柳瀬幸子の「地球(ここ)に生まれて」

三重県津市にあるヤナセクリニックの院長・柳瀬幸子のブログです。 ヤナセクリニックの基本理念: 私たちは、患者様の思いを尊重し、患者様に寄り添った医療やケアを目指します。 ヤナセクリニックの基本方針: 1.安全、安心なお産を提供し、出産の喜びと子育ての楽しさを感じられるような支援を行います。 2.女性の健康増進のために地域から信頼される医療を提供します。 3.子どもを大切にする街作りを応援します。 ヤナセクリニックのモットー:良いお産、楽しく子育て!!

三重県津市にあるヤナセクリニックの院長・柳瀬幸子のブログです。

検索エンジンからこられた方は、こちらをクリックしてトップページにお越し下さい。

<ヤナセクリニックの基本理念>
私たちは、患者様の思いを尊重し、患者様に寄り添った医療やケアを目指します。
<ヤナセクリニックの基本方針>
1.安全、安心なお産を提供し、出産の喜びと子育ての楽しさを感じられるような支援を行います。
2.女性の健康増進のために地域から信頼される医療を提供します。
3.子どもを大切にする街作りを応援します。
<ヤナセクリニックのモットー> 
良いお産、楽しく子育て!!
============================================
このブログが本(アマゾン・電子ブック)になりました。(日本円・300円)
お住まいの国のアマゾンでお買い求めいただけます。中身の本文はどの国で購入されても、日本語です。

日本   http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00KPO78CE
米国   http://www.amazon.com/dp/B00KPO78CE
インド  https://www.amazon.in/dp/B00KPO78CE
英国   http://www.amazon.co.uk/gp/product/B00KPO78CE
ドイツ  http://www.amazon.de/gp/product/B00KPO78CE
フランス http://www.amazon.fr/gp/product/B00KPO78CE
スペイン http://www.amazon.es/gp/product/B00KPO78CE
イタリア http://www.amazon.it/gp/product/B00KPO78CE
ブラジル https://www.amazon.com.br/dp/B00KPO78CE
カナダ  http://www.amazon.ca/gp/product/B00KPO78CE
メキシコ https://www.amazon.com.mx/dp/B00KPO78CE

新たな日常

政府が、新型コロナウイルスの感染拡大予防のため、感染症対策を取り入れた日常の「新しい生活様式」を提案しています。日本だけでなく海外でも、ウイルスとともに、「新たな日常」が始まっています。
身体的距離の確保:人との距離はできるだけ2m(最低1m)、会話の際は可能な限り真正面を避ける 3密(密集、密接、密閉)回避
マスク着用:症状がなくてもマスク着用
娯楽:公園はすいた時間や場所を選ぶ すれちがう時は距離をとる 狭い部屋での長居はしない 歌や応援は十分な距離かオンライン
食事:対面ではなく横並びで座ろう 料理に集中、おしゃべりは控えめに
冠婚葬祭:多人数の会食は避けて
日常生活:顔を触らない 大声や近づいての会話をせずすむよう騒音をなくす ボタンを押すときは指先ではなく関節で、ドアを開ける時はひじや背中で
など、沢山の提案がなされ、各業界でガイドラインが作成されています。
コロナ前の日常生活を知っている私達は、この奇妙な日常生活も感染拡大を防ぐためと思い、なるべく従うように、みんなが努力しています。しかし、コロナ前の日常が、まだ日常でなかった赤ちゃんや子ども達にとって、この生活はどうなのでしょうか?
生まれたばかりの赤ちゃんは、身体的距離をとってほっておかれたら死んでしまいます。ママに抱っこしてもらい、頬ずりしてもらい、おっぱいをもらい、優しく触れられてお世話をしてもらうことが日常です。パパや兄弟、祖父母、近所の人、友人など沢山の人に触れてもらい、この世に生まれてきたことを心から祝福される。ママやパパの優しい笑い顔、楽しい声を聞いて、顔の表情をみながら、赤ちゃんは五感をフル活動して脳の回路をつなぎ、いろいろなことを学び、少しずつ出来ることが増える。周りの景色をみて、触って、その感触を感じながら、1歳頃には一人で歩けるようになっていきます。
しかし、新しい「日常」では、今までの日常が普通でなくなっています。院内感染を防ぐために、分娩立ち会い制限、面会制限を行っている施設がほとんどです。赤ちゃんを新生児室にすぐに預かっている施設もあります。赤ちゃん用のフェースシールドも販売されています。大人はマスク着用して、赤ちゃんに触れています。兄弟、祖父母、友人などが触れたり、助けてもらう機会が少なくなりました。
「赤ちゃん、可愛いね」といって赤ちゃんに話しかけてくれていた他人は、マスクをして2mの距離からしか声をかけてもらえません。子どもと真正面から近距離で話しかけたり、抱きしめたりすることで、信頼関係を築けていたのが、距離をとらなければいけなくなりました。マスクをかけた顔が日常になりました。大きな声で歌ったたり、手をつないでお遊戯をしたり、身体とふれあう遊びが出来なくなってしまいます。楽しい給食の時間はおしゃべりができなくなりました。保育園や幼稚園、小学校の先生は、子ども達とどのように触れ合うのでしょうか?
子どもは、2歳頃からは、他人との関係性を学んでいく時期となります。一人遊びから、他人と一緒に遊べるようになり、集団で遊ぶことで、社会性ができ、我慢することを学び、自我が芽生え、困難に立ち向かえるようになってきます。しかし、三密がダメといわれるなか、子ども達の社会性を身に着ける健全な成長の機会が奪われていかないか、心配です。
今、生まれて、育っていく子ども達にとっては、奇妙な日常が、普通の日常です。
感染拡大を防ぎながら、日常をどのように取り戻すのか?赤ちゃんや子ども、家族にとって未知の世界です。この時代だからこその、子育てを考えていかなければなりません。赤ちゃんや子ども達にとって健全に育つことの妨げにならないような「新たな日常」を家族に提案していくことが必要だと痛感しています。みんなで考え、工夫し、小さなお子様をもつ家族に提案していきたいと思います。

ニュージーランドの子育て~ロックダウンが終わりました

ニュージーランドは6週間も続いたロックダウンが終わり、街は普段の生活に戻ろうとしています。ニュージーランドでは感染者が30人前後の段階で、首相がロックダウンを決定しました。ロックダウンはかなり厳しいもので、スーパーや薬局、病院以外の店はすべて閉まり、車での移動も必要な場合のみでそれ以外は禁止、公園も封鎖され、友達や別世帯の家族と会うことも禁止になりました。行動範囲は、徒歩圏内で行ける場所のみが原則でした。警察の取り締まりもあり、違反すると逮捕されるケースもありました。小さい子どもがいる私にとって、公園も行けない、友達とも遊ばすことができないことは、最初はとても苦痛ではありました。しかし、その生活も慣れてくると楽しいもので、普段チャレンジ出来ないお菓子作りをやってみたり、勉強に励んでみたりなど、家にいることで自分の時間を有意義に過ごすことができました。なにより、家族とこんなにも密に過ごすことができたのは滅多に出来ない経験で、とても良い時間だったなと思います。ロックダウン中、散歩や身体を動かすことが皆の楽しみになっており、沢山の人が散歩やランニングをしていました。私達家族も、一日二回の散歩が日課となっていました。散歩中の少しの楽しみとして、「ベアーハンティング」というものをやっていました。これは、あるお母さんが散歩中に子ども達が楽しめるようにと、家の窓際にぬいぐるみを置いて子ども達に探させようという提案をし、沢山の人がそれに賛同しました。街を歩いていると、ぬいぐるみが窓際に置いてあったり、ポストからぬいぐるみの顔が出ていたり、中には柱にぬいぐるみが括り付けてあったり、私の娘も散歩中、「くまさんいる」とベアーハンティングを楽しんでいました。ロックダウン中は大変なこともありましたが、そんな楽しみのおかげで、なんとか乗り切ることができました。早い段階での対応のおかげで、現在は感染者もほぼおらず、安心して生活をすることができています。
 以前の記事でも少しだけ触れましが、ロックダウン前から、私の子どもはニュージーランドの保育園に通い始めました。ニュージーランドでは、日本で言う保育園を「デイケア」、幼稚園を「キンディ」と言います。ニュージーランドでは20時間無償幼児教育制度があり、どんな世帯でも3歳~5歳の子は週20時間無料でデイケアやキンディに預けることができます。普通は3歳から利用できるのですが、今通っているデイケアでは2歳から20時間無料が適応されるキャンペーンをしており、無料で預けることが出来るのならと入園を決めました。普通にデイケアを20時間利用すると週$132(約10000円)かかるのが、給食費のみ週$14(約1100円)と思うと、20時間無料はとても助かります!デイケアやキンディは、毎日預ける必要はなく、自分の都合に合わせて日数や時間をフレキシブルに変更することができます。そのため、午前のみ、午後のみ、1日5時間、フルタイムなど様々な時間設定から自由に組み合わせて利用することが可能です。働いていないお母さんは、20時間以内に利用をおさえる方が多いので、週3~4日デイケアやキンディを利用し、それ以外をプレイグループや水泳などの習い事に行かせるという利用の仕方をしている方が多いです。私の通うデイケアは、2歳未満クラスと2~5歳のクラスの2クラスに分かれています。最初は大きいお兄ちゃん、お姉ちゃんと一緒で大丈夫なのかと不安にもなりましたが、上の子が下の子の面倒をみていたり、下の子は上の子の様子をみていろんなことにチャレンジしようとしていたり、お互いに良い刺激を与えているなと感じました。デイケア内は、室内と園庭に分かれており、自由に子どもたちが遊んでいます。絵具や粘土、夏には水遊び、先生がダンスや絵本の読み聞かせをしてくれたりもしますが、みんなで集まってやるわけではなく、みんなやりたいことをやっているという感じで、かなり自由にさせてくれます。ドロドロの服や、絵具がついた服を持って帰ってくると、今日もいっぱい遊んできたんだと嬉しく思います。担任の先生がいる訳ではないので、先生みんなが子ども達みんなをみるというスタイルになります。連絡ノートがあるわけではないので、その日の様子やお昼ご飯やお昼寝の状況は、先生に聞かないとわかりません。担任の先生がいないということの難点として、その日その日で、ご飯を担当している先生、お昼寝をしている先生が違うので、迎えに行った時に近くにいた先生に「今日子どもがご飯を食べた?」と聞いても「私は今日担当じゃないから、○○先生に聞いて」と言われることがよくあるということです。最初はご飯食べているかな、お昼寝しているのかなと不安になり、担当の先生を探し毎回聞いてはいたのですが、だんだん何も先生から言われないということは、特に問題なく一日過ごしたんだなって思うようになり、最近では何か言われない限り聞くこともなくなりました(笑)。デイケア内に、キッチンがあり、そこでランチやおやつを手作りしています。モーニングティー(9:30頃)とアフタヌーンティー(14:30頃)という2回のおやつ時間があり、内容としては、フルーツ、野菜スティック、シリアル、クラッカー、チーズ、手作りクッキーやマフィンなどが用意されます。ランチ(11:30頃)は、スパゲッティ、スープ&パン、ナチョス、チャーハンなど、さすが海外というようなラインナップです。最初は慣れない味で食べないこともありましたが、今では3杯もお替りするほど、食べるようになりました!お昼寝は12:30頃から始まりますが、寝たい子だけ寝るという感じで、寝ている子の横で普通に子ども達が遊んでいます。私の子も最初は先生が抱っこをして寝かしつけを頑張ってくれてはいましたが、先生から「寝るより遊ぶほうが楽しくて、寝たくないみたい」と言われ、今ではお昼寝なしで、5時間遊びっぱなしで帰ってきています。
 最初は新たな環境かつ英語のみの環境に私も子どもも不安で、毎日泣いてデイケアに行っていました。しかし、知らない言語は不安だろうと、日本語の対応表を用意して日本語を先生が覚えようとしてくれたり、私の子どもが知っている音楽を積極的に流してくれるなど先生が頑張ってくれたおかげで、今では子どもから進んでデイケアに行ってくれるようになりました。先日は、デイケアを利用しているお母さんが餃子を教えに来てくれて、子ども達みんなで餃子を作り、みんなで食べたそうです。家ではなかなか出来ない経験をさせてくれるデイケアに、行かせて本当によかったと思います。そして、子どもが英語も少しだけ話すようになり、最近では「NO―」と叫べるようになりました(笑)。日本に帰国する頃には、英語ペラペラになっているかもしれませんね!

新型コロナウイルス~この2ヶ月

今までに経験したことのない新型コロナウイルスの世界的感染拡大で、みんなの生活が大きく変わりました。
私の周りでの変化を書いてみたいと思います。

2月の初めには、新型コロナウイルスの感染が少しずつ話題になってきていました。2月中旬頃から、医療関係者向けの県や市が主催の研修会が全て中止になり始めました。これは、「ただごとではない」と思い始めます。2/23、私は理事会出席のため東京へ。マスクをはずさないようにして、手すりは触らないように。東京の電車の中も少し空いているような感じ。理事会では、5月に開催される総会・セミナーをどうするか、今後の研修会をどうするかが話し合われました。5月中旬に開催予定のセミナーは11月に延期、5月末に開催予定のセミナ-は感染状況をみて検討することになりました。8月に東京オリンピックがあるのだから、それまでに収束するんじゃない、なんて呑気なことを言っていました。

3月になると、日本でも感染者が増え始め、海外の大変な状況が次々と入ってくるようになりました。新型インフルエンザの時は、感染症対策をしたけれど、何も起こらずに済みました。しかし、今回はそんな状況ではない。感染症の対策が、医師会や産婦人科医会など様々な所から続々と送られてきます。

スタッフの検温を毎日勤務前に開始。咳が続くスタッフや家族が県外勤務で発熱があれば休ませる。学校が突然休校になり、出勤できないスタッフがでてくる。今は、スタッフに余裕があったので、困らなかったけれど、スタッフ不足の時だったら大変でした。
母親教室など集団で集まる教室は、全て中止。教室ができないので、外来での個別指導に切り替える。指導日と指導内容をみんなで検討しました。
院内の消毒、スタッフの基本的感染予防対策の徹底のため、医療資格を持っていないスタッフにレクチャーして、院内感染予防対策を徹底しました。
面会制限、外来の付き添い制限、業者の病棟内への立ち入り制限など、外来や病棟にCOVIDが入ってこないように、患者さん、業者さん全員に電話をして協力をお願いする。立ち会いのご主人は検温をして、行動歴や周囲に感染を疑う人がいないかの聞き取り。COVIDの感染が疑われない場合のみ立ち会いOK。外来患者さんでもCOVIDの疑いが少しでもあれば、スタッフが検温と行動歴の聞き取り。診察が可能かを院長に確認後、他の部屋で待機してもらってから診察。発熱がある患者さんは、受診前に全て電話連絡してもらうように徹底。COVIDが心配な人は、帰国者接触者センターに電話するように説明。しかし、センターに電話しても、自宅待機と言われ、PCRはしてもらえず。徹底的な聞き取りと症状を確認してから、受診してもらうか自宅待機で様子をみてもらえるか決める。かなりのストレス。
スタッフ全員にサージカルマスクをつけるように、アルコール消毒の徹底を指示したけれど、サージカルマスクもアルコール消毒もフェースシールドもガウンも入ってこなくなる。みんなで工夫するしかない。サージカルマスクの節約、患者さんと密接に接触しないスタッフは布マスクで。院内消毒は、自分達で作った次亜塩素酸スプレー。消毒しやすいように、不必要なものは、撤去。自家製フェースシールドを作り、袖なしガウンで対応。
お産の時は、発熱する人もいる、風邪で咳をしている人もいる。もしかしてCOVIDの感染があるかもしれない。でも、PCR検査はできない。どうすればいい?ヤナセクリニック独自のCOVIDスコアを作りました。患者さんの感染危険度をみんなで共有し、スタッフの感染防御対応を徹底。
里帰りの人には、三重県に帰省してから2週間の自宅待機をしてからの受診を全員に電話でお願いしました。里帰りの分娩予約だけのために、県をまたいで行き来をすることを防ぐために、WEBでの分娩予約を開始。

他県で助産師2名がCOVIDに感染のニュースが入ってくる。ニューヨークで妊婦さんに無症状のCOVID感染者が多数いることの報告があり、産婦人科医会から、分娩時のCOVID感染を防ぐための指針が出される。分娩時はCOVIDの感染暴露の可能性が非常に高い。立ち会い分娩は避けるように。
4/6の緊急事態宣言から立ち会い分娩を禁止。患者さんは、「しょうがないですね。」と言いながらも、がっくりとした様子。分娩立ち会いの助産師は、その気持ちを受け止めました。患者さんにしっかり付き添い、一人にしない、不安を与えないようにと、ご主人の分まで一生懸命に分娩に立ち会っていました。出産したら、沢山の写真や動画を撮ってあげたり、テレビ電話で分娩の実況中継をしたり、帝王切開の時も手術中にテレビ電話をしたり。家族と繋がれるようにスタッフみんなで協力しました。
面会は完全に禁止となり、入院生活も一人です。寂しいといっても、今はみんながスマホを持っているので、ご主人や家族にテレビ電話をしている光景をよくみました。面会がないと、ゆっくり赤ちゃんと過ごすことができたという意見も多く、赤ちゃんとの濃厚な時間を病院内で過ごすことも良いように思いました。

5/15には、三重県では緊急事態宣言が解除されました。立ち会い分娩、家族のみの短時間面会をOKとしました。ご主人と赤ちゃんの誕生を心から喜び、幸せな時間が、また戻ってきました。ご主人が感動で泣いている姿、夫婦で抱き合っている姿をみると、やっぱりお産はいいなと、改めて思います。

まだまだCOVIDとのお付き合いは続きます。集団で集まる教室は、まだまだ再開できません。教室の動画配信、ZOOMでの患者さん同士の交流など、新しいことにスタッフはチャレンジしています。楽しくみんなで取り組んでいます。
今まで通りにできることもありますが、新しく変わっていくことも多いでしょう。マスクも十分入ってはこないし、感染症の不安と隣り合わせだし、外来患者さんも減ったし、いろいろ大変ですが、悪いことばかりではないと思っています。
アフターコロナには、明るい未来があると信じて、日々大切に前に進みたいと思います。

産科施設のコロナ対策

新型コロナウイルスの世界的感染拡大、そして、日本でも感染が広がっています。世界の医療崩壊の状態が報道され、そして、日本でも医療崩壊の危機です。
今までの積み上げられてきた地域の医療体制が崩れるかもしれない。通常の医療業務と同時に感染症の対策に日々追われる。医者になって、初めての経験です。それでも、赤ちゃんとお母さんを守るために踏ん張らないといけません。

コロナが感染拡大する前、赤ちゃんの出産にいろいろな希望や夢をもって、バースプランに沢山の希望をかいてくれていたパパとママ。毎回の妊婦健診の超音波を見るのを楽しみにしてくれていたパパ。立ち会い出産で家族の見守りの中で、一緒に出産を乗り越え、赤ちゃんの誕生を幸せと感動で迎えることを楽しみにしてくれていた家族。入院中に家族や友人がきてくれて、赤ちゃんの誕生をみんなで喜ぶ。入院中に一緒に子育てしたい、育児を手伝いたいという思いで仕事帰りに来てくれるパパ。産後は、県外のお母さんに手伝ってもらって1ヶ月間過ごす予定にしていた。育児中は、ママ友と一緒に楽しく子育てしたいので、いろいろな教室に参加したい。
そんな思いを今は、感染予防のために、全てお断りしています。各種教室は中止。外来の付き添い、立ち会い出産、面会も、感染予防のためにできなくなりました。思い描いていた妊娠生活、出産、産後ではなくなり、ショックを受けている患者様もいます。
コロナを出産施設内にもちこまないために、私たちは最大限の努力をしています。コロナ感染の心配をせずに、外来受診していただき、入院生活送っていただきたい。十分な説明をおこなって、患者様に納得していただいています。退院した患者様からは、入院期間中は家族の面会がないと寂しいかもと思ったけれど、逆に、赤ちゃんとゆっくり過ごすことができて良かったと言っていただきました。
こんな時期に妊娠しなければよかった、こんな時期に出産にならなければよかったという思いにならないように、スタッフは、患者様に寄り添えるよう、一生懸命頑張っています。

しかし、医療機関と一般の方のコロナ感染に対する危機意識の違いに戸惑うことがあります。
愛知県から里帰りで出産予定の方。妊娠中から当院に通院しています。テレワークになったけれど、1週間に1回3時間程度、報告書提出のために出勤しなければならないと。せっかくのテレワークになったのに、数時間の出勤で感染したくないですね。妊娠中だからという配慮はありません。診断書を書いて、実家に早く帰れるようにしました。妊婦さんがコロナから守られるようにしてほしいです。
関東方面から里帰りするために実家に来ていた妊婦さん。ご主人の立会い出産はあきらめ、ご主人は三重県にくることもなく、我慢してもらいました。でも、入院の前日に弟とお父さんが所用で大阪へ。商店街などをブラブラして帰ってきて、家族一緒に夕食を食べました。それは、感染リスクあることなのだけれど。赤ちゃんを迎える家族だから、家族で自粛してほしかった。
一般の方の自粛の意味と、医療者が考える自粛には随分意識の違いがあると思います。

皆様の命を守るために、医療者は、頑張ります。
だから、皆様も感染を広げないための最大限の努力をお願いします。

ニュージーランドの子育て~父親編~

ニュージーランドでの子育て

ニュージーランドは、夏が過ぎ、朝晩は冷え込むようになり、少しずつ秋めいてきました。今回は、父親目線でのニュージーランドの子育てで感じたことを、私の夫に書いてもらいました。

私は産婦人科医をしており、日本でいた頃は若手ということもあって当直業務や学会活動などのお仕事をいただき、月に2回程度の休みがあれば良い方でした。平日の帰りも遅いため、娘の起きている顔を見るのは、この月に2回ということになり、そのうち1回はゴルフに行ったりする時もありました。そういうわけで、忙しさにかまけて育児をほぼほぼ行わないままに生活してきたということになります。妻は、いわゆるワンオペ育児を敢行しており、「平日は父親が居ないものとして生活している。」という言葉とその時の妻の遠くを見る目は、今でも時折思い出します。
しかし、ここでニュージーランドの良いところを述べて、日本はいかに忙しいだの、窮屈だの書くことは芸がなく、いかにも俄であり、そもそも日本で育児をしていない人間が比べる事はできないので、ニュージーランドで育児を行い感じたことの事だけ述べさせていただきます。

ちょうど先日、妻が単身で1週間日本に帰る用事があったので娘と二人で1週間を過ごすことになりました。
まず上司に事情を説明し、その期間はdaycare、保育園みたいなものですね、が終わり次第迎えに行かせて欲しい旨を伝えたところ、No problem, you must definitely look after your daughter. This is very important.(原文のまま)との返事をいただきました。誰一人嫌な顔というか、「何やってんだよ」みたいな顔をせず、そうなったからといって僕自身に対するラボのメンバーのリスペクトも変わらないように感じました。

さて、いよいよ娘との生活が始まります。朝起きて、朝ごはん作って、洗濯して、掃除して、風呂とトイレ洗って、娘を着替えさせて、なだめすかして歯を磨かせて(歯磨き嫌がる)、自分も着替えて、車に乗せてdaycareに送る。。。こんなしんどいの!? まー、娘は言うこと聞かない。ありとあらゆることに言うこと聞かないのだから、もはや大したもんです。朝から戦争。なんとか送り届けたら解放され、しばし大学で研究。でも昼過ぎには迎えに行ってまた戦争。初日は戦争しかしてなかったので、周りを見る余裕はなく、気がついたら就寝していました。
しかし、二日目にdaycareに連れて行ったとき、先生からは「大丈夫か? いつもと違ってお前が連れてくるのか??」と。事情を説明すると、「そりゃいい、勉強になるだろ!がっはっは」的な会話や「何かあったら連絡してね」といった励ましをもらいました。妻のママ友や同僚からも心配されたし、助け舟をいただき、とても嬉しかったです。公園や買い物に行くといつもより、構ってもらっているように思え、そうした中で、一人ではないという安心感を得ることができた。実際、公園で新しいパパ友も見つけましたし(笑)。尤も、周りから見てあまりに私が頼りなく見えたのかもしれないですが。そういう心の余裕ができると、娘との戦争があまり起こらなくなっていることに気づきました。初日の余裕のなさとか、不安感がきっと、戦争を引き起こしていたのだろうと思いました。ここの生活では、周囲の人に心の余裕があるからか、ほっとさせてもらえる瞬間が多かった。また、買い物行っても、雨の日に出かける場所探しても、子供の遊び場みたいなものが、そこらかしこにあるし、使用料も安価なので助かりました。一週間過ごして思ったことは、ニュージーランドでは「周囲の人の子供連れに対する接し方」「子供が使用できる施設の量と質」「daycare」「職場のサポート」が充実しており、このような素人父親でもなんとか一週間過ごすことができたのだろうと感じている。

冒頭では日本の生活と比べないとは行ったものの、これを、例えばNZの人の子供に対する接し方を、日本に導入したらどうなるだろうかと思いを巡らせてみました。「周囲の人の子供連れに対する接し方」なんていうものは、ひと昔前の日本の、いわゆる村社会であったころの接し方に似ているのではないのかな、この文化が、日本で駆逐された背景や原因にはいろいろあるでしょうが、これを他人に対する過干渉と捉えられた場合、それに伴うリスクを考慮された面もあるはずです。こちらでは子供と歩いていると、時々見知らぬ人から「娘可愛いねぇ!!すごいね、これ!!」みたいなリアクションを取られることがあります。ほんとに。びっくりする。何かの勧誘かな?と初めは思ったもので、これを急に日本ですれば、SNSで晒されて炎上したりするのではないかと考えました。これはこれで日本という国の発展の結果であり、私は良いんじゃないかと思っています。誘拐とかの可能性もあるでしょうし。

国によって発展してきた歴史や文化が違うので、外国の良いとこだけピックアップして、日本に輸入することは無理があるように思うし、やれアメリカは〜、やれイギリスは〜と訳知り顔で日本を下げる記事や番組を見ることが嫌いです。(そういうコメンテーターに限ってその国か日本どちらかの事情を深く理解していない)

コロナウイルスの蔓延で、NZは現在alertをLv4に宣言しましたので、今は仕事も家で行い、街中ではスーパーと病院、薬局以外は閉まっています。外になるべく出るなと言われれば、素直に皆従いますし、制限のなかで楽しみを見出して生きているようです。いま何が本当に大事なのかを多くの人が理解し、支え合って生活しているように感じます。ニュージーランドの、良い意味でも悪い意味でも適当で、でもやる時はしっかりやり、自分や家族の時間を大事にし、心に余裕のある生活を送る文化に触れて、良かったと感じています。残り1年、さらにニュージーランドの深い部分を知りたいと思いますし、その上で、日本での生活が楽しくなるようなアイデアや考え方を吸収していきたいと感じました。

子どもと歩けばおもしろい

四日市のメリーゴーランドで開催された保育学セミナーに参加し、東京家政大学教授 加藤繁美先生の講演を聴いてきました。
加藤繁美先生の著書「子どもと歩けばおもしろい」を読みました。
児童虐待増加、早期教育による過干渉、少子化・人口減少による地域の脆弱化など、子どもが育つ環境が変化するなか、自我形成に歪みをもちながら成長を強いられる子どもが増加しています。日本の子どもの自己肯定感は世界の中で非常に低い状態です。乳幼児期に形成される「自己内対話能力」「自己づくり」が危機にさらされています。乳幼児期は、「自我発達」、「自我形成」と言われる、さまざまな葛藤をくぐりながら、子どもが自分と出会い、誇るべき自分を形成していく道筋で、まさに「自分づくり」という言葉の「発達の過程」です。

新生児:自分の要求を自覚的に表現することもできない
1歳半:言葉と身体を駆使しながら、自分の要求を表現する主体へと成長。「自我の誕生」強烈な「自己主張」をする過程で、子どもたちは要求する「自分」と出会っていく。
1歳半から3歳:「自己主張」が生まれ、拡大していく時期。子どもたちはまさに「自我」の塊といった感じで大人の前に立ちはだかってくる。この時期の子どもたちは、自己主張を繰り返すとともに、他者と同調・共感する力(同調・共感要求)も急速に発達する。重要なのは、同調・共感要求の拡大が大人の支えを必要とするのに対し、自己主張する「自我」の世界は、大人が邪魔さえしなければ、どんどん大きくなっていくところ。この段階で、子どもの「自我」をていねいに受け止め、意味づけ、切り返す、対話的なかかわりを親や保育者が行うと、大人が語る価値の世界を、子どもたちが自分の中にとりこもうとする。こうした対話的なかかわりを通して「第二の自我」の芽を獲得していくのが、幼児前期という時期です。
3歳から4歳半:二重の自我世界を拡大させていく段階ですが、この2つの世界を自分の中で一つにつなげることは、まだ苦手です。大人と心地よい関係を作っているときには、少し背伸びをして「第二の自我」を生きようとする子どもたちも、現実の世界においては、「自我」の世界に支配されながら活動してしまいます。幼児中期は、実際には「葛藤する自我」を生きる時期にほかなりません。
4歳半から:この2つの自我世界をつなげる力が子どもの中に育ってきます。「~したい。でも、いまは、こうしたほうがいいよね」「~したい。でもこうしたほうが、もっとステキだよね」といった自己主張する「自我」と、社会的知性としての「第二の自我」とを、自分の中で対話させながら自己決定する力を子どもたちは獲得していきます。
こうして2つの自我の中を自己内対話しながら大人に成長していきます。つまり、乳幼児期に形成される自己内対話力は一生の財産となります。2つの自我世界を豊かに育て、中身をさらに充実させ、自己内対話能力をさらに確かなものにするこが、「人間らしく生きる力」になるのです。

加藤先生は、2歳児を中心とする幼児前期が重要と書いています。俗にいう「イヤイヤ期」です。離乳の完成、歩行の確立、言葉の獲得と、堂々と人間の仲間入りを果たした「誇り高き」2歳児です。2歳児の自我の世界は、モノとの間で形成される探求的知性と、人との間で形成される共感的知性と、さらに、現実には存在しないものを思い浮かべることを可能とする虚構的知性が誕生してきます。「みたて遊び」「つもり遊び」の中で子どもたちは、現実に存在しないものを頭の中でイメージして描き出し、それに引き込まれて遊びの世界に浸りきっていきます。こうやって非現実を引き出す力こそが、やがて希望や未来といった未経験の世界を創りだすことが可能になります。

2歳児という時期は、大人にとってやっかいな時期です。この時期の関係づくりは、子どもが出す「自我」の世界を「受けてめては、切り返す」「受け止めては、意味づけ直す」という関係を根気強く続けていくことです。「受け止める」ことと「受け流す」ことは違います。「受け流す」というのは、子どもが「イヤ」と言えば、「イヤなら無理してやらなくてもいいよ」とそれを認め、「これが欲しい」と言えば「欲しいから買ってあげるよ」と買い与えるといった形で、とにかく子どもの自我に振り回されながら、従ってしまう関係のことをいいます。「受け止める」という感覚は、きちんと「止める」関係のことをいいます。たとえば、こどもは一生懸命ボールを投げるのですが、だいたいボールは変なところへ飛んでいきます。それを大人が手を伸ばして取ってやる。そして、最高の球を投げ返してやると、子どもは得意げにボールを取ろうと努力する。「受け止められ、受け止める」という関係を、根気よく、ていねいに作り出していくことが大切です。子どもとの間に心のキャッチボールが成立し、子どもの得意げな表情を感じたときに、ゆったりと、ていねいに「でもね」と切り返していきます。大人の価値をシンプルな言葉で語っていくのです。すると子どもの中に、自分を受け止めてくれた大切な人の言葉が「第二の自我」の芽として刻まれていくのです。
自己主張の強い幼児前期を安定的に乗り切れるためには、豊かな乳児期を保障することが大切です。特定の大人との間に親密なコミュニケーションを経験し、愛されることの心地よさを、特定の大人に対して認識する「基本的信頼感」の獲得が大切です。

子育ち・子育てを社会全体で保障することが大きな意味をもつ理由がそこにあります。この時期に親たちが安定すると、子どもは乳児後期から幼児前期という「自我」の誕生、拡大期を安定的に成長することができ、「自我」形成に大きな歪みが生じなくてすむからです。

乳幼児期に自己内対話力をしっかりと築くことが、その人の一生の宝になります。子育ては、誰にとっても初めての経験です。子どもの発達について大人が知識をもち、親が安定した状態で子育てにのぞみ、子育ち・子育てを応援する社会が、どんなに大切なことなのか、社会全体が理解してもらうこと。
「こどもは 大人の父である」。子どもの時の豊かな経験が大人を作りあげていきます。そして、その大人が子どもを育てていきます。子どもの時に、豊かな経験がなくても、子どもと一緒に豊かな経験をしていくことができます。子育ち・子育てを社会全体で応援してきましょう。

ラジオ番組出演

令和2年1月13日、毎年恒例のラジオ番組出演でした。以前は、クリスマスイブに特別番組をしていましたが、最近は、成人の日になりました。子どもについて、子育てについて、親について、大人になるとは・・・など毎年いろいろな企画を盛り込みながら、四日市メリーゴーランドの増田善昭さん、世界SHIENこども学校のびすくの松井強さん、FMみえの瀧裕司アナウンサー、私でお話しをしています。
いつも増田さんが、電話出演のスペシャルゲストを依頼してくださるのですが、今年は、なんと、人気絵本作家のあべ弘士さん、世界的詩人の谷川俊太郎さんでした。

旭山動物園の元飼育員で素晴らしい動物の絵を描かれるあべ弘士さんからは、いつも楽しい動物の話しを教えてもらいます。
「動物が一人前になるというのは?」
1子どもを産める身体になった。性成熟した時期
2子別れ。「独り立ちしろと親に言われる」「独り立ちしなければと子どもが思う」.その時期は、親にとっても子どもにとっても厳しい。さっきまで、愛情いっぱいに可愛がってくれていた親が、子別れすると決めたら、絶対子を寄せ付けない。野生では、子どもは一割ほどしか生き延びることができない。親は子別れして、また次の子どもを産む必要がある。動物園では、そんなことはないけれど、野生は、本当に厳しい。今の人間社会は、子離れ、親離れができなくなっているよね。
「動物に体罰はあるの?」
群れで生活する狼などは、順位を決めるための争いがある。順位が決まれば、それぞれの役割があり、掟がある。遊びを通して、様々なことを覚え、争いで順位がきまれば、ノーサイド。負けたら負けを認め、自分の役割をもち、掟に従う。それからのいじめはない。体罰があるのは人間だけかな・・・。

詩人の谷川俊太郎さんとお電話でお話をさせていただきました。緊張しました。でも、とっても良い経験でした。人の意見をしっかり聞き、自分の意見をしっかりと話す。88歳とは思えない。さすがでした。
文:谷川俊太郎『へいわとせんそう』という絵本が出版されました。「なぜ、戦争と平和ではなく、へいわとせんそうなのですか?」
戦争が終わって、平和がやってくると思っているかもしれないけれど、普通の人にとっては、平和な日常の生活の中に、戦争が土足で踏み込んでくる。だから、へいわとせんそうなのです。この本のなかで、みかたとてきは全て絵が違うのに、みかたの赤ちゃんとてきの赤ちゃんの絵だけが一緒なのに私はとても共感しました。平和な時も戦争の時も、赤ちゃんは、どこの国で生まれても、肌の色が違っても、みんな一緒で可愛い。生まれたときは、てきもみかたもない。谷川俊太郎さんもそのことが伝えたかったと。
「戦争といった命と向き合う場面ではなくても、今の日本では身体は健康でも心がしんどい親が多い。どうすればいいのでしょうか?」
親が子どもを育てるのは当たり前。親の責任でしょ。
「目に見えないものを大切にされていると思うが、どのようにしたら大切にできるのか?」
自分は、書くことなどで伝えようと思っている。昔は、仏壇があり、氏神さまを祈って、目に見えないものを自然に大切にし、身近に感じていた。目にみえないものを大切にしている物には、本でも漫画でもある。そのようなものに触れることも大切。
「大人になるとは? 自分のためだけでなく、人のために動けるようになる時のように思う。谷川さんはどんな時に大人になったと意識したのか?」
徐々に大人になったようで意識していない。自分の中に子どもを意識した時に大人になったと感じたように思う。「稚心を去る」という言葉があるが、逆に、自分の中にいる子どもに気づいた時に大人になったと思った。

二人の偉大なスペシャルゲストに感じたこと。どんな人との会話でも、謙虚に真摯に人の話しを聞く姿勢。沢山の知識をもつこと。物事をしっかり見る力をつけること。そして、人に媚びることなく、自分の意見をしっかりと持ち、人に伝えられる。そんな風に年齢を重ねていけたらと思った。


国境なき医師団に寄せる  谷川俊太郎

傷ついて赤い血を流し
痛みに悲鳴を上げるのは
敵も味方もないカラダ
ココロは国家に属していても
カラダは自然に属している

肌の色が違っても
母の言葉が違っても
信ずる神が違っても
カラダは同じ
ホモ・サピエンス

いのちがけで
いのちを救う
カラダに宿る
生まれながらの
見えない愛

国境は傷
大地を切り裂く傷
ヒトを手当てし
世界を手当てし
明日を望む人々がいる

ニュージーランド旅行

令和2年のお正月は、娘家族とニュージーランドの南島で過ごしました。娘家族は、ニュージーランド北島のオークランドに住んでいますが、南島の夏は、素晴らしいということで、オークランド空港で待ち合わせ、南島のクライストチャーチへ一緒に向かいました。

12月30日:クライストチャーチでレンタカーを借り、Fairlieという小さな町へ。Airbnbという現地に暮らす人の家を借りて泊まるサービスを予約してくれていました。リビング、ダイニングキッチン、ベッドルーム3部屋、バスルームがあるとても可愛いお家。裏には芝生の庭がありました。裏のお家には、子どもが二人、庭にはトランポリン、木のブランコがあり、女の子2人が遊んでいました。現地の家庭の様子がわかって、こんな宿泊も良いなと思いました。大家さんの奥さんは、日本人らしく、日本語で歓迎のメッセージが。ダイニングには、この家で宿泊した人たちの大家さんへの感謝のメッセージ。家の中の物は、自由に使ってよいらしく、夜の買い出しにスーパーへ。夕食は、近くのレストランへ。ハーブが効いた美味しい料理。ニュージーランドは、どんなレストランやカフェでもハイチェアが置いてあり、子ども連れ可能。子どものおもちゃが置いてくれてあったり、塗り絵と色鉛筆を貸してくれます。子ども連れを嫌がられることはありません。でも、こちらでは、店の中で子どもが泣き叫んだりしないんだよね、と娘は不思議がっていました。
夜は、星空を見に行く予定でしたが、曇り空。星空は、難しいかもといいながら、レイク・デカポへ。途中の道は濃霧。無理かもと言っていたら、山を越えたら晴れ間がみえてきて、レイク・デカポに着いたら晴れていました。夜の9時でもまだ明るく、夜が更けることを待つことに。完全に周りが暗くなったのは、夜11時頃。空には、世界一の星空という満天の星を堪能しました。婿はこの日のために、夜空を撮影するためのカメラ設定を研究していたらしく、美しい星空をカメラに収めていました。帰宅してから、スーパーで買ったニュージーランド産ワインとクラッカー、チーズで乾杯。久しぶりに会った娘夫婦と楽しく話しができました。家なので、自宅にいる気分でゆっくりできて、とても良かったです。

12月31日:近くのベーカリーへ。日本の1.5倍くらいのミートパイ、マフィン、野菜や肉が沢山サンドされているパンなどが並んでいます。大家さんが用意してくれていたコーヒーやココア、紅茶、ハーブティーなどをいただき、ゆっくり朝食。10時にチェックアウト。これなら何泊でもしていいなと思いながら、車へ。昨日行ったレイク・デカポへ。昼にみるとエメラルドグリーンの日本ではみたことのない色の美しい湖。周囲の山とマッチして、なんと美しい景色でしょう。途中には野生のラベンダーの群生があり、美しかった。
その後、今日の目的地のマウント・クックへのドライブ。何もないまっすぐな道。信号もなく、時速100㎞走行の道路は快適でした。時々、牛や羊はいますが、人は全く遭遇せず、牧草に水を撒く大型の機械が時々牧草地にあるのみです。マウントクックは、暑いくらいの晴天。駐車場は一杯で、みんなトレッキングの恰好で山へ向かいます。孫のみやは、2歳のため、みやが歩けるくらいの40分程で歩けるコースへ。美しい山々、高山植物を見ながらゆっくり歩きました。みやは、石マニアらしく、石を拾ったり、石の上を歩いたり、子どもながらに楽しんでいました。体力をつけて、今度は半日コースに挑みたいと思います。昼食をとりましたが、外人の人は、女の年配の人でも、日本のMサイズのピザを一人で全部食べているのには、びっくり。ハンバーガーも2倍の大きさ。ナイフとフォークで食べていました。日本人は、そんなに食べないと知っているのか、シェアしますか?と取り皿を置いて行ってくれます。外人は、中年になると、あの体型になるのは、摂取カロリーが多すぎるのだと再認識しました。そして、クライストチャーチへ。クライストチャーチの中心にあるホテルに宿泊しましたが、2011年のカンタベリー地震で半壊した大聖堂がそのままになっていました。壊れた廃墟となったビルと新しいビルが混在しています。夕食は和食の店へ。日本の居酒屋のようなメニュー。ニュージーランドは物価が高いので、外食すると日本の2倍くらいのお金がかかります。みやは、大好きなうどんが食べれて大満足。街には、日本のような新年の飾り付けは全くなくクリスマスツリーが飾られているところもありました。夜は、公園でカウントダウンコンサートがあるということで、歩いて公園へ。クライストチャーチには、1日の中に四季がると言われていて、夜は、日本の冬くらいの寒さ。ダウンジャケットを着ている人がいると思うと、半そで半ズボンの人もいます。人種によって体感温度が全く違うようです。公園に行くと、日本のお祭りのように屋台がずらっと並んでいます。ニュージーランドでは、このような場所ではお酒は売られないし、飲酒してはいけないらしく、健全な感じです。カウントダウンの後に、花火があがりました。このお祭り感は、どこの国でも同じですね。

1月1日:おせちのような特別の正月料理はなく、日常が流れている感じです。今日は、クライストチャーチの散策。ニュージーランドの朝は、カフェで食べる人が多く、エイボン川に沿った美しい街並みに沿ってカフェが並んでいました。ニュージーランドのコーヒーは、フラット・ホワイトというエスプレッソにフォームミルクを加えたものが一般的で、コーヒーというとミルクが入っています。飲みやすく、身体に優しい感じです。市内観光のできる路面電車のクライストチャーチ・トラムに乗って、まずは市内を一周。陽気な運転手さんが、観光案内をしてくれます。ニュージーランド英語はイントネーションが違って何を言っているかは、よくわかりませんでしたが、雰囲気を楽しみました。クライストチャーチ植物園は、無料でとても美しい植物園でした。市民の憩いの場にもなっているようでした。みやは、芝生の上を走り回り、安全に楽しくのんびりと子ども達が遊び、大人も癒されるこんな場所が地元にもあればなと思いました。夜はイタリア料理の店へ。ニュージーランドは移民の国なので、多国籍の料理があり、そして、美味しいです。みやは、リゾットが気に入ったらしく、パクパクと食べてくれました。ホテルに帰ってからは、ニュージーランドワインで乾杯。日本のお正月のようではないけれど、家族でお正月が祝えて幸せでした。

1月2日:バンクス半島にある港町アカロアへ。アカロア・ハーバー・クルーズを楽しみました。野生のイルカ・ペンギン・アザラシと出会うことができました。とても、可愛かったです。家族連れが多く、どこの国でも家族旅行は同じだなと思いました。昼食はクラムチャウダーが有名ということで、食べてみました。大きなカップに海鮮の具材が沢山入っていて美味しかったです。クライストチャーチに帰ってからは、市内にある公園へ。沢山の子ども達が遊んでいました。日本では、危険だと撤去されそうな遊具で、子ども達がキャーキャーいいながら、遊んでいました。こんな遊具で走り回って遊んでいる子ども達と、ゲームに熱中している日本の子ども達を比べると、日本の子どもの運動能力が低下していくのも、残念ながら納得できました。すぐ近くにはバーベキューができる場所もあります。ニュージーランドは物価は高いけれど、無料でゆっくりのんびり楽しめる公園が沢山あるから、休みでもお金がかからないと娘は言っていました。子ども達が走り回っても安全な公園が沢山あり、休日は家族とお金をかけずに楽しむことができる。無料で楽しめる屋外イベントも沢山あり、友人とバーベキューを楽しんだり、食事を持ち寄って集まったりする時間を大切にしているそうです。保育園に預け始めたけれど、違う子どものおむつをはかされたりしていて、いい加減だけれど、そんなことを気にしなければ、とっても暮らしやすい国だと言っていました。日本は、時間にきっちりしていて、きめ細かく、几帳面で、良いところは一杯あるけれど、それが少しでも自分の思うようにいかないと、しつこく文句を言い、他人を責めてクレーマーになるところが、とても生きにくい国だと感じました。若者達は、どんどん海外に出ていき、異文化を体験してきています。日本に、もっとおおらかで、ちょっとしたミスも「大丈夫。気にしないで」といえる文化がはいってくれば、いろいろな社会問題も解決するのではと思いました。夜は人気のタイ料理の店へ。美味しい料理を堪能し、明日の朝早いい出発に向けて就寝しました。

1月3日:婿に空港まで送ってもらい。帰国へ。みやにしばらく会えなくなると思うと、とっても寂しい、孫は、本当にいいものですね。自分自身が、年齢を積み重ね、丸くなったところで、小さな子どもと触れ合うことは、孫にとっても私にとっても良い事なのだと思います。オークランドからの飛行機が遅れ、成田からの国内線に乗り継ぎができなく、新幹線で帰ってきたため大変でしたが、何とか当直の時間には無事に戻ってこられました。

留守をお願いした大学の当直の先生には、感謝しかありません。そして、楽しい旅行になるように予定を立ててくれた娘夫婦、ありがとう。これからは、海外に行く機会が持てるようにしたいと、今後の目標ができました。
いつかは、海外で医療的なことや子どもの福祉的なことでボランティアをしたい、そんな夢に向かって今年も一年頑張ろうと心新たにした年明けでした。

罰によらない子育て/スキンシップの秘密

令和元年12月14日 NPO法人国際ボンディング協会主催のボンディングセミナーに参加してきました。

午前の部:『罰によらない子育て「大人が変わるために」何をする?』
森郁子先生(きづくkids-ku代表/ポジティブ・ディシプリン日本事務局 統括)
日本にもついに体罰を禁止する法律が成立しました。法律で禁止することが、なぜ必要なのでしょうか?
「いけないことはいけない」と社会的にすっきりさせる。日本の風潮として、体罰は悪いとわかっていても、しつけのためなら叩く、怒鳴る、嫌なことをいうなどは、必要だと思っている大人は多いという結果がでています。しかし、法律ができれば、「それはダメです」とはっきり言うことができます。
罰によらない子育てのために、養育者支援を増やすことができます。子育ては、子ども達に社会で生きていくための様々なことを教えていかなければなりません。今までのように罰を与えて恐怖で物事を教えていくことを禁止するなら、養育者はもっと子どものことを知らなければいけません。子どもの発達や個々に合わせた子どもへの寄り添いが必要になります。子育てに悩む親や養育者を支援していく社会の体制が必要になります。
なぜ、「罰によらない子育て」をしなければならないのでしょうか?体罰による子育ては、子ども達に暴力でひとを抑えつけてもいいことを学ばせてしまいます。他人の気持ちを思いやることより、自分の思いを通すためには暴力で言うことをきかせればいいことを学んでしまいます。それが、最終的には国と国と間で問題が起こった時、平和的な解決ではなく、暴力という解決となり、戦争がなくなることはありません。
子どもについての様々な研究で、「罰」を行使することは、子どもの発達にとって「リスク」になることがわかってきました。体罰を受けた全員が、問題のある大人になるわけではありません。しかし、反社会的行動、将来的な親子関係の問題、精神疾患など大人になってから、様々な問題を引き起こすリスクがあるとわかっています。
1989年に「子どもの権利条約」が国連で採択されました。第19条 親による虐待・放任・搾取からの保護:親からの暴力やひどい扱いから守られる権利を持っています。しかし、世界の4人に3人の子どもが家庭のなかで暴力をともなう「しつけ」を経験しています。「伝統」として受け入れられてきたものであれ、「しつけ」としてごまかされてきたものであれ、子どもに対する暴力を正当化することを終わりにしなければなりません。そのためには、養育者を支援するプログラムが必要です。
Positive Discipline in Everyday Parenting 日々の子育てをポジティブにするために=罰によらない子育ての実践。ポジティブ・ディシプリンは、親子の関係性に着眼し、0~18歳の子どもを育てる親、養育者、これから親になる人を対象とし、虐待の第一次予防として、大人による処罰的な対応を防止し、大人による不適切な関わりを軽減します。
基本的な考え方① 子育ての長期的目標の設定 20歳になった時にこうあってほしい!を考える。長期的なゴールがはっきりすれば、今の問題に対処するヒントがみえてくる
基本的な考え方② 親の温かさと課題解決のための枠組みを提供 なぜダメか?どうすればいいか?を説明する。子どもの気持ちや意見を尊重し、子どもが成長できる環境を整える。どうすればいいか?を子どもが自分で考えられるように導く。
基本的な考え方③ 子もの発達段階を理解 背が伸びるにつれ見える景色が広がるように、成長するにつれ子どもの考えも広がっていきます。子どもは何を考えているのだろう?を考える。親も子どもも一人一人気質が違います。気質の違いを理解することで、相手を理解するヒントになります。
基本的な考え方④ 今日の問題は、今日解決するように心がける
子育てに悩み、迷うことは沢山あります。考え、悩み続けられるようにサポートする仲間や社会を作っていくことが必要です。

午後の部 『子どもの幸せと愛着を育む スキンシップの秘密』
山口創先生 (桜美林大学リベラルアーツ学群教授)
育児環境の変化として女性の就労、スマホの普及などがあります。スマホを見ていると子ども達はおとなしいので、0歳児からスマホをみせ、泣くとスマホをずっとみせている親がいます。そういった育児環境では、育児が効率化、知性化され、そのような環境で子どもが育つと人間関係に無関心でめんどくさいと感じていきます。そうなると親子関係は希薄化していきます。親は子どもとの絆が希薄になり、子どもは愛着不安となります。その結果、自己肯定感の低下、不安、うつ、摂食障害、大人のADHD、肥満、自己免疫疾患、免疫力の低下など様々な問題が生じ、そのような大人が親になることで、ますますこのような育児環境が拡大していくことが懸念されます。
愛着の機能には、①安全基地:恐怖や不安などネガティブな感情から「守る」②安心基地:その人といると落ち着く、ほっとする、癒される等のポジティブな感情 ③探索基地:安全・安心基地から離れることができ、安全・安心基地に戻ることができる
愛着形成には敏感期があり、生まれた直後の数時間と半年から1歳半と言われています。その時期に必要な要素は ①敏感性:子どもが泣いたら、すぐに適度に欲求に応えてあげる ②共感性:子どもの気持ちに寄り添うことです。
親は子どもにとって、この世の安全基地となります。「気持ちを受け止め」「あるがままの自分に戻れる」から、子どもは活発に外にでて活動することができます。しかし、発達の段階に応じて親子の関わり方は、変わっていくことが必要です。
子育て四訓 「乳児はしっかり肌を離すな 幼児は肌を離せ手を離すな 少年は手を離せ目を離すな 青年は目を離せ心を離すな」
愛情ホルモンと言われるオキシトシンには、成長を促し、養育活動を促し、血圧・心拍を低下させ。不安・抑うつを低下させ、痛みの閾値を上昇させ、短期的な記憶を高め、子どもの情緒に敏感になります。
オキシトシンは、子どもの脳に対しては、学習能力を向上させ、ストレス耐性を高めます。
オキシトシンを分泌させるためには、どうしたらいいのでしょう? スキンシップ、人に親切にする ボランティア活動などをする 目を見つめ、優しく話しかける、ストレスをためない、五感へ快刺激を与える
静岡県掛川市は、市をあげて、スキンシップで愛情日本一を目指しています。親子のスキンシップ、大切な人とのスキンシップを増やすことで、愛情ホルモンであるオキシトシンがたくさん分泌され、幸せいっぱいの地域となる。保育園で保育士さんが子どもへのスキンシップを増やすと、子供達のオキシトシン分泌が増え、社会性が豊かになるという研究成果がでています。

二人の講師の先生は、アプローチの方法は違っても、親子の幸せ、健やかな子どもの成長、平和を願う気持ちにあふれていました。私達も、身近なところから、子ども達が、優しい愛情にあふれた環境で育っていけるように、悩みを相談できる場所を作り、親子を支え、仲間を増やし、スキンシップを広めていきたいと思います。

児童虐待防止フォーラムinくわな

令和元年11月10日第5回児童虐待防止フォーラムinくわなで講演してきました。
第一部は、桑名医療センター小児科医の馬路先生と私の講演。第二部は、桑名で子育てを応援している方達と桑名市の行政の方のお話し、そして、子育て中の方からのアンケートに対してパネラーが答える形式のパネルディスカッションでした。

今回のテーマは「みんなで子育て 楽しく子育て」でした。子どもを虐待しないと思っている人でも、自分一人で余裕もなく必死で子育てをしていた時、何かのきっかけで、子どもを無視したり、怒鳴ったり、叩いたりしてしまうことが、誰にでもある。虐待は、特別なことではない。虐待を防止するためには、孤独な子育てにならないように、苦しい時には誰かに助けを求めて、頑張りすぎなくていいのだよ。助けてくれる人は、周りに沢山いるよ、そんなメッセージを伝えるフォーラムでした。

親による体罰禁止を盛った改正児童虐待防止法と改正児童福祉法が参院本会議で可決、成立し、2020年4月から適用されます。改正法では、親は「児童のしつけに際して体罰を加えてはならない」としました。
セーブ・ザ・チルドレンは、2017年7月に、全国2万の大人を対象に、体罰等に関する意識・実態調査を実施しました。子どもに対するしつけのための体罰を容認する人が56.8%、子どもに対して体罰を決してすべきではないと考える人が43.3%でした。しつけのために体罰を用いることを「決してすべきではない」と回答した中でも、お尻をたたく・手の甲をたたくといった罰や、怒鳴りつける・にらみつけるなどの傷つける罰については、容認する人が一定数存在しました。実際に70.1%の子育ての中の家庭において、過去にしつけの一環として体罰等が用いられたことがあるということがわかりました。「子どもの言動に対してイライラする」頻度が高いほど、「たたく」「怒鳴る」といった体罰等の頻度も高い結果となりました。子育て中の回答者の約6割が、体罰等によらない子育てをしたいが実践は難しいと感じる、あるいはそのような子育て方法を知りたい、と考えていることがわかりました。

大人が、他人から怒鳴られたり、無視されたりしたら、どうでしょう、委縮してしまいます。心を閉ざしてしまいます。なるべく嫌なことを聞かないようにして、その場をやり過ごそうと思うでしょう。子どもも同じです。そして、子どもにとっては、もっと大変なことが起こります。子どもは生まれてから、外界からのたくさんの刺激で、脳の神経回路がつながっていき、情緒的で心豊かな人間に成長していきます。でも、最近の研究で、児童虐待を受けると、子ども時代の発達している最中の脳自体の機能や神経構造に永続的なダメージを受けることがわかってきました。
ハーバード大学のM.H.タイチャー博士は次のように書いています。適切な世話をし、激しいストレスを与えないことが子どもの脳に大切だと私たちは考えている。そうすれば、左右両半球の統合もうまくいき、子どもは攻撃的にならずに、情緒的に安定していて、他人に同情・共感する社会的な能力も備わった大人になるだろう。この過程が社会的動物である私たちに複雑な人間関係を可能にし、創造的能力を開花させたと信じている。極端なストレスは、さまざまな反社会的行動を起こすように脳を変えていく。しかし、これは本人にとっては適応なのだ。ホルモンの量がほんのわずかに変化し、子どもの脳の配線を永久に変えてしまう。そして、他人の不幸を喜ぶような冷酷な世界でも生き抜けるように適応しうるのだ。私たちは、何としても児童虐待が起きないようにする努力が必要である。

虐待がおこらないようにするためには、親に余裕が必要です。精神的にも、身体的にも、経済的にも安心して暮らせる状態でなければなりません。子育てをしている家族に優しい社会でなければなりません。令和の時代が子育てしやすい社会になるようにと願っています。
「育児=育自」「教育=共育」 子ども達の成長を温かく見守れる社会にしていきたいと思います。



プロフィール

柳瀬幸子(やなせさちこ)
産婦人科医。三重大学医学部卒業後、三重大学大学院医学研究科博士課程修了。
ヤナセクリニック院長として多くの命の誕生に立ち会う中、女性のライフサイクルに応じた幅広い医療の提供、お母さんと赤ちゃんに優しい出産、妊娠中から育児中を通してのサポート、育児支援に力を入れている。著書に「地球(ここ)に生まれて」、共著に「効果テキメン! アロマ大百科」など



電子ブック・柳瀬幸子の
「地球(ここ)に生まれて」 柳瀬幸子の地球に生まれて
アマゾンの販売ページはこちら
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

携帯電話用QRコード
QRコード
ギャラリー
  • 「うまれる」映画と対談の集いを終えて
  • 出産力餅
  • 出産写真
  • 寄りそい
  • 地球(ここ)に生まれて
最新記事
天気
  • ライブドアブログ