昨夜放送された日本の右翼団体と韓国の国情院の密通を暴く話題の番組「부당거래 - 국정원과 日극우 - 전반부 - PD수첩 MBC210810방송」の字幕を付けました。
瑣末な部分は省略、日本語訳すると不自然な部分は意訳しました。映像を追いやすいよう、再生時間の位置も要所要所に記載してあります。細かく推敲してないのですがご容赦ください
<2015年2月 日本・島根県>
(チェ氏の車内)なんだありゃ? もうこれだ あれが全部右翼のやつらか?
(右翼)ゴルアーー!
(独島守護全国連帯 代表議長 チェ・ジェイク)
そりゃ怖いでしょう。会場に行ったら棒で暴力の洗礼を受けもしたし、大きなスコップが飛んできたりもしたし
実質的な殺害脅迫も受けています
(チェ氏)
実際に我々が高速道路を走っている時、どこで知ったのか右翼たちの車が我々の車を追い抜いたりくっついてきたりして、大変でした
それで、大きな事故になりそうなので車を停めた瞬間、回り込んできて日章旗でフロントガラスを覆ってきました
(右翼)ゴラアアアアア――――!!
(チェ氏)ホテルや、何時に会場に移動するなどは秘密にしていたのですが、いざ行ってみたら右翼団体が正確に待ち構えていたんです
ーー議長が予約したホテルの周辺に? どうやって知ったのでしょう
(チェ氏)そうなんです。だから私も不思議に思っています
<2010年11月 東京>
(右翼)ゴラーーーーーーーー!
【2:50】
(前 正義の記憶連帯代表 ユン・ミヒャン)
我々が日本に行くたび、妙なことに特に宣伝をしたわけでもないのに、日本の右翼が先回りして我々を“歓迎”するのです
行事をするためのビルに入ると入り口から右翼たちが大きな拡声器を使って、慰安婦は売春婦だ、嘘だと叫ぶのです。ハルモニたちは日本語がわかるので、彼らが何を言っているのかを知っています。
そんなことが行く先々で起きるのです。彼らはどのようにして知ったのでしょうか?
<2021年1月28日ソウル>
(ナレーション、以下N)この世に永遠の秘密はありません
チャンPD:もしもし
男性:はい、どこにいますか
チャンPD:住宅展示館の間にある駐車場です
男性:そこにいきます
【4:02】
男性:私が必ず伝えるべき内容を、知るべき人たちに知らせるのは当然のことであり、記録を残しておかなければ、歴史に対し罪を犯すことだと思うのです
【4:27】
(元国情院海外公職官 same as 先の男性)私は海外で我が国の敵を相手に海外工作を行った者です
――それを確認できるものがありますか?
(元国情院海外公職官)これは私が勤めていたときにもらった表彰状です
(N)国情院で能力を認められた工作員であった情報提供者。彼は主に日本で対北朝鮮工作を行いながら、同胞の安全と便宜をはかる活動をしてきたという。
(元国情院海外公職官)これは私が日本で一緒に活動していた同志たちと現場で撮ったものです
(N)彼は日本に嫌韓ムードが蔓延した際、同胞たちとともに歴史を正す運動をはじめましたそんな彼が国乗員にいたとき、衝撃的な電話の内容を聞いたといいます
(元国情院海外公職官)
私が大阪での勤務に出る前のことです。「あの女が行くところは下着まで剥がせと言え」と電話口で言っていました。上司が「パンツまでひっくり返せ」と。空港でやれという意味です。日本の空港でそうしろと協力を要請したわけです。非公式的に。
それがユンみヒャン氏だったのです
チェ・ジェイクさんは日本の「竹島の日」に渡日したと言いますが、日本の右翼の立場としては韓国からいつくるのか、どんな経路で回るのか、そういったことを先に知っておけば極右団体も追いかけることができますが、それを国情院が流していたということです
【6:17】
(N)日本の極右が撮影した映像です。チェ・ジェイク氏が日本に到着する前、数十名の極右団体が空港に既に待機しています。入国情報が彼らに流出したのです
右翼:ゴラーーーーーーーー
(N)慰安婦被害者たちが日本に来た時も同じことが繰り返されました
代表的な極右団体の幹部、仙崎氏。彼に情報を渡したのは本当に国情院だったのか。仙崎氏に確認することにしましt
【7:35】
<日本第一党 仙崎玲氏インタビュー映像>
【8:39】
(元国情院職員)
民間で活動する方々が日本に行く情報を(国情院が)日本の公安に渡し、公安はそれを日本の右翼たちに回し、鈴木信行ですか? あのような少女像にテロを行った右翼たちが韓国に入ってきたりもします
日本では我々にそんなことは教えてくれません
国情院の場合は我々が保護すべき国民の情報をあまりにも簡単に日本に渡すものですから
(N)そればかりでなく、国情院は日本の極右団体を韓国で接待したこともあったとか
【9:26】
(元国情院職員)
日本の右翼を接待するのは、本当に心が痛かったことを覚えています
右翼の人が来た場合の儀礼用車両が別にあるんです。高級車が。案内する職員も別にいて、必要であれば専門観光ガイドを付けたりもして。「安保観光」というのですが、非武装地帯や、たとえば戦争記念館や、安保観光に対する要求が一つあったことを覚えていますし、食事もふるまうし、私たちは外部調整、食事調整という仕事もしたし、韓食を拒否感なく食べられる人は韓国食の食堂に行くし、とある人が「韓食はあまり」と言えば彼らの趣向まで汲んで……
――日本の極右を国家情報機関が支援した?
(国情院)
支援しましたね
我々が支援をしてきた日本の右翼が桜井よしこを中心に結集した
それが国家基本問題研究所です
(スタジオ)
チョン・ジョンファンPD(右):桜井よしこ。聞き慣れない名前ですが、この人です
彼女が中心になって作られたという右翼団体が国家基本問題研究所です
ソ・ジョンムンPD(左):私も国基研という言葉は初めて聞きますが、調べてみたら、日本の新聞記事を一つ発見しました。ここで、韓国人たちに賞を与えるという内容がありました。表彰式の当日、受賞者を尋ねてみました
【11:14】
<2021年7月13日>
(N)表彰式の当日。コロナで日本に行く代わりに、映像で受賞したという彼らを訪ねました。表彰式を終えた直後でした
チャンPD:本当に先ほど賞をもらったんですよね?
男性:はい、そうです。
チャンPD:どのようにしてもらったんですか?
男性:オンラインで朗読して画像通話で表彰式をして次に賞金、商品、そして賞状などは別送すると
チャンPD:別途送ると?
男性:郵便で配達してくれるとのことです
【11:59】
――どんな内容の賞かお伺いしたいのですが
(落星垈経済研究所 研究委員イ・ウヨン)
日本の慰安婦問題や徴用工問題に対する多くの研究があるにも関わらず、韓国ではそれらがいわゆる右翼であるという理由で紹介できなかったということです
その本をファン代表(後出)と私が紹介し、国家基本問題研究所側では、そんな意味で特別賞を我々にくれたのです
(N)国基研で発行した徴用工と慰安婦の本を翻訳出版した功労で受賞したとのことです
事実上、極右団体が主張することはこの本で書かれている論理でした
(イ)
「強制連行」の根拠が何かといえば、ただ一つあります
今生存されている方、もしくは亡くなられた方の「私は強制連行された、引っ張られていった」という主張が唯一の根拠ですよね?
しかしその方々の証言にはたして一貫性はあるのか?といえば、そうではありません
【13:01】
(メディアウォッチ代表 ファン・イウォン)
私は現在のいわゆる売春婦と、当時の「慰安婦」に何の違いもないと考えています
貧困こそが加害です。今の文在寅政権が「강남오피녀(※「江南の風俗女子」のような意味)」に責任を取れないでしょう?
<2021年7月14日 1500回目水曜集会>
(N)日本の極右と全く同じ主張をする彼らは、少女像撤去を訴え、水曜集会反対デモも毎週行っていました
(ファン)桜井よしこ理事長が今日、直接授与してくれて、あと、なんですか、パイロットの万年筆? パイロットじゃない?
(イ)なんていうんだっけ? 最高の万年筆だと言ってたね
(ファン)そうそう。良い万年筆だと言ってました
それと、あと賞金は合計で1万ドル(約1200万ウォン)
【13:50】
<第7回 日本研究賞>
(N)この日、賞金と1万ドルの賞金を桜井理事長から授与されたことよりも、彼らをもっと感動させたイベントがあったと言います
(イ)今の理事長である桜井よしこさんは日本でも有名な言論人ではないですか? 彼女は非常に顔が広く、能力も高いので、たとえば今日の表彰式でも重要なことがあったよね?
私とファン代表が受賞したことに対し、日本の「菅総理」と「文部科学大臣」の二人が我々に祝電を送ったのです
(ファン)私も驚きました
(N)菅総理が直接、二人に祝電を送ってきたということ
菅総理との格別な仲を誇るという桜井理事長。安倍総理とも親しく、自身の個人チャンネル撮影を首相官邸で行ったこともあります
日本極右のマドンナと呼ばれる桜井よしこ。安倍総理は彼女のチャンネルにしばしば登場しています
【15:35】
(恵泉女学院大学教授 イ・ヨンチェ)
桜井よしこはある意味、日本の民間団体、そして右翼政治家、研究者、ここらへんを全てまとめあげる一つの中心的人物と見ることができます
そして彼らが安倍を総理にするために桜井よしこをして政略的に安倍総理を継続してインタビューし、メディアで育ててきたというわけです
いわば安倍総理の守護神と見るべきでしょう
(N)安倍総理が危機に陥るたびに表に出たのも彼女でした
しかし、国基研と桜井理事長の影響力がここまで大きくなった背景には、韓国の国情院があると言います
【16:53】
(元国情院職員)
もともと国情院の支援を受けた人々が作った団体ですよ
日本で報道、記事掲載、放送への出演をする、そのためには素材(ネタ)が必要でしょう
その素材に該当する部分を国情院でたくさん支援したんです
代表的なのが金賢姫に関連したいろんな部分の取材やネタを多く提供しましたし
(N)2000年代、拉致問題に日本が沸いた時、国情院は国基研と金賢姫などの脱北者を繋げたといいます
おかげで、国基研の人々が日本社会で名が知られるようになりました
代表的な人物が西岡力です。彼は現在、国基研の企画委員として、桜井理事長と団体を率いています
慰安婦と徴用工についての歴史歪曲本を書いた張本人でもある西岡氏。彼は韓国でも活発に活動してきました
【18:00】
(韓国語を話す西岡氏)
ありがとうございます。日本から来ました。金正恩将軍によって犠牲になっている人々はまず、北朝鮮の住民たちでしょう。全世界12カ国で金正恩が拉致をしました。
【18:25】
(N)当時、国情院を通じて、日本の人士を紹介されたという脱北者に会いました
(脱北団体関係者)
高位層の脱北者の大部分は国情院に所属しています
日本に初めて行く時には一緒に行ったし、2回目に行ったときは現地で案内してくれたし、全て面倒みてくれるんですよ。場所、費用まで全部
紹介だけしてあげれば、日本に行って会ってインタビューするだけ
――彼らが気にして、欲しがっている情報とはどんな内容なんでしょう?
(脱北団体関係者)
日本人拉致被害者。北朝鮮が誰をさらい、誰をさらわなかったのかよくわかっていないんです。だから、情報に対する憂慮があまりに大きいんでしょう。それが選挙にも大きく影響しますから
(N)では、国情院はなぜ当時、日本人拉致被害者の情報を与えたのだろうか。元国情院幹部に聞きました
(元国情院幹部)
(日本の極右を)連れてきて、韓国政府のために北朝鮮政府に圧力を与えられるという認識と情報を与え、日本でそのように活動する事業をさせたのです
今でこそ彼らは極右勢力となっていますが、当時は「親しい人物」
――「親しい人物」?
(元国情院幹部)
それがあの西岡。西岡力がその中心勢力の裏で金を握って資金をもらって……
(N)さらに国情院は彼らを庁舎内部に招待し接待したとも言います
(元国情院職員)
我々が国情館と呼んでいる、国情院庁舎の中にある場所です。そこに訪れて、北朝鮮情勢のブリーフィングを受けていたのを覚えています
(N)国基研のメンバーたちに、北朝鮮情報に関するブリーフィングを行ったという国情院。
(元国情院職員)
全世界で北朝鮮問題について総合的かつ深度ある情報と政策分析力を持つのは我々しかいないので、最高の接待は北朝鮮情勢に関するブリーフィングを提供することでした
これがなぜ重要かというと、ブリーフィングに入っている内容は国家情報院が入手した資料だけではないからです
北朝鮮と関連している軍、警察、すべての情報活動を行う国家組織が入手した情報を縮約して最も核心的な内容を選別し、圧縮した内容をブリーフィングするのです
そうするうち、日本の右翼社会では別格の勢力に成長することができたのです
(N)国情院のおかげで日本社会で別格の右翼団体として急浮上することができた国基研。しかし、この後の彼らの歩みは国情院が期待した親韓勢力ではなかったのです
歴史歪曲の先鋒として台頭しはじめたのです
【21:50】
(N)彼らは、日本の良心的知識人に対する攻撃も躊躇なく行いました
週刊金曜日の代表、植村隆氏も彼らによって受難しました
彼は金学順氏の記事を通じて、慰安婦の実態を日本に初めて知らしめました
中学生の娘は殺人脅迫まで受けました
桜井理事長と西岡氏を提訴した植村氏
【24:15】
(N)桜井理事長が毎週金曜日に個人チャンネルを行う場所です
このチャンネルの常連である西岡氏に負けず劣らず、しばしば出演するもう一人の人物
客員研究員のホン・ヒョン氏もまた、国基研の中心メンバーです
【25:26】
(N)ホン・ヒョンとは一体、どのような人物なのか
取材を深めていくうちに、彼の驚くべき経歴を発見しました
「陸士26期出身で、国情院に長く勤めた」
これは事実でしょうか
【25:43】
(国情院専門記者 キム・ダン)
知りうるところでは、北朝鮮出身で陸軍士官学校を卒業し、当時の中央情報部正規10期で入舎し、主に海外パート、中でも日本で勤務、活動したことにより保守的な傾向を持たざるを得ない環境にある人だと思います
【26:00】
(N)先の元国情院幹部も彼の名を記憶していました
(国情院元幹部)
ホン・ヒョン氏を知らなければ、海外で勤務する国情院職員とは言えないでしょう
背も低く、ベトナム戦争にも行った、強硬な反共産主義者です
北朝鮮潰しの最先鋒だった人です
今は自身の信念でそうしているのか、もしくは日本の極右が経済的支援をしているのかわかりませんが、とても理解できない論調で話しますね
【26:36】
(N)国情院から派遣され駐日大使館公使としても活動したというホン氏。彼が持つ外交官としての肩書きと北朝鮮関連情報は国基研が彼を迎え入れる背景になったとみられます
【26:53】
(元国情院職員)
国情院を退職し日本の右翼団体に入っている陸士出身国情院の先輩に工作資金を与え、その工作資金で(彼は)活動を始めたのです
――それはどの程度の額だと思いますか?
(元国情院職員)
工作金は二種類あります
月給のように個人に支給されるものと、工作事業費がありました
本人におそらく毎月数百万ウォンの基本給に該当する金が出たし、工作事業費はとてつもなく多い額が出たと記憶しています
【27:23】
(国情院元幹部)
口座振り込みは絶対ありません、全て現金です
通常、このように密室で会います そして夕食を食べ、封筒をあげて事業方向を話し、「こんなふうにやってください」と言えばそのようにやってくれる
そして、その結果をソウルに報告するのです
(N)
退職したホン氏に国情院が工作金まで与えて任せた仕事は、2012年の大統領選における世論操作だったといいます
在外同胞にも投票権が与えられた初の大統領選。ホン氏と国基研はビデオや各種講演で左派批判を行い、保守政権復活のための宣伝を繰り広げました
【29:03】
(N)それでは国情院と国基研が手を結んだ理由は何か
(イ教授)
まず一つは北朝鮮脅威論に相対することと、二つ目は韓国ないで進歩政権が持続することに抗うためでしょう
韓国が徐々に進歩政権となり南北平和共存をするようになれば、日本の保守右翼政権は北朝鮮脅威論の中で危機論をもって政治を行ってきたのに、日本の場合は自民党、保守の根が揺らぐことになるからでしょう
【29:35】
(N)同じ目標に向かって走ってきたように見える国情院と国基研。彼らの橋渡しをしてきたことが疑われるホン氏。彼に事実確認をしてみました
数回の訪問の末、ようやく彼と繋がることができました
ホン:もしもし
PD:もしもし、ホン主幹ですか?
ホン:はい、ホン・ヒョンです
PD:こんにちは。MBCのチャン・ホギPDと申します
ホン:はい
PD:主幹、当時国情院から支援を受けたというタレコミがありまして
ホン:国情院から何の支援を得たと?
PD:当時、主幹の書かれた記事や講演の内容など
ホン:そんなものはありません。誰がそんなことを言ったのか知りませんが、我々が、いやどうしてメディアが国情院の支援を受けるんですか? すみません、他の電話がかかってきているので切ります
PD:国情院とは全く関係はないのですか?
(電話切れる)
【30:41】
(N)国基研の桜井理事長にも数回にわたりインタビューの申し込みをしました
彼女が生放送をしているという情報を入手し、その放送局に向かいました
はたして、桜井理事長に会えるでしょうか?
待ち続けた末、生放送を終えて出てくる桜井理事長を直撃しました
彼女からは何の返答も得られませんでした
end.
(後半に続く)