最終節を振り返りながら今季全般を振り返るような記事になればいいかなとの淡い期待。「フィナーレ」ではどうしても只木章広にカメラの照準を合わせてしまう…。シーズン終盤のインタビューでの只木章広はまさに『ミスター栃木SC』だった。同行した編集の方も「誠実さが伝わる方ですね」と初対面ながら只木章広の魅力を存分に感じていた。

フィナーレ厳しい表情の柱谷監督





左:数々のメッセージを伝えてきた電光掲示板。「本当の戦いはこれからだ。」をバックに選手たちが数珠繋ぎとなり万歳でメインスタンドに応えた夏の1シーンは印象的。快勝した後期第5節横河武蔵野FC戦後のことだった。
右:最終節の柱谷監督にはあまり笑顔は見られなかった。試合後の記者会見ではゲーム内容への不満を漏らしたが、やはりゼロ提示後の公の舞台だけに立ち居振る舞いに慎重になっていたのかもしれない。


お前らを忘れない石川裕之





左:試合終了と同時に掲げられた横断幕。メッセージは伝えようとしなければ伝わらない。今季のサポーターたちのメッセージは多岐に渡り、彼らはそれらを伝えることに成功した。彼らが表現することでチームは成長した。
右:溢れる涙。契約満了により栃木SCを去ることが決定した石川裕之。アマチュア時代から長年チームを支え続けてきたベテラン選手。同い年として彼を誇りに思う。


選手1選手2





左:抱き合い、互いに労う選手たち。柱谷監督就任後、高秀賢史には出番が与えられなかった。そのスピードを活かし切れなかった。スピード職人、茅島史彦も同様。チャンスに恵まれなかった。個人的には前期第4節ガイナーレ鳥取戦のゴールがベストゴール。トラップで相手DFを置き去りにした茅島らしいゴール。逆サイドの永井健太からのパスが起点となった。
右:職人、種倉寛(右)。前期第12節佐川急便戦では3バック変更に伴うボランチで出場したが実力を発揮することが出来なかった。結局、金奇徳(中央)の出番はなかった。柱谷監督が希望する移籍ではなかったことによる。意志の疎通は図りたいところ。


只木章広選手整列 





左右:試合後の只木は手渡されたベンチコートに袖を通そうとしなかった。憶測に過ぎないが、栃木SCのユニがこれで最後であること、サポーター、ファンとの一体感を考えての事だったのではないかと思う。囲み取材でも只木はそのことには触れなかった。聞かれていたらそう答えていたのではないか。


只木章広新井賢太郎社長





左:選手たちと抱き合う際、一人一人の名前を声に出し、噛み締めるように思いを共有する。感無量を思わせる1枚。昨季の最終節、「やり残したことがある」と言った只木。それはJ2昇格に他ならなかったが、今季の最終節にJ2昇格とは比べることが出来ない大切なもの、「支えてくれる人たちの想い」を手に入れた瞬間。
右:J2昇格の荒波に揉まれた今シーズン。新井賢太郎社長の影での苦労は計り知れない。サッカークラブ経営の難しさ、もどかしさを痛感した1年だったのでは。一方、「来季も栃木SCで行きます!」と高らかに宣言したが…。新チーム名の決定を待つサポーター、ファンは少なくない。


集合写真7集合写真2





左:引きで撮ると当然小さくなってしまうのでギリギリを狙ったが切れてしまった…。だから広角レンズが欲しいとあれだけ…。毛利選手、池田選手、ごめんなさい。オフィシャルにも集合写真はアップされている。ファンらの要望が多かった。もちろんこれで見納めの1枚。
右:米田兼一郎(中央下)は柱谷サッカーのまさに舵取り役。出場機会に恵まれなかった米田をレンタルで獲得できたことを柱谷監督は「一番初めに獲得を考えた選手。(タイミングとして)ラッキーだった」と語った。米田は京都の契約が満了し、栃木SCからオファーを受けている。


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左:山田智也(中断右端)も出場機会に恵まれなかった。昨季の終盤の活躍は忘れない。腰を据えた堅実なプレー振りは今のスタメンと遜色ない。前期第2節FC刈谷戦。開幕戦から3日後の強行日程の中、開幕戦ベンチ入り出番なしの鬱憤を晴らす執念のゴール。気持ちが伝わった。
右:愛される山下芳輝を感じたのは天皇杯3回戦アビスパ福岡戦。地元凱旋となった山下芳輝へのサポーター、ファン、メディアの反応は温かかった。栃木サポーターのコールにも山下は何らかの身体のリアクションで返そうとする。そういう気持ちはサポーターにも伝わる。これからも愛され続ける選手の一人。


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左:浅野博孝ヘッドコーチ(上段左)も今季限りで退団。「勇退」の表現でよいと思う。高橋監督辞任直後、前期第17節佐川印刷SC戦では緊急で指揮を執った。お疲れ様でした。
右:北出勉(上段左から2番目)はシーズン序盤に主将も務めた。「俺!?俺っすか!?」と本人も不意の主将任命劇だったようだが、ピッチを激しく手で叩くようなストレートな気持ちの表現は、見ている側として気持ちが良かった。選手らの士気向上に一役買った。


只木章広&白楊高校の生徒たち吉田賢太郎





左:これだけの「フィナーレ」を飾れるサッカー選手はそういるものではない。生徒たちの満面の笑みが語っている。只木章広が普段からどれだけ愛されているのかを。揺るぎない心の芯が通った人間にのみ許される1枚。
右:「みんなのおかげでたくさんのゴールを取ることが出来て、一つ一つのゴールがイメージとして残っている」。印象的なゴールは?の問いに、敢えて一つのゴールを挙げることをしなかった吉田賢太郎。「本当に感謝している」と繰り返した。今後は「複数のクラブからオファーを受けているのでまずはじっくり考えたい」とのこと。「もう、引越し貧乏ですよ(笑)」。


高秀賢史スタジアム





左:サポーター、ファン、メディアへの礼儀正しい対応は”らしさ”に溢れていた。高秀賢史もまた愛される男。出来れば「スピードスター」振りを見納めたかったが…。静岡県の藤枝市役所は東海社会人リーグ所属。高いレベルを維持している。来年4月に合流するSCの2人と共に宇都宮市役所サッカー部で再スタート??現役を終わらせるには勿体ない。
右:長時間のファンとの交流の末、すっかり日も沈んだ。この夜、グリスタにはまた新たな歴史が刻み込まれた。アクセスの悪さも何のその。観客動員数はJFLトップ。当面はグリスタ改修でいけるところまで。専スタ希望。可能ならば歴史は当地とともに引き継がれるべき。

→次回は「サポーター・観客席」
※週末は取材で多忙のため来週火曜日頃掲載予定です。