2006年02月04日

一昨日の『ノエイン もうひとりの君へ』第16話

 “ハルカ”を“ノエイン”に奪われたまま函館に戻ってきた“カラス”を“ユウ”は激しくなじる。一方その頃「シャングリラ時空界」に捕らわれていた“ハルカ”は過去に飛ばされる。そこはつい最近の過去。一学期が終わって夏休みに入り、みんなで肝試しに行った日。そして“ハルカ”が“カラス”に初めて出会った日――のはずだが、何かが少し違っている。“カラス”がいるべきところに“ノエイン”がいるのだ。“カラス”のことを思い出せず、違和感を募らせていく“ハルカ”は様々な近似値の時空における自分自身に同化しながら漂流していく……――今回はかような話。

――

 ノエインパワー(←マテ)によって過去→現在(→未来)という流れが崩壊してしまう――“トビ”と“内田”言うところの「因果律の侵犯」が発動してしまう――中を“ハルカ”が漂流していくという体裁だった今回。過半のシークエンスが第1話の流用だったわけで、言わば総集編といった趣ではあったのだが、ただの総集編に終わらせることなく様々な仕掛けが施されていて、しかもそれが話全体を進める重要な要素となっていた次第。普通総集編をすると話の流れは止まってしまうものだが、単純にそうさせないあたり、さすがだなぁと感心することしきり。このあたりの容赦なさは、もって範とすべし。

 で、総集編に見せかけて新たに提示されたのは、ある意味今さらとはいえ“ノエイン”=“カラス”=“ユウ”ということであり、「因果律の侵犯」の中で“ハルカ”が“カラス”への想いを改めて再発見することで時空の歪みが是正されていくということであった。そしてさらに、あの肝試しが行なわれた第1話以前に“ハルカ”は“カラス”にこの函館で出会っていたらしい(eufoniusが歌うオープニングで雪降る中で“ハルカ”が見上げた先に“カラス”が佇んでいるというシーンがあったけど)ことにまでちょっとだけ言及されていく。うぅむまだまだ底は見せないよということなのだろうか。ずいぶん飛ばしてるなぁ……。しかも次回は“コサギ”がフィーチャーされるみたいだし。

 さておき、“ノエイン”は“カラス”は幻であると言い放ち、自分に都合のいい可能世界――そこでは、“カラス”が現われるべきシチュエーションが回避され、“カラス”の代わりに“ノエイン”が立ち現われてくる――を“ハルカ”に見せることで定着させようとする。それに対して“ハルカ”は違和感を募らせ、やがてそれは“カラス”の存在を思い出すことで自分自身を定着させ、それによって“ハルカ”は“ノエイン”から解き放たれ、函館に帰ってくる――以上のような形で“ハルカ”と“カラス”は再び出会うことになるわけだが、こういう、自分の誰かへの想いを再発見することで漂流状態から帰ってくるという筋立ては、あざといと言えばあざといのだが、なかなか悪くない。そう言えばいつぞやの回で“ミホ”が西洋コックリさんに興じていたときに「NOEIN」と出てくるというシーンがあったが、それによって“ハルカ”たちがいるこの時空が「ラクリマ時空界」や「シャングリラ時空界」と連続していることが示され、で、そこに今回の話がかぶさることで、時間的・空間的な交錯が改めて主題として示されたと言うことができるだろう。

 ともあれ、“ノエイン”の登場によって時間と空間の双方が内容物である因果律(過去→現在というような)から解き放たれ(うる可能性が示され)、そしてさらにこの「因果律の侵犯」を人為的に引き起こそうとする“篠原”が配されることになるわけだが、そういう中で、時間と空間の内容物が無限に発散されえない場所-身体としての「龍のトルク」=“ハルカ”がどう位置づけられることになるか。つまり、“ハルカ”が自分自身をそういう無限の発散(それが可能になってしまった状態こそが「シャングリラ時空界」ではないか)に抗するものとしていかに自分自身を置き直していくか。それは“ハルカ”一人では不可能なわけで、そこに“カラス”あるいは“ユウ”をどのように絡めていくかで、この作品の行方は決まることになるだろう。おそらく〈反復〉や〈純粋過去〉といった概念に対応するものが問題になってくる(今考え中なのでアレだが)。さて……。

 にしても、その“篠原”の元ネタっぽい人物が逮捕されたこの世界は、もしかすると『ノエイン』の作品世界を追い越しているのかもしれない(笑)。



yami_yahma at 14:49コメント(0)トラックバック(10)ノエイン  

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トラックバック一覧

1. ノエイン もうひとりの君へ第16話感想。  [ +落描き雑記+ ]   2006年02月04日 14:51
←偶には季節に合った絵でもと思い、コートを着たハルカをゆきうさ(と言うよりネズミっぽいですが…)付きで描いてみました。手とか他にも全体的に色々とおかしいのは気にしないでやって頂けると…(待てコラ)(※画像クリックで原寸表示されます) それはそうとノエイ....
2. 『ノエイン もうひとりの君へ』#16  [ おくいのなんでもdiario ]   2006年02月04日 15:43
「クリカエシ」 別の時空の自分に同化したハルカは、何か大事なことを忘れてると思う
3. ノエイン もうひとりの君へ 第16話「クリカエシ」  [ 布達の橋 ]   2006年02月04日 16:04
(公式サイト) 概出の映像が大半で一見総集編と思うけど、全然違ってた。 むしろ伏線張ったり消化したり、さすがノエインだ(笑) ハルカが前回のノエインさんとの一件で力を使い転移した場所はお話で言うところの第01話の所。 そこでは、繰り返されているようで微妙に....
4. ノエイン もう一人の君へ 第16話 「クリカエシ」  [ アニメ生活 ]   2006年02月04日 19:39
「今回はハルカさんばかりをキャプチャーしましたね」 「だって、他の女性キャラの良いカットがないんだもん。今回」
5. ノエイン もうひとりの君へ 第16話  [ ラブアニメ。 ]   2006年02月04日 20:34
「クリカエシ」 ノエインの正体って、もしかしてユウ? 今回も難解な内容でしたが面白かったです。 ノエインによって近似値の過去の時空に飛ばされ、その時空の自分と同化したハ
6. 【ノエイン もうひとりの君へ】第16話「クリカエシ」感想  [ 鴎の行くままに 〜とあるTRPG者の呟き〜 ]   2006年02月04日 21:55
5 【ノエイン もうひとりの君へ】(TV埼玉) 2クールの番組はこの時期中だるみを起こしやすいのですが、 ノエインは相変わらず面白いですね。 毎回、安心して見ていられて、それでいて驚きの連続ですよ。 カラスルートも確定したハルカはどうなるんでしょ(ぇ では...
7. (アニメ感想) ノエイン もうひとりの君へ 第16話 「クリカエシ」  [ ゲームやアニメについてぼそぼそと語る人 ]   2006年02月05日 02:28
ノエイン ~もうひとりの君へ~ 第2巻 ミホがアトリになついて良かった良かったと言ってのもつかの間。ハルカにピンチが訪れた前回。カラスも残念ながら力及ばず・・・と言った展開ですが、相変わらずユウはと言うと蚊帳の外で今のところあまり大した活躍は見られませんね。...
8. 今週のノエイン☆  [ ☆PINK’S ROOM☆ ]   2006年02月05日 13:58
ノエインの感想☆ 1. ノエイン ~もうひとりの君へ~ 第1巻 新品 Y 4,914 PINKのポイント☆ 総集編だけど総集編じゃないのかな☆ 過去がちょっぴり変わってて、面白い感じです☆
9. ノエイン もうひとりの君へ  [ アニメ&漫画大好き王国 ]   2006年02月05日 13:58
公式ページhttp://www.noein.jp/ 函館に暮らす少女ハルカの春休み。ある日、ハルカは教会の尖塔の上に青く光る雪に包まれた男を目撃する。男の正体は15年後の世界のひとつ、“ラクリマ時空??
10. ノエイン もうひとりの君へ 第16話  [ オヤジもハマる☆現代アニメ ]   2006年02月05日 21:34
サブタイトル「クリカエシ」   ハルカが行き着いた”近似値の時空”で、カラスの代わりに現れたのは...   ノエイン ~もうひとりの君へ~ 第2巻  以下詳細  ***********

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