2013年10月

「紅白まんじゅう」地鎮祭にもどうぞ。

 まぁ実にひさしぶりに「地鎮祭」に使う菓子の注文があった。
あんまりひさしぶりなんで、以前の受注伝票を調べたのだが、途中でいやになってしまった。見当たらなくて。
景気が悪いのか、朝日堂の名前が売れてないのか、
それでも初めての会社からの注文でちょっとうれしい。
紅白のお饅頭の箱入れ。
のし紙に祝いの文字や会社名を入れるのも今はパソコンでできるから楽になったもんだ。
で、
「おいしい、お饅頭ですね」
「ああ、本当にうまい、いったいどこの菓子屋なんだ?」
「長野市の南石堂町にある『あさひどう』という店なんですが」
「よし、これからうちの地鎮祭の菓子は全部朝日堂にしよう」。

なんて会話がなされ、みごと不況から立ち直る妄想にふける午後4時でした。
というのも、この饅頭を注文してくれた会社は、ちょっと名前はいえないが大手の建設会社。それも東京に本社があるスーパーゼネコン。ネットで売り上げを調べたらなんと一兆超えの大手三社だか五社のひとつ。
その売り上げの十万分の一でもあれば、とこれまた限りない雑念と空想に支配された、わたしの、朝日堂の作業場からのレポートでした。

 017

予期せぬ宴会。(作業場篇)

某月 某日

秋の夜。
とは、夜の長いことをいいます。
ひとりで夕暮れ時店にいると、日の暮れるのが随分早くなったものだと実感します。
「きょうもあんまり忙しくはなかった、これから商売はどうなるんだろう?」
とか、
「ああ~ぁ、早く一杯やりたいナ、でも毎日飲むのもなんかな~」
と、雑念があたまの中でうごめきます。

003

そんなとき、或る尊敬する友人が…。
「○ちゃん、いっしょに飲もうぜ」。
と、ワインとつまみ持参で朝日堂に現れたのでした。
元来、酒の好きなわたし、口元からよだれが出てきます。店の閉店時間には間があったのですが、作業場の隅で、ワインをあける。作業場なのでワイングラスもなく、そこらへんにあったコップで乾杯。
おいしい白ワインにチーズにさしみほか、実に気持ちがよくなりました。
○○さん、ほんとうにありがとうございました。と、たいていの方は○○がだれであるかはわかっているとはおもいますがあえてきょうは個人情報保護のため。
すると、朝日堂向かいのそば八の主人も現われ、いっしょにワインを…。
で、近所の若大将もなぜか、店に来た。
あっというまにワインは終わり、これでは足りぬと近所の某店へ、そして夜が甦った。
(待てば甘露の日和あり)。

「タイムトンネル」な散歩。

日曜日、朝と昼に配達の仕事があった。
どちらも時間を指定されているので、早めに届けて「はいオシマイ」という訳にはいかない。
遅い昼食をとってから散歩にでかける。

004

小林病院の北側、南千歳町から七瀬町にぬける地下道。
自動車道と並列していて、自転車と歩行者が通ることができる道だ。
カメラ片手にトンネルに入ると、子供の頃みたアメリカ製のテレビドラマ、
「タイムトンネル」を思い出した。たしか小学校の高学年のときだ、アメリカ陸軍の基地の中、アリゾナ砂漠地下2キロにつくられた秘密施設の中では時間を自由にコントロールする技術の開発をしていたらしい。
らせん状のトンネルの中に入った人は、一千年の過去か、三日先の未来か行く時間を特定できない。まだ技術が未完成なのだろう。その映像をはらはらドキドキしながら食い入るように観ていたことを思い出した。

010

「やっぱり、タイムトンネルだったのか!」。
目の前に広がる景色はわたしの記憶している「七瀬」ではない。
あの昭和の匂いのする、昔からの建物が並び、下町風の雰囲気が今もなつかしい町、七瀬。
それが、建物はなくなり宅地造成がなされようとしていて空き地が広がっている。
「変わっちまったなぁ」。
ひとりつぶやくと、周囲を散策した。

026

秋の日のつるべ落としの夕暮れ。
変わってしまう町並みに、空の色だけ変わらない長野市は栗田の夕焼け。
秋の「さみしさ」満載の散歩が大好きなわたしです。

「栗蒸し羊羹」新発売!

010

006


ブログの更新の回数がここのところあんまり多くない。本を読んだり、DVDを観たり、散歩をしたり、たまには友人と酒を飲んだり、もちろん仕事はしてるのだが、心に「憂さ」があるせいか、感動することがない。或る夜も眠れぬままに一冊本を読んだのだが、ただ読み終えたというにすぎない。この本をブログで紹介して、読書の楽しみを共有したいなどとは思わない。そりゃ人間だから、いいときもあれば悪いときもある、人間万事塞翁が馬ともいうが、調子の悪いときは「ずっと下り坂をおりていくのだな、もう坂の上を望むこともないだろう」などとおもってしまう。
そんな、或る日の午後、朝日堂に電話がかかってきた。
「はい、朝日堂です」
「あの~、ブログをみたものなんですけど…」
「はぁ」
「ブログにのっていたお菓子がほしいのですけど、地方に発送はしていただけますか?」
それは、三年前の記事だった。
朝日堂のオリジナル菓子を記載してあるブログだ。創業記念に使いたいと思っているので見本を送ってほしいという依頼である。
今度は長野県の隣の山梨県からだ。そういえば今年の夏は福岡県から注文があった、その方もブログでみたと言っていた。春には長野近郊のかたがやはりブログでみたと、創立記念の菓子を注文してくれた。
「種を播かなければ実はなるまい」。
当たり前のことだが、有ることを知らせなければ人には通じない。
で、さっそく「栗蒸し羊羹」の販売をはじめて、このブログで宣伝することにした。
手間暇かけてつくった栗蒸し羊羹、添加物なししっとりして、おだやかな甘さ。
今日から販売、一個130円(税込)です。





「栗蒸し羊羹」2、冬がくる前に。

003

新製品をつくるのも、なかなかにたいへん。
まぁ、おいしいのは今どきあたりまえ。
デザインとか、原価も考慮しなくては。
秋の和菓子の新製品として「栗蒸し羊羹」を考えていたのだが、このままでは秋が終わってしまう。
何人かの人に試食していただいたら、おおむね好評だった。
それに、自分でもほんわりした口当たりは好みのものだ。
最近は自分の好みの和菓子を積極的につくる方針だ。
もうすこし甘みを抑えて、塩気をちょっと加えて、厚さを調整して、蒸す時間を工夫してと製造工程も変えてみる。

006

製造するとき、ほかの菓子と違うところは、むちゃくちゃ蒸し時間が長いことだ。
小さなまんじゅうなら10分程度でできてしまう。
餅だって、30分も蒸せばできる。
「ういろう」なら40分程度。「すあま」は30分か。
お赤飯だって50分でできる。
ダンゴは25分程度か。
蒸し羊羹は、最初に70分蒸す、さらに栗をのせて10分合計80分以上の蒸し時間だ。
それだけ原価がかかるということだ。それに栗も高い。
いくらでも、売れるというならいいのだが、アベノミクスの効果が全然ない朝日堂。それに新製品だから、ほとんどの人はまだ「この味」を知らない訳だ。
あんまり小さくしても、お客さんをばかにしたようだし、おおきすぎたら食べづらい。形は三角がいいのか?
それとも四角か、長方形にしたらいいのか、それとも正方形か?
自分でつくる自分用の料理なら、んなこと考えなくていいのだが、めしの種にする商品をつくるのは、それなりにたいへん。さあ、冬が来る前に完成させなければ。

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