2007年02月21日

『がくえんゆーとぴあ まなびストレート!』第7話

 8月31日――夏休み最後の日も“まなび”たちは学園祭関連の事務に追われていた。やるべきことがあまりにも多過ぎて、夏休みをハワイで過ごしてきた“桃葉”が自慢しに闖入してきても放置プレイ。徹夜続きのためか、奇行に奔り始めるのを互いに必死に止めつつ、夏の一日は過ぎて行く。そんな折、いつぞや“まなび”たちが会いに行った「愛洸学園」の生徒会長“角沢多佳子”が聖櫻学園にやって来る。挨拶もそこそこに学校を案内しつつ、自分たちの学園祭の計画を嬉々として語る“まなび”。その様子に“多佳子”はやや複雑な様子。実は“多佳子”は、聖櫻学園を傘下に吸収し、今年の学園祭は中止にするという愛洸学園上層部の決定を伝えに来ていたのだ。だが、学園祭に賭ける“まなび”たちを見て、“多佳子”も何やら思うところがあるようで……

――

 前々回・前回と“みかん”メインで松竹新喜劇的人情話を繰り出してきていたこの『まなびストレート!』。今回は、学園モノのアニメにはつきものというか仕様と言ってもよさげな夏の話といった趣だった次第。前半、徹夜続きで異様なテンションになってしまう“まなび”とゆかいな仲間たちというシークエンスでたっぷりおバカしつつ、後半ではしっかりとメリハリの効いた急展開を見せていたわけで、相変わらずウェルメイドにしつらえてきたといった按配。当方、今回は珍しくリアルタイムで見たのだが(関西では火曜深夜27:10〜27:40というムチャクチャな時間帯なので、普段はビデオ視聴)、こちらも寝ボケた風体でほよほよと見ていたものだから、プログラミング中に突如ブチ切れて奇声を発する“芽生”や「風水的にもα波がムカつく」という“まなび”の寝ボケたセリフに変な気分になってしまうことしきり(爆)。

 さておき、夏の話といっても、夏休み中の出来事は全てオミットされ、「なつのおしまい(ばいばい)」というサブタイトルに如実に現われていたように、「夏の終わり」やそれが醸し出すセンチメンタリズムが前面に押し出された上で、そこから様々なものごとの終わりが遠望されるという形で組み立てられていたわけで、このへんのイメージや要素のつなぎ方は、あざといと言えば確かにあざといけど、なかなか上手いなぁと個人的には思うところ。とりわけ、“みかん”が夢の中で一人取り残されそうになるが、みんなが手を差し伸べてくれるというくだりや、夜のプールで花火大会に興じるシークエンスなどに、それは顕著だった。だからこそ、“多佳子”再登場によってもたらされた「聖櫻学園そのものの終わり」というモーメントの重みが効いてくる。

 既に散々触れてきたことではあるが、この『まなびストレート!』は近未来を舞台にしており、そしてこの時代においては少子化のさらなる進行や、あるいは学校に行くことだけが唯一の道ではないといった価値観のさらなる浸透とによって、義務教育以降のとりわけ高校教育はガタガタになってしまっていると設定されている。それゆえこの作品の舞台である聖櫻学園も生徒数の減少に見舞われ、廃校寸前となっているのだった。かような形で底流していたことが、今回“多佳子”が通う愛洸学園の理事長が聖櫻学園を吸収合併することを決める――そして“まなび”たちが準備している学園祭を中止させることを“多佳子”に宣告する――という形で噴出してきたわけで。

 ところで、その愛洸学園の理事長は、聖櫻学園が危機に陥った原因を放漫経営に求め、“まなび”たちが推し進める学園祭もその象徴だと切って捨てる。これはある面から見ると、きわめて正しい指摘である。「学校の中でしかできないことがある」という理念をこのご時世において立て続けることは、ある種の欺瞞を抱えざるを得ないからだ。理念を掲げているからといって経営が放漫でもいいということにはならない――愛洸学園の理事長が言わんとしていることを超乱暴にまとめると、このようになるだろう。

 私立学校(に限った話ではないのだろうが)の経営問題というのは、今はさほど表面化していないが、今後大きな問題になってくるのは、間違いない――そういうことを勘案すると、この作品ってつくづく「現在の諸問題を未来に延長していく」という線で学校問題を取り上げているんだなぁと、個人的には思うところ。かかる(資本主義的には全く正しい)論理にいかに“まなび”たちが抵抗することで何かを示すことができるかが、この作品の今後の課題と言えるだろう。さて……



yami_yahma at 22:15コメント(0)トラックバック(15)まなびストレート  

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1. まなびストレート#7  [ 144分の1から ]   2007年02月21日 22:28
「なつのおしまい(ばいばい)」 1学期の終業式に「聖桜学園学園祭ウェブ全面リニューアル」を宣言したまなびたち。 夏休みの間にやれば余裕!のはずがいつの間にか期限はあと1日!?
2. がくえんゆーとぴあ まなびストレート! 第7話  [ パズライズ日記 ]   2007年02月21日 22:28
今回は、いわゆる“夏休み最後の日”のお話でした。 何かと追い込まれるのが定番なこの時期、まなび達も例に漏れず大変そうです(笑)。 余りに大変過ぎて発狂状態だったのは笑ってしまいました。 ハワイ土産を持って生徒会室にやってくるもも。 でも皆サックリと無視....
3. がくえんゆーとぴあ まなびストレート!「なつのおしまい(ばいばい)」感想  [ ここには全てがあり、おそらく何もない ]   2007年02月21日 23:27
4 がくえんゆーとぴあ まなびストレート! STRAIGHT1 期間限定版ufotable発売日:2007-04-11価格STAND BY ME見始めた頃は、ただの学園ドタバタ萌えアニメだと思っていたが、第4話を見たあたりから認識が変わった。これは「仲間」の物語だ。書記の光香しかいなかった生徒会だった....
4. 【がくえんゆーとぴあ まなびストレート!】第7話感想  [ えんぴつ日記 ]   2007年02月22日 01:02
がくえんゆーとぴあ まなびストレート!第7話感想 『ぎゃあああああああああああああああああああ!!!! 余裕とか言ったの 誰!?』 『自分自分。』 【なつのおしまい(ばいばい)】 ...
ネタバレに注意してください。続きからどうぞ〜 今回の話は、学園祭準備の話と見ていいでしょうね。 まあ、久しぶりに多佳子が出たのは嬉しかったですね。
がくえんゆーとぴあ まなびストレート! 第7話「なつのおしまい(ばいばい)」夏休みもあと1日です。
7. がくえんゆーとぴあ まなびストレート! 7  [ MEGASSA!! ]   2007年02月22日 17:54
= 第7話 「なつのおしまい(ばいばい)」 = {{{今回はいつもと一味違う感じでした。てか、割と鬱展開だったかも・・・。 雰囲気、演出がエヴァっぽかったです。 同じ繰り返しが多かったし、オチも微妙だったので、 「ついに社長脚本来たか!?」と思いましたが、ち...
夏休み最終日
9. がくえんゆーとぴあ まなびストレート! 第7話感想  [ ハピゆき日記 ]   2007年02月22日 19:44
がくえんゆーとぴあ まなびストレート! 第7話感想いきます。
10. がくえんゆーとぴあ まなびストレート! 第7話  [ おちゃつのちょっとマイルドなblog ]   2007年02月22日 20:04
がくえんゆーとぴあ まなびストレート!第7話、「なつのおしまい(ばいばい)」。 8月31日、夏休み最後の日。
11. がくえんゆーとぴあ まなびストレート! 第07話 「なつのおしまい(ばいばい)」  [ アバトーンの理想郷 ]   2007年02月22日 21:00
まなびの感想〜始めるぞ〜♪ 一夜漬け!一夜漬け! ファミコンウォーズ風に(笑) それにしても一夜漬けの部分が、イチャつけ!イチャつけ!に聞こえた俺は どうなんでしょう・゚・(ノ∀`)・゚・
12. がくえんゆーとぴあ まなびストレート!  [ デバイス!マキシマム ブログ ]   2007年02月22日 21:56
第7話 「なつのおしまい(ばいばい)」 夏休み…。 桃葉、日焼けしてます。 桃葉の話、聞いてねえ…。 9月1日。 桃葉、自慢してますが、いねえ…。 夏休み、今日で終わりらしい…。 いきなり最終日で焦りだ??
なんだ、この異様な雰囲気は(笑) 突然こんな空気で始まられたら普通は戸惑うはずなんだけど、なぜだか笑いが先に来てしまう。 それだけツボを押さえた構成になってるってことなんだろうなぁ。 理不尽に殴られる
今更ですがまなびの感想です。 というか感想は簡単ですが、最後にちょいと愚痴っぽいものを書いてしまいましたが。
15. (アニメ感想) がくえんゆーとぴあ まなびストレート! 第7話 「なつのおしまい(ばいばい)」  [ ゲームやアニメについてぼそぼそと語る人 ]   2007年02月23日 10:56
がくえんゆーとぴあ まなびストレート! STRAIGHT1 期間限定版 夏休みは終わりを告げようとしていた。しかし、一学期の終わりに宣言していた聖桜学園学園祭WEBの全面リニューアルの完成にはまだ至っていない事に、学美達は追い詰められてしまう・・・そしてついに・・・...

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