「富岳羊羹」和菓子を外国人にも売りたいがわたしの英語力では。

赤富士

富岳とは富士山のこと。
「赤富士」という菓子の名前にしようか? と思ったのだが、それは夏の季語だとか。
「戸隠羊羹」。
「秋の飯縄山」。
と、ふるさとのようかんシリーズを作ってきたが、
「いまいち、食いつきが悪い」。
しぶ紙で戸隠連山の形を切り抜き、飯縄では霊仙山まで表し自分としてはかなりな傑作だと思っていたのだが、
まぁ世の中は厳しいもんだ。
ならばもっとメジャーな山にしたらどうだ!
日本の象徴ともいえる富士山。
これならだれでも知っている。おまけに赤富士で縁起もよく、
新年まで販売してもおかしくない。
雲海からそびえるありがたい富士の山。
背景には流れる雲も表現してあるではないか。
味は白いんげんと小豆のこしあん。
涼しくなってきたのでしっかり練った。粗塩も入れていい風味になった。
国外から注文が来たらどうしようか?
そういえば、この前白色系の外人が買い物に来て、
「ありがとう」しか日本語を知らないようだった。
朝日堂で280円和菓子を買って、
「How much is it? 」ときたもんだ。
緊張したわたしは、
「Towthousand eighty en」
といったら、目を丸くしてたなぁ。やはり、和菓子は日本語で販売したいもんだ。

「秋のいろどり」天然系の色素でつくったヨ。

その弐

「秋のいろどり」。其の弐。
里山に紅葉が降りてくるのはいつのことでしょうか?
きんとんの上生菓子をつくりました。
まぁデザインはそれほどのことはない。
秋の山にところどころに色づきがあり、赤くなった葉が一枚。
こだわりと言うか、朝日堂のわたしの工夫は「色素」だ。
山の緑は抹茶を使った。だから少し茶の香りがする。
紅葉の赤は、今年漬けた梅漬けの紫蘇を使った。
真っ赤な紫蘇をみじん切りにして、さらにすり鉢で細かくした。
ちょっと塩気があるが、ただ甘いだけではない深い味わいになったような気がする。
いつの日か、天然系色素だけで和菓子を作りたい。
安心安全な和菓子、油脂を使わない特性を生かした、
伝統をはずさない、お菓子をつくってゆきたい。

和菓子屋「和菓子のアン」を読む。

和菓子のアン

酒を飲まない夜は長野駅前の平安堂で時間をつぶしていた。
今度東急デパートのシェルシェに移転するというので11月まで休館中だとか。
駅ビルミドリも午後8時までだし、いくら早寝するといってもちょっと早すぎる。
で、ブックオフに顔を出す。
100円コーナーではゴルゴ13の191巻をゲットしてこの前読み終えた。
もう100円コーナーには掘り出し物はなさそうで、しかも時間はたっぷりあったので、そのほかの棚もみることにした。
「和菓子のアン」 坂木司 光文社文庫をみつけた。
以前、菓子の業界紙でみたことのあるものだった。
一応わたしも和菓子屋なので、業界の関係の本はおさえておきたい。

デパ地下の和菓子店に勤める18歳の女性の物語だ。
なんといっても、うら若き女性が一人称で話を進め、自己の容姿やらに過剰な思い入れがあり、
もう60のわたしには正直うんざりだ。
若い女性になんの興味関心のないことを思い知らされた。
まぁそれはいいんだが、東京のデパート地下の和菓子売り場の実態が活写されて興味深い。
和菓子の名前の付け方とか、原材料の選択などに勉強になることはたくさんあった。
わたしは上生菓子をつくるとき、季節感を一番に考えている。
でも、そうじゃなくて冠婚葬祭や一年を通じた四季折々の行事などに関連した和菓子もありだなぁと感じた。
自分で付けた菓子銘と同じものが出てくるが、形・素材は全く違う。
ここら辺に和菓子の自由な選択肢を感じる。
著者はてっきり女性かと思ったがネットで調べたが男性だった。
和菓子の内容については、かなり正確で、取材力というか分析の能力はすごいものだと感じた。
でも、製造方法はぼかしてあるというか、踏み込まない。まぁそれは当然だし、一般読者がいちいち和菓子の製法など読んではいられない。
今や絶滅危惧職種となった和菓子だが、まだ可能性の山はあるのではないかとおもった読後感。

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