二階幹事長が早々に解散については否定的なコメントを出されたものの、今年秋口の解散の可能性がささやかれたからこそ否定コメントにつながったわけで、当然、確定ではないにしても、10月25日あたりの衆議院総選挙も一つの選択肢であることが確認ぐらいされたのであろう。
「された」と仮定して話を進めるのは、失礼であることは承知の上で、衆議院解散総選挙と大阪市廃止分割を問う住民投票(いわゆる大阪都構想の是非を問う住民投票)の投票日が重なれば、大阪の選挙情勢がカオスになることを抑えておきたい。
大都市法による住民投票の欠陥
大都市地域の特別区の設置に関する法律(以下「大都市法」という)によって実施される法的根拠に基づく住民投票は、通常の選挙と異なり<候補者>という存在がないこともあって様々な点において規制がない。
・ボスター、看板、ビラの配布については、大きさや枚数制限など無し
・街宣車の利用や拡声器についても、時間帯は公職選挙法に基づくが数に制限は無い
・演説会、街頭演説、連呼行為にについても、公営会場での制限はあるものの自由である
・電話、テレビ、ラジオ、ネットなど、あらゆる媒体を活用しての広報が可能である
・一番特徴的な拘束されない活動として、投票日当日の活動が認められることがあげられる
あまりにも規制がなさ過ぎて、資金を投じれば世論を大きく動かす広報も可能なのではないかと感じる。
そのような現状にあって、5年前に住民投票を経験した立場から橋下氏がCMの規制を主張したり、松井氏が投票日当日の活動規制に言及したりもしている。都構想の賛否については異なる立場であった私も、同様に投票日当時の活動は制限されるべきだると感じるし、CMについても何かしらの枠を定めて、その範囲内とすることが求められると考える。
実は、この大都市法は民主党政権下、当時は未だ大阪都構想を標榜する維新の会が国政政党になっていない時に主要7会派の共同提案で2012年8月に可決された議員立法である。議員立法により成立した法律が全てそうであるというつもりはないが、大都市法はとりわけ政治的な駆け引きによって提案成立となった荒削りな法律であると言わなければならない。そして、課題が多くみられる法律であるにも関わらず、議員立法であるが故に自己否定につながる(課題を解決するための)法改正も進むことがない厄介なものである。
住民投票×解散総選挙
では、このイレギュラーな住民投票と衆議院解散総選挙が同日となれば、どうなるのか。広く認知されていることではないが、住民投票に対する活動が総選挙期間においては悉く規制されることになるのだ。ほぼできない…という言い方をしても過言ではない。

図は、住民投票の告示以降の住民投票活動について記したものである。衆議院選挙が始まるまでは、制限のない自由な活動ができるのに対して、選挙が始まると電話やネット・SNSを通じての活動以外、住民投票のみの活動ができなくなるのだ。街中の政治活動の新たな広報物、聞こえてくる街宣車の声などは、衆議院選挙に立候補する届出政党や候補者のものに限られてしまうことになる。(候補者を出していない)その他の政党や政治団体においても活動が制限されることから、実質的に住民投票が行われているという空気が街中にあふれることはなくなるかもしれない。
もっとも個人の活動は制限されるものではない。個人の活動の集合体が団体であると考えれば、個々人が幅広く活発に活動すれば政治団体の活動の制限は無意味であるとも言える。しかしながら、よっぽどの有名人が個人として活動しない限りにおいては有権者にメッセージは届くものではないと推察される。個人の活動には限界がある。
となれば住民投票に向けての賛否を促す主張は、不可能になるのかと言えばそうではない。総選挙に立候補する者や政党が、その選挙活動の政策の一つとして大阪都構想について賛成や反対の主張をすることは妨げられているわけではない。よって、政党あるいは立候補者の広報物の範疇として、その記載内容に住民投票に関する事象を盛り込むことで賛否のアピールをすることは可能ということになる。マイクを使って街頭で、候補者が公職選挙法に則り訴えをする中で、住民投票についての考えを述べることも差支えは無い。
大阪におけるカオス
実際に住民投票と衆議院選挙が同日となれば、何が起こるのか。現状、大阪において都構想に対して明確に賛成している政党は、維新の会と公明党。反対しているのは、立憲民主党と共産党ということになる。自民党は反対の傾向にあるが、足並みの乱れが想定される。
言うまでもなく、大阪にある19の衆議院選挙区のうち、自公連立の中で4つの選挙区は公明党が小選挙区の議席を持っており、自民党は立候補者を擁立することはなく解散時に立候補者となり得る選挙区支部長も(府連会長が兼任する形で)不在となっている。住民投票の対象となる大阪市において、3区・5区・6区が公明党の選挙区である。自民党が候補者を擁立する選挙区において、その自民党公認候補者が都構想反対をどの程度明確に主張するのかどうかは定かではないとして、自民党が候補者を立てない選挙区においては、国政与党として大阪都構想に対して反対する声が上がらないということになるのだ。
先ほどの図表を改めて確認してみる。衆議院選挙が始まれば、住民投票の活動は実質的に衆議院選挙の政党・候補者の活動に包み込んでしまわれる状況になることから、衆議院選挙というフィルターを通して主張がなされることになる。
衆議院選挙における対立の構図と住民投票における賛否の構図とが異なれば、非常に複雑な様相になることは容易に想像できるのではないだろうか。
同日選挙の可否
住民投票は11月1日に実施予定とされている。大阪維新の会の代表である松井大阪市長は、解散総選挙が10月25日かと囁かれた日に、コロナ次第とのエクスキューズを加えつつも11月1日の実施に向けての意欲を示した。偶然の一致なのだろうか。
仮に同日の投票日になるとすれば、衆議院が解散される時と住民投票の投票日が確定する日(大阪府議会・大阪市会で特別区設置協定書案が可決される日)に、(想定される投票日が1週間ほどの違いで)大きな日程のズレがないとするならば、おそらく同日に合わせる作用がコストカットの視点から働く。
11月1日か、10月25日か、はたまは11月8日かは分からないが、コロナ感染拡大の第二波の注意が必要と言われる今年の秋冬を前にということを考えれば、その前が一つのタイミングと考えられてもおかしくはない。
ただ、大阪市がなくなるかどうかを決める、大阪の未来を定める、大阪市民にとって非常に重要な住民投票の広報活動が、それをのみ込むような形で衆議院総選挙が行われることによって薄まるとするならば、それはそれで問題なのではないだろうか。
コロナ禍においても、地方選挙は予定通り行われている。国政選挙も行われることも否定されていない。住民投票も、選挙ができるのであれば自粛する必要などないという意見が大勢を占めることになるだろう。(長くなるので割愛するが、住民投票と市民代表を選ぶ選挙とは根本的に異なる事から、選挙ができるのであれば住民投票もできるという論理はおかしいと思っていることを書き添えておく。)
別の言い方をすれば、住民投票と同日になる解散総選挙が実施されるとするならば、大阪は日本全体の犠牲となって、市民自治についての住民投票に向けての活動が阻害されるということになる。
大きな壁は、いつも目の前ではなく彼方に大きく大きく立ちはだかっていることを常に感じさせられる。
“10月25日投開票説”が永田町で囁かれるワケ
10兆円の予備費は“第3次補正予算”?
まことしやかに10月25日投開票説が、一部の自民党議員の間で囁かれている。きっかけは、5月27日に閣議決定された第2次補正予算だ。
雇用調整助成金の拡充や家賃支援給付制度など、第1次補正で実現できなかったことや第1次補正で不十分だった箇所を補強し、歳出総額は31兆9114億円にのぼる。これは過去最大だった第1次補正よりも多額だが、何よりも注目されたのが10兆円もの「新型コロナウイルス感染症対策予備費」だ。
「感染症対策」と銘打っているが、予備費はその使途については国会によるチェックが働きにくい。「実際にはこれが“第3次補正予算”ではないか」との声がある。
通常国会は延長なし
理由は通常国会が6月17日に会期末を迎えるが、会期延長の様子は見えないからだ。本来なら会期を延長して、しばらくは新型コロナウイルス感染症の動向を見極めるのが筋だが、安倍政権は東京高検検事長の定年延長・辞職問題や河井案里参議院議員の運動員買収事件など、国会での追及を避けたい意向。国会を閉会させて世論の鎮静化を狙っているようだ。
もっとも解散総選挙で“禊”をするという手もあった。当初囁かれていたのは、7月5日の早期解散説。東京都知事選と同日で、自民党は独自候補擁立を諦めて現職の小池百合子知事とタッグを組むというやり方だった。
しかし自民党東京都連の一部は小池知事との共闘を頑なに反対。さらに毎日新聞の世論調査では内閣支持率は27%で、朝日新聞では29%という結果も出た。毎日新聞に至っては自民党支持率は25%で、「青木の法則(内閣支持率と与党第1党の支持率を足して50以下になれば、内閣は倒れる)」の分水嶺となる50%に迫るという状態だ。
「10兆円の予備費で、とうぶんは国会は開かれないだろう」と、ある自民党議員は言った。
「秋には新型コロナウイルス感染症の第2波が来るかもしれない。来年の選挙は難しいので、その前がラストチャンス。国会で野党の追及場面がなくなり黒川問題も忘れられ、10月になれば第2次補正でばらまいた効果もゆきわたる。『やはり安倍政権でなければ』ということになるだろう」
第2波次第だが……
一方で、人間の思惑通りに進まないのが自然の摂理だ。緊急事態宣言が5月25日に全国的に解除されたものの、福岡県・北九州市では早くもクラスターが発生した。東京都も5月29日には22人の新規感染者を出した。感染経路不明者の割合は54.9%となり、東京アラートの基準のひとつである「50%」を超えている。
にもかかわらず小池知事は、6月1日から緩和の第2段階に移行することを発表した。都知事選を目前にして、後戻りはできないのだろう。
国政も都政も、コロナウイルス感染症対策を政治日程に合わせているという印象が否めない。「10月25日投開票説」も、一部では「すでに官邸は日本維新の会に伝達した」とも言われている。官邸は維新に加え、国民民主党にも触手を伸ばしているようだ。とするならば、これから4か月は政界再編も含めて大きな政局となるにちがいない。
都構想住民投票「最終判断は9月」松井市長
大阪維新の会代表の松井一郎・大阪市長は29日の記者会見で、大阪都構想の住民投票の実施時期について「9月を最終判断の時期としたい」と述べた。
住民投票を予定通り11月に実施するためには9月中に大阪府市両議会で制度案の議決を得る必要がある。松井氏は、制度案を議会に提出するかどうかは7月に判断し、提出したとしても新型コロナウイルスの感染拡大の状況によっては「(議決せずに)継続審議とし、11月の(住民投票の)実施をやめる手法もあり得る」とした。
ただ、新型コロナの現状は、大阪府が定めた感染拡大の再警戒基準「大阪モデル」の達成が続いているとし、「このままいけば、予定通り11月に実施したい」と強調した。
衆院の早期解散に否定的な考え示す 自民 二階氏
衆議院の解散・総選挙をめぐって、自民党の二階幹事長は、新型コロナウイルスの感染拡大防止に全力を挙げるべきだとして、早期の解散に否定的な考えを示しました。
衆議院の解散・総選挙をめぐって、立憲民主党の枝野代表は先週、緊急事態宣言の解除を受け、いつあってもおかしくないという認識を示しました。
これについて、自民党の二階幹事長は、記者会見で「十分な準備もなく、ただ張り切ってそういうことを言う人や党があるが、われわれは準備万端整えている。解散はあすあってもいい」と述べました。
一方で、「早期解散の必要性を感じているわけではない。こういう時に解散すべきかどうかは別問題だ。今は新型コロナウイルスの問題の解決に努力することが大事だ」と述べ、早期の解散に否定的な考えを示しました。
また、二階氏は、安倍総理大臣が来年9月までの自民党総裁任期を延長して4期目を目指すと決意すれば、支援する考えに変わりはないとする一方、「安倍総理大臣から積極的に表明があって、支援すべきであり、私から伺いをたてるものではない」と述べました。
「された」と仮定して話を進めるのは、失礼であることは承知の上で、衆議院解散総選挙と大阪市廃止分割を問う住民投票(いわゆる大阪都構想の是非を問う住民投票)の投票日が重なれば、大阪の選挙情勢がカオスになることを抑えておきたい。
大都市法による住民投票の欠陥
大都市地域の特別区の設置に関する法律(以下「大都市法」という)によって実施される法的根拠に基づく住民投票は、通常の選挙と異なり<候補者>という存在がないこともあって様々な点において規制がない。
・ボスター、看板、ビラの配布については、大きさや枚数制限など無し
・街宣車の利用や拡声器についても、時間帯は公職選挙法に基づくが数に制限は無い
・演説会、街頭演説、連呼行為にについても、公営会場での制限はあるものの自由である
・電話、テレビ、ラジオ、ネットなど、あらゆる媒体を活用しての広報が可能である
・一番特徴的な拘束されない活動として、投票日当日の活動が認められることがあげられる
あまりにも規制がなさ過ぎて、資金を投じれば世論を大きく動かす広報も可能なのではないかと感じる。
そのような現状にあって、5年前に住民投票を経験した立場から橋下氏がCMの規制を主張したり、松井氏が投票日当日の活動規制に言及したりもしている。都構想の賛否については異なる立場であった私も、同様に投票日当時の活動は制限されるべきだると感じるし、CMについても何かしらの枠を定めて、その範囲内とすることが求められると考える。
実は、この大都市法は民主党政権下、当時は未だ大阪都構想を標榜する維新の会が国政政党になっていない時に主要7会派の共同提案で2012年8月に可決された議員立法である。議員立法により成立した法律が全てそうであるというつもりはないが、大都市法はとりわけ政治的な駆け引きによって提案成立となった荒削りな法律であると言わなければならない。そして、課題が多くみられる法律であるにも関わらず、議員立法であるが故に自己否定につながる(課題を解決するための)法改正も進むことがない厄介なものである。
住民投票×解散総選挙
では、このイレギュラーな住民投票と衆議院解散総選挙が同日となれば、どうなるのか。広く認知されていることではないが、住民投票に対する活動が総選挙期間においては悉く規制されることになるのだ。ほぼできない…という言い方をしても過言ではない。

図は、住民投票の告示以降の住民投票活動について記したものである。衆議院選挙が始まるまでは、制限のない自由な活動ができるのに対して、選挙が始まると電話やネット・SNSを通じての活動以外、住民投票のみの活動ができなくなるのだ。街中の政治活動の新たな広報物、聞こえてくる街宣車の声などは、衆議院選挙に立候補する届出政党や候補者のものに限られてしまうことになる。(候補者を出していない)その他の政党や政治団体においても活動が制限されることから、実質的に住民投票が行われているという空気が街中にあふれることはなくなるかもしれない。
もっとも個人の活動は制限されるものではない。個人の活動の集合体が団体であると考えれば、個々人が幅広く活発に活動すれば政治団体の活動の制限は無意味であるとも言える。しかしながら、よっぽどの有名人が個人として活動しない限りにおいては有権者にメッセージは届くものではないと推察される。個人の活動には限界がある。
となれば住民投票に向けての賛否を促す主張は、不可能になるのかと言えばそうではない。総選挙に立候補する者や政党が、その選挙活動の政策の一つとして大阪都構想について賛成や反対の主張をすることは妨げられているわけではない。よって、政党あるいは立候補者の広報物の範疇として、その記載内容に住民投票に関する事象を盛り込むことで賛否のアピールをすることは可能ということになる。マイクを使って街頭で、候補者が公職選挙法に則り訴えをする中で、住民投票についての考えを述べることも差支えは無い。
大阪におけるカオス
実際に住民投票と衆議院選挙が同日となれば、何が起こるのか。現状、大阪において都構想に対して明確に賛成している政党は、維新の会と公明党。反対しているのは、立憲民主党と共産党ということになる。自民党は反対の傾向にあるが、足並みの乱れが想定される。
言うまでもなく、大阪にある19の衆議院選挙区のうち、自公連立の中で4つの選挙区は公明党が小選挙区の議席を持っており、自民党は立候補者を擁立することはなく解散時に立候補者となり得る選挙区支部長も(府連会長が兼任する形で)不在となっている。住民投票の対象となる大阪市において、3区・5区・6区が公明党の選挙区である。自民党が候補者を擁立する選挙区において、その自民党公認候補者が都構想反対をどの程度明確に主張するのかどうかは定かではないとして、自民党が候補者を立てない選挙区においては、国政与党として大阪都構想に対して反対する声が上がらないということになるのだ。
先ほどの図表を改めて確認してみる。衆議院選挙が始まれば、住民投票の活動は実質的に衆議院選挙の政党・候補者の活動に包み込んでしまわれる状況になることから、衆議院選挙というフィルターを通して主張がなされることになる。
衆議院選挙における対立の構図と住民投票における賛否の構図とが異なれば、非常に複雑な様相になることは容易に想像できるのではないだろうか。
同日選挙の可否
住民投票は11月1日に実施予定とされている。大阪維新の会の代表である松井大阪市長は、解散総選挙が10月25日かと囁かれた日に、コロナ次第とのエクスキューズを加えつつも11月1日の実施に向けての意欲を示した。偶然の一致なのだろうか。
仮に同日の投票日になるとすれば、衆議院が解散される時と住民投票の投票日が確定する日(大阪府議会・大阪市会で特別区設置協定書案が可決される日)に、(想定される投票日が1週間ほどの違いで)大きな日程のズレがないとするならば、おそらく同日に合わせる作用がコストカットの視点から働く。
11月1日か、10月25日か、はたまは11月8日かは分からないが、コロナ感染拡大の第二波の注意が必要と言われる今年の秋冬を前にということを考えれば、その前が一つのタイミングと考えられてもおかしくはない。
ただ、大阪市がなくなるかどうかを決める、大阪の未来を定める、大阪市民にとって非常に重要な住民投票の広報活動が、それをのみ込むような形で衆議院総選挙が行われることによって薄まるとするならば、それはそれで問題なのではないだろうか。
コロナ禍においても、地方選挙は予定通り行われている。国政選挙も行われることも否定されていない。住民投票も、選挙ができるのであれば自粛する必要などないという意見が大勢を占めることになるだろう。(長くなるので割愛するが、住民投票と市民代表を選ぶ選挙とは根本的に異なる事から、選挙ができるのであれば住民投票もできるという論理はおかしいと思っていることを書き添えておく。)
別の言い方をすれば、住民投票と同日になる解散総選挙が実施されるとするならば、大阪は日本全体の犠牲となって、市民自治についての住民投票に向けての活動が阻害されるということになる。
大きな壁は、いつも目の前ではなく彼方に大きく大きく立ちはだかっていることを常に感じさせられる。
“10月25日投開票説”が永田町で囁かれるワケ
10兆円の予備費は“第3次補正予算”?
まことしやかに10月25日投開票説が、一部の自民党議員の間で囁かれている。きっかけは、5月27日に閣議決定された第2次補正予算だ。
雇用調整助成金の拡充や家賃支援給付制度など、第1次補正で実現できなかったことや第1次補正で不十分だった箇所を補強し、歳出総額は31兆9114億円にのぼる。これは過去最大だった第1次補正よりも多額だが、何よりも注目されたのが10兆円もの「新型コロナウイルス感染症対策予備費」だ。
「感染症対策」と銘打っているが、予備費はその使途については国会によるチェックが働きにくい。「実際にはこれが“第3次補正予算”ではないか」との声がある。
通常国会は延長なし
理由は通常国会が6月17日に会期末を迎えるが、会期延長の様子は見えないからだ。本来なら会期を延長して、しばらくは新型コロナウイルス感染症の動向を見極めるのが筋だが、安倍政権は東京高検検事長の定年延長・辞職問題や河井案里参議院議員の運動員買収事件など、国会での追及を避けたい意向。国会を閉会させて世論の鎮静化を狙っているようだ。
もっとも解散総選挙で“禊”をするという手もあった。当初囁かれていたのは、7月5日の早期解散説。東京都知事選と同日で、自民党は独自候補擁立を諦めて現職の小池百合子知事とタッグを組むというやり方だった。
しかし自民党東京都連の一部は小池知事との共闘を頑なに反対。さらに毎日新聞の世論調査では内閣支持率は27%で、朝日新聞では29%という結果も出た。毎日新聞に至っては自民党支持率は25%で、「青木の法則(内閣支持率と与党第1党の支持率を足して50以下になれば、内閣は倒れる)」の分水嶺となる50%に迫るという状態だ。
「10兆円の予備費で、とうぶんは国会は開かれないだろう」と、ある自民党議員は言った。
「秋には新型コロナウイルス感染症の第2波が来るかもしれない。来年の選挙は難しいので、その前がラストチャンス。国会で野党の追及場面がなくなり黒川問題も忘れられ、10月になれば第2次補正でばらまいた効果もゆきわたる。『やはり安倍政権でなければ』ということになるだろう」
第2波次第だが……
一方で、人間の思惑通りに進まないのが自然の摂理だ。緊急事態宣言が5月25日に全国的に解除されたものの、福岡県・北九州市では早くもクラスターが発生した。東京都も5月29日には22人の新規感染者を出した。感染経路不明者の割合は54.9%となり、東京アラートの基準のひとつである「50%」を超えている。
にもかかわらず小池知事は、6月1日から緩和の第2段階に移行することを発表した。都知事選を目前にして、後戻りはできないのだろう。
国政も都政も、コロナウイルス感染症対策を政治日程に合わせているという印象が否めない。「10月25日投開票説」も、一部では「すでに官邸は日本維新の会に伝達した」とも言われている。官邸は維新に加え、国民民主党にも触手を伸ばしているようだ。とするならば、これから4か月は政界再編も含めて大きな政局となるにちがいない。
都構想住民投票「最終判断は9月」松井市長
大阪維新の会代表の松井一郎・大阪市長は29日の記者会見で、大阪都構想の住民投票の実施時期について「9月を最終判断の時期としたい」と述べた。
住民投票を予定通り11月に実施するためには9月中に大阪府市両議会で制度案の議決を得る必要がある。松井氏は、制度案を議会に提出するかどうかは7月に判断し、提出したとしても新型コロナウイルスの感染拡大の状況によっては「(議決せずに)継続審議とし、11月の(住民投票の)実施をやめる手法もあり得る」とした。
ただ、新型コロナの現状は、大阪府が定めた感染拡大の再警戒基準「大阪モデル」の達成が続いているとし、「このままいけば、予定通り11月に実施したい」と強調した。
衆院の早期解散に否定的な考え示す 自民 二階氏
衆議院の解散・総選挙をめぐって、自民党の二階幹事長は、新型コロナウイルスの感染拡大防止に全力を挙げるべきだとして、早期の解散に否定的な考えを示しました。
衆議院の解散・総選挙をめぐって、立憲民主党の枝野代表は先週、緊急事態宣言の解除を受け、いつあってもおかしくないという認識を示しました。
これについて、自民党の二階幹事長は、記者会見で「十分な準備もなく、ただ張り切ってそういうことを言う人や党があるが、われわれは準備万端整えている。解散はあすあってもいい」と述べました。
一方で、「早期解散の必要性を感じているわけではない。こういう時に解散すべきかどうかは別問題だ。今は新型コロナウイルスの問題の解決に努力することが大事だ」と述べ、早期の解散に否定的な考えを示しました。
また、二階氏は、安倍総理大臣が来年9月までの自民党総裁任期を延長して4期目を目指すと決意すれば、支援する考えに変わりはないとする一方、「安倍総理大臣から積極的に表明があって、支援すべきであり、私から伺いをたてるものではない」と述べました。
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