5月17日から半年がたちました。住民投票の投票日前日につづった3連投を再び投稿して、あの時をふり返っておきたいと思います。

効果額2700億円の実態【語られない真実 

 特別区設置の説明は極めて不十分であります。だから、本当に特別区設置が大阪市民に何をもたらすのかが分からないのです。

 例えば、17年間で2700億円の財源活用可能額が出ると言われる効果額。17年後という遠い先であることから、こんな効果をあたかもアルかの様に伝えることは好ましくないと訴えて参りました。
 実際、短期でみれば5年間で1000億円を超える赤字。すなわち、大阪市民が損をすることは明確です。


 それでも17年後2700億円を主張し続けられる維新の会。
 では、いったい2700億円って何によるものなのでしょうか?特別区設置に関しての効果とされていますが、実は約2700億円のうちの約1500億円、実に半分以上が地下鉄事業の民営化効果だって事を知っておられる方は少ないのではないかと思います。
 半分以上ですよ。

 地下鉄の民営化に対するスタンスは、我々も議会などで表明させて頂いております。将来的な民営化を否定するものではありません。しかし、大阪市として得られるとされる民営化効果というものは、まずは、安全性や利便性、バスとの連携やネットワークの構築に使われるべきものであるので、市民にとっては民営化しても、ぜずとも得られる効果額という言い方もできます。
 東京都だって、今でも都営の営団地下鉄があるわけで、東京のマネが大好きな思想に基づいても、大きな黒字を計上する大阪市営地下鉄事業を(仮に府に移管したとしても)即民営化する必要など何処にもないということになるのです。

 民営化そのものの議論は、別途必要です。
 本質は、特別区設置には大きな効果額があると言いながら、実はその半分以上が地下鉄の民営化効果であるという事実です。半分以上ですよ。ビックリですよね。他にも、決して特別区設置効果ではないものが多く含まれており、結果として、我々は実質的な再編効果なるものは、ほとんどないという結論に至るのです。


今の行政区どうなる?【語られない真実◆

 特別区設置に賛成する方々は、「対案は?」とよく言われます。そして、行政区をバージョンアップさせる「総合区」について「何も決まってないから将来像がない…」という言い方もされます。しかし、「総合区」はあくまでも今ある行政区をベースとすることから住民の生活に不安や負担を生じさせない形で展開を図っていける強みがあるのです。

 一方で、一つの大阪市が5つの特別区に分割された時に、今の行政区はどうなるのでしょうか?
 今の行政区の区役所は、区役所ではなくなり支所になりますが、その支所で行われる事業は「窓口サービス」以外は明確になっておりません。各行政区にある消防署も、消防が大阪府に事業移管されるため、今後の展望が見えません。
 すなわち、特別区設置により特別区で行う事務については、とりあえず協定書でも明記をされていますが、その特別区内でのエリアマネジメントの様なものがどうなるかが全く示されていないのです。
 270万人の人口の大阪市より小さくなるとはいえ、35万人〜70万人の人口をようする特別区。今の東京都の特別区ですら、例えば、世田谷区88万人人口でも5つのエリアに分けて、そのエリアに権限財源を渡すような取組みを行っている様に、都市内分権は必須です。特別区に分けて大阪市の人口規模より小さくなったからといって、区長を選挙で選ぶからといって、それだけで住民自治の強化などあり得ないのです。

 実は、今回の特別区設置において全く何も書かれていないのが、特別区内の旧行政区のあり方なのです。支所なんてものは、ゆくゆく統廃合されるのかもしれません。そのまま残すとすれば、その支所に権限や財源を渡すことになるのでしょう。現在の東京都の特別区の様に。では、その支所にはどの様な権限や財源が下ろされるのか?

 実は、今回の特別区設置は「総合区」以上に、現在の行政区エリアでの取組みがどうなるのかが不明確なのです。維新の会は、それを示すことはありません。示せないのです。
 どうなるかについては、維新のみで開催された特別区設置協議会でも議論されることもなく、協定書にも書いているわけでもなく、住民説明会で説明されることもないのです。

 仮に、現在の行政区と変わらない体制をとるのであれば、現在の行政区長が支所長になるだけで、それこそ大阪市を分割する必要などないのです。現在の行政区体制と変わるということであれば、今の地域コミュニティーや伝統・文化は確実に崩壊の一歩を踏み出すことになるのです。



白紙委任の協定書【語られない真実】

 特別区設置で住所が変わります。区名、町名が変わります。
 ただ、どんな風に分かるのかが、全くもって分かりません。

 「いやいや、区名は決まっているでしょ」「そうなんです」
でも、説明パンフレットのQ&Aを見れば、何故か?「区名も、区長の提案及び区議会の承認があれば変えることができる」ということがワザワザ書いてあるんです。
 これは、区名が気に入らいない人も、今回の特別区設置協定書に記された区名でヨシとされる方も、皆さんみんなで賛成して下さいネ…というメッセージになっているんです。とんでもないことです。勝手に、区割りや区の名称を決めておいて、その責めを感じてかどうかは分かりませんが、区名については気にせずに…というのはあまりにも無責任です。

 町名は一層複雑です。西成区では、「西成」という地名を残す事についてが、特別区設置の本質ではないにも関わらず、維新の会のヒドイ表現によって注目されることになってしまっております。本質は、やはり住民生活がどの様に変わるかです。形式ではなく、中身です。
 ただ、この町名の決め方についても、町名毎に意見を聞くとしていることから、今後の混乱が予想されます。

 すなわち、例えば大阪府大阪市西成区においては
大阪府大阪市西成区玉出東 ⇒ 大阪府中央区西成玉出東 
大阪府大阪市西成区玉出中 ⇒ 大阪府中央区玉出中
と同じ西成区内においても2パターンの町名が存在しうることになるのです。地域の混乱の火種です。地域文化やコミュニティーは蔑ろにされている様なものです

 結局、何も決まっていない。賛成すれば白紙委任をする様な状況になってしまっているのが、今回の特別区設置協定書なのです。

 どこに連れていかれるのか分からないバスには乗れません。
 幸せになると言われても600万円する壺は買えません。買いません。


 意思表示は明確にする必要があります。
 投票に行きましょう。
 そして、
 「反対」と書きましょう。