2007年05月29日
『桃華月憚』第9話
桃華月憚 - livedoor Blog 共通テーマ
二学期も終わり、桃歌台学園は冬休みに入ろうとしていた。そんな中“桃香”は“真琴”にクリスマスパーティに行かないかと誘われる。断る“桃香”だが、行く気満々な“桃花”に押し切られ、結局一緒に行くハメに。さて翌日、クリスマスイヴを迎え、二宮会主催の大パーティが挙行される。参加者たちが思い思いに愉しむ中、“桃花”は、“桃香”にプレゼントするために作っていた手編みのマフラーがどこかへ消えてしまったために学園中を探し回っていた。そんな“桃花”を探す“桃香”。そうこうするうち、“章子”が例によって車で乱入してきて、クリスマスパーティはまたも乱痴気騒ぎになっていくのだった……
――
いつものように順調に逆行しているこの『桃華月憚』。迎えた今回は、前回に引き続いて――というか、この作品の場合は「前回が今回に引き続いて」と言うべきだろう――桃歌台学園における乱痴気騒ぎが描かれていた次第。前回がスケート大会で今回がクリスマスパーティという按配だったのだが、ほよほよと見てみると、ヴィジュアルや音楽、物語のフレームワークなどに和風テイストが横溢している作品世界の中でのクリスマスパーティというのがものすごく浮いていたわけで。そういうところについつい頭抱えて笑ってしまうところ。
そんな具合に今回も、かような形で桃歌台学園における乱痴気騒ぎがおバカなシークエンスを濫発しつつ描かれていたわけであるが、前回同様おバカシークエンスのメーターの振り切れ方はなかなかなものがあった。特に途中から乱入してくる“章子”絡みのシークエンスはかなりトチ狂っていて(←褒め言葉)。いつもキャデラックのオープンカーを駆って爆走し、しまいには破壊してしまうといった態の“章子”だが、今回は校舎内を爆走していったり空飛んだりと相当なことになっていたわけで。で、最後は「胡蝶三姉妹」がしつらえた巨大クリスマスツリーに激突してやっぱり乗り潰してしまう、と(笑)。普段から何の脈絡もなく暴走しているといった趣で見る人を唖然とさせてしまう“章子”だが、今回の唖然度は、そんな彼女をそろそろ見慣れた身からしてもかなりすさまじいものがあった。て言うか、今どきアメリカ人でもあんなにキャデラック大好きなのはいないぞ(苦笑)。
さておき、今回は終わってみれば“桃香”と“桃花”がメインの話だったわけであるが、様々なすれ違いを経て、“桃香”が“章子”の駆る暴走キャデラックに危うく轢かれそうになるところを“桃花”がすんでのところで助け、そこから二人きりになった“桃花”が、なくなった手編みのマフラー(実は「胡蝶三姉妹」が見つけて“ユーリカ”への〈お人形遊び〉に使っていたのだが)の代わりに大急ぎで編んでいた毛糸の靴下を“桃香”に渡すという形で推移していたわけで、してみると、第1話における二人の道行きがここにおいて暗示されていることになる。
つまり、第1話では“桃香”=“イサミヒコ”(の魂を救うために作られた人形)、“桃花”=“セイ”という神話時代以来の桎梏を超えることができなかった二人がかかる桎梏のないパラレルワールドで再会するという感動のエンディング(?)を迎えていたわけだが、その雛形がここで提示されているわけである。しかしそれは、いささか穿った視点から見ると、上記の桎梏を二人がこの世界で超えることができなかったという事実が既に描かれている以上、ここでのすれ違い→再会が結局はシニカルな印象を与えるにとどまるものでしかないことを同時に告知しているわけで。それは「来年のクリスマスも一緒にいられたらいいね」と訊く“桃花”に、(自分の出自を既に知っている様子の)“桃香”が曖昧にしか返事できないというシーンにおいても、さりげなくしかしけっこう露悪的に描かれていた。
その一方で、(既にあらかた放送されている)各キャラの今後の道行きに関わるシークエンスにもしっかり目配せが効いていたわけで、前回に引き続いて単なるバカ話で脇に片付けることのできない話に仕上がっていたと言っても、さほど揚言ではあるまい。“真琴”に思わせぶりなことをしつつプレゼントをあげる“鬼梗”あたりにも顕著だったのだが、個人的にはやはり前回に引き続いて言及されていた“清春”と“由美子”絡みのシークエンスが気になるわけで。“清春”は“由美子”のことをなぜか“ゆり子”と呼んでいて、それは今回も同様だったのだが、このあたりは見ていて未だによく分からないところ。結局、“由美子”は雪を降らせたり停電から回復させたりという形で、自分でも知らないうちに「ジュナの力」を発散させているらしいと言うことぐらいしか分からなかったし。どこをどうすれば第1話における「由美子はゆり子ではなく、由美子です……」や「私は……、守東清次だっ……!」に至るのやら……
まぁそんな“清春”が“由美子(ゆり子)”に贈ったのがミニスカサンタの衣装だったのが、あざといというか何というか(苦笑)。
二学期も終わり、桃歌台学園は冬休みに入ろうとしていた。そんな中“桃香”は“真琴”にクリスマスパーティに行かないかと誘われる。断る“桃香”だが、行く気満々な“桃花”に押し切られ、結局一緒に行くハメに。さて翌日、クリスマスイヴを迎え、二宮会主催の大パーティが挙行される。参加者たちが思い思いに愉しむ中、“桃花”は、“桃香”にプレゼントするために作っていた手編みのマフラーがどこかへ消えてしまったために学園中を探し回っていた。そんな“桃花”を探す“桃香”。そうこうするうち、“章子”が例によって車で乱入してきて、クリスマスパーティはまたも乱痴気騒ぎになっていくのだった……
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いつものように順調に逆行しているこの『桃華月憚』。迎えた今回は、前回に引き続いて――というか、この作品の場合は「前回が今回に引き続いて」と言うべきだろう――桃歌台学園における乱痴気騒ぎが描かれていた次第。前回がスケート大会で今回がクリスマスパーティという按配だったのだが、ほよほよと見てみると、ヴィジュアルや音楽、物語のフレームワークなどに和風テイストが横溢している作品世界の中でのクリスマスパーティというのがものすごく浮いていたわけで。そういうところについつい頭抱えて笑ってしまうところ。
そんな具合に今回も、かような形で桃歌台学園における乱痴気騒ぎがおバカなシークエンスを濫発しつつ描かれていたわけであるが、前回同様おバカシークエンスのメーターの振り切れ方はなかなかなものがあった。特に途中から乱入してくる“章子”絡みのシークエンスはかなりトチ狂っていて(←褒め言葉)。いつもキャデラックのオープンカーを駆って爆走し、しまいには破壊してしまうといった態の“章子”だが、今回は校舎内を爆走していったり空飛んだりと相当なことになっていたわけで。で、最後は「胡蝶三姉妹」がしつらえた巨大クリスマスツリーに激突してやっぱり乗り潰してしまう、と(笑)。普段から何の脈絡もなく暴走しているといった趣で見る人を唖然とさせてしまう“章子”だが、今回の唖然度は、そんな彼女をそろそろ見慣れた身からしてもかなりすさまじいものがあった。て言うか、今どきアメリカ人でもあんなにキャデラック大好きなのはいないぞ(苦笑)。
さておき、今回は終わってみれば“桃香”と“桃花”がメインの話だったわけであるが、様々なすれ違いを経て、“桃香”が“章子”の駆る暴走キャデラックに危うく轢かれそうになるところを“桃花”がすんでのところで助け、そこから二人きりになった“桃花”が、なくなった手編みのマフラー(実は「胡蝶三姉妹」が見つけて“ユーリカ”への〈お人形遊び〉に使っていたのだが)の代わりに大急ぎで編んでいた毛糸の靴下を“桃香”に渡すという形で推移していたわけで、してみると、第1話における二人の道行きがここにおいて暗示されていることになる。
つまり、第1話では“桃香”=“イサミヒコ”(の魂を救うために作られた人形)、“桃花”=“セイ”という神話時代以来の桎梏を超えることができなかった二人がかかる桎梏のないパラレルワールドで再会するという感動のエンディング(?)を迎えていたわけだが、その雛形がここで提示されているわけである。しかしそれは、いささか穿った視点から見ると、上記の桎梏を二人がこの世界で超えることができなかったという事実が既に描かれている以上、ここでのすれ違い→再会が結局はシニカルな印象を与えるにとどまるものでしかないことを同時に告知しているわけで。それは「来年のクリスマスも一緒にいられたらいいね」と訊く“桃花”に、(自分の出自を既に知っている様子の)“桃香”が曖昧にしか返事できないというシーンにおいても、さりげなくしかしけっこう露悪的に描かれていた。
その一方で、(既にあらかた放送されている)各キャラの今後の道行きに関わるシークエンスにもしっかり目配せが効いていたわけで、前回に引き続いて単なるバカ話で脇に片付けることのできない話に仕上がっていたと言っても、さほど揚言ではあるまい。“真琴”に思わせぶりなことをしつつプレゼントをあげる“鬼梗”あたりにも顕著だったのだが、個人的にはやはり前回に引き続いて言及されていた“清春”と“由美子”絡みのシークエンスが気になるわけで。“清春”は“由美子”のことをなぜか“ゆり子”と呼んでいて、それは今回も同様だったのだが、このあたりは見ていて未だによく分からないところ。結局、“由美子”は雪を降らせたり停電から回復させたりという形で、自分でも知らないうちに「ジュナの力」を発散させているらしいと言うことぐらいしか分からなかったし。どこをどうすれば第1話における「由美子はゆり子ではなく、由美子です……」や「私は……、守東清次だっ……!」に至るのやら……
まぁそんな“清春”が“由美子(ゆり子)”に贈ったのがミニスカサンタの衣装だったのが、あざといというか何というか(苦笑)。
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トラックバック一覧
1. 桃華月憚 第9話『雪』 [ よう来なさった! ] 2007年05月30日 00:12
最近桃華月憚が始まって見ているとドキドキしちゃうんだよね。
エロとかそう言うのじゃなく「このままわかりやすい内容でいてくれとw」
今回は胡蝶主催のクリスマス会。
あの腹黒い胡蝶三姉妹ですから、ただでは終わらず
面白くなりそうな予感はしていたけど、期待....
2. アニメ「桃華月憚」第9話 感想。 [ ぎんいろ(旧夢の日々)。 ] 2007年05月30日 00:15
第9話「雪」
良い冬休みを、と沢山の生徒に見送られた桃香。
その直後、真琴にクリスマス会の事を聞かされる。明日の、胡蝶達主催のクリスマス会に、桃香は乗り気ではないが、桃花は行こうと桃香を誘う。
その桃花は、桃香に手渡すためにマフラーをせっせと編んでいた。...
3. TVアニメ 桃華月憚 第9話 雪 感想 [ 空色なおれの日々 ] 2007年05月30日 00:20
「TVアニメ 桃華月憚」
前回の氷では「スケート処女」っていう、なんとも形容しがたい台詞が飛び出しちゃってさぁ。ww
あの真琴ちゃんって女のコも、ちょっぴり調教しなくちゃいけないんじゃないかしら〜?
え、
4. 桃華月憚 第9話「雪」 [ Cross Channel ] 2007年05月30日 06:48
クリスマスイブの事件も無く平和な学園だが、この話数そのものが次回(前回放送分の第8話)への伏線になっている。
学園での二宮会主催のクリスマスパーティー。
マフラーのプレゼントを巡って桃香と桃花の仲が少し近づいたが bidders??
5. 桃華月憚 第9話「雪」 [ 恋華(れんか) ] 2007年05月30日 12:05
桃華月憚 第9話「雪」
6. 桃華月憚 第9話「雪」 [ Hiroy's Blog ] 2007年05月30日 23:14
雪降る上津未原
7. 第09話 「雪」 [ 半ヲタの気ままな辛口ブログ ] 2007年06月01日 12:07
「どうかされましたか?由美子様?」「聞いてよ〜〜由美子さっきね・・」「こ、これを着て・・わ、私の部屋にき、来なさい・・!!」「・・って言われたの〜〜。由美子はチャイナ服のがいいって言ったのに・・」「それは管理人の趣味だろーが」今回もギャグ回でした。クリ...
8. 桃華月憚 第9話 [ パズライズ日記 ] 2007年06月02日 06:59
段々ギャグ成分が増してきているこのアニメ。
逆再生なんですからある意味当然かもしれないですけど、ここまで愉快なアニメだったとは(笑)。
何気にシリアスもあるから侮れないんですけどね。
桃花は、桃香のためにマフラーを編むのはいいですがいくらなんでもあれは....
9. 桃華月憚 第9話「雪」 [ SERA@らくblog ] 2007年06月03日 23:43
胡蝶三姉妹主催のクリスマス会。
数百mのツリーに、ごちそうもいっぱい。
街中にイルミネーションもしてすごいイベント。
クリスマスは雪よねと願えば、雪を降らせる由美子ママ。
その力はジュナの力?
▼ 第9話『逭e
コメント一覧
1. Posted by Avz 2007年05月29日 23:20
>「由美子はゆり子ではなく、由美子です……」
>「私は……、守東清次だっ……!」
どうも、はじめまして。
上記の謎ですが、「守東清春 CV」
でググると
CV:速水奨(2話〜)、中多和宏(1話)
となっています。
あと、ゲーム本編をクリアしていくと
年表が出てきて守東の歴史がわかるので
大体解けるのですが、
いやぁもうテレビじゃこれ以上言えないと思われます。
ゲーム本編でも明言できないくらいヤバイ話なんで。
ちなみに
「ゆりこは益之(1話で御簾の中にいたジジイ)の娘」
「由美子は清春の娘」
です。
守東家は術師の家系で、
現在の清春は、清次が
改名しているのですが、
「冠」で出てきた式神のように
何か仕込まれている模様です。
>「私は……、守東清次だっ……!」
どうも、はじめまして。
上記の謎ですが、「守東清春 CV」
でググると
CV:速水奨(2話〜)、中多和宏(1話)
となっています。
あと、ゲーム本編をクリアしていくと
年表が出てきて守東の歴史がわかるので
大体解けるのですが、
いやぁもうテレビじゃこれ以上言えないと思われます。
ゲーム本編でも明言できないくらいヤバイ話なんで。
ちなみに
「ゆりこは益之(1話で御簾の中にいたジジイ)の娘」
「由美子は清春の娘」
です。
守東家は術師の家系で、
現在の清春は、清次が
改名しているのですが、
「冠」で出てきた式神のように
何か仕込まれている模様です。
2. Posted by あたしか 2007年05月31日 21:47
>Avzさん
はじめまして。
>いやぁもうテレビじゃこれ以上言えないと思われます。
>ゲーム本編でも明言できないくらいヤバイ話なんで。
守東家は代々近親相姦で続いてきたのではないかというのは前々から何となく思っていたことですが、そうだとすると、確かにテレビじゃなかなか言いづらいでしょうね。何だか金田一耕助モノめいた話ですが(爆)。
次回のサブタイトルが「血」ですので、そこで全て明かされることはないにしても、このあたりのことは多少明らかになるのかもしれません。
はじめまして。
>いやぁもうテレビじゃこれ以上言えないと思われます。
>ゲーム本編でも明言できないくらいヤバイ話なんで。
守東家は代々近親相姦で続いてきたのではないかというのは前々から何となく思っていたことですが、そうだとすると、確かにテレビじゃなかなか言いづらいでしょうね。何だか金田一耕助モノめいた話ですが(爆)。
次回のサブタイトルが「血」ですので、そこで全て明かされることはないにしても、このあたりのことは多少明らかになるのかもしれません。
3. Posted by Avz 2007年05月31日 23:42
>次回のサブタイトルが「血」ですので
いえどうも鬼梗さま関連の話になる模様です。
>近親相姦
益之、清次の嫁は外からなんですが、
どうも、術師の名門から嫁を出してもらって
いる模様です。
いえどうも鬼梗さま関連の話になる模様です。
>近親相姦
益之、清次の嫁は外からなんですが、
どうも、術師の名門から嫁を出してもらって
いる模様です。
4. Posted by あたしか 2007年06月01日 22:10
>Avzさん
>いえどうも鬼梗さま関連の話になる模様です。
おっとそう来るわけですか〜。それは少々予想外でした。そう言えば鬼梗さまも(こそ?)謎だらけきわまりない存在ですからねぇ……。いつぞやの真名姫との会話における空海がどうのこうの、とか。
まぁそのへんは次回を見てから、改めて組み立て直していきたいと思います。
>いえどうも鬼梗さま関連の話になる模様です。
おっとそう来るわけですか〜。それは少々予想外でした。そう言えば鬼梗さまも(こそ?)謎だらけきわまりない存在ですからねぇ……。いつぞやの真名姫との会話における空海がどうのこうの、とか。
まぁそのへんは次回を見てから、改めて組み立て直していきたいと思います。