆる敵を「しゅおんっ」と吸い込んで無双する!!! 1】
 六志麻あさ (モンスター文庫)

Amazon Kindle B☆W

【ぼっち転生記 7】
 ファースト(モンスター文庫)

Amazon Kindle B☆W

【社畜勇者、仕事辞めるってよ 3】
 岸本和葉(モンスター文庫)

Amazon Kindle B☆W

【機動戦士ガンダム サンダーボルト 14】
 太田垣 康男 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)

Amazon Kindle B☆W

【かくりよの宿飯 あやかしお宿に嫁入りします。6】
 衣丘 わこ/友麻碧(B's-LOG COMICS)

Amazon Kindle B☆W

8月29日
第六皇女殿下は黒騎士様の花嫁様 3
翠川 稜(ヒーロー文庫)

Amazon Kindle B☆W

鑑定能力で調合師になります 10
空野 進(ヒーロー文庫)

Amazon Kindle B☆W

クール・エール 2
砂押 司(ヒーロー文庫)

Amazon

たのしい傭兵団
上宮 将徳(ヒーロー文庫)

Amazon Kindle B☆W

転生勇者の気まま旅 1
九頭 七尾(ヒーロー文庫)

Amazon Kindle B☆W

サトコのパン屋、異世界へ行く 2
塚本 悠真(ヒーロー文庫)

Amazon

最弱の弟子
高崎 三吉(ヒーロー文庫)

Amazon Kindle B☆W

燦然のソウルスピナ 2
蕗字 歩(ヒーロー文庫)

Amazon

【グランクレスト戦記 7】
 四葉真/水野良(ヤングアニマルコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【ゆるゆり 17】
 なもり (百合姫コミックス)

Amazon Kindle B☆W

8月28日
【魔王様、リトライ! 4】
 神埼黒音(Mノベルス)

Amazon Kindle B☆W

【不遇職テイマーの成り上がり 〜スキル【吸収】でモンスターの能力を手に入れ、最強になる〜 1】
 愛犬ロック(Mノベルス)

Amazon Kindle B☆W

【レベル1の最強賢者 〜呪いで最下級魔法しか使えないけど、神の勘違いで無限の魔力を手に入れ最強に〜】
 木塚麻弥(ブレイブ文庫)

Amazon Kindle B☆W

8月27日
【Fate/Grand Order ―Epic of Remnant― 亜種特異点検ゞ愆降臨庭園セイレム 異端なるセイレム 1】
 大森葵(REXコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい!?3】
 板垣ハコ/手島史詞(HJコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【桐谷さん ちょっそれ食うんすか!?7】
 ぽんとごたんだ(アクションコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【達人伝〜9万里を風に乗り〜 24】
 王欣太(アクションコミックス)

Amazon Kindle B☆W

8月26日
【Fate/Grand Order コミックアンソロジー THE NEXT7】
 アンソロジー(DNAメディアコミックス)

Amazon Kindle B☆W

【フェイト/エクストラ CCC FoxTail 8】
 たけのこ星人(カドカワコミックスA)

Amazon Kindle B☆W

【真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました 2】
 池野雅博/ざっぽん(カドカワコミックスA)

Amazon Kindle B☆W

【ロクでなし魔術講師と禁忌教典 11】
 常深アオサ/羊太郎(カドカワコミックスA)

Amazon Kindle B☆W

【すべての人類を破壊する。それらは再生できない。2】
 横田卓馬/伊瀬勝良(カドカワコミックスA)

Amazon Kindle B☆W

【魔法使いの印刷所 3】
 もちんち/深山靖宙(電撃コミックスNEXT)

Amazon Kindle B☆W

【ガヴリールドロップアウト 8】
 うかみ(電撃コミックスNEXT)

Amazon Kindle B☆W

【罠ガール 4】
 緑山のぶひろ(電撃コミックスNEXT)

Amazon Kindle B☆W

8月25日
世界の闇と戦う秘密結社が無いから作った(半ギレ)2
 黒留ハガネ(オーバーラップ文庫)

Amazon Kindle B☆W

デッド・オア・リライブ 〜天才科学者がやり直す人生は成功しますか?〜 1
 黒田達也(オーバーラップ文庫)

Amazon Kindle B☆W

絶対に働きたくないダンジョンマスターが惰眠をむさぼるまで 11】
 鬼影スパナ(オーバーラップ文庫)

Amazon Kindle B☆W

黒の召喚士 10.女帝の帰還
 迷井豆腐(オーバーラップ文庫)

Amazon Kindle B☆W

本能寺から始める信長との天下統一 1
 常陸之介寛浩(オーバーラップ文庫)

Amazon Kindle B☆W

女だから、とパーティを追放されたので伝説の魔女と最強タッグを組みました 2
 蛙田あめこ(オーバーラップノベルス)

Amazon Kindle B☆W

8月24日
白魔法クラスの大忍術師
 藤木わしろ(MF文庫J)

Amazon Kindle B☆W

なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか? 7.禍の使徒
 細音啓(MF文庫J)

Amazon Kindle B☆W

わたしの知らない、先輩の100コのこと 1
 兎谷あおい(MF文庫J)

Amazon Kindle B☆W

理想の娘なら世界最強でも可愛がってくれますか? 3
 三河ごーすと(MF文庫J)

Amazon Kindle B☆W

ラブコメの神様なのに俺のラブコメを邪魔するの? 3.えっちな子でもいいの?
 三月みどり(MF文庫J)

Amazon Kindle B☆W

ぼくたちのリメイク Ver.β
 木緒なち(MF文庫J)

Amazon Kindle B☆W

自称Fランクのお兄さまがゲームで評価される学園の頂点に君臨するそうですよ? 7
 三河ごーすと(MF文庫J)

Amazon Kindle B☆W

西野 〜学内カースト最下位にして異能世界最強の少年〜 6
 ぶんころり(MF文庫J)

Amazon Kindle B☆W

ライアー・ライアー  2.嘘つき転校生は小悪魔先輩に狙われています。
 久追遥希(MF文庫J)

Amazon Kindle B☆W

二度目の勇者は復讐の道を嗤い歩む 7 ~浅ましき正解者~
 木塚ネロ(MFブックス)

Amazon Kindle B☆W

異世界で手に入れた生産スキルは最強だったようです。 〜創造&器用のWチートで無双する〜1
 遠野九重(MFブックス)

Amazon Kindle B☆W

初めての旅は異世界で 1
 叶ルル(MFブックス)

Amazon Kindle B☆W

転生没落王子は『銭使い』スキルで成り上がる 〜魔法もスキルも金次第っ!?〜 2
 時野洋輔(MFブックス)

Amazon Kindle B☆W

アラフォー賢者の異世界生活日記 10
 寿安清(MFブックス)

Amazon Kindle B☆W

帰って来た最強勇者は、末永く幸せに暮らしました ヽ(・∀・)ノ 〜異世界で得た力と金にモノを言わせて、都会的スローライフを送りたい〜
 ハヤケン(HJノベルス)

Amazon Kindle B☆W

神達に拾われた男 7
 Roy(HJノベルス)

Amazon Kindle B☆W

アラフォーおっさんはスローライフの夢を見るか?
 サイトウアユム(HJノベルス)

Amazon Kindle B☆W

食い詰め傭兵の幻想奇譚 10
 まいん(HJノベルス)

Amazon Kindle B☆W

初恋ロスタイム ―First Time―
 仁科裕貴(メディアワークス文庫)

Amazon Kindle B☆W

初恋ロスタイム ―Advanced Time―
 仁科裕貴(メディアワークス文庫)

Amazon Kindle B☆W

いざ、しゃべります。
 並木飛暁(メディアワークス文庫)

Amazon Kindle B☆W

かりゆしの島のお迎えごはん 神様のおもてなし、いかがですか?
 早見慎司(メディアワークス文庫)

Amazon B☆W

迷える羊の森 フィトセラピスト花宮の不思議なカルテ
 有間カオル(メディアワークス文庫)

Amazon Kindle B☆W

【ディメンションW 16】
 岩原裕二(ヤングガンガンコミックススーパー)

Amazon Kindle B☆W

8月23日
本屋の店員がダンジョンになんて入るもんじゃない
 しめさば(ダッシュエックス文庫)

Amazon Kindle B☆W

若者の黒魔法離れが深刻ですが、就職してみたら待遇いいし、社長も使い魔もかわいくて最高です! 6
 森田季節(ダッシュエックス文庫)

Amazon

【アズールレーン Episode of Belfast 3rd】
 助供珠樹(ダッシュエックス文庫)

Amazon Kindle B☆W

はてな☆イリュージョンR
 原案:松智洋(ダッシュエックス文庫)

Amazon

劣等眼の転生魔術師 4〜虐げられた元勇者は未来の世界を余裕で生き抜く〜
 柑橘ゆすら(ダッシュエックス文庫)

Amazon Kindle B☆W

ロード・エルメロイII世の事件簿 5 「case.魔眼蒐集列車(下)」
 三田誠(角川文庫)

Amazon

丸の内で就職したら、幽霊物件担当でした。5
 竹村優希(角川文庫)

Amazon Kindle B☆W

【新約・異世界に転生したら全裸にされた 1】
 狐谷まどか(マックガーデンノベルズ)

Amazon Kindle B☆W

【新約・異世界に転生したら全裸にされた 2】
 狐谷まどか(マックガーデンノベルズ)

Amazon Kindle B☆W

【とあるおっさんのVRMMO活動記 19】
 椎名ほわほわ(アルファポリス)

Amazon Kindle B☆W

【欠陥品の文殊使いは最強の希少職でした。2】
登龍乃月(アルファポリス)

Amazon Kindle B☆W

【初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる! 2】
 霜月雹花(アルファポリス)

Amazon Kindle B☆W

【一度目は勇者、二度目は魔王だった俺の、三度目の異世界転生 2】
 塩分不足(アルファポリス)

Amazon Kindle B☆W

【お人好し職人のぶらり異世界旅 5】
 電電世界(アルファポリス)

Amazon Kindle B☆W

【巻き込まれ召喚!? そして私は『神』でした?? 4】
まはぷる(アルファポリス)

Amazon Kindle B☆W

【一般人な僕は、冒険者な親友について行く】
ひまり(アルファポリス)

Amazon Kindle B☆W

【異世界でいきなり経験値2億ポイント手に入れました 3】
 雪華慧太(アルファポリス)

Amazon Kindle B☆W

【ガールズ&パンツァー リボンの武者 12】
 野上武志/鈴木貴昭(MFコミックスフラッパーシリーズ)

Amazon Kindle B☆W

【のんのんびより 14】
 あっと(MFコミックスアライブシリーズ)

Amazon Kindle B☆W

【ディーふらぐ! 14】
 春野友矢(MFコミックスアライブシリーズ)

Amazon Kindle B☆W

【ガールズ&パンツァー プラウダ戦記 2】
 吉田創(MFC)

Amazon Kindle B☆W

【宇宙兄弟 36】
 小山宙哉(モーニングKC)

Amazon Kindle B☆W

8月21日
月とライカと吸血姫 5
 牧野 圭祐(ガガガ文庫)

Amazon Kindle B☆W

むしめづる姫宮さん
 手代木 正太郎(ガガガ文庫)

Amazon Kindle B☆W

ハル遠カラジ 3
 遍 柳一(ガガガ文庫)

Amazon Kindle B☆W

クズと天使の二周目生活 5
天津 向(ガガガ文庫)

Amazon Kindle B☆W

【うちの弟子がいつのまにか人類最強になっていて、なんの才能もない師匠の俺が、それを超える宇宙最強に誤認定されている件について】
 アキライズン(サーガフォレスト)

Amazon Kindle B☆W

【宮廷魔法師クビになったんで、田舎に帰って魔法科の先生になります1】
 世界るい (サーガフォレスト)

Amazon Kindle B☆W

8月20日
ロクでなし魔術講師と禁忌教典 15
 羊太郎(富士見ファンタジア文庫)

Amazon B☆W

妖精狙撃 エルフ・ウィズ・サイレントアサシン
 榊一郎(富士見ファンタジア文庫)

Amazon B☆W

ラストラウンド・アーサーズ 4.最弱の騎士と最も優れた騎士
 羊太郎(富士見ファンタジア文庫)

Amazon B☆W

ご落胤王子は異世界を楽しむと決めた! 3
 るう(富士見ファンタジア文庫)

Amazon B☆W

真ハイスクールD×D 3.修学旅行のサンシャワー
 石踏一榮(富士見ファンタジア文庫)

Amazon B☆W

撃ち抜かれた戦場は、そこで消えていろIII ―弾丸魔法とゴースト・プログラム―
 上川景(富士見ファンタジア文庫)

Amazon B☆W

豚公爵に転生したから、今度は君に好きと言いたい 8
 合田拍子(富士見ファンタジア文庫)

Amazon B☆W

異世界チートサバイバル飯 5 食べて、強くなって、また食べる
 赤石赫々(富士見ファンタジア文庫)

Amazon B☆W

異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する 3 〜レベルアップは人生を変えた
 美紅(富士見ファンタジア文庫)

Amazon B☆W

史上最強の大魔王、村人Aに転生する 5.教皇洗礼
 下等妙人(富士見ファンタジア文庫)

Amazon B☆W

星系出雲の兵站-遠征- 1
 林譲治 (ハヤカワ文庫JA)

Amazon Kindle

群青神殿
 小川一水 (ハヤカワ文庫JA)

Amazon

ハイウイング・ストロール
 小川一水 (ハヤカワ文庫JA)

Amazon

誰も死なないミステリーを君に 2
 井上 悠宇(ハヤカワ文庫JA)

Amazon Kindle

【百鬼一歌 菊と怨霊】
 瀬川 貴次(講談社タイガ)

Amazon Kindle B☆W

【ネタバレ厳禁症候群 〜So signs can't be missed!〜】
 柾木 政宗(講談社タイガ)

Amazon Kindle B☆W

【体育会系探偵部タイタン! レボリューションズ】
 清水 晴木(講談社タイガ)

Amazon Kindle B☆W

【ブラッド・ブレイン 3 闇探偵の旋律】
 小島正樹(講談社タイガ)

Amazon Kindle B☆W

【神さまの怨結び 8】
 守月史貴(チャンピオンREDコミックス)

Amazon Kindle B☆W



Categories
最新コメント

Archives
記事検索
タグ絞り込み検索