機械か、人間か。



アラン・チューリングは知らなかったけれどチューリング・テストは知っていました。というのも最近見た『Ex Machina』でチューリング・テストの解説があったからです。それがなんとここから来ていて、この天才数学者がこういう運命をたどっていたとは全く想像しませんでした。

アスペルガー症候群。名前はよく聞きますがいまいち理解してなかったような気がするこの症状。なるほど、会話の裏を読んでくれなかったり、予定外のことがおこるとパニックになったりしてしまうのか。ランチのお誘いシーンがとてもわかりやすくそれを説明してくれていますね。普通なら、わかるのに、彼にはわからなかった。あんなに頭がいいのに。天才ってたまに融通が利かなかったりするから(それこそシャーロックホームズも御手洗潔もそうかもしれん)まぁ私の周りにいたら逆に気にもしないかもしれない…。あの人そういう人だから、みたいな。

それにしてもエニグマ(エニグマといえばジョジョなんですけど私の中で)あの暗号を解くには10人が24時間働いて2000万年!確かにそれはドン・キホーテの風車レベルです。それに立ち向かうという凄いプロジェクトなのに、そしてその暗号のせいでたくさんの人が死んでいっているというのに、本人はなんというかあんな感じ…。でも彼の凄さを思い知ったのは暗号解読の際の対応なのだ。

コラテラルダメージは苦渋の選択だろうが、それは絶対的に必要なものだ。特にこういう戦時下においては。たまたまメンバーの兄弟があの状況にあって、この決断は苦しいし、この弟は一生苦悩するはずだけど、戦争に勝つためには、それはそれで本当に必要なことだった。

だからこそラストの解説がきいてくる。2年の短縮はとても大きい。その二年でどれだけ人が死んでしまったかということを思えば、彼の判断は正しかったとしか言いようがない。勿論本人だって好きで出した判断でもないわけだし。

だからこそ、そんな彼の不器用さ、性癖が招いてしまった結果が悲しすぎる。今でこそなぜそんな不遇に扱われてしまったのだろう、と思うけれど、当時はそういう法律だったわけでそれが生み出した悲劇はきっともっと数知れないのだろう(これを見て古い映画『モーリス』を思い出して、ヒュー・グラント今何してるんだろう、と思った)

それを支えたジョーンも素晴らしい。正直彼女の方が凄い。普通なのに天才。まるで母親のようにアランを導いていくのもいい。「あれはありがとうって言ってるのよ」などとフォローまでしているし。リンゴの件は不器用な彼の精一杯の歩み寄りで、彼らもようやくそんな彼を受け入れてくれたんだと思う。今でこそこういう病気ってわかるけれどあの時はわからなかったんだろうからこの受け入れは本当にいい話。

『時として思いもよらない人が、思いもよらないことを成し遂げる』

いいですね。

もしかしたら私の前の職場で『今日は自分の車に銛(モリ、彼はマチェットって言ってた。特殊なやつだろう)を突き立てられたので仕事に行けません』って言ったジャックもいつか偉業を成し遂げるかもしれないなと思った次第です。

っていうかみんなもしかしたら何かを成し遂げるかもしれないんですよね、私を含めて!




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