中の人

2008年10月26日

夏子と千和のツンピリラヂヲ

“翠星石”(CV:桑谷夏子)“藍華・S・グランチェスタ”(CV:斎藤千和) ところで、10月が改編期なのはテレビに限らずラジオでもそうなのだが、CVがパーソナリティを務める、いわゆる「アニラジ」と呼ばれる番組の場合、各種サイトからのストリーミング放送が爆発的に増えていることもあって、その開始時期もなかなか流動化しているもの。そんな中で先日始まったのが、この「夏子と千和のツンピリラヂヲ」。“翠星石”@『ローゼンメイデン』や“綾瀬夕映”@『魔法先生ネギま!』、“南都夜々”@『ストロベリー・パニック』などの中の人な桑谷夏子嬢と、“日向夏美”@『ケロロ軍曹』や“レベッカ宮本”@『ぱにぽにだっしゅ!』、“藍華・S・グランチェスタ”@『ARIA』などの中の人で、今期は“ケメコ”@『ケメコデラックス!』や“ルイス・ハレヴィ”@『ガンダム00』etcに出演中の斎藤千和嬢がパーソナリティを務めている(配信元はこちら)。

 上述したようにこの手のアニラジ界隈も、最近は各種サイトからのストリーミング放送が増えている――ことに新作アニメの公式サイト内において関連番組という態で始まる例がやたらと多いし――こともあって、全部を追うなんてことはほぼ不可能に近くなっているのが現状。そんな按配だから、たいがいの番組は、よっぽどのことがない限りは、その作品やパーソナリティの固定ファン以外に広く聴かれることなく推移していくものなのだが、そんな中でこの番組は、スポンサーがコンビニでおなじみの(?)“わさビーフ”の会社として知られる山芳製菓であること、そして何より、アニラジ界隈では長寿番組として知られる「VOICE CREW」で2001年から2002年にかけてパーソナリティを務めた桑谷嬢と斎藤嬢のコンビが復活したことが中の人界隈においてちょっとした話題となったわけで。実際、「伝説(?)のタッグが、時空(?)を越えて大フッカツ!!」とオフィシャルにフィーチャーされているし。そんなわけで、ソッチ(←どっちやねん)系関連ではない企業がネットラジオを配信して、しかもCVを起用すること自体きわめて珍しいこともあって、放送前から注目を集めていたのだった。

 件の「VOICE CREW」は基本半年ごとにパーソナリティが交替していくのだが、この二人のコンビは珍しく一年間続いたわけで(まぁ他に保志総一朗氏+榎本温子嬢や藤田圭宣氏+矢作紗友里嬢、現在の森久保祥太郎氏+藤田咲嬢という例もあるのでアレなのだが)、桑谷嬢+斎藤嬢というコンビが放送当時いかに支持されていたか、というもの。何しろこの二人で“coopee”というユニットを作ってCDまで出していたのだから。しかしそれにしても、斎藤嬢がマトモに歌手活動したのってこのときぐらいではなかろうかと、個人的には思うことしきりなわけで。Neko Mimi Modeやプリップリン体操といった彼女のその後の遍歴を見てると、その思いを余計に強くするところ(笑)。まぁ“coopee”も危うく(「千和」と「谷」を合成した)“ちくわ”というユニット名に決まりかけてたからアレなんだけど(^^;

 さておき、そんなことごとを適当に思い起こしつつこの「ツンピリラヂヲ」に接してみたわけだが、今回は第1回ということもあって、基本的には番組紹介や自己紹介、コーナー紹介に終始していた印象。でも昔の「VOICE CREW」時代を知っている者的には懐かしさが先立つことしきりだったわけで。“わさビーフ”に引っかけてか、「ツンデレ」ならぬ「ツンピリ」を前面に押し出していくらしいのだが、当時からやさぐれキャラではっちゃけていた桑谷嬢のピリピリぶりはともかく、斎藤嬢もすっかりピリッとした毒気のあるトークをするようになっているわけで、個人的には互いにパーソナリティとしてすっかり成長したなぁと、ほよほよと聴いていて遠い目になることしきり。当時は“可憐”@『シスター・プリンセス』あたりで一足先にブレイクしていた桑谷嬢が“こころ”@『ココロ図書館』でデビューして間もない様子だった斎藤嬢を引っ張っていくという形に展開していたわけで、その中で斎藤嬢もどういう形に自己のキャラクターを展開していくかやや模索気味だったのだが(で、彼女の画伯っぷりが際立っていくようになるのだった(今は「画伯」と言えば小林ゆう嬢だけど))、今や互いにいっぱしのCVパーソナリティとして並び立つようになっているわけで、その間のアレコレを考えるにつけ、何だかいろいろ一回りしたなぁと思うことしきり。アイドルとかを見守る心情って、こういうののもっとキッツイものなんだろうなぁ(←マテ)。

 そういう思い出話を差し引いてもなかなか面白かったが後半の「ヤマヨシセーカ世界征服への道」なるコーナー。山芳製菓で新商品開発の最前線に立っている人(もちろん素人)をゲストに招んで話を訊くという按配にスタートしたのだが、二人の弄りっぷりがすごいの何の(笑)。さすがに二人とも空気を読んでか逆セクハラ的なことは訊いてなかったが、それでもここまで素人弄りらしい素人弄りを聴かせるというのも、なかなか珍しかった次第。最近だと、アニラジ界隈に出てくる素人(たいてい(18禁PC)ゲーム会社の関係者)がえてして変にスレてしまっていることを考えると、ねぇ。しかも桑谷嬢も斎藤嬢も、件の開発部の人が持って来た新商品(正確にはまだ店頭に出てないプロトタイプのもの)を前に我を忘れてるし。仕事を忘れてお菓子を食べまくるというあたりは、いかにもアニラジ的ではあるのだが(爆)。開発部の人も上手いことやりよったなぁ〜〜。

 第2回以降どうなるかは分からないが、どれほど「ツンピリ」なエゲツないトークをしていくか、なかなか楽しみではある。既に「女性限定」と銘打ったコーナーで「「女性限定」という態で」云々と強調していたあたりに、エゲツなさの片鱗が垣間見えていたように個人的には思うところなのだが、さて……




yami_yahma at 21:51コメント(0)トラックバック(0) 

2007年11月11日

『アニたまどっとコムstandard まるなげ♪』

アニラジの部屋へようこそ - livedoor Blog 共通テーマ

marunage01marunage02 ところで、10月が改編期なのはテレビばかりではなくラジオでもそうなのだが、CVがパーソナリティをする、いわゆる「アニラジ」と呼ばれる番組群も――最近ではネットラジオの普及によってかなり流動化しているとはいえ――新番組の季節を迎えているわけで。当方10月はいろいろあってあって忙しかったので、ラジオのチェックは今月に入ってから始めるという体たらくだったのだが、そんな中で個人的に割と面白かったのがこの『アニたまどっとコムstandard まるなげ♪』。土曜日の25:00〜26:00にラジオ関西で放送されており、“岩倉伶音”@『serial experiments lain』や“八重野撫子”@『ななついろドロップス』(左画像参照)etcの中の人な清水香里嬢と、“福沢祐巳”@『マリア様がみてる』や“遠坂凛”@『Fate/stay night』(右画像参照)etcの中の人な植田佳奈嬢がパーソナリティをしている(詳細はこちら)。

 当方、予備知識をほとんど仕入れないまま聴き始めたのでアレだったのだが、清水嬢と植田嬢ってこの9月まで放映されていた『魔法少女リリカルなのはStrikerS』で共演していた(清水嬢は“シグナム”を、植田嬢は“八神はやて”を演じていたわけで)から、それ絡みの番組なのかなぁと思ったり、あるいは「まるなげ♪」ということは、川澄綾子姐と能登麻美子嬢をパーソナリティにこの秋まで関東で放送されていたラジオ番組「まるなび!?」をリニューアルして始めた番組なのかなぁと邪推したりしたもの。しかし実際に聴いてみると、『なのは』絡みでもなければ「まるなび!?」にも関係なかったわけで。うぅむ紛らわしい(←逆ギレ)。

 さておき、番組の方は「アニたまどっとコム 土曜日深夜の超見切り発車番組」というキャッチフレーズがついているだけあって(?)、ずいぶんとアナーキーなテイストに終始していた次第。ラジオ関西は週末深夜帯を「アニたまどっとコム」と名づけてブランド化し、ここにアニラジ番組を集中的に編成しているのだが、それと微妙に絡みつつ、しかし全体的には「超見切り発車番組」にふさわしい状態になっているといったところ。そもそも番組スポンサーが存在しない時点でこの番組がいかに見切り発車状態なのがよく分かるのだが、しかもそこに清水香里嬢のはっちゃけトークがかぶさっているのだから、これはもう。そう言えば清水嬢はかつて小野坂昌也氏とコンビを組んでラジオ番組をしていたことがあったわけで、声優でも誰でもラジオでは身を切ってぶっちゃけてナンボなんじゃボケェ! ってな小野坂イズムの最も正統的な後継者と目されているのだった(まぁ浅野真澄嬢や鹿野優以嬢といったライバルが最近は多いようだが)。

 で、そんな清水嬢に引っ張られてかあるいはもとからの素質が開花した結果なのかは分からないが、植田嬢も負けず劣らずアナーキー丸出しなトークを濫発していたわけで。特にリスナーからのグッズ開発案に(件の浅野嬢ほどではないにしても)貪欲にがっつくところが(笑)。個人的には植田嬢に関しては、関西弁キャラをよく演ずるということと本人が麻雀好き――仄聞するところでは、自宅に全自動麻雀卓があって、「雀荘うえだ」と呼ばれているとかいないとか――ということ以外は良くも悪くも普通のCVかなぁと適当にアタリをつけていたのだが、なかなかどうして。

 とりわけ個人的には、「まるなげ♪ 一時半またぎ」のコーナーに頭抱えて爆笑しきり。関西では25:30からABCラジオで『田村ゆかりのいたずら黒うさぎ』が放送されており、田村姫の全力失踪トークがウケて、アニラジ界隈ではなかなかな人気番組となっている様子。で、そんな番組が裏に控えているだけに、この25:30を境にリスナーが流出してしまうだろうからそれをなるたけ引き止めるという態でこの「まるなげ♪ 一時半またぎ」のコーナーがセッティングされているという按配。実際、両嬢とも田村姫(や25:00から同じABCラジオで番組を持っている平野綾嬢)への対抗意識をやたら燃やしていたし。とは言うものの、やってることはというと、清水嬢と植田嬢のどちらかがダーツを投げて流す曲をチョイスする、というものだったわけで、まぁかような行為自体は普通ではあるのだが、昨夜の場合、そうしてチョイスされて流れた曲というのが、先日破綻した某英会話学校のCMソングだった、という(笑)。ヒドい、ヒド過ぎる(←褒め言葉)。ちなみに仄聞するところでは、前回はなぜか「檄! 帝国華撃団」だったそうで。普通ならアルバムを出したこともある植田嬢の持ち歌とかを流すところなんだろうけど、ねぇ…… 

 まぁいずれにしても、清水嬢が発した「Don't think, feel, and buy.」というキメ台詞が全てを表わしてるなぁ、といった趣のする番組であることには変わりないわけで。「考えるな、感じろ、そして買え」て(笑)。まぁ個人的にはクロストークになると時折清水嬢と植田嬢の声が聴き分けられなくなってしまうのが(爆)。そういうところに刻の流れを見たり見なかったり。って何だこのオチは。



yami_yahma at 22:33コメント(2)トラックバック(0) 

2007年04月30日

『Nana Kana』

4835d9b8.jpgアニラジの部屋へようこそ - livedoor Blog 共通テーマ

 ところで、4月が改編期なのはテレビばかりではなくラジオも同様なのだが、CVがパーソナリティをする、いわゆる「アニラジ」と呼ばれる番組群も――最近ではネットラジオの普及によってかなり流動化しているとはいえ――新番組の季節を迎えている次第。

 平日週末お構いなしに新番組が浴びせ倒されるように始まるテレビアニメと違い、ラジオの方はだいたい週末に偏っていることもあって、割とサクッとチェックできたわけだが、そんな中で個人的に割と面白かったのが、日曜23:30からラジオ大阪で放送が始まったこの『Nana Kana』。当ブログでも痙攣的に取り上げている声優ユニット「クローバー」の一員で、“鉄乙女”@『つよきすCool×Sweet』などの出演作がある井ノ上奈々嬢と、“恩田赤”@『REC』で主役デビューし、最近だと『らぶドル』や『地獄少女 二籠』に出演していた酒井香奈子嬢がパーソナリティをしている。

 さておき、同じ事務所に所属しているということでブッキングされた様子のこの二人。近々番組タイトルと同じ名前の「ナナカナ」というユニットを組んでCDデビューするそうで(楽曲自体は既にch19『アニメロビー』枠で流れているとのこと)、それとのタイアップを兼ねてといった趣でしつらえられた番組という按配であろうことは容易に察せられるところではあるのだが、しかしほよほよと聴いてみると、そういうしつらえを軽やかにぶち壊していく暴走トークが横溢していたわけで、個人的にはうぅむと唸ってしまうことしきり。

 ことにそれは第一回において際立っていた(詳細はこちらの「2007年4月14日配信」を参照のこと)。上述したように井ノ上嬢と酒井嬢は同じ事務所に所属しているのだが、プライベートでも同居しているそうで、そのことを公共の電波でカミングアウトするのもたいがいではあるところだが、この第一回ではいつの間にか、互いに相手に対して不満に思っていることをここぞとばかりに暴露するという話に突入していたわけで。「部屋が汚すぎる」やら「冷蔵庫に賞味期限切れの食べ物入れすぎ」「風呂入らなさすぎ」といった具合に。まぁ確かにかようなトークは、アニラジ界隈における、声優でも誰でもラジオでは身を切ってぶっちゃけてナンボなんじゃボケェ! ってな小野坂(昌也)イズム的には最高の展開ではあるが、ここからどういう方向に持っていきたいかが気になることしきりではあるのも、また事実。第三回における、井ノ上嬢が(番組企画の一環として)競艇場に連れて行かれてオケラになる話ってのも、面白いと言えば面白いんだけど、ねぇ……。頭抱えて笑。

 にしても、こういうラジオ番組という形だと、井ノ上嬢の進行や仕切りの上手さというのが割と印象に残るわけで。そりゃぁまぁ宮崎羽衣嬢や斎藤桃子嬢といった、妄想暴走で破天荒なまでにボケ系キャラな面々とユニットを組んでいるとそうなるのだろうけど、両嬢ほどではないにしても破天荒遊戯な酒井嬢を上手く御していたところは、何か手慣れてるなぁと思うのだった。




yami_yahma at 23:49コメント(0)トラックバック(0) 

2007年03月11日

宮崎羽衣「まもらせて…」

dd9d4f4b.JPG 最近だと“木之坂霧乃”@『Gift 〜Eternal Rainbow〜』や“巳屋本いろは”@『すもももももも』のCVを担当している宮崎羽衣嬢は、井ノ上奈々、斎藤桃子、庄子裕衣各嬢と「クローバー」というユニットを組んで音楽活動をしているが、それと並行してソロでもシングルをリリースしている。そんな宮崎嬢の本人名義でのサードシングルがこの「まもらせて…」。現在放送中のアニメ『Master of Epic: The Animation Age』のエンディングテーマとなっている次第。カップリングは“WE LOVE YOU”。

 当方クローバーの方に関してはシングルやアルバムにそれなりに接してきてはいるものの、宮崎嬢のソロ活動の方に関しては、これまでCDを買ってまでリサーチはしてこなかったわけで(爆)。実際、彼女のシングルも前二枚は華麗にスルーしていたし(ラジオCMとかで聴いたことはあるのだが)。かかる具合だから、新谷良子嬢の「迷い姫ぱにっく」を買ったらカップリングが宮崎嬢の“クレヨン”だったという形でしか彼女のソロヴォーカルには接したことがないのだった。つまり基本的に関心の埒外にあったわけであるが、知人の声優ファンな理論家が彼女をいろいろな意味でプッシュしていたので、とりあえず食わず嫌い状態からは脱さなければならないかなぁと思って購入してみた次第。

 さておき、“まもらせて…”の方であるが、こちらは今やすっかりLantis/Mellow Headレーベルの桂冠作詞家といった様相を呈している畑亜貴女史が作詞し、声優のお歌界隈では意外と名が通っている様子の橋本由香里女史がアレンジに加わっており、そう言えばこの顔合わせってクローバーの楽曲でまま見られたなぁと思い返しつつ、ほよほよと聴いてみた次第。エンディングテーマということもあってか、あるいは宮崎嬢のマーケティング路線的な事情か、全体的には基本的にソツのない感じに仕上がっているように、個人的には思うところ。『まじかるカナン』や『D.C.S.S.』に出ていて、テーマソングやキャラソンを歌っていたと思しき頃から較べると、割と滑らかに耳に入ってくる楽曲に仕上がっているように、個人的には思うところ。

 ただ、そこで終わらないのが宮崎嬢の良くも悪くも気になってしまうところではあるわけで。“まもらせて…”というタイトルや、あるいは♪私は君の中にいるよ or♪まもらせて欲しい という詞に彼女独特のどこか歪な声質の歌声で際会すると、不穏な気分になってしまうことしきり。
(続く)


yami_yahma at 20:12コメント(0)トラックバック(0) 

新谷良子「The Great Bambi Pop Swindle」

62d42ef6.JPG “ミルフィーユ桜葉”@『ギャラクシーエンジェル』という当たり役を持ち、現在放送中のアニメでは“レイチェル・ベニング”@『RED GARDEN』や“沙英”@『ひだまりスケッチ』を演じている新谷良子嬢のニューアルバム。

 新谷嬢が上述のごとき声優活動と並行して、三枚のオリジナルアルバムを筆頭に歌手活動の方にも精力的に取り組んでいることは、当ブログでも何回か取り上げたことがあるが(こちらこちら)、その中でも、これまで諸々の事情のゆえに収録されてこなかった楽曲もあるわけで、今回の「The Great Bambi Pop Swindle」では、それらを中心に、持ち歌のリミックスバージョンやライヴバージョンなどが収録されている次第。で、そこにシングル「恋の構造」「Wonderstory」に同梱されていたPVや、昨年12月に川崎にあるライヴハウスCLUB CITTAにて行なわれたファンクラブ会員向けライヴの模様が抄録されたDVDが付属している、という按配。

 で、ほよほよと聴いてみると、まず出てくるのはあぁこんな曲もあったなぁという感慨だった次第(爆)。当方、新谷嬢の歌手活動は――ライヴには行ったことはないものの――割と継続的に概観してきており、彼女が自身の名義のもとに出した楽曲についてはそれなりに接してきているのだが、それでも今回久しぶりに聴いた楽曲も多々あるわけで。とりわけ“世界で一番ボクが好き!(Romantic Bambi Mix)”や“こうすっとゴースト 〜おばけちゃんえかきうた〜”あたりが。まぁ確かにアルバムをそれなりに聴いてきた身からすると、このあたりの曲ってば決定的に傾向が異なる(特に後者)から、ねぇ。♪どろどろどろどろ……

 改めてここで云々するまでもなく、声優が歌手活動も精力的にこなすという流れは今やすっかりデフォルトと化しているのだが、わけても新谷嬢の場合、〈バンビポップ(Bambi Pop)〉という私ジャンルを掲げた上でそれを行なっているわけで、そのことが彼女の歌手活動を、他の声優のそれと違ってきわめて独特なものとしていると言っても、決して揚言ではあるまい。「声優がお歌を歌うこと」が帯びる意味や文脈をあらかじめ知悉し、綿密にシミュレーションした上で楽曲からリリック、PVなどに現われてくるスタイルに至るまで戦略的に再構築していくことが〈バンビポップ〉の名のもとに実験-実践されているところに、新谷嬢の卓越性が存在する。

 で、その実験-実践は昨年発売された三枚目のアルバム「空にとける虹と君の声」において一つの達成というか勝利(何にやねん)を見たわけで。実際、このアルバムは新谷嬢のディスコグラフィの中で最高の売り上げ枚数を記録したそうだが、売れ行き云々はともかくとしても、鉄壁の構成とポップの大義を生きることの外さなさがここにおいて過去最高に窮まったことは、まぁ間違いあるまい。かかるアヴァン・ポップ・アーティストとしての相貌をいぇいいぇい♪(←新谷嬢のよく使う言い回し)と顕現させるところに、彼女の真に畏敬すべき部分がある。

 そうすると、今回の「The Great Bambi Pop Swindle」は、その「空にとける虹と君の声」に至る前史or閑話休題として、あるいはそこに至る中で発せられた呟きのごときものとして受け止められるべきものなのだろうか――しかしその一方で、かような臆見が色濃くつきまとうことになるような形で編まれたアルバムに「swindle(ニセモノ、詐取)」という語の含まれたタイトルをつけてしまうというのも、なかなかニヤリとさせられるところではある。古今のポップスの文法をコラージュした音の海の向こうで、プラスティックな、いかなる存在に受肉されることのない愛を歌うファム・ファタールはけっこうな悪戯好きのようで(笑)。



yami_yahma at 20:10コメント(0)トラックバック(0) 

2007年03月04日

Aice5「Love Aice5」

d40da0b3.JPG 堀江由衣、浅野真澄、神田朱未、たかはし智秋、木村まどか各嬢からなるユニット「Aice5」のファーストアルバム。

 一昨年末に結成されて以来、ファーストシングル「Believe My Love」のカップリング曲“友情物語”がアニメ『いぬかみっ!』のED曲に採用され、『天然女子高物語feat. Aice5』なるドラマCDが発売、昨年意外と評判の良かったアニメ『乙女はお姉さまに恋してる』に(その経緯はどうあれ)五人揃って出演といった具合に、ここまで順調にユニットとしてのキャリアを積んできた「Aice5」。まぁ当初はこの手のイロモノユニットの常として、シングルを一枚二枚リリースして、後は適当になかったことにするのかなぁなどと思っていただけに、かような具合にアルバムまで発売され、しかも今後も活動が続く様子であるらしい――4月から始まる『陸上防衛隊まおちゃん(再構成版)』のOP曲を歌うことも決定しているそうで――ことを勘案すると、一傍観者的にはずいぶん大がかりな話になったなぁと思うところ。「いかにもアイドル的なユニット」をやってみたいという堀江嬢の個人的願望から始まったにしては、という。

 さておき、かようなプロセスを経てリリースされたこの「Love Aice5」には、上述の作品に関連した楽曲(OP曲、ED曲、挿入歌、イメージソングetc)の他、各嬢が作詞しメインヴォーカルを張った楽曲も収録されている次第。結果としてアルバムオリジナル曲がなかなか多い按配になっている。ほよほよと聴いてみると、五人のヴォーカルが描き出す文化系女子的セカイ(をより大がかりにした感性)にうっとりしつつも、しかしその一方で感じるのは、全体的にやや過去志向かなぁということだったり。当方、以前に“Believe My Love”を聴いた折に何とも老獪な楽曲だなぁと感じたのだが、それは今回の「Love Aice5」所収の楽曲についても感じることしきりではあったわけで。

 もちろん老獪であるということは、各嬢の特質に割とキッチリと寄り添った曲が多くて(特にたかはし嬢がメインヴォーカルの楽曲“five arrows”あたりに、それは顕著だった)、ウェルメイドに仕上がっているということでもあるのだが、でもここから何か新しい局面が見出されるのかというと少々首を傾げてしまうところがあるのも、また事実と言えば事実。ポップはポップだけど、そこは十年ほど前のそれではないのか、と個人的には思うところ。まぁ確かに堀江嬢が突然アヴァンギャルドに突っ走ったら困惑する人は多そうだけど、ねぇ(笑)。そう言えば、以前、「あたしか君、Aice5に足りないのは若さだよ」と仕事先の同僚が言っていたものだが、こと楽曲のしつらえ的な部分に関しては、この同僚氏はムリヤリいいことを言っていたのだった。

 ともあれ、「いかにもアイドル的なユニット」をやってみたいという堀江嬢の個人的願望から始まっただけに、その「いかにもアイドル的なユニット」のシミュレーションとしてのしつらえや佇まいの良さを愉しむべきアルバムではあるのだろうけど、当方のようなヒネクレ者としては、むしろそのしつらえの美からダダ漏れしていくものの方が面白かったりするわけで。例えば、“友情物語”におけるバックトラックのアナーキーさを♪強く結ばれた絆 友情!! というフレーズでムリヤリ楽曲として成立させてしまう力技あたりに、それは顕著だった。

 でも一好事家視点で見ると、やっぱり、持ち前の(?)いっぱいいっぱいさでこの手のしつらえや佇まいの美を致命的にすり抜けていく木村まどか嬢の甘美な天然力に、おぉっと思うことしきり。他の四人と較べて、キャリアや知名度の点でやや遅れをとっている感のある木村嬢だが、この点に関しては普通にすげぇよなぁと、頭抱えて笑うことしか、もはやできない。



yami_yahma at 22:03コメント(0)トラックバック(0) 

2007年01月06日

『インターネットラジオどっとあい 喜多村英梨の第参新東京文芸部』(新番組)

 文化放送のインターネットラジオBBQR内で配信されている『インターネットラジオどっとあい』。ラジオパーソナリティの経験のほとんど(もしくは全く)ない若手女性CVを三ヶ月交代で起用して一人しゃべりをさせるという、何気にバクチ風味の漂う枠となっているのだが、今月から三ヶ月間は“音無小夜”@『BLOOD+』や“アムリア”@『シムーン』などで注目を集めている喜多村英梨嬢がパーソナリティに起用されている次第(番組blog)。

 今回は第1回ということで、喜多村嬢の自己紹介や番組コーナーの紹介が中心。元日にスタートというのもずいぶんな話ではあるのだが、やはり何より「第参新東京文芸部」という番組サブタイトルがかなりアレげだったり(苦笑)。元ネタバレバレやんと半畳を入れつつ(しかも自ら「オマージュ」と豪語しているし!)、「第参新東京」という言葉づかいを何のテレも衒いもなくできるという喜多村嬢の態度に時代の流れを感じて頭抱えつつ。「これが若さか……」(CV:池田秀一)。

 さておき、番組は「文芸的なこと」が大好きだという喜多村嬢の「脳内に存在する「第参新東京文芸部」(略して参芸)の活動を世に知らしめる」という形で進んでいくそうで。いかにもそれっぽい人にありがちなことを紹介(?)していく「先生! 田中くんは参芸部員です」コーナーと、リスナーからの投稿を踏まえながら番組オリジナルのドラマCD-R(何だそりゃ)を作っていく「参芸補完計画R」コーナーが用意されているのだった。まぁ第1回なので、両コーナーともまだ本格的にはスタートしていないのだが、当方的には、前者の例題としてあげられていた「(参芸部員は)読書感想文がいつもライトノベル」や「(参芸部員が)するケガの第一位は「(スクリーン)トーンで指先を切ってしまう」である」といったネタにややウケ。

 ところで仄聞するところでは、喜多村嬢自身がエラいオタクだそうで、実際、玄人はだしのイラストを描くことから巷間(←どこの巷やねん)「ヲタエリ画伯」と呼ばれることしばしなんだとか。そう言えば話題への食いつき方や好きなものごとの話になると急に元気になるというあたり、むべなるかなといった趣。と言うか貴女ハ当方デスカ!? と思うリスナーも多いのかもしれないね(←マテ)。

 いずれにしても、ツカミは上々だったので、久しぶりに聴取継続してみようかな。にしても、podcastで配信されている番外編のタイトルが「参芸セカンドインパクト」て!



yami_yahma at 22:21コメント(0)トラックバック(0) 

2006年12月31日

中原麻衣+清水愛「Chronicle」

498104a2.JPG 中原嬢と清水嬢がやたらと共演し、二人でテーマソングやキャラクターソングを歌っていることについては当ブログでもこれまで何回か話題にしたことがあるが(こちらとか)、そんな二人のデュエット曲ばかりを集めたベスト版という触れ込みでリリースされたのがこの「Chronicle」。「麻衣と愛だけのクロニクル、それは僕らのダブル・ファンタジー」というパンフレットの煽りに頭抱えて笑いつつ購入した次第。

 中原嬢と清水嬢は『おねがいツインズ』を皮切りに、『DearS』や『ストロベリー・パニック』etcといった作品で共演しているわけだが、ただ共演しているだけではなく、デュエットで上記のタイトルのテーマソングやキャラクターソングを歌いまくるなど、明らかにセットにして売り出されているところに、この二人が特殊な位置づけにあることがわかる。特に『DearS』においては、この二人で「PoppinS」というユニットを別口で組んだ上でそれを行なうという念の入れようだったわけだが、かかる形で両嬢は「声優がお歌を歌うこと」に全く新しい意味を与えてみせてきたといっても、さほど揚言ではあるまい。その総まとめがこの「Chronicle」という按配。

 さておき、中身は、上述の三作品の関連楽曲として――「中原麻衣+清水愛」名義だったり「PoppinS」名義だったりで――二人でこれまでリリースしてきたシングルやミニアルバムに収録されていた楽曲と、ボーナストラックとして2003年に放送された『妄想科学シリーズ ワンダバスタイル』のキャラクターソング集からソロ曲をそれぞれ一曲ずつという構成。で、そこにPVが収録されたDVDがついているという按配。当方的にはどれも個別に聴いたりCDを購入したりしてきただけに、どちらかと言うと新味に薄いところではあるのだが、しかしこうやって並べられているのをざっと通して聴くと、この二人のキャラ立ちっぷりのすさまじさに、うぅむと思うことしきり。そりゃ“秘密ドールズ”(『ストパニ』の初代ED曲)のPVでキスしてみせるほど煮詰まっているのだから、ねぇ……。

 中原嬢にしても清水嬢にしても、それぞれソロでのお歌活動の方も積極的に展開しているのだが、その中でリリースされた楽曲の方は、個人的に聴いていてどうも隔靴掻痒というか帯に短し襷に長し感が先立ってしまうところではあるわけで。一言で言うと中原嬢は情緒過剰気味だし、清水嬢は逆にスーパーフラット過剰気味だし。しかしながら、この二人が合わさると、お歌における二人の相反する志向性が上手い具合にブレンドされて、けっこう聞き良いものになるのだから、不思議といえば不思議なところ。楽曲的には昔のアイドル歌謡や少女マンガ原作のアニメのテーマソングあたりを元ネタにしつつ、この旋律やリズムを敢えて愚直にリサイクルしてみました的な形だけでしつらえられている楽曲が多く(特に『ストパニ』関連楽曲)、ほよほよと聴いているとそれいったい何十年前のセンスやねん!? と思わず半畳を入れたくなりつつ、しかしその「何十年前のセンス」を敢えてシミュラークル化してリサイクルしてみた、ということが思弁的には十二分に理解できるように組み立てられていたわけで。このあたりのあざとさには頭抱えて笑いつつも、しかし結果として極度にコンセプチュアルなしつらえの中に二人のキャラクター性を置き直し、ばかりか「中原麻衣+清水愛」独自のキャラクター性を最速で示すことにかなりの程度成功していると言えるだろう。で、それはPVによって、さらに加速度的に増していく。

中原麻衣+清水愛コンプレッソ・プラスティコ(松蔭浩之+平野治朗) ところで、かような具合に中原嬢と清水嬢が継続的にコンセプチュアルな活動をしているのを見ていて、個人的にはこの見立てってどこかで見たことあるんだけどなぁと思ってきていたのだが、最近ふと気づいた――両嬢の活動って「compresso plastico」(以下CPと略)のそれに存外似ているのだ。

 現代美術家の松蔭浩之と平野治朗のユニットとして80年代後半から90年代初頭にかけて関西を中心に活動を繰り広げていたというCP。作品自体は立体作品やインスタレーション作品など多岐にわたるが、ことにCPを語る上で絶対に外せないのは、自分自身をモデルにした作品であった。ときにそれはコスプレなどをともなうことになるわけで(上右画像参照)。美術評論家の椹木野衣は、CPのこの系統の作品群について、次のように述べている:

 CPは作中に作家自身が登場する点で、英国ギルバート&ジョージ(以下G&G)以来のポップアートの文脈を感じさせた。一方、当時の英国でG&Gがロック・シーンに対し与えた少なからずの影響については、あまり知られていない。すなわちCPは、G&Gとグラム・ロックとのあいだの失われた絆を、時間差を伴いつつも、極東において先取りするという側面を持っていた。事実、CPの作品に登場するふたりの姿は、ロック・スターというポップ・アイコンをシミュレートするという点において、はっきりと「キャラクター」化されたものであった。それくらい、CPはアート・ユニットとして過去に例を見ないほどロック色が強かった。(椹木「未来の美術の欠片たち 1988-1992再考」(『美術手帖』2003年10月号所収))

 ……当方ロック全般に対して徹底的に疎いのでアレなのだが、ポップ・アイコンをシミュレートすることを最初期に最速で行なったのがCPであること、そして現在の現代美術界隈にままみられるキャラクター志向のほぼ最初の例として、このCPの活動は重要であると言えるだろう。CPのアイコン化戦略は英国ロック・シーンにまま見られたっぽいホモジーニアスな雰囲気を色濃く反映している。してみると、中原嬢と清水嬢はその露骨な百合志向によって、裏返された形でとは言え、女性版CP状態にあると言っても、決して揚言ではあるまい。

 しかしさらに重要なのは、椹木がこのCPを招き、飴屋法水らとともに開いた展覧会が「909」と名付けられていたことである。《「909」とは「POP」の鏡像を示し、アメリカ経由で日本にもたらされた「ポップ」が、日本では亜流を超えて変異し、もはやポップとは呼べない領域に達しつつあるという仮定をアイコン化したもの》――椹木は新著『美術に何が起こったか』の中でこのように述べている。で、それは「オタク的なもの」へのカウンターとして構想されていたわけであるが、しかし、中原嬢と清水嬢の活動に接していて気づかされるのは、現在ではむしろ「オタク的なもの」の中に「909」としか言いようのないものが胚胎しているのではないか、ということである。



yami_yahma at 19:20コメント(0)トラックバック(0) 

2006年12月29日

牧野由依「天球の音楽」

a464cbd9.JPG 最近では“サクラ姫”@『ツバサ・クロニクル』や“中原岬”@『N・H・Kにようこそ!』の中の人としても知られる牧野由依嬢だが、中の人業と並行して歌手活動を行なっていることでも知られている。そんな牧野嬢のファーストアルバムとして最近発売されたのがこの「天球の音楽」。当方が購入した初回版にはCD本体と写真集が入っていた次第。

 さておき、個人的には何より『ARIA The ANIMATION』のOP曲“ウンディーネ”や挿入歌“シンフォニー”、続篇の『ARIA The NATURAL』のOP曲“ユーフォリア”が収録されていたのが普通に嬉しかった次第。特に“ウンディーネ”はアニメ本編との相性が異常に良かっただけに、シングルで発売されたときにうっかりして買い逃した身としてはありがたい限り。この他にも『N・H・Kにようこそ!』ED曲や『創聖のアクエリオン』ED曲などが収録されていたが、どれも安定した地力が発揮されており、露骨にハズレな楽曲というのは、当方が聴く限りではなかったように思うところ。

 まぁそれは割と周到にケアが行き届いた楽曲が収録曲の中に割と多かったことも大きいのだが、それ以上に、牧野嬢自身がむしろ歌手活動の余技として声優業をしているというイメージの方が人口に膾炙しているということが大きいように見えるところ。実際、“サクラ姫”のCVに決まったとき、歌手なのに演技ができるのか? というリアクションが――なぜ同名の役を『カードキャプターさくら』で演じていた丹下桜姐がキャスティングされなかったのかという猜疑ほどではなかったにしても――まま見られたものだった。

 ……そういうことをほよほよと思い起こしながら、そう言えばこの「天球の音楽」がビクター(m-serve)からリリースされていたなぁと立ち返り、納得することしきり。坂本真綾嬢や南里侑香嬢――梶浦由紀女史とのユニット「FictionJunktion YUUKA」名義で何曲かリリースしている――など、歌手活動の方が声優業よりも前面に押し出されている人というのがビクターからリリースされる人には多いわけで(もっとも、坂本嬢は今年“藤岡ハルヒ”@『桜蘭高校ホスト部』役で久々に声優としてスマッシュヒットを飛ばしたのだが)。牧野嬢もまたこの流れの上に位置するのだろうかと、個人的には思うところ。

 既に他の記事でさんざん述べてきたように、声優がお歌の方にも活動領域を広げること自体はすっかりデフォルトと化しているわけだが、決して多いとは言えない聴取経験の中でも、その際に方向性が二様に分かれつつあることが、とりわけここ数年強く感じられるわけで。多少類型化して言うと、声優と歌手として扱うか、「声優がお歌を歌うこと」を露悪的にでも前面に押し出すかで、レコード会社ごとに際立った違いが見出されるようになっているのである。で、管聴の限りで言うと、後者の傾向を最も強く押し出しているのがランティス/Mellow Headであり、前者の傾向を最も強く押し出しているのがビクターである。

 ことにビクターの場合、See-Saw(梶浦由紀・石川智晶両女史のユニット)、新居昭乃女史、ALI PROJECT*、savage genius、ROUND TABLE featuring Nino……といった本職のアーティストを多く擁しているわけであるが、上述のアーティストたちと声優とを音楽的にことさら隔てることなく扱っているところに特徴があると言えるだろう。もちろんビクター方式とランティス(/Mellow Head)方式のどちらが良いかなんてことは一概には言えないし、それぞれ一長一短あるわけではあるのだが、かような形で整理できる、「声優がお歌を歌うこと」をめぐる音楽的な見解の相違の最前線に牧野嬢も位置づけられることは、間違いあるまい。

 まぁそういうことにあまり思いを致さなくても、繊細さと儚さという線を歌の中で決して崩すことなく歌い切る地力に浸っているだけでも十分元は取れるわけで。

続きを読む

yami_yahma at 23:20コメント(0)トラックバック(0) 

クローバー「4HOPES」

bac6978a.JPG 井ノ上奈々・宮崎羽衣・庄子裕衣・斎藤桃子各嬢からなる四人組ユニット クローバーのファーストアルバム。

 このクローバーに関しては、当ブログでもセカンドシングル「マジスキMAGIC」とサードシングル「Poppin’ Heartはひとつだけ?」について触れたことがあるが(こちらこちら)、今回のアルバムでは当然のことながらそれ以前からの楽曲も収録されているわけで。もっとも、事情通に言わせると、これまで曲を発表する機会自体は多かったそうで、逆になぜなかなかアルバムが出ないのか訝る声もあったりなかったりといった趣だったらしい。その意味では今回のこの「4HOPES」はファンにとっては満を持してリリースされたアルバムということになる。まぁ一傍観者から見れば、それぞれ個々の活動が目立ってきたこの時期まで待ったのはある意味正解なのかもしれない、とも思うところ。以前はどうしても(“アイシア”@『D.C.S.S.』あたりで既にソロ活動を始めていた)宮崎嬢+他三人というイメージが拭えなかった部分があっただけに。

 さておき、中身はこれまでリリースされた三枚のシングルとそのカップリング曲、番組制作+マネジメント会社ラムズ(←彼女たちはここの所属)が制作したオリジナル実写作品のテーマソングに使われながらこれまでCD化されたことのなかった楽曲数曲、及び各嬢のソロ曲という構成。で、一通り聴いてみると、個人的にはどうも各楽曲間の質的なバラつきが大き過ぎるという印象を真っ先に抱いてしまうところ。確かに四人で歌っている曲とソロ曲とが混在しているだけに、もともとごった煮テイストが容易に醸し出されているところではあるのだが、にしたってこのバラつきの大きさは、チトものすごい。

 既に他の記事でさんざん述べてきたように、声優がお歌の方にも活動領域を広げるようになって久しいわけであるが、とりわけ最近は「声優という、本職の歌手じゃない人ないしユニットが音楽活動をする」という構造自体に自覚的であることが一方で求められてきているわけで、その中でコンセプチュアルなパッケージングというのが急速に重要なものとなってきていることは、ここで改めて指摘しておく必要があるだろう。つまり、「声優がお歌を歌うこと」を可能にする、歌い手や楽曲が乗せられる文脈の方が重視されるようになってきているわけである。従って、この文脈をきちんと読み抜き、上手く介入していくことが、送り手側にも受け手側にも求められることになる(だから余談になるが、時折痙攣的に繰り返される「○○をオリコンチャート1位にしよう」といったムーヴメントは、それ自体において既に反動的である(それはここで言う「文脈を読み抜くこと」の放棄でしかないのではないか))。

 かかる観点からこの「4HOPES」に改めて向き合ってみると、「声優が歌を歌うこと」ことが何か(≒80年代アイドルブームあたり)の代補行為とみなされていた六・七年ほど前だったらこれでも十分に許されていたのかもしれないが、今となっては仕掛けや介入のニブさの方が先に聴こえてしまうわけで、それは軽く致命傷なのではないかと、個人的には半畳を入れたくなってしまうところ。質的なバラつきの大きさは、ここに起因している。しかもこのアルバム、「声優がお歌を歌うこと」を成立させる文脈への仕掛けや介入がやたらと上手いランティスからリリースされているのに、である。

 してみると、このへんがやはり「ランティスの」というより「ラムズの」という接頭辞の方が先立ってしまう彼女たちの立ち位置的な難しさなのだろうか。せっかく「ポップドラッグ」という売り文句を冠しているのに、その射程を上述の“マジスキMAGIC”や“Poppin’ Heartはひとつだけ?”といった一部の楽曲以外確実に見誤っているところが惜しいといえば惜しいわけで。まぁそのことにおいて別のドラッグ性が醸し出されてきているのも、また事実なのだが(特に井ノ上嬢のソロ曲“Love Portion No.7”や斎藤嬢のソロ曲“ハッピーエンド”あたりに顕著だった)、それは本意ではないだろうし。「だが、それがいい」という人は多そうだけど、ね……

 次回作はもっとエッジを効かして押し出してもバチは当たらないと思うよ。――って誰に向かって言ってんだという話だが(爆)、聴いていて不意に口をついて出てくるのは、そういうことだったりするのだった。惜しい。



yami_yahma at 23:16コメント(0)トラックバック(0) 
Archives
livedoor プロフィール

あたしか

  • ライブドアブログ