遺伝子に記されている情報から人類の能力を「考えて見ましょう。

 人類の発祥は約500万年前と推定されています。2本の足で歩く能力、手を使う能力、道具を作る能力、グループを作って協力し合いながら食物を集めたり狩猟をする能力を持った人類がチンパンジーから枝分かれして誕生したのが500万年前、発見された旧人類の化石からたどると、ホモ・アウストラロピテクス、ホモ・ハビリス、ホモ・エレクトゥス、ホモ・ネアンデルターレンシスと進化を続け、私たちホモ・サピエンスが東アフリカの樹林からサバンナに姿を現したのは20万年くらい前です。それ以後もっと進化したホモ属は現れず、人類の最も進化した種族が、現在地球上に70億人以上生存している私たちホモ・サピエンスです。

 ホモ・サピエンスは、汗をかくことで体温調節ができ、強い下肢を使って長時間歩いたり走ったりする能力を持ち、木登りは下手になった代わりに槍、棍棒、弓矢などの武器を器用に操る両手を獲得しました。
 何より大きな進化は、それまでの哺乳類や人類よりずっと大きな発達した大脳を持ったことです。大脳によって現人類は、それ以前の人類よりもっと上手に,集団を養う食料を手に入れることができるようになりました。狩猟採集民族として完成された人類といえます。

 大きな大脳を使って、狩猟に必要な道具や生活に必要な様々な道具を作り,工夫改良を繰り返し、その延長線上で、20万年かけて現在の私たちが生活している便利な文明社会を作り出しました。
 仲間同士の意思、知識、心を伝え合うために言葉を生み出し、言葉を記録し伝達する為の文字をを作り、離れたところに住む人たちと文明を共有することができるのもホモ・サピエンスの才能です。

 その間に、人口が数千人のレベルから70億人にまで増えましたが、脳を含めた体全体の設計図である遺伝子は何万年を経過してもほとんど変わっていません。私たちが5万年前にタイムトラベルしても仲間と狩猟採集生活を送ることが可能でしょうし、逆に,5万年前のホモ・サピエンスが現代にタイムトラベルしてきても、私たちと同じように飛行機も自動車も操縦できるし、現代人と結婚して子孫を遺すこともできます。

 ホモ・サピエンスが生まれ故郷のアフリカを出て地球上の各地に拡散する第一歩を踏み出したのは約5万年前、150人くらいのグループだったと推測されています。氷河期が終わって地球が暖かくなり、集団の人口が増えすぎて生活の維持が難しくなると、ミツバチが分封するように、古い集団を離れ新天地に移住し定住する集団が作られ、それを繰り返しながら人類は次々に地球上の各地に拡散していきました。
 
 定住する場所の気候風土、太陽光の強弱に適応して、皮下のメラニン産生細胞の数量を変え、外見上は黒い肌から白い肌まで色々ですが、遺伝子の変異はわずかです。目に見えない遺伝子の変化としては、遊牧民は乳糖分解酵素が多く分泌されますし、アルコールについても、強い人種(ヨーロッパの人たち)、弱い人種(アルコールを分解する酵素量の差によりますが、日本人はあまり飲めない・全く飲めない人が多い人種です)があります。そういった遺伝子の違いは遺伝子全体から見れば小さな変化です。遺伝子の情報量を百科事典に置き換えると百科事典700冊分くらいと表現されますが、人種の差は、ほんのわずかな文字数の変化に過ぎないようです。
 
 現在、地球上には外見上、生活習慣上、全く異なった民族が住んでいて、たくさんの国に分かれて戦ったり、仲良くしたりを繰り返していますが、遺伝子から見れば、各民族ほとんど差が有りません。地球上に住む人類は単一種、みなホモ・サピエンスです。私も、アベ、オバマ、クリントン、トランプ,習近平、プーチン、IS幹部、、皆、同じ遺伝子を持つホモ・サピエンスの一員です。国家指導者たちが、地球人はみな親類同士だと考えてくれたら、争いのない平和な地球が生まれるのではないでしょうか。

追記:
 いささか綺麗事でブログを終えましたが、本音を書かなかった後ろめたさが消えません。あえて、追記したいと思います。
 人類が皆ホモ・サピエンスだからと言って、闘争、戦争が無くなるとは思えません。国家間の平和を保っている日本でも、国内では肉親間、行きずりの他人への殺人事件がニュースになっています。紛争やテロは世界中で絶えることがありません。国家元首も、日本も含めて戦争の火種を撒き散らしています。
 ライオンや虎の攻撃性をそのまま引き継いでいるホモ・サピエンスの脳ですから、平和共存は夢のまた夢かもしれません。 どうにもならない絶望感を、私は感じます。オバマ大統領の核廃絶の思いに似た感情です。

 でも、未来を担う子どもたちのために、なんとか、地球上の人類の平和共存の道を目指さねばなりません。諦めずにがんばろうじゃありませんか。読者の皆さん、力を合わせましょう、子どもたちの為に。