先日注文していたARROWS Tab WQ1/M(QH55/Mのカスタムメイドモデル)が届きましたので、これまでに収集した情報や使用して気づいたことを書いていきます(後日更新の可能性あり)。情報源はメーカーサイト・Twitter・ユーザーのブログ記事です。
液晶の特性について
色域(青線)はsRGB(赤線)相当……とはいかず多少の歪みが見られますが鮮やかさはsRGB並(以上)に確保できているようです。色温度の概算値は6105K、最大輝度は約278cd/㎡。
応答曲線(TRC)はおおよそガンマ2.2~2.3台でノートPCの液晶にありがちな白っぽさはありません。
RGB値(%) | 0 | 12.5 | 25 | 37.5 | 50 | 62.5 | 75 | 87.5 | 100 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
xy値 | 0.2580, 0.2549 | 0.3123, 0.3326 | 0.3188, 0.3430 | 0.3200, 0.3451 | 0.3204, 0.3461 | 0.3205, 0.3464 | 0.3204, 0.3464 | 0.3199, 0.3460 | 0.3202, 0.3460 |
グレー(RGBが等値)のxy色度値は上記のようになっていて、平均的なノートPCの液晶よりも安定したグレーバランスであると考えられます。
素の状態でもガンマとグレーバランスがそこそこ安定しているのでWebコンテンツの閲覧・鑑賞用として悪くないと思います。画像編集用としてみると色域の歪みが惜しいところですが、どの程度影響があるか事前に確認してから使う分には致命的な不都合はないでしょう。
CPUクロックについて(改善済み)
QH55/MのCPU、Atom Z3770は最大クロックが1.46~2.40GHzの可変となっていますが、QH55/Mではある値から上昇しない問題が存在すると言われています(「バースト問題」とも)。
当方の個体で確認してみたところ、タスクマネージャーの最大周波数の表記は1.46のままで実クロックが少なくとも2.37GHzまでは上昇することがわかりました。ステータスパネルスイッチ(本体側面のボタンで起動するメニュー)にCPUパフォーマンスを制限する項目があるため、通常は(条件がよければ)2.4GHzまで上がるようになっていて、ステータスパネルスイッチで制限される設定になっていればそれに従いリミッターがかかる、というのが本来の挙動なのではないかと思われます(それが全ての個体で正常に機能しているのかどうかは不明)。
ちなみにQH55/Mを持っていない方のために書いておくと、Windowsの電源プランを変更・カスタマイズして「最大のプロセッサの状態」を100%にするというのは少なくともコントロールパネルからはできません(該当項目が出てこない)。
追記:以下の動画では当方所有の実機で拙作のカラまねを動作させていますが、2.36GHzまで出ているのが確認できます。
以下は実際にバースト問題を抱えている個体のユーザーより。1.43GHzという値は共通なんでしょうか……?
@yamma_ma @sadoken12
突然失礼します。うちの子だと1.43GHz以上全く上がらないのですよ。どのモードでも(+_+)
— coneco (@necomakura) 2013, 11月 27
我が家のQH55/MのCPUは、どうも1.43GHzから上がらない、バーストしない個体だった。OneNoteのもっさり感が職場のSurface RTとさほど変わらないのはQH55/Mが高解像度だからだと思っていたが、違うのかな。
— Nezumi Kozou (@nezumi_1976) 2013, 11月 27
Atomプロセッサのクロック制御に関する説明が以下の記事にあります。BIOSアップデートによる改善の可能性に期待を抱くユーザーも。
- 複雑化するAtom搭載タブレットPCの性能評価(PC Watch)
追記2:BIOSバージョン1.12にて「CPUのパフォーマンスが上がらない場合がある問題」が修正されました。具体的にクロックが上昇しない問題、とは書かれていませんがバースト問題が発生していたユーザーからは改善したという報告があがっています。
USB給電について
QH55/Mには、USBコネクタが2つついており、一方が標準AタイプのUSB 3.0、もう一方がマイクロABタイプのUSB 2.0となっています。後者は変換ケーブルでアナログVGA、HDMI、有線LAN、USB(標準A)の各種ポートとして使えるほか、USB-ACアダプタなどを接続して電源供給することができます。
電源供給については、市販の2.1A出力対応ACアダプタに簡易測定機能付きの給電アダプタを取り付けて確認したところ、給電アダプタに500mA以下を示すLEDが点灯(LEDは~500mA、~1A、~2.4Aの3段階)。「充電に時間がかかる」「使用中は給電してもややバッテリーを消耗する」といった報告からも、あくまでUSBは補助電源とみておくのがよいでしょう。
参考:当方で試しにUSB給電をしてみたところ、次のようになりました。
- 9:30頃 電源OFF状態で給電開始(32%)
- 12:00過ぎ バッテリー残量確認とBIOSアップデートのため電源ON(41%)
- 12:25頃 シャットダウン(41%)
- 19:40頃 バッテリー残量確認のため電源ON(70%)
USB給電は約10時間で打ち止めになる仕様ですが、20時過ぎになっても充電ランプは点灯したままでした。途中で電源を入れた関係で打ち止めのタイミングが変わったのかもしれません。
ビデオドライバの電源設定について
パネル・セルフリフレッシュ
画面の表示内容に変化がないとき、GPUから液晶パネルへの信号送信を止めることで消費電力を低減する機能です。信号送信が止まっている間は液晶パネルのドライバ(コントローラ)側にあるメモリにキャッシュされた「最後の1フレーム分」のデータを使って表示更新を行う仕組みになっているようです。
この機能をオフにすることで、一部アプリケーションの動作がスムーズになるという報告があります。重さが気になるアプリがある方はダメ元で試してみてください。
ディスプレイ省電テクノロジー
ざっくり言うと表示内容を明るく補正する一方でバックライト輝度を落として、見た目の変化を抑えながら消費電力を低減する機能です。
大なり小なり表示画質が落ちるので、画像編集などを行う場合はオフ必須です。また、表示内容をみて動的に補正のかかり具合が変化するため、タイムラグにより違和感が出る場合もあります。そういう状況ではオフにするか「最高画質」寄りの設定に変更しましょう。
無線LANについて
IEEE 802.11a/b/g/n準拠ということでac(ドラフト)は利用できません。Android端末だとウリのひとつとして書かれることがありますが、QH55/MもMIMOアンテナ内蔵で理論値300Mbps対応になっています。
付属のスタイラスについて
芯
付属ペンの芯については
明日も秋葉寄るから触るけど、まずは一個だけ。
ペンの概念が一個上がってる。
ペン芯が全くブレずに、動かずに筆圧がダイレクトに伝わるタイプに。
ペン先交換はできるかわからないけど、このタイプにWACOMがしていくなら、今後は期待できそう。
— さどけん (@sadoken12) 2013, 11月 20
という報告もあるのですが、当方の個体に限って言えばユルユルのグラグラです(抜けそうというわけではない)。たまたまかもしれませんし、個体ごとのバラツキが大きいのかもしれません。
購入方法
富士通の直販サイトではオプション品のスタイラスは取り扱いがあるものの、QH55/M付属のスタイラスは購入できません。
取説を読むと以下の情報が記載されています。「ペンが破損したので取り寄せて欲しい」などと言って以下の情報を提示すれば量販店などからでも取り寄せできるかもしれません。
商品名(商品番号): スタイラスペン TAB2(0635197)
お問い合わせ先: 富士通コワーコ株式会社 お客様総合センター
電話:0120-505-279
※携帯電話・PHS からの場合:03-5520-5820 (通話料金お客様負担)
受付時間:月~金 9:00 ~ 17:30 (土・日・祝祭日・指定休業日を除く)
URL:http://jp.fujitsu.com/group/coworco/
コメント