中条

今年から「山の日」が国民の休日となり、それこそ国民的な盛り上がりをみせるのではないか?
と、思ったが少なくとも、わたしの周り半径50㍍ではいささかの変化もない。
朝日堂では、記念に「戸隠塩羊羹」も発売したのにマスコミの取材もない。
「せっかく新しくできた国民の休日を記念して作ったんです」。
と、顔みしりのお客さんに販売できたにすぎない。
わたしの親しむ、里山の旭山にも出かけて、そのことをブログにも書いたのになんの反応もない。
「なんて、山に対して冷淡なんだろう?」。
まぁ、山というか「アウトドア」が好きなのは、個人的な事柄なので無理やり関心を持てと言われても困るだろう。
そういえば、今はSMAPの解散のことが耳目を集めているが、そのことになんの興味関心のないわたしは、
「ど~でもいいことに、何故マスコミは時間を割くのだろう?」。
という感想しか持てない。
やはり、事の本質はやめたマネージャーとジャニーズ事務所との確執が一番の原因ではないか。
ビートルズが解散したときもショックを受けたが、ジョンとポールの仲たがいというよりマネージメントの問題があったように思う。「休会より解散のほうがいい」と言ったメンバーは誰か、といった事柄よりも「メンバーの人間関係をズダズダにしたのは誰なんだ?」。と、問いたいのはわたしだけだろうか。
まぁ、そのことはいいとして、
お盆の墓参りも済ませ日曜日の14日と15日は朝日堂も休業した。
先の大戦に思いを巡らし、昭和史の本を読みながら静かな読書の日を送ろうとも考えたが、まぁいつでも本は読める。店を出られるときにこそやるべきことがあるのではないか。
そこで、やっぱり山に行こうとした。
長野市の飯縄山もいいのだが、ちょっとアプローチが長い。
ならば、上田の根子岳は? 毎年の楽しみだといいながら、もう二年は上っていない。それに、この前のちょっとした医院行きのこともあり、無理をして二千メートル超えの山にいくのは二番目の息子に小言を言われそうだ。
ならばと中条村もとい長野市中条の虫倉山はどうだ。標高は1378で、記憶によれば登口から30~40分で登頂できたはずだ。
軽自動車に山の道具を積み込み家を出たのが午前9時ころだろうか。まぁ屋根のある乗り物は気持ちが楽だ。
長いこと山に行くのは荷物をバイクに積んで臨むか公共交通機関を利用することが多かったので、いつ雨が降っても濡れる心配がないのはいい。便利なことは反面教師でもある、山に行こうという固い決意を容易に鈍らせる。中条の山間部では雲が湧き空模様があやしくなった。
「これでは、頂上からの眺望も望めまい」と、いとも簡単に撤退を決意したわたしだった。情けない60歳の終戦の日。わたしの敗戦記念日。