催眠音声を聞くきっかけとして、男性のドライオーガズム願望は非常に多いとお思います。ただ、ドライオーガズム、またはメスイキ、脳イキなる言葉を誤解している方もかなりいらっしゃるように思いますし、再度このへんで、ドライオーガズムについてまとめておきたいと思います。そして、この話は次の新作の催眠メカニズムにも強く関連する話ですので、興味ある方はご一読を。

①オーガズムと射精の関係性
 我々が経験則上陥りやすい過ちとしては、射精による刺激がオーガズムとなる(すなわち男性は射精しなければオーガズムは迎えられない)という根本的な誤解です。
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 上図のように、男性は経験側で、ペニスへの刺激が快感としてペニスに蓄積されそれが最高潮に達した時に射精し、その刺激によってオーガズムに至る、と思ってしまいがちです。しかしながら、これが誤りだという事は、夢精の存在や、精通前オーガズムの存在によって強く証明されています。

②オーガズムのメカニズム
 オーガズムの機序は、男性の場合以下の図に示す通りです。
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 ペニスに刺激を与えると、その感覚は迷走神経を経由して大脳に送られ、快感として認識します。快感を感じた脳は、ドーパミンと推察される快楽物質を放出し、受容体に蓄積されていきます。それが一定限度を超えるとオーガズムとなり、強い筋肉の収縮と快感を生み出しますが、この刺激が、脊髄反射によって生殖器群に射精を促します。そして射精と同時に、プロラクチンが放出されてしまい、その結果いわゆる「賢者モード」(不応期)に入ります。これにより男性は、たった1回きりの射精と、オーガズムを迎えるのです。
 すなわちポイントは、射精するからオーガズムを迎えるのではなく、オーガズムの帰結として射精するということと、射精により放出されるプロラクチンの効果により、男性は基本的に1度しかオーガズムを迎えられないということです。

③マルチプル・オーガズムの可能性
 ということは、以下の図の様に射精さえせずにオーガズムできれば、プロラクチンの分泌は抑止できますので、女性と同様に性感帯の刺激を継続する事で、何度でもオーガズムを迎えられるということです。また、オーガズムの特性として、一度目より二度目、三度目のほうが強い絶頂感覚となることはよく知られていますので、マルチプル・オーガズムによって、”男性の何倍もの絶頂快感”というフレーズに、現実味が帯びてきます。
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 前節で説明した通り、射精はオーガズムの原因ではなく結果である以上、射精なくオーガズムを迎える事が不可能でない事は、お分かりになるかと思います。

④どうやって射精を止めるか?
 では、どうやって射精を抑止できるのでしょうか?それを解明するには、射精と快感刺激、オーガズムの関係をもう少し注意深く見る必要があります。以下の図をご覧ください。
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 まず、ペニスの刺激を開始すると、脳に快感の発生を伝えると同時に、内臓反射により充血(勃起)が始まり、同時に睾丸の上昇が起こります。そのまま刺激を続けると、睾丸前室に溜まった精液が前立腺方向に移動しますが、同時に括約筋が強く収縮するため精液の圧力が増大します。そして、脳がオーガズムを発し、その作用として括約筋の弛緩が起こる事で、前立腺の内圧で一気に押し出され射精します。
 これを見て分かる通り、あくまでも射精に至る一連のプロセスは、快感とは別の生殖器への刺激によって行われているものです。ですから、射精したくなければ、ペニス(や周辺の生殖器)を刺激しなければいいのです。

⑤快感の根元は「脳」であるという認識
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 残念ながら、男性は早ければ十歳前後より射精によるオーガズムの経験をしているため、射精=絶頂というリンクを断ち切るのは非常に困難です。また、男性の場合、乳首やアナルなどの快感はペニスと比較すると弱く(女性でも同様か)、オーガズムに至るのは一見困難なように見えます。
 ただし、この二つの事を強く意識づける事で、射精なきオーガズム=ドライオーガズムへの道は必ず開けます。すなわち、
 ・射精がオーガズムを生み出しているのではない事
 ・快感は全て脳が感じている事

を理解していれば、自ずと道は開けます。手前味噌で恐縮ですが、その点で脳(意識)に直接アプローチする催眠音声は、ドライオーガズムへの非常な近道かと思いますが、次回はそのあたりをまとめたいと思います。あと重要なのは、ドライオーガズムに(メスイキ、脳イキ)などの区別はない、という点も明らかにしたいと思います。

 本稿、是非ご意見あればください。

続き;「ドライオーガズムの仕組み②ドライオーガズムの種類?」