既存のRGB画像ファイルをCMYKに変換するためにSeparate+とGIMPを使用することができますが、GIMPは画像編集全般の機能をカバーする大きなアプリケーションですし、作業効率を考えると割に合いません。単に変換を行うだけなら他のツールを活用するのが賢いやり方といえるでしょう。
変換に使えるツールはいくつかありますが、ここではメジャーなところでImageMagickを取り上げてみます。非常に多機能なツールなのでサクサクとまではいかないかもしれませんが、GIMPよりはずっと効率よく処理できるはずです。CLIですからバッチファイルやシェルスクリプトを用意すれば大量のファイルを一括変換することも可能です。
RGB→CMYKの変換は、そのものズバリでconvertコマンドを使用します。最も基本的な用法は次の通りです。
convert rgb.tif -intent Relative -black-point-compensation -profile JapanColor2001Coated.icc cmyk.tif
-profileオプションはプロファイルを指定するためのものですが、効果は文脈によって異なります。画像にプロファイルが紐付いている状態では、そのプロファイルのカラースペースと指定されたプロファイルのカラースペースとの間で変換が行われ、指定プロファイルが画像に紐付けされます。プロファイルの紐付けがない状態では、プロファイルの紐付けのみ行われ変換は発生しません。
-intentオプションはレンダリングインテントの指定です。これは基本的にRelative(またはPerceptual)でよいでしょう。Relativeを指定する場合は、-black-point-compensationオプションの併用が有用です。
プロファイルが埋め込まれていない画像を処理する際には、正しく変換が行われるように、画像のカラースペースに相当するプロファイルを指定してやる必要があります(都合、2つの-profileオプションを記述することになります)。
convert rgb.tif -profile AdobeRGB1998.icc -intent Relative -black-point-compensation -profile JapanColor2001Coated.icc cmyk.tif
処理対象の画像に埋め込みプロファイルを持つ画像と持たない画像が混在するケースでバッチ処理を行うには、ひと工夫が必要です。すべての画像が同じカラースペースであることが自明なら、-strip "+profile ICC"オプションで埋め込みプロファイルを破棄することで2番目の用法が使えます(注:-stripは全てのメタデータを破棄するオプションです)。そうでない場合には事前に埋め込みプロファイルの有無をチェックして1番目の用法か2番目の用法かを選択するようにしてください。埋め込みプロファイルの有無はidentifyコマンドを-verboseオプション付きで実行することで確認できます。
追記
現行バージョンをお使いの場合、convert、identifyなど用途別のコマンドがなく、代わりにmagickコマンドがインストールされているかもしれません。上記解説の範囲ではconvertをmagickに置き換えればそのまま動作するようです。
identifyコマンドの使用については以下のように代替します。
magick image.tif -verbose info:-
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