福岡県八女地方には、職人による手仕事が、今もなお息づいています… このブログは、2009年9月から約2年半にわたってつづられた手仕事についてのブログです… 職人による技、うまれた作品のあたたかさ…いろんなこと、お伝えできれば…と思います…

Category八女石灯ろう

お盆も過ぎましたが、暑い日が続いております。
皆さま夏バテなどしていませんでしょうか。
暑い日は木陰で一休みしたくなりますが、ゆっくりお寺でお庭を眺めるのもいいものです。
こちらは八女市立花町にある開運寺のお庭。
手前にあるのは蓮華寺型の八女石灯籠です。
江戸期に茶席の庭によく使われた形だそうです。中央に位置するのは、六角の雪見灯籠です。
雪見灯ろうには丸型と角型があります。
雪見灯ろうは、丈が低い割に笠が大きく、短い3本脚を持ち、庭園で用いられることが多い形です。
名前の由来は、池の水面に映る灯籠の影を「浮き見」といい、それから「雪見」と言うようになったそうです。
ご自宅に大きな日本庭園が無くても、お寺や神社のお庭を眺めたり、ご自宅の庭のちょっとしたスペースに緑と灯籠があると心が落ち着く気がします。
苔が生えた灯籠は、趣がありますね。
凝灰岩で出来た八女石灯籠は、苔が生えやすくとても庭に馴染みます。
苔が生えて新緑の中でも自然と佇む石灯籠は涼し気です。
神社に必ずといっていいほどある狛犬。
その狛犬も良く見ると、様々な形・表情があります。
これは筑後市にある老松神社にあったもので、八女石灯ろうと同じく阿蘇の凝灰岩で出来ています。
愛嬌のある表情と形は、肥前狛犬とよばれ高さ20センチ、幅13センチほどの小さな狛犬です。
今は、筑後市郷土資料館に展示されているため、ガラス越しからの撮影なので見づらくてすみません。
1616年に作られたもで刻印に「石工 善作」とあり、県指定文化財有形民俗文化財に指定されています。
こちらは、筑後資料館の隣にある水田天満宮にある狛犬。
水田天満宮は大宰府天満宮に次ぎ、九州2大天満宮の一つです。
最近は恋の木神社としても親しまれています。
この狛犬も凝灰岩で作られています。
同じく県指定文化財有形民俗文化財。横から見たところ。
狛犬にも色んな形がありますが、こんなにユーモラスな形の狛犬もあります。
筑後地域には石工の作った沢山の彫刻物が残っています。
恋の木神社には、若い方が多く参拝されていましたが、この狛犬もぜひ見て欲しいと思います。
本殿裏の、格子の隙間から見ることができますよ。

水田天満宮
福岡県筑後市大字水田56

筑後市郷土資料館
福岡県筑後市大字水田17−2
以前、八女石灯ろうを作られていた丸山さんのお宅の前を通ると、石のかまどで火をおこしておられました。
このかまどは、八女石灯ろうと同じ、阿蘇の凝灰岩を素材に作られています。
昔はこんな風にかまどや石風呂なども作られて、普段の生活の中で使われていました。
ちょうど筍をゆがいておられるところで、丸山さんの家では米ぬかを入れてアク抜きをするそうです。
お正月には、このかまどで餅米を蒸しお餅をつかれますが、このかまどで作ったほうが美味しいと話されていました。
ここでも、八女竹細工が使われています。このかまどは、ここら辺では竈(くど)と呼ばれています。
凝灰岩は、耐火性もあり20年くらい使っているそうです。
炎でよく見えませんが、竈(くど)の中は丸く彫り抜かれています。
蒸気がもくもくとあがっておりますが、火力が強いのだそうです。
内側が丸く彫り抜かれていることで火力が強くなり、軟らかく茹であがり美味しいのだそうです。
近所の人たちも集まっては、色んな話しをしながら筍を茹でるのが、毎年この季節の仕事風景。
凝灰岩は保温性もあるので、石風呂はとても身体が温まるので今でも温泉施設などから石風呂の注文があります。
石の特性を活かして、八女では様々なものが作られています。
昨日に引き続き雪が降り、奥八女では少し積もりました。
八女市中心地では、積もっておりませんが、ちょっと山手に行くとこんな風に雪がうっすら積もっています。
つくばいも雪をまとっていつもと違う雰囲気です。
水も凍ってました。
花崗岩(かこうがん)を使っている産地の灯ろうは、白っぽい色なのですが、八女の石灯ろうは阿蘇の凝灰岩を使っているので、黒っぽい色が雪と合いますね。
こんな寒い中でも、石材店の内山さんが朝から石を削っておられました。
石灯ろうの「受け」と呼ばれる灯りの下の台の部分を削っているところです。
石に線を書き、大まかに機械を使って形を作ったあとは、のみなどで削っていきます。
八女石灯ろうは八女市長野地区と黒木町で主に作られており、道路を通ると道沿いに何軒もの石屋さんが立ち並び、石灯ろうが置いてあるのを目にします。
石屋さんごとに、得意とする形があるそうなので、ぜひお気に入りを見つけてみて下さい。

八女石灯ろう協同組合
福岡県八女市長野
TEL:0943-24-1185
COMMENT: AUTHOR: ちーさん DATE: 12/21/2009 02:07:00 SECRET: 0 いつもお世話になっておりますちーさんです。
ちょくちょく遊びにきていますが、いつもステキな写真でぐっときます。
金曜は星野村に行きましたが帰れるかちょっと心配になるくらい降りましたねー。
「石灯ろう祭」「白壁ギャラリー」無事終了いたしました。
期間中、たくさんの方にお越しいただき、ありがとうございました。
石灯ろう祭で行われた、ミニ盆栽作り。
最終日にご参加いただいた、若い御夫婦の様子をご紹介。
思い思いの形に石を彫り、その中に植物を植え込み、アレンジ?として、そこら辺に生えていた草も植え込みつつオリジナルの盆栽が出来上がりました。
旦那さんのほうが、ピンクの葉っぱが可愛い、初雪かずらを植え込んだ作品。
成長するにつれツタが伸び、今から葉が色づいていくのも楽しめますね。
奥さんのほうは、そこら辺に生えていた草花も植え込み、苔をこんもり盛って、ふかふかと気持ちよさそうな作品です。
お二人それぞれ違った雰囲気で、素敵ですね。
ミニ盆栽作り、楽しかったと喜んでいただき、玄関に飾りますとのこと。
石に苔のむすまで、末永くお幸せに。ありがとうございました。
今日から11月ですね。朝から雨ですけど。
玄関先のカエルが喜んでおります。
このカエル、5匹のカエルが親ガエルの背中にくっついており、全部で6匹なので「迎える」と言います。
玄関先にいかがでしょうか?八女伝統工芸館の玄関先では、石灯ろう祭期間中、皆様をお迎えいたします。
カエルは、「無事カエル」シリーズもございます。
この「むかえる」の6匹のカエル、同じ石を彫り出しているので、一つの石から出来ています。
後から貼りつけたわけではないのです。
こんな天気の時は、外を歩きたくないという方は、八女伝統工芸館で開催中の石灯ろう祭にいらっしゃいませんか?
期間中のイベントでは「ミニ盆栽作り」体験を行っております。
雨にぬれずに作業出来ますし、コツコツ石を削りながら、まず器から作り、その後植物を植え込みます。
ミニ盆栽を作るには湿気もあって、植物にとっても良い条件です。
石灯ろう祭といっても、石灯ろうだけでなく、こんな鳥獣戯画を模したものや、ハニワの傘建てなど、いろんな面白いものも展示販売しております。
芸術の秋、雨の日だけど、製作活動に没頭してみませんか?
※明日、2日(月)はイベント期間中の為、開館しております。

〜11/3(火)まで「石灯ろうまつり」
このイベントでは、”八女石でミニ盆栽作り”を行います。
1日限定5名。体験料1,000円
先着順ですが、予約も受け付けております。
連絡先:0943-22-3131

福岡県商工会議所の青年部の会議が八女で行われ、その講師として宮崎県の東国原知事においでいただきました。
その記念ということで、八女石灯ろうの素材である凝灰岩で、知事のモニュメントを作ったそうです。
ちゃんと東国原知事の写真を送っていただいて、それを参考に、また宮崎県の日南海岸にあるモアイ像風に作ったそうです。
凝灰岩は、石灯ろうだけでなく、人の像や動物、いろんな彫刻もできます。
みなさんも、記念の何か作られませんか?
凝灰岩は、耐久性がありますので、風化しにくく、苔などが生えると、また風情が出ますね。
このモニュメント、台座も合わせると、250キロあるそうです。
現在、八女市商工会議所に展示されております。
もしかすると、宮崎に贈られるかもしれませんので、気になった方はお早目にご覧下さい。


八女商工会議所
福岡県八女市本村425-22-2
TEL:0943-22-5161

八女石灯ろう協同組合
住所:八女市大字本村425−22−2
TEL:0943-22-5161
今日は八女石灯ろうを造っている熊本石材店さんにお話を伺いに行きました。
作業場に行くと、どーんと大きな石の屋根を造っている最中でした。
この屋根のことを、石を加工される石工さんは「笠(かさ)」と呼んでおられます。
(地域によっては傘と書いたりもするそうです。)
この商品は、太宰府にあるお寺からの特別注文で、完成すると石塔になるそうです。
笠の下には、この石室が置かれるということです。
この石室、中に経典を納めるそうで、その為に穴が4つくり抜かれておりました。
ありがたい経典が、この中に。
こんな風に、注文があれば、既存の形以外にも色んなものを造っておられます。
熊本さんは、面白いと思ったもは何でも造っておられるようです。
作業場で、いろんな作品を見せてもらいましたが、そんな多様な作品が作れるのは、その技術を持っているから出来ることで、「はぁ~」と驚きっぱなしでした。
ほかにも、面白いものがわんさかありましたが、また別の機会にご紹介したいと思います。
気になった方は、熊本石材店を訪ねてみてはいかがでしょう。
この石塔のテレビ取材もあるということなので、また詳しくお知らせしたいと思います。
当たり前ですが、いろんな石があり、聞くと何でも答えてくれて面白い方です。

今日は八女石灯ろうの素材である凝灰岩について勉強しております。
写真は、何だか分かりますか?これも凝灰岩で出来ています。
凝灰岩は、阿蘇の火山灰が堆積して出来た石です。
八女石灯ろうは、この凝灰岩を使って出来ています。
さて、先ほどの質問の答え。
何とお風呂です。
昔は、ここら辺りではお風呂も凝灰岩で作っていたそうです。
八女伝統工芸館に、ゴロンと置いてあり、何だろうと思っていたのでした。
どうやってお風呂を沸かすかというと、この石風呂の横穴のところで火をおこし、お湯を沸かしていたそうです。
ほかにも、かまどに使われていたりと、日常の中で凝灰岩が使われていたそうです。
凝灰岩の特徴の中に、耐火性があると書いていあったのですが、お風呂や、かまどに使用されていたと聞いて納得したのでした。
中は、こんな風になっていて、一人しか入れない大きさです。
お相撲さんは入れません。
足を延ばしては入れませんが、体をかがめれば首まで湯につかれる深さです。
この石のお風呂に入ると、湯冷めしにくいと言われていたそうです。
家に石風呂っていいですね。入ってみたくなりました。
これから寒くなる時期、石風呂いいかもです。

1日降った雨がやんで、八女は、今日とても良いお天気です。
昨日の雨で、八女伝統工芸館の石のオブジェにも水がたまって、綺麗でした。
この石は、八女石灯ろうと同じ素材の、阿蘇山の火山灰で出来た、凝灰岩という石です。
柔らかいので、加工しやすく、また凝灰岩なので、水分を含みやすく、苔が生えやすいのが特徴です。
凝灰岩は、積み重なった灰が固まってできるので、層があります。
向きによっては、崩れやすいので、特製を把握していないと、扱いにくい石なのかもです。
水分を含みやすいので、植物も根付きやすく、盆栽などの器としても適しています。さて、秋らしく赤く実も色づいておりました。
この実なんの実、気になる実~。ということで、何という植物でしょうか。
勉強不足ですみません。
そのうち、紅葉も楽しみです。
今日から、星野村ではコスモス祭りが始まったようです。ドライブがてら、いかがでしょう。
八女伝統工芸館にも、行楽の際にはお寄り下さい。

※赤い実はウメモドキだと分かりました。中原さんありがとうございます!

「コスモス祭り2009」
日にち:10月3日(土)~11月8日(日)
時 間:10:00~17:00
場 所:星の花公園(星の文化館より上る) 
◆お問い合わせ:星の花公園 0943-52-3101
今日も良く晴れております。
八女伝統工芸館は、八女の中心部にあります。
といっても、八女の街中自体がのんびりした雰囲気ですので、工芸館付近ものどかな場所です。近くに、田んぼもありますし。
それで、八女伝統工芸館の入り口に着くと、まず目につくのが、この巨大な石灯ろう。日本一の灯ろうです。高さが10.55メートルもあります。
八女は石灯ろう造りも盛んな地域で、館内にはあちこちに石灯ろうや、いろんなモチーフの置物があります。
ここには、まだ日本一と名のつくものがあるんですよ。
なんでしょう?ぜひお越しになって、確かめに来られて下さい。お待ちしております。

八女伝統工芸館
HP http://www.yame_tesigoto.jp/
住所:福岡県八女市本町2-123-2
TEL:0943-22-3131 
FAX:0943-22-3144
【E-Mail】 info@yame_tesigoto.jp

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