2007年02月13日

『SHUFFLE! memories』第6話

058e49f5.jpg ある日、“稟”が雨宿りにゲーセンに入ると、クレーンゲームの前で所在なげに佇む女の子を見つける。彼女が自分や“ネリネ”のことを知っている様子であることに怪訝に思いつつも、とりあえず家に連れて帰ることにする。折が良いのか悪いのか、“リシアンサス”父娘や“ネリネ”父娘がドンチャン騒ぎをしている中に帰ってきた“稟”。彼が連れてきた女の子の姿を見て、一同は驚く。彼女は“プリムラ”――魔界の研究所にいなければならない存在だったのだ。魔界に帰るように説得する神王と魔王に対して、ここで暮らすと言い張る“プリムラ”。かくして“稟”や“楓”と一緒に暮らすことになった“プリムラ”はいろいろな出来事を経験していくうち、次第に感情らしきものが芽生えていくのだった……

――

 「プリムラ編 前編」だった今回。無口で感情表現に乏しいロリペド系という、基本的にあざとい設定のキャラ揃いな『SHUFFLE!』の中でも極めつけにあざといヴィジュアルながらも、それゆえに高い人気を得ている様子の“プリムラ”がフィーチャーされていた次第。これで「前編」は一通り放送されたわけで、その悼尾を飾るにふさわしいといえばふさわしいといったところだろうか。当方はこの“プリムラ”に関しては、あまりのあざとさにドン引きすることしきりだけど(爆)。

 さておき、話的にはそんな“プリムラ”が魔界からやって来て“稟”にめぐり合うところから始まり、みんなで下着を買いに行った折に“亜沙”や彼女の親友“カレハ”に着せ替え人形状態にされたり、“稟”からネコのぬいぐるみをプレゼントされて初めて笑顔を見せたり、浜辺で砂の城を作っては波に流されを繰り返したりと、次第にみんなと打ち解けていくところに至るまでが描かれていた次第。ほよほよと見ていると、印象的なイベントグラフィックを繋いでいっただけのようにも見えてくるところではあるのだが、上述したようなあざといヴィジュアルの“プリムラ”に関しては、むしろそれでいいのかもしれない(苦笑)。ことに“稟”が雨に濡れた“プリムラ”を見るとノーブラだったのでドン引きしてしまうところや、いろいろな下着を着せられる、スク水で海水浴に行くといったシークエンスに、それは顕著だった。

 ところで当方原作ゲームはやっていないのでアレなのだが、アニメ版を見る限りにおいては、この“プリムラ”はどうも座りの悪いキャラのように見えていたもの。それはやはり、“リシアンサス”や“ネリネ”、“楓”のように自らの因業に囚われているわけでもないし、“亜沙”のように最終的に“稟”と付き合うことになるわけでもないし、さりとて“稟”に何らかの影響を与えるような存在でもないしという、一言で言うと中途半端な位置づけに終始しているというところに原因があるわけで。実際中盤の一つのヤマ場であった“プリムラ”絶対玩具支配者編も、後の“楓”絶対運命黙示録編に食われてしまっていたから、余計である。超乱暴に言うと、魔力が暴走するようになったために魔界に強制送還された“プリムラ”を“稟”たちが連れ戻しに行くというのが――おそらくは来たる「プリムラ編 後編」で大フィーチャーされるであろう――“プリムラ”絶対玩具支配者編であるのだが、それもWOWOWで見た折には、もともと神王や魔王にも一目置かれている“稟”なら速攻でできるであろうこと(=魔王を説得して魔界に行き“プリムラ”を連れて帰ること)が延々と間延びされているような印象しか抱けなかったし。

 そういう頭があった上で今回の本編を見てみると、“プリムラ”をヒロインの一人として扱うことよりもむしろ、他のヒロインの真実を彼女を通して開示させていくという形で扱っていたように、個人的には思うところ。こういう使い方は、基本的に正解だと思う。とりわけそれは、“プリムラ”が“稟”に「リコ(リス)……、ネリネ、知ってる?」と言い間違えるシークエンスや、“稟”と“プリムラ”が初めて出会った場にばったり出くわした“時雨亜麻”(“亜沙”の母親)が“プリムラ”の姿を見て何かに気がつくというシークエンスに顕著だった。前者では“ネリネ”の(“リコリス”絡みの)秘密が、後者では“亜麻”の秘密――ということは“亜沙”の出生の真実にかかわることであるわけだが――がここで仄めかされていることになるわけで。かかる具合に、今回の場合は各ヒロインの後編への橋渡し的な位置づけに“プリムラ”が置き直されていると言っても、あながち間違いではあるまい。

 まぁ“プリムラ”本人にさほど思い入れのない者としては、本編のあまりの尻切れトンボぶりの方が目について仕方ないところではあったのだが(←マテ)。「プリムラ編 後編」=“プリムラ”絶対玩具支配者編の出来次第ということだろうか。そして次回は「芙蓉楓編 後編」だそうで……

 にしても、「稟ちゃん」「リンちゃん」「リムちゃん」「りっちゃん」と、紛らわしい呼称が多いなぁ(爆)。



yami_yahma at 22:02コメント(0)トラックバック(7)アニメ  

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