ブルーチョコレート

2009年06月05日

郵便

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「堕ちるところまで堕ちたらいいんだ」
と右が言った。

僕はバネのような電車の座席に座りながら右をみた。

「ずうっと落ちていけば落ちてることすらわからなくなるのよ」
左が歌うように話す。



失われた世代
火山に降る雪
まだ青い空


微笑みを絶やさずに鼻歌につつまれた長靴を履いて砂浜を歩く左の前には右が海のそばには錆びた蛇口



「何も失うものはないぜ」
左から右がけしかける。

僕は紐をきつく締めすぎた靴が気になる。

「何もやらない人からはたくさんのアドバイスが聞けるの」
後ろから左が囁く声で空気が揺れる。



アカシアの花は何色だ?
キミの思想はどこに立っているのだ?
月にいたモグラはどうした?



「さようなら」
右が言う。


「さようなら」
と左が言う。


砂が舞う


yara at 19:16|PermalinkComments(0)