血液中のビタミンDが少ないと、くる病になります。
 
 2013年頃、NHKTVの放送で、人工ミルクに比較して、母乳中のビタミンDが少ないという話題が取り上げられました。
 育児用粉ミルクには、たっぷりビタミンDが混ぜられていますので、この放送を見たお母さんたちの中には母乳をやめて人工栄養に切り替えなきゃと考えた方がたくさんあったようです。

 最近また、先日開催された「外来小児科学会」という医師の集まりで、母乳栄養児の血液中のビタミンDが、人工栄養児の血液よりずっと少ないという研究発表があり、それが日経メディカルという日経新聞の医学関係のネット記事で取り上げられ、最近また、ママの間で、わが子がくる病になっては大変という心配が広がり、今回もまた、一日一回は人工栄養を与えるようにされた方があるようです。

 結論からいえば、母乳栄養児では確かに人工栄養児に比べて血液中のビタミンDは少ないが、くる病になっている子は調査対象の赤ちゃんには見当たらなかったということでした。でも母乳栄養児にはビタミンD欠乏児が多いというタイトルが付いてしまうと心配になりますよね。
 NHKの場合も、今度の場合も、番組製作者や研究発表者は、事実を述べただけで責任はないのかもしれませんが、この発表が拡散した時のママたちへの配慮には欠けていたと言わざるを得ません。

 ビタミンDはご存じのように太陽光の紫外線を皮膚にあてれば、体内で合成されます。太陽光が弱く、日照時間が少ない極地に近いところの人種は色が白く、美人に見えますが、あれは紫外線を目いっぱい体に取り込みたいからです。赤道に近くなると、メラニンの多い肌の色が黒い人種が増えてきます。日本はその中間。やや薄褐色の肌です。肌の黒い人がイギリス以北に行くとくる病になります。逆に、肌が白い人たちは、赤道の近くでは強い赤外線、紫外線の為に肌を傷め皮膚がんの原因にもなります。日本人は、日本人の肌の色で、ちょうどよい太陽光を受け取ることができます。普通に手足を日光にさらしていれば、ビタミンD不足は起こりません。何かの理由で戸外に出ず、食物制限をしたりすればビタミンD欠乏を起こします。

 日本に住んで、自然の中で、自然に生活していれば、何も問題は起こりません。このことを、特に強調しておきたいと思います。

 地球上の生物はすべて、人類も含めて、太陽が何億年もかけて、地球に与えてくれたものによって、生命を維持していますし、現在も、これからも、太陽を離れては生存できません。
 
 私たちが現在使っている化石燃料は太陽エネルギーが姿を変えたもの。
 
 自然エネルギーは太陽系の一員としての地球が太陽の運行によって与えられたエネルギーです。
 
 唯一、太陽エネルギーによらないエネルギーは、核(原子力)エネルギーですが、人類はまだ核エネルギーを安全なものに手なずけることが出来ていません。

 太陽の力を再認識すべきですね。ビタミンDもその一つです。肝油も、もとはと言えば、太陽光の恩恵を受けて生存している動物の肝臓から抽出しているんです。

 私たちは、人類の手で獲得してきた文明の恩恵を受けて現在生活しています。しかし、文明の利器は両刃の剣で、本来人類が持っている力を弱めています。自動車、エアコンによってどれほど本来の生命力を弱めているか考えてみてください。

 太陽の下で、文明の利器を離れて、本来人類が持っている力を、できる限り鍛え、取り戻すべきです。文明を離れても生命を維持しうる体力を取り戻して初めて、文明を上手に活用できるのではないでしょうか。

 これからママになる女性も、ぜひ、日本人には無理な白い肌に憧れたりせず、日焼け止めを使ったりせず、体の中にビタミンDをたくさん作ってください。胎内の赤ちゃんにもママの血液中の豊富なビタミンDが胎盤をとおして与えられます。母乳中にもビタミンDが出てきます。
 生まれてきた赤ちゃんの為にも、日光が柔らかな朝夕の一刻を、手足を出して日光に当たりながら散歩する習慣をつけてください。

 母乳にはビタミンDが不足しているなどという、舌足らずな、センセーショナルなニュースに惑わされないで、日光を浴びながら、母乳を赤ちゃんに飲ませ続けてあげてくださいね。

 それでも足りないと心配なら、肝油製剤もありますし、ビタミンDが豊富な食物もたくさんありますから。

 難しい学問的な説明は省略しますが、私は充分その知識を持っていますから、いつでもご質問、ご相談ください。