この連載も、そろそろ終わりに近づいてきました。今回は、ドライオーガズムにまつわる誤解や都市伝説について解説したいと思います。
・ドライオーガズムの仕組み①基本編
・ドライオーガズムの仕組み②ドライオーガズムの種類?
・ドライオーガズムの仕組み③オーガズムの源泉
・ドライオーガズムの仕組み④実践編
・ドライオーガズムの仕組み⑤応用編
ここまで回を重ねてきた中で、こんな方法でドライを目指しているのだが、とか、この方法はどうなんでしょう?とかいう質問をいくつか受けました。オナニーの方法が千差万別なように、ドライオーガズムの方法も一通りではないと思っていますので、ここまでの理論に照らし合わせて、それが有効なのか、自分にあっているかをご自分で考えてみてください。その上で、巷に溢れる間違った方法について、例を挙げていきたいと思います。
①催眠音声とエネマグラを併用したら?
答:相性悪いです
前回の記事でも書きましたが、催眠オナニーとエネマグラ=アネロス=前立腺マッサージは、水と油のようなもので、非常に相性が悪いと思っています。前者はイマジネーション刺激がほとんどを占めており、後者は物理刺激が主であるからです。前立腺器具を中途半端に挿入したまま催眠に入るのは困難ですし、催眠に入った後で挿入する場合も恐らくは催眠が途切れるでしょう。ですから、もしするとすれば器具を挿入し十分に慣らして違和感がなくなった後に(ここまでで30分)、催眠誘導を行い(さらに30分)その上で催眠暗示を入れる形式となるでしょうが、ローションが持ちませんし、ここまでするならどっちかでいいんじゃね?、と思います。
②射精後ならドライしやすい?
答:普通は出来ません
ドライオーガズム=射精しないオーガズムなので、一度射精して精嚢を空にしてしまえばドライを体験できるかもと思われる方がいらっしゃるようです(実際にそのように主張されている方もいます)。でも普通はそれは不可能です。なぜなら、射精に伴って分泌されるプロラクチンは、性的快感を抑制するだけでなく、性的興奮も低下させます。記事にも記載した通り、オーガズムには性的興奮は不可欠ですから、これではドライ云々以前の問題です。また、もし可能だとしても、普段と同じようにペニスを刺激し続ければ、再度射精するだけでドライにはなりません。これでドライ出来たという人は、いわゆる「空打ち」をドライだと誤認されたのかと思いますが、空打ちとドライは全く違います。
③寸止めドライはできる?
答:ドライにならないです
通常のペニスオナニーにおいて、オーガズム直前に刺激をやめたり、または射精を抑止するためペニスを強く圧迫し射精を止める「寸止め」という方法があり、それで絶頂感だけを得ることができると主張する方がいらっしゃいますが、これも間違いです。ドライオーガズムに到るには、単純に射精を止めるだけでなく、ペニス以外の刺激でオーガズムを迎えることが必要なのは、既に何度も書いてきたとおりです。なんらかの方法で射精を止めたとしても、ペニスを刺激しているなら、実際にはオーガズムに至ってないか、単に漏出していないだけで精液は出ているかのどちらかです。特に後者は(ペニスへの強圧迫で射精を抑止した場合特に)精液が膀胱方面に逆行することになり、前立腺や括約筋に過度な負担をかけてしまいますし、さらに体は「射精した」と認識しますのでプロラクチンは放出されそれ以上のオーガズムは困難となります。
④トコロテン(不随意射精)でマルチプル出来る?
答:出来ても気持ちいいかどうかは別
トコロテンとは、精嚢を圧迫するなどで何度も(または通常より長時間)射精する行為ですが、これはドライオーガズムとは真逆のアプローチで、すなわちオーガズムなく射精する行為となります。これは今までの解説を読まれていればお分かりだと思いますが、射精とオーガズムは一体のものではないため、やり方によっては十分に可能な手法です。
ただし、これが気持ちいいかどうかはまた別の話です。少なくともオーガズムは迎えていないわけなので、精神的な充足感や高揚感はともかくとして、ドライのようなオーガズムの圧倒的な快感が続くものではありません。唯一あるとすれば、精液が出る際に発生する前立腺への刺激がドライを誘発することぐらいですが、時間的にも刺激の大きさも、オーガズムに至らしめるには不十分だと思います。
⑤エナジーオーガズムって?
答:恐らくは自己催眠です
一応この連載は、あくまで西洋の医療技術や心理学をベースとして書いていますので、エナジーオーガズムで良く言われる、インド医学(チャクラやタントラ)や中医(気・氣功)とは理論的に整合しません。いくつかの文献を読みましたが、個人的な見解としては一種の自己催眠ではないかと思っています。すなわち、催眠音声などのような外部の暗示でではなく、シュルツの自律訓練法のような、一定のメゾットをなぞることで自己催眠、自己暗示を行ってオーガズムに到る方法ではないかと推察します。個人的な意見ですが、催眠音声のほうが楽ですし確実性も高いと思います。
⑥やっぱりドライオーガズムって都市伝説では?
答:もう一度この連載を読んでください
ドライオーガズムの存在は、医学的にも科学的にも確かなものです。人体の他の器質とも整合しており、男性が射精せずにオーガズムを迎えること、複数回のオーガズムを連続して行えることは事実です。ただし、残念ながら向き不向きは存在します。快感に対して受け身であることに抵抗がないこと、受け身のセックス(性行為)を受容できること、想像力が豊かであること、そういう方は確実に素質があります。
以上、今回も文章ばかりで長くなり申し訳ありませんが、是非とも精読し、ドライできるよう精進ください。
これで最後、と書きましたが、もしかしたらもう1回だけまとめ記事を書くかも。書かないかも。まあ、時間があったら、ね。
続き;「ドライオーガズムの仕組み⑦まとめ&あとがき」
・ドライオーガズムの仕組み①基本編
・ドライオーガズムの仕組み②ドライオーガズムの種類?
・ドライオーガズムの仕組み③オーガズムの源泉
・ドライオーガズムの仕組み④実践編
・ドライオーガズムの仕組み⑤応用編
ここまで回を重ねてきた中で、こんな方法でドライを目指しているのだが、とか、この方法はどうなんでしょう?とかいう質問をいくつか受けました。オナニーの方法が千差万別なように、ドライオーガズムの方法も一通りではないと思っていますので、ここまでの理論に照らし合わせて、それが有効なのか、自分にあっているかをご自分で考えてみてください。その上で、巷に溢れる間違った方法について、例を挙げていきたいと思います。
①催眠音声とエネマグラを併用したら?
答:相性悪いです
前回の記事でも書きましたが、催眠オナニーとエネマグラ=アネロス=前立腺マッサージは、水と油のようなもので、非常に相性が悪いと思っています。前者はイマジネーション刺激がほとんどを占めており、後者は物理刺激が主であるからです。前立腺器具を中途半端に挿入したまま催眠に入るのは困難ですし、催眠に入った後で挿入する場合も恐らくは催眠が途切れるでしょう。ですから、もしするとすれば器具を挿入し十分に慣らして違和感がなくなった後に(ここまでで30分)、催眠誘導を行い(さらに30分)その上で催眠暗示を入れる形式となるでしょうが、ローションが持ちませんし、ここまでするならどっちかでいいんじゃね?、と思います。
②射精後ならドライしやすい?
答:普通は出来ません
ドライオーガズム=射精しないオーガズムなので、一度射精して精嚢を空にしてしまえばドライを体験できるかもと思われる方がいらっしゃるようです(実際にそのように主張されている方もいます)。でも普通はそれは不可能です。なぜなら、射精に伴って分泌されるプロラクチンは、性的快感を抑制するだけでなく、性的興奮も低下させます。記事にも記載した通り、オーガズムには性的興奮は不可欠ですから、これではドライ云々以前の問題です。また、もし可能だとしても、普段と同じようにペニスを刺激し続ければ、再度射精するだけでドライにはなりません。これでドライ出来たという人は、いわゆる「空打ち」をドライだと誤認されたのかと思いますが、空打ちとドライは全く違います。
③寸止めドライはできる?
答:ドライにならないです
通常のペニスオナニーにおいて、オーガズム直前に刺激をやめたり、または射精を抑止するためペニスを強く圧迫し射精を止める「寸止め」という方法があり、それで絶頂感だけを得ることができると主張する方がいらっしゃいますが、これも間違いです。ドライオーガズムに到るには、単純に射精を止めるだけでなく、ペニス以外の刺激でオーガズムを迎えることが必要なのは、既に何度も書いてきたとおりです。なんらかの方法で射精を止めたとしても、ペニスを刺激しているなら、実際にはオーガズムに至ってないか、単に漏出していないだけで精液は出ているかのどちらかです。特に後者は(ペニスへの強圧迫で射精を抑止した場合特に)精液が膀胱方面に逆行することになり、前立腺や括約筋に過度な負担をかけてしまいますし、さらに体は「射精した」と認識しますのでプロラクチンは放出されそれ以上のオーガズムは困難となります。
④トコロテン(不随意射精)でマルチプル出来る?
答:出来ても気持ちいいかどうかは別
トコロテンとは、精嚢を圧迫するなどで何度も(または通常より長時間)射精する行為ですが、これはドライオーガズムとは真逆のアプローチで、すなわちオーガズムなく射精する行為となります。これは今までの解説を読まれていればお分かりだと思いますが、射精とオーガズムは一体のものではないため、やり方によっては十分に可能な手法です。
ただし、これが気持ちいいかどうかはまた別の話です。少なくともオーガズムは迎えていないわけなので、精神的な充足感や高揚感はともかくとして、ドライのようなオーガズムの圧倒的な快感が続くものではありません。唯一あるとすれば、精液が出る際に発生する前立腺への刺激がドライを誘発することぐらいですが、時間的にも刺激の大きさも、オーガズムに至らしめるには不十分だと思います。
⑤エナジーオーガズムって?
答:恐らくは自己催眠です
一応この連載は、あくまで西洋の医療技術や心理学をベースとして書いていますので、エナジーオーガズムで良く言われる、インド医学(チャクラやタントラ)や中医(気・氣功)とは理論的に整合しません。いくつかの文献を読みましたが、個人的な見解としては一種の自己催眠ではないかと思っています。すなわち、催眠音声などのような外部の暗示でではなく、シュルツの自律訓練法のような、一定のメゾットをなぞることで自己催眠、自己暗示を行ってオーガズムに到る方法ではないかと推察します。個人的な意見ですが、催眠音声のほうが楽ですし確実性も高いと思います。
⑥やっぱりドライオーガズムって都市伝説では?
答:もう一度この連載を読んでください
ドライオーガズムの存在は、医学的にも科学的にも確かなものです。人体の他の器質とも整合しており、男性が射精せずにオーガズムを迎えること、複数回のオーガズムを連続して行えることは事実です。ただし、残念ながら向き不向きは存在します。快感に対して受け身であることに抵抗がないこと、受け身のセックス(性行為)を受容できること、想像力が豊かであること、そういう方は確実に素質があります。
以上、今回も文章ばかりで長くなり申し訳ありませんが、是非とも精読し、ドライできるよう精進ください。
これで最後、と書きましたが、もしかしたらもう1回だけまとめ記事を書くかも。書かないかも。まあ、時間があったら、ね。
続き;「ドライオーガズムの仕組み⑦まとめ&あとがき」
> ナイスな記事でした!
ありがとうございます!今後とも精進しますので応援お願いします。