4月に入り桜も咲いたというのに、朝6時半に着いた鈴鹿の武平峠は細かい雪が舞っていた。これから山に登ることが不安になる。



7時、雨乞岳登山口に入る。今回は単独行なので自分のペースで登ることができる。武平峠から雨乞岳のルートは8割方谷あいを登る道であり、小さな川の渡渉を幾度も繰り返す。

尾根道に出ると風が一層強くなった。東雨乞岳に着くころには辺り一面に樹氷が広がっていた。東雨乞岳山頂は強風とガスで視界がない。そのまま直進したところひたすらに下る。東雨乞岳から雨乞岳山頂まで所要15分くらいと聞いていたのでおかしいと気付いた。いったん東雨乞岳まで戻る。あとで調べたところ、この道は三人山を経てクラ谷分岐に戻る下山ルートであった。



無事に山頂へ着いた。

樹氷の向こうに御在所や鎌ケ岳をはじめ鈴鹿の山々が、はるか彼方には伊勢湾が顔をのぞかせている。

一緒に登る人がいないと、この美しい景色と感動を共有できずちょっと寂しい。私は滅多に写真を撮らないのだが、写真を撮りたがる人の気持ちが少しだけ分かる気がした。



すぐに頂上を後にして下山する。谷に入ると標識となる赤いテープだけが頼りなのだが、この山はとにかく道に迷いやすい。GPSを持って行かなかっただけにより慎重に歩いたが、それでもコースに戻るために崖を這い登って泥にまみれたりもした。



凍えるような樹氷の世界から戻ると下界は桜が咲き誇りポカポカ陽気であった。