柳瀬幸子の「地球(ここ)に生まれて」

三重県津市にあるヤナセクリニックの院長・柳瀬幸子のブログです。 ヤナセクリニックの基本理念: 私たちは、患者様の思いを尊重し、患者様に寄り添った医療やケアを目指します。 ヤナセクリニックの基本方針: 1.安全、安心なお産を提供し、出産の喜びと子育ての楽しさを感じられるような支援を行います。 2.女性の健康増進のために地域から信頼される医療を提供します。 3.子どもを大切にする街作りを応援します。 ヤナセクリニックのモットー:良いお産、楽しく子育て!!

三重県津市にあるヤナセクリニックの院長・柳瀬幸子のブログです。

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<ヤナセクリニックの基本理念>
私たちは、患者様の思いを尊重し、患者様に寄り添った医療やケアを目指します。
<ヤナセクリニックの基本方針>
1.安全、安心なお産を提供し、出産の喜びと子育ての楽しさを感じられるような支援を行います。
2.女性の健康増進のために地域から信頼される医療を提供します。
3.子どもを大切にする街作りを応援します。
<ヤナセクリニックのモットー> 
良いお産、楽しく子育て!!
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グリーフケア

2021年9月12日 国際ボンディング協会リレーセミナー「大切な人を亡くすということ~周産期のグリーフサポートについて」 浄土真宗本願寺派 走井山 善西寺 住職 矢田俊量先生の講演を聴きました。仏教の世界、死について、グリーフケアについて心に響く話をしていただきました。

『四苦八苦』とは、仏教における苦の分類です。根本的な苦を生・老・病・死の四苦とします。
生苦:衆生の生まれることに起因する苦しみ
老苦:衆生の老いていくことに起因する苦しみ。体力、気力など全てが衰退していき自由がきかなくなる
病苦:様々な病気があり、痛みや苦しみに悩まされる
死苦:死ぬことへの恐怖、その先の不安など。死ぬときの苦しみ。死によって生ずる様々な苦しみ
根本的な四苦に加えて
愛別離苦:親・兄弟・妻子など愛する者と生別・死別する苦しみ。愛する者と別離すること
怨憎会苦:怨み憎んでいる者に会う苦しみ
求不得苦:求める物が思うように得られない苦しみ
五蘊盛苦:自分の心や、自分の身体すら思い通りにならない苦しみ
仏教では、この四苦八苦は人間が生きている上で避けては通れない、根本的な苦として表します。

私たち医療者は、四苦に対して、その苦しみを少しでも取り除けるように努め、その苦しみに寄り添っていくことが仕事なのでしょう。そして、愛別離苦に寄り添うことがグリーフケアです。
ジャンケレヴィッチは「死」について 一人称の死:自分の死、二人称の死:近親者の死、三人称の死:他人の死 と分類しました。柳田邦夫は、「一人称の視点」患者の視点、「二人称の視点」家族の視点、「三人称の視点」医師の視点に置き換え、医者と患者に対するあるべき関係性を表現しました。医師は、「二人称の視点」患者に対して自分の家族に寄り添うような温かさと「三人称の視点」専門家としての知識と能力を兼ね備えた「2.5人称の視点」を提唱しました。人の死と直面していく医療現場では、以前は「三人称の視点」が強調され、死に動揺することなく、専門職として常に冷静に感情移入することなく対応することが求められてきました。しかし、現在では「2.5人称の視点」で患者や家族に寄り添う医療が求められてきました。

周産期の現場では、突然の赤ちゃんの死に直面することが多々あります。病院に妊婦検診にきたら、赤ちゃんの心拍が止まっていた。昨日まで元気にお腹のなかで動いていたのに・・・。私たち医療者も突然の出来事に戸惑いと悲しみでいっぱいになります。ドラマ「コウノトリ」でも、入院していた患者さんの赤ちゃんの突然の死がテーマになっていました。
【グリーフケア】とは、「grief(グリーフ)」死別などによる深い悲しみや悲痛をケアすることで、深い悲しみを抱える人に寄り添い支えて、立ち直ることができるようにサポートすることです。
まず大切なことは、「悲しみを押さえ込まない」ことです。悲しみ、怒り、喪失感、後悔など様々な感情が沸き上がってきます。入院中であれば医療者に自分の気持ちを吐き出してください。「お別れのセレモニーを行いましょう」沐浴したり、授乳したり、手紙を書いたり、お別れの会をしたり、赤ちゃんにやってあげられることは全てやってあげましょう。私たち医療者は、ご家族の声を聴き、赤ちゃんの旅たちを見守ります。退院後は、日常の生活に戻ったときに、また、様々な悲しみがやってくるでしょう。病院に来ることは辛いかもしれません。でも、ずっと私たちは、ご家族を見守っています。何か話がしたい時は、いつでもきてください。

その後の地域の受け皿として、矢田先生は「グリサポくわな」という自助グループを作って月1回当事者の分かち合いの会を開催しています。
参加者のニーズとサポート
「同じ体験をした人に話を聞いてもらいたい」 経験のない人からは、かえって傷つけられることが多い。体験した人でなければわかってもらえない。わかる人はわかるけど、わからん人にはわからん
「同じ体験をした人の話を聞きたい」 この悲しみは、乗り越えるものではないのですね
「傾聴してほしい」 聴いてもらえるだけで、心の支えになる。生きる力を自ら引き出していくことが大切。大きなつながりに目覚めること、一人ではないと思えることが自ら立ち上がる力になる
「共感から響感へ」 自分の感情に響く感覚を味わう。聞いてもらえた、わかってもらえたと自分の感情が動くことで立ち上がれる
「慈悲」 仏教において、慈悲とは他の生命に対して楽を与え、苦を取り除くことを望む心の働きをいいます。必死に悲しみを埋めようと努力をするのではなく、いつもお釈迦様は慈悲の心で見守ってくれています。あなたは、決して一人ではありません。
人の死は、あってほしいことではないけれど、あってはならないことではありません。大切な人の死もいつかは受け入れることができます。

産後ケア

「産後ケア事業」とは、母子に対して、母親の身体的回復と心理的な安定を促進するとともに、母親自身がセルフケア能力を育み、母子の愛着形成を促し、母子とのその家族が健やかな育児ができるように支援することを目的とする。
具体的には、母親の身体的な回復のための支援、授乳の指導及び乳房のケア、母親の話を傾聴する等の心理的支援、新生児及び乳児の状況に応じた具体的な育児指導、家族等の身近な支援者との関係調整、地域で育児をしていく上で必要な社会的資源等の紹介を行う。(産後ケア事業ガイドラインより)

ヤナセクリニックには、当院独自の産後ケアと津市から委託された産後ケアがあります。
1. 産後、育児をサポートしてくれる人がいないため、自分の身体が回復するまでゆっくり過ごしたい。
2. 実母等のサポートを期待していたが、急に病気などの理由でサポートする人がいなくなった。。
3. 母乳哺育でいきたいが、上手くいかず、もう一度入院して母乳哺育がうまくいくように指導してほしい。
4. 新生児がNICUに入院となったため、十分な育児の練習をできずに児が退院となったため、もう一度育児技術を教えてほしい。
5. 夫婦のみで子育てを頑張っていたが、心身ともに疲労困憊で休息をとりたい。
6. ご主人が出張等で家にいない時は、不安なため、その時は入院したい。
7. 特別養子縁組で養親となったため、育児技術を教えてほしい。
8. 産後うつのリスクがあり、自宅で母子のみで過ごすことにリスクがある。
など、様々な理由で産後ケアを利用されています。

先日、保健師から急な産後ケア依頼がありました。
実家の近くの周産母子センターで双子を緊急帝王切開で出産。体重の重かった子だけ、ママと一緒に退院。産後は実母のサポートをお願いしていましたが、実母には精神疾患があり、一人の子どもの育児だけの時は、何とかサポートできていたものの、もう一人の体重の軽かった子どもが帰ってきたら、実母が精神的に不安定になり、なれない双子の子育てと実母のメンタルの問題で、ママは心身ともに疲労困憊してしまいました。「夜になるのが怖い」と保健師に助けを求める電話があり、急遽産後ケア入院となりました。産後うつのリスクが高い状態でした。入院してみると、育児技術は問題なく、一人の子育てには問題なく、赤ちゃんを預かってあげると、ゆっくり休息をとることもでき、何ら問題はありませんでした。しかし、退院してからの子育てをサポートしてくれる体制が問題でした。今後のことを考えると入院してからも不安感は続きました。産後ケアの目的のひとつである家族等の身近な支援者との関係調整が必要でした。

ご主人にも来ていただき、退院後の双子の子育てのサポート体制について相談しました。初めての双子の育児であれば、一緒に手伝ってくれる人が必要です。実家は実母の精神疾患があり、全面的に子育てサポートをしてもらうと、ママも実母も潰れてしまいそうな状態です。義父母は、全面的に育児協力は可能でしたが、実父母に遠慮されている状況です。パパは、県の職員で国体担当、仕事が忙しくて、子育ての協力は難しいということでした。とても、育休を取るような雰囲気ではないと。
三重県の鈴木知事は、イクボス宣言をしており、自分の子どもの出産時は育休をとっています。三重県はイクメンを積極的にすすめており、職員にも男性育休をすすめています。私自身も三重県のイクメン推進の事業に参加したりしていました。パパには、ママが困っているのだから、育休の申請をしてみてはどうかと提案しました。上司に休みがもらえるように頼んでみますとの返事でした。
ママの気持ちは、パパと自宅での子育てが一番心が休まるし、パパと一緒に子育てしたい。パパからは「子育てをなるべく手伝う」と言われたそうですが、「手伝うではなく、一緒に子育てをしよう」という気持ちになってほしかった。電話で喧嘩をしてしまいましたと。パパは、上司に「休みをなるべくとらせてほしい」と言ってみたら、「休んでいいよ」という返事で、とりあえず、実家に帰ることになり、ご主人のお迎えで、産後ケア退院していきました。

娘夫婦は約2年間ニュージーランドで過ごしましたが、子育てしやすいと言われている国では、周囲の反応は全く違うようです。娘が一時日本に帰国したため、婿は一時父子家庭になったことがあります。上司に、1週間自分だけで子どもの世話をしなければいけなくなったことを伝えると「それは、素晴らしい経験だ。とても大切なことだから、早く帰っていいよ」とにこやかに言われたそうです。保育園の先生、ママ友たちも全面的に協力してくれました。パパが、不安でイライラした時は、子どもも全然いうことをきかなかったのが、パパに余裕ができたら、子どもも楽しく過ごすようになってきました。日本にいるときは、仕事第一のパパにとって、親子の絆ができたとても良い経験になったようです。子育て家族に対して、周囲がどれだけ応援してくれるか、温かい言葉をかけてくれるか、それが子育てしやすい国になるのでしょう。日本は、本当に子育てしにくい国となってしまいました。パパも積極的に子育てをできる環境になってほしいものです。

「しつけ」と「体罰」

第68回日本小児保健協会学術集会の教育講演「体罰としつけの間にあるもの」西澤哲先生の講演を聴きました。
先生は、「しつけ」と「体罰」は全く別のものだといいます。「しつけ」とは、「自分を整える力」を育むことを親などの養育者が支援、手伝うこと。良好なしつけには、良好なアタッチメント(愛着形成)が必要です。「しつけ」が良好にいくと、良い自己イメージを形成し、さらに良い他者のイメージを形成します。

「しつけ」の語源には、いくつの説がありますが、そのうちの一つに、習慣化を意味する仏教用語である「習気(じっけ)が転じたとするものがあります。乳児や幼児は、不快な状態に陥った場合、自力で快な状態に復帰すること(すなわち自己調整)は不可能です。そこで、不快から快へ移行のため、乳幼児は親などによる手助け(いわゆる「あやし」など)を必要とします。不快な状態に陥るたびに親の手助けによって快な状態に戻るという経験を繰り返した乳幼児は、次第に親の助力なく自力で回復することができるようになります(その意味で「習慣化」です)。その結果、自己調整能力(自分を整える力)が芽生えます。この過程で、親から与えられていた自己調整能力を自分のものとするには、親との愛着形成が必要です。いつも不快な状態を取り除いてくれた相手だからこそ、親の言うことに耳を傾け、我慢することを覚え、自分自身で頑張ることができてきます。悪いことをした時には、謝ることを覚えていきます。自分の良い自己イメージを形成することができ、養育者の良いイメージが自分の中に内在化していくことができます。そして、子どものなかに、自分自身の自尊感情が芽生え、道徳性や共感性や罪悪感が形成されていきます。

体罰には、即時性の効果はあります。叩かれたり、怒鳴られたりすると、恐怖でやめます。しかし、体罰は、養育者が、自分の思い通りに子供が行動したという満足にはつながりますが、親子のアタッチメント形成を阻害します。子供には、怒られるからやめようという心理は働きますが、道徳性や共感性や罪悪感の形成にはつながりません。

資料によれば、近代国家以前の日本では、親が子どもに暴力を行使することは極めて稀であったようです。しかし、今日では、体罰がしつけの一部として容認されるようになりました。「習気」としてのしつけのなかに、体罰が混入するようになったのは、近代以降の急速な西欧化、富国強兵政策や軍国主義教育に関連するのかもしれません。そして、戦後の急速な経済社会の発展は家族の形態を変えてしまいました。核家族化により家族の形態が壊されたことで虐待が増えました。人間は共同繁殖する動物なので、核家族化や育児の私事化は子育てを阻害します。みんなで子育てする生き物なのです。
親などから「しつけ」と称して激しい暴力を受けた子どもたちが、大人になってから精神的な問題や社会性の問題など様々な困難に見舞われることがわかってきています。今、体罰は禁止されています。

子どもたちに良好な「しつけ」をしていくためには、親が精神的にも肉体的にも時間的にも余裕がないとできません。子どもたちの不快な状態と繰り返し毎日つきあっていかなければならず、親にとっても試練の連続です。親が安定するためには、同じような子育て家族とのつながり、周囲のサポート、子育てを応援する社会が必要です。日本で失われてきてしまった良好な「しつけ」ができる社会を再度作っていく必要があります。未来ある子どもたちのために、子どもが大切にされる社会を作っていきましょう。

プライマリヘルスケア

第68回日本小児保健協会学術集会をWEBで視聴しています。公益社団法人日本WHO協会 中村安秀先生「母子手帳の温故知新」を聴きました。内容は、中村先生が関わってきた国際保健医療の活動内容でした。
私自身も活動しているSDGsから話が始まりました。

『我々の世界を変革する;持続可能な開発のための2030アジェンダ』
この偉大な共同の旅に乗り出すにあたり、我々は誰も取り残されないことを誓う。そして、我々は、最も遅れているところに第一に手を伸ばすべく努力する。
No one left behind 誰一人取り残されない;妊産婦、乳幼児、障碍者、高齢者、先住民、難民、移民、へき地・離党住民など・・・
『プライマリヘルスケア』
「すべての人々に健康を」の目標のもとに、すべての人々に健康を基本的な人権として認め、その達成の価値において住民の主体的な参加や自己決定権を保障する理念のこと
この分野に通じる学問が国際保健医療学です。国際保健医療学とは、格差の原因を解明し、解消していく学問です。その実践のため、先生は、JICAの派遣でインドネシアで活動されました。その中で、コミュニティの自助自立の精神、医療は文化のなかに根づいていることを教えられたそうです。住民は、village(行政で区切られた村)ではなく、community(共同体)のために、ボランティアとして保健活動を手助けしてくれました。
今の日本に欠けてしまったところのように思います。医療や行政の資格職と住民の間に見えない壁ができてしまっているように思います。地域住民の自助自立の精神、助け合いの精神とともに、医療や行政の職員がともに歩んでいくことで、住民の健康が守られ、増進していく。少子高齢化の日本では、弱者の立場の人口が増えてきます。他国に逆に学ぶべきものがあるように思いました。

『人生最初の1000日』
妊娠期間(命の誕生)から2才までの人生最初の1000日は、とても大切な期間であり、人々が培ったきた文化や環境に大きく影響を受けます。
最初の1000日は、教育・保健・精神衛生という点から非常に重要な時期です。この期間は、脳が急激に発達する期間です。最初の1000日間で、急激に神経細胞の数が増えるだけでなく、神経細胞同士のつながりも増加し、複雑化していきます。このため、最初の1000日間に栄養不良を経験すると、学習活動を支える脳の部位の発達が充分なものにならず、その影響が生涯続いていきます。そして、このような栄養不足は成人後のメンタルヘルスにも影響を与えることがわかっています。
日本では、社会の中で「人生最初の1000日」が大切にされ、支援されているでしょうか。未来のために、私たち周産期に関わるものが、「人生最初の1000日」を社会の中で最も大切にされるように声をあげていかなければならないと思いました。

『母子手帳』
母親と子どもを1冊の手帳で管理する「母子手帳」は、世界で初めて、日本で1948年に作られました。「母子手帳」は、妊娠・出産・子どもの健康の記録が一冊にまとめられており、しかも保護者が手元に保管できる形態で、日本の全妊婦さんに市町村が配布します。
世界的には、母子健康に関する「継続ケア」という発想が広がっています。時間的にも、空間的にもひろがりをもつ母子保健サービスを 女性と子供を分断することなく提供するのに、日本の母子手帳は素晴らしいもので、今、世界中に広がっています。その国独自の母子手帳が作られ、どんどん開発されています。
私たち産科診療でも、母子手帳は、患者さんと医療者をつなぐとても大切な手帳です。そして、母と子をつなぐ大切な手帳です。大人になってから、母親から自分の母子手帳を手渡された時、母親が大切に育ててくれた記録として暖かい気持ちになるのではないでしょうか。母親のニーズに合わせて母子手帳を少しずつバージョンアップしていく必要もありますね。日本発祥の母子手帳ですが、海外の母子手帳から学ぶことも多いようです。

触れること

2021年5月16日国際ボンディング協会総会イベント「はじめて世界に触れるときのように」慶応大学 准教授 仲谷正史先生の講演を聴きました。
先生は触覚 触ることについての研究者です。
五感のなかで、触覚というのは、赤ちゃんにとっては、最初に使う感覚です。生まれたての赤ちゃんは最初にママに抱っこされて、ママの皮膚に触れていき、おっぱいを吸います。ママも赤ちゃんの手を握り、頬をさわり最初のコミュニケーションが始まります。まだ、はっきり見えていない、言葉を話せない赤ちゃんの最初の他人とのコミュニケーションはママとの優しい触れ合いです。

仲谷正史先生共著「触楽入門」には、触覚の興味深い研究内容が書かれています。
☆赤ちゃんの五感のなかで、最初に使われるのはどの感覚だろう?
赤ちゃんの五感の中で発達が早いのは、触覚です。触覚については、妊娠10週の頃から自分の身体や子宮壁に触れるという行動が見られ、学習が始まっていると考えられています。生まれたばかりの赤ちゃんは好奇心いっぱいで、なんにでも触れたがります。赤ちゃんにとっては触れること、舐めることの方が、見る/聞くことより、確かな情報を得られるからです。小さい頃は、だれもが触覚的な存在だったのです。
☆目をつぶって握手しよう。自分は握っている?握られている?
握手というものもまた、不思議な感覚です。触るという経験は、同時に触られるという経験でもある。あらためて考えてみると生々しい挨拶だと思います。
握手をするとき、私は、ケガをしてしまう危険を冒してでも、目の前の相手に触れている。相手もまた、なにをされるかわからない、得体のしれない私に触れられることで、同じリスクを受け入れてくれている。このような対称的な構造が、親交の象徴となり、握手を挨拶のひとつとしえ成立させています。握手は、相手を受容している、というメッセージなのです。
☆落ち込んだときは、やわらかくて、あたたかい、テディベアに触れてみよう
実験で、自尊心が低い被験者では、肩に少し触れただけでも、死に対する恐怖が有意に和らぐことがわかりました。一方で、自尊心が高い被検者では、接触の有無による変化はありませんでした。自尊心を持ちにくい被検者にとっては、触れられるということが生きていく安心感をもたらすのです。人から触れられたり、心地よいものに触れたりすることで気持ちが落ち着くのは、「他者が自分を受け入れてくれている」という感覚を、皮膚を通して具体的に確認できるからではないでしょうか。洋服はもとより、触覚のよいものを選びたいという気持ちの背後には、「受け入れでもらいたい」という根源的な欲求が隠れているのだと思います。

さまざまな情報化技術が発展し、モノと情報の垣根がなくなろうとしている21世紀、これから必要とされているのは、触覚を伴った体験だと改めて思います。ライナスは青い毛布を持つことで安心と自信を得ます。各国の首脳は握手を交わすことで信頼を確認します。会えなくなってしまった人とは、思いでの品をそっと手に取ることで、その記憶にアクセスします。エモーショナルな実感が得られること。そして、私たち自身の存在が疑いなく肯定される感覚を得ること。こうしたことを感じるきっかけとし、新しい触感体験をつくりだしてゆきたいと思います。『触楽入門』より


仲谷先生の最近の研究で、0から6才の子どもをもつ養育者に対して触れることの意識調査が行われました。{親が子どもに触れる時}愛おしいから、体温や体調を確認する時、子どもを誘導する時。つまり、愛着のタッチ以外に世話をするなどの意図的なタッチがある。{親が子どもに触れられる時}甘えたり、抱っこを求める時、何か欲しい時の意思表示、触れ合いながら親の反応をみる時。つまり、コミュニケーションとしてタッチしている。
どこの場所を触れるかは、感情によっても違い、何を意図しているかでも違ってくる。親子で触れる場所はお互いに似ているが、触れる理由は一致しているわけではない。でも、親子の触れ合いは、ポジティブで向社会的な感情を持つことができ、安心感を与えることができる。
コロナ禍での親子の触れることへのアンケート調査もされました。手洗いなどの感染予防のための触れることは増えましたが、親子の触れ合いについては大きな変化はありませんでした。しかし、他人に触れる 触れられることは避けるようになりました。他人とのタッチが感染を広げる媒体になるかもしれないからです。

コロナ禍のなか、他人と握手をしたり、ハグしたりすることが拒まれる時代となりました。オンラインの世界となり、視覚と聴覚でのコミュニケーションが主流となりました。でも、その世界では、何となく寂しい、不安定な気持ちになります。触覚という人間にとって最も根幹となる感覚が、使われないからかもしれません。早くコロナが終息し、人と人との触れあいが自由にできる時代に戻ってほしいものです。

おばあちゃんの役目

二人目の孫が生まれました。娘夫婦は新居を建てることになったので、それまで我が家で同居です。孫二人との生活は、とても楽しいものです。

一緒に暮らすようになった娘におばあちゃんに、「してほしいこと」「してほしくないこと」を聞いてみました。
してほしいこと:お金の援助 産後1ヶ月は家事や育児を手伝ってもらえると助かる、子どもを気兼ねなくみてほしい 「〇〇したら・・・」くらいのアドバイス
してほしくないこと:口出しはしてほしくない 否定されたくない 「私の頃は~」と言わないでほしい 「小さい子どもを預けるなんて・・・」と言わないでほしい 
親と全く性格が一致するということはないから、どちらかが妥協できる関係がいい
自分の実家の方が頼りやすい

私が子育ての時は、実母、義母ともに専業主婦で、子育てをとても助けてもらいました。そのおかげで、私は仕事を減らすることなく、通常通りにできました。夫は全く育児・家事をしないし、ほとんど家にいないかったので、私自身は家事に育児にと、滅茶苦茶忙しかったです。いわゆるワンオペ育児でした。しかし、周囲のおかげで忙しい医者の仕事も続けることができました。私が心がけたことは、子育てを手伝ってくれている周囲の人に、「〇〇のようにしてほしかった・・・」「こんなことをしてもらっては困る」などの文句は言わない、感謝の言葉を忘れないということでした。子どもを預かってくれる人も、気分よく手伝ってもらえるようにしたいと思っていました。

今、娘夫婦をみていて、夫婦が協力して子育てをしていて、とてもいいなと思います。そして、おばあちゃんとして、少しでも応援できたらと思います。
娘の方が料理上手なので、婿のために産後すぐからでも料理を作っている姿に頑張っているなと思います。昔、私が実家に産後帰っていた時は、料理上手の母が全て食事を作ってくれて、上げ膳・据え膳の状態でした。そんなことは、してあげられないので、産後1ヶ月は病院の厨房に応援してもらって食事を届けてもらっています。料理上手のスタッフからは、時々美味しい差し入れが届きます。休日のみ、買い物して食事を作って、少しは母親らしいことをしています。
婿は、とても家事・育児に協力的です。早起きの孫の相手はパパが担当です。自分の子どもをとても可愛がっている姿はとても微笑ましいです。
片付けが下手な私の代わりに、娘夫婦が同居するにあたって、随分綺麗に部屋を片づけてくれました。家事よりも仕事が好きな私にとっては助かります。
仕事復帰してから忙しい婿ですが、娘との時間がもてるように、おばあちゃんは出しゃばらないようにしたいと思います。

最近は、二世帯住宅や親の近くに住む若い夫婦が増えてきました。親子が協力して、win―winの関係で生活できたら、とても良いと思います。孫にとっても、親だけでなく、寂しい時悲しい時に甘えられる祖父母の存在は大きいのではと思います。そして、孫の成長を一緒に楽しませてもらえることは、何よりの親孝行で、幸せなことです。
親に頼れない子育て家族の方達も多いですが、少しでも他人に応援してもらい、楽しく子育てしてほしいと思います。

男性育児休暇

婿がニュージーランドのオークランド大学の留学を終えて帰国してきました。娘の出産に備えて、そして、コロナ感染の影響で帰国できなくなるといけないので、当初の予定より早くの帰国となりました。娘夫婦の新居が決まるまで、一緒に暮らしています。
婿の留学前の日本での生活は、6:30頃に大学病院へ出勤、帰ってくるのは夜中前のことが多く、月の半分近くは当直といった生活で、子どもが生まれたのに、子どもとの生活を楽しむ暇はありませんでした。娘は仕事をしながらのワンオペ育児でした。医者の家に育ったたから、医者の仕事はこんなもんだと思っていても、寂しいことも多かったようです。
ニュージーランドの人達は、家族や友人との生活をとても大切にします。夫が家事や子育てを手伝うのは、当たり前。そんな生活を経験した婿は、お腹が大きくなった娘に変わって、家事、育児を全面的に協力してくれています。今は4月の職場復帰まで、育休状態です。
日本でも、男性の育休取得がすすめられていますが、なかなか進みません。しっかり育休をとらせてくれる職場もありますが、まだまだ男性が育休をとる期間は短く、職場で肩身の狭い思いをしています。
男性育休のよいところ
1. 子どもの成長の最も可愛くて楽しい時期を一緒に過ごせる。3歳くらいまでの子どもの成長は目をみはるスピードです。笑ってくれる、ハイハイできる、歩けるようになる。言葉がでる、その一瞬一瞬の成長を側にいて感動できることは、大人の人生も豊かにしてくれ、幸せにしてくれます。
2. 一人でする子育ては、大変すぎる。自由奔放な子どもの行動は、可愛い反面、大人にとっては、大変疲れます。突然泣き出し、泣き止まないときにはイライラします。でも、そんな時、だれかもう一人、大人の手があれば全然違います。夫が、子どもの相手をしてくれれば、どれだけ助かり、妻の精神状態も安定するか。婿は毎日子どもと一緒に公園にいったり散歩をしたりしています。その時間ママは、家事をしたり、美容院にいったり、買い物にいったり、ホットゆっくりする時間を持てたり。夫婦の関係性もよくなります。
3. 大人も視野を広げられる。仕事の付き合いしかない、それしか価値を見出せないと、とても狭い世界しか経験できません。子どもの成長をみたり、買い物にいったり、いつも付き合わない人と話しをしたり。大人の人生の幅も広がります。
4. こどもの世界に戻れる。一緒に子どもと絵本を読んだり、遊んだりすることで、大人もリラックスできたり、空想やユーモアの世界に触れることができます。
昔よりは、男性の育児参加は増えましたが、日本は、まだまだ女性への負担が多すぎます。夫婦で楽しく子育てできるようになるといいですね。

熊本水害の母子支援

2021年1月24日、国際ボンディング協会の第3回ボンディングカフェがオンラインで開催されました。熊本県人吉市の水害被災地で行った母子支援の報告を助産師のうらさきさだこさんが話してくれました。

2020年7月コロナ禍のなかで、熊本県で集中豪雨による大災害がおきました。人吉市は過疎地域で、助産院もなく、孤立した状態で母子は不安な毎日を送っていました。コロナ禍のため、県外からのボランティアを受け入れられません。熊本地震の時は、多くのボランティアの人が県内に入り、とても助かったそうですが、今回は、コロナ感染を防ぐためには、そういうわけにはいきません。地元の高齢の方、自衛隊の方が、後片付けに働いていました。うらさきさんは、すぐに母子支援にたちあがり、毎週人吉市に通い、母子支援ステーションをたちあげました。自分自身の熊本地震の被災の体験、その時のネットワークがすぐに動ける原動力になりました。
毎週2日間、洪水被害地の子ども達の健康な発達・成長のために、日常的な生活を取り戻すためのケアを行いました。支援内容は、母子の健康観察:育児の不安や悩みの相談に応じて母親の育児を支援します。母親がゆっくり過ごせるような環境を整えます。休息をとってもらうこともできます。その間、赤ちゃんを預かります。必要な時は、母乳ケア・沐浴・授乳指導、アロママッサージ、ベビーマッサージなどを実施します。場所は、地元のお寺が快く場所を提供してくれました。コロナ禍で三密をさける対策をして、自分達が感染をもちこまない、感染しないように最善の注意を払いながらのケアを行いました。
水害被害後、ママは家事・育児に頑張ってきて身体の不調がでているようでした。いつもは穏やかなのだろう上の子どもがケア中もなかなかママから離れません。パパは被災復興に拘束されて、家のことは手伝えないようです。たとえ自分の住居の被害はなかったとしても、家族や友人たちの被害者を支えるために急遽一緒に同居したり、手伝いをしていました。目を覆いたくなるような地域の景色の被災地で、非日常の暮らしをしていました。
熊本地震からの学びでは、赤ちゃんは恐怖の体験を語れません。赤ちゃんも神経が高ぶり、ママもゆっくり気が落ち着かずにいます。そんな時、たったの10分でもベビーマッサージで赤ちゃんと向き合い、スキンシップをすると、マッサージの後、赤ちゃんはよく眠るようになります。母子支援ステーションでのベビーマッサージクラスが始まりました。
うらさきさんは、熊本地震で、助産院兼自宅が大規模半壊しました。その時から、日常を失った自分が、何が何だかわからないままひたすら突っ走っていました。その時の思いが重なり、すぐに支援の手を差し伸べていかなければという思いになりました。自分は、日常の生活のありがたさや、ほんとうに人々に支えられていること、一人でないのだと思えるのに時間がかかりました。今はたくさんの人に援助を頂いたことをこころより感謝しています。その恩返しの意味もあって人吉にきています。
今後、ボランティアを続けていくためには、資金調達、ボランティアスッタフの確保など、問題は山積みです。長期間になれば、ボランティアの人たちの日常もあり、継続していくことは難しいかもしれません。しかし、困っている母子がいる限り、支援にいきたいと思います。

支援のためにすぐに動けたのは、日頃の人と人との繋がりだそうです。困ったこと、助けてほしいことがあれば、人に相談する。その人たちの繋がりで、助け船もでて、打開策がみつかり、困難な道も開けてくる。日頃の生活の中で、人との温かい繋がりが、災害時の非常事態の時に助けあえる。そんなことを教えていただきました。

ラジオ出演

2021年1月11日恒例のFMみえ「成人の日スペシャル!こどもまち一丁目放送局開局」スペシャル番組に出演しました。出演者は、四日市のこどもの本専門店 メリーゴーランド店主の増田善昭さん、NPO法人世界SHIENこども学校のびすくの松井強さん、FMみえアナウンサーの瀧裕司さん、電話出演は、詩人の谷川俊太郎さん、絵本作家のあべ弘士さんと豪華なメンバーです。
今年のテーマは、「コロナ禍だから大切にしたいこと」。
コロナ禍の世の中で、成人に伝えたいこと、子どもや親の様子など、様々な思いをお話させていただきました。

「おおきくなる」 谷川俊太郎
おおきくなるのは
こころがちぢんでゆくことですか
おおきくなるのは
みちがせまくなることですか

子どものころは、とても大きく思っていた周りの世界が、大人になるとちっぽけにみえることがあります。遊んだ公園、歩いていた道・・・、あんなに広いと思っていたのに、大人になって訪れてみると、こんなに小さかったのかと、愕然とします。身体は、大きく成長しました。しかし、それと同時に、子どもの頃にもっていた想像する力、空想する力、夢をもつこと、やってみたい気持ち、チャレンジする心、素直な心がちぢんでゆくかもしれません。周りの大人からの言葉で、自分の限界をせまくしていくかもしれません。失敗することに臆病になって、安易な道を選ぶかもしれません。
成人してもこどもの自由な心を忘れないでほしい、毎日毎日を楽しんでほしい、創造する力をもってほしい。そんなことを、みんなで話しました。

毎年、増田善昭さんからは、沢山の本を紹介してもらいます。
今年は、「音楽の肖像」堀内誠一×谷川俊太郎著 を紹介してもらい、購入しました。パリに在住していた天才画家の堀内誠一さんが遺した色彩豊かな28人の作曲家の肖像とエッセイに谷川俊太郎さんが32篇の詩を捧げた本です。谷川俊太郎さんは、最近はクラシックのハイドンを良く聴いているそうです。詩人の谷川俊太郎さんは、「言葉」をあつかうのが仕事だけれど、「言葉」で壊れてしまうものがあるようにも思うと。言葉のない音楽は、聴く人に壮大な景色や思いを広げていく。そして感動を与える。自分も「言葉」を使いながらも「言葉」ではない世界を伝えたいと。
今は、「言葉」のみで、物事を伝えることが多くなりました。昔は、手紙だったのがメール。同じ文字でも、自筆の文字は、その人の人柄が文字に表れ、どのような紙を選ぶかで季節や伝えたい内容が伝わりました。その時の感情が、文字の大きさや丁寧さ筆圧に表れました。
電話だったのがLINE。電話をかける時は、相手の生活を想像しました。家族に迷惑がかからないか、忙しい時間帯ではないか、相手のことを思いながら、電話をかけました。
現代は、相手の表情やしぐさから読み取るコミュニケーション力が、随分低下してしまっていると感じます。生まれたての赤ちゃんは、「言葉」を話してくれません。泣くことで何かを伝えようとします。「言葉」がなく、泣くだけの赤ちゃんにストレスを感じるママは多いです。そんな時は、赤ちゃんを抱っこし、肌と肌をふれあい、赤ちゃんの目をみて、「言葉」のない世界を感じてあげることしかありません。谷川俊太郎さんは、どんな世代でも「触れる」というスキンシップのコミュニケーションが、大切だと。
成人の皆さんには、「言葉」のコミュニケーションだけでなく、五感を生かした、相手のことを思いやるコミュニケーション力を身に着けてほしいなと思います。

最近は、「音楽の肖像」を読みながら、毎晩寝る前に、その作曲家のクラシック曲を聴いています。その曲を書いた時の時代、作曲家の気持ち、見ていた景色を想像しながら。

ヘルスリテラシー

2020年12月6日Bondingリレーセミナーが開催されました。「妊娠期・子育て期がチャンス!ヘルスリテラシーの育みとセルフケアエクササイズのすすめ」講師 小林香織先生(NPO法人フィット・フォー・ジャパン理事長)

ヘルスリテラシーというのは、健康に関する情報を入手し、理解し、評価し、活用できる能力と意欲をいいます。ヘルスリテラシーが高い人は、診察時に医師へ質問することができ、説明が理解でき、自己管理ができるため、健康状態が高い。ヘルスリテラシーが低い人は死亡率が高いことがわかっています。
「働く女性の健康増進に関する調査」2018」では、次のような調査結果が出ています。
1. 女性に関するヘルスリテラシーの高さが、仕事のパフォーマンスの高さに関連
2. 女性に関するヘルスリテラシーの高さが、望んだ時期に妊娠することや不妊治療の機会を失することがなかったことに関連
3. 女性に関するヘルスリテラシーの高い人は、女性特有の症状があった時に対処することができる割合が高い
4. 女性に多い病気のしくみや予防・検診・治療方法、医療機関へ行くべき症状を学ぶニーズが高い
5. 企業の健康診断が、適切な婦人科・産婦人科受診に貢献

加齢に伴う変化は、体力が低下し、病気のリスクがあがるのは男女共通です。骨は弱くなり、関節が痛みやすくなり、筋肉量が減ります。女性ホルモン低下により骨粗鬆症、変形性膝関節症の頻度が増えます。女性の平均寿命は87.32歳で男性より長生きですが、健康寿命は74.79歳で、健康で長生きできているわけではないことが問題です。

健康・病気の予防に必要なのは何でしょう?「食べる」・「寝る」・「動く」の3つの生活習慣が大切です。「動く」ことは、自分が意識して行動しなければできません。
身体活動量が多い人や運動している人は、総死亡、虚血性疾患、高血圧、糖尿病、肥満、骨粗鬆症、結腸癌などの罹患率や死亡率が低い。身体活動や運動がメンタルヘルスや生活の質の改善に効果をもたらす。高齢者は歩行など日常生活における身体活動が寝たきりや死亡を減少する効果があります。
運動習慣として、1回30分以上 週2回以上 1年以上の継続がすすめられています。

女性には、健康を意識するタイミングがいくつかあります。毎月の月経、妊娠・出産・育児、更年期など女性特有の健康課題があります。女性は、年齢に応じて自分の健康を意識することができます。厚生労働省の調査では、女性が運動に期待することは、20才代~30才代はスタイルの維持・改善、40歳代~60才代は生活習慣病や肥満の予防・改善、70才代は要介護にならないため。
運動週間の現状としては、20才代~40才代の女性の運動習慣が低率です。その年代の女性のニーズとして、仕事、家事、育児とやることが山積み。自由な時間があまりないので、ちょっとした時間でできるものがいい。面倒くさくない、思い立ったら気軽にできるものがいい。ただでさえ忙しいので、あまり体力を消耗しないものがいい。そこで、講師の先生は次のような習慣をすすめてくれました。1伸び 2深呼吸 3間接を動かす。
コロナ禍のなか、自宅で過ごすことが多くても、ちょっと工夫すれば、適度な運動ができます。実践では自宅でできる運動やストレッチを教えていただきました。

この講義を受講した後に、ヤナセクリニックのスタッフで勉強会をしました。現代女性は、仕事・子育てと忙しい毎日を送っています。自分の身体を見直し、健康的な生活を送ることは、家族の健康にも繋がり、仕事のパフォーマンスも上がります。まずは、自分達のヘルスリテラシーを高めようということになりました。そこで、毎朝、仕事の開始前にみんなで3分間ストレッチを始めました。ちょっとした習慣ですが、続けてみます。効果が実感できるといいなと思っています。

プロフィール

柳瀬幸子(やなせさちこ)
産婦人科医。三重大学医学部卒業後、三重大学大学院医学研究科博士課程修了。
ヤナセクリニック院長として多くの命の誕生に立ち会う中、女性のライフサイクルに応じた幅広い医療の提供、お母さんと赤ちゃんに優しい出産、妊娠中から育児中を通してのサポート、育児支援に力を入れている。著書に「地球(ここ)に生まれて」、共著に「効果テキメン! アロマ大百科」など



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