ソ連時代、検閲で多くの出版物が出版禁止となっていました。しかし保存はされているわけで、こっそり回し読みです。そんな中、社会体制の見直しを図るペレストロイカが始まりました。それまで禁じられていた出版物が世に出るようになり、そのときにささやかれていたのがこの言葉、「Рукопись не рорят (原稿は燃えない)」。
この名残は今でも残っているようで、比較的最近出版されたものでもその中身をインターネットで自由に読めることがあります。
例えば Светлана Алексиевичの<<У войны не женское лицо>>。初版は1985年ですが、すでにインターネットで読めます。邦題は「戦争は女の顔をしていない」群像社
この本の内容が、これまでの「第二次世界大戦 (大祖国戦争) の輝かしい勝利」という概念から大きく外れているため、なかなか出版されずにいました。ソ連は参戦国として唯一、女の人が男の人と全く同じように従軍し、戦っていました。これはそのインタビュー集です。
・銃弾の飛び交う中、女の人が戦車からがっちりした体格のロシア兵士を引っ張り上げる
・女の子たちの銃剣の持ち方はお人形を抱いているみたいだった
・戦場の恋
・銃剣に花を飾って上官に叱責
・従軍中でも美への憧れは断てなかった
・今でも憶えている軍学校の口頭試験「工兵 (地雷など爆弾処理をする人) は人生で何度間違えるか」「一度だけです」「よくできた。合格だ」
など。。。
余談ですが、高校の古典先生が「古典を読みなさい。今まで残っているのは日本人が戦や天災で命に危険がある時に、脈々と本と一緒に逃げて守り続けてくれたおかげだ。つまり、自分の命と同等以上に見ていた人たちがたくさんいたんだ」と言っていました。本当に、原稿は燃えない ヾ(*'∀`*)ノ
"Рукопись не горят" の出典はブルガーコフ作「巨匠とマルガリータ」
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