赤ちゃんの眠りが浅くて、よく泣いて、どうしてこんなに泣くんだろう、睡眠不足になるんじゃないかと心配されるママやご家族は少なくありません。
 
 これまでも何度かこのブログに書いてきましたが、ヒトの赤ちゃんにとって泣くことには生存権がかかっています。他の哺乳動物に比べて、ヒトの赤ちゃんは生まれてすぐには体を動かすことができず、泣いてママを呼び、抱き上げられてオッパイを飲ませてもらうことで生きていくことができます。頭が大きくて、頭のサイズに合わせて生まれてくるヒトの赤ちゃんは、生まれてすぐから自分で母の乳房まで移動できる他の哺乳動物より1年近く早産で生まれてきます。大声で頻繁に泣くことは、ヒトの赤ちゃんの特技です。体を動かせない代わりに与えられた生きる手段です。

 だから、赤ちゃんは眠りが浅く、ちょっとした刺激ですぐ眠りから覚め、大声で泣きます。頻繁に大声で泣くことを許されている赤ちゃんは、哺乳類の中でヒトの赤ちゃんだけです。家族、仲間集団が赤ちゃんを護ってくれるから安心して泣くことができるのです。

 産声の周波数はほぼ400ヘルツ(ドレミのラの音)で万国共通といわれていますが、最初の1ヶ月くらいは、赤ちゃんの泣き声は単調で、複雑な発声は不可能です。オッパイを飲むことを最優先にしている咽喉の構造のため、泣き声は一種類で事足りるように、ただ泣けばいいようにできています。おなかが空いた、オムツが汚れた、眠いなどを泣き声の変化で知らせることは4ヶ月ころにならないとできません。

 ただし、泣き声が単調でも困らないためには、赤ちゃんが泣いたら、なるべく早くママが抱き上げてオッパイを含ませるというフォローがなければならないのですがが。オッパイ以外に赤ちゃんを泣き止まさせる方法は無いと考えたほうがいいと思います。抱き上げてあやしても、赤ちゃんは泣きやんでくれません。明治時代のように新生児のうちから規律を身に付けさせようとか、時間を決めて3時間おき授乳しようとか考えないでくださいね。
 泣くのはおなかが空いているからだとか、ママのオッパイの出が悪いからオッパイ不足で泣くんだとか、母親失格だとか、ママが自分で自分を追い込むようなことは考えないでください。
 赤ちゃんの泣くことを母乳不足と結びつけることは絶対にしないで下さい。
 赤ちゃんは頻繁に泣くように作られて生まれてくるのだから、泣いたら抱っこしてオッパイをもませるだけでいいんだと考えてください。3ヶ月になれば、赤ちゃんは自分でオッパイを欲しがり、飲みたいそぶりを見せるようになりますし、夜まとめて眠るようになりますから。

 赤ちゃんの眠りは、頻繁に目を覚まし泣いて存在をアピールするために、浅い眠り(REM睡眠)がおとなよりずっと多くなっています。胎内で胎動が多かった時間帯、夕方から深夜に掛けて、出生後も頻繁に泣くことが多いようです。その時間帯、頻繁に授乳するとママは疲れるし、おっぱいの張りもなくなるので、ママが私のオッパイ出てないんだと落ち込んでしまわれる魔の時間でもあります。
 でも、これは何の不思議も無い現象で、2ヶ月にはいると赤ちゃんが変わってきますから、それまで待ってください。決してママ自身を追い込まないように、責めないようにしてください。もちろん、ミルクを補足して解決することでは有りません。
 オッパイは、張りを感じないほど授乳するほうが分泌量が増えます。どんなに頻繁に授乳しても、赤ちゃんが吸いついたら40秒後には乳腺で新しい母乳が作られ、射乳反射があり、赤ちゃんはごくごくと飲んでくれるはずです。これまでに何度も同じことをこのブログに書いてきましたから、以前のブログをお読みいただいて参考にしてくださいね。

 よく泣いて、長い時間オッパイを離さないから、赤ちゃんが睡眠不足になるんじゃないかという心配は、まったくありませんからね。出勤時間も約束の時間もなく、好きなだけ寝たり起きたりできる特権を赤ちゃんは許されているのですから。
 
 赤ちゃんは泣くように作られてるのだから逆らっても無駄、もっと眠らせようという働きかけも不可能で、赤ちゃんはマイペースを崩してくれませんから、おとなの発想で逆らわないでください。