2008年10月04日

『あかね色に染まる坂』第1話(新番組)

43390ad9.jpg fengから2007年にリリースされた同名18禁PCゲームの非18禁アニメ化作品。先日PS2移植版(『あかね色に染まる坂 ぱられる』)が発売されたそうで、それに合わせてのアニメ化といったところか。

 「私立アミティーエ学園」に通う高校生“長瀬準一”は妹“長瀬湊”と二人暮し。夏休みのある日、“準一”は男たちにカラまれていた女の子を助ける。彼女からの申し出も断り、その場を颯爽と去っていく“準一”だが、その実彼女のことが激しく気になり、名前を名乗れなかったことを後悔しきり。さて迎えた二学期、さっそく遅刻しそうになったり、悪友の“西野冬彦”や“霧生つかさ”にからかわれたり、担任の“杉下清次郎”に弄られたりと、初っ端からずいぶんアレな学校生活を送るハメになった“準一”だが、そんな彼のクラスに転校生“片桐優姫”がやって来る。その姿を見て驚く“準一”――彼女こそ、この前彼が助けた女の子だったからだ。そんな縁もあり、何となくいい感じになっていく二人。しかし翌日、“優姫”が自分に気があると誤解した“準一”が、クラスメイトたちの面前で彼女にキスしてしまい、それで二人の関係は一挙にぶっ壊れてしまうのだった。「死なすーーっ!!」という“優姫”の魂の叫びが学園の空にこだましたその日の夕方、長瀬家に来客が。やって来たのは“優姫”だった。ファーストキスをいきなり奪われた屈辱に震えつつ、“準一”の許婚者として長瀬家に居候することになったのだと言う“優姫”。かくして、突如不条理な事態に叩き落された“準一”と“優姫”の明日はどっちだ……

――

 毎度のことながら、当方原作ゲームは未プレイ。とは言え、原作ゲームを作ったfeng(←“フォン”と読むそうだ)は毎回王道キャラとはっちゃけたシチュエーションを駆使した学園モノといった趣の美少女ゲームを作るソフトハウスとして、18禁PCゲーム界隈ではそれなりに知られているらしいということは仄聞しているわけで。「一途にイッても浮気してもOKなご都合主義学園恋愛アドベンチャー!!」(←同社が2005年にリリースした『White Princess』のキャッチコピー)とか、そういうノリの。まぁその程度のつき合いということで、ひとつ。

 さておき、原作ゲームには「ドラマチックツンデレ許婚ストーリー」という、これまたなかなかエグいキャッチコピーがつけられていたそうだが、今回の話をほよほよと見てみると、確かにこれはドラマチックツンデレ許婚ストーリーとしか言いようがないわなぁと思うところ。“優姫”の絵に描いたような(←って絵なのだが(←マテ))ツンデレぶりと許婚者ぶりを見るにつけ、そう思わされるわけで。で、ここに、主人公の悪友仲間といった趣の“霧生つかさ”やタカビー系おぜうさまの“綾小路華恋”、アイドル的人気を誇る生徒会長の“椎名観月”、(今回はラストに少しだけ登場していただけだったが)いつも誰かと交信している不思議少女といった趣の“白石なごみ”、そして妹の“湊”がダメ押し的に配されているわけだから、いかにもこの手のギャルゲーにありがちなエグい設定の女の子キャラに満ちているなぁと、個人的には頭抱えて笑うことしきり。“準一”に対して、何か“つかさ”が突然悪友以上の存在だと思い始めたり、“華恋”が突然彼に恋したり、“なごみ”が彼への想いを持て余すようになったり、“観月”が彼を特権的に振り回すうちに(ry――というテイストのシークエンスがどこか中盤あたりにカチこまれるんだろうなぁという、予言ともデジャヴュともつかない気分がするところだネ☆(←ヤケ)

 ――かかる具合に、18禁PCゲーム原作のアニメにえてして見られるような、萌え記号に満ちたキャラたちが跳梁跋扈しまくっているといった趣を見せているこの『あかね色に染まる坂』なのだが、その一方で、作品世界をもう少し仔細に見てみると、意外と周到かつ剣呑にしつらえられているように見えるのもまた、事実と言えば事実。ことにそれは舞台となる学校の名前が「私立アミティーエ学園」であるところに、かなりストレートに露呈しているように、個人的には思うことしきり。この「アミティーエ」とは、どう贔屓目に見てもamitie((仏)友情・友愛)から来ていると考えられるのだが、フランス語におけるamitieという言葉には、恋愛よりもむしろ友情というニュアンスが強く含まれていることを勘案すると、「私立アミティーエ学園」というネーミングは必然的に恋愛関係とは似て非なる関係のアレゴリーであると見ざるを得なくなるわけで。

 従って、このアレゴリー空間の中では恋愛関係よりも〈友情〉を基盤にした同志的(≒同性愛的)結合の方がより強力にフィーチャーされ、それに基づくシステムによって“準一”をめぐる人間関係が構築されていると言えるだろう。実際、彼には悪友の男子“冬彦”がいるし、担任の“杉下”が“準一”を弄るときに何だかBLテイストが織り交ぜられているし(笑)。そういう形で同志的結合がフィーチャーされる一方で、“準一”に近い位置にいる女性はというと、“つかさ”が“冬彦”と並ぶ悪友二号であり、“湊”は妹であるという形で、恋愛関係(に至る契機)はあらかじめしっかりと排除されているのだった。かような中に“優姫”が入ることで、このamitieに浸された人間関係がどのように変化していくことになるかが焦点になってくることは、まぁ間違いあるまい。今回はさっそく、“準一”との関係が盛大にぶっ壊れたのに、「親が決めた許婚者同士」という関係ゆえに同居せざるを得なくなるという形で、“優姫”が辱めを受けてしまったけれども。

 ところでこの『あかね色に染まる坂』は、監督が元永慶太郎氏でシリーズ構成・脚本が上江洲誠氏であることが放送前から何となく話題になっており、公式周りでも黄金タッグ再び! 的なノリでこのことがフィーチャーされていたわけで。そりゃまぁこの二人の前作が昨年最大級の怪作として名高いnice boat.『School Days』だったから、それもまぁ宜なるかなといったところなのだが、ということは“準一”は最終回においてやっぱり首チョンパされてしまうってこと?(←マテ) あるいは“湊”がヤンデレ化して「お兄ちゃんどいて! そいつ殺せない!」と叫んでしまう、とか(^^;――というような半畳を入れたくなるところではあるのだが、件の『School Days』で種割れ吹っ切れたのか、何だかおバカなヴィジュアルやシークエンスが随所にカチこまれており、ほよほよと見ていても呆れるやら何やらといった趣。劈頭むやみにスパイアクションモノめいたシークエンスで始まったり(おそらくこれが、“準一”と“優姫”が「親が決めた許婚者同士」であることへの伏線なのだろう)、“準一”が“優姫”の気持ちを慮ろうとするがそれは誤解だった上にキスしてしまったことで彼女との関係が決定的にぶっ壊れてしまうという一連の流れの中で、“準一”と“冬彦”がいきなりマクー空間(←某宇宙刑事的表現(←マテ))めいた超時空で魂を交感しあうようなシークエンスが差し挟まれたり、というところに、それは顕著だった。特に後者なんて、“冬彦”のCVが石田彰氏だったから、余計に(ry

 あと、CV陣の充実ぶりが個人的にはずいぶん印象に残った次第。“優姫”のCVが釘宮理恵嬢で“湊”のCVが平野綾嬢というあたりにそれは非常に顕著だった。ようこの二人を同時に使えたなぁ、という。で、ここに、井上麻里奈(“つかさ”)、加藤英美里(“華恋”)、田中理恵(“観月”)各嬢といった具合に、ピンでメインヒロイン張れる面々を惜しげもなく投入していたから、余計に印象に残るところ。まぁ釘宮嬢のツンデレキャラってこれで何人目やねん!? と思ったのもまた事実といえば事実なのだが、途中まで正統派美少女キャラといった態で上手く演じていたから(でも結局「死なすーーっ!!」以降は釘宮ボイスになっていたけど)、意外とマンネリ感はなかったわけで。あぁあとは“杉下清次郎”のCVが小山力也氏というのが個人的にはいい意味で頭抱えて笑。『仮面のメイドガイ』以降というか、『うたわれるものらじお』で柚木涼香姐と共演して以降、小山氏もすっかりネタキャラ声優に化けたなぁ(遠い目)。

 にしても、女の子キャラの絶対領域――オーバーニーソックスとミニスカートとの間にちょっとだけ見えた太腿のこと、だそうで――にアングルを合わせたカットがやたら多かったのも、何か意図があってのことなのだろうか(爆)。

 *番組公式サイト→http://www.mmv.co.jp/special/akasaka/



yami_yahma at 21:49コメント(2)トラックバック(14)アニメ  

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2. あかね色に染まる坂 第1話「あかね色のファーストキッス」  [ パプリカさん家のアニメ亭 ]   2008年10月04日 22:03
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4. あかね色に染まる坂 第01話 「あかね色のファーストキッス」  [ KTN:神奈川辺境交通 ]   2008年10月04日 22:31
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6. あかね色に染まる坂 第1話 「あかね色のファーストキッス」  [ のらりんクロッキー ]   2008年10月05日 01:26
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あかね色に染まる坂 第1話「あかね色のファーストキッス」 よろしければ押してやってください→  

コメント一覧

1. Posted by 渡辺   2008年10月05日 18:00
>柚木涼香姐と共演して以降、小山氏もすっかりネタキャラ声優に化けたなぁ(遠い目
同意せざるを得ません。
2. Posted by あたしか   2008年10月06日 23:15
>渡辺さん
 今回の小山キャラは出オチか! と思いました(爆)。

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