生活習慣病という言葉を聞いたことのある方がほとんどだと思います。
皆さんが良く御存知のとおり、私達の食生活、生活パターン、嗜好品などの生活習慣が原因となっておこることが多い病気という意味です。
この生活習慣病には、糖尿病、高血圧症、高脂血症などが含まれます。
癌も広い意味では生活習慣病に含まれますが、今回は除いて考えたいと思います。
生活習慣病の恐いところは何でしょうか?
それは症状が無いということだと思います。
もちろん、糖尿病などの場合、血糖値が非常に高くなれば喉の乾きなどの症状はでますが、
一般的には無症状です。症状が無いので患者さん本人は別に困らない。
ここに恐さがあるのです。
症状がある場合、例えば胃が痛いという場合には比較的早く病院に行きますよね。胃潰瘍かな胃癌かなと考えると不安になって病院に行くということもあるでしょうが、やはり痛くて困るから病院に行くという方が多いと思います。
症状は病気から私達への警告と考えられます。ですから、症状のない病気は気づきにくく、発見までに時間がかかることが多いわけです。
無症状の病気には恐いものと、恐くないものがあります。
例えば、甲状腺の腫瘍を考えてみましょう。
甲状腺の腫瘍(できもの)は最近の検査技術の進歩によって多く発見されるようになりました。
しかし、その多くは放置していても寿命に関係無いのです。
一方、生活習慣病である、糖尿病、高血圧症、高脂血症は無症状のうちに少しずつ進行していくのです。
生活習慣病である糖尿病・高血圧症・高脂血症に共通するのは、無症状であっても確実に血管を破壊していくということです。
血管は、年齢とともに硬化(動脈硬化)していきます。
生活習慣病がある患者さんの場合には年齢に比して動脈硬化になる速さが早く、また程度が強いというわけです。
動脈硬化というのは血管の内側がゴツゴツになり、もともと柔らかいゴムのような血管が硬くなってしまう現象です。
動脈硬化になるとどうなるでしょう。
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