このところ、母子健康手帳について、いろいろ調べています。
 
 母子健康手帳は母子保健法という法律をもとに、厚生労働省令で記載する内容が定められています。それにプラスして役に立つ情報を記載することは、地方自治体の裁量で許されています。三重県津市が採用している「親子健康手帳」もその一つですが、三重県下では、省令で定められた内容にとどめ、表紙のデザインがさまざまな母子健康手帳が、地方自治体別に採用されています。
 
 省令で定められた母子健康手帳には、妊婦健診、乳幼児健診の結果や予防接種記録、ママが記載される項目などが主に使われているようですね。ネットのスレッドを読んでも、母子健康手帳は記録の為のものとして考えている方が多いようです。しかし、それだけではなく、母子健康手帳には、産科学・小児科学・精神神経学・心理学その他、妊娠・分娩・育児に関する専門家集団が作成した、とても内容が濃く、簡潔で、偏見のない情報が提供されています。中途半端な市販書より、ずっと頼りになることが記されています。是非、母子健康手帳は、記録のページではなく、ただ読むだけのページもしっかり読ん利用してください。
 
 例えば、「妊娠と食事 7カ条」というページには、①妊娠ビタミン”葉酸”をとろう。”神経管閉鎖障害の発生リスクを低減します”と書かれています。⑥「食中毒予防の為に〝洗浄・加熱”しよう」と書かれ、リステリア菌の危険性が書かれていますが、リステリア菌とは何か、ご存じのママは少ないと思います。大切なことなのですが、やや説明不足ですね。 
 
 それと、母子健康手帳がママの手に届くのは、妊娠8-11週です。妊娠届を市役所や健康センターに提出すると母子健康手帳が手渡されるやり方が多いようです。産科病医院で妊娠届に妊娠証明する時期が、安定期に入ってからですから已むを得ないのですが。
 
 実は、子宮内の胎芽・胎児のヒトとしての基本的な構造のほとんどは、妊娠10週くらいまでに出来上がりますから、母子健康手帳がママの手に渡る時から胎児を問題無く出産まで大切にしようと考えられても少し時間が遅いですね。例えば、神経管閉鎖障害(二分脊椎、無脳症、水頭症)は受胎後2-3週間が大切で、葉酸が予防に効果があるとわかっていても、本当に葉酸を効果的に摂取しようとしたら妊娠前一か月前から葉酸を含む食品を食べ、足りない分をサプリで補う必要があります。アメリカでは、妊娠可能な年齢、環境になったら葉酸サプリを服用するよう推奨するようになってきました。

 そういうわけで、理想的な育児は妊娠前から始める必要があります。まずは、赤ちゃんを胎内で健康に育み、予防できる異常は予防し、病原体の胎内感染を避ける手段をとり、早産を避けて胎内で目いっぱい成長した赤ちゃんを出産していただきたいのです。
 そんな観点から、私のブログで、「妊娠前からの育児学」という視点を読者の皆さんに持っていただきたいと思い、新規に掲載を始めることにしました。私には役に立たないブログじゃない?と思われるママもいらっしゃると思いますが、次の妊娠の参考にしていただくとか、結婚妊娠前のお友達にお話しいただくとかにお使いいただければ幸いです。

 次回から、母子健康手帳に記載されている遅すぎる情報をメインに、具体的な事、葉酸とは何か、どんな働きをするのか、リステリア菌とはどんな細菌で、胎児にどう危険なのか、アルコールやタバコの習慣がある方には、いつから禁酒禁煙が必要なのかなどなどを掲載させていただこうと思います。

 
 なお、今秋10月から、ヤナセクリニックの母親教室の一コマとして、ブログと同じタイトルの講座を、私がスピーカーとして、設けていただく予定です。
 このテーマは、これまでのオッパイ教室のように妊娠中のママだけにお話しするのでは意味がありませんので、聴講に来ていただく方は、性別、年齢を問わずに、おいでいただくつもりです。ぜひ、関心をもたれた多くの方々に聞いていただきたいと願っています。
 
 
 
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