東日本大震災

2012年10月09日

社運を賭ける<大船渡の理研食品>

大船渡で壊滅的な被害を受けた理研食品
多くの方には「ふえるわかめちゃん」でお馴染みの、
理研大船渡工場のグループリーダーの村上諭(さとし)さんが
先月、私にこんなことを言っていた。

「うめぇワカメがあっから、今度食べさせてやっから」

理研の大船渡にあった大きな工場は火事で全焼、
もうひとつあった工場は津波が屋根をこえる被害、
大船渡の町そのものも壊滅的な被害を受けた中で、
震災から1年が経過した今年の春、
なんとか残った工場を修理し、
ワカメを出荷している現場を見ながら、このような現状の中で、
人間とは、なんと力強い行動を起こせるのだろうと思わされた。

船から水揚げされるワカメを釜茹でし、
「いま頑張らなっきゃな」と、
顔にふりかかった塩を拭って話してくれた女性作業員の姿を、
私は強く強く覚えている。

そんな今年の春の印象がある中で、
夏に「うめぇ」ワカメと言われても、
正直に言えば、私はピンと来ない。

ワカメと言えば、収穫は3月から4月。
勿論一番美味しいものは、とれたての新鮮なもの。
それ以外の時期には、いわゆる「塩蔵ワカメ」と呼ばれるもの
或いは乾燥したものくらいしか、私は知らない。

収穫したばかりのワカメを茹でて食べた事のある私としては、
それ以上に美味しいワカメなど存在しないと思っていたのだが、
諭さんがこれだと出した「うめぇワカメ」は「冷凍ワカメ」だった。
正直「拍子抜け」をした。

ところが諭さんは私に言った。
「これは社運を賭けて作ったワカメなんだ」と。

話を聞けば、10年前から商品開発に取り組み、
やっとこれからという矢先に震災。

理研の工場は大船渡のみならず、他県の工場も全て被災。
ワカメの生産者も全て被災。
船もない、加工する工場もない、ワカメが収穫出来るかもわからない。

その中で、生産者は収穫のために惜しみない努力を重ね、
生産者が加工する場を失ったのなら、理研がそれを請け負うなど、
生産者も、それを買い入れる企業側も、互いを思いやった結果が、
「社運を賭けた」ワカメが「今年」の販売に漕ぎ着けたのだと思う。

そしてその「社運を賭けた『冷凍』」のワカメの味だが、
今まで食べたどのワカメよりも「旬」の味と食感に近いと私は感じた。

とれたての「旬」のワカメというのは、「シャキ」っとしている。
というのが私の印象だ。

このシャキシャキとしたワカメが、一番美味しいと思っても、
ワカメの地元に春に行って食べる以外に、その術はない。

ところが諭さんが食べさせてくれた
社運を賭けたワカメには「それ」があった。

「とれたてのワカメをボイルし、それをそのまま瞬間冷凍し、
とれたての味そのままの状態で保つ技術を理研が開発したんだ」

諭さんは揺るぎない目つきで、私にそう言った。

「社運を賭ける」という事は、つまりそういう事なのだろう。
現在はまだ「業務用」の販売しか出来ていないのが現状と言うことだが、
レストランなどで使用している店舗も幾つかあり、そのひとつである
焼き肉の叙々苑でなら、そのシャキシャキ感を味わえるとのこと。

状況が整い次第、一般消費者へ向けての販売を進めるとの事だが、
諭さんの思いを直接伝えたいと思った私は、
RadioNaGaにご出演いただこうと思い、先週電話でご出演いただいた。

諭さんの生の声を聞いてみたいと思う方は、
是非、こちらをお聞きいただけたらと思う。

理研がどんな状況から「社運を賭けた商品」を販売するまでに至ったか。
この動画を見ていただければ、理研の工場が、大船渡の町が、
震災当時どんな状況だったかが一目瞭然だと思う。


被災された多くの企業の復活を願い、
私は現地で聞いた一つでも多くの思いを、
この場所を通じて応援したいと思っている。





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2012年10月05日

ピアファームに届いた「想い」のカタチ

先日、福井県あわら市のNPO法人ピアファームさんから、
昨年に引き続き、広田町に素敵な贈り物が届いたばかりだが、
今度はピアファームのみんなに素敵な贈り物が届けられた。

「福井ではサンマは獲れないべ。
 だったら、あの子たちに美味いサンマを腹いっぱい食べさせたい」

昨年、従兄弟の初男はピアファームさんから山のように届いた
梨とさつまいものお礼がしたいと、
壊滅的な被害を受けた大船渡漁港の片隅で水揚げされたばかりのサンマを、
みんなに届けていた。

それが今年も、「お礼はサンマにするべ」と、
昨年に引き続き、福井のみんなの元へ届けられた。

初男の話によれば、これは「大船渡のサンマ」と、言うことは...
ひょっとすると金色のサンマが入っていたかも知れない。
サンマ

焼きたてのサンマを一人一人が手に取って写っているこの写真、
想いが伝わるとても素敵な写真だと思う。

この写真を初男が見たら喜ぶだろうなぁ。

人と人とが繋がることって、つまりこういう事なんだと思う。
モノとモノとが無機質に行き交うのではなく、
相手を思いやる心と心が互いに繋がってくこの感じ。

こういう事が、ひとりとひとり、企業と企業、町と町、県と県、国と国...
そんなふうにして広がってくれればいいのに...

この期に及んで、まだ平気な顔で秘密会やるような
どうしようもない現実は山積しているけれど、
ズルイ人間たちが天下を取るような世の中にあっては、
私の言っている事など、ただの戯れ言なのかも知れない。

けれど...

ただの戯れ言のように思われようが、
私はそれを「本気で言い続ける」オトコである。



BlogPaint

インテリアファクトリー・ソレイユ Presents

「 長野泰昌のフォークソングShow ! 」

日時:2012年10月7日(日)
場所:インテリアファクトリー・ソレイユ特設会場
東京都目黒区自由が丘2-16-22陽輪台自由が丘マンション1F
時間:午後1時〜 と 午後3時〜 の2回公演
入場無料


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2012年10月01日

広田に届く「想い」のカタチ

先週金曜日、福井県あわら市のNPO法人ピアファームの皆さんが、
今年も広田町に想いを込めた素敵な贈り物を届けてくれた。
ピアファームさつまいも


お送り頂いた「さつまいも200キロ」は、
広田小学校の仮設住宅と水産高校の仮設住宅を中心に届けられ、
受け取った皆さんに大変喜ばれたという。

従兄弟の初男から送られてきた写真。
IMG_1406


「今年も」と書いたのは、
昨年もピアファームさんには梨とさつまいもを送って頂いた。

体に障害を持つ私たちは被災地に支援に行くことは敵わないけれど、
農業を生業とする私たちに出来る精一杯の支援をしようと思い、
今年(2011年)はメンバー全員で、いつもより多く作付けをし、
例年より多く収穫できるので、その梨とさつまいもを広田に届けて欲しいと
ピアファーム所長の林さんから連絡をいただき、
その「想い」は、「カタチ」として届けられた。

梨を10ケースと、さつまいもを200キロ。
大変な数だ。

障害をもちながらも、笑顔を決して忘れることなく、
自分達の「想い」をカタチにして東北に届けようと、
生業である農業にひたむきに向かう彼らの優しさが、
広田の人達の心をどんなに温かく包んでくれたことだろう。

ピアファームのみんなは、自らの力で生活の基盤を築こうと、
除草剤も使わずに雑草を手作業で除去し、畑に大きな愛情を注ぎながら
月給4万円を目標に農作業に励んでいるが、その挑戦は現在も続いている。

2009年の春に彼らと出会い、そのひた向きさに胸を打たれ、
夢の果実 〜So Sweet〜という曲を届け、それが架け橋となり、
2012年の今年も地元の皆さんの多大なる協力のもと、
4回目の夢の果実コンサートが開催された。

そのステージで、どうしても私は梨とさつまいもを届けてくれた
ピアファームのみんなへの感謝の想いを届けたくて、
サプライズメッセージとして、
広田で撮影してきたこの映像をステージで流しました。



ピアファームの皆さん、
今年も本当にありがとうございます!

広田町のことをずっと気にかけていてくださったこと、
心から嬉しく思ってます。

本当に、本当にありがとう。

みんなのこと、いつも思ってるよ。
みんなのこと、いつも応援してるよ。




ピアファームのみんなが目標に掲げている月給4万円を達成するためには、
育てた農産物が売れることで、その目標が現実のものとなります。

言葉が上手く書けず、誤解を与える表現にならないことを祈るけれど、
「障害を抱える彼らが育てた」ということを売りに
農産物を販売することは、1度は出来るだろう。

私はそれを売りに、彼らを応援するなんてまっぴらご免だし、
そんなことをしたら、彼らに合わす顔がなくなる。

障害を抱えていることは事実だけれど、
その彼らが丹誠込めて育てた梨や、さつまいもや、ぶどうが、
心の底から本当に美味しいと思うから、
それを言いたくて、誰かに伝えたくて、たまらなくなる。
応援したくなる。

その美味しさには「訳」がある。
「除草剤」を使わずと書いたが、
それを除去するための労力たるや、ハンパなものではない。

つまりそういった一つ一つの丁寧な積み重ねによって収穫されるものが、
ピアファームの「夢の果実」と呼ばれる農産物なのだ。

是非一度手に取って食べてみてください。
こちらから購入出来ます。

あいつはウソつきじゃないんだってこと、
ピアファームのみんなが「味」で証明してくれる筈です。


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2012年09月26日

スーパー戦隊オカマン見参! Part 4

某氏がこの日のために持ち込んだカラオケセットを武器に、
オカマン・ママが熱唱する、中森明菜のDESIRE。

広田にひとつでも多くの笑顔を届けにきたオカマンたちが、
ただ、カラオケを歌うハズがない。

「まっさかさまに堕ちてdesire」と歌えば、
「堕ちたらこうなる水商売」と、合いの手が入り、

「星のかけらをつかめdesire」と歌えば、
「つかんだチ○コは離さない」ときた。

これには大人も子供も大爆笑!

「子供が真似したらどうするんだ」と、
腹を抱えた大人たちが言ったところで、もう遅い。
子供といういきものは、面白いことには敏感に反応するものだ。
CIMG1754

私が子供だったら、絶対に口ずさんでいるだろう。
つかんだぁ〜 チン...

部屋中が爆笑の渦と化した。
あっちでも、こっちでも、みんなみんな大笑いしている。
CIMG1750 のコピー


その笑いの中心から、次々飛び出す芸の数々、
オカマン・ママは、地元の旬の食材すらも笑いに変えてしまう。

オマタニ・トーーーーーガン!
IMG_1389


次々と繰り広げられる、ショーの数々...

「セーラー服を脱がさないで」のイントロが鳴り出せば、
オカマン・セーラーがズラを被りセーラー服をまとって踊りだし、

「野に咲く花のよぉ〜お〜にぃ〜」と、ママが歌えば、
オカマン・画伯が、緑色の傘を差しながら登場。
IMG_1404

おにぎりとスケッチブックをリュックから取り出し、
ちぎり絵で花火でも描いてくれるのかと思えば、
漁師に「すき、LOVE」と書きなぐり、
「あ、あ、あ、愛してるんだな」と言って手渡した。

オカマンが、笑いの神に見えた。
IMG_1380

あの日から、広田でこんなに笑ってるひとたちを見たことがない。

この日ばかりは、裏方に徹する広田の女性たちも、
「写真撮って、撮って!」と、おおはしゃぎ。

「あんたたち、セクシーな写真を撮るときは少しだけ口を開けるのよ!」と
ママに指導されながら撮った1枚もアップせねばなるまい。
IMG_1381


一夜の宴が終わった。
オカマンは、「ホントに私たちが行っても大丈夫かしら」と、
広田に来る前から、ずっとずっと心配していた。

震災から一年半が経過した陸前高田の現状を目の当たりにして絶句して、
オカマンは涙していた。

私たちはオカマだからと、普段お店でもしない女装をして、
広田の人々に笑いを届けてくれた。

オカマンが、どれほど被災地を思ってくれているのかを、
私は少しだけ知っている。

六本木のお店に突然行ったとき、
従業員のみんなが浜のミサンガ「環」を腕にしてたのを知ってる。
お客さんのボトルにミサンガを巻いて宣伝してくれてたのも知ってる。

そしてこうやって広田にも来てくれた。
腹筋が痛くなるほど笑いを届けてくれた。

翌日、漁師達がオカマンを見送りに来てくれた。
「ゆうべはほんとに楽しかった。また来てくれよな、ありがとな!」と、
がっちり握手を交わしていた。

被災地に通っていると、ふと気付くことがある。
ひたすら本気で支援活動をしている人と顔見知りになり、
腹を割って話をしたりすると、
どこかしら過去に深く傷ついた経験のある人が少なくない。
オカマンも、きっとそういう経験の持ち主なんだと思う。

駆け引き無しの愛を心から誰かに持ち寄れる人って美しい。

スーパー戦隊オカマンのみんなに心から感謝します。
広田に来てくれて本当にありがとう!

また一緒に行こうね!

この企画の全てを取り仕切ってくれた某氏に心から感謝します。
本当にありがとうございました!

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2012年09月24日

スーパー戦隊オカマン見参! Part 3

オカマンたちの、本領発揮の日がやってきた。

まずは先月かき氷でお世話になった
泊の船砥さんのお店
Smile Banya「環」に向かった。

お店に行くと、船砥さんの姿がなく、
聞けば、ボランティアに来ている学生さんを引率しているとのこと、
ならばその場所まで行ってみようと、車を港へ走らせた。

トンネルを抜けた先に、船砥さんが手を振っていた。
「こっち、こっち」と呼ばれた先には、
学生さんが50人... いやもっといただろうか。
ホタテの養殖のお手伝いをしている学生さんたちは、
地べたに座りながら、お弁当を食べていた。

車を降りるときの「内股さばき」をじーっと見ていたのだろう、
お弁当をつついている箸がとまり、一同「ガン見」
「オカマンです」と自己紹介しなくとも、気付かれてしまった。

最初は他人行儀な柔らかなオネェ言葉で、
学生さんたちに語りかけていたオカマンたちも、
段々その場の空気を掴んできたのか、
じわりじわりと、オネェ言葉の口調が日常を取り戻し、
しまいには車座に座っている女子学生たちに向かって、

「ブスーーッ!あなたたち頑張るのよーーーっ!」と、
言われた女子学生たちはキャーキャー大喜びしていたあの姿を、
私はとても微笑ましく感じた。

悲しいことがたくさんあったこの場所だから、
大変なことがいまも山積してるこの場所だから、
互いが笑顔になれるような冗談混じりのコミュニケーションが、
もっともっと出来ればいいなって思う。

私たちの昼食は高田の仙果園
某氏が「ここのみそバターコーンラーメンが美味いんだ」と
一度連れて来てもらってからというもの、すっかりファンになってしまい、
私は高田に来ると、必ずこれを食べているのではないだろうか。

こんにちは!と、お店のドアを開けると、
偶然、政治の先生がお店で食事をされていた。

「お久しぶりです」と頭を下げると、
私に気付いた先生は、食事もそのまま
「ご苦労さま、今日も東京からか?」と、こちらに来たのだが、
私の後ろに連なるオカマンたちが、

「お知り合いの方?どぅもぉーっ」と、
次々におねぇ丸出しの挨拶を三連発かまし、
先生の目が、たちまち3.1415926535...と、
まんまるになっていくさまが、おかしくておかしくてたまらなかった。

国を動かす立派な先生とのコミュニケーション、
辛い、悲しいなんて言葉では言い尽くせない思いを背負った先生にだって、
笑顔を忘れないでほしいって思う。
笑顔になれる町を、責任ある立場から一緒につくってほしいって思う。

どんなときだって、なにがあったって、
最後の最後で笑顔になりたいって思う。

太陽が西へ傾きだした。
「広田にひとつでも多くの笑顔を」をコンセプトに、
オカマンたちの怒濤のステージがはじまる。

つづく...



P.S.

昨日放送された明日へ−支えあおう−復興サポート▽漁業から町は生まれ変わる〜陸前高田市広田町2をご覧いただきましたでしょうか?

メッセージを送って頂きました皆様、
とても心強い思いでいっぱいです!

ありがとうございました!

都内で広田の魚を食べられる店を教えてくださいとの
問い合わせがありましたが、

NHKに出ていた四十八漁場品川店
どんこを料理されていた板長がいらっしゃる日本橋 墨之栄など、
(どちらも私自身が行きました)
天候に左右される漁があっての事ですので、
必ず毎日という事ではありませんが食べられます。

apカンパニーさんが展開する
都内各所の店舗で広田の魚を食す事が可能ですが、
私もどこのお店が扱っているのかを把握していないため、
詳しくは直接お店にお問い合わせ頂けばと思います。




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2012年09月23日

広田町がNHKで放送されます。

スーパー戦隊オカマン見参! Part 3へ行く前に、
本日10:35分、NHK総合にチャンネルを合わせてください。

9月23日(日)

午前10:35分〜11:23分 NHK総合
以前放送された広田町の漁業についてのその後の番組
明日へ−支えあおう−復興サポート▽漁業から町は生まれ変わる〜陸前高田市広田町2が放送されます。

APカンパニーさんと広田の漁師の皆さんとの繋がり
きっと放送されるんだと思います。

ひとりでも多くの人に、
広田の「今」を知ってほしいと、
願ってます!祈ってます!思ってます!

是非ご覧ください。

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2012年09月21日

スーパー戦隊オカマン見参! Part 2

あの日から1年半が経過した陸前高田...

この場所から見える情報だけでは伝わらない、
ありのままの被災地を見たオカマンたちは、
ウソ?と言ったきり口を閉ざしたまま、
じっと見つめている瞳が充血していくのを私は黙って見ていた。

車は宿泊先である広田の民宿志田へと向かった。

「よくきたな!」と、
笑顔で迎えてくれた民宿志田の主、修一さんとの再会、
オカマンたちは、少し照れた表情を浮かべながら、
握手を交わした。

再会を祝して、夕方から根岬の浜でバーベキューが始まった。
青松島上空が茜色に染まると、
ひとり、またひとりと浜にやってくるのだが、
そこは元来シャイな広田っ子、
いきなりハーイ!などとは決して言わない。

オカマンたちを遠巻きにしながら徐々に徐々にと距離を縮め、
いつの間にやら、オカマン達の爆笑の渦と化す匠の話術に、
こわばっていた表情は、たちまち溢れんばかりの笑顔に変わった。

そこにひょこっとやってきた、好奇心旺盛な若者三人組、
初男の息子のシュンタとその友達だった。

血が繋がっている私が言うのも変な話だが、
シュンタは、なかなかのイケメンだ。

そのイケメンを見て、オカマンたちが黙っている筈がない。
オカマンたちのミエナイ糸で紡いだ包囲網は、
徐々に徐々に狭まり、シュンタへと迫っていった。

近づけば近づくほど引きつるシュンタの顔、
彼女はいるの?どこに住んでるの?
質問されればされるほど、えっ... いやっ... あのっ... と、
言葉を詰まらせるシュンタを見ながら、

「見ろアイツの顔!あーーっはっはーー」と、
誰よりも大笑いしていたのは、なにをかくそうシュンタの両親だ。

そこに更に追い打ちをかけるかのように、
「シュンタの家は、ここの浜をずーーっと真っすぐ行って」と、
家に行く道のりを丁寧に教えようとする私に、

「泰昌兄ちゃん、ちょっと、ちょっとーーーっ!」と、
顔の硬直が更なる動揺をさそい、それを見ていた私も、
シュンタの両親とともに、涙を流しながら大笑いした。

オカマンたちに家を教えたくらいで、どうなるわけでもあるまいし、
そんなシュンタの純粋なハートが、
オカマンたちの心に更なる熱を注いでいる事を彼は知らない。

楽しいバーベキューはあっという間に終わってしまった。
徹夜明けのオカマン達を気遣い、浜からは早い時間で切り上げた。

明日もあることだし、今日はこのへんでと解散したのだが、
ちょっと飲み足りなかった私は、
初男の嫁・弘子さんとシュンタの3人で家飲みをしていた。

ザクッ・ザクッ・ザクッっと、誰かがやってくる足音、
ガラス戸を見ると、そこに某氏とオカマン・セーラーがいるではないか、

開口一番「来たわよ」と、声を掛けられたシュンタは、
なにを動揺したのか、いきなり鏡を取り出し、
せっせと、せっせと、まゆ毛を抜き出した。

その慌てふためいたワケのわからない行動に、
みんな、ひっくり返って大笑いした。

何故か動揺しているシュンタまでもが、
ヘヘッ、ヘヘッっと笑う素振りを見せた。

「引きつった顔をしながら笑うんじゃない」という私のツッコミに、
「だって、だって、泰昌兄ちゃんが家を教えっから...」と、
シュンタの心は広田の海のような美しさをのぞかせた。


つづく...


P.S.

私のなかよし日本舞踊家の大木麻梨子さん
(広田の漁師の皆さんが「岸由」で会った「あの先生」)が、
今夜NHK Eテレのグラン・ジュテ〜私が跳んだ日に出演されます。

放送時間は、本日22日土曜午後10:25分〜
再放送は火曜午前10:30分〜

麻梨子さん曰く、
いままで公の場所ではあまり口にはしなかった気持ちに
焦点があてられているとのこと。

照れ屋の麻梨子さんのそんな部分を見てしまったら...
ほれてまうやろぉ〜〜〜っ!




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2012年09月20日

スーパー戦隊オカマン見参!

人々に愛と笑いを届けるスーパー戦隊、

オカマン・ママ
オカマン・セーラー
オカマン・画伯の面々が、
先日の3連休、広田を訪れた。

オカマンたちとの出会いを話せば、今年6月に遡る。
広田の漁師達が東京に訪れた時のことを覚えているだろうか?

あのとき、東京へは商談に来ていたのだが、
いつもお世話になっている広田の方々にもっと笑ってほしいとの思いから、
某氏が商談のあと、六本木のとある場所に案内してくれた。

そこは「オカマバー」
広田で生活している方々にとっては、
テレビや本でしか見たことのないその場所で、
漁師達は、涙を流しながら大笑いさせられた。

ある者は、入れ歯が外れるほど大笑いし、
ある者は、履き慣れない革靴の底が取れるほど大笑いし、
あんなに笑ったのは、震災以降はじめてだと、
東京駅で見送る私に、最後の最後まで言っていた。

不謹慎かも知れないけれど、
ほんのひとときでも笑ってもらえるかも知れないと、
某氏が連れて行ってくれたそのオカマバーは、
漁師達の土産話により、伝説の一夜と化し、
行ってみたいな、会ってみたいな、と、
漁師の奥様方が口にするようになっていた。

そんないきさつがあり、
わたしたちにも、なにか出来ることがあるのならと、
最も忙しい金曜の夜を働き通し、
一睡もせずにオカマンたちは新幹線に飛び乗った。

疲れていたのだろう。
オカマンの面々は、座席に飲み込まれるように、
眠っていた。

こんな事を書いては怒られてしまうが、
オカマン・画伯など、座席から通路に顔がはみ出し、
そのあまりのブサイクな寝顔に、思わず某氏と私は
カメラを構えてしまったほどだった。

本人の美意識を尊重するため、その写真はアップしないが、
例えて言うなら、「荒川の土手」みたいな寝顔だった。

新幹線が一ノ関に到着した。
駅前でレンタカーをチャーターし、
我々は陸前高田へと向った。


つづく...

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2012年09月05日

花は咲く

夕飯を食べながら、なんとなくテレビのスイッチを入れると、
“花は咲く”スペシャル〜一つの歌がつむぐ物語〜
という番組が放映されていた。

今年発表された曲の中で、
一番好きな歌は?と聞かれたら、
私は迷わずNHKの復興支援ソング「花は咲く」と答える。

どれくらい好きかと言えば、
携帯の着信音にするくらい好きな歌である。

あまりに好きなので、
自分でも演奏してみようとギターを手に取ると、
これ、けっこうむつかしい。

それはさておき、

番組の中で、中村雅俊さんが「花」にまつわる
被災地のレポートをしていた。

ふと私は、希望の花いわて3.11の皆さんの姿が頭に浮かんだ。

今年の6月30日だったか、7月1日だったか定かではないが、
「希望の花の皆さんが45号線沿いに花を植える」という連絡を貰い、
陸前高田まで車を走らせた。

陸前高田市内いちばんのメインストリート45号線。
自衛隊が造ってくれた仮設の橋も今はなくなり、
よほどの悪天候でもなければ、通行に問題はなくなっている。

けれどまわりを見渡せば、被災地という姿が、
震災から約1年半が経過したいまもなお、そこに存在する。

けれど、けれど、その風景の中に花が咲いていたら...

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みんなで手分けしながら、
土を起こしては、ひとつひとつ石を拾い集めていると、
「南相馬から来てる人がいるよ」と声をかけられ、
お話をすると、なんと私の親族の知り合いだった。

その方の奥様は、津波で亡くなられた。
そのうえ放射能でなにもかも駄目になってしまった。

それでも遠路はるばる陸前高田まで花を植えるために、
この場所に来てくださった。

地元の方も、そうじゃない方も、
みんな汗まみれになって、
土を起こし、石を拾い集め、花の苗を植えた。

その花壇を先月のお盆にふと見かけたとき、
たくさんの綺麗な花が咲いていた。

ひとりそれを眺めながら、
胸の中にジーンとするものを感じた。

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住民達の多くが行き来する45号線。
キャピタルホテルの付近という限られた場所ではあるけれど、
綺麗な花がたくさん咲いていた。

そこをたまたまよく通る従兄弟の初男が言っていた。

あそこの花壇は本当に綺麗だ。
あの花を見てっと、心が安らぐんだよな。
うちのまわりもあんな綺麗な花が咲いてたらいいなと思うから、
あんだけ咲いてるんだ、こんど何本か引っこ抜いて
うちに持ってくっかな?と、冗談まじりに言っていた。

1本でもあそこの花壇から引っこ抜いてきたら、
ブログに写真入りで載せるからな。と、キビしく注意したが、

初男は言葉にならない大変な思いをしたのを覚えてる。
口にこそ出さないが、それはいまだって続いている。
そういった思いを抱えたままの方々が、被災地にはたくさんいる。

ほんの束の間、
花がその方々の心に僅かな安らぎを与えてくれるなら...
花にはそのチカラがあると信じてる。


希望の花いわて3.11では、
皆様からの支援を募っています。

詳しくは、こちら




今年も開催します「夢の果実コンサート」
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長野泰昌の新曲「檸檬」



陸前高田市広田町応援ソング「希望の太陽」のカップリング
「うみのまち」






























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2012年09月03日

うみのまち配信!

2012年第2弾のニューソングと言いたいところですが...

「希望の太陽」のカップリングとしてCDには収録されていましたが、
ネットにはアップしていませんでした。

日曜日の昨日、夕方で仕事を終えた私は、
うみのまちの映像編集に没頭していた。

制作を終え、ちゃんとアップ出来てるのかな?と、調べていると、
この曲を書き上げた昨年10月の自分の記事を見つけた。

そうそう、この曲は最初「ボツ」にしたんだよなぁ。
でも東北道を運転していたら... なんて事が次々と思い出され、
もうすぐあれから1年が経過するんだなぁ。と、
月日の経過は早いものだと感じている。

うみのまち。

夏が苦手と言いながら、海が大好きで、
海を前にすると、本当の気持ちを聞いてくれるような気がして、
仕事、恋愛、数えきれない挫折感...

何度海に聞いてもらったっけなぁ。

海を愛する全ての人たちに、
この歌が届くようにと願っています。










今年も開催します「夢の果実コンサート」
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長野泰昌の新曲「檸檬」




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