「カメドラ」どんな和菓子?

カメドラ

「かめどら」とは、画像のような「カメラ」と「どらさじ」のことではもちろんありません。
朝日堂はわたしが創業した訳ではなく、生まれたときはこの地で菓子屋としてすでに営業していました。
東京の菓子の専門学校で基礎を学び、そのまま都下の菓子屋で働き、長野に戻ったのは三十数年も前のことです。
ですから、朝日堂にはわたしが生まれる前からある、菓子製造に関する道具がいっぱいあります。
だいぶ処分したとはいえ、落雁の木型はまだ百以上あり、そのうち一年に一度でも使うものは十に満たないと思います。
羊羹や錦玉を抜く、「抜型」も沢山ありますが、これは小さいものなので場所もとらないので邪魔にはなりません。
そのほかにも、和菓子製造の道具用具容器が「使い切れない」ほどあり、正直これから先ただ持っていてもしょうがないと思うときもあります。
友人知人の何人かは早期退職あるいは定年退職をしていて、
「ああ、わたしもそんな年齢になったのだなぁ、と現実の還暦を実感します」。
そして、
「あと、何年この仕事を続けられるのだろうか?」。
と考えます。
そんな時、これまた棚の奥に眠る焼き印の束を発見しました。
焼き印とはまんじゅうなどに模様を焼き付けるときに使うものです。

亀どら

10月は十六枚花弁の菊を、
11月は今年の干支の「申」そして来年の「酉」を、
いろいろと在庫豊富な焼き印を取り換えてどら焼きに押してみたのだが、
お客さんの反応はイマイチ。
いい加減に腐って、焼き印の束をながめると、
この「カメ」があった。
なんか、ちょっといいじゃないか。
で、どら焼きにカメの焼き印を押して「カメドラ」こんなバカバカしい名前の和菓子があってもいいじゃないか。

「昴」(すばる)12月の鹿の子菓子。

すばる

まぁ、自分で言うのもなんですが、「今年一番のデザインじゃないかなぁ」。
と、知り合い二三人に先行で見せたり、差し上げたりしたところ、
「やっぱり、この青が気になりますねぇ」。
「どうして?」。
「和食系に青は、なんだか合わないような…」。
「うっう…」。
なんといっても、人の好みは千差万別。ご意見を申し上げて変更できるものでもありません。
青い錦玉は銀河を表しています。
真ん中の銀箔、周りは上南粉やケシの実、赤い種状のものさらには金箔まで。
そうです、冬の夜空をこの小さな和菓子の中で表現してみました。
で、銀箔が「昴」。
昴は牡牛座にある散開星団。
自動車会社の名前や谷村新司の曲でも有名ですが、
もちろん、この星から引用したもの。
冬の夜空にきらめく宝石、プレアデス星団。
朝日堂で好評販売中。

「黒糖」で色付け、おいしいし、安全だ。

黒糖1

食品添加物とは、『食品の製造・加工などの過程で、品質保持、保存性の向上、着色・調理・酸化防止などのために添加する物質。天然物から得られたものと科学的に合成したものとがある』 広辞苑6版。
添加物が悪者と言うわけではないが、「ないほうがいいじゃないかなぁ」。
と、考えている人はそれなりの比率でいる。
まぁ、いわゆるカビ止めとかの防腐剤や保存料には正直怪しいものや著しく使用料を制限されているものもあるという。
朝日堂で使う添加物といったらせいぜいが膨張剤の炭酸水素ナトリウムやイスハタなど。
それと、着色料に使う。
着色料は本当にわずかな量を使うだけだど、できればあまり使いたくはない。
特にタール系色素というのは気をつけたい。

黒糖2

使うにしても、天然系のものに置き換えたい。
赤色は紫蘇から。
緑はよもぎから。
黄色はまだ試行錯誤で「柚子」とか「レモン」からなんとかならんかと。
そして、画像の餡の茶色は「黒糖」から。
構想半年、ようやく茶色の目安がついた。
kばやしさんの協力で「黒糖」を入手して、練り切り餡をつくってみた。
みなさんご存じのとおり、黒糖には糖蜜が含まれていて、高い栄養価がある。
上白糖やグラニュー糖にはない微量栄養素があるんだ。
たとえば、ミネラル・ビタミン・カルシウム・マグネシウム・亜鉛などだ。
あまり多くいれると、コクと言うかくせが出るが、そこのところの匙加減が難しい。

画像は黒糖入りの練り切り餡を篩で漉したところ。
こうすると、よくこなれて、中に入る求肥も混ざる。
冷めて、分量に分けてから保存します。寝かせて落ち着かせたほうがまろやかな餡になるようです。
この餡を土に見立て、よもぎの緑できんとんを載せて「下萌え」なんていう和菓子はどうだろう?
いかん、いかん、まだ冬が来る前なのに、春の和菓子の想像をしてしまった。




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