福岡県八女地方には、職人による手仕事が、今もなお息づいています… このブログは、2009年9月から約2年半にわたってつづられた手仕事についてのブログです… 職人による技、うまれた作品のあたたかさ…いろんなこと、お伝えできれば…と思います…
矢部川2
桜が咲きはじめましたが矢部川は今、菜の花が見頃です。
つくしや菜の花を摘む人が、のんびり春を楽しんでいました。
豊かな恵みをもたらしてきた、矢部川の水。
仏壇・提灯・手すき和紙に和コマ、竹細工・矢に久留米絣。
この地域にこれだけの伝統工芸が栄え、その他にも沢山の手仕事が今でも残っているのは、豊かな自然・産業が矢部川によって生まれたからだと言っても過言ではありません。
矢部川傍のゲートボール場
そしてここは、八女手すき和紙の工房が集まる柳瀬地区の矢部川沿いの河川敷。
今はゲートボール場として整備され、お年寄りの憩いの場となっています。
実はこの場所、板画家の棟方志功が訪れた場所です。
八女の手すき和紙を愛用した棟方志功は、実際にこの地を訪れました。昭和49年に訪れた棟方志功1
写真は昭和49年にこの河川敷を訪れた棟方志功が、この河川敷で和紙の職人さんと共に食事をした時の様子。
棟方志功は、八女の手すき職人の実直な心意気に惚れたといいます。
決して派手ではないけど、こつこつと丁寧につくる八女職人の技。
矢部川の流れのように、この技術も続いて欲しいと思います。
さて3月も今日で終わり。
八女の手仕事ブログも今日で終了です。
今まで沢山の方に取材させていただき、ありがとうございました。
そしてブログを読んでいただいた皆様、コメントをお寄せいただいた方も、本当に今までありがとうございました。
まだまだ紹介しきれていない様々な手仕事が、八女には沢山あります。
八女は、ものづくりの心と技が息づく伝統のまち。
ぜひ、八女を訪れた際は八女伝統工芸館に起こし下さい。
工芸品の展示販売から、実際に職人がつくる様子が間近で見ることが出来ます。
見て、触れて、体験し、そして技を継承していく場所としてこれからも様々な催しを企画していきます。
知れば知るほど奥深い八女。
ぜひ訪れてみて下さい。
紙揃え
乾燥が終わったサブロク判サイズの和紙。
光に透かしたりしながら、傷が無いかゴミが付いていないか最終チェックしていきます。
耳の部分
和紙の端の部分。
この耳の部分は通常より、より繊維が多くはみ出ているので、この部分を綺麗にしていきます。
耳の部分を綺麗にする2
手で、和紙を破らないように大まかに耳の余分な部分を取り除いていきます。
長い繊維
むしり取った、繊維。
この繊維同士が絡んでいるから、和紙は強いんですね。
さて、一通りの作業を終えたらシワが寄らないように保存しておきます。
今回は、注文品だったのですべて出荷しましたが、これだけ大きいと同じ厚さに漉くのは大変だということでした。
若い和紙職人が、次回漉く時に参考になればいいですね。
中原さんお疲れ様でした。
今回漉いた紙は「チリ取り作業」で取り除いた、楮の表皮をまた原料に漉き込だ和紙。
ちなみに八女伝統工芸館の天井に使われている和紙にも、この楮の表皮が入っています。
今度、工芸館に立ち寄られた際はぜひ、天井も眺めてみて下さい。
シートを剥がす
サブロク判サイズの和紙の乾燥の様子。
シートごとシワを伸ばした後に、シートを剥がします。
良く見ると形が残っている
よく見ると、和紙の表面には剥がしたシートの形が残っているので、生乾きの時に表面を滑らかにしておく必要があります。
布にビニールを巻いたもの
これは布にビニールを巻いたもの。
これで表面を馴らして、乾燥させると綺麗な和紙に仕上がります。
しかし、あまり強くこすり過ぎると、毛ば立つためこすり過ぎないように馴らしていきます。
紙床から一枚ずつ剥がす
漉いた和紙(湿紙)は、紙床(しと)に積み重ねます。
通常の工程と同じようにある程度自然に水分が抜けたところで、湿紙を圧搾機でゆっくりと脱水しておきます。
そして紙床から剥がす際には、通常サイズだと一人で出来ますが、サブロク判は大きいのでもう一人サポートがあると作業がし易いです。
二人して1枚ずつシートごと湿紙を剥がし、鉄板に貼り付けて乾燥させます。
鉄板に貼り付ける
大きく破れやすいので、シートごと鉄板に貼り付けているところ。
伸ばし順2
シートの上から刷毛でシワを伸ばしながら貼り付け、乾燥させます。
刷毛はシワの寄らないように、画像のように①②③と中心から外側に向かって撫で付け、乾燥させます。
簀も大きい
サブロク判の和紙を漉き上げたところ。
この湿紙を、今度は紙床(しと)板に重ねます。
簀が大きいので、この作業も大変です。
漉いた湿紙は簀と紙の重量が7~8キログラムあり、片腕でゲージに合わせて紙床板に重ねるため、それ相当の技術と体力が必要です。大きいサイズ
サブロク判サイズは、簀を持つ中原さんが見えないほどの大きさ。
ちょうど、畳みを持っているようですね。
漉くのも大変ですが、また紙床に重ねるのも難しいのだそうです。紙床に重ねるところ
紙床に重ねて簀を外す時に和紙がめくれないように、気をつけます。
豆腐のように湿紙は柔らかいので傷を付けないように慎重にしますが、なかなかこれが簀が大きくてやりにくいとのこと。
通常のサイズの和紙の場合(2、3判=610×950ミリ)は細いスボというビニール紐を湿紙(しっし)の間に挟むことで、一枚一枚剥がしていきます。
しかし、特大判のサブロク判の場合は作業がしにくい分、和紙に傷が付かないようにより工夫が必要です。
そのため、湿紙1枚毎にシートを挟んで、重ねた紙を剥がしやすいようにしておきます。
サイズが大きくなることで、作業工程には工夫がされています。
  • ライブドアブログ