灰色の細胞も年を取る。



かつての名探偵も寄る年波には勝てず、今は引退の身。93歳になった彼の周りにはマイクロフトもワトソンもミセスハドソンもいない、寂しい身の上になっていた。ハチの世話をするシャーロックは家政婦とその息子とともに暮らしているが、かつての探偵の能力も物忘れとともになくしつつある。名前も出てこない、そんな彼は忘れてはならない目の前の人の名前を袖口に書いたりなんかしている。

あの、シャーロックホームズ。きっとどこにいっても「あの」シャーロックになってしまうからみっともないことはできない。普通に誰にでも訪れる老いに苦しむシャーロックの姿がとてもよく表されていた映画だった気がします。

この映画には三つの時間軸があり、それぞれに謎が残っています。ただしそれは昔のようなものすごい国家機密にかかわるようなものではありません。この老齢の探偵にはこれでもずいぶんな冒険だったような感じではありましたが。

私はとにかくシャーロックホームズの話だ、ということしか情報をいれず見に行ったので思わぬところでの日本の登場にちょっとびっくりでした。真田さんも出ているのでさらにびっくりです。日本の戦後はああいう風に案内に英語がいっぱいあったのでしょうか。私と同じくシャーロキアンであった祖父にこの映画見てほしかったな、そしてあの時代が本当にああだったのか教えてほしかった。正直私、一瞬広島の旧漢字が読めませんでした…。それにあのレストランの雰囲気、三つ編みのおっさんとかなんとなく日本より中国のイメージでした。こんなもんなのでしょうかね。山椒、痴呆にきくのかしら?ってか山椒って!あとで気づきました…。

少年のまっすぐな好奇心と博識な老人とのケミストリーがとても心地よく、もしも自分がこのような老人と幼いころ知り合えていたら、とまで思いました。シャーロックホームズは10歳くらいの私のヒーローでした(ちなみにアルセーヌ・ルパンのほうがちょっぴり好きだったので、シャーロックは二番目です)。なのでこの設定はイイですよね。おそらく作者も同じ気持ちだったのでは、と。だけどただでさえ気難しい人間の老後なのでそう簡単ではないわけで前半はかなりとっつきにくいじいさんです。かわいらしいロジャーの純粋さが老人の人生にけじめをつけさせたわけで、悲劇もありましたが(原作はどうやらもっと悲劇です)しっくりくる感じの終わり方だったように思えます。ジョン・ワトソンの心遣いを知ったシャーロック、ようやく人間くささっていうのを学べたような気もするし。

イアン・マッケランといえばやっぱりガンダルフですが、気難しいシャーロックもとてもあってた!93歳は実年齢より上なのでどうかなと思ってましたが、リアルに93歳な感じでした(まぁ足腰は強そうでしたが)うちのじいさんもあんな感じだったと思い出されるくらいにいい93歳だったかな。それでもやっぱり60代に戻るとしゃきっとして素敵でしたね。さすが。

日本の公開は来年のようですねー。なかなか分かち合えない!


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